JP2004193346A - 磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法 - Google Patents

磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法 Download PDF

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Kuniko Kikuta
邦子 菊田
Kenichi Shimura
健一 志村
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Abstract

【課題】磁気メモリの書き込みの際、書き込み電流を低減でき、磁気メモリの消費電力を低減可能な磁気メモリを提供する。
【解決手段】基板10、第1絶縁膜5、複数の第1信号線2、複数のメモリセル1、第1層間絶縁膜6、第2絶縁膜4及び複数の第2信号線3を備える磁気メモリを用いる。第1絶縁膜5は、基板10上に設けられる。第1信号線2は、第1絶縁膜5に埋め込まれ第1方向に延伸する。メモリセル1は、第1信号線2上の第2信号線3と交差する位置に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する。第1層間絶縁膜6は、第1絶縁膜5及び第1信号線2上に、メモリセル1を囲む。第2絶縁膜4は、第1層間絶縁膜6上に設けられる。第2信号線3は、第2絶縁膜10に埋め込まれ、第1方向に垂直な第2方向に延伸する。第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4は、高透磁率磁性材料を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気メモリに関し、特に、磁界を集中させる構造を有する配線を備えた磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性素子として磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory:以下「MRAM」という)の技術が知られている。MRAMは、メモリセルとして磁気トンネル抵抗素子(Tunneling Magneto Resistive element:以下「TMR素子」という)を使用する。このTMR素子について、図16を参照して説明する。
【0003】
図16は、磁気メモリセルに含まれるTMR素子の原理を示した図である。TMR素子120は、反転可能な自発磁化を有するフリー層121と、固定された自発磁化を有するピン層123と、ピン層123とフリー層121との間に介説されたトンネル絶縁膜122とを備える。フリー層121は、その自発磁化の向きが、ピン層123の自発磁化の向きと平行、又は反平行に向くことが可能なように形成される。TMR素子120は、2層の配線、すなわち、ワード線とビット線との間に設けられる。
【0004】
TMR素子120は、フリー層121の自発磁化の向きがピン層123の自発磁化の向きと平行か、反平行かにより、その電気抵抗が変化するため、トンネル絶縁膜122を流れる電流の量が変化する。TMR素子120は、自発磁化の向きが互いに平行である“平行”状態と、互いに反平行である“反平行”状態のいずれか一方に「1」を、他方に「0」を対応付ける。例えば、図16(a)では、自発磁化の向きが反平行であり、TMR素子120の抵抗がR+ΔRとなり、印加電圧が一定であれば、電流の量は小さくなる。この状態に「1」を対応付けている。一方、図16(b)では、自発磁化の向きが平行であり、TMR素子120の抵抗がRとなり、電流の量は大きくなる。この状態に「0」を対応付けている。
なお、ピン層123の磁化の向きは製造時に固定されている。固定は反強磁性体層124を用いて行われることが多い。
【0005】
データをフリー層121に記憶させる場合、ビット線及びワード線に電流を流し磁界を発生させて行う。すなわち、記憶させるデータに応じて、電流の向きにより磁界の向きを制御し、フリー層121の自発磁化の方向を“平行”状態か、“反平行”状態にする。このとき、フリー層121の自発磁化の反転には、所定の磁界が必要なことから、所定の値以上の電流を必要とする。消費電力の観点から、その電流の大きさを減らす技術が望まれている。
【0006】
関連する技術として、配線の周りに高透磁率磁性材を設けてTMR素子への印加磁場を集中させる手段が知られている。
【0007】
そのような例として、特表2002−526909号公報(特許文献1)に、電流密度の小さい磁気抵抗型メモリの技術が開示されている。この技術は、配線の周りに高透磁率磁性材の絶縁材料又は導電性材料を設けている。そして、できるだけ小さなチップ面積で、ビット線路ないしワード線路における電流密度ができるだけ低くなるような磁気抵抗型書き込み/読み出しメモリを提供することを目的としている。
【0008】
図17は、この技術の磁気抵抗型メモリの断面図を示す。(a)は正面からの断面図であり、(b)は側面からの断面図である。この技術の磁気抵抗型メモリは、メモリセルWML、HMLが、ビット線路とワード線路LTO1、LTO2;LTU1、LTU2も含めて、当該メモリセルのラテラル領域LBZでは2つの層A、Eの間に配置されている形式である。そして、当該2つの層A、Eの材料は高い透磁性数を有し、電気絶縁性であり、2つの層の一方はワード線路LTU1、LTU2に、他方はビット線路LTO1、LTO2に接する。また、ビット線路LTO1、LTO2間にラテラルに、大きな透磁性数を有する電気絶縁材料からなる領域Bが付加的に設けられている。更に、メモリセルWML、HML間にラテラルに、大きな透磁性数を有する電気絶縁材料からなる領域Cが付加的に設けられていても良い。加えて、ワード線路LTU1、LTU2間にラテラルに、大きな透磁性数を有する電気絶縁材料からなる領域Dが付加的に設けられていても良い。
この技術では、ビット線路LTO1、LTO2とワード線路LTU1、LTU2との間や、メモリセル間を、すべて大きな透磁性数を有する電気絶縁材料で覆っている。
【0009】
図18は、この技術の磁気抵抗型メモリの他の断面図を示す。(a)は正面からの断面図であり、(b)は側面からの断面図である。この技術の磁気抵抗型メモリは、メモリセルWML、HMLが、ビット線路とワード線路LTO1、LTO2;LTU1、LTU2も含めて、当該メモリセルのラテラル領域LBZでは2つの層F、Hの間に配置されている形式である。そして、当該2つの層F、Hの材料は高い透磁性数を有し、ワード線路LTU1、LTU2及びビット線路LTO1、LTO2を含めたメモリセルの間では、当該メモリセルの領域と2つの層F、Hの少なくとも1つの領域に、透磁性の小さい電気絶縁材料から成る層(G)が設けられている。
この例では、2つの層F、Hの材料として、導電性又は非絶縁性を用いることが可能なように、ビット線路とワード線路LTO1、LTO2;LTU1、LTU2を電気絶縁材料から成る層(G)で覆っている。
【0010】
また、他の例としては、特開2002−110938号公報(特許文献2)や米国第6211090号明細書(特許文献3)に、配線の周りに高透磁率磁性材の導電性材料を設けた配線(以下「ヨーク配線」ともいう)の技術が開示されている。以下、特開2002−110938号公報(特許文献2)の電磁気記憶装置の技術について説明する。この技術は、書き込み時の消費電力が低減された磁気記憶装置を提供することを目的としている。
【0011】
図19は、この技術の磁気記憶装置の斜視図を示す。この技術の磁気記憶装置は、第1の配線115と、第2の配線114と、磁気抵抗効果膜120と、第1の磁性膜118とを具備する。
ここで、第1の配線115と第2の配線114とは相互に交差し、且つ、離間している。磁気抵抗効果膜120は、第1の配線115と第2の配線114とが相互に交差する領域内に位置し、磁化固着層(図12の123に対応)、磁気記録層(図15の121に対応)、及び前記磁気記録層(図15の121に対応)と前記磁化固着層(図15の123に対応)との間に介在する非磁性層(図15の122に対応)を備える。そして、前記磁気記録層(図15の121に対応)は、前記第1の配線115及び第2の配線114のそれぞれに書込電流を流すことにより生じる磁界の方向を第1の方向と前記第1の方向とは逆方向の第2の方向との間で変化させた場合にその磁化の方向を反転させる。また、前記磁化固着層(図15の123に対応)は、前記磁界の方向を前記第1の方向と前記第2の方向との間で変化させた場合にその磁化の方向を実質的に保持する。第1の磁性膜118は、コバルトを含有する高飽和磁化ソフト磁性材料及び金属−非金属ナノグラニュラ膜のいずれか一つを含んでいる。そして、少なくとも前記領域内で前記第1の配線115の前記磁気抵抗効果膜120との対向面の裏面と対向する底部及び前記第1の配線115の両側面とそれぞれ対向する1対の側壁部を形成している。
【0012】
このとき、TMR素子120(磁気抵抗効果膜)上に第1の配線115が設けられている。TMR素子120及び第1の配線115を埋め込むように酸化膜からなる層間絶縁膜(図示されず)が形成されている。導電体の高透磁率磁性膜118(第1の磁性膜)は、TMR素子120と電気的に接続しないように、電気的に分離する必要があるので、高透磁率磁性膜118とTMR素子120との位置合わせを非常に精密に制御することが求められる。この高透磁率磁性膜118が第1の配線115から発生する磁場をTMR素子120へ集中させる。このような高透磁率磁性膜118がその表面に形成された配線を、一般に、ヨーク配線という。
【0013】
【特許文献1】特表2002−526909号公報
【特許文献2】特開2002−110938号公報
【特許文献3】米国第6211090号明細書
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、消費電力を低減することが可能な磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、TMR素子の書き込みに用いる電流の大きさを減らすことが可能な磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、TMR素子の書き込みに用いる電流の大きさを減らしながら、配線幅を維持することが可能な磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、TMR素子の書き込みに用いる電流の大きさを減らしながら、構造、プロセスをより簡単に出来る磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0019】
従って、上記課題を解決するために、本発明の磁気メモリは、基板(10)と、第1絶縁膜(5)と、複数の第1信号線(2)と、複数のメモリセル(1)と、第1層間絶縁膜(6)と、第2絶縁膜(4)と、複数の第2信号線(3)とを具備する。
第1絶縁膜(5)は、基板(10)の上面側に設けられている。複数の第1信号線(2)は、第1絶縁膜(5)に埋め込まれ、第1方向に延伸するように設けられている。複数のメモリセル(1)は、複数の第1信号線(2)の各々の上に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む。第1層間絶縁膜(6)は、第1絶縁膜(5)及び複数の第1信号線(2)の上に、複数のメモリセル(1)を囲むように設けられている。第2絶縁膜(4)は、第1層間絶縁膜(6)の上に設けられている。複数の第2信号線(3)は、第2絶縁膜(10)に埋め込まれ、その第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように設けられている。
そして、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含んでいる。また、複数のメモリセル(1)の各々は、複数の第1信号線(2)と複数の第2信号線(3)とが交差する位置のそれぞれに設けられている。
ここで、高透磁率磁性材料は、透磁率の高い磁性材料であり、透磁率μsの値は、μs>1が好ましい。より好ましくはμs≧10である。その大きさの高透磁率磁性材を用いれば、第1信号線(2)及び第2信号線(3)に流れる電流によりメモリセル(1)の磁気抵抗素子へ印加される磁場を、磁気抵抗素子へ効率よく集中させることが出来る。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の磁気メモリは、基板(10)と、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)と、複数の第1信号線(2)と、複数のメモリセル(1)と、第1層間絶縁膜(6又は6c)と、第3層間絶縁膜(6a又は6)と、複数の第2信号線(3)と、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)のうちの少なくとも一方とを具備する。
第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)は、基板(10)の上面側に設けられている。複数の第1信号線(2)は、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)に埋め込まれ、第1方向に延伸するように設けられている。複数のメモリセル(1)は、複数の第1信号線(2)の各々の上に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む。第1層間絶縁膜(6又は6c)は、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)及び複数の第1信号線(2)の上に、複数のメモリセル(1)を囲むように設けられている。第3層間絶縁膜(6a又は6)は、第1層間絶縁膜(6又は6c)の上に設けられている。複数の第2信号線(3)は、第3層間絶縁膜(10)に埋め込まれ、その第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように設けられている。第1絶縁膜(5)は、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)に含まれ、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)と複数の第1信号線(2)との間に設けられる。第2絶縁膜(4)は、第3層間絶縁膜(6a又は6)に含まれ、第3層間絶縁膜(6a又は6)と複数の第2信号線(3)との間に設けられる。
そして、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)は、高透磁率磁性材料を含む。複数のメモリセル(1)の各々は、複数の第1信号線(2)と複数の第2信号線(3)とが交差する位置のそれぞれに設けられている。
ここで、高透磁率磁性材料については、既述の通りである。
【0021】
上記の磁気メモリにおいて、その高透磁率磁性材料は、磁性体の粉末を含む。
【0022】
上記の磁気メモリにおいて、第2信号線(3)の上部に接する第2絶縁膜(4)がない。
【0023】
上記の磁気メモリにおいて、第1絶縁膜(5)の透磁率と第2絶縁膜(4)の透磁率とは異なる。
【0024】
上記の磁気メモリにおいて、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)のうちの少なくとも一方は、複数のメモリセル(1)の側面を途中まで囲むように設けられる。
メモリセル(1)の側面の途中は、磁気抵抗素子に含まれるトンネル絶縁膜(22)に達しない位置までであることが好ましい。
【0025】
上記の磁気メモリにおいて、メモリセル(1)は、メモリセル(1)の一端と第1信号線(2)とを接続する第1ビア(8)、及び、メモリセル(1)の他端と第2信号線(3)とを接続する第2ビア(3a)の少なくとも一つを備える。
【0026】
上記の磁気メモリにおいて、第1信号線(2)は、第3信号線(2a)と第4信号線(2b)とを含み、第4信号線(2b)はメモリセル(1)に電気的に接続していない。
【0027】
上記課題を解決するための本発明の磁気メモリ製造方法は、(a)〜(f)ステップを具備する。
(a)ステップは、基板(10)の上面側に第1絶縁膜(5)を設ける。(b)ステップは、第1絶縁膜(5)に埋め込まれ、第1方向に延伸するように複数の第1信号線(2)を設ける。(c)ステップは、複数の第1信号線(2)の各々の上に、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセル(1)を設ける。(d)ステップは、第1絶縁膜(5)及び複数の第1信号線(2)の上に、複数のメモリセル(1)を囲むように第1層間絶縁膜(6又は6c)を設ける。(e)ステップは、第1層間絶縁膜(6又は6c)の上に第2絶縁膜(4)を設ける。(f)ステップは、第2絶縁膜(4)に埋め込まれ、その第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように複数の第2信号線(3)を設ける。
そして、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含む。複数のメモリセル(1)の各々は、複数の第1信号線(2)と複数の第2信号線(3)とが交差する位置のそれぞれに設けられる。
ここで、高透磁率磁性材料については、既述の通りである。
【0028】
上記の磁気メモリの製造方法において、(a)ステップは、(a1)〜(a2)ステップを備える。(a1)ステップは、その高透磁率磁性材料の粉末と、第1絶縁膜(5)の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合し、基板(10)の上面に塗布した第1塗布膜を形成する。(a2)ステップは、その第1塗布膜を焼成する。
【0029】
上記の磁気メモリの製造方法において、(e)ステップは、(e1)〜(e2)ステップを備える。(e1)ステップは、その高透磁率磁性材料の粉末と、第2絶縁膜(4)の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合し、基板(10)の第1層間絶縁膜(6又は6c)及び複数のメモリセル(1)の上に塗布した第2塗布膜を形成する。(e2)ステップは、その第2塗布膜を焼成する。
【0030】
上記課題を解決するための本発明の磁気メモリ製造方法は、(g)〜(n)ステップを具備する。
(g)ステップは、基板(10)の上面側に、第1方向に延伸するように線状の複数の第1絶縁膜(5)を設ける。(h)ステップは、複数の第1絶縁膜(5)の各々の間に、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)を設ける。(i)ステップは、第1絶縁膜(5)に埋め込まれ、その第1方向に延伸するように複数の第1信号線(2)を設ける。(j)ステップは、複数の第1信号線(2)の各々の上に、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセル(1)を設ける。(k)ステップは、第2層間絶縁膜(6b又は6の一部)、複数の第1絶縁膜(5)及び複数の第1信号線(2)の上に、複数のメモリセル(1)を囲むように第1層間絶縁膜(6又は6c)を設ける。(l)ステップは、第1層間絶縁膜(6又は6c)及び複数のメモリセル(1)の上に、その第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように複数の第2信号線(3)を設ける。(m)ステップは、複数の第2信号線(3)の各々を覆うように第2絶縁膜(4)を設ける。(n)ステップは、第1層間絶縁膜(6又は6c)及び第2絶縁膜(4)を覆うように第3層間絶縁膜(6a又は6)を設ける。
そして、第1絶縁膜(5)及び第2絶縁膜(4)のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含む。複数のメモリセル(1)の各々は、複数の第1信号線(2)と複数の第2信号線(3)とが交差する位置のそれぞれに設けられる。
ここで、高透磁率磁性材料については、既述の通りである。
【0031】
上記の磁気メモリの製造方法において、(g)ステップは、(g1)〜(g2)ステップを備える。(g1)ステップは、その高透磁率磁性材料の粉末と、第1絶縁膜(5)の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合し、基板(10)の上面に塗布した第1塗布膜を形成する。(g2)ステップは、その第1塗布膜を焼成する。
【0032】
上記の磁気メモリの製造方法において、(m)ステップは、(m1)〜(m2)ステップを備える。(m1)ステップは、その高透磁率磁性材料の粉末と、第2絶縁膜(4)の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合し、基板(10)の第1層間絶縁膜(6又は6c)及び複数の第2信号線(3)の上に塗布した第2塗布膜を形成する。(m2)ステップは、その第2塗布膜を焼成する。
【0033】
なお、上記各方法における各ステップは、矛盾の発生しない範囲で順番変更が可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
まず、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態における構成について説明する。
図1は、本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。そして、図1(g)は、本発明である磁気メモリの第1の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6と、第2絶縁膜4(及び4a)と、複数の第2信号線3とを具備する。
【0036】
基板10は、半導体基板である。半導体基板上に他の半導体装置や絶縁層を設けられた基板でも良い。
第1絶縁膜5は、基板10の上面側に設けられている。酸化シリコンや窒化シリコンに例示される絶縁膜に、透磁率の高い磁性材料である高透磁率磁性材料を含んだ膜である。第1絶縁膜5の電気抵抗は、108Ω以上である。
【0037】
複数の第1信号線2は、第1絶縁膜5に埋め込まれ(ただし、その上側の表面は露出して)、X方向(第1方向)に延伸するように設けられている。すなわち、第1信号線2は、高透磁率磁性材を含んだ第1絶縁膜5に、その底部及び側面を覆われている。第1信号線2は、DRAMにおける配線に用いられる材料を使用され、ワード線に例示される。
【0038】
複数のメモリセル1は、複数の第1信号線2の各々の上における所定の位置に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有するTMR素子をそれぞれに含む。
複数のメモリセル1は、複数の第1信号線2と複数の第2信号線3とが交差する位置のそれぞれに設けられている。TMR素子は、反転可能な自発磁化を有するフリー層21と、固定された自発磁化を有するピン層23と、ピン層23とフリー層21との間に介説されたトンネル絶縁層22とを備える。
【0039】
層間絶縁膜6は、複数の第1信号線2の上及び、第1信号線2に覆われていない第1絶縁膜5の上に、複数のメモリセル1を囲むように設けられている。層間絶縁膜6は、酸化シリコンや窒化シリコンのような非磁性の絶縁材料を用いた膜に例示される。
【0040】
第2絶縁膜4は、層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1の上に設けられている。酸化シリコンや窒化シリコンに例示される絶縁膜に、高透磁率磁性材料を含んだ膜である。第2絶縁膜4の電気抵抗は、108Ω以上である。なお、第1絶縁膜5の透磁率と第2絶縁膜4の透磁率とは、用途に応じて互いに異なる場合もある。
【0041】
複数の第2信号線3は、第2絶縁膜4に埋め込まれ(ただし、その下側の表面は露出して)、X方向(第1方向)に実質的に垂直なY方向(第2方向)に延伸するように設けられている。すなわち、第2信号線4は、高透磁率磁性材を含んだ第2絶縁膜4に、その上部及び側面を覆われている。第2信号線4は、DRAMにおける配線に用いられる材料を使用でき、ビット線に例示される。ここで、「実質的に」とは、「製造時の誤差の範囲内」での意味である。
【0042】
ここで、高透磁率磁性材について、更に説明する。高透磁率磁性材は、透磁率の高い磁性材料であり、その「高い」透磁率μsの値は、μs>1が好ましい。より好ましくはμs≧10である。その大きさの高透磁率磁性材を用いれば、第1信号線2及び第2信号線3に流れる電流によりTMR素子へ印加される磁場を、TMR素子へ効率よく集中させることが出来る。
高透磁率磁性材は、Feを主成分とするフェリ磁性酸化物(ソフトフェライト)に例示される。そのようなソフトフェライトとしては、例えば、MnZnフェライト(μs>1000)、CuZnフェライト(μs>100)、NiZnフェライト(μs>10)がある。
【0043】
高透磁率磁性材を含む絶縁膜(第1絶縁膜5や第2絶縁膜4)を、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合して塗布し焼成して製造する場合、高透磁率磁性材料の粉末の形状は、微粒子であることが望ましい。また、微粒子の径は、0.001〜0.5μmが好ましい。溶媒に容易に混ざること、又、分散性を高くすることが出来るからである。また、第1絶縁膜5や第2絶縁膜4を形成する高透磁率磁性材を除く絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液としては、例えば、SOG(spin on glass)材を用いる。それらは、スピンコート等の方法により成膜され、焼成される。
【0044】
塗布及び焼成により成膜する方法では、絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液に磁性粒子(高透磁率磁性材料の粉末)を混ぜ、それをスピン塗布し、その後それを焼成して形成する。その際、形成される膜の平均透磁率が、磁性粒子がない絶縁膜の平均透磁率以上であって、形成される膜の電気抵抗が10Ω以上になるようにする。この方法は、材料の取り扱いや成膜プロセスが容易である。
なお、高透磁率磁性材は、超微粒子(<10nm)の永久磁石材料(Ba、Srフェライト等)であっても良い。永久磁石材料が超微粒子になると、あたかも常磁性体のように振る舞う。
【0045】
高透磁率磁性材を含む絶縁膜(第1絶縁膜5や第2絶縁膜4)を、化学気相成長法(以下「CVD法」とも記す)で成膜する場合には、高透磁率磁性材料の原料としては、鉄、マグネシウム、亜鉛などをそれぞれ含んだ有機金属ガスを使用し、第1絶縁膜5や第2絶縁膜4を形成する高透磁率磁性材を除く絶縁膜の原料としては、シラン、ジクロルシランなどを使用する。そして、成膜は、前述の原料ガスを用い、熱反応またはプラズマ反応を行うことにより成膜する。必要に応じて酸素ガスのような反応ガスを混合する。
CVD法により成膜する方法は、従来の絶縁膜の製造方法を装置をそのまま転用することが出来る。
他の高透磁率磁性材を含む絶縁膜の成膜方法として、必要な金属イオンを含んだ溶液を用い電界メッキにより成膜する方法、さらに金属イオンを含んだ溶液に酸化剤を用いて成膜する方法などがある。
【0046】
第1絶縁膜5や第2絶縁膜4の平均透磁率は、第1絶縁膜5や第2絶縁膜4を形成する高透磁率磁性材を除く絶縁膜の平均透磁率よりも大きいことが好ましい。これは、高透磁率磁性材の分量により調整することが可能である。個々の微粒子に対して、形状制御又は配向制御などを施すことにより第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の平均透磁率を上昇させることも可能である。
【0047】
次に、本発明である磁気メモリの動作について説明する。
メモリセル1へのデータの書き込みは、以下のようにして行う。すなわち、第1信号線2(ワード線)にX方向の電流Ixが流れる。同時に、第2信号線3(ビット線)にY方向の電流Iyが流れる。このとき書き込むデータに応じて+Y方向又は−Y方向に流す。これら電流Ix及び電流Iyにより、第1信号線2(ワード線)と第2信号線3(ビット線)との交点に対応するメモリセル1のTMR素子に対して、磁界Hと磁界Hとが発生し、合成磁界Hを生成する。TMR素子は、合成磁界Hを受け、書き込むデータに対応するように自発磁化の方向を反転する。
【0048】
メモリセル1からのデータの読み出しは、以下のようにして行う。すなわち、第1信号線2(ワード線)から、メモリセル1のTMR素子を通り、第2信号線3(ビット線)へ定電流Isを流す。そのとき、第2信号線3(ビット線)の電圧の大きさ(=TMR素子の抵抗)に基づいて、データを読み出す。
【0049】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS01
図1(a)を参照して、基板10上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜5’を成膜する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、基板10上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜5’とする。CVD法を用いても良い。絶縁膜5’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
(2)ステップS02
図1(b)を参照して、絶縁膜5’中に、複数の第1信号線2を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’の上面側に、X方向に延伸する複数の第1信号線2用の溝を形成する。この配線溝付きの絶縁膜5’を第1絶縁膜5とする。そして、その溝中に金属膜をスパッタ法又はメッキ法等(以下、「スパッタ法等」とも記す)で埋め込み、上部の余分な金属をCMP法(Chemical Mechanical Polishing法)又はドライエッチング法等(以下、「CMP法等」とも記す)で除去して、下層の複数の第1信号線2(配線)を形成する。
図1(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS03
図1(c)を参照して、複数の第1信号線2上に、複数のメモリセル1を形成する。
メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’(ピン層膜23’、トンネル絶縁層膜22’及びフリー層膜21’を含む、以下同じ)を成膜する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線3の各々との交点のそれぞれの位置)に複数のメモリセル1(TMR素子:ピン層23、トンネル絶縁層22及びフリー層21を含む、以下同じ)を形成する。
(4)ステップS04
図1(d)を参照して、メモリセル1を囲むように、層間絶縁膜6を形成する。
第1絶縁膜5、複数の第1信号線2及びメモリセル1の上に、スピンコート法やCVD法等(以下、「スピンコート法等」とも記す)で、絶縁膜6’を成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、且つメモリセル1(TMR素子)の上部が表面に出るように頭出しを行う。これを層間絶縁膜6とする。
(5)ステップS05
図1(e)を参照して、層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1の上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜4’を成膜する。
層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成する。CVD法を用いても良い。絶縁膜4’は、第2信号線3(配線)の厚み分と等しい膜厚となるように形成され、第2絶縁膜4と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
(6)ステップS06
図1(f)を参照して、絶縁膜4’中に、複数の第2信号線3を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’の上面側に、X方向方向に実質的に垂直なY方向に延伸する複数の第2信号線3用の溝を形成する。この配線溝付きの絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。そして、その溝中に金属膜をスパッタ法等で埋め込み、上部の余分な金属をCMP法等で除去して、上層の複数の第2信号線3(配線)を形成する。
(7)ステップS07
図1(g)を参照して、第2絶縁膜4及び第2信号線3の上に、第2絶縁膜4aを積層する。
第2絶縁膜4及び第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、第2絶縁膜4aを形成する。CVD法を用いても良い。
【0050】
上記ステップS01〜S07のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0051】
なお、ステップS04の後に、第2信号線3を先に形成し、第2絶縁膜4を後に形成することも可能である。そのプロセスを示したのが図2である。
【0052】
図2は、本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の他の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS11(図2(a))〜(4)ステップS14(図2(d))
これらは、ステップS01(図1(a))〜ステップS04(図1(d))と同様であるので、その説明を省略する。
(5)ステップS15
図2(e)を参照して、層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に複数の第2信号線3を形成する。
層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に、金属膜をスパッタ法等で形成する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、上層の複数の第2信号線3(配線)を形成する。
(6)ステップS16
図2(f)を参照して、層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、第2絶縁膜4を形成する。
層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、第2絶縁膜4を形成する。CVD法を用いても良い。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
【0053】
上記ステップS11〜S16のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0054】
上記各プロセス(ステップS01〜ステップS17、ステップS11〜ステップS16)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0055】
図3は、磁気メモリにおける配線での磁場を示すグラフである。図3は、シミュレーションによる評価結果である。横軸は、メモリセル1のTMR素子におけるフリー層21上部表面中央から第2信号線3の下部表面中央までの距離(μm)であり、縦軸はフリー層21上部表面中央における磁場である。曲線Cはヨーク構造ではない通常配線であり、曲線Aは従来のヨーク配線であり、曲線Bは本発明の高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜(第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4)を有する配線である。
【0056】
このグラフから明らかなように、本発明の絶縁膜に高透磁率磁性材を分散させたものは、通常配線と比べ約2倍に磁場が向上する。同時に、従来のヨーク配線と何ら遜色のない磁場を得ることができる。それにより、書き込み動作時の電流を小さくすることが可能となる。すなわち、消費電力を小さくすることが出来ることが分かる。
【0057】
また、本発明によれば、磁束の集中を絶縁膜で行うため、ヨーク配線における磁性膜のようにTMR素子との絶縁性を考えて設ける必要が無い。また、絶縁膜は、層間絶縁膜を用いることが出来るので、磁性膜の領域を新たに設ける必要がなく、配線幅を小さくする必要がない。又は、磁気メモリの面積を大きくする必要がなくなる。したがって、本発明により、製造方法が容易である。
【0058】
また、メモリセル1の側面の大部分は、高透磁率磁性材を分散させていない層間絶縁膜6で覆われているので、第1信号線2により発生する磁場と第2信号線3により発生する磁場とがお互いに干渉することなく、メモリセル1に効率的に増大させた磁場を引加することができる。
【0059】
図4は、本発明による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、所謂、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。
【0060】
このMRAMは、メモリセル42(図1のメモリセル1に対応)が行列に配置されたクロスポイントセルアレイ41を備えている。クロスポイントセルアレイ41には、x軸方向に延伸するワード線43(図1の第1信号線2に対応)と、y軸方向に延伸するビット線44(図1の第2信号線3に対応)とが配設されている。メモリセル42は、ワード線43とビット線44とが交差する交点にそれぞれ対応して設けられる。
【0061】
メモリセル42は、TMR素子45を含む。TMR素子45は、反転可能な自発磁化を有しており、その自発磁化の方向に応じてデータを保持する。TMR素子45のそれぞれは、一のワード線43とビット線44の間に介設されている。
【0062】
ワード線43は、Xセレクタ46に接続されている。Xセレクタ46は、書き込み動作時、及び読み出し動作時に、ワード線43のうちから選択ワード線を選択する。Xセレクタ46は、X側電流源回路47に接続されている。X側電流源回路47は、書き込み動作時、書き込み電流Ixを生成して、選択ワード線に供給する。また、読み出し動作時、選択ワード線をGNDに固定する。
【0063】
ビット線44は、Yセレクタ48に接続されている。Yセレクタ48は、書き込み動作時、及び読み出し動作時に、複数のビット線44のうちから選択ビット線を選択する。Yセレクタ48は、Y側電流源回路49とセンスアンプ50とに接続されている。Y側電流源回路49は、書き込み動作時、書き込み電流Iyを生成し、生成した書き込み電流Iyを選択ビット線に供給する。また、読み出し動作時、読み出し電流Iy’を生成し、生成した読み出し電流Iy’を選択ビット線に供給する。センスアンプ50は、読み出し動作時に選択ビット線に接続され、TMR素子45に読み出し電流Iy’を流したときの選択ビット線の電圧に基づいてメモリセル42に記憶されているデータを判別する。
【0064】
各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りには、図1(g)又は図2(f)に示すように、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が設けられている。
【0065】
図4を参照して、このMRAMの書き込み動作は、選択セルの選択で開始される。Xセレクタ46により、ワード線43のうちから選択ワード線が選択され、Yセレクタ48により、ビット線44のうちから選択ビット線が選択される。メモリセル42のうち、選択ワード線と選択ビット線との両方が交差するメモリセル42が、選択セルとして選択される。
【0066】
選択ワード線と選択ビット線の選択の後、選択ワード線には、X側電流源回路47によって書き込み電流Ixが+x方向に流され、選択ビット線には、Y側電流源回路49によって書き込み電流Iyが+y方向、又は−y方向に流される。書き込み電流Iyの向きは、選択セルに書き込まれるデータに応じて定められる。
【0067】
このMRAMの読み出し動作は、選択セルの選択で開始される。Xセレクタ46により、ワード線43のうちから選択ワード線が選択され、Yセレクタ48により、ビット線44のうちから選択ビット線が選択される。メモリセル42のうち、選択ワード線と選択ビット線との両方が交差するメモリセル42が、選択セルとして選択される。
【0068】
選択ワード線と選択ビット線の選択の後、選択ワード線は、X側電流源回路47によってGNDに固定される。選択ビット線には、Y側電流源回路49によって読み出し電流Iy’が+y方向に流される。読み出し電流Iy’は、選択セル(のTMR素子45)を通過し、選択ワード線を経由してGNDへ流れ込む。センスアンプ50は、読み出し電流Iy’を流したときの選択ビット線の電圧に基づいてメモリセル42に記憶されているデータを判別する。
【0069】
図4に示すMRAMは、本発明である絶縁膜に高透磁率磁性材を分散させた層間膜を有しており、書き込み動作時の電流を小さくすることができ、消費電力を小さくすることが可能となる。
また、本発明によれば、磁束の集中を絶縁膜で行うため、磁性膜の領域を新たに設ける必要がなく、配線幅を小さくする必要がない、又は、磁気メモリの面積を大きくする必要がなくなる。したがって、本発明により、製造方法が容易となる。
【0070】
(第2の実施の形態)
次に、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第2の実施の形態における構成について説明する。
図5は、本発明である磁気メモリ製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。そして、図5(f)は、本発明である磁気メモリの第2の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6と、第2絶縁膜4と、複数の第2信号線3とを具備する。
【0071】
各構成については、第1絶縁膜5の一部(第1絶縁膜5a)が、メモリセル1の下部の側面を途中まで(この場合、メモリセル1のピン層23まで)囲むように設けられている点、及び、第2絶縁膜4の一部が、メモリセル1の上部の側面を途中まで(この場合、メモリセル1のフリー層21の上部または途中まで)囲むように設けられている点で、第1の実施の形態と異なる。その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0072】
次に、本発明である磁気メモリの動作については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第2の実施の形態について説明する。
図5は、本発明である磁気メモリ製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS21
図5(a)を参照して、基板10上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜5’を成膜する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、基板10上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成する。CVD法を用いても良い。絶縁膜5’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
(2)ステップS22
図5(b)を参照して、絶縁膜5’中に、複数の第1信号線2を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’の上面側に、X方向に延伸する複数の第1信号線2用の溝を形成する。この配線溝付きの絶縁膜5’を第1絶縁膜5とする。そして、その溝中に金属膜をスパッタ法等で埋め込み、上部の余分な金属をCMP法等で除去して、下層の複数の第1信号線2(配線)を形成する。
図5(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS23
図5(c)を参照して、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5a、及び、層間絶縁膜6を形成する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜5a’を成膜する。CVD法を用いても良い。絶縁膜5a’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
更に、その上に絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液を塗布し、乾燥後に所定の温度で焼成し、層間絶縁膜6’を成膜する。CVD法を用いても良い。層間絶縁膜6’は、層間絶縁膜6と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、絶縁膜5a’及び層間絶縁膜6’の所定の位置(複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線の各々との交点のそれぞれの位置))に、メモリセル1を設けるパターンを形成する。このとき、絶縁膜5a’及び層間絶縁膜6’は、第1絶縁膜5a及び層間絶縁膜6となる。
(4)ステップS24及び(5)ステップS25
図5(d)及び図5(e)を参照して、層間絶縁膜6及び第1信号線2の所定の位置上に磁性積層膜1’を成膜し、複数の第1信号線2上に複数のメモリセル1を形成する。
まず、層間絶縁膜6及び第1信号線2の所定の位置上に、メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’のピン層膜23’を成膜する(図5(d))。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数のメモリセル1(TMR素子)の位置)に、ピン層23を形成する。
同様にして、次に、磁性積層膜1’のトンネル絶縁層膜22’を成膜し(図5(d))、パターンニングによりピン層23の上にトンネル絶縁層22を形成する。
同様にして、続いて、磁性積層膜1’のフリー層膜21’を成膜し(図5(d))、パターンニングによりフリー層21を成膜する(図5(e))。
以上により、所定の位置に複数のメモリセル1(TMR素子)が形成される。
(6)ステップS26
図5(f)を参照して、メモリセル1及び層間絶縁膜6上に、第2信号線3を形成する。
メモリセル1及び層間絶縁膜6上に、第2信号線3用の金属膜を、スパッタ法等で成膜する。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、X方向方向に実質的に垂直なY方向に延伸する複数の第2信号線3を形成する。
(7)ステップS27
図5(g)を参照して、層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第2絶縁膜4を成膜する。
層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成する。CVD法を用いても良い。
【0074】
上記ステップS21〜S27のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0075】
上記各プロセス(ステップS21〜ステップS27)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0076】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の各々は、第1信号線2及び第2信号線3の各々を三方から完全に覆っているので、その効果をより増大させることが可能となる。
【0077】
図4は、本発明の本実施の形態による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りに、図5(g)に示すような高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5(及び5a)及び第2絶縁膜4が設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
図4に示す本実施の形態によるMRAMについても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0079】
(第3の実施の形態)
次に、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態における構成について説明する。
図6及び図7は、本発明である磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。そして、図7(b)又は図7(d)は、本発明である磁気メモリの第3の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6(及び6a)と、第2絶縁膜4と、複数の第2信号線3とを具備する。
【0080】
本実施の形態は、高透磁率磁性材を含む第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が、層間(絶縁)膜として第1信号線2及び第2信号線3の線間のほとんどを満たしているのではなく、第1信号線2及び第2信号線3の回りを所定の厚みで覆っている点で、第1及び第2の実施の形態と異なる。
第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が所定の厚みしか有していないことは、磁場の発散を抑制し、覆っている信号線のみに効率的に磁場を引加するという点で好ましい。
【0081】
その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0082】
次に、本発明である磁気メモリの動作については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0083】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態について説明する。
図6は、本発明である磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS31
図6(a)を参照して、基板10上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜5’を成膜する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、基板10上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成する。CVD法を用いても良い。絶縁膜5’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
(2)ステップS32
図6(b)を参照して、絶縁膜5’中に、複数の第1信号線2を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’の上面側に、X方向に延伸する複数の第1信号線2用の溝を形成する。この配線溝付きの絶縁膜5’を絶縁膜5’’とする。そして、その溝中に金属膜をスパッタ法等で埋め込み、上部の余分な金属をCMP法等で除去して、下層の複数の第1信号線2(配線)を形成する。
図6(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS33
図6(c)を参照して、複数の第1信号線2上に、複数のメモリセル1を形成する。
メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’を成膜する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線の各々との交点のそれぞれの位置)に複数のメモリセル1(TMR素子)を形成する。
(4)ステップS34
図6(d)を参照して、メモリセル1及び第1絶縁膜5を囲むように層間絶縁膜6を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’’のうち、第1信号線2を所定の厚みで囲む絶縁膜5’’以外の部分を除去する。第1信号線2を所定の厚みで囲む絶縁膜5’’を第1絶縁膜5とする。
次に、基板10、第1絶縁膜5、複数の第1信号線2及びメモリセル1の上に、スピンコート法等で、絶縁膜6’を成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、且つメモリセル1の上部が表面に出るように頭出しを行う。これを層間絶縁膜6とする。
図6(d)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(5)ステップS35
図6(e)を参照して、層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に複数の第2信号線3を形成する。
層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に、金属膜をスパッタ法等で形成する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、上層の複数の第2信号線3(配線)を形成する。
(6)ステップS36
図6(f)を参照して、層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、絶縁膜4’を形成する。
層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜4’を形成する。CVD法を用いても良い。
(7)ステップS37
図7(a)を参照して、第2信号線3を囲むように第2絶縁膜4を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’のうち、第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。
(8)ステップS38
図7(b)を参照して、層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4上に、層間絶縁膜6aを形成する。
層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
図7(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
【0084】
上記ステップS31〜S38のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0085】
なお、上記のステップS37において、第2信号線3の上部の第2絶縁層4を含まないようにすることも可能である。その場合のプロセスは以下のようになる。
(7’)ステップS37’
図7(c)を参照して、第2信号線3を囲むように第2絶縁膜4を形成する。
CMP法等により、絶縁膜4’の表面を平坦化し、第2信号線3の頭出しを行う。次に、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’のうち、第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。
(8’)ステップS38’
図7(d)を参照して、層間絶縁膜6、第2信号線3及び第2絶縁膜4上に、層間絶縁膜6aを形成する。
層間絶縁膜6、第2信号線3及び第2絶縁膜4上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
【0086】
上記ステップS31〜S36、S37’、S38’のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0087】
上記各プロセス(ステップS31〜ステップS38、及び、ステップS31〜S36、S37’、S38’)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0088】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、高透磁率磁性材を含む第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が、第1信号線2及び第2信号線3の回りを所定の厚みで覆っているので、磁場の発散を抑制し、覆っている信号線のみに効率的に磁場を引加することが出来る。
【0089】
図4は、本発明の本実施の形態による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りに、図7(b)又は図7(d)に示すような層間絶縁膜6(及び6a)、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0090】
図4に示す本実施の形態によるMRAMについても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、図6及び図7で示した磁気メモリセルの効果を得ることが出来る。
【0091】
(第4の実施の形態)
次に、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態における構成について説明する。
図8及び図9は、本発明である磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。そして、図9(c)図9(e)は、本発明である磁気メモリの第4の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5(及び5a)と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6(及び6a)と、第2絶縁膜4と、複数の第2信号線3とを具備する。
【0092】
各構成については、第1絶縁膜5の一部(第1絶縁膜5a)が、メモリセル1の下部の側面を途中まで(この場合、メモリセル1のピン層23まで)囲むように設けられている点、及び、第2絶縁膜4の一部が、メモリセル1の上部の側面を途中まで(この場合、メモリセル1のフリー層21まで)囲むように設けられている点で、第3の実施の形態と異なる。その他の構成については、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0093】
次に、本発明である磁気メモリの動作については、第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0094】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態について説明する。
図8及び図9は、本発明である磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS41
図8(a)を参照して、基板10上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての絶縁膜5’を成膜する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、基板10上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成する。CVD法を用いても良い。絶縁膜5’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
(2)ステップS42
図8(b)を参照して、絶縁膜5’中に、複数の第1信号線2を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’の上面側に、X方向に延伸する複数の第1信号線2用の溝を形成する。この配線溝付きの絶縁膜5’を絶縁膜5’’とする。そして、その溝中に金属膜をスパッタ法等で埋め込み、上部の余分な金属をCMP法等で除去して、下層の複数の第1信号線2(配線)を形成する。
図8(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS43
図8(c)を参照して、第1絶縁膜5を囲むように層間絶縁膜6bを形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜5’’のうち、第1信号線2を所定の厚みで囲む絶縁膜5’’以外の部分を除去する。第1信号線2を所定の厚みで囲む絶縁膜5’’を第1絶縁膜5とする。
次に、基板10、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2メモリセル1の上に、スピンコート法等で、絶縁膜6’を成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、且つ、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2の上部が表面に出るように頭出しを行う。これを層間絶縁膜6bとする。
図8(c)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(4)ステップS44
図8(d)を参照して、第1層間絶縁膜、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5a、及び、層間絶縁膜6を形成する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、第1層間絶縁膜、第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜5a’を成膜する。CVD法を用いても良い。絶縁膜5a’は、第1絶縁膜5と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
更に、その上に絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液を塗布し、乾燥後に所定の温度で焼成し、層間絶縁膜6’を成膜する。CVD法を用いても良い。層間絶縁膜6’は、層間絶縁膜6と同一の膜組成を有するが、パターンニングを施されていない。
そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、絶縁膜5a’及び層間絶縁膜6’の所定の位置(複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線の各々との交点のそれぞれの位置))に、メモリセル1を設けるパターンを形成する。このとき、絶縁膜5a’及び層間絶縁膜6’は、第1絶縁膜5a及び層間絶縁膜6となる。
(5)ステップS45及び(6)ステップS46
図8(e)及び図8(f)を参照して、層間絶縁膜6及び第1信号線2の所定の位置に磁性積層膜1’を成膜し、複数の第1信号線2上に複数のメモリセル1を形成する。
まず、層間絶縁膜6及び第1信号線2の所定の位置上に、メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’のピン層膜23’を成膜する(図8(e))。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数のメモリセル1(TMR素子)の位置)に、ピン層23を形成する。
同様にして、次に、磁性積層膜1’のトンネル絶縁層膜22’を成膜し(図8(e))、パターンニングによりピン層23の上にトンネル絶縁層22を形成する。
同様にして、続いて、磁性積層膜1’のフリー層膜21’を成膜し(図8(e))、パターンニングによりフリー層21を成膜する(図8(f))。
以上により、所定の位置に複数のメモリセル1(TMR素子)が形成される。
(7)ステップS47
図8(g)を参照して、メモリセル1及び層間絶縁膜6上に、第2信号線3を形成する。
メモリセル1及び層間絶縁膜6上に、第2信号線3用の金属膜を、スパッタ法等で成膜する。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、X方向方向に実質的に垂直なY方向に延伸する複数の第2信号線3を形成する。
(8)ステップS48
図9(a)を参照して、層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、第2絶縁膜4’を成膜する。
層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜4’を形成する。CVD法を用いても良い。
(9)ステップS49
図9(b)を参照して、第2信号線3を囲むように第2絶縁膜4を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’のうち、第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。
(10)ステップS50
図9(c)を参照して、層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4上に、層間絶縁膜6aを形成する。
層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
【0095】
上記ステップS41〜S50のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0096】
なお、上記のステップS49において、第2信号線3の上部の第2絶縁層4を含まないようにすることも可能である。その場合のプロセスは以下のようになる。
(9’)ステップS49’
図9(d)を参照して、第2信号線3を囲むように第2絶縁膜4を形成する。
CMP法等により、絶縁膜4’の表面を平坦化し、第2信号線3の頭出しを行う。次に、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’のうち、第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。
(10’)ステップS50’
図9(e)を参照して、層間絶縁膜6、第2信号線3及び第2絶縁膜4上に、層間絶縁膜6aを形成する。
層間絶縁膜6、第2信号線3及び第2絶縁膜4上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
【0097】
上記ステップS41〜S48、S49’、S50’のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0098】
上記各プロセス(ステップS41〜ステップS50、及び、ステップS41〜S48、S49’、S50’)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0099】
本実施の形態においても、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の各々は、第1信号線2及び第2信号線3の各々を三方(図9(c))又は二方(図9(e))から覆っているので、その効果がより確実になる。
【0100】
図4は、本発明の本実施の形態による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りに、図9(c)又は図9(e)に示すような層間絶縁膜6(及び6a)、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】
図4に示す本実施の形態によるMRAMについても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、図8及び図9で示した磁気メモリセルの効果を得ることが出来る。
【0102】
(第5の実施の形態)
次に、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態における構成について説明する。
図10及び図11は、本発明である磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態を示す断面図である。そして、図11(c)は、本発明である磁気メモリの第5の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5(及び5a)と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6(及び6a)と、第2絶縁膜4(及び4a)と、複数の第2信号線3と、ビア3aと、ビア8と、絶縁膜9とを具備する。
【0103】
本実施の形態は、高透磁率磁性材を含む第2絶縁膜4(及び4a)が、層間(絶縁)膜として第1信号線2及び第2信号線3の線間のほとんどを満たしているのではなく、第2信号線3の回りを所定の厚みで覆っている点、第1信号線2とメモリセル1とがビア8で接続されている点、第2信号線3とメモリセル1とがビア3aで接続されている点で、第1の実施の形態と異なる。
【0104】
第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が所定の厚みしか有していないことは、発生した磁場が発散することなく、高透磁率磁性材で覆われた配線のみに効率的に磁場を増大させることができる点で好ましい。
第1信号線2とメモリセル1とがビア8で接続され、第2信号線3とメモリセル1とがビア3aで接続されていることは、従来の半導体プロセスをそのまま利用できる利点がある。
【0105】
その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0106】
次に、本発明である磁気メモリの動作については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0107】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態について説明する。
図10及び図11は、本発明である磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS51
図10(a)を参照して、基板10上に、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5(及び5a)及び第1信号線2を成膜する。
高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を、基板10上に塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、第1絶縁膜5を形成する。CVD法を用いても良い。
続いて、第1絶縁膜5上に金属膜2’をスパッタ法等で形成する。
図10(a)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(2)ステップS52
図10(b)を参照して、第1絶縁膜5の上面側に、複数の第1信号線2を形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、第1絶縁膜5の上面側に、金属膜2’を用いて、X方向に延伸する複数の第1信号線2を形成する。
図10(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS53
図10(c)を参照して、第1絶縁膜5の上面側に、第1絶縁膜5aを形成する。
第1絶縁膜5及び第1信号線2の上に、絶縁膜5’を形成する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、且つ第1信号線2の上部が表面に出るように頭出しを行う。このときの絶縁膜5’を第1絶縁膜5aとする。
図10(c)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(4)ステップS54
図10(d)を参照して、複数の第1信号線2上に、ビア8を形成する。
第1絶縁膜5a及び複数の第1信号線2上に、絶縁膜9’(非磁性)を形成する。しかる後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、絶縁膜9’における複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線の各々との交点のそれぞれの位置)に、複数のビアホールを形成する。これら複数のビアホールを有する絶縁膜9’を絶縁膜9とする。続いて、絶縁膜9及び複数のビアホール上に金属膜8’を形成する。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、金属膜8’における複数のビアホールの位置に複数のビア8を形成する。
(5)ステップS55
図10(e)を参照して、複数の第1信号線2上の複数のビア8上に、複数のメモリセル1を形成する。
絶縁膜9及びビア8上に、メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’を成膜する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数のビア8の位置に複数のメモリセル1(TMR素子)を形成する。
(6)ステップS56
図10(f)を参照して、メモリセル1及び絶縁膜9上に、層間絶縁膜6を形成する。
メモリセル1及び絶縁膜9上に、絶縁膜6’を形成する。次に、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜6’のうち、複数のメモリセル1の上部にあたる部分を除去し、複数のビアホールを形成する。この複数のビアホールを有する絶縁膜6’を層間絶縁膜6とする。
(7)ステップS57
図11(a)を参照して、層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に複数の第2信号線3を形成する。
層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1上に、金属膜3’をスパッタ法等で形成する。その後、金属膜3’上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜4’を形成する。CVD法を用いても良い。
続いて、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、上層の複数の第2信号線3(配線)を形成する。このとき、第2信号線3は、メモリセル1とビア3aで接続される。また、第2信号線3の上部は、絶縁膜4’がパターンニングされた第2絶縁膜4で覆われている。
(8)ステップS58
図11(b)を参照して、層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4の上及び第2信号線3の側面を覆うように、絶縁膜4a’を形成する。
層間絶縁膜6及び複数の第2信号線3の上に、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液を塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜4a’を形成する。CVD法を用いても良い。
(9)ステップS59
図11(c)を参照して、第2信号線3を囲むように第2絶縁膜4aを形成し、その上に層間絶縁膜6aを形成する。
フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4a’のうち、第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4a’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4a’を第2絶縁膜4aとする。
そして、層間絶縁膜6及び第2絶縁膜4上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化する。
図11(c)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
【0108】
上記ステップS51〜S59のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0109】
上記各プロセス(ステップS51〜S59)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0110】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、高透磁率磁性材を含む第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4が、第1信号線2及び第2信号線3の回りを所定の厚みで覆っているので、発生した磁場が発散することなく、高透磁率磁性材で覆われた配線のみに効率的に磁場を増大させることができる点で好ましい。
第1信号線2とメモリセル1とがビア8で接続され、第2信号線3とメモリセル1とがビア3aで接続されているので、従来の半導体プロセスをそのまま利用できる利点がある。
【0111】
図4は、本発明の本実施の形態による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りに、図11(c)に示すような層間絶縁膜6(及び6a)、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5(及び5a)及び第2絶縁膜4(及び4a)、ビア8、ビア3aが設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
図4に示す本実施の形態によるMRAMについても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、図10及び図11で示した磁気メモリセルの効果を得ることが出来る。
【0113】
(第6の実施の形態)
次に、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態における構成について説明する。
図12及び図13は、本発明である磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態を示す断面図である。そして、図13(c)は、本発明である磁気メモリの第6の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5と、複数の第1信号線2と、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6と、第2絶縁膜4と、複数の第2信号線3と、ビア8と、絶縁膜9とを具備する。
【0114】
本実施の形態は、高透磁率磁性材を含む第2絶縁膜4が、第2信号線3の回りを所定の厚みで覆い、かつ、メモリセル1の側面を覆っている点、第2信号線3とメモリセル1とが直接接続しビア3aを用いない点で、第5の実施の形態と異なる。
【0115】
第2信号線3の回りを所定の厚みで覆い、かつ、メモリセル1の側面を覆っていることは、発生した磁場が発散することなく、高透磁率磁性材で覆われた配線のみに効率的に磁場を増大させることができる点で好ましい。
ビア8で接続されているのが第1信号線2とメモリセル1との接続であり、通常の半導体プロセスを用いたクロスポイント型メモリの構成となっている。
【0116】
その他の構成については、第5の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0117】
次に、本発明である磁気メモリの動作については、第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0118】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態について説明する。
図12及び図13は、本発明である磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態を示す断面図である。図の座標軸を参照して、本図は、Y方向から見た断面図である。一部、X方向から見た断面図を含む。
(1)ステップS61
図12(a)を参照して、基板10上に、複数の第1信号線2を形成する。
第1絶縁膜5上に金属膜2’をスパッタ法等で形成する。次に、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、第1絶縁膜5の上面側に、X方向に延伸する複数の第1信号線2を形成する。
図12(a)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(2)ステップS62
図12(b)を参照して、基板10の上面側に、第1絶縁膜5を形成する。
基板10及び第1信号線2の上に、絶縁膜5’を形成する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、且つ第1信号線2の上部が表面に出るように頭出しを行う。平坦化された絶縁膜5’を第1絶縁膜5とする。
図12(b)の右図は、X方向から見た断面図を示す。
(3)ステップS63
図12(c)を参照して、複数の第1信号線2上にビア8を形成する。
第1絶縁膜5及び複数の第1信号線2上に、絶縁膜9’(非磁性)を形成する。しかる後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、絶縁膜9’における複数の第1信号線2の各々の上の所定の位置(複数の第2信号線の各々との交点のそれぞれの位置)に、複数のビアホールを形成する。これら複数のビアホールを有する絶縁膜9’を絶縁膜9とする。続いて、絶縁膜9及び複数のビアホール上に金属膜8’を形成する。そして、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、金属膜8’における複数のビアホールの位置に複数のビア8を形成する。
(4)ステップS64
図12(d)を参照して、複数の第1信号線2上の複数のビア8上に複数のメモリセル1を形成する。
絶縁膜9及びビア8上に、メモリセル1のTMR素子を構成する磁性積層膜1’を成膜する。その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、複数のビア8の位置に複数のメモリセル1(TMR素子)を形成する。
(5)ステップS65
図13(a)を参照して、絶縁膜9及び複数のメモリセル1側面を覆うように層間絶縁膜6’’を形成する。
絶縁膜9及び複数のメモリセル1上に、層間絶縁膜6’’を成膜し、複数のメモリセル1の上部をCMP法などで露出させる。
(6)ステップS66
図13(b)を参照して、層間絶縁膜6’’及び複数のメモリセル1場に複数の第2信号線3を形成する。
層間絶縁膜6及び複数のメモリセル1場に、金属膜3’をスパッタ法などで形成する。続いて、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングを行い、上層の複数の第2信号線3(配線)を形成する。このとき、第2信号線3はメモリセル1と接続される。またこのとき、層間絶縁膜6’’はトンネル絶縁層まで切り込まれた層間絶縁膜6cとなる。
(7)ステップS67
図13(c)を参照して、層間絶縁膜6c及び第2信号線3の上部及び側面を覆うように第2絶縁膜4を形成する。
層間絶縁膜6c及び第2信号線3の上部及び側面を覆うように、高透磁率磁性材料の粉末と絶縁膜の原料とを溶媒に溶かした溶液とを塗布する。そして、乾燥後に所定の温度で焼成し、絶縁膜4’を形成する。CVD法を用いても良い。
その後、フォトリソグラフィーを用いたパターンニングにより、絶縁膜4’のうち、第2信号線3の上部及び側面と複数のメモリセル1の上部側壁を所定の厚みで囲む絶縁膜4’以外の部分を除去する。第2信号線3を所定の厚みで囲む絶縁膜4’を第2絶縁膜4とする。
(8)ステップS68
図13(d)を参照して、層間絶縁膜6c及び第2絶縁膜4の上に層間絶縁膜6を形成する。
層間絶縁膜6c及び第2絶縁膜4の上に、スピンコート法等で、層間絶縁膜6aを成膜する。そして、CMP法等により、その表面を平坦化し、層間絶縁膜6を形成する。
【0119】
上記ステップS61〜S68のプロセスを具備する磁気メモリ製造方法により、磁気メモリが製造される。
【0120】
上記各プロセス(ステップS61〜S68)において、上層の第2信号線3、及び下層の第1信号線2、及び高透磁率磁性材を含む層間絶縁膜としての第1絶縁膜5及び第2絶縁膜4の作製方法は、目的により適宜組換えられる。
【0121】
本実施の形態においても、第5の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、第2信号線3の回りを所定の厚みで覆い、かつ、メモリセル1の側面を覆っているので、磁場が発散することが無く効率的にメモリセル1に増大した磁場を引加する事ができる。
ビア8で接続されているのが第1信号線2とメモリセル1との接続であり、通常の半導体プロセスを用いたクロスポイント型メモリの構成となっている。
【0122】
図4は、本発明の本実施の形態による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、各ワード線43の回り及び各ビット線44の回りに、図13(c)に示すような層間絶縁膜6、高透磁率磁性材を含む層間膜としての第1絶縁膜5(及び5a)及び第2絶縁膜4、ビア8が設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0123】
図4に示す本実施の形態によるMRAMについても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、図12及び図13で示した磁気メモリセルの効果を得ることが出来る。
【0124】
(第7の実施の形態)
まず、本発明である磁気メモリ及び磁気メモリ製造方法の第7の実施の形態における構成について説明する。
図14は、本発明である磁気メモリの第7の実施の形態の構成を示す断面図である。
磁気メモリは、基板10と、第1絶縁膜5と、複数の読み出し第1信号線2aと、複数の書き込み第1信号線2bと、引き出し配線層7、ビア8、複数のメモリセル1と、層間絶縁膜6と、第2絶縁膜4と、複数の第2信号線3とを具備する。
【0125】
複数の読み出し第1信号線2aは、第1絶縁膜5に埋め込まれ(ただし、その上側の表面は露出して)、X方向(第1方向)に延伸するように設けられている。すなわち、読み出し第1信号線2は、高透磁率磁性材を含んだ第1絶縁膜5に、その底部及び側面を覆われている。第1信号線2は、読み出しワード線に例示される。
【0126】
複数の書き込み第1信号線2bは、その各々が読み出し第1信号線2aと対を成し、第1絶縁膜5に埋め込まれ(ただし、その上側の表面は露出して)、X方向(第1方向)に延伸するように設けられている。すなわち、書き込み第1信号線2bは、高透磁率磁性材を含んだ第1絶縁膜5に、その底部及び側面を覆われている。書き込み第1信号線2bは、書き込みワード線に例示される。
【0127】
ビア8は、一端を読み出し第1信号線2aに接続され、読み出し第1信号線2aから上方(Z方向)に延びている。また、他端を引き出し配線層7の一端に接続されている。
引き出し配線層7は、一端(の下部)をビア8に接続され、Y方向に延びている。また、他端(の上部)をメモリセル1に接続されている。
【0128】
第1絶縁膜5は、基板10の上面側に、読み出し第1信号線2aと書き込み第1信号線2bとの間に設けられている。酸化シリコンや窒化シリコンに例示される絶縁膜に、透磁率の高い磁性材料である高透磁率磁性材料を含んだ膜である。第1絶縁膜5の電気抵抗は、108Ω以上である。
【0129】
基板10、複数のメモリセル1、層間絶縁膜6、第2絶縁膜4、複数の第2信号線3、高透磁率磁性材及びそれを含む絶縁膜については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0130】
次に、本発明である磁気メモリの動作について説明する。
メモリセル1へのデータの書き込みは、以下のようにして行う。すなわち、書き込み第1信号線2b(書き込みワード線)にX方向の電流Ixが流れる。同時に、第2信号線3(ビット線)にY方向の電流Iyが流れる。このとき書き込むデータに応じて+Y方向又は−Y方向に流す。これら電流Ix及び電流Iyにより、書き込み第1信号線2b(ワード線)と第2信号線3(ビット線)との交点に対応するメモリセル1のTMR素子に対して、磁界Hと磁界Hとが発生し、合成磁界Hを生成する。TMR素子は、合成磁界Hを受け、書き込むデータに対応するように自発磁化の方向を反転する。
【0131】
メモリセル1からのデータの読み出しは、以下のようにして行う。すなわち、読み出し第1信号線2a(ワード線)から、メモリセル1のTMR素子を通り、第2信号線3(ビット線)へ定電流Isを流す。そのとき、第2信号線3(ビット線)の電圧の大きさ(=TMR素子の抵抗)に基づいて、データを読み出す。
【0132】
次に、本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態については、第1信号線2が、読み出し第1信号線2aと書き込み第1信号線2bとの2種類あること、引き出し配線層7(引き出し配線層7に対しては高透磁率磁性材を含む層間膜は必要ない)及びビア8がある事を除けば、第1の実施の形態から第6の実施の形態を適宜用いて製造することが出来るので、その説明を省略する。
【0133】
図14の構造を有する磁気メモリにおいても、第1の実施の形態から第6の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0134】
図15は、本発明による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。このMRAMは、メモリセルにトランジスタが含まれない、クロスポイントセルアレイを含む構成を有する。図4における構成及び動作については、書き込み動作の際、書き込みワード線43b(=図14の書き込み第1信号線2bに対応)を用い、読み出し動作の際、読み出しワード線43a(=図14の読み出し第1信号線2aに対応)を用いている以外は、他の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0135】
本実施の形態においても、他の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、ワード線43を書き込みワード線43bと読み出しワード線43aとに分けているので、書き込み動作及び読み出し動作を安定的に行うことが出来る。
【0136】
上記各実施例では、クロスポイントセルアレイについて説明している。しかし、配線及び信号線(例示:ワード線やビット線)によりデータの書き込みを行う他のタイプの磁気メモリ(磁気メモリセル)に対しても適用可能である。
【0137】
また、この発明は上記実施例に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲において種々変更して実施することができる。
【0138】
以上説明したように、本発明では、ヨーク材が絶縁膜であるため、TMR素子とヨーク材の間に絶縁材を挟む必要が無いので、構造、プロセスを簡単にできる。また、従来においては、配線が導電性であるヨークで覆われていたため配線を配線ピッチよりも小さくする必要があったが、本発明は、配線を配線ピッチまで広くすることができる。
【0139】
【発明の効果】
本発明により、磁気メモリの書き込みの際、その電流を低減することが出来、磁気メモリの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)本発明である磁気メモリ製造方法の第1の実施の他の形態を示す断面図である。
【図3】磁気メモリにおける配線での磁場を示すグラフである。
【図4】本発明による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。
【図5】(a)〜(g)本発明である磁気メモリ製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】(a)〜(f)本発明である磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)本発明である磁気メモリ製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(g)本発明である磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図9】(a)〜(e)本発明である磁気メモリ製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図10】(a)〜(f)本発明である磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)本発明である磁気メモリ製造方法の第5の実施の形態を示す断面図である。
【図12】(a)〜(d)本発明である磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態を示す断面図である。
【図13】(a)〜(d)本発明である磁気メモリ製造方法の第6の実施の形態を示す断面図である。
【図14】本発明である磁気メモリの第7の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図15】本発明による磁気メモリセルを適用したMRAMの実施の形態を示す構成図である。
【図16】(a)(b)磁気メモリセルに含まれるTMR素子の原理を示した図である。
【図17】(a)(b)従来技術の磁気抵抗型メモリの断面図を示す。
【図18】(a)(b)従来技術の磁気抵抗型メモリの断面図を示す。
【図19】従来の技術の磁気記憶装置の斜視図を示す。
【符号の説明】
1 メモリセル
1’ 磁性積層膜
2 第1信号線
2’、3’、8’ 金属膜
2a 読み出し第1信号線
2b 書き込み第1信号線
3 第2信号線
3a、8 ビア
4、4a 第2絶縁膜
4’、5’、5’’、9 絶縁膜
5、5a 第1絶縁膜
6、6’、6’’、6a、6b、6c 層間絶縁膜
7 引き出し配線層
10 基板
21、121 フリー層
21’ フリー層膜
22 トンネル絶縁層
22’、122 トンネル絶縁層膜
23、123 ピン層
41 クロスポイントセルアレイ
42 メモリセル
43 ワード線
43a 読み出しワード線
43b 書き込みワード線
44 ビット線
45 TMR素子
46 Xセレクタ
47 X側電流源回路
48 Yセレクタ
49 Y側電流源回路
50 センスアンプ
114 第2の配線
115 第1の配線
118 第1の磁性膜
120 磁気抵抗効果膜
124 反強磁性体層

Claims (14)

  1. 基板と、
    前記基板の上面側に設けられた第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜に埋め込まれ、第1方向に延伸するように設けられた複数の第1信号線と、
    前記複数の第1信号線の各々の上に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセルと、
    前記第1絶縁膜及び前記複数の第1信号線の上に、前記複数のメモリセルを囲むように設けられた第1層間絶縁膜と、
    前記第1層間絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜に埋め込まれ、前記第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように設けられた複数の第2信号線と、
    を具備し、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線とが交差する位置のそれぞれに設けられている
    磁気メモリ。
  2. 基板と、
    前記基板の上面側に設けられた第2層間絶縁膜と、
    前記第2層間絶縁膜に埋め込まれ、第1方向に延伸するように設けられた複数の第1信号線と、
    前記複数の第1信号線の各々の上に設けられ、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセルと、
    前記第2層間絶縁膜及び前記複数の第1信号線の上に、前記複数のメモリセルを囲むように設けられた第1層間絶縁膜と、
    前記第1層間絶縁膜の上に設けられた第3層間絶縁膜と、
    前記第3層間絶縁膜に埋め込まれ、前記第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように設けられた複数の第2信号線と、
    前記第2層間絶縁膜に含まれ、前記第2層間絶縁膜と前記複数の第1信号線との間に設けられた第1絶縁膜、及び、前記第3層間絶縁膜に含まれ、前記第3層間絶縁膜と前記複数の第2信号線との間に設けられた第2絶縁膜のうちの少なくとも一方と、
    を具備し、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、高透磁率磁性材料を含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線とが交差する位置のそれぞれに設けられている
    磁気メモリ。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気メモリにおいて、
    前記高透磁率磁性材料は、磁性体の粉末を含む
    磁気メモリ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気メモリにおいて、
    前記第2信号線の上部に接する前記第2絶縁膜がない
    磁気メモリ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気メモリにおいて、
    前記第1絶縁膜の透磁率と前記第2絶縁膜の透磁率とは異なる
    磁気メモリ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気メモリにおいて、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方は、前記複数のメモリセルの側面を途中まで囲むように設けられる
    磁気メモリ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気メモリにおいて、
    前記メモリセルは、
    前記メモリセルの一端と前記第1信号線とを接続する第1ビア、及び、前記メモリセルの他端と前記第2信号線とを接続する第2ビアの少なくとも一つを備える
    磁気メモリ。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気メモリにおいて、
    前記第1信号線は、第3信号線と第4信号線とを含み、前記第4信号線は前記メモリセルに電気的に接続していない
    磁気メモリ。
  9. (a)基板の上面側に第1絶縁膜を設けるステップと、
    (b)前記第1絶縁膜に埋め込まれ、第1方向に延伸するように複数の第1信号線を設けるステップと、
    (c)前記複数の第1信号線の各々の上に、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセルを設けるステップと、
    (d)前記第1絶縁膜及び前記複数の第1信号線の上に、前記複数のメモリセルを囲むように第1層間絶縁膜を設けるステップと、
    (e)前記第1層間絶縁膜の上に第2絶縁膜を設けるステップと、
    (f)前記第2絶縁膜に埋め込まれ、前記第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように複数の第2信号線を設けるステップと、
    を具備し、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線とが交差する位置のそれぞれに設けられる
    磁気メモリ製造方法。
  10. 請求項9に記載の磁気メモリの製造方法において、
    前記(a)ステップは、
    (a1)前記高透磁率磁性材料の粉末と、前記第1絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合して、前記基板の上面に塗布した第1塗布膜を形成するステップと、
    (a2)前記第1塗布膜を焼成するステップと、
    を備える、
    磁気メモリ製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の磁気メモリの製造方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記高透磁率磁性材料の粉末と、前記第2絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合して、前記基板の前記第1層間絶縁膜及び前記複数のメモリセルの上に塗布した第2塗布膜を形成するステップと、
    (e2)前記第2塗布膜を焼成するステップと、
    を備える、
    磁気メモリ製造方法。
  12. (g)基板の上面側に、第1方向に延伸するように線状の複数の第1絶縁膜を設けるステップと、
    (h)前記複数の第1絶縁膜の各々の間に、第2層間絶縁膜を設けるステップと、
    (i)前記第1絶縁膜に埋め込まれ、前記第1方向に延伸するように複数の第1信号線を設けるステップと、
    (j)前記複数の第1信号線の各々の上に、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転する自発磁化を有する磁気抵抗素子をそれぞれに含む複数のメモリセルを設けるステップと、
    (k)前記第2層間絶縁膜、前記複数の第1絶縁膜及び前記複数の第1信号線の上に、前記複数のメモリセルを囲むように第1層間絶縁膜を設けるステップと、
    (l)前記第1層間絶縁膜及び前記複数のメモリセルの上に、前記第1方向に実質的に垂直な第2方向に延伸するように複数の第2信号線を設けるステップと、
    (m)前記複数の第2信号線の各々を覆うように第2絶縁膜を設けるステップと、
    (n)前記第1層間絶縁膜及び前記第2絶縁膜を覆うように前記第3層間絶縁膜を設けるステップと、
    を具備し、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方は、高透磁率磁性材料を含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線とが交差する位置のそれぞれに設けられる
    磁気メモリ製造方法。
  13. 請求項12に記載の磁気メモリの製造方法において、
    前記(g)ステップは、
    (g1)前記高透磁率磁性材料の粉末と、前記第1絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合して、前記基板の上面に塗布した第1塗布膜を形成するステップと、
    (g2)前記第1塗布膜を焼成するステップと、
    を備える、
    磁気メモリ製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載の磁気メモリの製造方法において、
    前記(m)ステップは、
    (m1)前記高透磁率磁性材料の粉末と、前記第2絶縁膜の原料を溶媒に溶かした溶液とを混合して、前記基板の前記第1層間絶縁膜及び前記複数の第2信号線の上に塗布した第2塗布膜を形成するステップと、
    (m2)前記第2塗布膜を焼成するステップと、
    を備える、
    磁気メモリ製造方法。
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