JP3942931B2 - 磁気メモリセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、概してピン留めされない磁化の向きおよび完全にクラッディング(被覆)された読出し−書込み導体を含む軟らかい強磁性リファレンス層(soft ferromagnetic layer)を有する磁気メモリセルに関する。より具体的には、本発明は、ピン留めされない磁化の向きを有し、読出し−書込み導体内を流れる電流によって生成される読出し磁界が飽和せず、強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められ、メモリセルへの読出し動作中に磁化の向きが動的にオンザフライでピン留め(pinned-on-the-fly)されるようにし、かつ読出し−書込み導体内を流れる電流によって生成される書込み磁界が強磁性クラッディングを飽和させ、強磁性クラッディングの外側に延在し、メモリセルへの書込み動作中にデータ層と相互作用するように、強磁性クラッディングによって完全に包囲される読出し−書込み導体を含む軟らかい強磁性リファレンス層を有する磁気メモリセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)のような磁気メモリは、DRAM、SRAM、フラッシュメモリおよびハードディスクドライブのような従来のデータ記憶装置が用いられている応用形態において、代替のデータ記憶デバイスと見なされている不揮発性タイプのメモリである。MRAMは典型的には、磁気メモリセルのアレイを含む。たとえば、従来の磁気メモリセルは、データ層(記憶層あるいはビット層とも呼ばれる)と、リファレンス層と、データ層とリファレンス層との間の中間層とを含む、トンネリング磁気抵抗メモリセル(TMR)、巨大磁気抵抗メモリセル(GMR)、あるいは超巨大磁気抵抗メモリセル(colossal magnetoresistance:CMR)とすることができる。データ層、リファレンス層、および中間層は、材料の1つあるいは複数の層から形成されることができる。データ層は通常、データのビットを、外部磁界を加えるのに応じて変更され得る磁化の向きとして格納する、磁性材料からなる層あるいは薄膜である。したがって、データ層の磁化の向き(すなわち、その論理状態)は、論理「0」を表すことができる第1の磁化の向きから、論理「1」を表すことができる第2の磁化の向きに、あるいはその逆に回転する(すなわち、切り替える)ことができる。一方、リファレンス層は通常、磁化の向きが所定の方向に「ピン留め」(すなわち、固定)された、磁性材料からなる層である。所定の向きは、磁気メモリセルを製造するために用いられるマイクロエレクトロニクス処理ステップによって決定される。
【0003】
典型的には、磁気メモリセルの論理状態(すなわち、「0」あるいは「1」)は、データ層およびリファレンス層内の磁化の相対的な向きに依存する。たとえば、トンネリング磁気抵抗メモリセル(トンネル接合メモリセル)では、データ層とリファレンス層との間に電位バイアスが印加されるとき、電子は、中間層(通常、トンネル障壁層と呼ばれる薄い誘電体層)を介して、データ層とリファレンス層との間を移動する。障壁層を介した電子の移動を生じる現象は、量子学的トンネル効果あるいはスピントンネル効果と呼ばれる場合がある。論理状態は、メモリセルの抵抗を測定することにより判定することができる。たとえば、データ記憶層内の全体的な磁化の向きがリファレンス層のピン留めされた磁化の向きに平行である場合には、磁気メモリセルは低抵抗の状態にある。逆に、データ記憶層内の全体的な磁化の向きがリファレンス層のピン留めされた磁化の向きに逆平行である場合には、トンネル接合メモリセルは高抵抗の状態にある。上記のように、磁気メモリセルに格納されるビットの論理状態は、データ層の全体的な磁化の向きを変更する外部磁界をかけることにより書き込まれる。その外部磁界は、高抵抗状態と低抵抗状態との間で磁気メモリセルを切り替える、切替え磁界と呼ばれる場合がある。
【0004】
図1は、データ層110と、リファレンス層112と、データ層110とリファレンス層112との間に配置される絶縁障壁層114とを備える従来のトンネル接合メモリセル100を示す。さらに、メモリセル100は、データ層110と接続される第1の導電ノード116と、リファレンス層112と接続される第2の導電ノード118とを備えることができる。外部から供給される電流は、第1および第2の導電ノード(116、118)を通って流れ、上記の外部磁界を生成することができる。第1および第2の導電ノード(116、118)は、図4aおよび図4bに関して以下に説明されるように、複数のメモリセル100を含むメモリアレイ内の行導体および列導体とすることができる。また、そのノードを用いて、メモリセル100の抵抗を測定し、その論理状態を判定することもできる。リファレンス層112は、左向きの矢印によって示されるような所定の方向にピン留めされる磁化の向きM1を有する。データ層110は、両方向に向いた矢印によって示されるように、変更可能な磁化の向きM2を有する。
【0005】
図2aでは、データ層110の磁化の向きM2は、リファレンス層112の磁化の向きM1に平行であり(すなわち、矢印が同じ向きを指し)、結果として、メモリセル100が低抵抗状態になる。一方、図2bでは、データ層110の磁化の向きM2は、リファレンス層112の磁化の向きM1に逆平行であり(すなわち、矢印が反対方向を指し)、結果としてメモリセル100は高抵抗状態になる。
【0006】
データ層110およびリファレンス層112は、互いに非常に接近して配置される強磁性材料から形成されるので、リファレンス層112のピン留めされた磁化の向きM1は、図2cに示されるように、リファレンス層112のエッジ領域からデータ層110まで延びる消磁界Dを生成する。図2dは、データ層110の磁化の向きM2に対する消磁界Dの影響を示す。理想的には、データ層110の磁化の向きは、ピン留めされた磁化の向きM1に対して平行か、または逆平行かのいずれかである配向を有する。しかしながら、消磁界Dのため、理想的な磁化の向きM2’(破線矢印で示される)と、実際の磁化の向きM2(実線矢印で示される)との間に小さな角変位θが存在する。角変位θに起因して、高状態と低状態(すなわち、平行か、あるいは逆平行)との間の磁気抵抗変化の大きさΔR/Rの減少となる。データ層110内のビットの状態を容易に検出できるように、磁気抵抗の変化の大きさΔR/Rはできる限り大きいことが望ましい。基本的には、ΔR/Rは、信号対雑音比(S/N)のようなものである。読出し動作中に、S/Nがより高ければ、データ層110内のビットの状態を判定するために、より強い信号を検出することができることになる。したがって、従来のトンネル接合メモリセル100の1つの短所は、角変位θに起因する、磁気抵抗の変化の大きさΔR/Rの減少(すなわち、読出し動作中の低いS/N)である。
【0007】
従来のトンネル接合メモリセル100の別の短所は、リファレンス層112の磁化の向きM1をピン留めすることが、多くの場合に、そのピン留めを達成するために材料の2つ以上の層を必要とすることである。たとえば、図3aでは、従来のトンネル接合メモリセル200が、上記のデータ層210と、第1および第2の導電ノード(216、218)とを含み、さらに、異なる材料のサンドイッチ状の構造である複合リファレンス層212、212aおよび212bも含む。層212は、反強磁性体層(ピン留め層)と呼ばれ、層212aはピン留めされたリファレンス層と呼ばれる。ピン留め層212は、リファレンス層212aの磁化の向きM1を所望の方向に磁化する。層212bはシード(seed)層である。ピン留め層212、リファレンス層212aおよびシード層212bのために用いられる材料の例には、ピン留め層212の場合にはFeMn、IrMn、NiMnあるいはPtMnがあり、リファレンス層212aの場合にはNiFe、NiFeCoあるいはCoFeがあり、シード層212bの場合にはNiFeあるいはNiFeCoがある。
【0008】
代案として、図3aに示されるものより複雑なピン留め層312を有する従来のトンネル接合メモリセル300が図3bに示される。従来のトンネル接合メモリセル300は、上記のデータ層310と、第1および第2の導電ノード(316、318)とを含み、さらに、異なる材料からなる複雑なサンドイッチ状の構造である複合リファレンス層312、312a、312bおよび312cも含む。ピン留め層312は、図3aの反強磁性体層212よりさらに複雑な構造を有する人工反強磁性体312cの磁化の向きを設定する。人工反強磁性体312cは、たとえばCo/Ru/CoあるいはCoFe/Ru/CoFeのような材料のサンドイッチ状の構造とすることができる。図3bでは、層312aはピン留めされたリファレンス層であり、層312bはシード層であり、層312は反強磁性体層(ピン留め層)である。
【0009】
したがって、従来のトンネル接合メモリの1つの短所は、リファレンス層を形成するために、その構造内に複数の層を必要とすることである。それらの層を形成するために必要とされる余分な材料のため、従来のトンネル接合メモリセル200および300を製造するために、余分なマイクロエレクトロニクス処理ステップが必要とされる。それらの余分なステップの結果として、メモリの製造時に欠陥を生じる、またはそのメモリを組み込んだ製品において後に故障するかもしれない欠陥の可能性がトンネル接合メモリに導入されることになる。欠陥を低減し、歩留まりを向上させるために、複雑な構造、それゆえメモリを製造するために必要とされる処理ステップの数を最小にすることが望ましい。さらに、リファレンス層を形成するために必要な材料自体が、製造の難しい材料である。磁気メモリを量産する場合、製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減されるように、容易に形成できる材料を用いることが望ましい。
【0010】
従来のトンネル接合メモリのさらなる短所は、リファレンス層が、アニーリングステップの高い温度で加熱されなければならないことである。アニーリングには時間がかかり(1時間以上)、一定の磁界の下で、磁気メモリが200〜300℃の範囲の温度にさらされる必要がある。磁化の向きを設定することは、磁界内でアニーリングすることを必要とするので、磁気メモリが後に高温にさらされる場合には、リファレンス層のピン留めが「安定しなく」なり、その磁化の向きを保持できなくなる可能性がある。磁化の向きを再設定するために、別のアニーリングステップが必要とされるであろう。
【0011】
従来のトンネル接合メモリセル100の別の短所が、図4a、図4bおよび図4cに示される。図4aでは、磁気メモリ150は、交点のアレイで構成される複数のメモリセル100を含む。第1の導電ノード116は、メモリセル100を横切る行導体(行1および行2)を形成するために複製され(replicated)、第2の導電ノード118は、同様にメモリセル100を横切る列導体(列1、列2および列3)を形成するために複製される(すなわち、メモリセル100は、行導体と列導体との交差点に配置される)。行2および列3の交差点に配置されたメモリセル100aは、読出し動作のために電源Vを行2に接続することにより選択され、行1は浮動状態のままである。列1および列2はグランドに接続され、列3は、仮想グランドに接続されるセンス増幅器Sに接続される。結果として、電流経路が形成され、電流Iが行2の導電ノード116に流れ込む。電流Iの一部は、IGによって示されるように、グランドに流れる。しかしながら、電流Iの別の部分は、センス増幅器Sによって検出される読出し電流IRを構成する。IRの大きさは、メモリセル100aに格納されるデータのビットの磁化の向きを示すが、IRの大きさは、読出し動作中にデータ層の磁化の向きを回転させるには不十分である。
【0012】
図4bには、選択されたメモリセル100aがさらに詳細に示される。電流IRは、右手の法則にしたがって磁界HRを生成する。各導体から外側に放射状に延び(すなわち、フリンジ磁界)、アレイ内の隣接するメモリセル100と相互作用する磁界HRから不都合が生じる。メモリセル100の互いに対する近さ、および電流IRの大きさに応じて、そのフリンジ磁界は、読出し動作のために選択されていない近くのメモリセル100のデータ層110に格納されるデータビットを破損する可能性がある。
【0013】
同様に、行1と列3との交差点に配置されるメモリセル100bは、列3を介して電流Ixを流し、行1を介して電流Iyを流すことにより、書込み動作に対して選択される。電流IxおよびIyは、データ層と協働し、変更可能な磁化の向きを回転させ、それによりデータの新しいビットを書き込む磁界を生成する。
【0014】
図4cでは、選択されたメモリセル100bが、より詳細に示される。電流Iyは、右手の法則にしたがって磁界Hxを生成する。同様に、電流Ixは、右手の法則にしたがって磁界Hyを生成する。それらの各導体から外側に放射状に延び(すなわち、フリンジ磁界)、選択されたメモリセル100bへの書込み動作中にそのアレイ内の隣接するメモリセル100と相互作用する、それらの磁界から不都合が生じる。互いに対するメモリセル100の近さ、および電流IxおよびIyの大きさに応じて、それらのフリンジ磁界は、書込み動作のために選択されていない近くのメモリセル100のデータ層110に格納されるデータビットを破損する可能性がある。電流IxおよびIyの大きさが、読出し動作よりも書込み動作の場合に大きいので、データを破損する可能性は、結果として生成される磁界が、磁化の向きを回転させるためにデータ層まで延びなければならない書込み動作中にさらに大きくなる。
【0015】
さらに、従来のトンネル接合メモリセル100の別の短所は、選択されたメモリセル100へデータを読出す、および/または書込むために必要な読出し電流IRおよび書込み電流IxとIyの大きさがかなり大きくなる可能性がある(通常、書込み電流は読出し電流よりも大きい)。これらの電流の結果として、不要な廃熱が生じ、その廃熱を除去するために、冷却ファン等のような熱管理システムが必要になる可能性がある。熱管理システムは、メモリ150を組み込む電子システムのコスト、サイズ、重量および雑音を増加させる可能性がある。電源としてバッテリに依存するポータブル電子システムの場合、あるいはエネルギーを効率的にするように設計された電子システムの場合、上記の電流は電力消費を増加させ、それによりバッテリの使用時間を減少させ、あるいは電力負担を増加させ、それによりエネルギー効率を低下させる可能性がある。
【0016】
上記の短所は、トンネル接合メモリセル(すなわち、TMRメモリセル)に集中しているが、それらの短所は前述のGMRおよびCMRメモリセルのような他のタイプの磁気メモリセルにも当てはまる。たとえば、当業者にはよく理解されているように、GMRメモリアレイ(図示せず)の場合、交差点アレイは、GMRメモリセルを電気的に絶縁するゲートトランジスタ(すなわちFET)と置き換えられる。FETは、読出し動作のための特定のGMRセルを選択するために、電気的にオンあるいはオフに切り替えられる。選択されたメモリセルを流れる読出し電流は、センス増幅器等によって検出され得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、データ層に格納されたデータのビットを読み出すために、ピン留めされた磁化の向きを必要としないリファレンス層を有する磁気メモリセルが必要とされている。また、リファレンス層を形成するために必要とされる材料の層の数を低減することも必要とされている。さらに、近くのメモリセルとの干渉を十分に低減するように、読出しおよび書込み動作中に生成されるフリンジ磁界が、リファレンス層に概ね閉じ込められる磁気メモリセルが必要とされている。さらに、読出しまたは書込み動作を達成するために必要な電流の大きさを低減し、電力消費および電力損失を低減する磁気メモリセルが必要とされている。最後に、読出し動作中の磁気抵抗の変化が大きくなるように、データ層の磁化の向きの角変位が十分に低減または除去される磁気メモリセルが必要とされている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トンネリング磁気抵抗メモリセル(TMR)、巨大磁気抵抗メモリセル(GMR)、およびそれらのタイプの磁気メモリセルを組み込むメモリのような磁気メモリセルの設計における改善である。さらに、本発明は、磁気メモリセルのリファレンス層に用いられる材料、および磁気メモリセルの読出し−書込み導体に用いられる構造の改善を含む。
【0019】
概して、本発明は、変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格納するための強磁性データ層と、強磁性データ層と電気的に通じる第1の導体と、強磁性データ層と接触する中間層と、軟らかい強磁性リファレンス層とを含む磁気メモリセルにおいて具現化され、その軟らかい強磁性リファレンス層は、中間層と接触し、読出し−書込み導体と、クラッディングされた読出し−書込み導体を形成するために読出し−書込み導体を完全に包囲する強磁性クラッディング(ferromagnetic cladding)とを含む。強磁性クラッディングは、中間層と接触している強磁性クラッディングの部分に沿った薄い部分と、中間層と接触していない強磁性クラッディングの部分に沿った厚い部分とを含む、調整された厚みを含む(すなわち、ある領域において厚く、別の領域において薄い断面厚を有する)。軟らかい強磁性リファレンス層は、ピン留めされない磁化の向きを有する(すなわち、磁化の向きは、所定の方向に設定されない)。
【0020】
読出し動作中、外部から供給される電流は読出し−書込み導体を流れ、読出し−書込み導体は、その電流に応じて、読出し磁界を生成する。強磁性クラッディングは、その読出し磁界によって飽和されず、読出し磁界は強磁性クラッディング(薄い部分を含む)内に概ね閉じ込められる。読出し磁界の結果として、軟らかい強磁性リファレンス層の磁化の向きは、所望の方向にオンザフライでピン留めされる。強磁性データ層に格納されたデータのビットは、軟らかい強磁性リファレンス層と第1の導体との間の抵抗を測定することにより読み出される。
【0021】
逆に、書込み動作中、第1の書込み電流が読出し−書込み導体に流され、薄い部分に沿って強磁性クラッディングを飽和させ、強磁性データ層に向かう方向に強磁性クラッディングの外側に延在する第1の書込み磁界が生成され、かつ第2の書込み電流が第1の導体に流され、強磁性データ層まで延在する第2の書込み磁界も生成される。第1および第2の書込み磁界は、強磁性データ層と協働し、変更可能な磁化の向きを回転させ、それにより強磁性データ層にデータの新しいビットを書き込む。書込み動作中、第1の書込み磁界は、強磁性クラッディングの厚い部分を飽和させることはない。
【0022】
本発明のクラッディングされた読出し−書込み導体のさらなる利点は、読出し−書込み導体からの読出し磁界が、読出し動作中に強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められ、書込み動作中に、第1の書込み磁界が強磁性クラッディングに概ね向かう方向に導かれることができ、近くのメモリセルと相互作用できるフリンジ磁界が書込み動作中に十分に低減されるように、強磁性クラッディングの厚みが調整され得るので、フリンジ磁界が十分に低減されることである。
【0023】
読出し動作中、本発明の強磁性クラッデインングは、読出し磁界のための閉じた磁束通路(磁束閉じこめ構造(flux closure))を提供する。結果として、従来の磁気メモリセルの消磁界が十分に低減される、または除去され、読出し動作中の角変位が最小にされ、磁気抵抗の変化の大きさがより大きくなる。
【0024】
従来のピン留めされるリファレンス層の短所は、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層によって解決される。なぜなら、読出し動作が、軟らかい強磁性リファレンス層の磁化の向きがピン留めされることを必要としないためである。代わりに、読出し動作を達成するために、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層の磁化の向きは、読出し−書込み導体に所定の大きさおよび方向の電流を流すことにより、所望の方向に動的にピン留めされる(すなわち、オンザフライでピン留めされる)。結果として、前述の付加的な材料層、それらの材料層の複雑性、およびそれらの材料層を形成するために必要なマイクロエレクトロニクス処理ステップが低減される。本発明の軟らかい強磁性リファレンス層によって、磁界内でリファレンス層をアニールする必要はなくなる。さらに、メモリが熱にさらされる場合に、リファレンス層の磁化の向きを「再設定」しなければならない可能性は、その磁化の向きが動的にオンザフライでピン留めされるので、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層によって実際的な意味を失う。
【0025】
本発明の磁気メモリセルの別の利点は、読出しまたは書込み動作を達成するために必要な電流の大きさが低減され、そのため電力損失(廃熱)および電力消費が低減されることである。読出しまたは書込み動作のための電流は、静的なDC電流、あるいは動的な電流パルスとすることができる。先に言及したように、特にポータブルバッテリ駆動式のシステムおよびエネルギー効率のよいシステムでは、電力消費および廃熱の発生を最小にすることが望ましい。
【0026】
本発明の一実施形態では、磁気メモリセルは、強磁性クラッディングと中間層との間に配置され、強磁性クラッディングと磁気的に結合される強磁性キャップ層を含む。読出し動作中、読出し磁界は強磁性キャップ層および強磁性クラッディングを飽和させることはなく、強磁性キャップ層および強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められる。書込み動作中、第1の書込み磁界は強磁性クラッディングの薄い部分と、強磁性キャップ層とを飽和させ、強磁性データ層に向かう方向に外側に延びる。しかしながら、第1の書込み磁界は、強磁性クラッディングの厚い部分を飽和させることはない。
【0027】
本発明の別の実施形態では、強磁性データ層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、高透磁率の軟らかい磁性材料から形成することができる。本発明のさらに別の実施形態では、強磁性データ層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成される。
【0028】
本発明の一実施形態では、強磁性データ層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、低い飽和保磁力の材料から形成されることができる。
【0029】
本発明の代替の実施形態では、磁気メモリセルは、トンネリング磁気抵抗メモリセルまたは巨大磁気抵抗メモリセルとすることができる。
【0030】
本発明の他の態様および利点は、本発明の原理を一例として示す、添付の図面に関連してなされる、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下の詳細な説明、および図面のうちのいくつかにおいて、同様の要素は、同様の参照番号で識別される。
【0032】
例示の目的で図面に示されるように、本発明は、変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格納するための強磁性データ層と、強磁性データ層と電気的に通じる第一の導体と、強磁性データ層と接触する中間層と、軟らかい強磁性リファレンス層とを備える磁気メモリセルにおいて具現化され、その軟らかい強磁性リファレンス層は、中間層と接触し、読出し−書込み導体と、クラッディングされた読出し−書込み導体を形成するために読出し−書込み導体を完全に包囲する強磁性クラッディングとを含む。軟らかい強磁性リファレンス層は、所定の向きにピン留めされない磁化の向きを有する。これ以降、軟らかい強磁性リファレンス層のその特徴を、「ピン留めされない磁化の向き」と呼ぶことにする。
【0033】
読出し−書込み導体は、外部から供給される読出し電流に応答して、読出し磁界を生成し、強磁性クラッディングは、強磁性クラッディング内に読出し磁界を概ね閉じ込める。基本的に、強磁性クラッディングは、読出し−書込み導体の周囲に、閉じた磁気通路(磁束閉じこめ構造)を提供する。読出し−書込み導体に所定の大きさおよび方向の電流を流すことにより、結果として生成される読出し磁界は、軟らかい強磁性リファレンス層において既知の方向に磁化の向きを確立し、磁化の向きが動的にピン留めされる(すなわち、磁化の向きがオンザフライでピン留めされる)ようにするだけの十分な強さである。しかしながら、読出し磁界は、軟らかい強磁性リファレンス層の強磁性クラッディングを飽和させ、読出し磁界が強磁性クラッディングの概ね外側に延在し、強磁性データ層に格納されたデータのビットと潜在的に干渉するか、またはそのビットを上書きするほど強くはない。また、強磁性クラッディングは、近くのメモリセルの強磁性データ層に格納されたデータと干渉するか、またはそのデータを破損する可能性があるフリンジ磁界を十分に減衰させる。データのビットは、軟らかい強磁性リファレンス層と第1の導体との間の抵抗を測定することにより読み出すことができる。強磁性クラッディングおよび強磁性データ層は、高透磁率の軟らかい磁性材料から形成されることができる。強磁性クラッディングは、読出し磁界が強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められることを確実にするように設計される、調整された厚みを有する。しかしながら、調整された厚みは、中間層と接触している強磁性クラッディングの部分に沿った薄い部分を含み、書込み動作中に、第1の書込み電流が読出し−書込み導体に流され、強磁性データ層にデータの新しいビットを書き込むために、その薄い部分に沿った強磁性クラッディングを飽和させ、強磁性データ層に向かう方向に強磁性クラッディングの外側に延びる第1の書込み磁界が生成される。さらに、強磁性クラッディングの先に言及した調整された厚みは、中間層と接触していない強磁性クラッディングの部分に沿った厚い部分も含む。
【0034】
必要に応じて、本発明の磁気メモリセルは、中間層と強磁性クラッディングとの間に配置される強磁性キャップ層を含むことができる。強磁性キャップ層は、読出し動作中に、読出し磁界が強磁性クラッディングおよび強磁性キャップ層内に概ね閉じ込められるように、強磁性クラッディングと磁気的に結合される。基本的に、強磁性クラッディングおよび強磁性キャップ層は、磁気的に1つのものとしてなり、強磁性クラッディングおよび強磁性キャップ層はともに、読出し−書込み導体の周囲に閉じた磁気通路(磁束閉じこめ構造)を提供する。
【0035】
一方、第1の書込み磁界は、強磁性キャップ層と接触している強磁性クラッディングの薄い部分を飽和させる。その飽和の結果として、第1の書込み磁界は、書込み動作中に強磁性データ層にデータの新しいビットを書き込むために、強磁性クラッディングの薄い部分およびキャップ層の外側に、かつ強磁性データ層に向かう方向に延びる。先に言及したように、強磁性クラッディングは、強磁性キャップ層と接触していない厚い部分を有する。
【0036】
本発明の軟らかい強磁性リファレンス層は、磁化の向きの方向が、外部から供給される電流によって既知の方向に動的に設定される(すなわち、動的にピン留めされる)ことができるので、「リファレンス層」と呼ばれる。用いられる磁性材料は磁気的に軟らかく、通常の硬いピン留めされる材料(たとえば、NiFe/IrMn等のような反強磁性系)ではないので、「軟らかい」と呼ばれる。
【0037】
本発明の磁気メモリセルの利点は、読出し動作中に、軟らかい強磁性リファレンス層の強磁性クラッディング内の読出し−書込み導体によって生成される読出し磁界を概ね閉じ込めることにより、フリンジ磁界の問題を解決するクラッディングされた読出し−書込み導体を含み、それにより、近くの磁気メモリセルに格納されたデータが浮遊磁界によって破損されないようにし、歩留まりを低下させ、製造コストを上昇させることになる付随する複雑な材料の層と、付加的な製造ステップとを用いてピン留めされたリファレンス層を形成する必要性が、軟らかい強磁性リファレンス層によって排除され、磁気メモリセルをアニールする必要性が排除され、さらに、データのビットの読出しまたは書込みのために必要な電流(すなわち、DC電流、またはパルス電流)の大きさが低減され、それに伴って電力損失および電力消費も低減されることである。
【0038】
本発明の磁気メモリセルのさらに別の利点は、強磁性クラッディングが読出し動作中に磁束閉じこめ構造を提供し、それにより、強磁性データ層において磁化の向きの角変位を生じる消磁界が十分に低減され、または排除されるようになることである。結果として、読出し動作中、磁気抵抗の変化が大きくなり、それにより論理状態(すなわち、論理「0」または論理「1」)との間の信号対雑音比(S/N)が高くなり、それらの論理状態が検出しやすくなる。
【0039】
本発明の磁気メモリセルのために本明細書に記載される構造は、限定しないが、TMRまたはGMRを用いる磁気メモリセルを含むいくつかの形態の磁気メモリに有効である。それらの形態の磁気メモリに用いられる材料および構造は異なり、かつリファレンス層および強磁性データ層の種々の状態(すなわち、平行または逆平行)を検出するために用いられる物理的な作用も異なるが、それらの形態の磁気メモリの磁気設計は同じである。強磁性データ層の磁化の向きを回転させるために、少なくとも1対の導体が必要とされ、強磁性データ層とリファレンス層との間の抵抗を測定するために読出し−書込み導体が必要とされる限り、本発明の磁気メモリセルは、先に列挙されたものを含む種々の磁気メモリに関して、まさに同じように動作するであろう。本発明の磁気メモリセルが、MRAMのようなデータ記憶デバイス(すなわち、メモリ)を形成するために、磁気メモリセルのアレイで実施できることは磁気メモリ技術の当業者によって明らかに理解されるであろう。そのメモリアレイの構造は、メモリセルのタイプに依存する。たとえば、交差点メモリ構造は、TMRメモリセルのアレイに非常に適している。
【0040】
図5では、磁気メモリセル10は、変更可能な磁化の向きM2としてデータのビットを格納するための強磁性データ層11(磁気メモリセル技術では、強磁性データ層11は記憶層またはビット層とも呼ばれる)と、強磁性データ層11と電気的に通じる第1の導体29と、強磁性データ層11と接触する中間層13と、中間層13と接触する強磁性キャップ層15と、軟らかい強磁性リファレンス層17とを含み、その軟らかい強磁性リファレンス層17は、強磁性キャップ層15と接触し、ピン留めされない磁化の向きを有し、クラッディングされた読出し−書込み導体を形成するために、読出し−書込み導体19と、読出し−書込み導体19を完全に包囲する強磁性クラッディング21(すなわち、読出し−書込み導体19は、強磁性クラッディング21によってその側面の全てに対して完全にクラッディングされる)とを含む。軟らかい強磁性リファレンス層17は、破線矢印16によって示されるように、強磁性クラッディング21の一部に沿って強磁性キャップ層15と接触している(これ以降、強磁性クラッディング21を、クラッディング21と呼び、強磁性キャップ層15をキャップ層15と呼ぶことにする)。クラッディング21およびキャップ層15は、図5に示されるように、それらのエッジが互いに同一平面にある必要はない。たとえば、一方のエッジが他方のエッジと重なり合う場合や、他方のエッジから差し込まれる場合がある。
【0041】
さらに、クラッディング21は、キャップ層15と接触しているクラッディング21の部分に沿った薄い部分(矢印16を参照)と、キャップ層15と接触していないクラッディング21の部分に沿った厚い部分とを含む調整された厚みを有する。さらに、軟らかい強磁性リファレンス層17の磁化の向きはピン留めされない、すなわち、軟らかい強磁性リファレンス層17は、たとえば、磁界内でアニーリングするような従来のプロセスを用いて、磁気メモリセル10の製造中に設定される所定の磁化の向きを持たない。
【0042】
代わりに、図6では、所定の大きさおよび方向の、外部から供給される読出し電流IRが読出し−書込み導体19に流れ、その結果、読出し磁界HRが生成される。図6では、読出し電流IRは、「+」記号によって示されるように紙面の中に流れ込んでおり、読出し磁界HRは、右手の法則にしたがって時計方向のベクトルを有する。読出し磁界HRはクラッディング21内に概ね閉じ込められる。読出し磁界HRの結果として、軟らかい強磁性リファレンス層17は、動的にピン留めされ(すなわち、オンザフライでピン留めされ)、左側を指す磁化の向きM1を有する。磁化の向きM1は、電流IRが読出し−書込み導体19を流れ続ける限り、動的にピン留めされたままである。読出し電流IRが流れている間に、中間層13を介して、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間を流れる電子に起因して、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間に抵抗が存在する。強磁性データ層11に格納されるデータのビットの状態は、その抵抗の大きさ、および/または変化を測定することにより判定することができる。たとえば、その抵抗は、軟らかい強磁性リファレンス層17と第1の導体29との間で測定され得る。
【0043】
図6では、磁気メモリセル10は、キャップ層15を含まない(図5を参照)。しかしながら、図8a〜図9bに関連して説明されるように、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層17に関して図6において上述された原理は、磁気メモリセル10がキャップ層15を含むか、含まないかにかかわらず当てはまる。キャップ層15は任意である。キャップ層15が存在するとき(図8a〜図9b参照)、読出し磁界HRは、クラッディング21およびキャップ層15内に概ね閉じ込められる。なぜなら、クラッディング21およびキャップ層15は、いずれも強磁性材料から形成されており、互いに接触する際に、磁気的に1つものとしてなるためである。
【0044】
抵抗を生じる現象は、磁気メモリの分野においてよく理解されており、TMR、GMRおよびCMRメモリセルに関してもよく理解されている。たとえば、TMRを用いるメモリセルでは、その現象は、量子力学トンネル効果またはスピン依存トンネル効果と呼ばれる。TMRメモリセルでは、中間層13は、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間で電子が量子力学的に突き抜ける(すなわち、移動する)、誘電体材料からなる薄いトンネル障壁層である。一方、GMRを用いるメモリセルでは、その現象は、電子のスピン依存散乱であり、中間層13は、非磁性材料からなる薄いスペーサ層である。どちらにしても、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗は、M1およびM2の相対的な向きに応じて変化し、それは、強磁性データ層11に格納されるデータのビットが論理「0」であるか、または論理「1」であるかを判定するために検出され得る、抵抗の変化である。
【0045】
したがって、強磁性データ層11に格納されるデータのビットは、上述のように読出し−書込み導体19に読出し電流IRを流し、その後、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗を測定することにより、磁気メモリセル10に対する読出し動作中に読み出され得る。そのビットの論理状態(すなわち、論理「0」または論理「1」)は、抵抗の大きさを検出することにより判定され得る。ここで、ビットの論理状態をM1およびM2の相対的な向きから如何にして判定できるかという一例が、図8a〜図8bおよび図9a〜図9bに関して説明される。
【0046】
図8aでは、読出し磁界HRが時計方向のベクトルを有し、かつ軟らかい強磁性リファレンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向きM1が、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2に平行である、すなわちM1およびM2が同じ方向を指すように、読出し電流IRが、「+」記号によって示されるように紙面に流れ込んでいる。M1およびM2のその構成は、論理「0」を表すために予め決定され得る、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗という結果になる。
【0047】
一方、図8bでは、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2は、軟らかい強磁性リファレンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向きM1に逆平行である、すなわちM1およびM2が反対方向を指している。したがって、M1およびM2のその構成は、論理「1」を表すために予め決定され得る、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗という結果になる。
【0048】
さらなる例として、図9aでは、読出し電流IRが「●」記号によって示されるように紙面から流れ出しており、軟らかい強磁性リファレンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向きM1は、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2に逆平行である。さらに、読出し磁界HRは、M1が右側を指すように、反時計方向のベクトルを有する。M1およびM2のその構成は、論理「1」を表すために予め決定され得る、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗という結果となる。
【0049】
逆に、図9bでは、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2は、軟らかい強磁性リファレンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向きM1に平行である。したがって、M1およびM2のその構成は、論理「0」を表すために予め決定され得る、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗という結果となる。
【0050】
先に言及したように、図8a〜図8bおよび図9a〜図9bに示される読出し動作の原理は、キャップ層15が存在するか否かにかかわらず当てはまる。キャップ層15を含むこと、または含まないことは、本発明のメモリセル10を形成するための方法に関連して、以下に説明される。さらに、キャップ層15が存在するとき、キャップ層15は、図8a〜図9bに示されるように、読出し磁界HRがキャップ層15内に延在するように、クラッディング21と磁気的に1つのようである(すなわち、磁気的に結合される)。したがって、図8a〜図9bに示されるようなキャップ層15は任意である。キャップ層15を含まないことができるが、その場合でも図8a〜図9bに関して説明された読出し動作の原理は依然として当てはまる。
【0051】
論理状態が、M1とM2との間で平行な関係および逆平行な関係のどちらに割り当てられるかの決定は、応用例に依存することができ、またはその決定は所定の規約を介して行われることができる。たとえば、その規約として、図8aおよび図8bに示される構成が採用され、それにより、読出し電流IRは紙面の「+」内に流れ込み、M1は、所望の向きにオンザフライでピン留めされ(すなわち、左側を指し)、論理「0」のための規約はM1およびM2が平行であり、論理「1」のための規約はM1およびM2が逆平行であるようにすることができる。
【0052】
本明細書に記載される本発明の実施形態では、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21は、高い透磁率の軟らかい磁性材料から形成されることができる。「軟らかい磁性材料」は、約1000以上の高い比透磁率μR(すなわち、透磁率μはμ=μ0*μRであり、ここでμ0=4π*10-7H/m、μ=(4π*10-7)*1000=1.257*10-3H/m以上)と、約1000A/m以下の低い保磁力(飽和保磁力)とを有し、ヒステリシス損失が小さい材料を意味する。
【0053】
クラッディング21のための高透磁率の軟らかい磁性材料によって、M1の磁化の向きは、読出し磁界HRがクラッディング21内に概ね閉じ込められるように、クラッディング21を飽和させない読出し磁界HRの大きさでオンザフライでピン留めされることが可能になる。さらに、クラッディング21から外側に延在する読出し磁界HRの全ての(すなわち、クラッディング21に閉じ込められない)部分は、強磁性データ層11内の変更可能な磁化の向きM2を回転させることはない(すなわち、読み出し磁界HRは、M2をその現在の向きから切り替えない)。結果として、読出し磁界HRを生成するために必要とされる読出し電流IRの大きさは、従来の磁気メモリセルに比べて低減される。同様に、軟らかい強磁性リファレンス層17がキャップ層15を含む場合、クラッディング21およびキャップ層15の両方のための高透磁率の軟らかい磁性材料によって、磁化の向きM1は、読出し磁界HRがクラッディング21およびキャップ層15内に概ね閉じ込められ、クラッディング21およびキャップ層15から外側に延在する読出し磁界HRの任意の部分が強磁性データ層11内の変更可能な磁化の向きM2を回転させないように、クラッディング21およびキャップ層15を飽和させない読出し磁界HRの大きさでオンザフライでピン留めされることが可能になる。
【0054】
対照的に、クラッディング21のための高透磁率の軟らかい磁性材料によって、読出し−書込み導体19を流れる第1の書込み電流IW1によって生成される第1の書込み磁界HW1が、クラッディング21を飽和させることが可能となり、そのため第1の書込み磁界HW1がクラッディング21の外側に強磁性データ層11まで延びる。キャップ層15が存在する場合、第1の書込み磁界HW1は、クラッディング21およびキャップ層15の両方を飽和させ、強磁性データ層11まで外側に延びる。どちらにしても、クラッディング21の薄い部分は、第1の書込み電流IW1の大きさが飽和する磁界、すなわち第1の書込み磁界HW1を生成するほど十分である書込み動作中に、クラッディングの飽和を支援するように機能する。
【0055】
本発明の一実施形態では、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21のうちの任意の選択される1つあるいは複数の層のための高透磁率の軟らかい磁性材料は、限定はしないが、以下の表1に列挙される材料を含む材料から形成されることができる。
【0056】
【表1】
【0057】
本発明の別の実施形態では、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21は、同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成されることができる。同じ高透磁率の軟らかい磁性材料は、限定はしないが、上記の表1に記載される材料を含む。たとえば、ニッケル鉄(NiFe)またはパーマロイ(PERMALLOY)(登録商標)を用いて、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21を形成することができる。
【0058】
本発明の一実施形態では、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21のうちの任意の選択される1つあるいは複数の層は、約1000より大きい比透磁率を有する。
【0059】
本発明のさらに別の実施形態では、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッディング21のうちの任意の選択される1つあるいは複数の層は、約1000A/m以下の飽和保磁力を有する。
【0060】
読出し−書込み導体19は、導電性材料から形成されることができる。読出し−書込み導体19に適した材料は、限定はしないが、以下の表2に列挙される材料を含む。
【0061】
【表2】
【0062】
本発明の一実施形態では、中間層13は、軟らかい強磁性リファレンス層17から強磁性データ層11を分離し、かつ電気的に絶縁する絶縁材料(すなわち、導電性ではない)材料から形成されるトンネル障壁層である。限定はしないが、以下の表3に列挙される材料を含む誘電体材料を、トンネル障壁層に用いることができる。トンネル障壁層は、約0.5nm〜約5.0nmの厚み(図13のT3参照)を有することができる。
【0063】
【表3】
【0064】
本発明の別の実施形態では、中間層13は非磁性材料から形成されるスペーサ層である。スペーサ層のための非磁性材料は、3d、4dまたは5dの遷移金属(元素の周期表から)とすることができる。限定はしないが、以下の表4に列挙される材料を含む非磁性材料を、スペーサ層に用いることができる。スペーサ層は、約0.5nm〜約5.0nmの厚み(図13のT3参照)を有することができる。
【0065】
【表4】
【0066】
図11では、本発明の磁気メモリセル10は、強磁性データ層11を横切り、強磁性データ層11と電気的に通じる第1の導体29を含むことができる。強磁性データ層11と第1の導体29との間の導通は、第1の導体29と強磁性データ層11とが、互いに接触することにより、またはバイア、導電性プラグ等(図示せず)のような相互接続構造体によって達成され得る。好適には、構成がコンパクトであり、相互接続構造体よりも複雑ではないため、第1の導体29は強磁性データ層11と接触する。データのビットは、第1の導体29と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗を測定することにより、上述のように読み出され得る。第1の導体29は、概ね直交する方向に強磁性データ層11を横切ることができ、または直交しない方向に強磁性データ層11を横切ることができる。マイクロエレクトロニクスのレイアウトおよび配線ツールは、マイクロエレクトロニクスデバイスの直交レイアウトに対して修正でき、ツールによっては直交しないレイアウトを許容しないため、典型的には、第1の導体29は強磁性データ層11を直交する方向に横切る。第1の導体29は、限定はしないが、上記の表2に記載された材料を含む導電性材料から形成されることができる。
【0067】
図7において、本発明の複数(ここでは3つが示される)の磁気メモリセル10によってメモリ50が形成される。各磁気メモリセル10は、共通の軟らかい強磁性リファレンス層17と接触する、その各キャップ層15(キャップ層15は任意である)を有し、各磁気メモリセル10は、その各強磁性データ層11にデータのビットを格納する。そのデータのビットは、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗を測定することにより読み出され得る。さらに、図11に関して先に説明されたように、各磁気メモリセル10は、その各強磁性データ層11と電気的に通じる第1の導体29を含むことができる。同様に、データのビットは、第1の導体29と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗を測定することにより読み出され得る。したがって、軟らかい強磁性リファレンス層17および第1の導体29は、それぞれ行導体および列導体、または列導体および行導体のような1対の導体とすることができる。その1対の導体は互いに交差し、磁気メモリセル10は、図7に示されるように、その1対の導体間の交差領域に配置され得る。その1対の導体は、互いに直交する方向に交差する必要はない。
【0068】
当分野においてよく理解されているように、強磁性データ層11にデータのビットが書き込まれる書込み動作は、読出し−書込み導体19に第1の外部供給電流IW1を流して、第1の書込み磁界HW1を生成し、かつ第1の導体29に第2の外部供給電流IW2を流して、第2の書込み磁界HW2を生成することにより達成され得る。第1および第2の書込み磁界(HW1 、HW2)は、変更可能な磁化の向きM2を所望の向きに回転させるために、強磁性データ層11と協働する。たとえば、強磁性データ層11が現時点で論理「0」を格納し、M2が「左」を指している場合、第1および第2の書込み磁界(HW1 、HW2)は、強磁性データ層11と協働して、M2を「右」に回転させ(すなわち、反転させ)、強磁性データ層11に論理「1」が書き込まれるようにすることができる。
【0069】
図12において、本発明の複数(ここでは3つが示される)の磁気メモリセル10によってメモリ70が形成される。各磁気メモリセル10は、共通の軟らかい強磁性リファレンス層17と接触する、その各キャップ層15(キャップ層15は任意である)を有し、その各強磁性データ層11は、強磁性データ層11を横切る第1の導体29と電気的に通じる。
【0070】
磁気メモリセル10のうちの選択された磁気メモリセルに対する書込み動作は、以下のように達成され得る。11aとして示される強磁性データ層を有する磁気メモリセル10は、読出し−書込み導体19に第1の書込み電流IW1を流し、第1の導体29に第2の書込み電流IW2を流すことにより、書込み動作に対して選択される。他の磁気メモリセル10は書込み動作に対して選択されない。なぜなら、それらの各第1の導体29に書込み電流が流れないためである。第1の書込み電流IW1は第1の書込み磁界HW1を生成し、第2の書込み電流IW2は第2の書込み磁界HW2を生成する。第1および第2の書込み磁界(HW1、HW2)は協働して、強磁性データ層11aの変更可能な磁化の向きM2を所望の向きに回転させる。
【0071】
さらに別の例として、同じ強磁性データ層11aに対する読出し動作は、軟らかい強磁性リファレンス層17の読出し−書込み導体19に、所定の大きさおよび方向の読出し電流IRを流すことにより達成され得る。読出し電流IRは、クラッディング21内に概ね閉じ込められる読出し磁界HRを生成し、読出し磁界HRは、磁化の向きM1をオンザフライでピン留めするように作用する。強磁性データ層11aに格納されるデータのビットは、軟らかい強磁性リファレンス層17と、強磁性データ層11aの第1の導体29との間の抵抗を測定することにより読み出され得る(図7を参照)。
【0072】
図14aおよび図14bには、書込み動作が、より詳細に示される。図14aでは、変更可能な磁化の向きM2は、書込み動作の開始時に左側を指している。第1および第2の書込み磁界(HW1、HW2)は、強磁性データ層11まで延び、互いに作用しあって、M2を回転させ始める。第1の書込み電流IW1の大きさ(破線矢印を参照)は、第1の書込み磁界HW1がクラッディング21およびキャップ層15(薄い部分に沿って)を飽和させ、第1の書込み磁界HW1が強磁性データ層11内に延びるようにする。次に、図14bでは、変更可能な磁化の向きM2は回転し、第1および第2の書込み磁界(HW1、HW2)の合成された磁力がM2に作用する結果として右側を指している。M2が左側を指しているときに、論理「0」を表していた場合、右側を指しているM2は論理「1」を表す。
【0073】
本発明のクラッディングされた読出し−書込み導体を形成するためのプロセスが、図10a〜図10fに示される。以下に記載される処理ステップの順序は例示にすぎず、処理ステップの実際の順序は、以下に記載されるのと同じ順序である必要はない。さらに、マイクロエレクトロニクスの分野の当業者によく知られている他のプロセスを、ここに記載される処理ステップの代わりに用いることができる。
【0074】
最初に、図10aでは、誘電体層31が形成され、たとえば、化学的機械的研磨(CMP)のようなプロセスによって平坦化される。クラッディング21の一部を形成することになる高透磁率の軟らかい磁性材料を堆積させる前に、誘電体層31においてトレンチ33がエッチングされる。誘電体層31の一部のみが図10aに示されているが、誘電体層31は、その中に形成された複数のトレンチ33を有する誘電体層とすることができ、破線矢印eによって示されるように、図示される範囲を越えて延びることができる。
【0075】
第2に、図10bでは、等方性プロセスを用いて、クラッディング21aの一部がトレンチ33内に堆積される(結果として、トレンチ33の側壁Sが、トレンチ33の底面bと概ね同じ厚みにコーティングされる)。クラッディング21aに用いられる材料は、磁気的に軟らかい材料であり、すなわちその材料は、磁気コアとして作用するだけの十分な透磁性を有し、とぎれることなく、またはあまりに多くの空隙を生じることなく、その断面を通して連続している。クラッディング21aの等方性堆積の結果として、トレンチ35が形成される。
【0076】
第3に、図10cでは、電気めっき、または他の適切な堆積プロセスを用いて読出し−書込み導体19を形成するために、トレンチ35は銅(Cu)のような導電性材料を充填される。その後、図10cに示される構造体を得るために、(たとえば、CMPを用いて)全構造体が平坦化される。図10cでは、読出し−書込み導体19は、未だ完全にクラッディングされていないことに留意されたい。
【0077】
第4に、図10dでは、磁束通路を閉じるために、別の高透磁率の軟らかい磁性材料21bが堆積され、それにより完全にクラッディングされた読出し−書込み導体19が形成される(すなわち、部分21aおよび21bをクラッディングすることにより完全に包囲される)。高透磁率の軟らかい磁性材料21bの厚みは、クラッディング21aの底面bまたは側壁Sの厚みとは異なるように形成され得る。21bの材料は、クラッディング21aの材料と同じ材料、または異なる材料とすることができる。その後、クラッディング21bはパターン形成およびエッチングされ、次いで、磁気メモリセル10の残りの部分が図10dの構造体の上側に形成される。さらに、図10dは、クラッディング21aの最も外側のエッジを越えて延びる高透磁率の軟らかい磁性材料21bを示すが、高透磁率の軟らかい磁性材料21bはそれらのエッジと同一平面に存在し得る、または破線iによって示されるようにそれらのエッジから挿入され得ることに留意されたい。高透磁率の軟らかい磁性材料21bは、もはやクラッディング21aとの閉じた磁束通路を形成しなくなるほどまでiを挿入させるべきではない。
【0078】
必要に応じて、図10eでは、キャップ層15を形成するために、別の高透磁率の軟らかい磁性材料がクラッディング21(先に21aおよび21bとして示された)上に堆積され得る。その後、中間層13がキャップ層15上に堆積される。キャップ層15の包含は、製造上の選択の問題である。たとえば、先に言及したように、その処理ステップは、ここに記載される順序に従う必要はない。そのため、磁気メモリセル10は、強磁性データ層11で開始して、その後中間層13が形成されるなどにより製造されてもよい。中間層13に用いられる材料によっては、中間層が堆積された後に、中間層がさらされる環境と化学的に反応するのを防ぐように、中間層13を仕上げる(すなわち、不動態化する)ことが必要な場合がある。たとえば、中間層13が誘電体トンネル障壁層である場合、クラッディング21の高透磁率の軟らかい磁性材料と磁気的に適合することになる高透磁率の軟らかい磁性材料から形成されるキャップ層15を堆積させることが望ましいかもしれない。キャップ層15は、誘電体トンネル障壁層のための保護キャップとして機能する。キャップ層15は、クラッディング21と同じ材料から、またはクラッディング21と異なる材料から形成され得る。
【0079】
最後に、図10fでは、中間層13上に強磁性データ層11が形成される。さらに、第1の導体29を形成するために、強磁性データ層11上に導電性材料を堆積させることができる。
【0080】
上記のプロセスは、本発明の完全にクラッディングされた読出し−書込み導体(すなわち、19、21aおよび21b)を形成するために用いられるCuのダマクス象眼加工(Cu-damascene)プロセスの中のプロセスを真似ている。そのようなプロセスによって製造される平坦な構造体は、図10dの構造体を製造する際に有用である(ただし、絶対的に不可欠ではない)。しかしながら、マイクロエレクトロニクスの分野において理解されている他のプロセスを用いて、図10dの構造体を製造することもできる。さらに、図10a〜図10fは、本発明の完全にクラッディングされた読出し−書込み導体を製造するための1つの実現可能な方法を示している。たとえば、図10a〜図10fに示されるものと逆の順序で製造することができる。製造は、強磁性データ層11から開始し、中間層13、必要に応じてキャップ層15と続けられ、その後、クラッディングされた読出し−書込み導体を形成することができる。
【0081】
上述のプロセスでは、クラッディング21、キャップ層15、強磁性データ層11、読出し−書込み導体19および中間層13の材料は、限定しないが、表1、表2、表3および表4において先に記載された材料を含むことができる。
【0082】
図13aでは、クラッディング21、中間層13および強磁性データ層11の間の寸法の関係が示される。先に言及したように、クラッディング21の軟らかい磁性材料は、読出し−書込み導体19を流れる読出し電流IRによって生成される読出し磁界HRが、軟らかい強磁性リファレンス層17の磁化の向きM1をオンザフライでピン留めするように選択される。さらに、結果として生じる読出し磁界HRはクラッディング21を飽和させず、読出し動作中に読出し磁界HRがクラッディング21内に概ね閉じ込められるようにする。クラッディング21を越えて延びる読出し磁界HRの任意の部分が、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2を回転させることはない。対照的に、書込み動作中、第1の書込み磁界HW1はクラッディング21を飽和させ、強磁性データ層11に向かって延びる。したがって、クラッディング21の相対的な厚みは、読出し動作中に読出し磁界HRがクラッディング21に概ね閉じ込められ、書込み動作中に第1の書込み磁界HW1がクラッディング21を飽和させるように調整されなければならない。
【0083】
図13aにおいて、中間層13に隣接するクラッディング21の部分(すなわち、破線矢印18により示される薄い部分)は、クラッディング21内に読出し磁界HRを概ね閉じ込めるのに十分な最小厚D1を有するべきである(すなわち、磁束閉じこめ構造を提供するのに十分な厚さ)。クラッディング21の残りの部分は、最小厚D1以上の厚みD2、D3およびD4を有することができる。それゆえ、D2、D3およびD4≧D1である。D2、D3およびD4は、D1より厚いことが好ましい。
【0084】
書込み動作中、第1の書込み磁界HW1はクラッディング21を飽和させる。しかしながら、D2、D3およびD4がD1より著しく厚くなるようにクラッディング21の厚みを調整し、第1の書込み磁界HW1が、薄い部分に沿って、概ね強磁性データ層11に向かう方向にクラッディング21を飽和させるようにすることが望ましい場合がある。この結果、第1の書込み磁界HW1は、強磁性データ層11に向かう方向に導かれ、厚みD2、D3およびD4(すなわち、厚い部分)の方向のフリンジ磁界は、クラッディング21を飽和させない、または少なくとも、D2、D3およびD4においてクラッディング21の厚みによって著しく減衰される。D2、D3およびD4は、クラッディング21が飽和するのを防ぐように選択される厚みを有することが好ましい。
【0085】
同様に、図13bでは、クラッディング21、キャップ層15、中間層13および強磁性データ層11の間の寸法の関係が示される。先に言及したように、クラッディング21およびキャップ層15のための軟らかい磁性材料は、読出し−書込み導体19を流れる読出し電流IRによって生成される読出し磁界HRが、軟らかい強磁性リファレンス層17の磁化の向きM1をオンザフライでピン留めするように選択される。さらに、結果として生じる読出し磁界HRはクラッディング21およびキャップ層15を飽和させず、読出し動作中に読出し磁界HRがクラッディング21およびキャップ層15内に概ね閉じ込められるようにする(すなわち、クラッディング21およびキャップ層15は、磁束閉じ込め構造を提供する)。クラッディング21およびキャップ層15を越えて延びる読出し磁界HRの任意の部分が、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2を回転させることはない。逆に、書込み動作中、第1の書込み磁界HW1はクラッディング21およびキャップ層15を飽和させ、強磁性データ層11に向かって延びる。したがって、クラッディング21の相対的な厚みは、読出し動作中に読出し磁界HRがクラッディング21に概ね閉じ込められ、書込み動作中に第1の書込み磁界HW1がクラッディング21およびキャップ層15を飽和させるように調整されなければならない。
【0086】
図13bでは、キャップ層15に隣接するクラッディング21の部分(破線矢印19を参照)は、クラッディング21およびキャップ層15内に読出し磁界Hを概ね閉じ込めるのに十分な最小の組み合わせた厚み(D1+T1)を有するべきである。クラッディング21の残りの部分は、最小の組み合わせた厚み(D1+T1)以上の厚みD2、D3およびD4を有することができる。それゆえ、D2、D3およびD4≧(D1+T1)である。D2、D3およびD4は、(D1+T1)より厚いことが好ましい。先に言及したように、D2、D3およびD4は、(D1+T1)より著しく厚く形成されることができ、書込み動作中に、第1の書込み磁界HW1が、概ね強磁性データ層11に向かう方向に、クラッディング21およびキャップ層15を飽和させるようにすることができる。
【0087】
クラッディング21、キャップ層15、中間層13および強磁性データ層11の厚みとその範囲は、限定しないが、以下に記載される寸法を含む。
【0088】
クラッディング21は、約3.0nm〜約100.0nmの厚みD1を有し、キャップ層15は、約1.0nmより大きい厚みT1を有することができる。D1およびT1の実際の厚みは、クラッディング21およびキャップ層15のために選択される材料に依存するであろう。
【0089】
中間層13は、約0.5nm〜約5.0nmの厚みT3を有することができる。T3の実際の厚みは、中間層13のために選択される材料、およびたとえば、TMRメモリセルまたはGMRメモリセルのようなメモリセルのタイプに部分的に依存するであろう。
【0090】
強磁性データ層11は、約1.0nmより大きい厚みT5を有することができる。T5の実際の厚みは、メモリセルのタイプおよび応用形態に依存するであろう。
【0091】
軟らかい強磁性リファレンス層17は、読出し−書込み導体19のために選択される寸法、およびクラッディング21の厚みD1、D2、D3およびD4に部分的に依存する幅Wおよび高さHを有することができる。したがって、WおよびHは、その最終的な寸法が、クラッディング21および読出し−書込み導体19の寸法を含む多くの変数に基づくことになるので、応用形態の依存性が高い。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態が開示され、説明されてきたが、本発明は、そのように記載および図示される特定の形態または部品の構成に限定されない。本発明は特許請求の範囲によってのみ制限される。
【0093】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施形態を示す。
1.磁気メモリセル(10)であって、
変更可能な磁化の向き(M2)としてデータのビットを格納するための強磁性データ層(11)と、
前記強磁性データ層(11)と電気的に通じる第1の導体(29)と、
前記強磁性データ層(11)と接触する中間層(13)と、及び
ピン留めされない磁化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(19)、及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲する強磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性リファレンス層(17)であって、前記強磁性クラッディング(21)が、前記中間層(13)に接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有する、軟らかい強磁性リファレンス層(17)とからなり、
読出し動作中、前記軟らかい強磁性リファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体(19)を流れる読出し電流(IR)によって生成される読出し磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライでピン留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性クラッディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)内に概ね閉じ込められ、
書込み動作中、前記第1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れる第1の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁界(HW1)を生成するように機能し、前記第1の書込み磁界(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、磁気メモリセル(10)。
2.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、高透磁率の軟らかい磁性材料からなる、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
3.前記高透磁率の軟らかい磁性材料が、ニッケル鉄、ニッケル鉄の合金、ニッケル鉄コバルト、ニッケル鉄コバルトの合金、コバルト鉄、コバルト鉄の合金およびパーマロイ(R)からなるグループから選択された材料である、上記2に記載の磁気メモリセル(10)。
4.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)が、同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成される、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
5.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、約1000より大きい比透磁率を有する、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
6.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、約1000A/m以下の飽和保磁力を有する、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
7.前記読出し−書込み導体(19)が、銅、銅の合金、アルミニウム、アルミニウムの合金、アルミニウム銅、アルミニウム銅の合金、タンタル、タンタルの合金、金、金の合金、銀および銀の合金からなるグループから選択された導電性材料である、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
8.前記強磁性クラッディング(21)の前記調整された厚みが、前記中間層と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿って、約3.0nm〜約100.0nmである、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
9.前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層(13)との間に配置され、前記強磁性クラッディング(21)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)をさらに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記強磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
前記読出し動作中に、前記生成された読出し磁界(HR)は、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、
書込み動作中、前記第1の書込み磁界(HW1)は、前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。
10.変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格納するための強磁性データ層と、前記強磁性データ層と電気的に通じている第1の導体と、既知の方向にピン留めされる磁化の向きを有する強磁性リファレンス層と、前記強磁性リファレンス層と電気的に通じている第2の導体と、前記強磁性データ層と前記強磁性リファレンス層との間の中間層とを含み、前記ビットが、前記第1の導体と前記第2の導体との間の抵抗を測定することにより読み出され、前記第1および前記第2の導体に第1および第2の電流を流し、前記強磁性データ層と協働する第1および第2の書込み磁界を生成し、前記変更可能な磁化の向きを回転させることにより、前記ビットが書き込まれる磁気メモリセルにおいて、
ピン留めされない磁化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(19)、及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲する強磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性リファレンス層(17)を含み、前記強磁性クラッディング(21)が、前記中間層(13)に接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
読出し動作中、前記軟らかい強磁性リファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体(19)を流れる読出し電流(IR)によって生成される読出し磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライでピン留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性クラッディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)内に概ね閉じ込められ、
書込み動作中、前記第1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れる第1の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁界(HW1)を生成するように機能し、前記第1の書込み磁界(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、磁気メモリセル。
11.前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層(13)との間に配置され、前記強磁性クラッディング(21)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)をさらに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記強磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
前記読出し動作中、前記生成された読出し磁界(HR)が、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、前記書込み動作中、前記第1の書込み磁界(HW1)が、前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、上記10に記載の磁気メモリセル。
【0094】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、データ層に格納されたデータのビットを読み出すために、ピン留めされた磁化の向きを必要としないリファレンス層を有する磁気メモリセルを実現することができる。また、リファレンス層を形成するために必要とされる材料の層の数を低減することもできる。さらに、近くのメモリセルとの干渉を十分に低減するように、読出しおよび書込み動作中に生成されるフリンジ磁界が、リファレンス層に概ね閉じ込められる磁気メモリセルを実現することができる。さらに、読出しまたは書込み動作を達成するために必要な電流の大きさを低減し、電力消費および電力損失を低減する磁気メモリセルを実現することができる。さらに、読出し動作中の磁気抵抗の変化が大きくなるように、データ層の磁化の向きの角変位が十分に低減または除去される磁気メモリセルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピン留めされた磁化の向きを有するリファレンス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図である。
【図2a】図1の従来の磁気メモリセルのリファレンス層とデータ層との間の全体的に平行な磁化の向きを示す図である。
【図2b】図1の従来の磁気メモリのリファレンス層とデータ層との間の全体的に逆平行の磁化の向きを示す図である。
【図2c】従来の磁気メモリセルにおけるデータ層の磁化の向きに対する消磁界の作用を示す図である。
【図2d】従来の磁気メモリセルにおけるデータ層の磁化の向きに対する消磁界の作用を示す図である。
【図3a】ピン留め層とピン留めされる層とを含む多層リファレンス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図である。
【図3b】ピン留め層とピン留めされる層とを含む多層リファレンス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図である。
【図4a】従来の磁気メモリセルのアレイと、行および列導体とを含む従来の磁気メモリセルの読出し動作および書込み動作を示す図である。
【図4b】選択された従来の磁気メモリセルに対する読出し動作と、行および列導体に流れる読出し電流によって生成される磁界とを示す図である。
【図4c】選択された従来の磁気メモリセルに対する書込み動作と、行および列導体に流れる電流によって生成されるフリンジ磁界とを示す図である。
【図5】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と、全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルの図である。
【図6】本発明による、読出し動作中に強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められる磁界の図である。
【図7】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層および全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体を有する磁気メモリセルのアレイを含むメモリの図である。
【図8a】本発明による、読出し動作中にオンザフライでピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図である。
【図8b】本発明による、読出し動作中にオンザフライでピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図である。
【図9a】本発明による、読出し動作中にオンザフライでピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図である。
【図9b】本発明による、読出し動作中にオンザフライでピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図である。
【図10a】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図10b】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図10c】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図10d】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図10e】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図10f】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図である。
【図11】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層を有し、強磁性データ層にデータのビットを書き込むための第1の導体を含む磁気メモリセルの図である。
【図12】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層、および選択された磁気メモリセルの強磁性データ層にデータのビットを書き込むための第1の導体を有する磁気メモリセルのアレイを含むメモリの図である。
【図13a】本発明による、強磁性クラッディングを有する軟らかい強磁性リファレンス層の相対的寸法を示す図である。
【図13b】本発明による、強磁性クラッディングと強磁性キャップ層とを有する軟らかい強磁性リファレンス層の相対的寸法を示す図である。
【図14a】本発明による、書込み動作、および強磁性データ層の変更可能な磁化の向きを回転させる切替え磁界を示す図である。
【図14b】本発明による、書込み動作、および強磁性データ層の変更可能な磁化の向きを回転させる切替え磁界を示す図である。
【符号の説明】
10 磁気メモリセル
11 強磁性データ層
13 中間層
15 強磁性キャップ層
17 軟らかい強磁性リファレンス層
19 読出し−書込み導体
21 強磁性クラッディング
29 第1の導体
HW1 第1の書込み磁界
HR 読出し磁界
IW1 第1の書込み電流
IR 読出し電流
Claims (11)
- 磁気メモリセル(10)であって、
変更可能な磁化の向き(M2)としてデータのビットを格納するための強磁性データ層(11)と、
前記強磁性データ層(11)と電気的に通じる第1の導体(29)と、
前記強磁性データ層(11)と接触する中間層(13)と、及び
ピン留めされない磁化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(19)、及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲する強磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性リファレンス層(17)であって、前記強磁性クラッディング(21)が、前記中間層(13)に接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有する、軟らかい強磁性リファレンス層(17)とからなり、
読出し動作中、前記軟らかい強磁性リファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体(19)を流れる読出し電流(IR)によって生成される読出し磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライでピン留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性クラッディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)内に概ね閉じ込められ、
書込み動作中、前記第1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れる第1の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁界(HW1)を生成するように機能し、前記第1の書込み磁界(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、磁気メモリセル(10)。 - 前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、高透磁率の軟らかい磁性材料からなる、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記高透磁率の軟らかい磁性材料が、ニッケル鉄、ニッケル鉄の合金、ニッケル鉄コバルト、ニッケル鉄コバルトの合金、コバルト鉄、コバルト鉄の合金、およびパーマロイ(R)からなるグループから選択された材料である、請求項2に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)が、同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成される、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、約1000より大きい比透磁率を有する、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは複数の層が、約1000A/mまたはそれより小さい飽和保磁力を有する、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記読出し−書込み導体(19)が、銅、銅の合金、アルミニウム、アルミニウムの合金、アルミニウム銅、アルミニウム銅の合金、タンタル、タンタルの合金、金、金の合金、銀、および銀の合金からなるグループから選択された導電性材料である、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記強磁性クラッディング(21)の前記調整された厚みが、前記中間層と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿って、約3.0nm〜約100.0nmである、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。
- 前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層(13)との間に配置され、前記強磁性クラッディング(21)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)をさらに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記強磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
前記読出し動作中に、前記生成された読出し磁界(HR)は、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、及び
書込み動作中、前記第1の書込み磁界(HW1)は、前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、請求項1に記載の磁気メモリセル(10)。 - 変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格納するための強磁性データ層と、前記強磁性データ層と電気的に通じている第1の導体と、既知の方向にピン留めされる磁化の向きを有する強磁性リファレンス層と、前記強磁性リファレンス層と電気的に通じている読出し−書込み導体と、前記強磁性データ層と前記強磁性リファレンス層との間の中間層とを含み、前記ビットが、前記第1の導体と前記読出し−書込み導体との間の抵抗を測定することにより読み出され、前記第1の導体および前記読出し−書込み導体に第1および第2の電流を流し、前記強磁性データ層と協働する第1および第2の書込み磁界を生成し、前記変更可能な磁化の向きを回転させることにより、前記ビットが書き込まれる磁気メモリセルにおいて、
ピン留めされない磁化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(19)、及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲する強磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性リファレンス層(17)を含み、前記強磁性クラッディング(21)が、前記中間層(13)に接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
読出し動作中、前記軟らかい強磁性リファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体(19)を流れる読出し電流(IR)によって生成される読出し磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライでピン留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性クラッディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)内に概ね閉じ込められ、
書込み動作中、前記第1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れる第1の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁界(HW1)を生成するように機能し、前記第1の書込み磁界(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びるように改善されている、磁気メモリセル。 - 前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層(13)との間に配置され、前記強磁性クラッディング(21)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)をさらに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記強磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整された厚みを有し、
前記読出し動作中、前記生成された読出し磁界(HR)が、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、及び
前記書込み動作中、前記第1の書込み磁界(HW1)が、前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)まで外側に延びる、請求項10に記載の磁気メモリセル。
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