JP4868431B2 - 磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含む磁気抵抗効果素子を有する磁気記憶セルと、これら磁気抵抗効果素子および磁気記憶セルにおける感磁層の磁化方向の変化を利用して情報の記録・読出を行う磁気メモリデバイスに関する。
従来より、コンピュータや通信機器等の情報処理装置に用いられる汎用メモリとして、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static RAM)などの揮発性メモリが使用されている。これらの揮発性メモリにおいては、記憶を保持するために絶えず電流を供給し、リフレッシュを行う必要がある。また、電源を切るとすべての情報が失われるので、これら揮発性メモリの他に情報を記録するための手段として不揮発性のメモリを設ける必要があり、例えば、フラッシュEEPROMや磁気ハードディスク装置などが用いられる。
これら不揮発性メモリにおいては、情報処理の高速化に伴って、アクセスの高速化が重要な課題となっている。さらに、携帯情報機器の急速な普及および高性能化に伴い、いつでもどこでも情報処理が行うことのできる、いわゆる、ユビキタスコンピューティングを目指した情報機器開発が急速に進められている。このような情報機器開発の中心となるキーデバイスとして、高速処理に対応した不揮発性メモリの開発が強く求められている。
不揮発性メモリの高速化に有効な技術としては、強磁性層の磁化容易軸に沿った磁化方向によって情報を記憶する磁気メモリ素子がマトリックス状に配列された磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM;Magnetic Random Access Memory という。)が知られている。MRAMでは、2つの強磁性体における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶するようになっている。一方、記憶情報の読み出しは、ある基準となる方向に対し、磁化方向が平行である場合と反平行である場合とによって生じる抵抗変化(すなわち、電流あるいは電圧の変化)を検知することによって行う。このような原理で動作することから、MRAMでは、安定した書き込みおよび読み出しを行うために、抵抗変化率ができるだけ大きいことが重要である。
現在実用化されているMRAMは、巨大磁気抵抗(GMR;Giant Magneto-Resistive )効果を利用したものである。GMR効果とは、2つの磁性層を各層の磁化容易軸方向が互いに平行となるように配設したときに、それら各層の磁化方向が磁化容易軸に沿って平行となる場合に抵抗値が最小となり、反平行の場合に最大値となる現象である。このようなGMR効果が得られるGMR素子を利用したMRAM(以下、GMR−MRAMと記す。)としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。
最近では、記憶速度やアクセス速度などのさらなる向上を目指し、GMR−MRAMに替わって、トンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto-Resistive )を利用したTMR素子を有するMRAM(以下、TMR−MRAMと記す。)が提案されている。TMR効果は、極薄の絶縁層(トンネルバリア層)を挟んだ2つの強磁性層間における磁化方向の相対角度により絶縁層を通過して流れるトンネル電流が変化するという効果である。2つの強磁性層における磁化方向が、互いに平行な場合に抵抗値が最小となり、互いに反平行の場合に最大となる。TMR−MRAMでは、TMR素子が、例えば「CoFe/アルミニウム酸化物/CoFe」という構成の場合、抵抗変化率が40%程度と高く、また、抵抗値も大きいためMOSFET等の半導体デバイスと組み合わせた場合のマッチングが取りやすい。このため、GMR−MRAMと比較して、より高い出力が容易に得られ、記憶容量やアクセス速度の向上が期待されている。TMR−MRAMでは、TMR素子の近傍に配置された書込線としての導線に電流を流すことにより電流磁界を発生させ、これを利用してTMR素子の磁性層の磁化方向を所定の方向に変化させ、情報を記憶するようになっている。記憶情報を読み出す方法としては、トンネルバリア層に垂直な方向に電流を流し、TMR素子の抵抗変化を検出する方法が知られている。このようなTMR−MRAMの技術に関しては、特許文献2あるいは特許文献3に開示されたものが知られている。
また、最近では、磁気メモリデバイスとしてのさらなる高密度化の要求が高まっており、これに伴いTMR素子の微細化も必要とされている。TMR素子の微細化が進むほど、その両端部の磁極による反磁界の影響により、情報を記憶する磁性層(フリー層)における磁化方向を一定方向に揃えるのに大きな磁界が必要となってしまい、情報の書込時に必要とされる書込電流が増大する傾向にある。この問題に対し、TMR素子近傍の導線(書込線)の周囲にフリー層と共に閉磁路を形成する構造が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献4によれば、記録に関わるフリー層が閉磁路を構成するので、反磁界による悪影響を回避することができ、集積度の高い磁気メモリデバイスを実現することができる。さらに、この場合、2本の書込線が両方とも閉磁路の内側を通るので、効率よく磁化の反転を行うことができる。
米国特許第5343422号明細書 米国特許第5629922号明細書 特開平9−91949号公報 特開2001−273759号公報
しかしながら、上記特許文献4に開示されたような構造を有する磁気メモリデバイスであっても、書込電流の変動が存在すると閉磁路に形成される還流磁界の大きさも変動してしまう。このため、今後、書込電流の微弱化を進めるにあたり、十分に安定した書込動作を行うことが困難となることが予想される。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、導線を流れる電流によって形成される磁界を効率よく利用し、情報の書込を安定して行うことのできる磁気記憶セルおよびそれを備えた磁気メモリデバイスを提供することにある。
本発明の磁気記憶セルは、互いに並走する第1および第2の直線部分と、それら第1および第2の直線部分の一端同士を繋ぐ接続部分とからなる折り返し部分を有する導線と、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層とその感磁層よりも大きな保磁力を有し磁化方向が固定された磁性層とをそれぞれ含む第1および第2の積層体、ならびに第1および第2の直線部分の一部領域をそれぞれ取り囲むように周回方向に沿って配置されて連結部分において第1および第2の積層体における感磁層とそれぞれ磁気的に交換結合した第1および第2の磁気ヨーク、をそれぞれ有する第1および第2の磁気抵抗効果素子とを備える。第1および第2の磁気抵抗効果素子は、第1および第2の磁気ヨークの一部のみを互いに共有している。第1および第2の積層体の磁性層は、第1および第2の磁気ヨークの連結部分よりも大きな保磁力を有し、第1および第2の磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が、第1および第2の磁気ヨークの連結部分において最も小さくなっている。
ここで、本発明の「取り囲む」とは、完全に閉じた環状をなすように取り囲む場合のほか、一部が開放された状態で(不完全に)取り囲む場合をも含む主旨である。また「周回方向」とは、導線の周りを廻る方向を意味する。また「外部磁界」とは、導線に流れる電流によって生ずる磁界、または、磁気ヨークに生ずる還流磁界を意味している。
本発明の磁気メモリデバイスは、第1の書込線と、この第1の書込線と交差するように延びると共に第1の書込線との交差領域に対応した部分において第1の書込線と並走するように構成された第2の書込線と、第1および第2の磁気抵抗効果素子とを含んで構成された磁気記憶セルを備える。第2の書込線は、互いに並走する第1および第2の直線部分と、それら第1および第2の直線部分の一端同士を繋ぐ接続部分とからなる折り返し部分を有する。第1および第2の磁気抵抗効果素子の各々は、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層と前記感磁層よりも大きな保磁力を有し磁化方向が固定された磁性層とをそれぞれ含む第1および第2の積層体、ならびに第1および第2の直線部分の一部領域をそれぞれ取り囲むように周回方向に沿って配置されて連結部分において第1および第2の積層体における感磁層とそれぞれ磁気的に交換結合した第1および第2の磁気ヨーク、をそれぞれ有すると共に、第1および第2の磁気ヨークの一部のみを互いに共有している。第1および第2の積層体の磁性層は、第1および第2の磁気ヨークの連結部分よりも大きな保磁力を有し、第1および第2の磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が、第1および第2の磁気ヨークの連結部分において最も小さい。
本発明による磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイスでは、磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が積層体との連結部分において最も小さくなるようにしたので、導線(第1および第2の書込線)に電流を流すことによって磁気ヨークに生ずる還流磁界の磁束密度が、連結部分において最も高くなる。
本発明による磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイスでは、磁気ヨークの断面の面積が、連結部分に近づくにつれて次第に小さくなるように構成してもよい。この場合には、磁気ヨークの幅が、連結部分に近づくにつれて次第に小さくなり連結部分において最も小さくなるようにしてもよいし、磁気ヨークの厚さが、連結部分に近づくにつれて次第に小さくなり連結部分において最も小さくなるようにしてもよい。本発明の「幅」とは、導線(第1および第2の書込線)の延在方向の長さを指し、本発明の「厚さ」とは、導線から遠ざかる方向または導線に近づく方向における長さを指す。具体的には、磁気ヨークを1つのリングに見立てた場合、このリングの半径方向における磁気ヨークの寸法を意味する。
本発明による磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイスでは、磁気ヨークが、積層体の積層面に沿った方向に延在すると共に連結部分を有する一のビームヨークを含んで構成されてもよい。または、磁気ヨークが、導線(第1および第2の書込線)を挟んで互いに対向しつつ積層体の積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨークと、この一対のピラーヨークにおける積層体の側の各一端どうしを連結すると共に連結部分を有する一のビームヨークとを含んで構成され、一部が開放された断面形状を有するようにしてもよい。または、磁気ヨークが、導線(第1および第2の書込線)を挟んで互いに対向しつつ積層体の積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨークと、この一対のピラーヨークにおける積層体の側の各一端どうしを連結すると共に連結部分を有する一のビームヨークと、一対のピラーヨークの他方の各一端どうしを連結する第2のビームヨークとを含んで構成され、閉じた断面形状を有するようにしてもよい。
また、本発明による磁気記憶セルおよび磁気メモリデバイスでは、連結部分が感磁層を兼ねるようにしてもよい。
本発明の磁気記憶セルまたは磁気メモリデバイスによれば、磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が積層体との連結部分において最も小さくなるようにしたので、導線(第1および第2の書込線)に電流を流すことによって磁気ヨークに生ずる還流磁界の磁束密度を、連結部分において最も高めることができる。このため、より小さな書込電流であっても効率よく感磁層の磁化反転を行うことができる。さらに、連結部分において還流磁界の磁束密度を飽和状態に近づけることができるので、安定した書込動作が可能となる。よって、さらなる高密度化および高集積化に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図10を参照して、本発明の一実施の形態に係る磁気メモリデバイスの構成について説明する。
図1は、本実施の形態における磁気メモリデバイスの全体構成を表す概念図である。磁気メモリデバイスは、アドレスバッファ51と、データバッファ52と、制御ロジック部53と、記憶セル群54と、第1の駆動制御回路部56と、第2の駆動制御回路部58と、外部アドレス入力端子A0〜A20と、外部データ端子D0〜D7とを備えている。
記憶セル群54は、一対のトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR素子という。)を備えた記憶セル1が、互いに直交するワード線方向(X方向)およびビット線方向(Y方向)に多数、配列されたマトリックス構造を有している。記憶セル1は、磁気メモリデバイスにおいてデータを記憶する最小単位であって、本発明における「磁気記憶セル」に対応する一具体例である。記憶セル1については後に詳述する。
第1の駆動制御回路部56は、Y方向におけるアドレスデコーダ回路56A、センスアンプ回路56Bおよびカレントドライブ回路56Cを有し、第2の駆動制御回路部58は、X方向におけるアドレスデコーダ回路58A、定電流回路58Bおよびカレントドライブ回路58Cを有するものである。
アドレスデコーダ回路56A,58Aは、入力されたアドレス信号に応じた後出のワードデコード線72(後出)およびビットデコード線71(後出)を選択するものである。センスアンプ回路56Bおよび定電流回路58Bは読出動作を行う際に駆動する回路であり、カレントドライブ回路56C,58Cは書込動作を行う際に駆動する回路である。
センスアンプ回路56Bと記憶セル群54とは、読出動作の際にセンス電流が流れる複数のビットデコード線71によって接続されている。同様に、定電流回路58Bと、記憶セル群54とは、読出動作の際にセンス電流が流れる複数のワードデコード線72によって接続されている。
Y方向カレントドライブ回路56Cと記憶セル群54とは、書込動作の際に必要となる書込ビット線5(後出)を介して接続されている。同様に、X方向カレントドライブ回路58Cと記憶セル群54とは、書込動作の際に必要となる書込ワード線6(後出)を介して接続されている。
アドレスバッファ51は、外部アドレス入力端子A0〜A20を備えると共に、Y方向アドレス線57,X方向アドレス線55を介して第1の駆動制御回路部56内のY方向アドレスデコーダ回路56A,第2の駆動制御回路部58内のX方向アドレスデコーダ回路58Aに接続されている。このアドレスバッファ51は、外部からのアドレス信号を外部アドレス入力端子A0〜A20から取り込み、内部に備えたバッファ増幅器(図示せず)によりY方向アドレスデコーダ回路56A,X方向アドレスデコーダ回路58Aにおいて必要となる電圧レベルまで増幅するものである。さらに、アドレスバッファ51は、その増幅したアドレス信号を2つに分け、Y方向アドレス線57を介してY方向アドレスデコーダ回路56Aに出力すると共に、X方向アドレス線55を介してX方向アドレスデコーダ回路58Aに出力するように機能する。
データバッファ52は、入力バッファ52Aおよび出力バッファ52Bによって構成され、外部データ端子D0〜D7を備えると共に制御ロジック部53と接続されており、制御ロジック部53からの出力制御信号53Aによって動作するようになっている。入力バッファ52Aは、Y方向およびX方向書込用データバス61,60を介してそれぞれ第1の駆動制御回路部56内のY方向カレントドライブ回路56C,第2の駆動制御回路部58内のX方向カレントドライブ回路58Cに接続されており、記憶セル群54への書込動作を行う際には、外部データ端子D0〜D7の信号電圧を取り込んで、内部バッファ増幅器(図示せず)により必要となる電圧レベルまで増幅したのち、X方向書込用データバス60およびY方向書込用データバス61を介してX方向カレントドライブ回路58C,Y方向カレントドライブ回路56Cに伝達するように機能する。出力バッファ52Bは、Y方向読出用データバス62を介してセンスアンプ回路56Bに接続されており、記憶セル群54に記憶された情報信号を読み出す際には、内部に備えたバッファ増幅器(図示せず)によって、センスアンプ回路56Bから入力される情報信号を増幅したのち、外部データ端子D0〜D7に低インピーダンスで出力するように機能する。
制御ロジック部53は、チップセレクト端子CSおよびライトイネーブル端子WEを備え、データバッファ52に接続されている。この制御ロジック部53は、複数の記憶セル群54のなかから読出および書込対象とするものを選択するチップセレクト端子CSからの信号電圧と、書込許可信号を出力するように機能するライトイネーブル端子WEからの信号電圧とを取り込み、データバッファ52に向けて出力制御信号53Aを出力するように機能する。
次に、図1に示した磁気メモリデバイスのうち、情報の書込動作に係わる構成について説明する。
図2は、記憶セル群54における書込動作に係わる要部平面構成を表す概念図である。図2に示したように、本実施の形態の磁気メモリデバイスは、複数の書込ビット線5a,5bと、この複数の書込ビット線5a,5bとそれぞれ交差するように延びる複数の書込ワード線6とを含んでおり、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の交差する各領域に、これら書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6が互いに平行に延在する平行部分10a,10bを有するように構成されている。具体的には、図2に示したように、書込ワード線6が矩形波状にX方向に沿って延在する一方で、書込ビット線5aと書込ビット線5bとが交互に並んで直線状にY方向に沿って延在している。書込ワード線6における矩形波状の立ち上がり部分および立ち下がり部分が、書込ビット線5a,5bと共に複数の平行部分10a,10bを形成している。記憶セル1は、それぞれの平行部分10a,10bの少なくとも一部を含むように、書込ビット線5a,5bと書込ワード線6との交差する各領域に設けられている。ここで、交差する領域に記憶セル1が設けられているということは、交差点の隣に記憶セル1が設けられている場合も含んでいる。記憶セル1は、TMR素子1aおよびTMR素子1bによって構成されており、TMR素子1aは書込ビット線5aと書込ワード線6との交差する各領域に設けられ、一方のTMR素子1bは書込ビット線5bと書込ワード線6との交差する各領域に設けられている。ここで、TMR素子1aおよびTMR素子1bが、本発明の「一対の磁気抵抗効果素子」に対応する一具体例である。
書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6には、それぞれY方向カレントドライブ回路56C,X方向カレントドライブ回路58Cからの電流が流れるようになっている。ここで、書込ビット線5aを流れる電流と書込ビット線5bを流れる電流とは、必ず互いに逆方向となっており、例えば、図2に矢印で示したように書込ビット線5aの電流方向を+Y方向とした場合には書込ビット線5bの電流方向が−Y方向となる。したがって、その場合に、書込ワード線6を流れる電流の方向を全体として+X方向(紙面左から右)とすると、TMR素子1aの内部を流れる書込ビット線5aおよび書込ワード線6の電流方向は、互いに平行となる。一方のTMR素子1bの内部を流れる書込ビット線5bおよび書込ワード線6の電流方向についても、互いに平行となる。なお、以下、特に電流方向を区別する必要のない場合には、書込ビット線5a,5bを単に書込ビット線5と示す。また、書込ワード線6は本発明の「第1の書込線」に対応する一具体例であり、書込ビット線5は本発明の「第2の書込線」に対応する一具体例である。
図3は、記憶セル群54の要部平面構成をより具体的に表すものである。図3に示した書込ビット線5a,5b、書込ワード線6および記憶セル1(TMR素子1a,1b)は、図2と対応するものである。TMR素子1a,1bは、書込ビット線5a,5bと書込ワード線6との平行部分10a,10bに配置されている。TMR素子1a,1bは、それぞれ感磁層を含む積層体S20a,S20bと磁気ヨーク4a,4bとを備えており、平行部分10a,10bにおける書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の双方を流れる電流により生ずる磁界(すなわち、磁気ヨーク4a,4bにおいては外部磁界)によって感磁層の磁化方向が変化するようになっている。この場合、平行部分10a,10bにおける書込ビット線5a,5bと書込ワード線6とはXY平面においてほぼ一致した位置に設けられているが、Z方向においては一定の間隔を有するように配置されており、互いに電気的に絶縁されている。
各書込ビット線5の両端には、それぞれ書込ビット線引出電極47が設けられている。各書込ビット線引出電極47は、それぞれ一方がY方向カレントドライブ回路56Cに接続され、他方が最終的に接地されるように接続されている。同様に、各書込ワード線6の両端には、それぞれ書込ワード線引出電極46が設けられている。各書込ワード線引出電極46は、それぞれ一方がX方向カレントドライブ回路58Cに接続され、他方が最終的に接地されるように接続されている。なお、図3では、書込ワード線6の形状を見易くするため、一部の書込ビット線5を省略して図示している。
図4は、記憶セル1の拡大斜視図である。図5は、図4に示した矢視方向Vから眺めた平面図である。図6は、図5に示したVI−VI切断線の矢視方向における断面構成を表すものである。さらに、図7は、図6に示した記憶セル1を、概念的にTMR素子1aとTMR素子1bとに分解して図示したものである。
図4ないし図7に示したように、記憶セル1は、磁気ヨーク4a,4bと積層体S20a,S20bとをそれぞれ有する一対のTMR素子1a,1bを備えている。書込ワード線6、書込ビット線5a,5bおよび磁気ヨーク4a,4bは、絶縁膜7a,7bを介して互いに電気的に絶縁されている。積層体S20a,S20bが、書込ワード線6を挟んで書込ビット線5a,5bとは反対側の磁気ヨーク4a,4bの表面に形成されている。磁気ヨーク4a,4bの、積層体S20a,S20bが形成された面とは反対側の面には読出ワード線32がX方向に延在して設けられている。これら一対の積層体S20a,S20bは、磁気ヨーク4a,4bとは反対側に形成された導電層36a,36b(後出)と電気的に接続されている。一対の導電層36a,36bは一対のショットキーダイオード75a,75b(後出)の一部を構成するものであり、このショットキーダイオード75a,75bの他端はY方向に延在する読出ビット線33a,33b(後出)と接続されている。ショットキーダイオード75a,75bは基体31(後出)に埋設されている。なお、積層体S20a,S20bは磁気ヨーク4a,4bの下側(基体31側)に設けられたものであり、図4では、積層体S20a,S20bと磁気ヨーク4a,4bとの位置関係および磁気ヨーク4a,4bの形状を容易に把握できるように下から見上げた場合を示している。
記憶セル1におけるTMR素子1aは、書込ビット線5aおよび書込ワード線6の交差する領域(平行部分10a)に対応して配置され、書込ビット線5aおよび書込ワード線6の周囲を取り囲むように周回方向に沿って配置された磁気ヨーク4aと、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層としての第2磁性層8aを含み磁気ヨーク4aと磁気的に連結されると共に積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層体S20aとを有するものである。一方のTMR素子1bは、書込ビット線5bおよび書込ワード線6の交差する領域(平行部分10b)に対応して配置され、書込ビット線5bおよび書込ワード線6の周囲を取り囲むように周回方向に沿って配置された磁気ヨーク4bと、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層としての第2磁性層8bを含み磁気ヨーク4bと磁気的に連結されると共に積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層体S20bとを有するものである。この一対のTMR素子1a,1bは、磁気ヨーク4a,4bの一部である共有部分34を互いに共有している。図5および図6に示したように、一対の磁気ヨーク4a,4bは、それぞれ、周回方向と直交する断面の面積が積層体S20a,S20bとの連結部分14a,14bに近づくにつれて次第に小さくなり、連結部分14a,14bにおいて最も小さくなるように構成されている。すなわち、磁気ヨーク4a,4bの幅および厚さが、連結部分14a,14bに近づくにつれて次第に小さくなり、連結部分14a,14bにおいて最も小さくなっている。連結部分14a,14bは、磁気ヨーク4a,4bの一部分を構成し、かつ、積層体S20a,S20bと磁気的に連結されている。
積層体S20a,S20bは、図6および図7に示したように、磁気ヨーク4a,4b(連結部分14a,14b)の側から順に、第2磁性層8a,8bと、トンネルバリア層3a,3bと、磁化方向の固定された第1磁性層2a,2bとを含み、積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成されたTMR膜である。図6および図7では、積層体S20a,S20bの構成を明らかにするため、それらの寸法を周囲よりも相対的に大きく誇張して表している。感磁層(磁気フリー層ともいう。)としての第2磁性層8a,8bは、連結部分14a,14bと、互いに磁気的に交換結合するようになっている。
一対のTMR素子1a,1bの磁化方向を互いに反平行な方向に反転させると、共有部分34では書込ビット線5a,5bと書込ワード線6とによって生じる電流磁界が同一方向となり、磁束密度が増大する。このため、より効率的に電流磁界を利用することができ、磁気ヨーク4a,4bの連結部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bの磁化を反転させるために必要な電流をより小さくすることができる。また、磁気ヨーク4を共有するようにしたので、一対のTMR素子1a,1bを容易に形成することができると共に、記憶セル1の形成面積を縮小でき、記憶情報の大容量化が可能となる。
積層体S20a,S20bは、第1磁性層2a,2bと第2磁性層8a,8bとの間において積層面に垂直方向の電圧を印加すると、例えば第1磁性層2a,2bの電子がトンネルバリア層3a,3bを突き抜けて第2磁性層8a,8bに移動してトンネル電流が流れるようになっている。このトンネル電流は、トンネルバリア層3との界面部分における第1磁性層2a,2bのスピンと第2磁性層8a,8bのスピンとの相対的な角度によって変化する。すなわち、第1磁性層2a,2bのスピンと第2磁性層8a,8bのスピンとが互いに平行な場合に抵抗値が最小となり、反平行のときに抵抗値が最大となる。これらの抵抗値を用いて、磁気抵抗変化率(MR比)が、式(1)のように定義される。
(MR比)=dR/R ……(1)
ここで、「dR」が、スピンが互いに平行である場合と反平行である場合との抵抗値の差であり、「R」が、スピンが互いに平行である場合における抵抗値である。
トンネル電流に対する抵抗値(以下、トンネル抵抗Rtという。)は、トンネルバリア層3の膜厚Tに強く依存する。トンネル抵抗Rtは、低電圧領域では、式(2)に示したように、トンネルバリア層3の膜厚Tに対して指数関数的に増加する。
Rt∝exp(2χT),χ={8π2*(φ・Ef)0.5}/h ……(2)
ここで、「φ」はバリア高さ、「m*」は電子の有効質量、「Ef」はフェルミエネルギー、hはプランク定数を表す。一般的に、TMR素子を用いたメモリ素子では、トランジスタなどの半導体デバイスとのマッチングを図るため、トンネル抵抗Rtは、数10kΩ・(μm)2程度が適当とされる。しかし、磁気メモリデバイスにおける高密度化および動作の高速度化を図るためには、トンネル抵抗Rtは、10kΩ・(μm)2以下、さらに好ましくは1kΩ・(μm)2以下とすることが好ましい。したがって、上記のトンネル抵抗Rtを実現するために、トンネルバリア層3a,3bの厚みTを2nm以下、さらに好ましくは1.5nm以下とすることが望ましい。
トンネルバリア層3a,3bの厚みTを薄くすることにより、トンネル抵抗Rtを低減することができる一方で、第1磁性層2a,2bおよび第2磁性層8a,8bとの接合界面の凹凸に起因するリーク電流が生じるのでMR比が低下してしまう。これを防止するため、トンネルバリア層3a,3bの厚みTは、リーク電流が流れない程度の厚みを有する必要があり、具体的には0.3nm以上の厚みであることが望ましい。
積層体S20a,S20bは、保磁力差型構造を有し、第1磁性層2a,2bの保磁力のほうが、第2磁性層8a,8bの保磁力よりも大きくなるように構成されていることが望ましい。具体的には、第1磁性層2の保磁力は、(50/4π)×103A/mよりも大きいことが望ましく、特に(100/4π)×103A/m以上であることが望ましい。こうすることにより、第1磁性層2a,2bにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界の影響を受けるのを防止することができるからである。第1磁性層2a,2bは、例えば、5nmの厚みのコバルト鉄合金(CoFe)からなる。他に、単体のコバルト(Co)や、コバルト白金合金(CoPt)、ニッケル鉄コバルト合金(NiFeCo)等を第1磁性層2a,2bに適用することが可能である。第2磁性層8a,8bは、単体のコバルト(Co)、コバルト鉄合金(CoFe)、コバルト白金合金(CoPt)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはニッケル鉄コバルト合金(NiFeCo)などから構成される。また、第1磁性層2a,2bおよび第2磁性層8a,8bの磁化容易軸は、第1磁性層2a,2bと第2磁性層8a,8bとの磁化方向が互いに平行または反平行となる状態で安定化するようにするため、平行であることが望ましい。
磁気ヨーク4a,4bは、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6における平行部分10a,10bの少なくとも一部を環状に取り囲むように延在しており、この平行部分10a,10bを流れる電流によって磁気ヨーク4a,4b内部に還流磁界が生ずるように構成されている。より詳細には、図7に示したように、磁気ヨーク4aは、書込ビット線5aおよび書込ワード線6を挟んで互いに対向しつつ積層体S20aの積層面と直交する方向(Z方向)に延びる一対のピラーヨーク42a(421,422)と、これら一対のピラーヨーク42a(421,422)の積層体S20aの側の各一端どうしを連結する第1のビームヨーク41aと、一対のピラーヨーク42a(421,422)の他方の各一端どうしを連結する第2のビームヨーク43aとを含んで構成され、閉じた断面形状を有するようになっている。一方の磁気ヨーク4bは、書込ビット線5bおよび書込ワード線6を挟んで互いに対向しつつ積層体S20bの積層面と直交する方向(Z方向)に延びる一対のピラーヨーク42b(422,423)と、これら一対のピラーヨーク42b(422,423)の積層体S20bの側の各一端どうしを連結する第1のビームヨーク41bと、一対のピラーヨーク42b(422,423)の他方の各一端どうしを連結する第2のビームヨーク43bとを含んで構成され、やはり閉じた断面形状を有するようになっている。第1のビームヨーク41aは固有領域411と共有領域412とを有し、一方の第1のビームヨーク41bは固有領域413と共有領域412とを有している。一対のピラーヨーク42aは固有ピラーヨーク421と共有ピラーヨーク422とを有し、一方の一対のピラーヨーク42bは固有ピラーヨーク423と共有ピラーヨーク422とを有している。第2のビームヨーク43aは固有領域431と共有領域432とを有し、一方の第2のビームヨーク43bは固有領域433と共有領域432とを有している。TMR素子1aおよびTMR素子1bは、第1のビームヨーク41a,41bの共有領域412と、ピラーヨーク42a,42bの共有ピラーヨーク422と、第2のビームヨーク43a,43bの共有領域432とを互いに共有し、これらを併せて図5に示したように共有部分34を形成している。
このような磁気ヨーク4a,4bは、その内部に生じる上記還流磁界によってそれぞれの磁化方向が反転される。この還流磁界による磁気ヨーク4a,4bの磁化方向反転に伴い、第2磁性層8a,8bの磁化方向が反転し、情報を記憶する記憶層として機能することとなる。
磁気ヨーク4a,4bのうち第1のビームヨーク41a,41bは、例えば図5に示したように、例えば積層体S20a,S20bの積層面と平行な断面がダンベル形状をなし、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の延在方向(Y方向)に沿った幅が、連結部分14a,14bに近づくほど小さくなり、連結部分14a,14bにおいて最小となるように構成されている。さらに、例えば図6および図7に示したように、第1のビームヨーク41a,41bは、連結部分14a,14bにおける積層体S20a,S20bの積層方向(Z方向)の長さ、すなわち、厚さが、連結部分14a,14bに近づくほど小さくなり、連結部分14a,14bにおいて最小となるように構成されている。具体的には、第1のビームヨーク41a,41bは、連結部分14a,14bを挟む隣接部分において傾斜面41AKを有しており、連結部分14a,14bから離れるに従い積層体S20a,S20bの積層方向(Z方向)に沿って積層体S20a,S20bとは反対側に向かってその厚みを広げるように構成されている。さらに、第1のビームヨーク41a,41bは、積層体S20a,S20bの側へ突出する凸部41Tとをそれぞれ備え、連結部分14a,14bよりも大きな厚みを有するように構成されている。このような構成により、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6に書込電流が流れて磁気ヨーク4a,4bに還流磁界が生じた場合に、連結部分14a,14bにおいて最も高く、安定した磁束密度を得ることができる。
また、連結部分14a,14bの保磁力が、(100/4π)×103A/m以下の範囲内において第1磁性層2a,2bの保磁力よりも小さくなるように構成されていることが望ましい。(100/4π)×103A/mを越えるような保磁力では、書込電流の増大に起因する発熱により、TMR膜である積層体S20a,S20b自体の劣化が生じてしまう可能性があるからである。さらに、連結部分14a,14bの保磁力が第1磁性層2a,2bの保磁力と同等以上となると、書込電流が増大して磁化固定層としての第1磁性層2a,2bの磁化方向を変化させてしまい、記憶素子としての積層体S20a,S20bを破壊してしまうからである。また、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6による電流磁界を磁気ヨーク4a,4bに集中させるために、磁気ヨーク4a,4bの透磁率はより大きい方が好ましい。具体的には、2000以上であり、より好ましくは6000以上である。
書込ビット線5および書込ワード線6は、いずれも、10nm厚のチタン(Ti)と、10nm厚の窒化チタン(TiN)と500nm厚のアルミニウム(Al)とが順に積層された構造を有し、絶縁膜7によって、互いに電気的に絶縁されている。書込ビット線5および書込ワード線6は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種からなるようにしてもよい。これら書込ビット線5および書込ワード線6を用いた記憶セル1に対するより具体的な書込動作については後述する。
次に、図8および図9を参照して、図1に示した磁気メモリデバイスのうちの、情報読出動作に係わる構成について説明する。図8は、記憶セル群54における読出動作に係わる要部平面構成を表し、図3に対応するものである。図9は、図8に示したIX−IX切断線における矢視方向の断面構成を表すものである。
図8に示したように、各記憶セル1は、XY平面における複数の読出ワード線32と複数の読出ビット線33との各交差点に1つずつ配設されている。ここで、記憶セル1の下面にある積層体S20a,S20bが一対のショットキーダイオード75a,75bを介して一対の読出ビット線33a,33bと接し、上面(積層体S20a,S20bとは反対側)が読出ワード線32と接している。読出ビット線33a,33bは、各記憶セル1における一対のTMR素子1a,1bの各々に読出電流を供給するものであり、一方の読出ワード線32は、TMR素子1a,1bの各々に流れた読出電流を接地へと導くものである。各読出ビット線33の両端には、それぞれ読出ビット線引出電極49が設けられている。一方、各読出ワード線32の両端には、それぞれ読出ワード線引出電極48が設けられている。
図9に示したように、本実施の形態の磁気メモリデバイスは、記憶セル1を含む領域において、整流素子として機能するショットキーダイオード75(以下、単にダイオード75という。)が設けられた基体31の上に、一対の積層体S20a,S20bと、磁気ヨーク4a,4bとが順に形成されるように構成されている。
一対のダイオード75a,75bは、積層体S20a,S20bの側から順に導電層36a,36bとエピタキシャル層37と基板38とを有し、これら導電層36a,36bとエピタキシャル層37との間にショットキー障壁を形成している。ダイオード75aとダイオード75bとは、積層体S20a,S20bを挟んで環状磁性層4と接続しているほかは互いに電気的な連結部分を持たないように構成されている。基板38はn型シリコンウェハである。一般に、n型シリコンウェハには燐(P)の不純物拡散が施されており、基板38としては、燐の高濃度拡散によりn++型となっているものを用いる。これに対し、エピタキシャル層37は、燐が低濃度拡散されてn-型となるようにする。このn-型半導体であるエピタキシャル層37と金属からなる導電層36a,36bとを接触させることにより、バンドギャップが生じ、ショットキー障壁が形成される。さらに、一対のダイオード75a,75bは、それぞれ接続層33Tを介して読出ビット線33a,33bと接続されている。
次に、図10を参照して、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける読出動作に係わる回路構成について説明する。
図10は、記憶セル群54とその読出回路からなる回路系の構成図である。この読出回路系は、記憶セル1が一対のTMR素子1a,1bからなる差動増幅型である。ここでは、各記憶セル1の情報の読み出しを、TMR素子1a,1bそれぞれに流す読出電流(読出ビット線33a,33bからTMR素子1a,1bのそれぞれに流入し、共通の読出ワード線32に流出する電流)の差分値を出力として行うようになっている。
図10において、記憶セル群54のビット列ごとの記憶セル1と、センスアンプ回路56Bを含む読出回路の一部とが、読出回路の繰り返し単位である単位読出回路80(…,80n,80n+1,…)を構成しており、ビット列方向に並列に配置されている。単位読出回路80nの各々は、Y方向アドレスデコーダ回路56Aにビットデコード線71(…,71n,71n+1,…)を介して接続され、出力バッファ52BにY方向読出用データバス62を介して接続されている。
記憶セル群54には、X方向に配列される読出ワード線32(…,32m,32m+1,…)と、Y方向に配列される一対の読出ビット線33a,33bとによりマトリクス状の配線がなされている。各記憶セル1は、一対の読出ビット線33a,33bに挟まれた領域のうちの読出ワード線32との交差位置に配設されている。各記憶セル1におけるTMR素子1a,1bのそれぞれの一端が、1対のダイオード75a,75bを介して読出ビット線33a,33bに接続され、それぞれの他端が共通の読出ワード線32に接続される。
各読出ワード線32の一端は、それぞれ読出ワード線引出電極48を介して各読出スイッチ83(…,83m,83m+1,…)と接続され、さらに、共通の定電流回路58Bに接続されている。各読出スイッチ83は、X方向アドレスデコーダ回路58Aとそれぞれワードデコード線72(…,72m,72m+1,…)を介して接続されており、X方向アドレスデコーダ回路58Aからの選択信号が入力されると導通するように構成されている。定電流回路58Bは、読出ワード線32を流れる電流を一定とする機能を有するものである。
各読出ビット線33の一端は、読出ビット線引出電極49を介してそれぞれセンスアンプ回路56Bに接続されており、他端は最終的にそれぞれ接地されている。センスアンプ回路56Bは、単位読出回路80につき1つ設けられ、各単位読出回路80において一対の読出ビット線33a,33bの間の電位差を取り込み、この電位差を増幅する機能を有するものである。各センスアンプ回路56Bは、それぞれ出力線82(…,82n,82n+1,…)に接続され、最終的にはY方向読出用データバス62により、出力バッファ52Bに接続されるようになっている。
次に、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける動作について説明する。
まず、図2、図11(A)および図11(B)を参照して、記憶セル1における情報の書込動作について説明する。図11(A),図11(B)は、図6に示した記憶セル1の断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表すものである。図11(A),図11(B)において各磁性層に示した矢印が、その磁性層における磁化方向を示す。但し、磁気ヨーク4a,4bについては内部に形成される磁路の磁界方向も併せて示すものである。ここで、第1磁性層2a,2bは、−X方向に磁化が固定されている。図11(A),図11(B)は、記憶セル1を通過する互いに平行な書込ビット線5および書込ワード線6に、互いに同一な方向に書込電流が流れる場合を示す。図11(A)は、図2に示した書込電流方向に対応する。図11(A)は、TMR素子1aにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5aおよび書込ワード線6を取り囲む磁気ヨーク4aの内部を時計回り方向に還流磁界16aが発生すると共に、TMR素子1bにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5bおよび書込ワード線6を取り囲む磁気ヨーク4bの内部を反時計回り方向に還流磁界16bが発生する場合を示している。この場合は、連結部分14aおよび第2磁性層8aの磁化方向が−X方向となり、連結部分14bおよび第2磁性層8bの磁化方向が+X方向となる。一方、図11(B)は、書込ビット線5および書込ワード線6を流れる電流方向が図11(A)に示した状態とは全く逆の電流方向とした場合に対応する。すなわち、図11(B)は、TMR素子1aにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5aおよび書込ワード線6を取り囲む磁気ヨーク4aの内部を反時計回り方向に還流磁界16aが発生すると共に、TMR素子1bにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5bおよび書込ワード線6を取り囲む磁気ヨーク4bの内部を時計回り方向に還流磁界16bが発生する場合を示している。この場合は、連結部分14aおよび第2磁性層8aの磁化方向が+X方向となり、連結部分14bおよび第2磁性層8bの磁化方向が−X方向となる。
図11(A),図11(B)の場合、TMR素子1aを貫く書込ビット線5aおよび書込ワード線6の電流方向と、TMR素子1bを貫く書込ビット線5bおよび書込ワード線6の電流方向とが互いに反対方向となるようにしたので、磁気ヨーク4a,4bの共有部分34に相当するピラーヨーク422(図6参照)を流れる還流磁界16a,16bの方向を同一方向とすることができる(図11(A)では−Z方向であり、図11(B)では+Z方向である)。
図11(A),図11(B)から明らかなように、磁気ヨーク4a,4bを貫く書込ビット線5および書込ワード線6の双方を流れる電流により生ずる還流磁界16a,16bの方向に従い、連結部分14aおよび第2磁性層8aと、連結部分14bおよび第2磁性層8bとの磁化方向が互いに反対方向となるように変化するので、これを利用することにより記憶セル1に情報を記憶することができる。
すなわち、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、同一方向に電流が流れると、磁気ヨーク4a,4bの磁化方向が反転するのに伴って第2磁性層8a,8bの磁化方向が変化し、「0」または「1」の2値情報を記憶することができるのである。例えば、図11(A)の状態、すなわち、連結部分14aおよび第2磁性層8aが−X方向に磁化し、他方の連結部分14bおよび第2磁性層8bが+X方向に磁化する状態に「0」を対応させた場合には、図11(B)の状態、すなわち、連結部分14aおよび第2磁性層8aが+X方向に磁化し、他方の連結部分14bおよび第2磁性層8bが−X方向に磁化する状態に「1」を対応させることにより記憶することができる。
この場合、TMR素子1a,1bにおいては、第1磁性層2a,2bと第2磁性層8a,8bとの磁化方向が平行であれば大きなトンネル電流が流れる低抵抗状態となり、反平行であれば小さなトンネル電流しか流れない高抵抗状態となる。つまり、対をなすTMR素子1aおよびTMR素子1bは、必ず一方が低抵抗であり、他方が高抵抗となって情報を記憶するようになっている。なお、書込ビット線5と書込ワード線6とで互いに逆方向に書込電流が流れた場合、あるいは、どちらか一方のみに書込電流が流れた場合には各第2磁性層8の磁化方向は反転せず、データの書き換えは行われないようになっている。
以上のように、上記の構成をなす本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける記憶セル1によれば、書込ビット線5と書込ワード線6との双方に同一方向の電流を流すことにより、書込ビット線5によって生じる電流磁界と書込ワード線6によって生じる電流磁界とが磁気ヨーク4の内部において同一方向となり、合成磁界を形成することができる。このため、磁気ヨーク4を設けない場合や、書込ビット線5と書込ワード線6とが直交する場合などと比べて大きな磁束密度が得られるので、より効率的に電流磁界を利用することができ、第2磁性層8の磁化を反転させるために必要な電流をより小さくすることができる。
さらに、トンネルバリア層3と磁気ヨーク4の連結部分14との間に第2磁性層8を設けるようにしたことにより、以下のような利点が得られる。すなわち、連結部分14と第2磁性層8との交換結合を形成することが可能となり、第2磁性層8における磁化方向がより良好に揃うことにより、より安定した書込が可能となる。さらに、連結部分14の保磁力をより小さく抑えることができるので、書込動作時における電流値を低減することにより発熱量を低減でき、磁気メモリデバイスとしての機能を十分に発揮できる。
本実施の形態の磁気メモリデバイスでは、上記したように、書込ビット線5および書込ワード線6の双方に電流を流すことによって閉じた磁路を形成することができるので、TMR素子1a,1bの磁気ヨーク4a,4bにおける磁化反転を効率的に行うことができると共に、書込対象とする記憶セル1に隣接した記憶セルに対して、磁気的な影響を低減することができる。さらに、磁気ヨーク4a,4bによるシールド効果によって基板上において隣り合う記憶セルどうしの間隔をより狭めるように配置することができ、磁気メモリデバイスとしての高集積化、高密度化に有利である。
また、本実施の形態では、一対の磁気ヨーク4a,4bの周回方向と直交する断面の面積が、それぞれ、積層体S20a,S20bと対向する連結部分14a,14bにおいて最も小さくなるように構成したので、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6に書込電流を流すことによって生じる還流磁界16a,16bの磁束密度を、連結部分14a,14bにおいて最も高くすることができ、かつ安定させることができる。このため、より小さな書込電流であっても効率よく第2磁性層8a,8bの磁化反転を行うことができるうえ、より安定した書込動作が可能となる。
次に、図1、図10、図12(A)および図12(B)を参照して、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける読出動作について説明する。
まず、第1の駆動制御回路部56におけるアドレスデコーダ回路56Aにより、複数のビットデコード線71のうちの1つが選択され、対応するセンスアンプ回路56Bに制御信号が伝達される。この結果、読出ビット線33a,33bに読出電流が流れ、TMR素子1a,1bにおける積層体S20a,S20bの側に正の電位が与えられる。同様に第2の駆動制御回路部58におけるX方向アドレスデコーダ回路58Aにより、複数のワードデコード線72のうちの1つが選択され、対応する箇所の読出スイッチ83が駆動される。選択された読出スイッチ83は通電状態となり、対応する読出ワード線32に読出電流が流れ、積層体S20a,S20bとは反対側に負の電位が与えられる。したがって、Y方向アドレスデコーダ回路56AおよびX方向アドレスデコーダ回路58Aによって選択された1つの記憶セル1に対し、読出に必要な読出電流を流すことができる。この読出電流に基づいて、一対の第2磁性層8a,8bの磁化方向を検出し、記憶された情報を読み出すことができる。
図12(A),図12(B)は、記憶セル1の周辺部を回路図で表したものである。積層体S20a,S20bのそれぞれの第1磁性層2a,2bの磁化方向を白矢印で示し、第2磁性層8a,8bの磁化方向を黒矢印で示している。第1磁性層2a,2bの磁化方向は、いずれも左方向に固定されている。図12(A)では、積層体S20aにおいて第1磁性層2aと第2磁性層2bとが平行な磁化方向となり、一方の積層体S20bにおいて第1磁性層2bと第2磁性層2bとが反平行な磁化方向となっている。この場合、積層体S20aが低抵抗状態となり、積層体S20bが高抵抗状態となり、例えば、「0」に対応している。一方の図12(B)の場合には、図12(A)の場合とは反対に積層体S20aが高抵抗状態となり、積層体S20bが低抵抗状態となっており、例えば、「1」に対応している。このような2値情報は、積層体S20aと積層体S20bとの抵抗値の大小を利用し、それぞれに流れる電流値の差分を検出することによって行うことができる。
次に、上記のような構成を有する本実施の形態の磁気記憶セルの製造方法および磁気メモリデバイスの製造方法について説明する。
以下、図13〜図29を参照して、磁気メモリデバイスのうちの、主に、記憶セル1の製造方法について具体的に説明する。なお、図13〜図29は、図9に対応した断面図であり、その製造過程を順に表したものである。
第1の工程では、基板31上に積層体S20a,S20bを介して、第1のビームヨーク41を形成する。
ここでは、まず、図13に示したように、ダイオード75a,75bを埋設した基板31の上に、すでに積層体S20a,S20bおよびその周囲を覆う絶縁膜17Aが形成されたものを用意する。なお、図13に続く以下の図14〜図29では、基板31の詳細についての図示を省略する。次に、図14に示したように、絶縁膜17Aに選択的に溝17Hを形成する。続いて、図15(A)に示したように、絶縁膜17Aの上に、所定形状をなすレジストパターン30Aを形成したのち、このレジストパターン30Aによって覆われていない領域の絶縁膜17Aおよび積層体S20a,S20bの上に、例えばスパッタ等によりNiFe等からなるめっき下地膜41Sを形成する。めっき下地膜41Sの厚みは、例えば20nmである。こののち、めっき槽に浸漬して、めっき下地膜41Sを電極として利用しためっき処理によって磁性層前駆体41AZを形成する。一般に、このような薄膜のパターニング方法をフレームめっき法と呼ぶ。図15(B)は、図15(A)に対応しており、磁性層前駆体41AZを形成した状態の平面構成を表すものである。すなわち、図15(B)におけるXV(A)−XV(A)切断線に沿った矢視方向の断面構成が、図15(A)に対応する。磁性層前駆体41AZを形成したのち、図16(A)および図16(B)に示したように、積層体S20a,S20bに対応した領域の磁性層前駆体41AZを選択的にエッチングすることにより傾斜面41AKを有する磁性層41A(411A,412A,413A)を形成する。これにより、積層体S20a,S20bに対応した部分において、積層体S20a,S20bの積層方向(Z方向)にくびれると共に、後工程において形成される書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の延在する方向(Y方向)にもくびれた形状を有する第1のビームヨーク41が一応完成する。
続く、第2の工程では、第1のビームヨーク41の上に、3本の下部ピラーヨーク42B(421B,422B,423B)と、書込ワード線6とを形成する。
この第2の工程では、まず、図17に示したように、各磁性層411A,412A,413Aの上に、例えばフレームめっき法を用いてNi0.8Fe0.2からなる3本の下部ピラーヨーク42Bを形成する。こののち、3本の下部ピラーヨーク42Bのそれぞれの間に、絶縁膜7Aを介して書込ワード線6を形成する。まず、図18に示したように、例えばCVD装置を用いて全体を覆うようにAl23などからなる絶縁膜7Aを形成する。次いで、図19に示したように、絶縁膜7Aを覆うようにスパッタ等により、例えば銅からなるめっき下地膜6Sを形成する。こののち、図20に示したように、下部ピラーヨーク42Bの間の領域を残すように、レジストパターン30Bを選択的に形成し、さらに、図21に示したように、少なくとも下部ピラーヨーク42Bの間の領域を埋めるように金属層6Zを形成する。ここでは、めっき槽に浸漬して、めっき下地膜6Sを電極として利用しためっき処理を行うことにより、銅からなる金属層6Zを形成する。こののち、レジストパターン30Bを剥離させ、露出しためっき下地膜6Sをミリング等により除去する。さらに、図22に示したように、例えばAl23などからなる絶縁膜17Bを、スパッタ等により全体を覆うように形成したのち、図23に示したように、例えばCMP装置を用いて所定の厚みとなるように全面を研磨し、平坦化する。これにより、書込ワード線6が形成される。
続く、第3工程では、書込ワード線6の上面を覆い、絶縁膜7Aと共に書込ワード線6の周囲を取り囲むように絶縁膜7Bを形成する。具体的には、図24に示したように、書込ワード線6と、めっき下地膜6Sと、絶縁膜7Aとが表面に露出した領域を除いた領域にレジストパターン30Cを選択的に形成したのち、このレジストパターン30Cをマスクとしてスパッタを行うことにより、図25に示したように、例えばAl23などからなる絶縁膜7Bを形成する。さらに、レジストパターン30Cを除去することにより、書込ワード線6と、めっき下地膜6Sと、絶縁膜7Aとを覆う絶縁膜7Bが現れる。ここで、レジストパターン30Cの端面下部にアンダーカットを形成しておくと容易に剥離させることができる。
続く、第4工程では、3本の下部ピラーヨーク42B(421B,422B,423B)の上に、例えばフレームめっき法を用いてNi0.8Fe0.2からなる3本の上部ピラーヨーク42U(421U,422U,423U)をそれぞれ形成する。続く、第5工程では、上部ピラーヨーク42Uの間に、絶縁膜7Cを介して書込ビット線5(5a,5b)を形成する。書込ビット線5は、図18〜図25に示した書込ワード線6の形成工程と同様の操作を繰り返すことにより、形成することができる。さらに、続く第6工程では、書込ビット線5の上面を覆い、絶縁膜7Cと共に書込ビット線5の周囲を取り囲むように絶縁膜7Dを形成する。以下、図26を参照して、上記第5および第6工程について具体的に説明する。
第4工程において上部ピラーヨーク42Uを形成したのち、めっき処理に用いたレジストパターンを剥離させ、露出しためっき下地膜をミリング等により除去する。第5工程では、例えばCVD装置を用いて全体を覆うようにAl23などからなる絶縁膜7Cを形成したのち、この絶縁膜7Cを覆うようにスパッタ等により、例えば銅からなるめっき下地膜5Sを形成する。次に、上部ピラーヨーク42Uの間の領域を残すように、レジストパターン(図示せず)を選択的に形成し、さらに、少なくとも上部ピラーヨーク42Uの間の領域を埋めるように書込ビット線5を形成する。ここでは、めっき槽に浸漬して、めっき下地膜5Sを電極として利用しためっき処理を行うことにより、銅からなる書込ビット線5を形成する。書込ビット線5の形成後、レジストパターンを剥離させ、めっき下地膜5Sをミリング等により除去する。こののち、例えばAl23などからなる絶縁膜17Dを、スパッタ等により全体を覆うように形成し、さらに、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing )装置を用いて所定の厚みとなるように全面を研磨し、平坦化する。さらに、続く第6工程では、書込ビット線5と、めっき下地膜5Sと、絶縁膜7Cとが表面に露出した領域を除いた領域にレジストパターン(図示せず)を選択的に形成したのち、このレジストパターンをマスクとしてスパッタを行うことにより、例えばAl23などからなる絶縁膜7Dを形成する。レジストパターンを除去することにより、書込ビット線5と、めっき下地膜5Sと、絶縁膜7Cとを覆う絶縁膜7Dが現れる。
続く、第7工程では、上部ピラーヨーク42Uと絶縁膜7Dとを覆うように第2のビームヨーク43を設けることにより、第1のビームヨーク41とピラーヨーク421〜423(下部および上部ピラーヨーク42B,42U)と第2のビームヨーク43とからなる磁気ヨーク4の形成を完了する。具体的には、まず、図27に示したように、全面に亘って覆うようにめっき下地膜43Sをスパッタ等により形成する。次に、図28に示したように、めっき下地膜43Sの上に、第1のビームヨーク41の形成領域に対応する領域を除くようにレジストパターン30Dを選択的に形成したのち、これをマスクとして用い、めっき下地膜43Sを利用しためっき処理を施すことにより、例えばNi0.8Fe0.2からなる第2のビームヨーク43を形成する。第2のビームヨーク43を形成したのちレジストパターン30Dを剥離させ、露出しためっき下地膜43Sをミリング等により除去する。続いて、全面に亘って、Al23などからなる絶縁膜17Fを形成したのち、図29に示したように、例えばCMP装置を用いて所定の厚みとなるように全面を研磨し、平坦化する。これにより磁気ヨーク4の形成が完了し、記憶セル1が完成する。さらに、第2のビームヨーク43と電気的に連結するように所望の幅を有する読出ワード線32を形成する。
こののち、書込ワード線6の各両端末に書込ワード線引出電極46を形成し、書込ビット線5の各両端末に書込ビット線引出電極47を形成し、読出ワード線32の各両端末に読出ワード線引出電極48を形成し、さらに読出ビット線33の各両端末に読出ビット線引出電極49を形成する。
以上により、記憶セル1を含む記憶セル群54の形成が一応完了する。
さらに、スパッタ装置やCVD装置等により酸化珪素(SiO2)またはAl23等の保護層を形成する工程と、その保護膜を研磨して各引出電極46〜49を露出させる工程とを経ることにより、磁気メモリデバイスの製造が完了する。
上記のように、本実施の形態では、磁気ヨーク4における下部および上部ピラーヨーク42、第2のビームヨーク43ならびに書込ビット線5および書込ワード線6をめっき成長により形成するようにしたが、これらをスパッタリングなどによるドライ成膜法と、ミリング法や反応性イオンエッチング法などのドライパターニング法との組み合わせたドライ成膜法により形成することも可能である。但し、めっき成長により形成した場合のほうが、スパッタ等のドライ法によって形成した場合と比べてエッジ角度を大きくし易く、ヨーク4ならびに書込ビット線5および書込ワード線6をより高精度かつ十分な厚みを有するように形成することができるので好ましい。
<変形例>
次に、図30(A)〜図32(B)を参照して、本実施の形態における3つの変形例について以下に説明する。図30(A)〜図32(B)に示した変形例としての記憶セルは、いずれも、図4ないし図6に示した記憶セル1における磁気ヨーク4とは異なる形状の磁気ヨーク4V1〜4V3を有するものである。以下、順に説明する。
<<変形例1>>
図30(A)および図30(B)に、本実施の形態における第1の変形例(変形例1)としての記憶セル1V1の構成を示す。図30(A)は、積層体S20a,S20bの積層面と平行なXY平面の構成を表すものであり、図30(B)は、図30(A)におけるXXX(B)−XXX(B)線に沿った矢視方向の断面構成を表すものである。上記したように、本実施の形態では、磁気ヨーク4a,4bにおける第1のビームヨーク41a,41bが、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の延在方向(Y方向)に沿った幅が連結部分14a,14bにおいて最小となるように構成すると共に、連結部分14a,14bにおける積層体S20a,S20bの積層方向(Z方向)の幅、すなわち、厚さが連結部分14a,14bにおいて最小となるように構成したものである。これに対し、本変形例の記憶セル1V1は、図30(A),図30(B)に示したように、第1のビームヨーク41の厚みは均一とし、連結部分14a,14bのY方向に沿った幅W14をその隣接部分の幅W1よりも狭めるように磁気ヨーク4V1を構成したものである。
<<変形例2>>
次いで、図31(A)および図31(B)に、本実施の形態における第2の変形例(変形例2)としての記憶セル1V2の構成を示す。図31(A)は、積層体S20a,S20bの積層面と平行なXY平面の構成を表すものであり、図31(B)は、図31(A)におけるXXXI(B)−XXXI(B)線に沿った矢視方向の断面構成を表すものである。上記変形例1の記憶セル1V1では、第1のビームヨーク41V1の厚さは均一とし、連結部分14a,14bのY方向に沿った幅をその隣接部分よりも狭めるようにしたが、図31(A),図31(B)に示した記憶セル1V2のように、第1のビームヨーク41V2のY方向に沿った幅W1は均一とし、連結部分14a,14bの厚さT14をその隣接部分よりも小さくするように構成してもよい。具体的には、記憶セル1V2は、第1のビームヨーク41V2が、積層体S20a,S20bの側へ高さT1だけ突出した凸部41Tを備えることにより、連結部分14a,14bの厚さT14よりも高さT1の分だけ大きな厚さT41を有するように構成したものである。
<<変形例3>>
さらに、図32(A)および図32(B)に、本実施の形態における第3の変形例(変形例3)としての記憶セル1V3の構成を示す。図32(A)は、積層体S20a,S20bの積層面と平行なXY平面の構成を表すものであり、図32(B)は、図32(A)におけるXXXII (B)−XXXII (B)線に沿った矢視方向の断面構成を表すものである。上記変形例2の記憶セル1V2では積層体S20a,S20bの側へ突出する凸部41Tを設けるようにしたが、図32(A),図32(B)に示した記憶セル1V3のように、第1のビームヨーク41V3が、連結部分14a,14bの両隣において傾斜面41AKを有しており、連結部分14a,14bから離れるに従い積層体S20a,S20bの積層方向(Z方向)に沿って積層体S20a,S20bとは反対側に向かってその厚みを広げるように構成するようにしてもよい。このような構成であっても、連結部分14a,14bの厚みT14を、第1のビームヨーク41V3における連結部分14a,14bに隣接する部分の厚みT41よりも小さくすることができる。
上記したような変形例1〜3としての記憶セル1V1〜1V3であっても、連結部分14a,14bにおいて、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の周囲を周回する方向と直交する断面の面積が最も小さくなるように構成できるので、連結部分14a,14bにおいて最も高い磁束密度を得ることができる。よって、より小さな書込電流であっても効率よく第2磁性層8a,8bの磁化反転を行うことができ、より安定した書込動作が可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図33(A)〜図34(B)を参照して、本発明の第2の実施の形態の磁気メモリデバイスについて説明する。
図33(A),図33(B)は、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける記憶セル121の断面構成を表すものであり、上記第1の実施の形態における図5の記憶セル1に対応している。図33(A),図33(B)では、図6および図7に示した構成要素と実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
以下の説明では、本実施の形態の磁気メモリデバイスの構成およびその製造方法について、主に、上記第1の実施の形態と異なる点について説明し、他の説明は適宜省略する。
上記第1の実施の形態の記憶セル1は、一対のTMR素子1a,1bが、それぞれ、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の周囲の全てを取り囲むように構成された磁気ヨーク4a,4bと、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層としての第2磁性層8a,8bを含み磁気ヨーク4a,4bと磁気的に連結されると共に積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層体S20a,S20bとを有し、磁気ヨーク4a,4bの一部を互いに共有するようにしたものである。これに対し本実施の形態の記憶セル121は、図33(A),図33(B)に示したように、磁気ヨーク4の一部をなす連結部分84a,84bが、積層体S21a,S21bにおける感磁層を兼ねるようにしたものである。
すなわち、TMR素子121a,121bでは、磁気ヨーク4a,4bの一部を構成する連結部分84a,84bが積層体S21a,S21bにおける感磁層としても機能する。このため、TMR素子1a,1bに設けたような第2磁性層8a,8bを省くことができ、記憶セル1よりも簡素な構成の記憶セル121とすることができる。
但し、この場合には、第1磁性層2a,2bおよび連結部分84a,84bの磁化容易軸が、互いに平行であることが望ましい。第1磁性層2a,2bと連結部分84a,84bとの磁化方向が、互いに平行または反平行の状態で安定となるようにするためである。磁気ヨーク4a,4bは、連結部分84a,84bにおける断面方向の厚みが例えば20nmである。連結部分84a,84bの保磁力は、(50/4π)×103A/m以上(100/4π)×103A/m以下の範囲であり、かつ、第1磁性層2a,2bの保磁力よりも小さくなるように構成されていることが望ましい。(50/4π)×103A/m未満の保磁力では、連結部分84a,84bにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界により乱されることがあるからである。一方、(100/4π)×103A/mを越えるような保磁力では、書込電流の増大に起因する発熱により、TMR素子121a,121b自体の劣化が生じてしまう可能性があるからである。さらに、連結部分84a,84bの保磁力が第1磁性層2a,2bの保磁力と同等以上となると、書込電流が増大して磁化固定層としての第1磁性層2a,2bの磁化方向を変化させてしまい、記憶素子としてのTMR素子121a,121bを破壊させてしまうからである。
また、記憶セル121では、連結部分84a,84bが情報を記憶する記憶層として機能する。すなわち、書込ビット線5と書込ワード線6とを流れる書込電流によって生ずる還流磁界によって連結部分84a,84bの磁化方向が反転され、情報の記憶がなされる。以下、図34(A),図34(B)を参照して、記憶セル121における書込動作について具体的に説明する。図34(A),図34(B)は、図33に示した記憶セル121の断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表すものである。
図34(A),図34(B)は、TMR素子121a,121bを通過する互いに平行な書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、互いに同一な方向に書込電流が流れる場合を示す。図34(A)は、TMR素子121aにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5aを取り囲む部分の磁気ヨーク4の内部を時計回り方向に還流磁界16aが発生すると共に、TMR素子121bにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5bを取り囲む部分の磁気ヨーク4の内部を反時計回り方向に還流磁界16bが発生する場合を示している。この場合は、連結部分84aの磁化方向が−X方向となり、連結部分84bの磁化方向が+X方向となる。一方、図34(B)は、書込ビット線5および書込ワード線6を流れる電流方向が図34(A)に示した状態とは全く逆の電流方向とした場合に対応する。すなわち、図34(B)は、TMR素子121aにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5aを取り囲む部分の磁気ヨーク4の内部を反時計回り方向に還流磁界16aが発生すると共に、TMR素子121bにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、書込ビット線5bを取り囲む部分の環状磁性層4の内部を時計回り方向に還流磁界16bが発生する場合を示している。この場合は、連結部分84aの磁化方向が+X方向となり、連結部分84bの磁化方向が−X方向となる。
このように書込ビット線5および書込ワード線6に、同一方向に電流が流れると、連結部分84a,84bの磁化方向は反転し、0または1を記録する。例えば、図34(A)の状態を0とした場合、図34(B)の状態を1として識別する。ここで、互いに逆方向に書込電流が流れた場合、あるいは、どちらか一方のみに書込電流が流れた場合には連結部分84a,84bの磁化方向は反転せず、データの書き換えは行われないようになっている。
以上のように、本実施の形態の磁気メモリデバイスによれば、磁気ヨーク4a,4bの一部を構成する連結部分84a,84bが積層体S21a,S21bにおける感磁層としても機能するようにしたので、より簡素な構成の記憶セル121を得ることができる。また、本実施の形態の磁気メモリデバイスでは、一対の磁気ヨーク4a,4bにおける周回方向と直交する断面の面積が、それぞれ、積層体S21a,S21bとの連結部分84a,84bにおいて最も小さくなるように構成したので、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6に書込電流を流すことによって生じる還流磁界16a,16bの、連結部分84a,84bにおける磁束密度をより高め、かつ安定させることができる。このため、より小さな書込電流であっても、感磁層としての連結部分84a,84bの磁化反転を効率よく行うことができるうえ、より安定した書込動作が可能となる。
さらに、上記第1の実施の形態における具体的な実施例について説明する。本実施例では、上記第1の実施の形態において説明した製造方法に基づき、上記変形例1〜3について、それぞれ磁気メモリデバイスのサンプルを形成した。
[実施例1]
本実施例1は、図30(A),図30(B)に示した記憶セル1V1について、磁気ヨーク4における連結部分14の幅W14と第2磁性層8a,8bの磁化反転に要する書込電流IWとの関係について測定したものである。ここで、第1のビームヨーク41V1における連結部分14a,14bを挟む隣接部分のY方向における幅W1を200nm、積層体S20a,S20bのXY平面のサイズを100nm角、積層体S20aと積層体S20bとの距離を600nmとした。また、連結部分14a,14bのZ方向の厚みを20nm、ピラーヨーク421〜423のZ方向高さを420nm、ピラーヨーク421,423のX方向の長さを250nm、ピラーヨーク422のX方向の長さを300nm、第2のビームヨーク43のZ方向厚みを200nmとした。さらに、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6については、X方向の長さを200nm、Z方向厚みを150nmとした。このような記憶セル1V1について測定した結果を図35に示す。図35のグラフにおいて、横軸が幅W14(単位はナノメータ[nm])を示し、縦軸が書込電流IW(単位はミリアンペア[mA])を示す。ここで、第1のビームヨーク41V1がくびれを全く有しない状態が幅W14=200nmである。図35に示したように、書込電流IWは、くびれの全くない幅W14=200nmにおいて最も高い数値を示し、幅W14を狭くするほど低減できることがわかった。
[実施例2]
本実施例2は、図31(A),図31(B)に示した記憶セル1V2について、凸部41Tの厚みT1と第2磁性層8a,8bの磁化反転に要する書込電流IWとの関係について調査したものである。ここで、第1のビームヨーク41V2におけるY方向の幅W1を200nm、積層体S20a,S20bのXY平面のサイズを100nm角、積層体S20aと積層体S20bとの距離を600nmとした。また、連結部分14a,14bのZ方向の厚みを20nm、ピラーヨーク421〜423のZ方向高さを420nm、ピラーヨーク421,423のX方向の長さを250nm、ピラーヨーク422のX方向の長さを300nm、第2のビームヨーク43のZ方向厚みを200nmとした。さらに、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6については、X方向の長さを200nm、Z方向厚みを150nmとした。このような記憶セル1V2について測定した結果を図36に示す。図36のグラフにおいて、横軸が凸部41Tの厚みT1(単位はナノメータ[nm])を示し、縦軸が書込電流IW(単位はミリアンペア[mA])を示す。ここで、凸部41Tを全く有しない場合(第1のビームヨーク41における積層体S20と対向する面が平坦である場合)が厚みT1=0nmに相当する。図36に示したように、書込電流IWは、凸部41Tを全く有しない厚みT1=0nmにおいて最も高い数値を示し、厚みT1を厚くするほど低減できることがわかった。
[実施例3]
本実施例3は、図32(A),図32(B)に示した記憶セル1V3について、磁気ヨーク4における連結部分14と同等の厚みを有する領域の長さDと第2磁性層8a,8bの磁化反転に要する書込電流IWとの関係について調査したものである。ここで、第1のビームヨーク41V3におけるY方向の幅W1を200nm、積層体S20a,S20bのXY平面のサイズを100nm角、積層体S20aと積層体S20bとの間隔を600nmとした。また、連結部分14a,14bのZ方向の厚みT14を20nm、ピラーヨーク421〜423のZ方向高さを420nm、ピラーヨーク421,423のX方向の長さを250nm、ピラーヨーク422のX方向の長さを300nm、第2のビームヨーク43のZ方向厚みを200nmとした。さらに、書込ビット線5a,5bおよび書込ワード線6については、X方向の長さを200nm、Z方向厚みを150nmとした。傾斜面41AKの傾斜角度は、積層体S20a,S20bの積層面に対して45°をなすようにした。このような記憶セル1V3について測定した結果を図37に示す。図37のグラフにおいて、横軸が長さD(単位はナノメータ[nm])を示し、縦軸が書込電流IW(単位はミリアンペア[mA])を示す。ここで、傾斜面41AKを全く有していない状態が長さD=200nmに相当する。図37に示したように、長さDを、積層体S20a,S20bの長さとほぼ同程度(100nm)まで狭めることにより、書込電流IWを低減できることがわかった。
以上、いくつかの実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記第1および第2実施の形態ならびに実施例では、磁気ヨークの形状として変形例1〜3に挙げた3つのパターン(およびそれらを全て組み合わせたもの)について説明したが、これに限定されるものではなく、磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が、積層体との連結部分において最も小さくなるように構成されていればよい。
また、上記第1および第2の実施の形態ならびに実施例では、磁気記憶セルにおける一対の磁気抵抗効果素子が、第1および第2の書込線の周囲の全てを取り囲むように構成された磁気ヨークの一部を互いに共有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。具体的には、図38に示した記憶セル122(第4の変形例)のように、第1および第2の書込線の周囲の一部を囲むように構成され、断面が積層体とは反対側に開口部を有するようなコの字型をなす磁気ヨーク(一部が開放された断面形状を有する磁気ヨーク)を2つ連結するようにしてもよい。記憶セル122は、互いに対向しつつ積層体S20aの積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨーク421,422と一対のピラーヨーク421,422における積層体S20aの側の各一端どうしを連結する一のビームヨーク141aとからなる磁気ヨーク4aを含むTMR素子122aと、互いに対向しつつ積層体S20bの積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨーク422,423と一対のピラーヨーク422,423における積層体S20bの側の各一端どうしを連結する一のビームヨーク141bとからなる磁気ヨーク4bとを含むTMR素子122bとを備え、これら一対のTMR素子122a,122bが、ピラーヨーク422を互いに共有するようにしたものである。このような構成の記憶セル122であっても、磁気ヨークの周回方向と直交する断面の面積が、積層体との連結部分において最も小さくなるように構成することにより、連結部分において最も高い磁束密度を得ることができる。よって、より小さな書込電流であっても効率よく積層体S20a,S20bの感磁層の磁化反転を行うことができ、より安定した書込動作が可能となる。さらに、この場合、ピラーヨーク421〜423を必ずしも設けなくともよい。すなわち、図38に示した記憶セル122におけるピラーヨーク421〜423を取り除いた形状を有する記憶セルとすることもできる。
また、積層体の構成については、上記第1および第2の実施の形態において説明した図6または図33に示した積層体S20a,S20bまたは積層体S21a,S21bの構成に限定されるものでもない。例えば、図39に示した記憶セル123(第5の変形例)の積層体S23a,S23bように、感磁層としての第2磁性層8a,8bが、第1フリー層181a,181bとこれよりも保磁力が大きな第2フリー層182a,182bとを含む2層構造であってもよい。また、図示しないが、積層体S20a,S20bまたは積層体S21a,S21bにおける第1磁性層2a,2bの、トンネルバリア層3a,3bとは反対の側に反強磁性層を設け、第1磁性層2a,2bの磁化の安定化を図るようにしてもよい。また、積層体は、積層面と直交する方向に電流が流れるように構成されたものに限らず、積層面に沿った方向に電流が流れるように構成されたものであってもよい。
また、上記第1および第2の実施の形態では、一対の磁気抵抗効果素子を備えた磁気記憶セルについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図40(A),図40(B)に示した記憶セル124(第6の変形例)のように、1つの磁気ヨーク4と1つの積層体S20とを備えた単体のTMR素子124を磁気メモリ素子として用いるようにしてもよい。図40(A)は、TMR素子124における積層体S20a,S20bの積層面と平行なXY平面の構成を表すものであり、図40(B)は、図40(A)におけるXXXX(B)−XXXX(B)線に沿った矢視方向の断面構成を表すものである。
また、第1および第2の実施の形態では、磁気ヨークのピラーヨークを角柱形状としたが、これに限定されるものではない。例えば、図41に示した記憶セル125のように、円柱形状のピラーヨーク142を有するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、読出回路における整流素子として、1対のダイオードを用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図42および図43に示したように、一対のバイポーラトランジスタ76a,76bを用いるようにしてもよい。
図42はバイポーラトランジスタ76a,76bの断面構成を示し、図43は読出ビット線33a,33bと積層体S20a,S20bとの間にバイポーラトランジスタ76a,76bを設けた場合の回路の要部構成を示す。図42および図43に示したように、各記憶セル1におけるTMR素子1a,1bのそれぞれの一端が、一対のバイポーラトランジスタ76a,76bを介して読出ビット線33a,33bに接続され、それぞれの他端が共通の読出ワード線32に接続される。より詳しくは、一対のバイポーラトランジスタ76a,76bにおけるベースBはワードデコード線72に接続され、コレクタCは接続層29を介して読出ビット線33a,33bに接続され、さらにエミッタEが接続層27を介してそれぞれ積層部分20a,20bに接続される。この場合には、ワードデコード線72からの制御信号が選択された一対のバイポーラトランジスタ76a,76bにおけるベースBに到達すると、コレクタCとエミッタEとの間が導通状態となり、積層体S20a,S20b(積層部分20a,20b)に読出電流が流れることにより、情報の読み出しが行われることとなる。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気メモリデバイスの全体構成を示すブロック図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの書込線の構成を示す平面図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す部分平面図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す要部斜視図である。 図4に示した磁気記憶セルのV矢視方向から眺めた平面構成を表す平面図 である。 図5に示した磁気記憶セルのVI−VI線に沿った切断面の矢視方向における構成を示す断面図である。 図6に示した磁気記憶セルを、概念的に2つのTMR素子に分解して示し た断面図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す他の部分平面図である。 図8に示した記憶セルのIX−IX線に沿った切断面の構成を示す断面図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの回路構成を示す回路図である。 図6に示した磁気記憶セルの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す第1の説明図である。 図6に示した磁気記憶セルの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す第2の説明図である。 図10に示した回路構成における第1の部分拡大図である。 図10に示した回路構成における第2の部分拡大図である。 図1に示した磁気メモリデバイスの製造方法における一工程を表す拡大断面図である。 図13に続く一工程を表す拡大断面図である。 図14に続く一工程を表す拡大断面図である。 図15(A)に対応する平面構成を表す拡大平面図である。 図15(A)に続く一工程を表す拡大断面図である。 図16(A)に対応する平面構成を表す拡大平面図である。 図16に続く一工程を表す拡大断面図である。 図17に続く一工程を表す拡大断面図である。 図18に続く一工程を表す拡大断面図である。 図19に続く一工程を表す拡大断面図である。 図20に続く一工程を表す拡大断面図である。 図21に続く一工程を表す拡大断面図である。 図22に続く一工程を表す拡大断面図である。 図23に続く一工程を表す拡大断面図である。 図24に続く一工程を表す拡大断面図である。 図25に続く一工程を表す拡大断面図である。 図26に続く一工程を表す拡大断面図である。 図27に続く一工程を表す拡大断面図である。 図28に続く一工程を表す拡大断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第1の変形例を表す平面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第1の変形例を表す断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第2の変形例を表す平面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第2の変形例を表す断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第3の変形例を表す平面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第3の変形例を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気メモリデバイスの要部構成を表す断面図である。 図33(A)に示した磁気記憶セルを、概念的に2つのTMR素子に分解して示した断面図である。 図33(A)に示した磁気記憶セルの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す第1の説明図である。 図33(A)に示した磁気記憶セルの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す第2の説明図である。 図30(A)および図30(B)に示した第1の変形例としての磁気記憶セルにおける、連結部分の幅と感磁層の磁化反転に要する書込電流との関係を表す特性図である。 図31(A)および図31(B)に示した第2の変形例としての磁気記憶セルにおける、連結部分の両隣に設けられた凸部の厚みと感磁層の磁化反転に要する書込電流との関係を表す特性図である。 図32(A)および図32(B)に示した第3の変形例としての磁気記憶セルにおける、磁気ヨーク4のうちの連結部分と同等の厚みを有する領域の長さと感磁層の磁化反転に要する書込電流との関係を表す特性図である。 図5に示した磁気記憶セルの第4の変形例を表す断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第5の変形例を表す断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第6の変形例を表す平面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第6の変形例を表す断面図である。 図5に示した磁気記憶セルの第7の変形例を表す斜視図である。 図10に示した回路構成における整流素子の変形例の断面構成を示す断面図である。 図42に示した変形例としての整流素子を含む回路構成の要部を示す回路図である。
符号の説明
1…記憶セル、1a,1b…磁気抵抗効果(TMR)素子、2…第1磁性層、3…トンネルバリア層、4…磁気ヨーク、5…書込ビット線、6…書込ワード線、7…絶縁膜、8…第2磁性層、10…平行部分、14,84…連結部分、16…還流磁界、S20…積層体、31…基体、32…読出ワード線、33…読出ビット線、34…共有部分、41…第1のビームヨーク、41AK…傾斜面、41T…凸部、42…ピラーヨーク、43…第2のビームヨーク、46…書込ワード線引出電極、47…書込ビット線引出電極、48…読出ワード線引出電極、49…読出ビット線引出電極。


Claims (12)

  1. 互いに並走する第1および第2の直線部分と、それら第1および第2の直線部分の一端同士を繋ぐ接続部分とからなる折り返し部分を有する導線と、
    外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層と前記感磁層よりも大きな保磁力を有し磁化方向が固定された磁性層とをそれぞれ含む第1および第2の積層体、ならびに前記第1および第2の直線部分の一部領域をそれぞれ取り囲むように周回方向に沿って配置され連結部分において前記第1および第2の積層体における感磁層とそれぞれ磁気的に交換結合した第1および第2の磁気ヨーク、をそれぞれ有する第1および第2の磁気抵抗効果素子と
    を備え、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子は前記第1および第2の磁気ヨークの一部のみを互いに共有しており、
    前記第1および第2の積層体の磁性層は、前記第1および第2の磁気ヨークの連結部分よりも大きな保磁力を有し、
    前記第1および第2の磁気ヨークの前記周回方向と直交する断面の面積が、前記第1および第2の磁気ヨークの連結部分において最も小さい
    ことを特徴とする磁気記憶セル。
  2. 前記磁気ヨークの前記断面の面積は、前記連結部分に近づくにつれて次第に小さくなっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶セル。
  3. 第1の書込線と、
    前記第1の書込線と交差するように延びると共に、前記第1の書込線との交差領域に対応した部分において前記第1の書込線と並走するように構成された第2の書込線と、
    第1および第2の磁気抵抗効果素子と
    を含んで構成された磁気記憶セルを備え、
    前記第2の書込線は、互いに並走する第1および第2の直線部分と、それら第1および第2の直線部分の一端同士を繋ぐ接続部分とからなる折り返し部分を有し、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子の各々が、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層と前記感磁層よりも大きな保磁力を有し磁化方向が固定された磁性層とをそれぞれ含む第1および第2の積層体、ならびに前記第1および第2の直線部分の一部領域をそれぞれ取り囲むように周回方向に沿って配置され連結部分において前記第1および第2の積層体における感磁層とそれぞれ磁気的に交換結合した第1および第2の磁気ヨーク、をそれぞれ有すると共に、前記第1および第2の磁気ヨークの一部のみを互いに共有しており、
    前記第1および第2の積層体の磁性層は、前記第1および第2の磁気ヨークの連結部分よりも大きな保磁力を有し、
    前記第1および第2の磁気ヨークの前記周回方向と直交する断面の面積が、前記第1および第2の磁気ヨークの連結部分において最も小さい
    ことを特徴とする磁気メモリデバイス。
  4. 前記磁気ヨークの前記断面の面積は、前記連結部分に近づくにつれて次第に小さくなっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気メモリデバイス。
  5. 前記磁気ヨークの幅は、前記連結部分において最も小さくなっている
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の磁気メモリデバイス。
  6. 前記磁気ヨークの前記幅は、前記連結部分に近づくにつれて次第に小さくなっている
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  7. 前記磁気ヨークの厚さは、前記連結部分において最も小さくなっている
    ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  8. 前記磁気ヨークの厚さは、前記連結部分に近づくにつれて次第に小さくなっている
    ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  9. 一対の前記第1および第2の磁気ヨークは、それぞれ、前記積層体の積層面に沿った方向に延在すると共に前記連結部分を有する一のビームヨークを含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  10. 一対の前記第1および第2の磁気ヨークは、それぞれ、
    前記第1および第2の書込線を挟んで互いに対向しつつ前記積層体の積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨークと、
    前記一対のピラーヨークにおける前記積層体の側の各一端どうしを連結すると共に前記連結部分を有する一のビームヨークとを含んで構成され、
    一部が開放された断面形状を有しており、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子が、少なくとも前記一対のピラーヨークのうちの一方を互いに共有している
    ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  11. 一対の前記第1および第2の磁気ヨークは、それぞれ、
    前記第1および第2の書込線を挟んで互いに対向しつつ前記積層体の積層面と直交する方向に延びる一対のピラーヨークと、
    前記一対のピラーヨークにおける前記積層体の側の各一端どうしを連結すると共に前記連結部分を有する第1のビームヨークと、
    前記一対のピラーヨークの他方の各一端どうしを連結する第2のビームヨークとを含んで構成され、
    閉じた断面形状を有しており、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子が、少なくとも前記一対のピラーヨークのうちの一方を互いに共有している
    ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
  12. 前記連結部分が前記感磁層を兼ねている
    ことを特徴とする請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイス。
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