JP2004189737A - 抗真菌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間の使用が可能な抗真菌剤を提供する。
【解決手段】 マイタケ抽出物を有効成分として含有する抗真菌剤;マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用化粧料;マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイタケ又はマイタケ抽出物を有効成分として含有する抗真菌剤に関する。
真菌感染症の中でも白癬菌を原因とする水虫やたむしは、皮膚の角質層のケラチンを栄養にして増殖するため、角質層の深部まで菌が入りこんでおり、短時間での治癒が困難である。そのため、長期に亘って外用薬を患部に塗布することが必要である。このような外用薬としては、一般にアゾール系の抗合成真菌薬が使われている。
一方、内服薬としては、ポリエン系抗生物質やグリセオフルビンなどの抗生物質が使われている。しかしながら、それらの外用薬、内服薬は、長期に亘って使用する必要があるため、しばしば副作用が表われる。
そこで、上記のような抗生物質や合成抗菌剤に代わる、人体により安全な天然の抗菌物質の検索が行われている。古くから知られている天然の抗菌物質として、カストール油の真空蒸留の際にリシノレイン酸の熱分解によって生成するウンデシレン酸がある。これは、外用薬としては余り毒性が強くないが、内服用としては強い毒性が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)ため、亜鉛塩として繊維製品の抗菌加工などに使われている。
また、ナマコより分離されたサポニン系の抗真菌薬ホロトキシン(例えば、非特許文献2参照。)も天然物に挙げられるが、これは名前が示す通り毒素であるため、長期の使用が困難であると考えられる。
一方、きのこの多糖類などの成分が種々の生理活性を有することはよく知られている。その中でも、マイタケに含まれるβ-グルカンやペプチドグリカン(MDフラクション)が抗腫瘍作用を有することが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。また、マツタケ、シイタケ、ナメコ等のきのこの抽出物が黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用を有することも報告されており(例えば、非特許文献3参照。)、特に、マイタケの熱水抽出物中に黄色ブドウ球菌やMRSAに対して強い抗細菌作用を有する物質が含まれていることも報告されている(例えば、非特許文献4参照。)。
特許第2856843号 J. Invest. Dermatol., 13, 145 (1949) Phytochemistry, 30, 3943-3944 (1991) 食品と微生物 9, 101-107 (1992) 大阪市立環境科学研究所報告第60集(1998)
本発明の目的は、上記したような欠点のない抗真菌剤を提供することである。
発明者は、きのこ類の抽出物の抗真菌作用について研究を行った結果、マイタケ抽出物が抗真菌作用、特に抗白癬菌作用を有していることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下記の各項に示す発明に係るものである。
1.マイタケ抽出物を有効成分として含有する抗真菌剤。
2.マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用化粧料。
3.マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用食品。
4.マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である上記項1に記載の抗真菌剤。
5.マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である上記項2に記載の真菌感染症予防又は治療用化粧料。
6.マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である上記項3に記載の真菌感染症予防又は治療用食品。
本発明において、マイタケとしては、マイタケ属に属するものであればいずれのものであっても用いることができる。例えば、マイタケ(Grifola frondosa)、白マイタケ(Grifola albicans lmaz.)、チョレイマイタケ(Dendropolyporus umbellatus)等が使用できる。
本発明の抗真菌剤及び食品は、マイタケの子実体及び/又は菌糸体、又はこれらの抽出物を含有するものである。子実体の使用形態としては、生のものは、そのまま又は適宜切断したもの、乾燥させたものは、そのまま、適宜切断した状態、又は粉砕したものが挙げられる。
本発明のマイタケ抽出物の抽出方法では、まず、熱水(蒸留水、精製水、イオン交換水、水道水等を加熱したもの)を用いてマイタケからマイタケ抽出物を抽出する。その後、必要に応じて、得られた熱水抽出物から、水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;及び、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いて、抗真菌作用のある成分を溶出することができる。
本発明における好ましいマイタケ抽出物の抽出方法は、(1)マイタケを熱水に浸漬する工程;(2)必要に応じて、(1)で得られた熱水抽出物を濃縮・乾燥を行う工程;(3)分子量1000程度以下の画分を採取する工程、(4)(3)で得られた画分にアルコールを添加し、アルコール可溶性成分を抽出する工程;(5)(4)で得られたアルコール抽出物を、酢酸エチルとメタノールの混合溶媒を用いて溶出させる工程を含む。各工程の詳細については以下に述べる。
(1)マイタケを熱水に浸漬する工程
第1工程では、マイタケを熱水で抽出する。マイタケの使用部分及び使用形態については上述した通りで、マイタケの子実体を用いても菌糸体を用いてもよい。また、マイタケは、そのままの状態で使用してもよく、切断した状態、または粉末の状態で使用してもよい。
熱水としては、蒸留水、精製水、イオン交換水、水道水等を80〜100℃程度、好ましくは85〜100℃程度に加熱したものが使用できる。この熱水に、マイタケを15分〜3時間程度浸漬した後、ガラスフィルター、ろ布又はろ紙を装着したロート、カラム、パーコレーター等を用いてろ過することができる。また、水にマイタケを浸漬しておき、それを加熱し、80〜100℃程度に達してから更に15分〜3時間程度浸漬を続けてもよい。
乾燥マイタケを用いる場合、乾燥マイタケ1gに対して4〜20ml程度の熱水を使用するのが好ましい。生マイタケを使用する場合は、生マイタケ1gに対して2〜10ml程度の熱水を使用するのが好ましい。
(2)(1)で得られた抽出液(熱水)を濃縮又は乾燥させる工程
(1)で得られた抽出液(熱水)は、必要に応じて、濃縮又は乾燥させることができる。例えば、減圧濃縮(ロータリーエバポレータ、フラッシュエバポレータ)により濃縮することができる。また、スプレードライヤーを用いて、あるいは凍結乾燥などにより乾燥させることができる。
(3)分子量1000程度以下の画分を採取する工程
この工程では、上記(1)又は(2)で得られた抽出液濃縮液、又は乾燥粉末から、分子量1000程度以下の画分を採取する。その採取する方法としては、分子量1000程度以下の画分を採取することができれば限定されないが、ゲル濾過が好ましい。
本工程におけるゲル濾過は、例えば、セファデックス、セファアクリル、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル等の分画分子量が1000〜5000以下のものを水で膨潤させて充填したカラムを用い、ゲル体積の0.5〜5%容量の試料を負荷後、水で溶出することにより行うことができる。負荷後、溶出液を集めて、ゲル体積の60〜100%相当量の溶出液画分を集めればよい。
(4)(3)で得られた画分にアルコールを添加し、アルコール可溶性成分を抽出する工程
本工程では、(3)で得られた画分にアルコールを添加することにより、アルコール可溶性成分を抽出する。生じた沈殿物は常法により除去できる。
アルコールとしては、例えば、水分含量0〜10%のアルコール(エタノール、イソプロパノール等)が使用でき、溶出液に対して終末濃度が30〜80%程度となるように添加すればよい。アルコールを添加した後、通常1〜25℃程度の温度で1〜24時間程度放置すると粘調な沈殿物が生じるので、上清を傾斜法により、またはピペットやスポイド等を用いて集めることができる。
(5)(4)で得られたアルコール抽出物を、酢酸エチルとメタノールの混合溶媒を用いて溶出させる工程
まず、工程(4)で得られた上清液を減圧濃縮、乾固させ、固形物の酢酸エチルに可溶な区分をシリカゲルカラムに吸着させる。ここで用いるシリカゲルは、粒子サイズが25〜500μm程度の範囲の大きさから適宜選択することができる。シリカゲルとしては、例えば、Wakogel C-200(粒子サイズ74〜149m)、カラムサイズは工程(4)で得られた溶液を減圧濃縮して乾固させた後の1gに対して50〜500mlのものを用いるのが好ましい。
次いで、酢酸エチルとメタノールの混合溶媒を用いて、本発明のマイタケ抽出物の抗真菌作用を有する成分を溶出することができる。酢酸エチルとメタノールとの混合比は、通常、酢酸エチル:メタノール=9:1〜1:1(vol:vol)程度である。
(4)及び(5)に記載の工程を経ることにより、抗真菌作用を有する成分の純度をより高くすることができる。
本発明のマイタケ抽出物
このようにして得られた本発明のマイタケ抽出物は、強い抗真菌作用を有する。本発明では、最終工程(第5工程)を経て得られた抽出物だけでなく、各工程で得られたいずれの抽出物を使用することもできる。また、本発明のマイタケ抽出物は、抽出液、抽出液の濃縮物、乾燥粉末などの形態で本発明の組成物に配合することができる。
マイタケ抽出物は、抗真菌作用を有しているため、マイタケ抽出物を含有する本発明の組成物は、抗真菌剤として用いることができる。また、真菌感染症予防又は治療用化粧料としても用いることができる。マイタケは食用とされてきたものであるので、マイタケ抽出物を含む組成物は、真菌感染症予防又は治療用食品として用いることができる。ここで、真菌としては、白癬菌、カンジダ菌、アスペルギルス菌、クリプトコッカス菌などが挙げられる。これら真菌による感染症(例えば、水虫(足部白癬)、たむし(陰部白癬))、カンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症など)の治療又は予防に用いることができる。
本発明の抗真菌剤は、医薬(医薬部外品を含む)等の形態として使用することができる。
本発明組成物が医薬組成物である場合には、所期の効果を妨げない範囲で、医薬製剤の調製に慣用されている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味・矯臭剤、安定剤等の添加剤等を、配合することもできる。これらの配合量は、所期の効果を妨げない限り特に限定されるものではなく、添加剤の種類、医薬組成物の剤形等に応じて適宜設定することができる。
本発明医薬組成物におけるマイタケ又はマイタケ抽出物の配合量は、所期の効果が得られる限り特に制限されず、広い範囲から適宜選択することができる。医薬が液状の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、医薬組成物の全固形分に対して、0.01〜100%程度(「%」は「重量%」を意味する。以下同様とする。)、特に0.1〜10%程度が好ましい。医薬が固形又は半固形状の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、医薬組成物の全固形分に対して、0.001〜10%程度、特に0.01〜1%程度が好ましい。
医薬組成物の投与単位形態としては、各種の形態が治療目的に応じて選択できる。例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤等の固形製剤;内用散剤、外用散剤、パウダー等の粉体製剤;液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ローション剤、エアゾール剤、浸剤、煎剤等の液状製剤;軟膏剤等のクリーム状の製剤;パップ剤等が挙げられる。本発明の医薬組成物は、当該形態における常法に従って調製することができる。
上記医薬組成物の投与方法は特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて経口投与、経皮投与等される。
医薬組成物の投与量については、その製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の部位や程度等により適宜選択される。投与量は、通常、マイタケ抽出物の量が、乾燥重量として1日成人1kg当たり、0.0001〜0.1g程度、好ましくは0.001〜0.01g程度となるような量とするのがよい。医薬組成物は、1日に1回又は数回に分けて投与することができる。
マイタケ抽出物を含む組成物は、化粧料(薬用化粧品を含む)として用いることができる。
化粧料の形態としては、各種の形態が目的に応じて選択でき、具体的には、浴用剤、石鹸、洗顔料、化粧水、乳液、ファンデーション、クレンジング、マッサージクリーム、パック、ハンドクリーム、ハンドパウダー、ボディシャンプー、ボディローション、ボディクリーム等が挙げられる。
これら化粧料は、マイタケ抽出物を、その形態に応じた適当な担体と共に用いて、常法に従って調製することができる。担体としては、化粧料の形態に応じて通常使用される担体から適宜選択することができ、例えば、結合剤、界面活性剤、保湿剤、充填剤、増量剤、湿潤剤等の希釈剤又は賦形剤が挙げられる。更に、必要に応じて防腐剤、着色剤、保存剤、抗酸化剤、香料等を配合することもできる。
化粧料におけるマイタケ抽出物の配合量は、所期の効果が得られる限り特に制限されず、広い範囲から適宜選択することができる。液状の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、全固形分に対して、0.01〜100%程度、特に0.1〜100%程度が好ましい。固形又は半固形状の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、全固形分に対して、0.001〜10%程度、特に0.01〜10%程度が好ましい。
化粧料は、各形態における通常の使用法により使用することができる。また、化粧料の適用量は、その形態、真菌感染症の種類、程度等に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、例えば、マイタケ抽出物の乾燥重量として、1日成人1kg当たり0.0001〜0.1g程度、好ましくは0.001〜0.01g程度となるような量を、1日に1回又は2〜4回に分けて適用することができる。
本発明には、マイタケ又はマイタケ抽出物含む食品も含まれる。該食品は、真菌感染症を予防又は治療することを目的として用いることができる。
本発明の食品は、マイタケ又はマイタケ抽出物と、形態に応じた添加剤等を混合し、当該食品形態における常法に従って調製することができる。
本発明食品の形態としては、各種形態が可能である。食品の形態としては、例えば、マイタケ抽出物単独で,又は他の抽出物(キャベツ、ホウレンソウ、人参、ゴボウなどの野菜やそれらの抽出物等)を配合した液状飲料;粉末ジュース,粉末スープ等の粉末飲料;クッキー、ビスケット、チュアブルタブレット、グミ、ウエハース、煎餅等の固形食品などが挙げられる。また、健康食品などとして用いる場合は、錠剤型、カプセル型、顆粒状などの形態とすることもできる。
本発明食品は、形態に応じて、通常の食品に含有されるような添加剤乃至食品原料を配合することが好ましい。添加剤としては、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料等を、食品形態に応じて適宜選択できる。
本発明食品におけるマイタケ抽出物の配合量は、所期の効果が得られる限り特に制限されず、広い範囲から適宜選択することができる。食品が液状食品の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、食品の全固形分に対して、0.01〜100%程度、特に0.1〜100%程度、さらに0.1〜10%程度が好ましい。食品が固形又は半固形状の場合には、抽出物の乾燥重量に換算して、食品の全固形分に対して、0.001〜10%程度、特に0.01〜1%程度が好ましい。
本発明食品は、任意の食品を調製するための食品素材として用いることもできる。本発明食品を、食品素材として用いる場合は、既に調製された食品、例えば、市販の飲料等に添加してもよい。
上記食品の摂取量については、その食品の形態、摂取者の年齢、性別その他の条件等により適宜選択されるが、通常マイタケ抽出物の量が、乾燥重量として0.0001〜0.1g程度、好ましくは0.001〜0.01g程度となるような量とするのがよく、1日に1回又は2〜4回に分けて摂取することができる。
マイタケ抽出物は、抗真菌作用を有しているため、本発明食品は、真菌感染症を予防又は治療する効果を有していると期待できる。
従って、本発明食品は、真菌感染症の人、過去に真菌感染症になったことがある人、家族などが真菌感染症である人などが好ましく摂取することができる。本発明食品は、真菌感染症の予防又は治療を目的とした、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、特定保健用食品、病者用食品等として利用することができる。
マイタケ抽出物は、真菌、特に皮膚疾患水虫の主要な菌である白癬菌の発育を抑制することができる。従って、マイタケ抽出物を含む組成物は、これを有効成分とする抗真菌剤、真菌感染症予防又は治療用の化粧料や食品として用いることができる。
また、マイタケは、昔から食用とされていたものであるので、外用剤として利用するだけでなく経口投与又は摂取することも可能であると思われる。抗真菌剤は、一般に、長期間使用することが必要とされるが、経口投与又は摂取できれば、塗布形態の抗菌剤と比べ、長期間継続して利用することが容易となる。また、マイタケは従来食品として摂取されてきたので、長期間安心して投与又は摂取することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の試験例において、抗白癬菌活性については、抽出液3mlを、No.2ろ紙を直径6mmの円形に切って160℃で1時間乾熱滅菌したペーパーディスクに吸収させ、檜山らの方法で調製した白癬菌(Trichophyton mentagrophytes IFO 5466)の分生胞子(防菌防黴, 20巻, 561〜564 (1992))104個/mlを含むポテトデキストロース寒天培地の平板上に載せ、27℃に4日間インキュベートした後に、生じたハロー(発育阻止帯)の大きさを観察することにより評価した。
試験例1−1
乾燥マイタケ114gを家庭用ミキサーで砕き、それに90℃の熱蒸留水1リットルを加えて30分間その温度に保った後、内径150mmのG3グラスフィルターによってろ過し、残渣の上からさらに200mlの90℃熱蒸留水を2回加えてろ過した。得られたろ液1200mlを水流アスピレーターによる減圧下にロータリーエバポレーターによって100mlまで濃縮した。この濃縮液10mlについて、水でよく膨潤させて20mmφ×1400mmガラスカラムに詰め、蒸留水でよく洗ったセファデックスG-10(商品名、ファルマシア社製)(440ml)のカラムを用いてゲルろ過を行い、溶出液を7mlずつ試験管に分画した。この分画試験管の番号26〜37、38〜46、47〜56、57〜70、71〜86をそれぞれまとめて画分I、II、III、IV、Vとした。これらの画分の白癬菌に対する発育阻止帯の幅を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2004189737
試験例1−2
表1において、抗白癬菌活性があると認められた画分IIとIIIについて、終末50%となるようにイソプロパノールを加え、生じた沈殿物(#1)を遠心分離によって分け、上清液をロータリーエバポレーターによって減圧濃縮、乾固させた。この固形物にエタノールを加えて可溶性のものと不溶性の固形物(#3)に分けた。減圧濃縮後に得た固形物の一部を水に溶解させ、溶液の1%量の10%塩化セチルピリジニウムを加え、沈殿物(#2)と上清液に分けた。エタノール可溶性の画分をさらに減圧濃縮、乾固させて酢酸エチルに可溶な物質(#4)を得た。これら#1〜#4の画分の白癬菌に対する発育阻止帯の幅を評価した。
Figure 2004189737
試験例1−3
酢酸エチル可溶画分(試験例1−2における#4)をWakogel C-200(粒子サイズ74〜149μm)を詰めたガラスカラム(35mmφ×330mm)に吸着させた後、300mlの酢酸エチルで溶出し、さらに酢酸エチルとメタノールの混合比が9:1の溶媒100ml、同比が7:3の溶媒100ml、同比が5:5の溶媒100ml、さらにメタノール200mlで順次溶出した。各溶媒で溶出した液を7mlずつ分画し、それぞれの溶媒で溶出される区分に分け、減圧下にそれぞれを1mlまで濃縮し、抗白癬菌活性を測定したところ、酢酸エチルとメタノールの混合比が9:1の画分が37mmの発育阻止帯を示すことが認められた。
これらの操作により酢酸エチルとメタノールの混合比が9:1の画分として、乾燥マイタケ114gより0.3gの抗白癬菌活性物質を得た。
試験例1で得られた抽出物は、下記のような物性を有しているものであった。
外観:白色粉末
溶解性:水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、クロロホルム、四塩化炭素の溶媒に可溶
分子量:0.1%塩化セチルピリジニウム水溶液によって沈殿を生じるような負イオンを有する高分子物質でなく、分子量が172〜305の低分子物質
吸収スペクトル:250nm以上の波長に特徴的な吸収を持たない
IRスペクトル(cm-1):3005, 2940および1427にアルカン、1723および1202, 1177にエステルもしくは脂肪族アルデヒド、1417, 918にビニル、833に同シス配置のビニル基の吸収をもつ。
1H-NMRスペクトルのケミカルシフト(ppm)(CDCl3溶液):水抽出により得られたものは9.58にCOOH、0.95に-CH2のシグナルを有し、酢酸エチル抽出により得られたものは、0.9にCH3(3個のH)、1.16, 1.35, 2.04にCH2(各10, 8, 12個のH)、3.80, 4.22にCH 2 =CH-(各4個, 2個の下線部H)、6.42に-CH=CH2(1個の下線部H)の各シグナルを有す。図1に、スペクトルを示す。
上記の物性値より、試験例1で得られた抗白癬菌活性物質には、抽出物、エタノール、イソプロパノール及び酢酸エチルに可溶な物質で、無色で不飽和結合を有する炭素数11〜18の脂肪酸およびそのエステルが含まれていると思われる。
試験例2
乾燥マイタケ35gの粉砕物を25メッシュ以上と25メッシュ以下の粒子に分け、ガラスカラム(40mmφ×80mm)に粒子の大きなものから順に詰め、これに200mlの酢酸エチルを加えて室温に一晩浸漬し、その後カラムの上より250mlの酢酸エチルを加えて抽出した。この酢酸エチル溶液をロータリーエバポレーターによって減圧濃縮し、30mlの酢酸エチルに溶かしてWakogel C-200(粒子サイズ74〜149μm)を詰めたガラスカラム(35mmφ×330mm)に吸着させた後、溶出液を分画し、水抽出処理の場合と同様の操作を行って抗白癬菌活性区分を集めて減圧濃縮、乾固させ、約0.1gの抗白癬菌活性物質を得た。
比較試験例1〜3
試験例1-1において、熱蒸留水の代わりに、冷水(10〜15℃程度)(比較試験例1)、酢酸エチル(25℃程度)(比較試験例2)、又はDMSO(25℃程度)(比較試験例3)を用いた他は、試験例1(試験例1-1〜1-3)と同様にして、抗白癬菌活性について調べた。
比較試験例1〜3のどの阻止帯の幅も0mmであった。すなわち、マイタケ抽出物を冷水、酢酸エチル、又はDMSOを用いて抽出した場合には、抗真菌作用は得られないことがわかった。
試験例1で得られた抗白癬菌物質の1H-NMRを示す。

Claims (6)

  1. マイタケ抽出物を有効成分として含有する抗真菌剤。
  2. マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用化粧料。
  3. マイタケ抽出物を有効成分として含有する真菌感染症予防又は治療用食品。
  4. マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である請求項1に記載の抗真菌剤。
  5. マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である請求項2に記載の真菌感染症予防又は治療用化粧料。
  6. マイタケ抽出物が熱水中に抽出された成分である請求項3に記載の真菌感染症予防又は治療用食品。
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