JP2005281224A - 美白剤 - Google Patents

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恭介 山本
Mamiko Hashimoto
麻美子 橋本
Akihiko Hasegawa
明彦 長谷川
Kiwamu Yuki
究 結城
Munehiko Donpou
宗彦 鈍宝
Hirokazu Kawagishi
洋和 河岸
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Abstract

【課題】 安全かつ安定性に優れたより強い美白作用を発揮する美白剤を提供する。
【解決手段】 人工栽培により得られたハナビラタケ子実体及び/又は液体培養法により得られた菌糸体の乾燥粉末そのものあるいはそれらから、クロロホルムもしくはエタノール及びアセトン及びヘキサンを用いて抽出を行い、得られた抽出溶液を減圧下に留去して得られた成分を有効成分として含有した美白剤ならびにこの美白剤を含有することを特徴とする化粧料および飲食品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ハナビラタケから得られる美白剤に関する。
女性にとって美容上最も多い悩みの一つに皮膚のしみ、そばかすがある。かかるしみ、そばかすは、一般に紫外線による刺激やホルモン異常等によってメラノサイトが刺激され、続いてメラニン生成の鍵酵素であるチロシナーゼが活性化されることによってメラニン色素が産生され、生成したメラニン色素が隣接細胞へ拡散、沈着することによって生じると考えられている。
このようなメラニン色素の沈着を正常皮膚色にまで回復することが可能な物質の開発が強く望まれており、これまでに多くの物質が商品化されてきている。例えば、アスコルビン酸類、コウジ酸、ハイドロキノン誘導体等のメラニン生成抑制剤を化粧品に配合し、これを皮膚に塗布することによって治療する方法が主に用いられてきた。
一方、キノコ類は古くから食用として利用されているが、最近その成分の生理活性が明らかにされ、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン(いずれも商品名)などは、医薬品としてその有用性が認められており、アガリクス、メシマコブ、霊芝などは免疫腑活作用や抗腫瘍作用を期待して、子実体や菌糸体の乾燥物や抽出物を健康食品素材として利用することが試みられている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
このようなキノコ類に属するハナビラタケは、カラマツに生えるキノコであって、非常に僅少なキノコである。歯ごたえがよく、その純白の色合いと葉牡丹のような形態が特徴である食用キノコである。これまで、このハナビラタケは成長が遅く人工栽培は非常に困難であるとされてきたが、最近になって、比較的短期間で栽培可能な新しい栽培法が確立され、商業規模での供給が可能となってきている。
このハナビラタケの子実体について溶媒でβ−グルカンを抽出する方法が提案され、その抽出物について医薬品分野での用途が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
一方、キノコ類由来の美白効果を有する素材としては、シメジ科、モエギタケ科、ハリタケ科、サルノコシカケ科、カンゾウタケ科、キコブタケ科、シロキクラゲ科、ノボリリュウ科、ショウロ科、スッポンタケ科、アミタケ科およびヒラタケ科からなる群より選択される担子菌の培養液又は菌体の抽出液(特許文献6参照)、イグチ科に属するアメリカウラベニイロガワリ、アシベニイグチ、イロガワリ、ウツロベニハナイグチ、アカジコウ、ヤマドリタケモドキ、ドクヤマドリ、ニセアシベニイグチ 、コガネヤマドリ、コウジタケ、キノボリイグチ、シロヌメリイグチ 、ヌメリツバイグチ、ハナイグチ、ヌメリイグチ 、アカヤマドリ、キンチャヤマイグチ、ヤマイグチ 、アケボノアワタケ 、ホオベニシロアシイグチ、ニガイグチ 、コショウイグチ、ウツロイイグチ、オオキノボリイグチ、ヌメリコウジタケ、ハンノキイグチ、アミハナイグチ、キヒダタケ 、ヒダハタケ、クリカワヤシャイグチ、クロアザアワタケから選ばれる担子菌の抽出物(特許文献7参照)、キコブタケ属キノコの抽出物などが知られている(特許文献8参照)。
しかし、ハナビラタケの抽出物が美白効果を有することはこれまで知られていなかった。
特開2001−10970号公報 特開2001−131083号公報 特開2003−183176号公報 特開2000−217543号公報 特開2002−125460号公報 特開平7−316035号公報 特開平9−227333号公報 特開2003−73225号公報
上記のような化合物は、実用レベルでは利用しにくかったり、化粧料用途に限られていたりという問題がある。すなわち、アスコルビン酸類は安定性に難があり、コウジ酸は発ガンの可能性が指摘されている。ハイドロキノン誘導体も一応効果が認められているが、刺激性及びアレルギー性を有していることから安全性に問題があり、薬剤として配合することには問題がある。
一方、特許文献3記載のシメジ科、モエギタケ科、ハリタケ科、サルノコシカケ科、カンゾウタケ科、キコブタケ科、シロキクラゲ科、ノボリリュウ科、ショウロ科、スッポンタケ科、アミタケ科およびヒラタケ科からなる群より選択される担子菌の培養液又は菌体の抽出液及び特許文献4記載のイグチ科に属するアメリカウラベニイロガワリ、アシベニイグチ、イロガワリ、ウツロベニハナイグチ、アカジコウ、ヤマドリタケモドキ、ドクヤマドリ、ニセアシベニイグチ 、コガネヤマドリ、コウジタケ、キノボリイグチ、シロヌメリイグチ 、ヌメリツバイグチ、ハナイグチ、ヌメリイグチ 、アカヤマドリ、キンチャヤマイグチ、ヤマイグチ 、アケボノアワタケ 、ホオベニシロアシイグチ、ニガイグチ 、コショウイグチ、ウツロイイグチ、オオキノボリイグチ、ヌメリコウジタケ、ハンノキイグチ、アミハナイグチ、キヒダタケ 、ヒダハタケ、クリカワヤシャイグチ、クロアザアワタケから選ばれる担子菌の抽出物は美白効果のみならず保湿効果も併せ持った素材である。特許文献5記載のキコブタケ属キノコの抽出物も美白効果のみならず保湿効果、抗シワ効果さらには抗炎症効果も有しており、優れた素材である。しかし、上記のキノコ由来の素材はいずれも化粧料用途に限られているのが現状である。
本発明は、安全かつ安定性に優れたより強い美白作用を発揮する素材を提供するとともに、そのような美白剤を含有した化粧料および摂取することによっても美白効果を十分発揮することができる飲食品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を行った結果、ハナビラタケ子実体及び/又は菌糸体、さらにはそれらからの特定の抽出物が美白効果を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体、もしくはそれらからクロロホルムまたはエタノール及びアセトン及びヘキサンを用いて抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする美白剤を要旨とするものであり、好ましくは、経口投与剤であるものである。
また、別の本発明は、前記の美白剤を含有することを特徴とする化粧料を要旨とするものである。
さらに、別の本発明は、前記の美白剤を含有することを特徴とする飲食品を要旨とするものである。
本発明によれば、美白作用に優れた美白剤を提供できる。また、食用キノコであるハナビラタケを原料としているため、極めて安全性が高いことから、化粧料に含ませて用いることができる他、経口投与剤として、あるいは食品に含ませて用いることもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ハナビラタケは、標高1千メートル以上のカラマツ等の針葉樹に特異的に発生するキノコで、発見することが難しいために「幻のキノコ」と言われてきた。これまで、その栽培は難しく、一般にはあまり知られていなかったが、近年、人工栽培方法が確立され、量産されるに至った。
本発明で用いられるハナビラタケ子実体は、天然のものでも人工栽培されたものでもよい。人工栽培の方法としては、従来から知られている人工栽培用の菌床を作成することにより行うことができる(詳細は、例えば、特開平11−56098号公報、特開2002−369621号公報、特開2002−125460号公報参照)。
また、本発明においては、ハナビラタケの菌糸体も用いることができる。菌糸体は液体培養法によって得ることができる。培地に使用する炭素源としては、グルコースなどの単糖の他、デキストリン、グリセロールなど通常用いられる炭素源が使用できる。また、窒素源としては無機又は有機窒素源が使用できるが、生育速度の観点からは有機窒素源を用いるほうが好ましい。また、必要に応じて微量元素やビタミン等の生育因子を添加することは通常の培養と何ら変わりはない。培養温度は15℃〜30℃、好ましくは18℃〜28℃、20℃〜25℃が最も好ましい。pHは2.5〜8.0、好ましくは3.0〜7.0、3.5〜5.0が最も好ましい。培地成分には不溶成分を添加することが均一に生育させることができることから好ましい。培養期間は菌株により、数日から数週間程度に設定されうる。
このようにして得られたハナビラタケの子実体あるいは菌糸体は、生のままで次の抽出工程に移してもよいし、乾燥し、必要により粉末化などの加工をしてから抽出工程に移してもよい。
本発明における有効成分はハナビラタケに含まれており、生のハナビラタケでも効果を得ることができる。さらに効果を高めるためには、有効成分を抽出、濃縮することが望ましい。その際、有機溶剤又は水溶液による抽出操作によって活性物質を得ることができる。有機溶剤としてはアルコール、アセトニトリル、酢酸エステル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、グリコール、エーテル、THF、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、水溶液は純水、酸水溶液、アルカリ水溶液、塩溶液などを用いることができる。抽出にはこれら溶剤を単独で又は2種類以上を混合して用いることができるが、特にエタノール、アセトンおよびクロロホルム、ヘキサンが好ましい。
抽出に用いる溶剤の量に特に制限はないが、ハナビラタケ重量に対して2〜20倍量を用いることが好ましい。2倍量以下では操作性が、20倍量以上では作業効率が悪い。
また、抽出は1種又は複数種の溶剤を用いて、複数回行うこともできる。複数回行う場合は、ハナビラタケからの抽出でもよいし、ハナビラタケから得られた抽出画分をさらに抽出してもよい。また、それらを組み合わせて行うことができる。
抽出操作の際の温度は、特に制限はないが10〜60℃が好ましい。10℃以下では抽出効率が悪く、60℃以上ではハナビラタケが変色し、抽出物に色が付くなどする。抽出時間にも特に制限はないが、1時間〜3日間程度が好ましい。1時間以下では抽出量が少なく、3日間以上では作業効率が低い。また、抽出は静置のまま行うこともできるが、撹拌又は振盪などすることによって抽出効率を高めることができる。
本発明の美白剤は、以上のように、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体の乾燥粉末または以上のようにして得られた抽出画分を有効成分として含有するものである。本発明においては、以上のようにして得られた抽出画分をさらに分画、濃縮して含ませることも可能である。分画、濃縮の方法としては、溶媒抽出、乾燥などの周知の分離手段が用いられる。
本発明の美白剤は、通常、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体もしくはそれらの抽出画分を0.005〜100質量%配合するのが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜90質量%配合するのが好ましい。この範囲であれば製剤化が容易であり、また生体が効率よく有効成分を吸収することができる。
本発明の美白剤の形態は、適用の仕方に応じて種々の形態にすることができる。経口投与する場合には、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができ、皮膚に直接塗り込む場合には、ローション、乳剤、クリーム、軟膏等とすることができる。これらのうち、経口投与剤とすることが労力を要することなく簡単に服用することが可能であるため好ましい。
製剤には薬剤的に許容できる種々の担体を加えることができる。例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、コーティング剤を含むことができるが、これらに限定されない。本発明の美白剤を持続性、徐放性のものとしてもよい。
本発明の美白剤の有効成分は、ハナビラタケ子実体又は菌糸体に由来するものであり、ハナビラタケ子実体は食経験があり極めて安全なキノコである。この点から、本発明の美白剤の服用量は厳しく制限されるものではないと考えられるが、概ね、下限は予防又は治療という目的に応じた効果を発揮しうる量を、上限は服用のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準とし、通常、ハナビラタケ子実体乾燥物に換算して成人1日あたり約5mg〜約500g、好ましくは約50mg〜約50gを服用すればよい。もちろん、服用する者の年齢、体重、症状、服用期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて投与することもできる。また、他の美白剤と組み合わせて服用することもできる。
本発明の化粧料は、上記した美白剤を含有するものである。美白剤の配合量としては、0.001〜80質量%が好ましい。配合量が0.001%以下であると十分な効果が得られなくなり、80%以上であると化粧料の安定性に影響を及ぼすことがある。
本発明の化粧料は、化粧品、医薬部外品、医薬品に用いられる水性成分、油性成分、植物抽出液、動物抽出液、粉末、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することにより調整される。形態としては、ローション(液状皮膚外用剤、化粧水など)、乳剤(乳液状ファンデーション、O/W乳化型美容液など)、クリーム(O/W乳化型クリーム、メイクアップベースクリーム、ハンドクリームなど)、軟膏(O/W型乳剤性軟膏など)、粉末(入浴化粧料など)等の形態をとることができる。また本発明の化粧料は、既存の柔軟性化粧水、収れん性化粧水、洗浄用化粧水等の化粧水類、エモリエントクリーム、モイスチュアクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリーム等のクリーム類、エモリエント乳液、モイスチュア乳液、ナリシング乳液、クレンジング乳液等の乳液類、ゼリー状パック、ピールオフパック、洗い流しパック、粉末パック等のパック類、美容液、及び洗顔料といった、種々の製剤形態の化粧料に、上記した本発明の美白剤を含ませることによっても得ることができる。
さらに本発明の化粧料は、上記した本発明の美白剤のほかに、他の美白成分や、保湿剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤等、他の有効成分を含ませるものであってもよく、そうすることで、美白作用に加え、日焼け止め作用、皮膚保護作用、荒れ肌改善作用を併せ持った化粧料とすることができる。
本発明の化粧料の使用量は厳密に定義されるものではないが、概ね、下限は使用目的に応じた効果を発揮しうる量を、上限は使用のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を選択すればよい。すなわち、通常の化粧品と同様に、日焼け、しみ、そばかす等が生じている領域を含めた範囲の皮膚に適量を塗り込めばよい。また、入浴化粧料として使用する場合にも、従来の入浴化粧料と同様に適量を浴槽中の湯に溶かしてよく攪拌した上で使用すればよい。
本発明の飲食品は、上記した本発明の美白剤を含有するものである。ハナビラタケ子実体は食経験があり極めて安全なキノコである。この点から、本発明の美白剤の含有量は厳しく制限されるものではないと考えられるが、概ね、下限は予防又は治療という目的に応じた効果を発揮しうる量を、上限は摂取のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準とし、通常、ハナビラタケ子実体乾燥物に換算して成人1日あたり約5mg〜約500g、好ましくは約50mg〜約50gを摂取すればよい。もちろん、摂取する者の年齢、体重、症状、投与期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて摂取することもできる。また、他の美白剤と組み合わせて摂取することもできる。
本発明の飲食品は、本発明の美白剤を飲食品の原材料に前記の配合量となるよう配合することにより、麺類、パン、キャンディー、ゼリー、クッキー、スープ、美白飲料の形態とすることができる。本発明の飲食品には、さらに、鉄、カルシウム等の無機成分、種々のビタミン類、オリゴ糖、キトサン等の食物繊維、大豆抽出物等のタンパク質、レシチンなどの脂質、ショ糖、乳糖等の糖類を加えることができる。
本発明の美白剤、化粧料及び飲食品における美白作用は、皮膚に適用してメラノサイトにおけるメラニンの生成を抑制するものであり、その作用機序は、メラノサイトにおけるメラニン生成の鍵酵素であるチロシナーゼを阻害するものと考えられる。
以下、本発明の実施例およびその効果を説明するための試験例を挙げるが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
製造例1〔ハナビラタケ子実体の製造〕
ハナビラタケ子実体を以下のようにして製造した。
カラマツの大鋸屑、小麦粉、栄養分(バナナ、蜂蜜、エビオス、ペプトン、塩化カルシウム、ハイポネックス)及び水を、大鋸屑:小麦粉:栄養分:水=100:11.5:1.9:51の重量比で含む菌床基材を準備した。この菌床基材(520g)を、850ccのポリプロピレン製の培養瓶に入れ、常法に従って培養瓶を滅菌した後に、ハナビラタケの種菌(16g)を接種した。その後、この培養瓶を、23℃の温度下で、56日間放置することによりハナビラタケ子実体を収穫した。子実体の重量は培養瓶1本当たり140gであった。
製造例2〔ハナビラタケ菌糸体の製造〕
ハナビラタケ菌糸体を以下のようにして製造した。
イーストエキス0.4%、グルコース2%、リン酸2水素カリウム0.1%、リン酸水素2ナトリウム0.1%となるように水に溶解し、1Nの塩化水素でpH5.0に調製し、500ml容三角フラスコにそれぞれ200ml入れ、常法に従って滅菌した。この液体培地にハナビラタケの種菌を生育させた平板培地から径6mmの寒天片を打ち抜き、その一片を接種し、24℃の暗黒下で、21日間振とう培養(100rpm)することによりハナビラタケ菌糸体を収穫した。菌糸体の乾燥重量は三角フラスコ1本当たり2gであった。
実施例1〔美白剤1の製造〕
製造例1で得たハナビラタケ子実体を60℃で6時間熱風乾燥して得た乾燥粉末174gから、クロロホルム3Lで、室温、24時間、成分抽出を行った。抽出溶液を分離して、同様の操作を5回繰り返した。得られたクロロホルム溶液を減圧下に留去して、クロロホルム可溶部6.2gを得た(美白剤1)。この美白効果を検討するために、美白剤1を25mg/mlとなるようにDMSOに溶解させ、フィルター濾過により滅菌した。
比較例1
β−アルブチン(SIGMA製)を25mg/mlとなるようにDMSOに溶解させ、フィルター濾過により滅菌した。
実施例2,3〔美白剤2,3の製造〕
製造例1で得られたハナビラタケ子実体10kgから、85%エタノール18Lで、室温、24時間、成分抽出を行った。この操作を5回繰り返し、次いでエタノール抽出後のハナビラタケからアセトン20Lを用いて同様に3回成分抽出を行った。得られたエタノール溶液およびアセトン溶液は混合し、減圧下に濃縮した。得られた濃縮物からヘキサンを用いて溶媒分画を行って溶媒を留去し、ヘキサン可溶部38.2gを得た。
得られたヘキサン可溶部のうち13.2gをフラッシュカラムクロマトグラフィー(silica gel 60N、350g、φ4×60cm)に供し、ヘキサン/アセトン=10:0、9:1、6:4、ヘキサン/エタノール=9:1、7:3、0:10(各1L)で順次溶出を行い、約400mlずつ合計14のフラクションを回収して順にNo.1〜14とし、各フラクションの溶媒を減圧下に留去した。このうち、No.4とNo.5のフラクションから得られた画分がそれぞれ美白剤2、3である。その後の試験に供試するため、美白剤2、3をそれぞれ25mg/mlとなるようにDMSOに溶解させ、フィルター濾過により滅菌した(実施例2,3)。
実施例4〔液状皮膚外用剤の製造〕
次のような製法により、本発明の化粧料の一態様である液状皮膚外用剤を製造した。
(1)グリセリン 5.0(質量%)
(2)プロピレングリコール 4.0
(3)エタノール 10.0
(4)実施例2で得られた美白剤2 0.5
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)水 80.4
製法:(5)を(3)に溶解して(6)に加え、(1)、(2)、(4)を順次添加し、混合、均一化した。
実施例5〔O/W型乳剤性軟膏の製造〕
次のような製法により、本発明の化粧料の一態様であるO/W型乳剤性軟膏を製造した。
(1)白色ワセリン 25.0(質量%)
(2)ステアリルアルコール 15.0
(3)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(4)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
(5)実施例2で得られた美白剤2 0.5
(6)精製水 58.4
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解、均一化した。75℃に加熱した(6)に油相成分を添加して乳化し、冷却後40℃にて(5)を添加、混合、均一化した。
比較例2,3
上記実施例4、5の液状皮膚外用剤とO/W型乳剤性軟膏において、ヘキサン抽出物を配合しないものを比較例2,3としてそれぞれ調製した。
実施例6〔顆粒状食品の製造〕
ハナビラタケ子実体(ユニチカ製)を熱風乾燥したハナビラタケ粉末に還元麦芽糖を全体の20%量添加して顆粒化し、本発明の飲食品の一態様である顆粒状食品(ユニチカ製、商品名「白幻鳳凰」)を製造した。
比較例4
市販小麦粉に還元麦芽糖を20%量添加して顆粒化した。
実施例7〔美白飲料の製造〕
次の製法により、本発明の飲食品の一態様である美白飲料を製造した。
成分 配合量(100ml中)
(1)実施例3で得られた美白剤3 1000mg
(2)ハチミツ 320mg
(3)環状オリゴ糖 600mg
(4)甘味料 適量
(5)酸味料 適量
(6)保存料 適量
(7)香料 適量
(8)水 残余
製法:(8)に(1)から(7)を順次添加する。
比較例5
実施例7において、実施例3の美白剤を含まない飲料を調製した。
試験例1〔チロシナーゼ阻害効果〕
実施例1で得られた美白剤1及び陽性対照として比較例1のβ−アルブチンをサンプルとして、以下の方法によりチロシナーゼ阻害効果を調べた。0.56mlの30mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)、0.56mlの1.66mM L−DOPA(L−β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン、SIGMA製)、0.02mlのサンプル、0.02mlの1500U/mlチロシナーゼを混合し、25℃で3分間インキュベートした。475nmの吸光度を測定し、チロシナーゼの活性を50%阻害する濃度(IC50)を算出した。なお、チロシナーゼとしてはマッシュルーム由来のチロシナーゼ(ナカライテスク製)を用いた。結果を表1に示す。
Figure 2005281224
表1から明らかなように、本発明の美白剤は陽性対照であるβ−アルブチンよりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。
試験例2〔メラニン生成抑制効果〕
以下のようにしてメラニン生成抑制効果を調べた。
マウス由来のメラニン生成細胞であるB16メラノーマ細胞を用い、クロロホルム抽出物のDMSO溶液を細胞に作用させメラニンの生成を観察し評価した。B16細胞は70%コンフルエントの細胞をPBSにて洗いトリプシンを加え剥離し、10%FBS加RPMI1640培地に細胞を懸濁して細胞数をカウントし、細胞培養用6ウェルプレート(アズワン製:140675)に1ウェルあたり1×105cellsとなるように分散させた。なお、各ウェルの培地容量は3mlとした。これを細胞接着のため24時間37℃のCO2インキュベーター内に静置した後、培地を交換し、実施例1のクロロホルム抽出物(本発明の美白剤1)、実施例2のNo.4(本発明の美白剤2)及び実施例3のNo.5(本発明の美白剤3)を3μl添加(培養液中の最終濃度25μg/ml)した。また、陽性対照として比較例1のβ−アルブチンも同様に供試した。これをさらに37℃、CO2インキュベーター内にて72時間培養した。その後、培地を取り除き、1mlの1N、NaOHに細胞を懸濁し、37℃で3時間加温することによってメラニンを溶出し、450nmの吸光度から690nmの吸光度を差し引くことで細胞由来のメラニン量を考慮した。すなわち、溶媒であるDMSOを反応させた場合と比較して、メラニン生成量の相対値を比較した。結果を表2に示した。
Figure 2005281224
表2から明らかなように、本発明の美白剤は、マウスB16メラノーマ細胞におけるメラニン生成を陽性対照のβ−アルブチン以上に抑制することが明らかとなった。メタノール抽出物にはメラニン生成抑制効果は見られなかった。また、いずれの抽出物を作用させた場合の顕微鏡写真によっても、β−アルブチンの場合よりB16細胞の黒色化が抑えられており、優れたメラニン生成抑制効果及び美白効果を有していることも分かった。
試験例3〔ヒトにおけるしみ、そばかすの消失効果1)〕
皮膚のしみやそばかす等の色素沈着を主な症状として有する25歳乃至55歳の男女40名を20名ずつランダムに2群にふり分けた。各群にそれぞれ実施例4及び比較例2の液状皮膚外用剤、実施例5及び比較例3のO/W型乳剤性軟膏をブラインドにて顔面及び手に一日一回適量を使用させ、色素沈着の変化を観察し評価した。使用期間は5月から9月の5ヶ月間とした。美白効果は色素沈着症状について「改善」、「やや改善」、「変化なし」、「悪化」の4段階で評価した。各評価を得た被験者数を表3に示す。
Figure 2005281224
表3の結果から明らかなように、本発明の化粧料は顕著な美白効果を示した。
試験例4〔ヒトにおけるしみ、そばかすの消失効果2)〕
皮膚のしみやそばかす等の色素沈着を主な症状として有する25歳乃至55歳の男女40名を20名ずつランダムに2群にふり分け、実施例6の顆粒状食品、比較例4をそれぞれ1日当たり1.9g摂取させた。また、実施例7の美白飲料、比較例5をそれぞれ1日当たり100ml飲用させた。摂取開始2ヶ月後における症状の改善効果について評価した。美白効果は色素沈着症状について、「改善」、「やや改善」、「変化なし」、「悪化」の4段階にて評価し、各評価を得た被験者数を表4に示した。
Figure 2005281224
表4の結果から明らかなように、本発明の飲食品の摂取は美白に有効であることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体を含有することを特徴とする美白剤。
  2. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体から少なくとも1種類以上の有機溶媒または水系溶媒によって抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする美白剤。
  3. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体からエタノール及びアセトン及びヘキサンを用いて抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする美白剤。
  4. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体からクロロホルムを用いて抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする美白剤。
  5. 経口投与剤である請求項1乃至3のいずれかに記載の美白剤。
  6. 請求項2乃至4のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする化粧料。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の美白剤を含有することを特徴とする飲食品。
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