JP2004189286A - ヒートシール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール幅切換作業に要する時間を短縮して包装機の稼働効率の低下を防止しつつシール幅寸法の変更を可能にする包装機におけるヒートシール装置を提供する。
【解決手段】作動機構27によって副ヒートシーラ部8,28が前進位置A,A’を占めるときには、副シール面15b,35bは主シール面9b,29bと面一となり、包装フィルムFに広い範囲に渡ってヒートシールを施す。副ヒートシーラ部8,28が後退位置B,B’に退くときには、副シール面15b,35bは主シール面9b,29bから後退し、主シール面9b,29bのみが包装フィルムFにヒートシールを施す。副ヒートシーラ部8,28の作動位置を切り換えるだけで、ヒートシール装置1は包装フィルムFに対するシール形態を変更可能である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、製品等の包装物を収容することができる包装袋の袋口部等の閉鎖すべき部分を熱溶着するヒートシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装フィルムを用いて包装物である製品を包装する包装機として、筒状の包装フィルムに製品を順次搬送又は充填して、製品の前後の位置で包装フィルムをヒートシールする製袋充填機が広く使用されている。図5は、この種の製袋充填機として、横型ピロー包装機の一例を概略的に示す斜視図である。図5に示す横型ピロー包装機40においては、ウェブ状包装フィルムFwがフィルムロール41からガイドローラ42によって案内されて、駆動ローラ43aと押圧ローラ43bとからなる繰出し機構43によって繰り出される。ウェブ状包装フィルムFwは、フォーマ44に送られ、フォーマ44において筒状包装フィルムFtに成形され、筒状包装フィルムFt内に包装物である製品Gが供給コンベヤ45によって送り込まれる。フォーマ44に関連して、包装フィルムを送る紙引きローラ46と、包装フィルムの両側縁部を互いに熱溶着させるヒートシールローラ47が設けられている。フォーマ44の後流側には、上下にヒートシールバー48a,48bが配置されて成るエンドシーラ48が配置されており、エンドシーラ48によって筒状包装フィルムFtには製品G間の位置でエンドシール49が施される。エンドシーラ48の作動は、上下に往復動作する例として示したが、これに限らず、回転、ボックスモーション等の動作が可能である。また、エンドシーラ48に組み込まれたカッタ、又はエンドシーラ48とは別にその後流側に配設されたカッタによって、エンドシール49の形成範囲内において包装フィルムを切断して個々の袋包装体Pに分離することも可能である。
【0003】
ところで、最近の袋包装体にあっては、製品が異なる場合は勿論のこと、同じ製品でも、店頭での確保可能なスペースや消費者へのアピールの仕方に対応して、棚の上や箱の中に並べる又は重ねる等の態様で陳列したり、吊り下げ棒に吊り下げた状態で陳列するなど、店頭における陳列の態様が多様化している。包装袋を並べる又は重ねる場合には、図6(a)に示すように、袋包装体P1の袋50に形成するヒートシール部51,53として、通常のシール幅寸法W1,W3を持っていれば、陳列中に密封が損なわれることはない。一方、図6(b)に示すように、袋包装体P2を吊り下げ棒55に吊り下げる場合には、吊り下げ孔54を上側のヒートシール部52に穿孔して形成するので、吊り下げ孔54がヒートシール部52の密封を弱めたり破壊することがないように、ヒートシール部52のシール幅寸法W2を通常のシール幅寸法W1よりも充分広い値に確保する等、シールの強化が必要である。この場合、下側のヒートシール部53については、シール幅寸法W3を維持する必要がある。
【0004】
一方、包装機の観点からすると、そうした吊り下げ孔54が形成されるヒートシール部52を得るためには、シール面がシール幅寸法W2に見合う幅広のヒートシーラを用意する必要がある。吊り下げ孔54が形成される袋包装体を製造する専用機であれば、そうした幅広のシール面を持つヒートシーラを固定的に備えることで、何らの取換え作業は必要がない。しかしながら、同じ製品の袋包装体を製造する場合、吊り下げ孔54の有る袋包装体P2と吊り下げ孔54の無い通常の袋包装体P1とを別の包装機で製造するには、それぞれ包装機を設備として用意しなければならない。一方、袋包装体P1及びP2を同じ包装機で製造しようとするときには、ヒートシール装置は、シール面が通常のシール幅寸法W1を形成する通常のヒートシーラと、シール幅寸法W2を形成する幅広のヒートシーラとの間で切り換えることができる構造であること求められる。
【0005】
グリップで吊り下げ状に支持された袋が複数個のステーション毎に間欠停止して移動し、充填ステーションにおいて内容物を充填した後に袋口部にヒートシール装置によってシールを施すロータリ式あるいは循環移動式の包装機において、ヒートシール歯のみの交換によって、取替え作業が煩雑であるヒータブロック61,62の交換を省き、シール幅寸法Wの変更を可能にしたヒートシール装置60を備えた包装機が提案されている(特許文献1参照)。即ち、特許文献1に記載の包装機によれば、図7(a)に示すように、ヒートシール装置60は、袋の両面側に接離自由に配置された一対のヒートシール歯63(図7(b)に斜視図として示す)がヒータブロック61,62に着脱自在な構造を備えている。ヒートシール歯63は、シール幅寸法Wを持つシール面である歯面64を有している。ヒータブロック61,62を交換することなく、ヒートシール歯63を断面図である図7(c)又は(d)に示すようなヒートシール歯65,66に交換することによって、包装材料に施すべきシール幅寸法を変更可能にすることが図られている。
【0006】
また、図8に示すように、包装機のヒートシール装置70において、シール幅の異なる別々のシールブロックユニット71,75を一体構造として備え、それぞれ回動支点73,76の回りに回動可能としておき、回動によって実際にヒートシールを行うシールブロックを回動して切り替えることによって、シール幅寸法を変更可能にすることが提案されている。即ち、上側のシールブロックユニット71については、スペースの制約等の観点から、シール幅寸法W1を持つシールブロック72aと,シール幅寸法W2を持つシールブロック72bはそれぞれ90度異なる方向に延びている。下側のシールブロックユニット75については、製品を搬送するコンベヤとの干渉を回避するために、二つのシールブロック72a,72bはそれぞれ直径方向の180度異なる方向に延びている。シール幅寸法を変更するには、人手にて、上下のシールブロックユニット71及びシールブロックユニット75を回動支点73,76の回りに90度又は180度回動させればよい。
【0007】
図7及び図8に示すヒートシール装置を備えた包装機によれば、ヒータブロックを取り外して交換する型式のものと比較して、簡単にシール幅寸法を変更することが可能である。しかしながら、これらの包装機においては、ヒータブロックを取り外すことまでは要しないが、ヒートシーラの冷却は自然冷却で行われるので、交換作業が可能になるまで充分冷却されるには数時間の経過が必要である。冷却後も交換作業には依然として相当の時間を費やすので、その間、包装機を停止させねばならず、包装機の稼働効率が低下することがある。また、ヒートシーラが熱い間は、手作業にて交換を行おうとすると火傷を負う危険がある。更に、交換後にヒートシール装置を正常に機能する状態で作動再開させ、包装袋の綺麗なシール仕上がりを得るには充分な作業経験が必要である。
【0008】
筒状包装材からシール成形されて品物が封入される包装袋を製造するとともに、品物封入済みの包装袋のエンドシール成形に同調タイミングで併行して、その包装袋のシール縁の所定位置に供給されて待機保持される吊り下げ用の掛け具を貼付するようにした掛け具付き袋の製袋方法及び装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−91732号公報(第2頁〜第3頁、図5〜図6)
【特許文献2】
特開昭56−161144号公報(第3頁〜第4頁、図1、図10)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、ヒートシール装置において、ヒートシーラへの直接の手作業を必要とすることなくシール幅寸法の切換を安全に且つ確実に行うことを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0011】
この発明の目的は、ヒートシーラが冷却されずヒートシーラが熱い状態のままであっても火傷を負う虞れなくシール幅寸法の変更を可能にし、また、ヒータブロックの冷却を待つことなく且つシール幅切換作業に要する時間を短縮して包装機の稼働効率の低下を防止し、更に、シール幅寸法を変更後におけるヒートシール装置の正常な作動や包装袋の綺麗なシール仕上がりを、交換作業に熟練を要することなく簡単な操作で可能にする包装機や製袋機において適用可能なヒートシール装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明によるヒートシール装置は、熱溶着可能な包装材料をヒートシール可能な主シール面を備えた主ヒートシーラ部、前記包装材料をヒートシール可能な副シール面を備えた少なくとも一つの副ヒートシーラ部、及び前記主ヒートシーラ部に搭載され、且つ前記副シール面が前記主シール面と協働して前記包装材料をヒートシール可能とする前進位置と、前記主シール面と非協働となる後退位置との間で前記副ヒートシーラ部の位置を切り換える作動機構を備えることから成っている。
【0013】
このヒートシール装置によれば、作動機構によって副ヒートシーラ部は前進位置と後退位置との間で切換え可能であり、副ヒートシーラ部が前進位置を占めるときには、副シール面は主シール面と協働して包装材料をヒートシール可能となるので、包装材料には広い範囲に渡ってヒートシールを施すことができる。また、副ヒートシーラ部が後退位置を占めるときには、副シール面は主シール面と非協働となるので、包装材料には主シール面によってヒートシールが施される。従って、同じヒートシール装置において、作動機構によって副ヒートシーラ部の作動位置を切り換えるだけで、包装材料に対するヒートシールの形状や形態をニーズに応じて変更することができる。
【0014】
このヒートシール装置において、前記作動機構は、エア作動式のアクチュエータとすることができる。作動機構をエア作動式のアクチュエータとすることによって、ヒートシール装置から離れた位置からでも、スイッチ作動のみによってエア導管を通じてアクチュエータの作動を切り換えることができる。
【0015】
このヒートシール装置において、前記副ヒートシーラ部は、前記前進位置において、前記主ヒートシーラ部と突き当たる当衝部によって位置決めすることができる。副ヒートシーラ部の副シール面が主ヒートシーラ部の主シール面と協働するときには、副シール面の位置を包装材料へのヒートシールが所定のシールとなるように、主シール面の位置と位置決めすることが求められる。そうした要求に応じるため、副ヒートシーラ部が前進位置において当衝部によって主ヒートシーラ部と突き当たることによって規制され、主ヒートシーラ部に対して位置決めすることが好ましい。副ヒートシーラ部が前進位置にあるとき、副シール位置は、例えば、主ヒートシーラ部の主シール面と面一とすることができる。
【0016】
このヒートシール装置において、前記包装材料にヒートシールを施して製品等の包装物を包装袋に包装する包装機において、前記包装袋の袋口部を封鎖するシール用として適用することができる。包装材料から形成され包装物を収容可能な容器としては、包装袋が最も普通である。包装物を包装袋に包装する包装機において、包装物を収容した包装袋の袋口部を封鎖するヒートシールを施す装置として、このヒートシール装置を適用することにより、袋口部には少なくとも二つの態様に切り換えたシールを得ることができる。
【0017】
包装機に適用されたヒートシール装置において、前記包装機は、筒状の包装フィルムに包装物を収容しつつヒートシールすることによって前記包装袋に前記包装物を収容した袋包装体を連続して製造する製袋充填機とすることができる。包装袋に包装物を収容した袋包装体を連続して製造する製袋充填機において、このヒートシール装置を、包装フィルムに包装物を収容しつつヒートシールするヒートシール装置に適用することによって、同じ製袋充填機をシール形態の異なる袋包装体の製造に用いることができ、袋包装体の製造コストの低減を図ることができる。
【0018】
包装機に適用されたヒートシール装置において、前記副シール面は前記主シール面よりも前記包装袋の外側寄りで前記袋口部をヒートシールするシール面であり、前記副ヒートシーラ部には、前記副シール面によって形成されるヒートシール部に吊り下げ用の孔を形成する穿孔機構を配設することができる。袋包装の店頭での陳列形態として、ヒートシール部に吊り下げ孔を形成し、吊り下げ用のロッドに吊り下げ孔を通して吊り下げ状態で展示する場合がある。この場合には、袋包装体のヒートシールによる密封の低下や損傷を予め防止するため、シール幅寸法が広く且つ袋包装体の外側寄りのシール部に吊り下げ孔を形成することが求められる。主シール面が包装袋の外側寄りに配置されている副ヒートシーラ部に穿孔機構を配設することによって、副シール面によって形成されるヒートシール部に吊り下げ用の孔を形成することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるヒートシール装置の実施例を説明する。図1はこの発明によるヒートシール装置の一実施例を副ヒートシール部側から見た正面図であって、(a)は幅広シール形成時の状態を示す図、(b)は標準シール形成時の状態を示す図である。図2は、(a)が図1に示すヒートシール装置を主ヒートシール部側から見た裏面図であり、(b)が主に主ヒートシール部を示す側面図である。図3は図1に示すヒートシール装置の要部を示す側面図であり、(a)は幅広シール形成時の状態を示す図、(b)は標準シール形成時の状態を示す図である。更に、図4は図1に示すヒートシール装置の要部を示す中央断面図である。図1〜図4に示すヒートシール装置は、例えば、図5に示すような、従来技術として既に説明した製袋充填機としての横型ピロー包装機に適用可能であるので、ヒートシール装置以外の包装機の各機構については再度の説明を省略する。
【0020】
図1〜図4に示すヒートシール装置1は、上側シーラユニット2と下側シーラユニット3とが対向配置されて構成されており、上下一組でヒートシーラ部を構成している。両シーラユニット2,3は、包装フィルムFを左右両側方で挟む位置に縦方向に延びる一対のガイドロッド4,4によって互いに姿勢を維持した状態で、筒状包装フィルムFに対して接近・離反する方向に案内される。両シーラユニット2,3は、包装フィルムFを挟んで押圧するとき、包装フィルムFの内面同士を溶着してヒートシールをする。両シーラユニット2,3のそうした接近・離反動作は、ここでは詳細には図示しないが、モータの回転出力を適宜のカム・リンクのような機械的な運動変換機構によって上下方向の往復運動に変換させることで得ることができる。
【0021】
上側シーラユニット2は、一対のガイドロッド4,4に跨がって配設され且つガイドロッド4,4に軸受5aを介して摺動可能に係合する駆動ブロック5と、駆動ブロック5に固定された主ヒートシーラ部6と、駆動ブロック5に取り付けられた一対の作動機構7を介して主ヒートシーラ部6に対して縦方向に相対変位可能な副ヒートシーラ部8とを備えている。主ヒートシーラ部6は、図2〜図4に示すように、駆動ブロック5に直接的に取り付けられた主ヒータブロック9であり、内蔵されたヒータ9aと、包装フィルムをヒートシールするシール面9bを有している。主ヒートシーラ部6は、包装体Pを筒状包装フィルムFtから切り離すため、エア作動式のアクチュエータ10aで作動されるカッタ機構10を備えており、主ヒータブロック9にはカッタ11が通過するためのカッタ溝12がシール面9bに開口する態様で形成されている。
【0022】
駆動ブロック5に取り付けられた作動機構7,7は、ガイドロッド4,4に隣接した対称位置にそれぞれ設けられている。各作動機構7は、縦方向に作動する出力ロッド7aを有するエア作動式のアクチュエータであり、図示の例では、出力ロッド7aが駆動ブロック5にそのブラケット5bを介して取り付けられている。各作動機構7のシリンダ7bに、副ヒートシーラ部8が取り付けられている。図1及び図3に示すように、副ヒートシーラ部8は、作動機構7,7のシリンダ7b,7bに固定され且つ駆動ブロック5と平行に延びる支持ブロック13と、支持ブロック13に取り付けられた中間ブラケット14と、中間ブラケット14に取り付けられた副ヒータブロック15とを備えている。支持ブロック13は、スライド軸受13a,13aを介してガイドロッド4,4に摺動可能に滑らかに案内されるので、副ヒートシーラ部8の主ヒートシーラ部6に対する平行移動が常に確保される。副ヒータブロック15は、主ヒータブロック9と同様に、内蔵されたヒータ15aと、包装フィルムをヒートシールするシール面15bを有している。
【0023】
副ヒートシーラ部8は、作動機構7,7の作動によって駆動ブロック5に取り付けられている出力ロッド7aに対してシリンダ7bを介して上下動可能であり、図1(a)及び図3(a)に示す位置として、副ヒータブロック15が包装フィルムFに当接してヒートシールを施すことが可能な作動位置(シール面15bについてはA位置)と、図1(b)及び図3(b)に示す位置として、包装フィルムFにヒートシールを施し得ない後退位置(シール面15bについてはB位置)との間で切換え可能である。中間ブラケット14には、駆動ブロック5の隅部5cと係合可能な整合用の段部14aが形成されている。副ヒータブロック15が作動位置を占めるときに、中間ブラケット14の段部14aが駆動ブロック5の隅部5cと突き合わせ状態に係合することにより、シール面15bが主ヒータブロック9のシール面9bと面一となる整合位置を確保することができる。副ヒートシーラ部8には、吊り下げ孔を穿設するための穿孔機構16(図1)を備えており、穿孔機構16はエア作動式のアクチュエータ16aと、穿孔パンチ17と、そのためのシール面9bに開口する通過孔18が形成されれている。
【0024】
下側シーラユニット3についても、一対のガイドロッド4,4に跨がって配設され且つガイドロッド4,4に摺動可能に係合する駆動ブロック20と、駆動ブロック20に配設された主ヒートシーラ部26と、駆動ブロック20に取り付けられた一対の作動機構27を介して主ヒートシーラ部26に対して縦方向に相対変位可能な副ヒートシーラ部28とを備えている。図2〜図4に示すように、駆動ブロック20は、ガイドロッド4,4に摺動可能に係合する摺動ブロック部20aと、摺動ブロック部20aに上側シーラユニット2から遠ざかる方向に立設された一対の支柱部20b,20bと、支柱部20b,20bを連結する連結部20cとを有している。連結部20cに対して平行に且つ隔置して、主ヒートシーラ部26のための支持ブロック25が配設されている。支持ブロック25は摺動ブロック部20aを挟んで上下の支持ブロック部25a,25bを有しており、両支持ブロック部25a,25bは、図2に示すように摺動ブロック部20aに嵌挿されている左右一対の連結ロッド25c,25cで連結されている。
【0025】
駆動ブロック20と支持ブロック25との間には、一対の緩衝機構21,21が介装されている。各緩衝機構21は、例えば、支持ブロック25に固定され且つ連結部20cを貫通して延びるボルト状のロッド21aと、ロッド21aの先端側のねじ部にねじ込まれて連結部20cに当接可能なナット21bと、ロッド21aの周囲を取り囲み鍔部21cと連結部20cとの間に配置されたコイルばね21dとを備えている。駆動ブロック20が上方へ駆動されるとき、主ヒートシーラ部26は駆動ブロック20から緩衝機構21を介して主ヒートシーラ部6に向けて押圧され、主ヒートシーラ部6との間で包装フィルムを挟む。主ヒートシーラ部26は、上側の支持ブロック部25bに直接的に取り付けられた主ヒータブロック29であり、内蔵されたヒータ29aと、包装フィルムをヒートシールするシール面29bを有している。主ヒータブロック29にはカッタ機構10に備わるカッタ11が通過するためのカッタ溝32がシール面29bに開口する態様で形成されている。
【0026】
図1及び図3に示すように、支持ブロック25には、上側シーラユニット2の場合と同様に、副ヒートシーラ部28の作動位置を切り換えるための作動機構27,27が取り付けられている。各作動機構27のシリンダ27bが下側の支持ブロック部25aに取り付けられ、出力ロッド27aの先端部に副ヒートシーラ部28が取り付けられている。副ヒートシーラ部28は支持ブロック25と平行に延びる支持ブロック33と、支持ブロック33に取り付けられた副ヒータブロック35とを備えており、支持ブロック33が支持ブロック25に備わる左右一対の連結ロッド34,34に摺動案内されているので、作動機構27,27の作動時に主ヒートシーラ部26に対する副ヒートシーラ部28の平行移動が常に確保される。副ヒータブロック35は、副ヒータブロック15と同様に、内蔵されたヒータ35aと、包装フィルムをヒートシールするシール面35bを有している。図4に示すように、副ヒータブロック35には、通過孔18に対応した位置に、穿孔機構16の作動時に穿孔パンチ17が嵌入するための受け孔38がシール面35bに開口する態様で形成されている。
【0027】
副ヒートシーラ部28は、副ヒートシーラ部8と同様、作動機構27,27の作動により、図1(a)及び図3(a)に示すように、副ヒータブロック35が包装フィルムFに当接してヒートシールを施すことが可能な作動位置(シール面35bについて前進位置A’)と、図1(b)及び図3(b)に示すように、包装フィルムFにヒートシールを施し得ない位置(シール面35bについて後退位置B’)との間で切換え可能である。支持ブロック33には、支持ブロック25の隅部25dと係合可能な整合用の段部33aが形成されている。副ヒータブロック35が作動位置を占めるときに、支持ブロック33の段部33aが支持ブロック25の隅部25dと突き合わせ状態に係合することにより、シール面35bが主ヒータブロック29のシール面29bと面一となる整合位置を確保することができる。
【0028】
上側シーラユニット2の主ヒートシーラ部6と下側シーラユニット3の主ヒートシーラ部26とは互いに対向して配置されており、ヒートシール装置1における主ヒートシーラ部を構成し、間に挟まれる包装フィルムFを熱溶着可能である。同様に、上側シーラユニット2の副ヒートシーラ部8と下側シーラユニット3の副ヒートシーラ部28とは、互いに対向して配置されてヒートシール装置1における副ヒートシーラ部を構成し、間に挟まれる包装フィルムFを主ヒートシール部に続く副ヒートシール部として熱溶着可能である。
【0029】
以上にように構成されたヒートシール装置1において、その作動の概要を以下に説明する。今、包装袋の開口部に、図6(b)に示すように、吊り下げ孔54を形成する等のために幅広寸法W2のヒートシール部52を形成する必要があるときには、図1(a)及び図3(a)に示すように、上側シーラユニット2の作動機構7,7の出力ロッド7aを後退させるとともに、下側シーラユニット3の作動機構27,27の出力ロッド27bを進出させる。上側シーラユニット2においては中間ブラケット14の段部14aが、また下側シーラユニット3においては支持ブロック33に形成されている整合用の段部33aが、それぞれ、駆動ブロック5の隅部5c、又は駆動ブロック25の隅部25dに突き当たって位置決めされる。その結果、上側及び下側のシーラユニット2,3における副ヒートシーラ部8,28の副ヒータブロック15,35のシール面15b,35bは主ヒートシーラ部6,26の主ヒータブロック9,29のシール面9b,29bと面一となり、包装フィルムFに対して幅広のシール幅を与えることができる。
【0030】
駆動ブロック5,20が駆動機構によって駆動されて、それぞれ包装フィルムFに接近するとき、上側シーラユニット2の主及び副ヒータブロック9,15のシール面9b,15bは包装フィルムFの上面に当接し、下側シーラユニット3の主及び副ヒータブロック29,35のシール面29b,35bは包装フィルムFの下面に当接して、包装フィルムFを挟み込む。このとき、駆動ブロック20と支持ブロック25との間に配設されている緩衝機構21は、過大な包装フィルムFの挟み力をばね21dが圧縮することによって吸収するので、包装フィルムFはヒートシール時の過大な挟圧力に起因した損傷やシール不良を回避することができる。袋包装体(図6(b)に示すP2参照)のヒートシール部52に吊り下げ孔54を形成する場合には、穿孔機構16が作動して穿孔パンチ17が包装フィルムFに吊り下げ孔54を開ける。なお、シール幅は変更するが、吊り下げ孔54を形成しない場合には、穿孔機構16を作動させないようにすることができる。また、吊り下げ孔54を形成することがまったくない場合には、穿孔機構16や穿孔パンチ17、通過孔18及び受け孔38を設けなくてもよい。
【0031】
包装袋の袋口部におけるヒートシールが、図6(a)に示す袋包装体P1のように通常のシール幅寸法W1でよい場合には、図1(b)及び図3(b)に示すように、上側シーラユニット2の作動機構7,7の出力ロッド7aを進出させるとともに、下側シーラユニット3の作動機構27,27の出力ロッド27bを後退させる。上側及び下側のシーラユニット2,3における副ヒートシーラ部8,28の副ヒータブロック15,35のシール面15b,35bは主ヒートシーラ部6,26の主ヒータブロック9,29のシール面9b,29bから後退するので、シール面9b,29bのみが包装フィルムFに対してシールを施し、通常幅のシール幅W1を与えることができる。
【0032】
以上、この発明によるヒートシール装置の実施例として、横方向に連続して供給される筒状の包装フィルムに製品を順次供給して、製品の前後の位置で包装フィルムをヒートシールする横型ピロー包装機を例に取って説明したが、これに限らず、縦方向に連続して供給される筒状の包装フィルムに製品を順次充填して、製品の前後の位置で包装フィルムをヒートシールする縦型充填包装機、或いは、把持状態にある袋がターレットにおいて水平公転回転するロータリ式の包装機等、ヒートシールを用いて袋をヒートシールする如何なる型式の包装機においても適用可能であることは明らかである。また、ヒートシールすべき箇所も、吊り下げ用の孔が形成されるトップシールに限らず、シール幅幅寸法を変更しようとするシール部であれば、どこでも適用可能である。その他、デザイン上の要請によってシール幅寸法やシール位置を変更する場合や、シール幅だけではなく、抽出口を含めてシールの多様な形状を分割シーラで形成する場合、あるいは、包装機だけでなく袋を製造する製袋機においても、本発明によるヒートシール装置は適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
この発明によるヒートシール装置は、上記の課題を解決するため、主シール面を備えた主ヒートシーラ部、副シール面を備えた少なくとも一つの副ヒートシーラ部、及び主ヒートシーラ部に搭載されて副シール面が主シール面と協働して包装材料をヒートシール可能とする前進位置と、主シール面と非協働となる後退位置との間で副ヒートシーラ部の位置を切り換える作動機構を備えているので、作動機構によって副ヒートシーラ部は前進位置と後退位置との間で切換え可能に構成される。従って、副ヒートシーラ部が前進位置を占めるときには、副シール面は主シール面と協働して包装材料には広い範囲に渡ってヒートシールを施すことができ、副ヒートシーラ部が後退位置を占めるときには、副シール面は主シール面と非協働となり、包装材料に主シール面によるヒートシールのみが施される。従って、同じヒートシール装置において、作動機構によって副ヒートシーラ部の作動位置を切り換えるという簡単な操作でだけで包装材料に対するヒートシールの形状や形態をニーズに応じて変更することができ、ヒートシーラが冷却されずヒートシーラが熱い状態のままであっても火傷を負う虞れなくシール幅寸法を変更することができ、ヒータブロックの冷却を待つことなく且つシール幅切換作業に要する時間を短縮して包装機の稼働効率の低下を防止することができ、更に、熟練を要することなく、シール幅寸法変更後におけるヒートシール装置の正常な作動や包装袋の綺麗なシール仕上がりを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるヒートシール装置の一実施例を副ヒートシール部側から見た正面図であって、(a)は幅広シール形成時の状態を示す図、(b)は標準シール形成時の状態を示す図である。
【図2】図1に示すヒートシール装置において、(a)が主ヒートシール部側から見た裏面図であり、(b)が主に主ヒートシール部を示す側面図である。
【図3】図1に示すヒートシール装置の要部を示す側面図であり、(a)は幅広シール形成時の状態を示す図、(b)は標準シール形成時の状態を示す図である。
【図4】図1に示すヒートシール装置の要部を示す中央断面図である。
【図5】従来の横型ピロー包装機の一例を概略的に示す斜視図である。
【図6】(a)はヒートシール部が通常のシール幅寸法W1を持つ包装袋の一例を示す斜視図、(b)はヒートシール部が幅広のシール幅寸法W2を持つ包装袋の一例を示す斜視図である。
【図7】ヒートシール歯の交換によって、シール幅寸法の変更を可能にしたヒートシール装置の従来例を示す図である。
【図8】回動によるシールブロックの切換えによってシール幅寸法を変更可能にしたヒートシール装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ヒートシール装置
6,26 主ヒートシーラ部 9b,29b 主シール面
8,28 副ヒートシーラ部 15b,35b 副シール面
10 カッタ機構 16 穿孔機構
27 作動機構 5c,25d 隅部 14a,33a 段部
50 包装袋 50a 袋口部 51,52ヒートシール部
54 吊り下げ用の孔
A,A’ 前進位置 B,B’ 後退位置 F 包装材料(包装フィルム)
G 包装物 Ft 筒状の包装フィルム P1,P2 袋包装体

Claims (6)

  1. 熱溶着可能な包装材料をヒートシール可能な主シール面を備えた主ヒートシーラ部、前記包装材料をヒートシール可能な副シール面を備えた少なくとも一つの副ヒートシーラ部、及び前記主ヒートシーラ部に搭載され、且つ前記副シール面が前記主シール面と協働して前記包装材料をヒートシール可能とする前進位置と、前記主シール面と非協働となる後退位置との間で前記副ヒートシーラ部の位置を切り換える作動機構を備えることから成るヒートシール装置。
  2. 前記作動機構は、エア作動式のアクチュエータであることから成る請求項1に記載のヒートシール装置。
  3. 前記副ヒートシーラ部は、前記前進位置において、前記主ヒートシーラ部と突き当たる当衝部によって位置決めされることから成る請求項1に記載のヒートシール装置。
  4. 前記包装材料にヒートシールを施して製品等の包装物を包装袋に包装する包装機において、前記包装袋の袋口部をシールするために適用されていることから成る請求項1に記載のヒートシール装置。
  5. 前記包装機は、筒状の包装フィルムに包装物を収容しつつヒートシールすることによって前記包装袋に前記包装物を収容した袋包装体を連続して製造する製袋充填機であることから成る請求項4に記載のヒートシール装置。
  6. 前記副シール面は前記主シール面よりも前記包装袋の外側寄りで前記袋口部をヒートシールするシール面であり、前記副ヒートシーラ部には、前記副シール面によって形成されるヒートシール部に吊り下げ用の孔を形成する穿孔機構が配設されていることから成る請求項4に記載のヒートシール装置。
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