JP2004184962A - 光ファイバの軸合わせ方法及びその装置、並びに光ファイバの融着接続方法及びその装置 - Google Patents

光ファイバの軸合わせ方法及びその装置、並びに光ファイバの融着接続方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一対もしくは複数対の光ファイバを突合わせ部の突合わせ用溝に自動的に収めて軸合わせする。
【解決手段】突合わせ部9は一対もしくは複数対の光ファイバ3を両側から各光ファイバ3の先端を互いに突合わせるべく位置決めする突合わせ用溝7を有する。突合わせ部9の両サイドの光ファイバガイド部21は、前記突合わせ部9に設けた対向する一対もしくは複数対の突合わせ用溝7の中心を結ぶほぼ一直線上に中心を位置せしめたガイド溝23を有しており、突合わせ部9よりも上方に昇降自在である。一対もしくは複数対の光ファイバ3を融着接続する際に、光ファイバガイド部21を突合わせ用溝7より上方へ上昇せしめて光ファイバ3がガイド溝23に収められた後に、光ファイバガイド部21が下降され、光ファイバ3の先端部が突合わせ用溝7へ自動的に収められる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して軸合わせする光ファイバの軸合わせ方法及びその装置、並びに前記一対もしくは複数対に対向して軸合わせした光ファイバどうしを融着して接続する光ファイバの融着接続方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9を参照するに、従来の光ファイバの軸合わせ・融着接続装置101においては、一対の複数の光ファイバ103を有するテープ心線105を両側から突合わせるために位置決めする突合わせ用溝部としてのV溝107を有する突合わせ部109と、一対のテープ心線105をそれぞれ把持する光ファイバ把持部111(光ファイバホルダ)が設けられている。
【0003】
一対のテープ心線105の各光ファイバ103を所定のV溝107に載せる際、前記各光ファイバ103もしくはテープ心線105を把持した光ファイバ把持部111を手で動かして所定のV溝107と各光ファイバ103の位置合わせが行われる。光ファイバ把持部111を使用する場合、作業者が片方の手で、全ての光ファイバ103がそれぞれの対応するV溝107に収まるように前記光ファイバ把持部111を動かし、位置が合った時点で図10及び図11に示されているように、もう一方の手でクランプレバー113を点線の状態から実線の状態に操作して光ファイバ把持部111をクランプする。
【0004】
光ファイバ把持部111の底面は図10に示されているように凹形状で、この光ファイバ把持部111を載せる把持部基台115の載置面となる上面が凸形状になっており、この凸形状と前記凹形状の二つの嵌合部に隙間が有るので光ファイバ把持部111を動かすことにより光ファイバ103をV溝107に細かく位置合わせできる構造となっている。
【0005】
また、従来の他の光ファイバの軸合わせ装置・融着接続装置においては、前述した従来例と同様のV溝を有し、このV溝よりも上方に突出した前記V溝と同数のスリットが前記V溝の後方側に固定されており、前記スリットとV溝が同一直線上に並んでいる。したがって、前記スリットに光ファイバを挿入することにより、それぞれの光ファイバがスリットに案内されて互いに平行になるので、そのままV溝に収まるものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−2013号公報(2ページ下左1〜6行目、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の前者の光ファイバの軸合わせ・融着接続装置101においては、V溝107の間隔は例えば0.3mmと非常に狭く、またV溝107自体の幅も0.1mmと非常に狭いものであり、作業者が目で見ながら手でV溝107へ位置合わせを行うので非常に煩わしいという問題点があった。
【0008】
また、光ファイバ把持部111をクランプする際に、光ファイバ把持部111が動いてしまうために光ファイバ103が所定のV溝107から外れてしまう場合があり、作業者の熟練度により、作業スピードにばらつきが生じるという問題点があった。
【0009】
従来の後者の光ファイバの軸合わせ・融着接続装置においては、それぞれの光ファイバをスリットヘ挿入する際に手で位置合わせしなくてはならないので煩わしいという問題点があった。また、スリットが固定されているので、光ファイバを挿入するときあるいは取り出す際に、光ファイバを平行に移動させないと、光ファイバを傷付けたり折ってしまったりする可能性があるので、作業者は非常に注意深く行う必要があるために作業し難いという問題点があった。
【0010】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、作業者の手を煩わせることなく一対もしくは複数対の光ファイバを突合わせ部の突合わせ用溝に自動的に収めて軸合わせする光ファイバの軸合わせ方法及びその装置、並びに軸合わせした光ファイバを融着接続せしめる光ファイバの融着接続方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して軸合わせするに際して、
所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは、複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部の両サイドに、1つもしくは複数のガイド溝を有する光ファイバガイド部を配置し、前記両光ファイバガイド部を前記突合わせ部よりも上方に位置させた状態で、前記両光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバをその先端が少なくとも前記突合わせ部の各突合わせ用溝まで到達する長さだけ突出した状態で案内し、その後、両光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とするものである。
【0012】
したがって、一対もしくは複数対の光ファイバは、その先端が突合わせ部よりも上方に位置させた両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内されるので、両光ファイバガイド部が降下すると、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収められて正確に軸合わせされる。突合わせ用溝部から外れていた光ファイバが矯正され確実に整列され、従来のような作業者による位置合わせを行う手間が省ける。
【0013】
請求項2によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1記載の光ファイバの軸合わせ方法において、前記光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とするものである。
【0014】
したがって、たとえ突合わせ用溝から外れた光ファイバであっても、光ファイバガイド部が突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させるので、各光ファイバの先端が両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内される。次いで、両光ファイバガイド部の降下により、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ用溝に自動的に収められる。
【0015】
請求項3によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1又は2記載の軸合わせ方法において、前記光ファイバを、その端部の被覆を除去して口出しせしめ、前記端部を光ファイバガイド部のガイド溝及び突合わせ部の突合わせ用溝に収めることを特徴とするものである。
【0016】
したがって、予め光ファイバの端部の被覆が除去されて口出しされ、前記端部が光ファイバガイド部のガイド溝及び突合わせ部の突合わせ用溝に収められる。
【0017】
請求項4によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法において、光ファイバを、前記光ファイバガイド部の両サイドに設けた光ファイバ把持部に把持させることを特徴とするものである。
【0018】
したがって、光ファイバガイド部が突合わせ部よりも上方に位置した状態で、一対もしくは複数対の光ファイバが光ファイバ把持部で把持されると、各光ファイバは光ファイバガイド部のガイド溝で矯正され確実に整列される。
【0019】
請求項5によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法において、光ファイバガイド部は、1つもしくは複数の突合わせ用溝が突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に配置されることを特徴とするものである。
【0020】
したがって、対向する1対もしくは複数対の光ファイバはそれぞれ一直線上に軸合わせされる。
【0021】
請求項6によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法において、光ファイバガイド部は、突合わせ部の突合わせ用溝よりも開口部が広いガイド溝を有することを特徴とするものである。
【0022】
したがって、ガイド溝の開口部が突合わせ用溝部の突合わせ用溝よりも広いので、光ファイバガイド部が上昇するとき、各光ファイバが確実に該当するガイド溝に収められて整列される。
【0023】
請求項7によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法において、光ファイバガイド部は、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置することを特徴とするものである。
【0024】
したがって、複数個の光ファイバガイド部が突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ配置されることにより、各光ファイバがより一層確実に該当するガイド溝に収められる。
【0025】
請求項8によるこの発明の光ファイバの軸合わせ方法は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法において、一対もしくは複数対からなる光ファイバどうしを対向して軸合わせしたときに、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を撮像手段によって検知し、整列状態が悪いと検知した場合は、自動的に再び光ファイバガイド部を突合わせ部より高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とするものである。
【0026】
したがって、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態が画像信号によって検知され、整列状態が悪いときは再度軸合わせが繰り返されるので、各光ファイバがより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列される。
【0027】
請求項9によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して軸合わせする光ファイバの軸合わせ装置であって、
所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部と、前記突合わせ部の両サイドに1つもしくは複数のガイド溝を有し、且つ少なくとも上下方向に可動可能に設けられた光ファイバガイド部と、を具備してなることを特徴とするものである。
【0028】
したがって、請求項1記載の作用と同様に、一対もしくは複数対の光ファイバは、その先端が突合わせ部よりも上方に位置させた両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内されるので、両光ファイバガイド部が降下すると、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収められて正確に軸合わせされる。突合わせ用溝部から外れていた光ファイバが矯正され確実に整列され、従来のような作業者による位置合わせを行う手間が省ける。
【0029】
請求項10によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、請求項9記載の光ファイバの軸合わせ装置において、光ファイバガイド部の両サイドに、一対もしくは複数対からなる光ファイバを把持する光ファイバ把持部を、具備してなることを特徴とするものである。
【0030】
したがって、請求項4記載の作用と同様に、光ファイバガイド部が突合わせ部よりも上方に位置した状態で、一対もしくは複数対の光ファイバ心線が光ファイバ把持部で把持されると、各光ファイバは光ファイバガイド部のガイド溝で矯正され確実に整列される。
【0031】
請求項11によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、請求項9又は10記載の光ファイバの軸合わせ装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に1つもしくは複数のガイド溝を具備してなることを特徴とする。
【0032】
したがって、請求項5記載の作用と同様に、対向する1対もしくは複数対の光ファイバはそれぞれ一直線上に軸合わせされる。
【0033】
請求項12によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、請求項9〜11のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部の突合わせ用溝よりも広い開口部のガイド溝を具備してなることを特徴とするものである。
【0034】
したがって、請求項6記載の作用と同様に、ガイド溝の開口部が突合わせ用溝部の突合わせ用溝よりも広いので、光ファイバガイド部が上昇するとき、各光ファイバが確実に該当するガイド溝に収められて整列される。
【0035】
請求項13によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、請求項9〜12のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置してなることを特徴とするものである。
【0036】
したがって、請求項7記載の作用と同様に、複数個の光ファイバガイド部が突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ配置されることにより、各光ファイバがより一層確実に該当するガイド溝に収められる。
【0037】
請求項14によるこの発明の光ファイバの軸合わせ装置は、請求項9〜13のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置において、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知する撮像手段を、具備してなることを特徴とするものである。
【0038】
したがって、請求項8記載の作用と同様に、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態が撮像手段によって検知され、整列状態が悪いときは再度軸合わせが繰り返されるので、各光ファイバがより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列される。
【0039】
請求項15によるこの発明の光ファイバの融着接続方法は、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して融着接続するに際して、
所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは、複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部の両サイドに、1つもしくは複数のガイド溝を有する光ファイバガイド部を配置し、前記両光ファイバガイド部を前記突合わせ部よりも上方に位置させた状態で、前記両光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバの被覆を除去した口出し部をその先端が少なくとも前記突合わせ部の各突合わせ用溝まで到達する長さだけ突出した状態で案内し、その後、両光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバの口出し部を突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせし、しかる後、対向する各光ファイバどうしを融着接続することを特徴とするものである。
【0040】
したがって、一対もしくは複数対の光ファイバは、その先端が突合わせ部よりも上方に位置させた両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内されるので、両光ファイバガイド部が降下すると、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収められて正確に軸合わせされ、容易に且つ正確に融着接続される。突合わせ用溝部から外れていた光ファイバが矯正され確実に整列され、従来のような作業者による位置合わせを行う手間が省ける。
【0041】
請求項16によるこの発明の光ファイバの融着接続方法は、請求項15記載の光ファイバの融着接続方法において、前記光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバの被覆を除去した口出し部を案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバの口出し部を突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とするものである。
【0042】
したがって、たとえ突合わせ用溝から外れた光ファイバであっても、光ファイバガイド部が突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させるので、各光ファイバの先端が両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内される。次いで、両光ファイバガイド部の降下により、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ用溝に自動的に収められる。
【0043】
請求項17によるこの発明の光ファイバの融着接続方法は、請求項15又は16記載の光ファイバの融着接続方法において、光ファイバを、前記光ファイバガイド部の両サイドに設けた光ファイバ把持部に把持させることを特徴とする。
【0044】
したがって、光ファイバガイド部が突合わせ部よりも上方に位置した状態で、一対の光ファイバ心線が光ファイバ把持部で把持されると、各光ファイバは光ファイバガイド部のガイド溝で矯正され確実に整列される。
【0045】
請求項18によるこの発明の光ファイバの融着接続方法は、請求項15〜17のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続方法において、一対もしくは複数対からなる光ファイバどうしを対向して軸合わせしたときに、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を撮像手段によって検知し、整列状態が悪いと検知した場合は、自動的に再び光ファイバガイド部を突合わせ部より高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とするものである。
【0046】
したがって、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態が撮像手段によって検知され、整列状態が悪いときは再度軸合わせが繰り返されるので、各光ファイバがより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列される。
【0047】
請求項19によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して融着接続する光ファイバの融着接続装置であって、
所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部と、前記突合わせ部の両サイドに1つもしくは複数のガイド溝を有し、且つ少なくとも上下方向に可動可能に設けられた光ファイバガイド部と、を具備してなることを特徴とするものである。
【0048】
したがって、請求項15記載の作用と同様に、一対もしくは複数対の光ファイバは、その先端が突合わせ部よりも上方に位置させた両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内されるので、両光ファイバガイド部が降下すると、各光ファイバの先端はそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収められて正確に軸合わせされ、容易に且つ正確に融着接続される。突合わせ用溝部から外れていた光ファイバが矯正され確実に整列され、従来のような作業者による位置合わせを行う手間が省ける。
【0049】
請求項20によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、請求項19記載の光ファイバの融着接続装置において、光ファイバガイド部の両サイドに、一対もしくは複数対からなる光ファイバを把持する光ファイバ把持部を具備してなることを特徴とするものである。
【0050】
したがって、光ファイバガイド部が突合わせ部よりも上方に位置した状態で、一対もしくは複数対の光ファイバ心線が光ファイバ把持部で把持されると、各光ファイバは光ファイバガイド部のガイド溝で矯正され確実に整列される。
【0051】
請求項21によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、請求項19又は20記載の光ファイバの融着接続装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に1つもしくは複数のガイド溝を具備してなることを特徴とする。
【0052】
したがって、対向する1対もしくは複数対の光ファイバはそれぞれ一直線上に軸合わせされる。
【0053】
請求項22によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、請求項19〜21のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部の突合わせ用溝よりも広い開口部のガイド溝を具備してなることを特徴とするものである。
【0054】
したがって、ガイド溝の開口部が突合わせ用溝部の突合わせ用溝よりも広いので、光ファイバガイド部が上昇するとき、各光ファイバが確実に該当するガイド溝に収められて整列される。
【0055】
請求項23によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、請求項19〜22のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置において、光ファイバガイド部が、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置してなることを特徴とするものである。
【0056】
したがって、複数個の光ファイバガイド部が突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ配置されることにより、各光ファイバがより一層確実に該当するガイド溝に収められる。
【0057】
請求項24によるこの発明の光ファイバの融着接続装置は、請求項19〜23のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置において、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知する撮像手段を、加えて具備してなることを特徴とするものである。
【0058】
したがって、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態が撮像信号によって検知され、整列状態が悪いときは再度軸合わせが繰り返されるので、各光ファイバがより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列される。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この発明に適用される光ファイバとは、裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなるもので、単なる裸光ファイバとは区別する。以下、この明細書では単に「光ファイバ」と称している。
【0060】
図1及び図2を参照するに、この実施の形態に係る光ファイバの融着接続装置1は、一対の光ファイバとしての例えば複数の裸光ファイバ3を有するテープ心線5を両側から前記各裸光ファイバ3の先端を互いに突合わせるために位置決めする突合わせ用溝7を有する突合わせ部9と、この突合わせ部9の両側で前記一対のテープ心線5をそれぞれ位置決めして把持する光ファイバ把持部11(光ファイバホルダ)が設けられている。
【0061】
なお、テープ心線5は並列に配列された複数の裸光ファイバ3が樹脂等のシース材13でテープ状にシースされたものである。この実施の形態では光ファイバとしては上記のテープ心線5が用いられているが、光ファイバ単心線であっても構わない。なお、この実施の形態ではテープ心線5の先端側はシース材13が除去されて口出しされて複数の裸光ファイバ3がむき出しになっている。以下、各裸光ファイバ3は単に「光ファイバ3」として説明する。
【0062】
上記の突合わせ部9はほぼ四角形状のブロックで、このブロックの図2において左右方向のほぼ中央には幅方向(図2において上下方向)に向けて横溝15が設けられている。この横溝15の両側のブロック上面には前後方向(図2において左右方向)に向けて上記のテープ心線5の光ファイバ3を位置決めすべく収めるための複数の突合わせ用溝7が図3及び図4に示されているように設けられている。なお、両側のブロック上面の互いに対向する複数の突合わせ用溝7は、それぞれの中心が一直線上に配置されている。
【0063】
また、横溝15の図2において上下方向の両側には突合わせ部9で互いに突き合わされた光ファイバ3を融着して接続するための光ファイバ溶融手段17が設けられている。
【0064】
また、この実施の形態の主要部を構成する光ファイバの軸合わせ装置としての例えば光ファイバ整列装置19としては、図1ないしは図3に示されているように、光ファイバ把持部11と前記両側の突合わせ部9との間に板状の光ファイバガイド部21が突合わせ部9の突合わせ用溝7の位置より上方へ出没するように昇降自在に設けられている。
【0065】
なお、光ファイバガイド部21の上部には、図5に示されているように突合わせ部9に形成された対向する複数対の突合わせ用溝7の中心を結ぶほぼ一直線上に中心を位置せしめた対応するガイド溝23が設けられている。例えば、各突合わせ用溝7のピッチと各ガイド溝23のピッチが同一寸法Cとなっている。また、各ガイド溝23の開口部の大きさとしての例えば溝幅Bは前記各突合わせ用溝7の開口部の大きさとしての例えば溝幅A(図4参照)より大きく(広く)形成されていることが、各光ファイバ3をより確実に整列できるという点で望ましい。
【0066】
図6を参照するに、光ファイバ把持部11の底面は凹形状で、この光ファイバ把持部11を載せる把持部基台27の載置面となる上面が凸形状になっている。光ファイバ把持部11の凹形状は、光ファイバとしての例えばテープ心線5を幅方向の所定位置に精密に位置決めできるように、例えば、上記の凹形状をテープ心線5の幅とほぼ同等の幅の把持用ガイド溝29とすることができる。
【0067】
また、光ファイバ把持部11の凹形状と把持部基台27の凸形状の二つの嵌合部間にガタを極力なくしてテープ心線5が上下から精密に把持されることが望ましい。例えば、光ファイバ把持部11と把持部基台27に互いに吸着し合う2つの磁石31を設けることにより、光ファイバ把持部11の凹形状部が把持部基台27の凸形状の基準面に吸着される心線押圧機構33(心線押圧手段)となる。
【0068】
なお、光ファイバ把持部11が把持部基台27にクランプされる構造は従来の図10及び図11に示されているものと同様であり、図2においてクランプレバー35を操作することにより、光ファイバ把持部11を把持部基台27に対して押圧せしめる構成となっている。
【0069】
図1を参照するに、光ファイバ整列装置19には突合わせ部9の突合わせ用溝7の上の光ファイバ3の整列状態を撮像するための撮像手段としての例えばCCDカメラ37が突合わせ部9の突合わせ用溝7の上方に設けられている。CCDカメラ37で検知された画像信号はカメラケーブル39によって伝送され、突合わせ用溝7の上の光ファイバ3の整列状態の良否を判断するための画像処理装置としての例えば画像解析用パソコン41が設けられている。
【0070】
上記構成により、一対のテープ心線5の光ファイバ3の先端が互いに突き合わされるように前記各テープ心線5が光ファイバ把持部11により位置決めされてクランプセットされると、テープ心線5の幅が凹形状部内に収められ、しかも把持部基台27の凸形状の基準面に密着するよう上下から押圧されるので、テープ心線5が長手方向にむけて正確に位置決めされる。したがって、少なくとも光ファイバガイド部21の各ガイド溝23内には各光ファイバ3が容易に収まるようになる。
【0071】
光ファイバ把持部11をセットした際に、図7に示されているように、たとえ光ファイバ3の先端部が突合わせ部9の突合わせ用溝7から外れているとしても、光ファイバガイド部21が上昇して一旦光ファイバ3を持ち上げることにより、各光ファイバ3が光ファイバガイド部21の各ガイド溝23内で容易に整列される。次いで、この状態のまま光ファイバガイド部21が下降することにより、各光ファイバ3の先端部が所定の突合わせ用溝7内へ自動的に確実に収められるので、一対のテープ心線5の光ファイバ3の先端が正確に互いに突き合わされるよう軸合わせされる。この突合わせた光ファイバ3は光ファイバ溶融手段17により融着され接続される。
【0072】
また、上記のように、一対もしくは複数対からなる光ファイバ3どうしが対向して軸合わせされたときに、突合わせ用溝7上の光ファイバ3の整列状態がCCDカメラ37によって検知される。CCDカメラ37の画像信号がカメラケーブル39で伝送されて画像解析用パソコン41で解析された結果、光ファイバ3どうしの整列状態が悪いと検出された場合は、画像解析用パソコン41からの指令により、光ファイバガイド部21が自動的に突合わせ部9より高い位置に上昇して、各光ファイバ3が光ファイバガイド部21のガイド溝23内に案内される。
【0073】
その後、光ファイバガイド部21が降下し、各光ファイバ3が突合わせ部9の対向する突合わせ用溝7にそれぞれ収められて軸合わせされることとなる。以上のように、整列状態が悪いときは再度軸合わせ動作が繰り返されるので、各光ファイバ3がより一層確実に所定の突合わせ用溝7に整列されることになる。
【0074】
次に、この発明の実施の形態の主要部を構成する他の光ファイバを突合わせて軸合わせする方法について説明すると、光ファイバの融着接続装置1の構成としては前述した実施の形態と同様であるが、光ファイバの軸合わせ方法及び融着接続方法としては次の工程でも構わない。
【0075】
前述した工程では、光ファイバガイド部21が予め下降しておき、一対のテープ心線5を光ファイバ把持部11で把持してから、光ファイバガイド部21を上昇せしめることにより一旦光ファイバ3を上昇させて整列してから、光ファイバガイド部21を下降せしめて光ファイバ3の先端部を突合わせ用溝7へ収める工程であるが、他の方法としては光ファイバガイド部21を最初から突合わせ用溝7より高い位置に上昇せしめておき、一対のテープ心線5を光ファイバ把持部11で把持して、各光ファイバ3を光ファイバガイド部21のガイド溝23内へ置いて整列せしめ、次いで光ファイバガイド部21を下降せしめても前述した工程と同様の効果が得られる。
【0076】
また、光ファイバガイド部21の前後方向(図1において左右方向)の位置は、図1では突合わせ部9と光ファイバ把持部11とのほぼ中間位置にあるが、この位置をできるだけ光ファイバ3のシースに近い方に配置することにより、光ファイバ3の先端が広がっていたり、若干の曲がりが生じていたりする光ファイバ3であっても、被覆したシース材13の付近の光ファイバ3は比較的広がりや曲がりが少ないので、一旦上昇せしめた光ファイバガイド部21のガイド溝23で整列させることにより、広がりや曲がりが矯正される。その後、このまま光ファイバガイド部21を下降させることにより、各光ファイバ3を所定の突合わせ用溝7に収めることができる。
【0077】
なお、光ファイバガイド部21のガイド溝23の形状は、前述した実施の形態ではV溝(図4に示すガイド溝23)であるが、ガイド溝23のピッチCが上記のガイド溝23のピッチCとほぼ同寸であれば、図8(A),(B)に示されているような溝部形状であっても、あるいは他のどのような溝部形状でも同様の効果が得られる。
【0078】
以上のことから、突合わせ部9の突合わせ用溝7から外れた光ファイバ3は光ファイバガイド部21によって自動的に所定の突合わせ用溝7内へ収めることができるので、作業者による位置合わせの必要が無く、作業者の熟練度による作業スピードのばらつきが無くなる。
【0079】
また、テープ心線5が光ファイバ把持部11によりクランプされたときに各光ファイバ3が所定の突合わせ用溝7から外れたとしても、その後に光ファイバガイド部21によって各光ファイバ3が容易に自動的に整列される。
【0080】
また、光ファイバ把持部11によりセットされた後に、ガイドが上下して光ファイバ3を自動的に整列させるので、従来例の後者のように予め光ファイバ3をスリット内に位置合わせするという煩わしさが無くなり、効率よくセットすることができる。
【0081】
また、テープ心線5を光ファイバ把持部11にセットしたり、あるいは取り外したりする際には、光ファイバガイド部21は突合わせ部9の突合わせ用溝7より下に降りているので、作業者が注意を集中しなくとも従来例の後者のように光ファイバ3に傷をつけたり、折ってしまったりすることが無く、作業性が良いものである。
【0082】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。前述した光ファイバの軸合わせ装置19並びに融着接続装置1においては、突合わせ部9の両サイドには光ファイバガイド部21がそれぞれ1個ずつ配置されているが、他の実施の形態としては突合わせ部9の両サイドにそれぞれ複数個の光ファイバガイド部21を所定間隔を置いて配置しても構わない。この場合は複数個の光ファイバガイド部21によって、各光ファイバ3がより一層確実に該当するガイド溝23に収められることになる。
【0083】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、両光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置させたので、一対もしくは複数対の光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。この両光ファイバガイド部を降下することにより、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収めて正確に軸合わせできる。突合わせ用溝から外れていた光ファイバを矯正して確実に整列でき、従来のような作業者による位置合わせを行う手間を省くことができる。
【0084】
請求項2の発明によれば、たとえ突合わせ用溝から外れた光ファイバであっても、光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させるので、各光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。次いで、両光ファイバガイド部の降下により、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ用溝に自動的に収めることができる。
【0085】
請求項3の発明によれば、予め光ファイバの端部の被覆を除去して口出しし、光ファイバガイド部のガイド溝及び突合わせ部の突合わせ用溝に前記端部を収めることができる。
【0086】
請求項4の発明によれば、光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置せしめた状態で、一対の光ファイバを光ファイバ把持部で把持することにより、各光ファイバを光ファイバガイド部のガイド溝で矯正して確実に整列できる。
【0087】
請求項5の発明によれば、対向する1対もしくは複数対の光ファイバをそれぞれ一直線上に軸合わせできる。
【0088】
請求項6の発明によれば、ガイド溝の開口部を突合わせ用溝の突合わせ用溝よりも広くしたので、光ファイバガイド部を上昇するとき、各光ファイバを確実に該当するガイド溝に収めて整列できる。
【0089】
請求項7の発明によれば、複数個の光ファイバガイド部を突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ配置したので、各光ファイバをより一層確実に該当するガイド溝に収めることができる。
【0090】
請求項8の発明によれば、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知でき、整列状態が悪いときは再度軸合わせを繰り返すことにより、各光ファイバをより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列できる。
【0091】
請求項9の発明によれば、請求項1記載の効果と同様に、両光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置させたので、一対もしくは複数対の光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。この両光ファイバガイド部を降下することにより、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収めて正確に軸合わせできる。突合わせ用溝から外れていた光ファイバを矯正して確実に整列でき、従来のような作業者による位置合わせを行う手間を省くことができる。
【0092】
請求項10の発明によれば、請求項4記載の効果と同様に、光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置せしめた状態で、一対もしくは複数対の光ファイバを光ファイバ把持部で把持することにより、各光ファイバを光ファイバガイド部のガイド溝で矯正して確実に整列できる。
【0093】
請求項11の発明によれば、請求項5記載の効果と同様に、対向する1対もしくは複数対の光ファイバをそれぞれ一直線上に軸合わせできる。
【0094】
請求項12の発明によれば、請求項6記載の効果と同様に、ガイド溝の開口部を突合わせ用溝の突合わせ用溝よりも広くしたので、光ファイバガイド部を上昇するとき、各光ファイバを確実に該当するガイド溝に収めて整列できる。
【0095】
請求項13の発明によれば、請求項7記載の効果と同様に、複数個の光ファイバガイド部を突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ配置したので、各光ファイバをより一層確実に該当するガイド溝に収めることができる。
【0096】
請求項14の発明によれば、請求項8記載の効果と同様に、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知でき、整列状態が悪いときは再度軸合わせを繰り返すことにより、各光ファイバをより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列できる。
【0097】
請求項15の発明によれば、両光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置させたので、一対もしくは複数対の光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。この両光ファイバガイド部を降下することにより、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収めて正確に軸合わせでき、容易に且つ正確に融着接続できる。突合わせ用溝から外れていた光ファイバを矯正して確実に整列でき、従来のような作業者による位置合わせを行う手間を省くことができる。
【0098】
請求項16の発明によれば、たとえ突合わせ用溝から外れた光ファイバであっても、光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させるので、各光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。次いで、両光ファイバガイド部の降下により、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ用溝に自動的に収めることができる。
【0099】
請求項17の発明によれば、光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置せしめた状態で、一対もしくは複数対の光ファイバを光ファイバ把持部で把持することにより、各光ファイバを光ファイバガイド部のガイド溝で矯正して確実に整列できる。
【0100】
請求項18の発明によれば、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知でき、整列状態が悪いときは再度軸合わせを繰り返すことにより、各光ファイバをより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列できる。
【0101】
請求項19の発明によれば、請求項15記載の効果と同様に、両光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置させたので、一対もしくは複数対の光ファイバの先端を両光ファイバガイド部のガイド溝内に確実に案内できる。この両光ファイバガイド部を降下することにより、各光ファイバの先端をそれぞれ突合わせ部の対向する突合わせ用溝に自動的に収めて正確に軸合わせでき、容易に且つ正確に融着接続できる。突合わせ用溝から外れていた光ファイバを矯正して確実に整列でき、従来のような作業者による位置合わせを行う手間を省くことができる。
【0102】
請求項20の発明によれば、光ファイバガイド部を突合わせ部よりも上方に位置せしめた状態で、一対もしくは複数対の光ファイバを光ファイバ把持部で把持することにより、各光ファイバを光ファイバガイド部のガイド溝で矯正して確実に整列できる。
【0103】
請求項21の発明によれば、対向する1対もしくは複数対の光ファイバをそれぞれ一直線上に軸合わせできる。
【0104】
請求項22の発明によれば、ガイド溝の開口部を突合わせ用溝の突合わせ用溝よりも広くしたので、光ファイバガイド部を上昇するとき、各光ファイバを確実に該当するガイド溝に収めて整列できる。
【0105】
請求項23の発明によれば、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知でき、整列状態が悪いときは再度軸合わせを繰り返すことにより、各光ファイバをより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列できる。
【0106】
請求項24の発明によれば、請求項18記載の効果とほぼ同様に、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知でき、整列状態が悪いときは再度軸合わせを繰り返すことにより、各光ファイバをより一層確実に所定の突合わせ用溝に整列できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の光ファイバ整列装置を備えた光ファイバの融着接続装置の概略的な側面図である。
【図2】この発明の実施の形態の光ファイバ整列装置を備えた光ファイバの融着接続装置の概略的な平面図である。
【図3】光ファイバ整列装置の部分的な斜視図である。
【図4】突合わせ部の突合わせ用溝の形状を示す部分的な正面図である。
【図5】光ファイバガイド部のガイド溝の形状を示す部分的な正面図である。
【図6】光ファイバ把持部の正面図である。
【図7】テープ心線の光ファイバを整列する際の概略説明図である。
【図8】光ファイバガイド部における他のガイド溝の形状を示す概略的な正面図である。
【図9】従来の光ファイバの融着接続装置の平面図である。
【図10】図9の矢視X−X線の光ファイバ把持部の側面図である。
【図11】図10の左側面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバの融着接続装置
3 裸光ファイバ(光ファイバ)
5 テープ心線(光ファイバ)
7 突合わせ用溝
9 突合わせ部
11 光ファイバ把持部
13 シース材
15 横溝
17 光ファイバ溶融手段
19 光ファイバ整列装置(光ファイバの軸合わせ装置)
21 光ファイバガイド部
23 ガイド溝
27 把持部基台
29 把持用ガイド溝
31 磁石
33 心線押圧機構(心線押圧手段)
35 クランプレバー
37 CCDカメラ(撮像手段)
39 カメラケーブル
41 解析用パソコン(画像処理装置)

Claims (24)

  1. 裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して軸合わせするに際して、
    所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは、複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部の両サイドに、1つもしくは複数のガイド溝を有する光ファイバガイド部を配置し、前記両光ファイバガイド部を前記突合わせ部よりも上方に位置させた状態で、前記両光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバをその先端が少なくとも前記突合わせ部の各突合わせ用溝まで到達する長さだけ突出した状態で案内し、その後、両光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とする光ファイバの軸合わせ方法。
  2. 前記光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  3. 前記光ファイバを、その端部の被覆を除去して口出しせしめ、前記端部を光ファイバガイド部のガイド溝及び突合わせ部の突合わせ用溝に収めることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  4. 光ファイバを、前記光ファイバガイド部の両サイドに設けた光ファイバ把持部に把持させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  5. 光ファイバガイド部は、1つもしくは複数の突合わせ用溝が突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  6. 光ファイバガイド部は、突合わせ部の突合わせ用溝よりも開口部が広いガイド溝を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  7. 光ファイバガイド部は、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  8. 一対もしくは複数対からなる光ファイバどうしを対向して軸合わせしたときに、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を撮像手段によって検知し、整列状態が悪いと検知した場合は、自動的に再び光ファイバガイド部を突合わせ部より高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ方法。
  9. 裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して軸合わせする光ファイバの軸合わせ装置であって、
    所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部と、前記突合わせ部の両サイドに1つもしくは複数のガイド溝を有し、且つ少なくとも上下方向に可動可能に設けられた光ファイバガイド部と、を具備してなることを特徴とする光ファイバの軸合わせ装置。
  10. 光ファイバガイド部の両サイドに、一対もしくは複数対からなる光ファイバを把持する光ファイバ把持部を、具備してなることを特徴とする請求項9記載の光ファイバの軸合わせ装置。
  11. 光ファイバガイド部が、突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に1つもしくは複数のガイド溝を具備してなることを特徴とする請求項9又は10記載の光ファイバの軸合わせ装置。
  12. 光ファイバガイド部が、突合わせ部の突合わせ用溝よりも広い開口部のガイド溝を具備してなることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置。
  13. 光ファイバガイド部が、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置してなることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置。
  14. 突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知する撮像手段を、具備してなることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載の光ファイバの軸合わせ装置。
  15. 裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して融着接続するに際して、
    所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは、複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部の両サイドに、1つもしくは複数のガイド溝を有する光ファイバガイド部を配置し、前記両光ファイバガイド部を前記突合わせ部よりも上方に位置させた状態で、前記両光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバの被覆を除去した口出し部をその先端が少なくとも前記突合わせ部の各突合わせ用溝まで到達する長さだけ突出した状態で案内し、その後、両光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバの口出し部を突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせし、しかる後、対向する各光ファイバどうしを融着接続することを特徴とする光ファイバの融着接続方法。
  16. 前記光ファイバガイド部を突合わせ部より低い位置からそれよりも高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバの被覆を除去した口出し部を案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバの口出し部を突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とする請求項15記載の光ファイバの融着接続方法。
  17. 光ファイバを、前記光ファイバガイド部の両サイドに設けた光ファイバ把持部に把持させることを特徴とする請求項15又は16記載の光ファイバの融着接続方法。
  18. 一対もしくは複数対からなる光ファイバどうしを対向して軸合わせしたときに、突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を撮像手段によって検知し、整列状態が悪いと検知した場合は、自動的に再び光ファイバガイド部を突合わせ部より高い位置に上昇させて、光ファイバガイド部のガイド溝内に各光ファイバを案内し、その後、光ファイバガイド部を降下し、各光ファイバを突合わせ部の対向する突合わせ用溝にそれぞれ収めて軸合わせすることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続方法。
  19. 裸光ファイバ、光ファイバ素線、光ファイバ心線の単心もしくは、それらの複数心及びテープ形光ファイバ心線からなる光ファイバどうしを、一対もしくは複数対に対向して融着接続する光ファイバの融着接続装置であって、
    所定間隔を隔てて、ほぼ同一直線上に対向して形成された一対もしくは複数対の突合わせ用溝を有する突合わせ部と、前記突合わせ部の両サイドに1つもしくは複数のガイド溝を有し、且つ少なくとも上下方向に可動可能に設けられた光ファイバガイド部と、を具備してなることを特徴とする光ファイバの融着接続装置。
  20. 光ファイバガイド部の両サイドに、一対もしくは複数対からなる光ファイバを把持する光ファイバ把持部を具備してなることを特徴とする請求項19記載の光ファイバの融着接続装置。
  21. 光ファイバガイド部が、突合わせ部に形成された対向する1対もしくは複数対の突合わせ用溝を結ぶほぼ同一延長線上の位置に1つもしくは複数のガイド溝を具備してなることを特徴とする請求項19又は20記載の光ファイバの融着接続装置。
  22. 光ファイバガイド部が、突合わせ部の突合わせ用溝よりも広い開口部のガイド溝を具備してなることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置。
  23. 光ファイバガイド部が、突合わせ部の両サイドに所定間隔を置いて、それぞれ複数個を配置してなることを特徴とする請求項19〜22のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置。
  24. 突合わせ用溝上の光ファイバの整列状態を画像信号によって検知する撮像手段を、具備してなることを特徴とする請求項19〜23のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続装置。
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