JP2004182378A - 大型基板の搬送方法及び固定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質板から吹き出す空気圧によって大型基板Bを浮上させながら搬送方向に前進させて搬送すること。基板の後端部Dに吹き出す空気圧を前端部に吹き出す空気圧より大きくして前進させること。多孔質板から吹き出す空気圧によって浮上している大型基板を、定盤23上に固定する際に、多孔質板からの空気の吹き出しを停止し、大型基板の下面を吸引して定盤上に固定すること。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型基板の搬送に関するものであり、特に、製造工程で大型ガラス基板を搬送、移載、固定する際に、大型ガラス基板が更に大型化しても、傷が付かず、移載時間が短縮され、ラインの占めるスペースを減少させることのできる大型基板の搬送方法及び固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型基板、例えば、550mm×650mm程度の矩形状の大型ガラス基板の表面に絵つけ加工などをする際に、その製造工程内では大型ガラス基板を製造装置へ搬送したり、製造装置から次の製造装置への搬送したり、或いは製造装置から収納カセットへの搬送したり、などの搬送手段としてベルトコンベア、ローラコンベアなどが広く用いられている。
また、大型ガラス基板の移載、例えば、収納カセットからベルトコンベアへの移載、ベルトコンベアから製造装置への移載、或いは製造装置からベルトコンベアへの移載などの移載手段として移載用ロボットが広く用いられている。
【0003】
図1は、大型ガラス基板の表面に加工が施される場合の、大型ガラス基板の搬送、移載、固定の一例を側面で示す説明図である。図1には、第一ベルトコンベア(C1)、第一移載用ロボット(R1)、加工装置のステージ(A)、第二移載用ロボット(R2)、第二ベルトコンベア(C2)、及び大型ガラス基板(B)が示されている。
白太矢印で示すように、大型ガラス基板(B)は、図中左側から搬送され、加工装置で加工が施され、図中右側へ搬送される。点線は、この際の大型ガラス基板(B)の搬送路を表している。
加工装置のステージ(A)の定盤(b)上に載置された大型ガラス基板(B)は上方から加工が施されるが、加工を施す装置の部分は省略してある。
【0004】
第一ベルトコンベア(C1))によって搬送されてきた大型ガラス基板(B)は、第一移載用ロボット(R1)のフォーク状の2本のアーム(a)によって下面を支えられ、或いはアーム(a)に取り付けられている吸盤によって上面を吸引され、加工装置のステージに設けられた定盤(b)上に移載される。
大型ガラス基板(B)は、定盤(b)に設けられた吸引バキュームによって固定された後に、その表面に加工が施される。
【0005】
大型ガラス基板(B)の表面への加工が施された後に、吸引バキュームが解除され、第二移載用ロボット(R2)のフォーク状の2本のアーム(a)によって下面を支えられ、或いは上面を吸引され、第二ベルトコンベア(C2)上に移載される。
移載された大型ガラス基板(B)は、第二ベルトコンベア(C2)によって次工程へと搬送される。
【0006】
ところで、絵つけ加工などが施される大型ガラス基板の大きさは、製品が大サイズなものへと移行しているため、また、加工する際の面付け数を増やして生産効率を向上させるために、次第に550mm×650mm程度の大きさから、650mm×850mm程度へ、更には900mm×1100mm程度へと大型化し、且つ薄板化してきている。
大型ガラス基板のサイズが、大型化するのに伴い、上記のようにして大型ガラス基板を搬送、移載、固定する方法では以下のような問題が発生してきた。
【0007】
1)大型ガラス基板は、製造工程内の搬送、移載におけるベルトコンベア、ロールコンベア、ロボットのアームなどとの接触によって傷が付くことがある。この傷の発生は、大型ガラス基板のサイズが大型化するのに伴い増加し、製品の収率を悪化させる。
2)移載用ロボットによって大型ガラス基板を移載する際の移載時間は、大型ガラス基板のサイズが大型化するのに伴い長くなり、加工時間に対する移載時間の割合が増加する。すなわち、移載用ロボットを用いることによって、生産効率が悪化する。
3)製造工程内で大型ガラス基板を移載する箇所は多数箇所あり、大型ガラス基板のサイズが大型化するのに伴い移載用ロボットの占めるスペース(W1、W2)が増大し、工場のスペース活用効率が悪化する。
上記の問題は、いずれも原価を引き上げる要因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、例えば、大型ガラス基板に表面加工を施す製造工程において、大型ガラス基板を搬送、移載、固定する際に、大型ガラス基板が更に大型化しても、コンベア、ロボットのアームなどとの接触によって大型ガラス基板に傷が付くことのない、また、大型ガラス基板の移載時間が短縮され、更には、移載用ロボットの占めるスペースを減少させることのできる大型基板の搬送方法及び固定方法を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大型基板の搬送方法であって、搬送路下方に設けられた多孔質板から吹き出す空気圧によって大型基板を浮上させながら搬送方向に前進させて搬送することを特徴とする大型基板の搬送方法である。
【0010】
また、本発明は、上記発明による大型基板の搬送方法において、前記搬送方向に前進させる際に、エアーシリンダーを用いて大型基板の後端部を押して前進させることを特徴とする大型基板の搬送方法である。
【0011】
また、本発明は、上記発明による大型基板の搬送方法において、前記搬送方向に前進させる際に、大型基板の後端部に吹き出す空気圧を前端部に吹き出す空気圧より大きくして前進させることを特徴とする大型基板の搬送方法である。
【0012】
また、本発明は、大型基板の固定方法であって、多孔質板で構成される定盤上方の搬送路に多孔質板から吹き出す空気圧によって浮上している大型基板を、該定盤上に固定する際に、多孔質板からの空気の吹き出しを停止して大型基板を定盤上に移載し、多孔質板からの空気の吸引によって大型基板を固定することを特徴とする大型基板の固定方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図2は、本発明による大型基板の搬送方法における搬送、移載、固定の概念を示す説明図である。図2には、第一搬送装置(10)、加工装置の下部(20)、第二搬送装置(30)、及び大型ガラス基板(B)が示されている。
白太矢印で示すように、大型ガラス基板(B)は、図中左側から搬送され、加工装置で加工が施され、図中右側へ搬送される。点線は、この際の大型ガラス基板(B)の搬送路を表しており、搬送路は水平である。
加工装置の定盤(23)上に大型ガラス基板(B)が載置されると上方から加工が施されるが、加工を施す装置の部分は省略してある。
【0014】
第一搬送装置(10)は、搬送路の下方に設けられており、導管(11)、チャンバー(12)、多孔質板(13)で構成されている。多孔質板(13)は、多数の小孔を有するステンレス板、或いは多孔質樹脂板である。
矢印で示すように、給気装置(図示せず)からの加圧空気を導管(11)、チャンバー(12)を経て多孔質板(13)の小孔から上方へ吹き出し、大型ガラス基板(B)を搬送路に浮上させている。
【0015】
加工装置の下部(20)は、搬送路の下方に設けられており、ステージ(A)、導管(21)、チャンバー(22)、定盤(23)、及び切り替え弁(24)で構成されている。定盤(23)は、大型ガラス基板を載置するものであり、上記第一搬送装置(10)の多孔質板(13)と同様の多孔質板を用いている。
矢印で示すように、給気装置(図示せず)からの加圧空気を切り替え弁(24)、導管(21)、チャンバー(22)、定盤(23)を経て、定盤(23)の小孔から上方へ吹き出し、大型ガラス基板(B)を搬送路に浮上させる。
【0016】
定盤(23)上方に搬送された大型ガラス基板(B)を定盤(23)上に載置する際には、加圧空気の吹き出しを停止して定盤上に大型ガラス基板を移載し、切り替え弁(24)を切り替えて、点線矢印で示すように、吸気装置(図示せず)からの吸気によって定盤(多孔質板)(23)上の大型ガラス基板(B)の下面を吸引し固定する。
第二搬送装置(30)は、第一搬送装置(10)と同様に搬送路の下方に設けられており、導管(31)、チャンバー(32)、多孔質板(33)で構成されている。多孔質板(33)の小孔から上方へ吹き出し、大型ガラス基板(B)を搬送路に浮上させる。
【0017】
上記のように、本発明による大型基板の搬送方法は、非接触搬送であるため、装置の劣化し易い部材との接触による不具合を回避することができる。
例えば、装置内におけるUV処理は、コロなどの大型ガラス基板を搬送する部材がUV処理によって劣化し、大型ガラス基板に劣化による汚れを転写することがあるが、本搬送方法では、部材が劣化しても汚れによる悪影響はなくなる。
【0018】
搬送路にある大型ガラス基板(B)を白太矢印で示す搬送方向に前進させる簡便な方法としては、大型ガラス基板(B)の後端部(D)をエアーシリンダー(図示せず)を用いて押す方法があげられる。大型ガラス基板(B)は搬送路に浮上しているので、例えば、第一搬送装置(10)上方の搬送路から、容易に加工装置の下部(20)の上方の定位置に前進させることができる。
同様にして、大型ガラス基板(B)の表面への加工が施された後、加工装置の下部(20)の上方の定位置から、第二搬送装置(30)上方の搬送路へ前進させることができる。
【0019】
図3(a)〜(e)は、大型ガラス基板(B)の搬送、移載、固定のステップを示す説明図である。大型ガラス基板(B)の搬送、移載、固定、及び表面への加工は以下のようにして行われる。
図3(a)に示すように、第一搬送装置(10)上方の搬送路にある大型ガラス基板(B)を白太矢印で示す搬送方向、加工装置の下部(20)の上方の定位置に前進させる(図3(b))。次に、定盤(23)からの加圧空気の吹き出しを停止して、大型ガラス基板(B)を定盤(23)上に載置し、点線矢印で示すように、定盤(多孔質板)(23)の小孔から大型ガラス基板(B)の下面を吸引し大型ガラス基板(B)を固定する(図3(c))。
【0020】
この状態で、大型ガラス基板(B)の表面への加工が施される。大型ガラス基板(B)の表面への加工が終了した後に、大型ガラス基板(B)の下面の吸引を停止し、定盤(23)からの加圧空気の吹き出しを行って、再び大型ガラス基板(B)を搬送路に浮上させる(図3(d))。
次に、加工装置の下部(20)の上方の搬送路にある大型ガラス基板(B)を、第二搬送装置(30)上方の搬送路へ前進させる(図3(e))。
【0021】
上記のように、本発明による大型基板の搬送方法は、搬送手段としてベルトコンベア、ローラコンベアなどを用いずに、また、移載手段として移載用ロボットを用いずに大型基板を搬送、移載、固定する方法であるので、本発明によれば、例えば、大型ガラス基板が更に大型化し、1400mm×1700mm程度の大型ガラス基板であっても、コンベア、ロボットのアームなどと接触することはなく、大型ガラス基板に傷が付くことはない。
また、本発明による大型基板の搬送方法は、移載用ロボットを用いずに移載する方法であるので、大型ガラス基板の移載時間は大幅に短縮され、更に、移載用ロボットの占めるスペースが大幅に減少させることができる。
【0022】
図4は、搬送路にある大型ガラス基板を搬送方法に前進させる他の方法の概念を示す説明図である。図4は、搬送装置の部分を表している。
この搬送装置は、点線で示す搬送路の下方に設けられており、多孔質板(43)、搬送方法に配列された複数のチャンバー(42)、複数のチャンバーの各々に接続した導管(41)、制御バルブ(44)で構成されている。
【0023】
大型ガラス基板(B)の後端部(D)に対応した位置にあるチャンバーを(42(n))、前端部(E)に対応した位置にあるチャンバーを(42(n+m))とすると、大型ガラス基板(B)の後端部(D)に対応した位置にあるチャンバー(42(n))から吹き出す空気圧を、前端部(E)に対応した位置にあるチャンバー(42(n+m))から吹き出す空気圧より大きくすることによって、大型ガラス基板(B)は白太矢印で示す搬送方法に前進する。
【0024】
吹き出す空気圧をチャンバー(42(n))→チャンバー(42(n+1))→チャンバー(42(n+2))→・・・と順次に切り替えて大きくすることによって、大型ガラス基板(B)を連続して前進させることができる。
図4においては、チャンバー(42(n))に接続した制御バルブ(44(n))を全開し、チャンバー(42(n))からの空気圧を大きなものとし、チャンバー(42(n+m))に接続した制御バルブ(44(n+m))を絞り、チャンバー(42(n+m))からの空気圧を小さなものとし、この間(チャンバー(42(n))〜 チャンバー(42(n+m)))のチャンバーから吹き出す空気圧に傾斜をもたせた例を示したものである。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、搬送路下方に設けられた多孔質板から吹き出す空気圧によって大型基板を浮上させ、例えば、大型基板の後端部に吹き出す空気圧を前端部に吹き出す空気圧より大きくして搬送方向に前進させる大型基板の搬送方法であるので、大型ガラス基板に表面加工を施す製造工程において、大型ガラス基板を搬送、移載、固定する際に、大型ガラス基板が更に大型化しても、コンベア、ロボットのアームなどとの接触によって大型ガラス基板に傷が付くことのない、また、大型ガラス基板の移載時間が短縮され、更には、移載用ロボットの占めるスペースを減少させることのできる大型基板の搬送方法となる。
【0026】
また、本発明は、多孔質板で構成される定盤上方の搬送路に多孔質板から吹き出す空気圧によって浮上している大型基板を、該定盤上に固定する際に、多孔質板からの空気の吹き出しを停止して大型基板を定盤上に移載し、多孔質板からの空気の吸引によって大型基板を固定する大型基板の固定方法であるので、大型ガラス基板に表面加工を施す製造工程において、大型ガラス基板を搬送、移載、固定する際に、大型ガラス基板が更に大型化しても、コンベア、ロボットのアームなどとの接触によって大型ガラス基板に傷が付くことのない、また、大型ガラス基板の移載時間が短縮され、更には、移載用ロボットの占めるスペースを減少させることのできる大型基板の固定方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大型ガラス基板の表面に加工が施される場合の、大型ガラス基板の搬送、移載、固定の一例を側面で示す説明図である。
【図2】本発明による大型基板の搬送方法における搬送、移載、固定の概念を示す説明図である。
【図3】(a)〜(e)は、大型ガラス基板の搬送、移載、固定のステップを示す説明図である。
【図4】搬送路にある大型ガラス基板を搬送方法に前進させる他の方法の概念を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・第一搬送装置
11、21、31、41・・・導管
12、22、32、42・・・チャンバー
13、33、43・・・多孔質板
20・・・加工装置の下部
23・・・定盤
24・・・切り替え弁
30・・・第二搬送装置
44・・・制御バルブ
42(n)・・・後端部に対応した位置にあるチャンバー
42(n+m)・・・前端部に対応した位置にあるチャンバー
A・・・加工装置のステージ
B・・・大型ガラス基板
C1・・・第一ベルトコンベア
C2・・・第二ベルトコンベア
D・・・大型ガラス基板の後端部
E・・・大型ガラス基板の前端部
R1・・・第一移載用ロボット
R2・・・第二移載用ロボット
W1、W2・・・移載用ロボットの占めるスペース
a・・・アーム
b・・・定盤
Claims (4)
- 大型基板の搬送方法であって、搬送路下方に設けられた多孔質板から吹き出す空気圧によって大型基板を浮上させながら搬送方向に前進させて搬送することを特徴とする大型基板の搬送方法。
- 前記搬送方向に前進させる際に、エアーシリンダーを用いて大型基板の後端部を押して前進させることを特徴とする請求項1記載の大型基板の搬送方法。
- 前記搬送方向に前進させる際に、大型基板の後端部に吹き出す空気圧を前端部に吹き出す空気圧より大きくして前進させることを特徴とする請求項1記載の大型基板の搬送方法。
- 大型基板の固定方法であって、多孔質板で構成される定盤上方の搬送路に多孔質板から吹き出す空気圧によって浮上している大型基板を、該定盤上に固定する際に、多孔質板からの空気の吹き出しを停止して大型基板を定盤上に移載し、多孔質板からの空気の吸引によって大型基板を固定することを特徴とする大型基板の固定方法。
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JP2002349601A JP2004182378A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 大型基板の搬送方法及び固定方法 |
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