JP2005340425A - 真空処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 真空処理室20、22、24と、基板キャリアと、L/UL室14とを具備した縦型真空処理装置10において、L/UL室14内及び真空処理室20、22、24内に、往路16、復路18の2つの搬送経路を設けるとともに、基板キャリアをこれらの搬送経路16、18に対して横移動させて、往路となる第1の搬送経路16から、復路となる第2の搬送経路18に移載する移載機構を備えている構成とした。
この場合、2つの搬送経路16、18の間に加熱装置を取り付け、最後部の真空処理室24に移載機構を備えるようにすると、一層、省スペース化、低コスト化が可能になる。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に開示の基板を水平状態で成膜する成膜装置では、後述するように、基板が大型化すると、それに伴って装置も大型化するという問題を備えているために、近年では、基板を略直立させて成膜等を行う縦型方式の真空処理装置が開発されている。
先ず、従来例1として、大型基板用縦型方式の真空処理装置について図5を用いて説明する。
図5は、従来例1の大型基板用縦型方式の縦型真空処理装置の外観構成を示す一部裁断斜視図である。
なお、トラバーサー室150では、基板取出室140から取り出された基板キャリア40をリターンコンベア160に移載する移載機構(図示せず)を備えている。
また、基板仕込室120、各真空処理室130、132、134、基板取出室140には、それぞれ真空排気装置が取り付けられているが、図5では、その図示は省略している。
先ず、基板着脱室110では、基板移載機構112が、横積みにストックされた基板30を取り込み、基板30を垂直に直立させて、回転機構114上の基板キャリア40の基板保持トレイ42に載せ替える。
基板キャリア40は、基板30を移載された後は、基板保持トレイ42に基板30を略直立させて固定保持し、その後、回転機構114により基板仕込室120方向に方向転換され、基板仕込室120に平行に搬入される。
また、後述するように、基板着脱室110では、真空処理された基板30を載置した基板キャリア40が、リターンコンベア160から搬送されて来るので、この基板30を基板キャリア40から取り外す。
基板30が取り外された基板キャリア40は、次の基板30の搬送に利用される。
また、横置きの場合は、基板の自重による撓みが生じ平坦性を保持することが難しく、均一な成膜が困難となるためである。
これは、基板30の膜厚が、0.5mm乃至5mm程度で、基板30の大きさに比較して薄く、垂直に載置した場合は、挫屈する恐れがあるため、基板30を安定に保持し、平坦性を確保する趣旨である。
この際、基板仕込室120は、第1の真空処理室130とのゲートが閉じられた後に、大気圧に開放されるため、第1の真空処理室130の高真空は保たれる。
この搬送経路について、簡単にその一例を補足説明すると、この搬送経路は1対のレールからなり、基板キャリア40はその底部に設けられた複数対の車輪によってこのレール上を移動する。
以下、第1の真空処理室130を、具体的に「加熱室」と呼ぶ場合がある。
加熱室130で基板30が所望の温度まで加熱されると、第2の真空処理室132とのゲートが開かれ、基板キャリア40は第2の真空処理室132に搬出され、加熱室130には次の基板キャリア40が搬入される。
なお、第2及び第3の真空処理室132、134を、具体的に「成膜室」と呼ぶ場合がある。
また、この従来例1の真空処理装置100では、成膜室132、134における成膜工程は基板キャリア40を固定静止させて成膜を行う固定成膜方式を採用している。
基板取出室140が大気圧に戻ると、成膜処理が終了した基板30を載置した基板キャリア40は、トラバーサー室150に退室する。
この際、基板取出室140は、第3の真空処理室134とのゲートが閉じられてから大気圧に開放されるために、第3の真空処理室134の高真空は保たれる。
一方、インライン式の真空処理装置では、基板仕込室と基板取出室が真空排気と大気圧開放が繰り返されるが、真空処理室は、真空処理装置の稼働時は、常時高真空に保持されながら真空処理を行う特徴を有している。
図6は、従来例2の大型基板用の縦型方式の真空処理装置の概略構成を示す平面図である。
なお、基板キャリア40については、図の煩雑化を避けるために、図示を省略している。
なお、基板キャリア40を大気側と真空処理室130、132、134間で搬入、搬出する予備室210については、以下、単に「予備室」、「ロード/アンロード室」、簡単に「L/UL室」という場合がある。
L/UL室210と、各真空処理室130、132、134には、真空排気装置50がそれぞれ取り付けられている。
一方、L/UL室210は、大気圧に開放された状態で、入り口ゲートを開き、基板着脱室110と基板キャリア40の仕込みと取り出しを行う。
また、L/UL室210は真空排気装置50により高真空状態となってから、第1の真空処理室130とのゲートを開き、基板キャリア40を搬出し、また、第1の真空処理室130から基板キャリア40を搬入させるので、各真空処理室130、132、134は、従来例1と同じく、真空処理装置200の稼働中は、常時、高真空が保持される。
退出した基板キャリア40は、この回転リターン室220で180°方向転換されてから、第3の真空処理室134内に設けられた復路となる搬送経路232に移載され、L/UL室210まで搬送される
最終的に、真空処理された基板30は、基板着脱室110で基板キャリア40から取り外される。
回転リターン室220は真空に維持され、従って、基板キャリア40は真空下で、L/UL室210まで、復路232を搬送されることになる。
また、大気圧開放と真空排気を繰り返す基板仕込室120と基板取出室140の双方が必要で、この双方に真空排気装置を取り付ける必要がある。
図5に示すように、従来例1では、リターンコンベア160や基板取出室140、トラバーサー室150の設置スペースが必要なほか、真空処理室130、132、134とリターンコンベア160には所定の間隔を設けなければならず、装置100全体の設置スペースが大きくなるという問題を抱えている。
また、従来例1の真空処理装置100では、上述したように、様々な構成点数が多く、装置の製作コストが増大するという問題も備えている。
(1)請求項1に記載したように構成すると、構成点数が少なく、装置全体がスリム化するので、大幅に省スペース化、低コスト化した真空処理装置とすることができる。
先ず、本発明の真空処理装置の第1の実施の形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本発明の真空処理装置の第1の実施の形態を示す平面図である。
図2は、本発明の真空処理装置の第1の実施の形態に用いる真空処理室の概略構造を示す平面図である。
図3は、本発明の真空処理装置の第1の実施の形態に用いる移載機構を備えた真空処理室の概略構造を示す平面図である。
図1に示すように、本実施の形態の真空処理装置10は、基板着脱室12、L/UL室14、1ライン上に連結された第1乃至第3の3つの真空処理室20、22、24、基板キャリア40と、この基板キャリア40を大気側と真空処理室20、22、24間で搬入、搬出する予備室14とを備えた構成である。
なお、基板キャリア40を大気側と真空処理室20、22、24間で搬入、搬出する予備室14については、従来例2で説明したと同様に、以下、単に「予備室」、「ロード/アンロード室」、簡単に「L/UL室」という場合がある。
更に、本実施の形態の真空処理装置10は、最後部の第3の真空処理室24が、基板キャリア40を往路16から復路18に、2つの搬送経路16、18に対して横方向に移動させて移載する移載機構(図示せず)を備えている。
図示による説明は省略するが、この移載機構は、往路16上の基板キャリア40を一旦持ち上げ、復路18に移載する機構を有している。
なお、L/UL室14には真空排気装置50が、各真空処理室20、22、24には、スパッタリング装置等の成膜装置21、23、25及び真空排気装置50がそれぞれ取り付けられている。
ここで、基板着脱室12、L/UL室14、各真空処理室20、22、24、基板キャリア40の基本構成及び機能は、従来例1及び2で説明したのと同様である。
また、基板キャリア40の各搬送経路16、18は、従来例1で説明したようにそれぞれ2本のレールが敷設され、このレール上を基板キャリア40は車輪で移動し、基板キャリア40側に取り付けたラックに、L/UL室14や各真空処理室20、22、24側に設けられたピニオンギヤを噛み合わせて、モーターの駆動力を伝達される。
先ず、基板30の大きさが1m級以上の大型基板であり、従来例1及び2同様に、各複数の真空処理室20、22、24においてこの大型基板30を垂直面に対してわずかに傾斜させて、略直立させた状態で真空処理を行う縦型方式とする。
次に、基板30に成膜加工する際は、基板キャリア40を静止固定して成膜する固定成膜方式とする。
また、往路16を加熱搬送工程とし、復路18を成膜工程とする復路成膜方式とする。
なお、図面の煩雑化を避けるために、図1では、基板キャリア40と加熱装置32の図示を省略している。
図5と同様に、基板着脱室12において基板30を取り込んで、この基板30を基板保持トレイ42に略直立に保持した基板キャリア40は、往路となる第1の搬送経路16によりL/UL室14に入室し、L/UL室14が真空排気装置50により高真空状態に排気されてから、第1の真空処理室20に搬送される。
ここで、第1の搬送経路16と第2の搬送経路18の間には、図2に示すように、加熱装置32が取り付けられており、基板30は往路16搬送中は成膜処理されず、所望の温度まで加熱される。
従って、これにより、従来例とは異なり、加熱室を別途設けることが不要となる。
これにより、従来例1及び2とは異なり、トラバーサー室150や回転リターン室220が不要となる(図5、図6参照)。
また、成膜処理後はL/UL室14に搬出され、真空処理された基板30は、最終的には、基板着脱室110で、基板キャリア40から取り外される。
従って、本実施の形態の真空処理装置10では、基板キャリア40は、第3の真空処理室24からL/UL室14まで、その内部に設けられた復路となる第2の搬送経路18を高真空下で成膜処理されながら送り返されてくるので、第1の従来例とは異なり、リターンコンベア160が不要となる。
次に、本発明の真空処理装置の第2の実施の形態について、図4を用い、図1、図5及び図6を参照して説明する。
図4は、本発明の真空処理装置の第2の実施の形態を示す平面図である。
なお、説明の便宜上、基板キャリアの図示は省略し、また、第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付して、その説明は省略している。
更に、本実施の形態の真空処理装置60は、最後部の第3の真空処理室24が、基板キャリア40を往路64から復路66に、この2つの搬送経路64、66に対して横方向に移動させて移載する移載機構(図示せず)を備えている。
L/UL室におけるこの作業時間が各真空処理室における真空処理に要する加工時間よりも大幅に長い場合は、L/UL室が単数の場合は、基板キャリア40の真空処理室への仕込みに手間取り、各真空処理室では真空処理が行えないブランクタイムが生じ、生産効率が低下するという問題が生じる。
例えば、上記各実施の形態では、真空処理室が3室の例で説明したが、この数に限定されず、例えば単層膜成形で真空処理室が単数の場合、或いは、3以外の複数個の真空処理室である場合でも、本発明が適用できるのはもちろんのことである。
また、上記実施の形態では、復路成膜方式のもので説明したが、基板を高温加熱する往路成膜方式でも、本発明と同様の効果が得られ、本発明の範囲内に含まれる。
また、基板キャリアの搬送経路は、基板キャリアが2本のレール上を、ラックに、ピニオンギヤを噛み合わせて搬送される構成で説明したが、搬送経路は、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
例えば、レール上を基板キャリアに付属する車輪で走行するのではなく、真空処理室内に取り付けられたローラー上に基板キャリアが乗って移動する構成のものもある。
しかし、例えば、一つの成膜工程の膜厚が厚く、成膜時間が極端に長く、他の真空処理室において、長時間、真空処理が行えないブランクタイムが生じる場合が想定される。
この場合は、生産性を向上させるために、この成膜工程を2以上に分割して、同じ成膜処理を行う成膜室を2以上連結して対応する事態も想定しうる。
従って、本発明には、各成膜室がそれぞれ異なる成膜処理を行う場合や、また、同じ成膜処理を行う複数の成膜室を有する場合の双方のケースが含まれる。
14、14A、14B:ロード/アンロード室(予備室)
16、64:第1の搬送経路(往路)
18、66:第2の搬送経路(復路)
20、22、24:真空処理室
30:基板
32:加熱装置
40:基板キャリア
62:基板キャリア貯蔵室
Claims (10)
- 基板を真空処理する真空処理室と、前記基板を載置して搬送する基板キャリアと、前記基板を載置した基板キャリアを大気側と前記真空処理室間で搬入、搬出する予備室とを具備し、前記基板を略直立させた状態で真空処理を行う縦型方式の真空処理装置において、
前記予備室内及び前記真空処理室内には、前記基板キャリアが、前記予備室から前記真空処理室に搬送される往路となる第1の搬送経路と、
前記基板キャリアが、前記真空処理室から前記予備室に搬送される復路となる第2の搬送経路の2つの搬送経路がそれぞれ設けられるとともに、
前記基板キャリアを前記搬送経路に対して横移動させて、前記往路となる第1の搬送経路から、前記復路となる第2の搬送経路に移載する移載機構を備えていることを特徴とする真空処理装置。 - 基板を真空処理する真空処理室と、前記基板を載置して搬送する基板キャリアと、前記基板を載置した前記基板キャリアを大気側と前記真空処理室間で搬入、搬出する予備室を2以上有し、前記真空処理室と前記予備室の間に設置され、前記真空処理室に搬入される基板キャリア、及び、前記予備室に搬出される基板キャリアを貯蔵する基板キャリア貯蔵室とを具備し、前記基板を略直立させた状態で真空処理を行う縦型方式の真空処理装置において、
前記真空処理室内には、前記基板キャリアが、前記基板キャリア貯蔵室から前記真空処理室に搬送される往路となる第1の搬送経路と、
前記真空処理室から前記基板キャリア貯蔵室に搬送される復路となる第2の搬送経路の2つの搬送経路が設けられるとともに、
前記基板キャリアを前記搬送経路に対して横移動させて、前記往路となる第1の搬送経路から、前記復路となる第2の搬送経路に移載する移載機構を備えていることを特徴とする真空処理装置。 - 上記基板に成膜加工する際は、基板キャリアを静止固定して成膜する固定成膜方式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空処理装置。
- 上記基板キャリアの基板保持トレイの片面に上記基板を保持し、当該基板の片面のみを成膜処理する片面成膜方式としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記真空処理室のいずれか少なくとも1つが、上記移載機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記真空処理室の中で、最後部の真空処理室が上記移載機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記真空処理室の中で、最後部の真空処理室の下流側に移載機構を備えた移載室を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記第1の搬送経路と、上記第2の搬送経路との間に、基板を所望の温度に加熱する加熱装置を取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記真空処理装置において、往路を加熱搬送工程とし、復路を成膜工程とする復路成膜方式としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の真空処理装置。
- 上記真空処理装置において、往路を成膜工程とし、復路を放熱搬送工程とする往路成膜方式としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の真空処理装置。
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