JP2004181323A - 灰処理システムの操業方法及び灰処理システム - Google Patents

灰処理システムの操業方法及び灰処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】焼却灰中の重金属類の含有率を飛躍的に減少させることによって、焼却灰の無害化処理が可能な灰処理システムの操業方法及びその灰処理システムを提供する。
【解決手段】廃棄物焼却炉60から排出される焼却灰の処理を行う灰処理システムの操業方法及び灰処理システムであって、廃棄物焼却炉60から導出された塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉8内に導入し、該灰処理炉8内の焼却灰中に含まれる重金属類を塩化物として揮散させる。
ここで、前記灰処理炉内の灰温度は700℃以上に加熱することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却炉から排出された焼却灰の処理を行う灰処理システムの操業方法及び灰処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミ、下水汚泥、し尿汚泥、可燃性産業廃棄物等(以下、総称して「廃棄物」という。)を焼却炉で焼却処分する場合、焼却炉から排出された焼却灰は従来埋め立て処分されていた。しかし、埋め立て処分地確保の問題、及び、埋め立て処分された焼却灰に含まれるダイオキシン類、重金属類などの有害物質による土壌汚染や地下水汚染等の環境に与える影響等が大きな社会問題となっている。
【0003】
このような問題に対して、焼却炉から排出された焼却灰を無害化・減容化処理する方法が種々提案されている。この焼却灰を無害化・減容化処理する方法としては、例えば、特開平11−267601号公報(特許文献1)には、灰溶融炉を用いて焼却灰を溶融して減容化を図ると共に焼却灰から重金属類を揮散させる方法が開示されている。また、特開平7−39846号公報(特許文献2)及び特開2000−1346号公報(特許文献3)には、安定化処理処理薬剤を用いて重金属類を安定化処理して無害化する方法等が開示されている。
【0004】
さらに、特開2000−199620号公報(特許文献4)には、廃棄物焼却炉と灰熱処理炉とを直結させた廃棄物焼却・熱処理炉を用いて、焼却炉内で生成した未燃ガスの一部と、高温空気や酸素冨化空気のように反応性の高い酸化剤とを灰熱処理炉内に旋回吹き込みすることにより、焼却灰を連続的に熱処理する方法が開示されている。ここでは、特に灰熱処理炉中の温度をダイオキシンの分解温度以上とし、かつ灰の溶融点以下の温度にすることにより、灰の溶融・固化に起因する問題を起こさず、ダイオキシン類を分解し、有害な重金属類を揮散させることができるとしている。
【0005】
なお、上述の方法により無害化・減容化処理された焼却灰は、安全なスラグとして路盤材などに有効利用される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−267601号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−39846号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−1346号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2000−199620号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
焼却灰中の重金属類を揮散させるには、焼却灰中に含まれる重金属類やその化合物の沸点以上の温度に焼却灰を加熱すればよいが、重金属類がそのままの形態では沸点が高く揮散させるのは困難である。
【0011】
廃棄物焼却炉の燃焼室で廃棄物が燃焼する際には、鉛などの重金属類は溶融しており、それらの一部は廃棄物中に含まれるプラスチックの熱分解によって発生する塩化水素(HCl)と反応して重金属類の塩化物を生成する。重金属類の塩化物は、その重金属類の単体に比べて沸点が低いため、燃焼室内で生成された重金属類の塩化物は比較的容易に揮散する。
【0012】
しかし、燃焼中の廃棄物層内で溶融した重金属類は比重が大きいので下層に移動している。それに対し、発生した塩化水素ガスは炉内を上昇するため、重金属類との塩化反応が十分に進まず、重金属類がそのままの形態で灰中に残存する場合がある。
【0013】
このような場合、上述の特許文献1及び4に記載された処理方法では、焼却灰中に残存する重金属類の沸点が高いため、特に鉛はその沸点が1750℃と高く、揮散させることが困難となる。そのため、灰溶融炉或いは灰処理炉から排出されたスラブ又は処理灰中の重金属類の含有率や溶出量が目標基準以下に達しないことがある。
【0014】
この場合には、上述の特許文献2及び3に記載されているように、焼却灰に安定化処理薬剤を混練して重金属類の溶出を防止する無害化処理が必要となるが、処理コストが嵩むという問題がある。
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、焼却灰中の重金属類の含有率を飛躍的に減少させることによって、焼却灰の無害化処理が可能な灰処理システムの操業方法及びその灰処理システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0017】
請求項1の発明は、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の処理を行う灰処理システムの操業方法であって、廃棄物焼却炉から導出された塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉内に導入し、該灰処理炉内の焼却灰中に含まれる重金属類を塩化物として揮散させることを特徴とする灰処理システムの操業方法である。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1において、灰処理炉内の灰温度を700℃以上に加熱することを特徴とする灰処理システムの操業方法である。
【0019】
請求項3の発明は、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の処理を行う灰処理炉と、廃棄物焼却炉から導出される塩化水素を含む燃焼排ガスを前記灰処理炉に導入する排ガス供給手段とを備えたことを特徴とする灰処理システムである。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3において、灰処理炉が廃棄物焼却炉に連設されていることを特徴とする灰処理システムである。
【0021】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4において、排ガス供給手段が、廃棄物焼却炉の燃焼室から抜き出した塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉に導入するものであることを特徴とする灰処理システムである。
【0022】
請求項6の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれかにおいて、排ガス供給手段が、除塵手段を備えたことを特徴とする灰処理システムである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る灰処理システムの一実施形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る灰処理システムを備えた廃棄物処理設備の一実施形態を示す概略側断面図である。
【0025】
図1に示す廃棄物処理設備は、廃熱ボイラ12を備えた廃棄物焼却炉60(火格子式の二回流炉)に、廃棄物焼却炉60の燃焼室3から排出される焼却灰の処理を行う灰処理炉8を連設して一体構成としたものである。ここで、前記灰処理炉8としては、特にその形式が限定されるものではないが、例えば回転キルン式、固定床式等の溶融炉或いは加熱炉を用いることができる。なお、図1では、廃棄物焼却炉60に灰処理炉8を連設して一体構成とした場合について示しているが、前記灰処理炉8が独立した炉として設置されている場合も同様に本発明を適用することができる。
【0026】
図1において、ホッパ1に投入された廃棄物2は、燃焼室3内で火格子下から供給される燃焼用空気と炉内の輻射熱により着火し燃焼する。前記火格子(ストーカ)は、ホッパ1から遠ざかるに従って下がるように傾斜して設けられている。この火格子には2つの段差が形成されており、3つの部分に分かれる。この3つの火格子を、ホッパ1に近い方から、乾燥ストーカ25、燃焼ストーカ26、後燃焼ストーカ27と呼んでいる。乾燥ストーカ25では主として廃棄物2の乾燥と着火が行われる。燃焼ストーカ26では主として廃棄物2の燃焼が行われるが、廃棄物2は燃焼すると共に熱分解し、可燃性ガスを放出する。燃焼ストーカ26において廃棄物2の燃焼は実質的に完了する。後燃焼ストーカ27上では、僅かに残った廃棄物2中の未燃分を完全に燃焼させる。
【0027】
ホッパ1と反対側の燃焼室3の下方及び上方には、主煙道20と副煙道21が設けられ、これらには、廃熱ボイラ12の二次燃焼領域17が接続して設けられている。そして、燃焼室3内には、燃焼室3の出口近傍に、燃焼ガスを分流するための障壁(中間天井)11が設けられ、燃焼ガスの流れを主煙道20と副煙道21に分流している。前記主煙道20と副煙道21に分流され燃焼室3から排出される可燃性ガスと燃焼ガスは、廃熱ボイラ12に導かれそこで混合・攪拌される。この混合・攪拌された可燃性ガスは、廃熱ボイラ12の一部である二次燃焼領域17内で二次燃焼し、この二次燃焼により発生した燃焼排ガスは廃熱ボイラ12で熱回収される。熱回収された後、廃熱ボイラ12から排出された燃焼排ガスは、ダクト14を通って除塵装置16に送られ、そこで前記燃焼排ガス中に含まれる飛灰の回収が行われる。前記除塵装置16で除塵された後の前記燃焼排ガスは、誘引ファン18により誘引され、煙突19から大気中に放出される。なお、前記除塵装置16としては、例えば、バグフィルター方式、サイクロン方式、電気集塵方式等の除塵装置を用いることができる。
【0028】
前記後燃焼ストーカ27上での燃焼後に残った焼却灰4は、連通路5を通過し、熱処理不適物検出・除去部6に入る。熱処理不適物検出・除去部6には、熱処理不適物の検出器と、検出された熱処理不適物を炉外に排出する装置が設けられている。熱処理不適物検出・除去部の代わりに格子や篩など機械的選別手段により熱処理不適物を選別除去してもよい。熱処理不適物を除去された焼却灰4は、格子7を通って灰処理炉8に供給され、灰処理炉8内では、ガス吹き込み口30から吹き込まれる燃料と空気の混合気体の燃焼熱、焼却灰中の未燃物の燃焼熱、及び、炉内の輻射熱により焼却灰が加熱され無害化処理された後、無害な処理灰あるいはスラグとなって処理灰排出用シュート15から炉外に排出される。
【0029】
ここで、前記灰処理炉8に設けられたガス吹き込み口30からは燃料と空気の混合気体が、高速で灰処理炉8内に吹き込まれている。なお、前記燃料としては廃棄物焼却炉内で発生した可燃性ガス(焼却炉内可燃性ガス)を用いてもよい。
また、前記混合気体の吹き込み方向は、灰処理炉8の内壁の接線方向とすることが好ましい。吹き込み方向を灰処理炉8の内壁の接線方向とすることで、吹き込まれた混合気体により、灰処理炉8内で旋回火炎又は管状火炎が生成される。
【0030】
また、灯油等の液体燃料と空気を二流体噴霧ノズルを用いて灰処理炉内に吹込み火炎を形成し焼却灰を加熱してもよい。
【0031】
よって、これらの火炎からの輻射又は直接伝熱により焼却灰が加熱され、また炉の内壁がほぼ均一に加熱される。従って、ダストやスラグの部分固化、あるいは内壁の過熱による焼損トラブルが抑制される。さらに、灰処理炉内の旋回流の遠心効果により、気流中の焼却灰やダストが内壁表層部で捕集されるため、灰処理炉から下流へのダストの飛散が抑制される。
【0032】
なお、図1に示すように、灰処理炉8を回転キルン式とし、下流側に向けて下向きに傾斜させることで、たとえ焼却灰中に処理不適物が介在した場合でも、これらを炉内に滞留させることなく、焼却灰を強制的に下流側に搬送することができる。さらに、灰処理炉の内壁に付着したダストがある程度の大きさになると自重で離脱して下流側に搬送されるため、灰熱処理炉内の清掃は不要となり、省力化が実現できると共に、システムの稼働率を高めることができる。
【0033】
ここで、焼却炉の燃焼室3と灰処理炉8とが連設された構成となっているため、燃焼室3から排出された高温の焼却灰が冷却されずに灰処理炉8内に導かれるので、熱効率が高くなる。なお、前記格子7の部分には、焼却灰4を灰処理炉8内に供給するための押出し機、或いはスクリューフィーダー等の供給機構や、焼却灰4の灰処理炉8への供給量を制御するための装置等を設けてもよい。
【0034】
また、前記熱処理不適物検出・除去部6と灰処理炉8との間には、廃棄物焼却炉の燃焼室3側から灰処理炉8側に燃焼排ガスが流れ込むのを防止するために調整ダンパ9を設けることが好ましい。なお、前記調整ダンパ9を設ける代わりに、灰処理炉8の上流側の連通路5に常時焼却灰4を満たすように運転し、マテリアルシールとして燃焼室3側から燃焼排ガスが灰処理炉8側に流れ込むのを防止するようにしてもよい。
【0035】
このような設備構成において、本発明に係る灰処理システムは、廃棄物焼却炉60から導出される塩化水素を含む燃焼排ガスを前記灰処理炉8に導入する排ガス供給手段22を備えるものである。
【0036】
ここで、前記排ガス供給手段22は、廃棄物焼却炉60の燃焼室3内から抜き出した塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉8内に導入するものであることが好ましい。さらに、前記燃焼室3内の塩化水素を含む燃焼排ガスを抜き出す領域としては、燃焼ストーカ26の上方空間である主燃焼領域の上方、或いは、二回流炉の場合には副煙道21の入口付近とすることが好ましい。
【0037】
燃焼室3内の当該領域の燃焼排ガス中には、廃棄物中に含まれるプラスチック類の熱分解により発生する塩化水素が含まれており、その含有濃度は数100から1000ppm程度となる。
【0038】
前記燃焼室3の側壁部或いは天井部に設けられたガス抜き出し口22aから抜き出された燃焼室3内の燃焼排ガスは配管22bを通って灰処理炉8に設けられた燃焼排ガス導入口22dから灰処理炉8内に導入される。燃焼排ガス導入口22dを灰処理炉8の炉尻部に設け、前記燃焼排ガスの流れが焼却灰4の移動方向に対向するようにして、焼却灰4と燃焼排ガスとの接触時間を十分に保つようにすることが好ましい。図1に示すように灰処理炉8を回転キルン炉とすることにより、焼却灰4が炉内で攪拌され、また炉内での滞留時間を長くできるので、焼却灰4と燃焼排ガスとの接触時間を十分に保つようにすることができる。
【0039】
また、前記燃焼排ガスは配管22bの途中に設けたエゼクタ22cにより灰処理炉8内に導入するようにすることが好ましい。ブロワを用いる代わりにエゼクタ22cを用いることにより、ブロワに対する燃焼排ガス中に含まれる塩化水素等の腐食性ガスによる腐食対策が不要となり、さらに、ダストによるトラブルを回避することも可能となる。
【0040】
灰処理炉8内に塩化水素を含む燃焼排ガスを導入することにより、処理灰中に残存する重金属類と燃焼排ガス中に含まれる塩化水素とが反応して重金属類の塩化物を生成する。上述したように重金属類の塩化物は比較的融点が低いので、灰処理炉8内での加熱により容易に揮散し、焼却灰中の重金属類の含有率を著しく減少させる。なお、灰処理炉8内で焼却灰を攪拌させると重金属類と塩化水素の反応が促進されるのでより好ましい。
【0041】
また、灰処理炉8内に導入する燃焼排ガスは、含有する酸素濃度が低いものであることが望ましい。これは、灰処理炉8内では還元性の度合い(酸素欠乏の度合い)が増すにしたがって、焼却灰中の重金属類は酸化されずに塩化物への反応が促進されるためである。このため、廃棄物焼却炉から導出された燃焼排ガスを用いることは、焼却灰中の重金属類の塩化物への反応を促進させるという観点からも好ましい。例えば、都市ごみ焼却炉において、低空気比燃焼を行った場合、炉内で発生する燃焼排ガス中の酸素濃度は約5〜8%であり、空気に塩化水素を添加して吹き込んだ場合よりも還元性の度合いが増すため、重金属類の塩化物への反応が効果的に行われる。
【0042】
さらに、燃焼室3内から抜き出された燃焼排ガスには、廃棄物が熱分解するときに発生する可燃性ガスが含まれるので、灰処理炉8内を加熱する燃料としても利用できる。また、燃焼室3内から抜き出された燃焼排ガスは温度が800〜1150℃と高温であるので、灰処理炉8内に導入することにより灰処理炉8内の雰囲気温度を高くすることができる。
【0043】
また、前記排ガス供給手段22は、廃熱ボイラ12から排出され、除塵装置16で除塵された後の燃焼排ガスの一部を前記灰処理炉8内に導入するものであることが好ましい。除塵装置16で除塵された後の燃焼排ガス中にも塩化水素が含まれているため、前記燃焼室3内から抜き出した燃焼排ガス同様に、焼却灰中に含まれる重金属類を塩化物化させ揮散させる効果を有する。
【0044】
この場合、前記燃焼排ガスは除塵されているので、この燃焼排ガスを灰処理炉8に導入する配管22eがダストにより閉塞する等のダストトラブルが生じることを防止できる。なお、前記除塵装置16で除塵された後の燃焼排ガスを灰処理炉8内に導入する配管22eは、配管内で塩化水素等が結露して配管の腐食を生じないように結露温度以上に保温しておく必要がある。前記保温する方法としては、例えば、前記配管22eを保温材で覆う方法、配管22eにヒータを巻きつける方法等を用いることができる。
【0045】
また、除塵装置16で除塵された後の燃焼排ガスの一部を分岐して灰処理炉8内に燃焼排ガスを導入する配管22eには、上述の燃焼室3内から抜き出した燃焼排ガスを灰処理炉8内に導入する配管22bの場合と同様に、エゼクタ22fを設けて燃焼排ガスを灰処理炉8内に導入するようにすることが好ましい。
【0046】
上述の場合において、灰処理炉8内の焼却灰の温度は700℃以上、より好ましくは950℃以上に加熱することが好ましい。700℃未満では重金属類の塩化物の蒸気圧が低すぎ、焼却灰中からの揮散が十分に行われないおそれがあるからである。また灰処理炉8内の焼却灰の温度を700℃以上にすることにより、ダイオキシン類の揮散、分解が行われ、ダイオキシン類を含まない無害な処理灰とすることもできる。これにより、灰処理炉8から排出される処理灰の無害化が図られ、排出された処理灰を有効利用することが可能となる。
【0047】
なお、表1に、焼却灰中に含まれる主な重金属類の塩化物の融点及び沸点(または昇華点)を示しておく。
【0048】
【表1】
Figure 2004181323
【0049】
ここで、灰処理炉8内の焼却灰の温度を700℃以上、より好ましくは950℃以上に加熱するために、灰処理炉8内の温度は、非溶融処理の場合には少なくとも1000℃以上、望ましくは1100℃以上、溶融処理の場合には少なくとも1300℃以上、望ましくは1400℃以上に制御することが好ましい。
【0050】
また、灰を非溶融処理する場合には、灰処理炉8内の温度を焼却灰の溶融温度以下に制御する必要がある。灰処理炉8内の温度を焼却灰の溶融温度以下に抑えることにより、灰処理炉8内での灰やダストの溶着・固化によるトラブルを回避することが可能となる。
【0051】
前記焼却灰の溶融温度は、焼却灰中の成分組成(焼却灰の種類)により異なるが、一般に1200〜1400℃程度である。そのため、前記灰処理炉8内の温度としては1000℃以上で1200℃以下とすれば、焼却灰を溶融させることなく焼却灰中の主な重金属類の塩化物を効率良く揮散させることができるので好ましい。
【0052】
また、図1に示す本発明の一実施形態では中間天井を有する二回流炉について述べているが、他の形式の廃棄物焼却炉においても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、焼却灰中の重金属類の含有率を飛躍的に減少させることが可能となり、重金属類の溶出がなく、さらに、ダイオキシン類の濃度が低い焼却灰の無害化処理が可能な灰処理システムの操業方法及びその灰処理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る灰処理システムを備えた廃棄物処理設備の一実施形態を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 廃棄物
3 燃焼室
4 焼却灰
5 連通路
6 熱処理不適物検出・除去部
7 格子
8 灰処理炉
9 調整ダンパ
11 障壁(中間天井)
12 廃熱ボイラ
14 ダクト
15 処理灰排出用シュート
16 除塵装置
17 二次燃焼領域
18 誘引ファン
19 煙突
20 主煙道
21 副煙道
22 排ガス供給手段
22a ガス抜き出し口
22b,22e 配管
22c,22f エゼクタ
22d 燃焼排ガス導入口
25 乾燥ストーカ
26 燃焼ストーカ
27 後燃焼ストーカ
30 ガス吹き込み口
60 廃棄物焼却炉

Claims (6)

  1. 廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の処理を行う灰処理システムの操業方法であって、
    廃棄物焼却炉から導出された塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉内に導入し、該灰処理炉内の焼却灰中に含まれる重金属類を塩化物として揮散させることを特徴とする灰処理システムの操業方法。
  2. 灰処理炉内の灰温度を700℃以上に加熱することを特徴とする請求項1に記載の灰処理システムの操業方法。
  3. 廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の処理を行う灰処理炉と、
    廃棄物焼却炉から導出される塩化水素を含む燃焼排ガスを前記灰処理炉に導入する排ガス供給手段とを備えたことを特徴とする灰処理システム。
  4. 灰処理炉が廃棄物焼却炉に連設されていることを特徴とする請求項3に記載の灰処理システム。
  5. 排ガス供給手段が、廃棄物焼却炉の燃焼室から抜き出した塩化水素を含む燃焼排ガスを灰処理炉に導入するものであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の灰処理システム。
  6. 排ガス供給手段が、除塵手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の灰処理システム。
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