JP2004012047A - 焼却炉及び焼却炉の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却灰を処理するための溶融炉を用いることなく、焼却炉内で焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うことができる焼却炉を提供する。
【解決手段】燃焼室1が入側から順に廃棄物の乾燥帯11a、燃焼帯11b及び後燃焼帯11cを備えた焼却炉において、燃焼室1内に、乾燥帯11aで発生した未燃ガスが燃焼帯11bで発生した燃焼ガスと後燃焼帯11cの上方空間で混合するように中間天井8を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼室1が入側から順に廃棄物の乾燥帯11a、燃焼帯11b及び後燃焼帯11cを備えた焼却炉において、燃焼室1内に、乾燥帯11aで発生した未燃ガスが燃焼帯11bで発生した燃焼ガスと後燃焼帯11cの上方空間で混合するように中間天井8を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却炉における焼却灰の無害化が可能な焼却炉及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミ、下水汚泥、し尿汚泥、可燃性産業廃棄物等(以下、総称して「廃棄物」という。)を焼却炉で焼却処分する場合、焼却炉から排出された焼却灰は従来埋め立て処分されていた。しかし、この埋め立て処分された焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質による土壌汚染や地下水の汚染等の環境に与える影響が大きな社会問題となっている。
【0003】
このような問題に対して、溶融炉を用いて、一旦焼却炉から排出された焼却灰を無害化・減容化処理する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一旦焼却炉から排出された焼却灰を溶融炉で処理する場合、一度常温まで温度が低下した焼却灰を再度加熱する必要があり、熱的な損失の問題があった。また、焼却灰を処理するための溶融炉を別に設置しなければならず、設備費や運転費が嵩むという問題もあった。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決し、焼却灰を処理するための溶融炉を用いることなく、焼却炉内で焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うことができる焼却炉及び焼却炉の運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0007】
請求項1の発明は、燃焼室が入側から順に廃棄物の乾燥帯、燃焼帯及び後燃焼帯を備えた焼却炉において、燃焼室内に、乾燥帯で発生した未燃ガスが燃焼帯で発生した燃焼ガスと後燃焼帯の上方空間で混合するように中間天井を設けたことを特徴とする焼却炉である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、中間天井を、その燃焼室出口側の端部が、燃焼帯の終端部又はその近傍の上方に位置するように設け、燃焼室に連設されるボイラのボイラノーズ下端部を後燃焼帯終端部又はその近傍の上方に設けたことを特徴とする焼却炉である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、後燃焼帯をキルン炉により構成したことを特徴とする焼却炉である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、後燃焼帯に火格子を備えた焼却炉であって、前記火格子の上流側と下流側に供給する燃焼用空気量を各々調整可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焼却炉である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3において、後燃焼帯を直列した2台のキルン炉により構成し、少なくとも燃焼室出口側に設けたキルン炉に供給する燃焼用空気量を調整可能としたことを特徴とする焼却炉である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5に記載のいずれかの焼却炉の運転方法であって、後燃焼帯上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることを特徴とする焼却炉の運転方法である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5に記載の焼却炉の運転方法であって、 後燃焼帯の上流側上方のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、後燃焼帯の下流側上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることを特徴とする焼却炉の運転方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る焼却炉の一実施形態を示す概略側断面図であり、火格子式のニ回流炉を表す。
【0015】
図1に示す焼却炉は、燃焼室1と、この燃焼室1の上流側(図1の左側)に配置された廃棄物7を燃焼室1内に投入するためのホッパ2と、ホッパ2と反対側の燃焼室1下流側の下方に設けられた燃焼後の灰を炉外に排出するための主灰シュート12と、ホッパ2と反対側の燃焼室1下流側の上方に設けられた燃焼室出口1aに連設されるボイラ3とを有する。
【0016】
前記燃焼室1の底部には廃棄物7を移動させながら燃焼させる火格子11が備えられ、この火格子11は、入側(上流側)から順に乾燥帯11a、燃焼帯11b、後燃焼帯11cを構成する。
【0017】
前記各火格子11a,11b,11cの下方には、それぞれ燃焼室1内に燃焼用1次空気を供給するための1次空気供給管4が接続された風箱5が設けられている。また、燃焼室1内の乾燥帯11a、燃焼帯11bの上方領域に燃焼用2次空気及び再循環させた排ガスを供給するための2次空気供給管30及び再循環排ガス供給管31が設けられている。さらに、燃焼室出口1a近傍には、ボイラ3内で排出ガスを完全燃焼させるための燃焼用3次空気を供給する3次空気供給管32を設けてもよい。なお、前記風箱5及び燃焼用1次空気を供給するための1次空気供給管4、燃焼用2次空気を供給するための2次空気供給管30、再循環させた排ガスを供給するための再循環排ガス供給管31、燃焼用3次空気を供給するための3次空気供給管32等の構成は図示したものに限定されず、焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
【0018】
さらに、前記燃焼室1内には、中間天井8が設けられ、乾燥帯11aで発生した未燃ガスと燃焼帯11bで発生した燃焼ガスを一旦分離した後、この中間天井8の後方で再合流させ、中間天井8の後方領域でのガスの混合・攪拌がより効果的に行われるように構成されている。
【0019】
このような焼却炉において、本発明は、前記中間天井8を、乾燥帯11aで発生した未燃ガスが燃焼帯11bで発生した燃焼ガスと後燃焼帯11cの上方空間で混合するように設けたものである。後燃焼帯11cの上方空間で前記未燃ガスと燃焼ガスを混合させ、この後燃焼帯11cの上方空間を未燃ガスの再燃焼を行う再燃焼領域とする。この再燃焼により発生した熱により後燃焼帯11c上の焼却主灰を加熱処理し、焼却主灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うものである。
【0020】
後燃焼帯11cの上方空間を再燃焼領域とするための炉構造としては、例えば、中間天井8を、中間天井8の燃焼室出口側の端部Aが、燃焼帯11bの終端部B又はその近傍の上方に位置するように設け、燃焼室1に連設されるボイラ3のボイラノーズ下端部Cを後燃焼帯11c終端部D又はその近傍の上方に設けることにより達成される。ここで、前記ボイラノーズ下端部Cは、燃焼室1とボイラ3との接続部分の燃焼室1内上流側の部分、別の言い方をすれば、燃焼室1内のガスがボイラ3に流れ込む際のガスの立ち上がる起点を指す。
【0021】
また、前記焼却炉の運転方法としては、後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることが好ましい。
【0022】
後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃以上とすることにより、焼却主灰中に含まれる重金属及び重金属の化合物が揮発し、また、ダイオキシン類が分解する。1200℃より高温では、灰やダストの融着固化が生じクリンカなどが生成し問題となる場合がある。具体的には、後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、後燃焼帯11c上の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解し、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。
【0023】
さらに、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0024】
ここで、前記後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0025】
また、前記後燃焼帯11c上方のガス温度を調整する手段として、後燃焼帯近傍の炉壁にバーナー等を設置して前記後燃焼帯11c上方のガス温度の調整を行っても良い。
【0026】
図2は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図1に示す実施形態における焼却炉の後燃焼帯11cをキルン炉20により構成したものである。なお、図2の焼却炉において、前記キルン炉20の部分を除き他の部分は図1の焼却炉と同様であるため、同一の番号を付して説明を省略する。
【0027】
本実施形態においては、後燃焼帯をキルン炉20で構成したことにより、前記キルン炉20内が再燃焼領域となる。つまり、中間天井8の上方を通過する乾燥帯11aで発生した未燃ガスと、前記中間天井8の下方を通過する燃焼帯11bで発生した燃焼ガスがキルン炉20内で混合・攪拌され再燃焼が行われる。ここで、キルン炉20内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることにより、図1の実施形態の場合と同様に燃焼帯11bからキルン炉20内に搬入された焼却主灰の無害化処理が行われる。
【0028】
なお、前記キルン炉20においては、キルン炉の回転速度を変化させることで、キルン炉20内での焼却主灰の滞留時間、搬送時間を制御して焼却主灰の無害化処理が効果的に行われる。
【0029】
ここで、前記キルン炉20内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0030】
図3は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図1に示す実施形態において、焼却炉の後燃焼帯11cにおける火格子の上流側と下流側に供給する燃焼用1次空気量を別々に調整可能としたものである。これは、図3に示すように、例えば、後燃焼帯11cの下方に設けた風箱5cを、後燃焼帯11cの上流側と下流側とに2分割(5c1,5c2)し、それぞれに燃焼用1次空気を供給する1次空気供給管4c1,4c2を設け、この1次空気供給管4c1及び4c2から供給する燃焼用1次空気をそれぞれに設けた流量調整バルブ等により調整することにより達成される。ここで、前記上流側の風箱5c1に対応する後燃焼帯の部分を11c1、前記下流側の風箱5c2に対応する後燃焼帯の部分を11c2とする。
【0031】
さらに、再循環排ガス供給管31及び/又は3次空気供給管32を分岐して、後燃焼帯11c下流側(11c2)上部領域に再循環排ガス及び/又は3次空気を供給できる構成としている。
【0032】
このような焼却炉の運転方法としては、後燃焼帯の上流側11c1上方のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることが好ましい。後燃焼帯の上流側11c1のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、前述したように後燃焼帯の上流側11c1上の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解され、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。また、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0033】
さらに、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気とすることで、前記上流側11c1での処理の後焼却主灰中に残存する鉛をPbO,PbO2に酸化し、焼却主灰中に固定することで、焼却主灰中からの鉛の溶出を防止する。これにより、焼却主灰中の無害化をより効果的に行うことが可能となる。
【0034】
ここで、後燃焼帯の上流側11c1上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下の還元性雰囲気にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0035】
さらに、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気にするための方法としては、再循環排ガス及び/又は3次空気の供給量を調節することにより行うことができる。
【0036】
図4は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図2に示す実施形態において、焼却炉の後燃焼帯を構成するキルン炉20を直列した2台のキルン炉20a,20bにより構成したものである。ここで、再循環排ガス供給管31及び/又は3次空気供給管32を分岐して、前記キルン炉20b内に再循環排ガス及び/又は3次空気を供給できる構成としている。
【0037】
このような焼却炉の運転方法としては、キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることが好ましい。図3に示した実施形態の場合と同様に、キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、キルン炉20a内の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解され、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。また、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0038】
さらに、キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気とすることで、前記キルン炉20aでの処理の後焼却主灰中に残存する鉛をPbO,PbO2に酸化し、焼却主灰中に固定することで、焼却主灰中からの鉛の溶出を防止する。これにより、焼却主灰中の無害化をより効果的に行うことが可能となる。
【0039】
ここで、前記キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0040】
さらに、前記キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気にするための方法としては、キルン炉20b内に供給する再循環排ガス及び/又は3次空気の供給量を調節することにより行うことができる。
【0041】
なお、上述の図1〜図4に示した焼却炉においては、後燃焼帯の下流側、例えばボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域で燃焼室1からの排出ガスを完全燃焼させることが好ましい。この場合、前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域周辺のボイラ壁から燃焼用の空気を吹き込むようにしても良く、さらに、燃焼室1内の乾燥帯11aで発生した未燃ガスの一部を抜き出して前記領域周辺のボイラ壁から吹き込むようにしても良い。この場合、前記未燃ガスは、例えば、燃焼室1内に設けられた中間天井8の上方の炉壁にガス取り出し口を設け、そこに接続したバイパス管の他端を前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域周辺のボイラ壁に接続するようにしても良い。
【0042】
前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域で燃焼室1からの排出ガスを完全燃焼させることにより、排ガス中に含まれるダイオキシン類やその前駆体の発生、及び、CO,NOxの発生をより効果的に抑制することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、焼却灰を処理するための溶融炉を用いることなく、焼却炉内で焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うことができる焼却灰の無害化方法及び焼却炉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却炉の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図2】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図3】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図4】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
1a 燃焼室出口
2 ホッパ
3 ボイラ
4a,4b,4c,4d 1次空気供給管
5a,5b,5c,5d 風箱
7 廃棄物
8 中間天井
11a 乾燥帯
11b 燃焼帯
11c 後燃焼帯
20,20a,20b キルン炉
30 2次空気供給管
31 再循環排ガス供給管
32 3次空気供給管
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却炉における焼却灰の無害化が可能な焼却炉及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミ、下水汚泥、し尿汚泥、可燃性産業廃棄物等(以下、総称して「廃棄物」という。)を焼却炉で焼却処分する場合、焼却炉から排出された焼却灰は従来埋め立て処分されていた。しかし、この埋め立て処分された焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質による土壌汚染や地下水の汚染等の環境に与える影響が大きな社会問題となっている。
【0003】
このような問題に対して、溶融炉を用いて、一旦焼却炉から排出された焼却灰を無害化・減容化処理する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一旦焼却炉から排出された焼却灰を溶融炉で処理する場合、一度常温まで温度が低下した焼却灰を再度加熱する必要があり、熱的な損失の問題があった。また、焼却灰を処理するための溶融炉を別に設置しなければならず、設備費や運転費が嵩むという問題もあった。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決し、焼却灰を処理するための溶融炉を用いることなく、焼却炉内で焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うことができる焼却炉及び焼却炉の運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0007】
請求項1の発明は、燃焼室が入側から順に廃棄物の乾燥帯、燃焼帯及び後燃焼帯を備えた焼却炉において、燃焼室内に、乾燥帯で発生した未燃ガスが燃焼帯で発生した燃焼ガスと後燃焼帯の上方空間で混合するように中間天井を設けたことを特徴とする焼却炉である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、中間天井を、その燃焼室出口側の端部が、燃焼帯の終端部又はその近傍の上方に位置するように設け、燃焼室に連設されるボイラのボイラノーズ下端部を後燃焼帯終端部又はその近傍の上方に設けたことを特徴とする焼却炉である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、後燃焼帯をキルン炉により構成したことを特徴とする焼却炉である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、後燃焼帯に火格子を備えた焼却炉であって、前記火格子の上流側と下流側に供給する燃焼用空気量を各々調整可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焼却炉である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3において、後燃焼帯を直列した2台のキルン炉により構成し、少なくとも燃焼室出口側に設けたキルン炉に供給する燃焼用空気量を調整可能としたことを特徴とする焼却炉である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5に記載のいずれかの焼却炉の運転方法であって、後燃焼帯上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることを特徴とする焼却炉の運転方法である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5に記載の焼却炉の運転方法であって、 後燃焼帯の上流側上方のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、後燃焼帯の下流側上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることを特徴とする焼却炉の運転方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る焼却炉の一実施形態を示す概略側断面図であり、火格子式のニ回流炉を表す。
【0015】
図1に示す焼却炉は、燃焼室1と、この燃焼室1の上流側(図1の左側)に配置された廃棄物7を燃焼室1内に投入するためのホッパ2と、ホッパ2と反対側の燃焼室1下流側の下方に設けられた燃焼後の灰を炉外に排出するための主灰シュート12と、ホッパ2と反対側の燃焼室1下流側の上方に設けられた燃焼室出口1aに連設されるボイラ3とを有する。
【0016】
前記燃焼室1の底部には廃棄物7を移動させながら燃焼させる火格子11が備えられ、この火格子11は、入側(上流側)から順に乾燥帯11a、燃焼帯11b、後燃焼帯11cを構成する。
【0017】
前記各火格子11a,11b,11cの下方には、それぞれ燃焼室1内に燃焼用1次空気を供給するための1次空気供給管4が接続された風箱5が設けられている。また、燃焼室1内の乾燥帯11a、燃焼帯11bの上方領域に燃焼用2次空気及び再循環させた排ガスを供給するための2次空気供給管30及び再循環排ガス供給管31が設けられている。さらに、燃焼室出口1a近傍には、ボイラ3内で排出ガスを完全燃焼させるための燃焼用3次空気を供給する3次空気供給管32を設けてもよい。なお、前記風箱5及び燃焼用1次空気を供給するための1次空気供給管4、燃焼用2次空気を供給するための2次空気供給管30、再循環させた排ガスを供給するための再循環排ガス供給管31、燃焼用3次空気を供給するための3次空気供給管32等の構成は図示したものに限定されず、焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
【0018】
さらに、前記燃焼室1内には、中間天井8が設けられ、乾燥帯11aで発生した未燃ガスと燃焼帯11bで発生した燃焼ガスを一旦分離した後、この中間天井8の後方で再合流させ、中間天井8の後方領域でのガスの混合・攪拌がより効果的に行われるように構成されている。
【0019】
このような焼却炉において、本発明は、前記中間天井8を、乾燥帯11aで発生した未燃ガスが燃焼帯11bで発生した燃焼ガスと後燃焼帯11cの上方空間で混合するように設けたものである。後燃焼帯11cの上方空間で前記未燃ガスと燃焼ガスを混合させ、この後燃焼帯11cの上方空間を未燃ガスの再燃焼を行う再燃焼領域とする。この再燃焼により発生した熱により後燃焼帯11c上の焼却主灰を加熱処理し、焼却主灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うものである。
【0020】
後燃焼帯11cの上方空間を再燃焼領域とするための炉構造としては、例えば、中間天井8を、中間天井8の燃焼室出口側の端部Aが、燃焼帯11bの終端部B又はその近傍の上方に位置するように設け、燃焼室1に連設されるボイラ3のボイラノーズ下端部Cを後燃焼帯11c終端部D又はその近傍の上方に設けることにより達成される。ここで、前記ボイラノーズ下端部Cは、燃焼室1とボイラ3との接続部分の燃焼室1内上流側の部分、別の言い方をすれば、燃焼室1内のガスがボイラ3に流れ込む際のガスの立ち上がる起点を指す。
【0021】
また、前記焼却炉の運転方法としては、後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることが好ましい。
【0022】
後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃以上とすることにより、焼却主灰中に含まれる重金属及び重金属の化合物が揮発し、また、ダイオキシン類が分解する。1200℃より高温では、灰やダストの融着固化が生じクリンカなどが生成し問題となる場合がある。具体的には、後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、後燃焼帯11c上の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解し、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。
【0023】
さらに、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0024】
ここで、前記後燃焼帯11c上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0025】
また、前記後燃焼帯11c上方のガス温度を調整する手段として、後燃焼帯近傍の炉壁にバーナー等を設置して前記後燃焼帯11c上方のガス温度の調整を行っても良い。
【0026】
図2は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図1に示す実施形態における焼却炉の後燃焼帯11cをキルン炉20により構成したものである。なお、図2の焼却炉において、前記キルン炉20の部分を除き他の部分は図1の焼却炉と同様であるため、同一の番号を付して説明を省略する。
【0027】
本実施形態においては、後燃焼帯をキルン炉20で構成したことにより、前記キルン炉20内が再燃焼領域となる。つまり、中間天井8の上方を通過する乾燥帯11aで発生した未燃ガスと、前記中間天井8の下方を通過する燃焼帯11bで発生した燃焼ガスがキルン炉20内で混合・攪拌され再燃焼が行われる。ここで、キルン炉20内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることにより、図1の実施形態の場合と同様に燃焼帯11bからキルン炉20内に搬入された焼却主灰の無害化処理が行われる。
【0028】
なお、前記キルン炉20においては、キルン炉の回転速度を変化させることで、キルン炉20内での焼却主灰の滞留時間、搬送時間を制御して焼却主灰の無害化処理が効果的に行われる。
【0029】
ここで、前記キルン炉20内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0030】
図3は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図1に示す実施形態において、焼却炉の後燃焼帯11cにおける火格子の上流側と下流側に供給する燃焼用1次空気量を別々に調整可能としたものである。これは、図3に示すように、例えば、後燃焼帯11cの下方に設けた風箱5cを、後燃焼帯11cの上流側と下流側とに2分割(5c1,5c2)し、それぞれに燃焼用1次空気を供給する1次空気供給管4c1,4c2を設け、この1次空気供給管4c1及び4c2から供給する燃焼用1次空気をそれぞれに設けた流量調整バルブ等により調整することにより達成される。ここで、前記上流側の風箱5c1に対応する後燃焼帯の部分を11c1、前記下流側の風箱5c2に対応する後燃焼帯の部分を11c2とする。
【0031】
さらに、再循環排ガス供給管31及び/又は3次空気供給管32を分岐して、後燃焼帯11c下流側(11c2)上部領域に再循環排ガス及び/又は3次空気を供給できる構成としている。
【0032】
このような焼却炉の運転方法としては、後燃焼帯の上流側11c1上方のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることが好ましい。後燃焼帯の上流側11c1のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、前述したように後燃焼帯の上流側11c1上の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解され、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。また、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0033】
さらに、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気とすることで、前記上流側11c1での処理の後焼却主灰中に残存する鉛をPbO,PbO2に酸化し、焼却主灰中に固定することで、焼却主灰中からの鉛の溶出を防止する。これにより、焼却主灰中の無害化をより効果的に行うことが可能となる。
【0034】
ここで、後燃焼帯の上流側11c1上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下の還元性雰囲気にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0035】
さらに、後燃焼帯の下流側11c2上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気にするための方法としては、再循環排ガス及び/又は3次空気の供給量を調節することにより行うことができる。
【0036】
図4は、本発明に係る焼却炉の他の実施形態を示したもので、上述の図2に示す実施形態において、焼却炉の後燃焼帯を構成するキルン炉20を直列した2台のキルン炉20a,20bにより構成したものである。ここで、再循環排ガス供給管31及び/又は3次空気供給管32を分岐して、前記キルン炉20b内に再循環排ガス及び/又は3次空気を供給できる構成としている。
【0037】
このような焼却炉の運転方法としては、キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることが好ましい。図3に示した実施形態の場合と同様に、キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃にすることにより、キルン炉20a内の焼却主灰が加熱され、焼却主灰の温度が800℃以上でダイオキシン類が分解され、水銀(沸点357℃)、カドミウム(沸点766℃)、亜鉛(沸点903℃)、砒素(昇華点616℃)の重金属類については焼却主灰中から揮発することによって焼却主灰の無害化が行われる。また、鉛については、乾燥帯で発生した未燃ガスに含まれるHClが鉛と反応することで塩化鉛(沸点954℃)を生成し、ガス中の酸素濃度を5vol%以下の還元性の雰囲気とすることにより塩化鉛が焼却主灰中から揮発することで焼却主灰の無害化が行われる。
【0038】
さらに、キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気とすることで、前記キルン炉20aでの処理の後焼却主灰中に残存する鉛をPbO,PbO2に酸化し、焼却主灰中に固定することで、焼却主灰中からの鉛の溶出を防止する。これにより、焼却主灰中の無害化をより効果的に行うことが可能となる。
【0039】
ここで、前記キルン炉20a内のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下にするための方法としては、例えば、乾燥帯、燃焼帯に供給する1次空気、2次空気の供給量を調節することにより行うことができる。また、必要によっては再循環した排ガスの供給量を調整して行ってもよい。
【0040】
さらに、前記キルン炉20b内のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%の酸化雰囲気にするための方法としては、キルン炉20b内に供給する再循環排ガス及び/又は3次空気の供給量を調節することにより行うことができる。
【0041】
なお、上述の図1〜図4に示した焼却炉においては、後燃焼帯の下流側、例えばボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域で燃焼室1からの排出ガスを完全燃焼させることが好ましい。この場合、前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域周辺のボイラ壁から燃焼用の空気を吹き込むようにしても良く、さらに、燃焼室1内の乾燥帯11aで発生した未燃ガスの一部を抜き出して前記領域周辺のボイラ壁から吹き込むようにしても良い。この場合、前記未燃ガスは、例えば、燃焼室1内に設けられた中間天井8の上方の炉壁にガス取り出し口を設け、そこに接続したバイパス管の他端を前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域周辺のボイラ壁に接続するようにしても良い。
【0042】
前記ボイラ3内の燃焼室1との接続部近傍領域で燃焼室1からの排出ガスを完全燃焼させることにより、排ガス中に含まれるダイオキシン類やその前駆体の発生、及び、CO,NOxの発生をより効果的に抑制することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、焼却灰を処理するための溶融炉を用いることなく、焼却炉内で焼却灰に含まれるハロゲン系物質、例えばダイオキシン類や、重金属類などの有害物質の無害化を行うことができる焼却灰の無害化方法及び焼却炉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却炉の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図2】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図3】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図4】本発明に係る焼却炉の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
1a 燃焼室出口
2 ホッパ
3 ボイラ
4a,4b,4c,4d 1次空気供給管
5a,5b,5c,5d 風箱
7 廃棄物
8 中間天井
11a 乾燥帯
11b 燃焼帯
11c 後燃焼帯
20,20a,20b キルン炉
30 2次空気供給管
31 再循環排ガス供給管
32 3次空気供給管
Claims (7)
- 燃焼室が入側から順に廃棄物の乾燥帯、燃焼帯及び後燃焼帯を備えた焼却炉において、
燃焼室内に、乾燥帯で発生した未燃ガスが燃焼帯で発生した燃焼ガスと後燃焼帯の上方空間で混合するように中間天井を設けたことを特徴とする焼却炉。 - 中間天井を、その燃焼室出口側の端部が、燃焼帯の終端部又はその近傍の上方に位置するように設け、
燃焼室に連設されるボイラのボイラノーズ下端部を後燃焼帯終端部又はその近傍の上方に設けたことを特徴とする請求項1に記載の焼却炉。 - 後燃焼帯をキルン炉により構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼却炉。
- 後燃焼帯に火格子を備えた焼却炉であって、
前記火格子の上流側と下流側に供給する燃焼用空気量を各々調整可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焼却炉。 - 後燃焼帯を直列した2台のキルン炉により構成し、
少なくとも燃焼室出口側に設けたキルン炉に供給する燃焼用空気量を調整可能としたことを特徴とする請求項3に記載の焼却炉。 - 請求項1乃至請求項5に記載のいずれかの焼却炉の運転方法であって、
後燃焼帯上方のガス温度を1000℃〜1200℃にすると共に、酸素濃度を5vol%以下とすることを特徴とする焼却炉の運転方法。 - 請求項4又は請求項5に記載の焼却炉の運転方法であって、
後燃焼帯の上流側上方のガス温度を1000℃〜1200℃、酸素濃度を5vol%以下とし、
後燃焼帯の下流側上方のガス温度を800℃〜1000℃、酸素濃度を8〜13vol%とすることを特徴とする焼却炉の運転方法。
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JP2007127355A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Takuma Co Ltd | ごみ焼却溶融方法及びこれに用いるごみ焼却溶融装置 |
JP2012159264A (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-23 | Nippon Steel Engineering Co Ltd | 廃棄物溶融処理方法及び廃棄物溶融処理装置 |
JP2013530366A (ja) * | 2010-04-23 | 2013-07-25 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 燃料燃焼炉および燃料燃焼炉内の燃焼を制御する方法 |
JP2014114990A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Jfe Engineering Corp | 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法 |
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-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002167436A patent/JP2004012047A/ja active Pending
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