JP2004044894A - 火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却灰の処理装置を設置することなく、有害物質を除去して焼却灰の質を高めることができる火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法を提供すること。
【解決手段】火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子14cに燃焼用空気吹出孔と高温空気吹出孔が設けられ、高温空気吹出孔には高温空気配管19が接続され、燃焼用空気吹出孔に燃焼用空気が供給されるように後燃焼火格子14cの下に風箱17が設けられている。火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子14cの高温空気吹出孔に400℃〜700℃の高温空気を供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子14cに燃焼用空気吹出孔と高温空気吹出孔が設けられ、高温空気吹出孔には高温空気配管19が接続され、燃焼用空気吹出孔に燃焼用空気が供給されるように後燃焼火格子14cの下に風箱17が設けられている。火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子14cの高温空気吹出孔に400℃〜700℃の高温空気を供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
都市ごみ焼却施設などの火格子式廃棄物焼却炉においては、廃棄物の燃焼を促進させるために、燃焼用空気を加熱して火格子へ供給している。この際、燃焼用空気は最高で250℃程度まで加熱されている。
【0003】
しかし、都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却灰には、微量ではあるが、ダイオキシン類が含まれていることが判明している。又、鉛などの有害な重金属が溶出する状態で含まれている。この原因の一つは、後燃焼部においては、熾燃焼が行われているだけなので、燃焼用空気の吹き込みによって火格子上の焼却残渣が冷却され、焼却残渣の下層においては、吹き込む燃焼用空気の温度程度まで冷却されてしまうためである。このため、上記の有害物質が焼却灰の埋め立て処分の支障になったり、或いは焼却灰の有効利用を妨げたりすることが懸念されている。
【0004】
上記のような問題に対処し、焼却炉から排出された焼却灰からダイオキシン類や有害な重金属を除去する処理方法についての検討が行われている。例えば、焼却炉から排出された焼却灰を加熱炉へ導入し、再加熱して高温に保持し、ダイオキシン類を揮散させて除去する方法、或いは重金属を揮散させて除去する方法が提案されている。
【0005】
しかし、上記従来技術によれば、一旦、焼却炉から排出された焼却灰を再加熱する処理装置を焼却炉に付属させて別途に設置しなくてはならないので、設備費が嵩み、広い敷地が必要になると共に、焼却炉の操業管理が非常に煩雑になる。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、焼却灰の処理装置を設置することなく、有害物質を除去して焼却灰の質を高めることができる火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の火格子式廃棄物焼却炉は、後燃焼火格子に高温空気吹出孔が設けられ、この高温空気吹出孔に接続する高温空気配管が配設されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の火格子式廃棄物焼却炉は、後燃焼火格子に燃焼用空気吹出孔と高温空気吹出孔が設けられ、前記高温空気吹出孔には高温空気配管が接続され、前記燃焼用空気吹出孔に燃焼用空気が供給されるように後燃焼火格子の下に風箱が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の火格子式廃棄物焼却炉の操業方法は、後燃焼火格子に400℃〜700℃の高温空気を供給することを特徴としている。
【0010】
後燃焼火格子へ400℃〜700℃にも及ぶ高温空気を供給する場合、従来技術のように、火格子の下の風箱へ高温空気を供給すると、風箱及び風箱内の装置を耐熱構造にしなければならないので、設備コストが高くなり、問題が生じる。しかし、本発明の火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子に高温空気を供給するための配管が後燃焼火格子に接続されており、高温空気が直接後燃焼火格子に供給されるようになっている。このため、風箱を耐熱構造にする必要がないので、低い設備コストで、従来技術よりも温度の高い空気を燃焼火格子へ供給することができる。
【0011】
上記のような高温の空気を後燃焼火格子へ供給することができるので、焼却灰に含まれているダイオキシン類を揮散させ、或いは熱分解させて除去することができる。このように、後燃焼火格子へ高温の空気を供給することにより、焼却炉から排出される焼却灰が無害化される。
【0012】
後燃焼部に焼却灰を無害化させる機能を付与させるためには、後燃焼火格子へ供給する高温空気の温度を400℃〜700℃に必要がある。上記の温度範囲を定めた根拠は次の通りである。
▲1▼400℃以上にすることにより、ダイオキシン類が揮散する。
▲2▼600℃以上にすることにより、鉛(Pb)が酸化して酸化鉛(PbO、PbO2 )になる反応が進行し、鉛の溶出が抑制される(O2 濃度10%以上の場合)。
▲3▼焼却灰中に炭酸カルシウムの形態のカルシウム分が存在している場合には、焼却灰の温度を700℃以上にすると、炭酸カルシウムが分解して酸化カルシウムになる反応が加速され、焼却灰のpHが上昇し、重金属が焼却灰から溶出しやすくなるので、好ましくない。
▲4▼焼却灰にクロムが含まれている場合には、焼却灰の温度を700℃以上にすると、クロムの酸化が進行し、6価クロムが生成するので、好ましくない。
【0013】
したがって、後燃焼火格子へ供給する高温空気の温度を400℃〜700℃にすることが好ましく、600℃〜700℃にすることがより好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の火格子式廃棄物焼却炉の構成に係る実施の形態の一例を示す図である。図1において、10は火格子式廃棄物焼却炉、11は主燃焼室、16は二次燃焼室である。又、12は廃棄物ホッパー、13は廃棄物装入装置、14aは乾燥火格子、14bは燃焼火格子、14cは後燃焼火格子、15は焼却灰41を排出する焼却灰排出シュートである。40は廃棄物を示す。
【0015】
乾燥火格子14a、燃焼火格子14b、後燃焼火格子14cには、それぞれ燃焼用空気を供給するための風箱17が設けられている。各風箱17には燃焼用空気配管18が接続され、燃焼用空気が導入されるようになっている。そして、後燃焼火格子14cには、高温空気配管19が直接接続されている。
【0016】
後燃焼火格子は図2に示す構造になっている。図2において、30は可動火格子、31は固定火格子である。可動火格子30と固定火格子31は何れも中空構造になっており、冷却媒体を流通させる流路が設けられている。32は冷却媒体の配管である。又、可動火格子30と固定火格子31には廃棄物が搬送される方向の端部に燃焼用空気の吹出孔33が設けられている。この燃焼用空気吹出孔33から吹出す燃焼用空気は風箱に導入されたものが火格子の下方から供給される。
【0017】
そして、固定火格子31には燃焼用空気吹出孔33が設けられている箇所と同じ端部に高温空気の吹出孔34が設けられている。この高温空気吹出孔34には高温空気配管が接続されている。35は高温空気配管の主管、36はそれぞれの高温空気吹出孔34に接続する高温空気配管の枝管である。
【0018】
後燃焼火格子へ供給する高温空気の発生装置としては、蓄熱バーナのような蓄熱式高温空気発生装置が挙げられる。又、燃料を燃焼させた高温燃焼ガスに空気を混合して供給してもよい。
【0019】
なお、後燃焼火格子へ供給される高温空気は燃焼用酸素の供給源にもなるので、高温空気が供給された分だけ燃焼用空気の供給量が削減される。
【0020】
又、火格子を冷却する冷却媒体としては、通常、水を流通させるが、冷却負荷が比較的小さい場合には、空気を流通させることもできる。この場合には、火格子から排出される空気を燃焼用空気として使用することも可能である。
【0021】
上記のように構成された火格子式廃棄物焼却炉の操業方法について説明する。廃棄物ホッパー12の廃棄物40が乾燥火格子14a上へ装入され、火格子の下から吹き込まれる燃焼用空気と炉内の輻射熱によって乾燥されながら昇温して着火する。次いで、燃焼火格子14b上に移送されて燃焼し、さらに後燃焼火格子14c上で熾燃焼して灰化し、焼却灰41となる。
【0022】
この際、後燃焼火格子14cには、燃焼用空気と共に、400℃〜700℃、より好ましくは600℃〜700℃の高温空気が供給されるので、燃焼火格子14bから移送されてきた焼却灰の温度低下が抑えられ、焼却灰が高温状態に維持される。このため、燃焼火格子14bから後燃焼火格子14cに移送されてきた焼却灰に含まれていたダイオキシン類を揮散させて除去することができる。揮散したダイオキシン類は焼却炉の二次燃焼室で燃焼処理され、消失する。又、鉛(Pb)が酸化して酸化鉛(PbO、PbO2 )になる反応が進行し、焼却灰からの鉛の溶出が抑制される。さらに、後燃焼火格子14cへ高温の空気を供給することにより、焼却灰の熱灼減量が低くなり、未燃分が少なく、質のよい焼却灰が排出される。
【0023】
又、後燃焼火格子14cから排出された焼却灰をさらに加熱する灰熱処理装置を接続して設けることにより、焼却灰をさらに確実に無害化することができる。
【0024】
そして、本発明の火格子式廃棄物焼却炉は、炉の立ち上げ時及び立ち下げ時にも、従来技術では得られない効果がもたらされる。すなわち、従来の火格子式廃棄物焼却炉においては、炉の立ち上げ、立ち下げ時には、炉内温度が低いため、下して廃棄物の燃焼が不十分になりやすく、排出される焼却灰中の未燃分が多くなり、焼却灰の質が低下するが、本発明の火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子へ高温空気が供給されるので、後燃焼火格子でも十分な燃焼が行われる。このため、炉の立ち上げ、立ち下げ時に排出される焼却灰の質が向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、後燃焼火格子へ高温の空気を供給するので、焼却灰の処理装置を別に設置することなく、ダイオキシン類などの有害物質を除去したり、鉛の溶出を抑制することができる。このため、焼却灰の質を高めることができる。さらに、後燃焼火格子へ高温の空気を供給することにより、未燃分が少なく、質のよい焼却灰が排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火格子式廃棄物焼却炉の構成に係る実施の形態の一例を示す図である。
【図2】本発明の後燃焼火格子の構造を示す図である。
【符号の説明】
10 火格子式廃棄物焼却炉
14a 乾燥火格子
14b 燃焼火格子
14c 後燃焼火格子
17 風箱
18 燃焼用空気配管
19 高温空気配管
30 可動火格子
31 固定火格子
32 冷却媒体の配管
33 燃焼用空気の吹出孔
34 高温空気の吹出孔
35 高温空気配管の主管
36 高温空気配管の枝管
40 廃棄物
【発明の属する技術分野】
本発明は火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
都市ごみ焼却施設などの火格子式廃棄物焼却炉においては、廃棄物の燃焼を促進させるために、燃焼用空気を加熱して火格子へ供給している。この際、燃焼用空気は最高で250℃程度まで加熱されている。
【0003】
しかし、都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却灰には、微量ではあるが、ダイオキシン類が含まれていることが判明している。又、鉛などの有害な重金属が溶出する状態で含まれている。この原因の一つは、後燃焼部においては、熾燃焼が行われているだけなので、燃焼用空気の吹き込みによって火格子上の焼却残渣が冷却され、焼却残渣の下層においては、吹き込む燃焼用空気の温度程度まで冷却されてしまうためである。このため、上記の有害物質が焼却灰の埋め立て処分の支障になったり、或いは焼却灰の有効利用を妨げたりすることが懸念されている。
【0004】
上記のような問題に対処し、焼却炉から排出された焼却灰からダイオキシン類や有害な重金属を除去する処理方法についての検討が行われている。例えば、焼却炉から排出された焼却灰を加熱炉へ導入し、再加熱して高温に保持し、ダイオキシン類を揮散させて除去する方法、或いは重金属を揮散させて除去する方法が提案されている。
【0005】
しかし、上記従来技術によれば、一旦、焼却炉から排出された焼却灰を再加熱する処理装置を焼却炉に付属させて別途に設置しなくてはならないので、設備費が嵩み、広い敷地が必要になると共に、焼却炉の操業管理が非常に煩雑になる。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、焼却灰の処理装置を設置することなく、有害物質を除去して焼却灰の質を高めることができる火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の火格子式廃棄物焼却炉は、後燃焼火格子に高温空気吹出孔が設けられ、この高温空気吹出孔に接続する高温空気配管が配設されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の火格子式廃棄物焼却炉は、後燃焼火格子に燃焼用空気吹出孔と高温空気吹出孔が設けられ、前記高温空気吹出孔には高温空気配管が接続され、前記燃焼用空気吹出孔に燃焼用空気が供給されるように後燃焼火格子の下に風箱が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の火格子式廃棄物焼却炉の操業方法は、後燃焼火格子に400℃〜700℃の高温空気を供給することを特徴としている。
【0010】
後燃焼火格子へ400℃〜700℃にも及ぶ高温空気を供給する場合、従来技術のように、火格子の下の風箱へ高温空気を供給すると、風箱及び風箱内の装置を耐熱構造にしなければならないので、設備コストが高くなり、問題が生じる。しかし、本発明の火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子に高温空気を供給するための配管が後燃焼火格子に接続されており、高温空気が直接後燃焼火格子に供給されるようになっている。このため、風箱を耐熱構造にする必要がないので、低い設備コストで、従来技術よりも温度の高い空気を燃焼火格子へ供給することができる。
【0011】
上記のような高温の空気を後燃焼火格子へ供給することができるので、焼却灰に含まれているダイオキシン類を揮散させ、或いは熱分解させて除去することができる。このように、後燃焼火格子へ高温の空気を供給することにより、焼却炉から排出される焼却灰が無害化される。
【0012】
後燃焼部に焼却灰を無害化させる機能を付与させるためには、後燃焼火格子へ供給する高温空気の温度を400℃〜700℃に必要がある。上記の温度範囲を定めた根拠は次の通りである。
▲1▼400℃以上にすることにより、ダイオキシン類が揮散する。
▲2▼600℃以上にすることにより、鉛(Pb)が酸化して酸化鉛(PbO、PbO2 )になる反応が進行し、鉛の溶出が抑制される(O2 濃度10%以上の場合)。
▲3▼焼却灰中に炭酸カルシウムの形態のカルシウム分が存在している場合には、焼却灰の温度を700℃以上にすると、炭酸カルシウムが分解して酸化カルシウムになる反応が加速され、焼却灰のpHが上昇し、重金属が焼却灰から溶出しやすくなるので、好ましくない。
▲4▼焼却灰にクロムが含まれている場合には、焼却灰の温度を700℃以上にすると、クロムの酸化が進行し、6価クロムが生成するので、好ましくない。
【0013】
したがって、後燃焼火格子へ供給する高温空気の温度を400℃〜700℃にすることが好ましく、600℃〜700℃にすることがより好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の火格子式廃棄物焼却炉の構成に係る実施の形態の一例を示す図である。図1において、10は火格子式廃棄物焼却炉、11は主燃焼室、16は二次燃焼室である。又、12は廃棄物ホッパー、13は廃棄物装入装置、14aは乾燥火格子、14bは燃焼火格子、14cは後燃焼火格子、15は焼却灰41を排出する焼却灰排出シュートである。40は廃棄物を示す。
【0015】
乾燥火格子14a、燃焼火格子14b、後燃焼火格子14cには、それぞれ燃焼用空気を供給するための風箱17が設けられている。各風箱17には燃焼用空気配管18が接続され、燃焼用空気が導入されるようになっている。そして、後燃焼火格子14cには、高温空気配管19が直接接続されている。
【0016】
後燃焼火格子は図2に示す構造になっている。図2において、30は可動火格子、31は固定火格子である。可動火格子30と固定火格子31は何れも中空構造になっており、冷却媒体を流通させる流路が設けられている。32は冷却媒体の配管である。又、可動火格子30と固定火格子31には廃棄物が搬送される方向の端部に燃焼用空気の吹出孔33が設けられている。この燃焼用空気吹出孔33から吹出す燃焼用空気は風箱に導入されたものが火格子の下方から供給される。
【0017】
そして、固定火格子31には燃焼用空気吹出孔33が設けられている箇所と同じ端部に高温空気の吹出孔34が設けられている。この高温空気吹出孔34には高温空気配管が接続されている。35は高温空気配管の主管、36はそれぞれの高温空気吹出孔34に接続する高温空気配管の枝管である。
【0018】
後燃焼火格子へ供給する高温空気の発生装置としては、蓄熱バーナのような蓄熱式高温空気発生装置が挙げられる。又、燃料を燃焼させた高温燃焼ガスに空気を混合して供給してもよい。
【0019】
なお、後燃焼火格子へ供給される高温空気は燃焼用酸素の供給源にもなるので、高温空気が供給された分だけ燃焼用空気の供給量が削減される。
【0020】
又、火格子を冷却する冷却媒体としては、通常、水を流通させるが、冷却負荷が比較的小さい場合には、空気を流通させることもできる。この場合には、火格子から排出される空気を燃焼用空気として使用することも可能である。
【0021】
上記のように構成された火格子式廃棄物焼却炉の操業方法について説明する。廃棄物ホッパー12の廃棄物40が乾燥火格子14a上へ装入され、火格子の下から吹き込まれる燃焼用空気と炉内の輻射熱によって乾燥されながら昇温して着火する。次いで、燃焼火格子14b上に移送されて燃焼し、さらに後燃焼火格子14c上で熾燃焼して灰化し、焼却灰41となる。
【0022】
この際、後燃焼火格子14cには、燃焼用空気と共に、400℃〜700℃、より好ましくは600℃〜700℃の高温空気が供給されるので、燃焼火格子14bから移送されてきた焼却灰の温度低下が抑えられ、焼却灰が高温状態に維持される。このため、燃焼火格子14bから後燃焼火格子14cに移送されてきた焼却灰に含まれていたダイオキシン類を揮散させて除去することができる。揮散したダイオキシン類は焼却炉の二次燃焼室で燃焼処理され、消失する。又、鉛(Pb)が酸化して酸化鉛(PbO、PbO2 )になる反応が進行し、焼却灰からの鉛の溶出が抑制される。さらに、後燃焼火格子14cへ高温の空気を供給することにより、焼却灰の熱灼減量が低くなり、未燃分が少なく、質のよい焼却灰が排出される。
【0023】
又、後燃焼火格子14cから排出された焼却灰をさらに加熱する灰熱処理装置を接続して設けることにより、焼却灰をさらに確実に無害化することができる。
【0024】
そして、本発明の火格子式廃棄物焼却炉は、炉の立ち上げ時及び立ち下げ時にも、従来技術では得られない効果がもたらされる。すなわち、従来の火格子式廃棄物焼却炉においては、炉の立ち上げ、立ち下げ時には、炉内温度が低いため、下して廃棄物の燃焼が不十分になりやすく、排出される焼却灰中の未燃分が多くなり、焼却灰の質が低下するが、本発明の火格子式廃棄物焼却炉においては、後燃焼火格子へ高温空気が供給されるので、後燃焼火格子でも十分な燃焼が行われる。このため、炉の立ち上げ、立ち下げ時に排出される焼却灰の質が向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、後燃焼火格子へ高温の空気を供給するので、焼却灰の処理装置を別に設置することなく、ダイオキシン類などの有害物質を除去したり、鉛の溶出を抑制することができる。このため、焼却灰の質を高めることができる。さらに、後燃焼火格子へ高温の空気を供給することにより、未燃分が少なく、質のよい焼却灰が排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火格子式廃棄物焼却炉の構成に係る実施の形態の一例を示す図である。
【図2】本発明の後燃焼火格子の構造を示す図である。
【符号の説明】
10 火格子式廃棄物焼却炉
14a 乾燥火格子
14b 燃焼火格子
14c 後燃焼火格子
17 風箱
18 燃焼用空気配管
19 高温空気配管
30 可動火格子
31 固定火格子
32 冷却媒体の配管
33 燃焼用空気の吹出孔
34 高温空気の吹出孔
35 高温空気配管の主管
36 高温空気配管の枝管
40 廃棄物
Claims (3)
- 後燃焼火格子に高温空気吹出孔が設けられ、この高温空気吹出孔に接続する高温空気配管が配設されていることを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉。
- 後燃焼火格子に燃焼用空気吹出孔と高温空気吹出孔が設けられ、前記高温空気吹出孔には高温空気配管が接続され、前記燃焼用空気吹出孔に燃焼用空気が供給されるように後燃焼火格子の下に風箱が設けられていることを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉。
- 後燃焼火格子に400℃〜700℃の高温空気を供給することを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉の操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202159A JP2004044894A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202159A JP2004044894A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044894A true JP2004044894A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31708428
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002202159A Pending JP2004044894A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044894A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101718437A (zh) * | 2010-01-12 | 2010-06-02 | 天津宝成机械集团有限公司 | 一种双向分段调节送风炉排 |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002202159A patent/JP2004044894A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101718437A (zh) * | 2010-01-12 | 2010-06-02 | 天津宝成机械集团有限公司 | 一种双向分段调节送风炉排 |
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