JP2017176970A - 焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法 - Google Patents

焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置を簡単かつ安価とし、効果的に焼却灰の重金属の溶出を抑制できる焼却灰処理装置及び方法を提供することを課題とする。【解決手段】炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域5a、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域5bそして燃え残りを後燃焼する後燃焼域5c、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部6を有する廃棄物焼却炉で発生する焼却灰の処理装置において、後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給する反応剤供給装置10を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰中の有害物を無害化処理する焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法に関する。
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却残渣は、その殆どが埋め立て処分されている。しかし、近年、埋め立て処分場の確保が困難になり、埋め立て量を減少させることが要望されている。このため、廃棄物焼却炉から排出される焼却残渣(以下、「焼却灰」という)を資源として有効利用し、埋立て処分量を減少させる試みがなされている。
しかし、焼却灰には、有害物質、特に重金属類が含まれている。したがって、焼却灰からの重金属類の溶出量が基準値以上の場合は、そのままでの資源としての利用が困難である。このような状況に対処するためには、上述のような性状の焼却灰を資源として利用可能にするために、焼却灰から重金属類を除去する処理を行うか、または重金属類を安定化させて焼却灰からの溶出量を基準値以下とする難溶性化処理を行わなければならない。なお、焼却灰に含まれている重金属類のうち、特に鉛の含有量が多いので、処理の対象になっている重金属類は主として鉛である。
焼却灰中の重金属類としての鉛の難溶性化に関しては、次のようなことが知られている。
焼却灰は塩基性であって溶出液のpH(塩基性)が高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウム(CaO)あるいは水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウム(CaCO)とせしめることにより、焼却灰のpHを重金属類が難溶性を示す難溶性領域へ変化させることが行われる。焼却灰中の重金属類のうち、特に含有量が多い鉛は両性金属であり、強い塩基性を示す焼却灰に対してpHを低下させる処理を施し、難溶性領域とすることで、鉛の溶出量を減少させることができる。
このように、焼却灰のpHを低下させ難溶性領域へ変化させることにより、重金属類を難溶化し、焼却灰からの重金属類の溶出を抑制でき、焼却灰を土木資材として利用する際の基準値となる土壌環境基準である重金属類溶出基準を満足させることができる。
焼却灰の鉛の溶出量に対する基準値としては、資源として有効利用する場合、鉛の溶出量が0.01mg/l以下であることとされている。このため、焼却灰を資源として利用する場合には、焼却灰をこの基準値以下の性状にするための処理をしなければならない。
焼却灰を処理する装置そして方法としては、特許文献1や特許文献2に開示された技術が知られている。
先ず、特許文献1では、焼却炉から排出された焼却灰を、焼却炉とは別途設けられた焼成炉(ロータリキルン)にもち込み、該焼却灰はロータリキルンで概ね800℃以上で焼成され、有害な重金属を揮発除去して焼却灰における重金属濃度を低減させている(特許文献1、段落[0059]〜[0060]参照)。
次に、特許文献2にあっても、特許文献1と同様に、焼却炉から排出された焼却灰を、焼却炉とは別途設けられたロータリキルンで処理することとしている。この特許文献2では、鉛成分を含む焼却灰にケイ素含有物質を添加し、ロータリキルンで800℃以上に加熱し、その際にケイ素含有物質を添加した焼却灰中のCaO/SiO質量比と目標とする鉛溶出量とに応じた加熱処理温度と時間で処理することで鉛を安定化処理し、溶出量を低減させることとしている。
特開2005−169378 特開2003−159574
このような特許文献1そして特許文献2にあっては、焼却炉から排出された焼却灰を、焼却炉と別途設けられたロータリキルンで800℃以上にまで加熱しなくてはならない。したがって、焼却炉とは別途ロータリキルン等の加熱装置が必要となる結果、処理系の設備が大規模そして複雑化するのみならず、設備費、運転費用も嵩む。さらには、ロータリキルン等で焼却灰を加熱するための燃料供給設備が必要となるに加え、燃料費としてのコストが嵩む。
本発明は、かかる事情に鑑み、焼却炉のみあるいは簡単な付帯設備を設けるだけで、焼却灰を加熱することなく、設備費そして運転費において安価で、焼却灰から鉛等の重金属類の溶出を抑制できて焼却灰の無害化処理の効率の向上を図ることができる焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法を提供することを課題とする。
本発明によると、上述の課題は、焼却灰処理装置にあっては次の第一あるいは第二発明、焼却灰処理方法にあっては第三あるいは第四発明によって解決される。
[焼却灰処理装置]
<第一発明>
炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物焼却炉で発生する焼却灰の処理装置において、後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給する反応剤供給装置を有していることを特徴とする焼却灰処理装置。
<第二発明>
炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物焼却炉で発生する焼却灰の処理装置において、後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給する反応剤供給装置と、灰排出部から排出された焼却灰を所定粒径よりも小粒径の小粒径焼却灰と該所定粒径以上の大粒径の大粒径焼却灰に分級する分級装置と、分級された小粒径焼却灰を反応剤供給装置へ搬送する小粒径焼却灰搬送装置とを有し、上記反応剤供給装置が、反応剤とともに小粒径焼却灰を後燃焼域の焼却灰へ供給することを特徴とする焼却灰処理装置。
第一及び第二発明において、融剤は、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、鉄のうち少なくとも1つを含む化合物又はホウ砂とすることができる。
[焼却灰処理方法]
<第三発明>
炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物処理炉で発生する焼却灰の処理方法において、
後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給して、
融剤により焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ、焼却灰中の酸化カルシウムに上記ケイ砂を反応させて、ケイ酸化合物を生成して焼却灰の塩基性を低下させ、焼却灰からの鉛の溶出を抑制することを特徴とする焼却灰処理方法。
<第四発明>
炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物処理炉で発生する焼却灰の処理装置において、
灰排出部から排出された焼却灰を所定粒径よりも小粒径の小粒径焼却灰と該所定粒径以上の大粒径の大粒径焼却灰とに分級し、
分級された小粒径焼却灰を、ケイ砂と融剤とを含む反応剤とともに後燃焼域の焼却灰に供給して、
融剤により焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ、焼却灰中の酸化カルシウムに上記ケイ砂を反応させて、ケイ酸化合物を生成して焼却灰の塩基性を低下させ、焼却灰からの鉛の溶出を抑制することを特徴とする焼却灰処理方法。
第三及び第四発明において、融剤は、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、鉄のうち少なくとも1つを含む化合物又はホウ砂とすることができる。
かかる構成の第一及び第三発明にあっては、廃棄物焼却炉の後燃焼域へケイ砂および融剤を供給することにより、後燃焼域に存在する焼却灰に含まれる塩基性成分(主として酸化カルシウムCaO)をSi含有の酸化物(CaSiO,CaSiO等のケイ酸化合物)に変化させ、焼却灰の塩基性を低下(pHを低下させることで、焼却灰の鉛溶出を抑制するようになる。その際、融剤は、焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ、炉内後燃焼域の雰囲気温度である600〜700℃の温度下で容易に溶融状態として、反応が進行するようにさせる。
また、上述の構成の第二及び第四発明にあっては、焼却炉から排出された焼却灰を分級装置で分級し、分級された焼却灰のうち、大粒径焼却灰よりも鉛を多く含む小粒径焼却灰をケイ砂および融剤とともに、上記焼却炉の後燃焼域に供給することにより、焼却灰に含まれる塩基性成分をSi含有の酸化物(CaSiO,CaSiO等のケイ酸化合物)に変化させることで、焼却灰の塩基性を低下させ、焼却灰の鉛溶出を抑制するようになる。
本発明は、以上のように、廃棄物焼却炉の後燃焼域に、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給することにより、融剤の作用により焼却灰とケイ砂の各成分の融点を後燃焼域雰囲気温度と同程度にまで降下させることができ、容易に溶融状態とし反応を進行させるので、後燃焼域における焼却灰に含まれる塩基性成分がSi含有の酸化物に変化して、焼却灰の塩基性が低下することで焼却灰の鉛溶出を抑制でき、別途焼却灰処理のための設備は不要となり、設備費、運転費等の軽減を可能とする。
本発明の一実施形態装置の概要構成図である。 本発明の他の一実施形態装置の概要構成図である。
以下、添付図面にもとづき、本発明の第一及び第二実施形態を説明する。
[第一実施形態]
<廃棄物焼却炉>
図1は、本実施形態に係る焼却灰処理装置の概要構成図である。該焼却灰処理装置は、上記廃棄物を焼却する火格子式の廃棄物焼却炉1(以下、単に「焼却炉1」という)に、ケイ砂と融剤を含む反応剤の供給のための反応剤供給装置10が接続された構成となっている。該焼却炉1には、後続装置(図示せず)として該焼却炉1から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行い蒸気を発生させる熱回収系統としてのボイラと、該ボイラで熱回収された排ガスを除塵して無害化処理を行う排ガス処理系統としてのバグフィルタと、バグフィルタで無害化処理された排ガスを大気中へ放出するための煙突とを備えている。
焼却炉1は、例えば産業廃棄物や家庭ごみ等の廃棄物を燃焼するための主燃焼室2と、この主燃焼室2の廃棄物の流れ方向の上流側(図1の左側)の上方に配置され、廃棄物を主燃焼室2内に投入するための廃棄物投入口3と、主燃焼室2の焼却向き廃棄物の流れ方向の下流側(図1の右側)の上方に連設される二次燃焼室4とを備える火格子式の焼却炉である。
主燃焼室2の底部には、廃棄物を移動させながら燃焼させる火格子(ストーカ)5が設けられている。この火格子5は、廃棄物投入口3に近い方から、すなわち、上流側から乾燥域を形成する乾燥火格子5a、主燃焼域を形成する燃焼火格子5b、後燃焼域を形成する後燃焼火格子5cの順に設けられていて、主に乾燥火格子5aと燃焼火格子5bの上に廃棄物層Aが形成されている。
乾燥火格子5aでは主として廃棄物の乾燥と着火が行われる。燃焼火格子5bでは主として廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ、熱分解により発生した可燃性ガスと固形分の燃焼が行われ、可燃性ガスが燃焼する際に火炎を形成する。後燃焼火格子5c上では、燃え残った廃棄物中の固形分の未燃分を完全に燃焼させる。廃棄物中の固形分が燃焼する際には火炎は発生せず熾燃焼する。この結果、後燃焼火格子5cの下流側部分(図1での右半部)上には、完全に燃焼した後の焼却灰Bの層が形成される。該焼却灰Bは灰排出部6から落下排出され、灰ピット7に貯留される。
主燃焼室2内の乾燥火格子5a、燃焼火格子5b及び後燃焼火格子5cの下方には、図示されていないが、それぞれの火格子下方に風箱が設けられている。ブロワにより供給される燃焼用空気が燃焼用空気供給管を通って各風箱に供給され、各火格子5a,5b,5cを通って主燃焼室2内に供給される。なお、燃焼用空気は、火格子5a,5b,5c上の廃棄物の乾燥及び燃焼に使われるほか、火格子5a,5b,5cの冷却作用、廃棄物の攪拌作用を有する。
主燃焼室2に連設された二次燃焼室4では、主燃焼室2で発生した燃焼ガス中の可燃性ガスの未燃分(未燃ガス)が燃焼(二次燃焼)される。
<反応剤供給装置>
反応剤供給装置10は、主としてケイ砂と融剤とを反応剤として貯留し、ケイ砂と融剤の両者を混合しあるいは別途だが同時に、後燃焼域を形成する後燃焼火格子5c上の焼却灰に供給するように、主燃焼室2の上壁に接続されている。ここで、融剤は、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、鉄のうち少なくとも1つを含む化合物又はホウ砂である。かかる反応剤を後燃焼域の焼却灰に供給することにより、融剤が焼却灰とケイ砂の各成分の融点を下げ、後燃焼火格子5c上の600〜700℃の温度雰囲気下で焼却灰とケイ砂の各成分が容易に溶融状態となり、反応が進行しやすくなり、焼却灰中の酸化カルシウム(CaO)からケイ酸カルシウム化合物を生成させる。酸化カルシウムを反応させ低減することにより焼却灰の塩基性(pH)を低下させ、焼却灰中の鉛の溶出を抑制する。
このような本実施形態において、反応剤供給装置10から後燃焼域を形成する後燃焼火格子5c上へ反応剤を供給すると、焼却灰中の鉛の溶出が抑制されるが、その挙動は、次のような本発明の原理にもとづく。
<本発明の原理>
(A)鉛(Pb)は両性金属であり、焼却灰の塩基性(pH)が高いほど焼却灰から溶出するPb濃度は高くなる。焼却灰の塩基性成分は多くが酸化カルシウムCaOであるため、CaOを不溶性の化合物にすることでその塩基性を低下させ、Pb溶出を抑制できる。
(B)焼却灰中のCaOを不溶性の化合物にするための手法として、焼却灰とケイ砂を混合、加熱することにより、酸化カルシウムとケイ砂を反応させケイ酸カルシウムCaSiOもしくはCaSiOを生成するものが考えられる。ただしこの手法は1000℃以下の低温での反応速度が遅く、数時間程度では反応が十分に進行しない。
(C)そこで本発明では、ケイ砂と融剤からなる反応剤を用いることとした。融剤が焼却灰とケイ砂の各成分の融点を下げ、600〜700℃の温度雰囲気下で焼却灰とケイ砂の各成分が容易に溶融状態となり、反応が進行しやすくなる。
(D)この反応温度である600〜700℃はストーカ式焼却炉の後燃焼域の温度雰囲気と同程度であるため、焼却炉内を反応場として用いることで、別途加熱反応器を設置する場合に比べて設備コストと燃料コストを削減できるというメリットがある。
(E)また焼却灰は小粒径分にCaOが多く含まれる。焼却炉から排出された排出焼却灰を所定粒径より大きい大粒径分と所定粒径以下の小粒径分とに分級し、小粒径焼却灰を回収してケイ砂および融剤とともに、焼却炉の後燃焼域の焼却灰に供給することで排出焼却灰中のCaOとケイ砂をさらに反応させることにより、焼却灰の塩基性を低下させ鉛の溶出を抑制させる効果をさらに高めることが好ましい。なお、この方法では反応後のCaOとケイ砂は焼結により粒径が大きくなるため、反応済みの焼却灰粒子が再び小粒径分の焼却灰粒子として回収されることがない。焼却灰粒子に含まれるCaO含有率が粒径1mm以下の小粒径分では多く含まれることから、焼却灰の分級の基準粒径を1mmとすることが好ましい。
<作動>
次に、本実施形態に係る廃棄物焼却炉の作動を図1に基づいて説明する。
廃棄物は、焼却炉1の廃棄物投入口3から主燃焼室2へ投入された後、乾燥火格子5a、燃焼火格子5bそして後燃焼火格子5c上で下流側へ送られながら、既述した要領で焼却される。廃棄物が燃焼することにより生じた燃焼ガスは、該燃焼ガス中の未燃ガスが二次燃焼室4で二次燃焼された後、排ガスが焼却炉1外へ排出される。焼却炉1からの排ガスは、図示しない後続装置のボイラで熱回収された後、バグフィルタで除塵されて、煙突から大気中に放出される。また、ボイラでの熱回収により発生した蒸気が、蒸気タービンへ送られ発電に利用される。
このような主燃焼室2における燃焼過程において、反応剤供給装置10からは、ケイ砂と融剤を含む反応剤が後燃焼域の焼却灰へ供給される。後燃焼域を形成する後燃焼火格子5c上の焼却灰は、600〜700℃の雰囲気のもとにあり、上記反応剤がこの雰囲気のもとに焼却灰に供給されると、反応剤中の融剤が焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ上記温度雰囲気下で溶融状態として反応が行われる。焼却灰中の酸化カルシウムとケイ砂が反応してケイ酸カルシウム化合物を生成し焼却灰のpHを低下させ塩基性を低下させ焼却灰中の鉛の溶出を抑制させる。
かくして、鉛の溶出抑制処理された焼却灰は灰排出部6から排出され、灰ピット7に貯留された後、埋立処分場へ搬送されて埋立処分されるか、あるいは資源として有効利用される。
[第二実施形態]
次に、図2にもとづき第二実施形態について説明する。本実施形態は、廃棄物焼却炉の灰排出部6に分級装置11が接続されている点に特徴があり、廃棄物焼却炉1自体は図1に示された第一実施形態と同じであり、図2では、図1と共通部位には同一符号を付し、その説明は省略する。
分級装置11は、灰排出部6から焼却灰を受けこれを所定粒径を基準として大粒径焼却灰と小粒径焼却灰とに分級するようになっている。焼却灰は小粒径分にCaOが多く含まれる。焼却炉から排出された排出焼却灰を所定粒径より大きい大粒径分と所定粒径以下の小粒径分とに分級し、小粒径焼却灰を回収してケイ砂および融剤とともに、焼却炉の後燃焼域の焼却灰に供給することで排出焼却灰中のCaOとケイ砂をさらに反応させることにより、焼却灰の塩基性を低下させ鉛の溶出を抑制させる効果をさらに高める。焼却灰粒子に含まれるCaO含有率が粒径1mm以下の小粒径分で高いことから、焼却灰を大粒径焼却灰と小粒径焼却灰とに分級する粒径を1mmとすることが好ましい。
本実施形態では、上記分級装置11から、小粒径焼却灰を反応剤供給装置10に搬送するように搬送ライン8が設けられ、大粒径焼却灰を排出する灰ピット7が設けられている。搬送ライン8は搬送コンベア等の搬送装置で構成される。
上記分級装置11から小粒径焼却灰を受ける反応剤供給装置10は、反応剤としてケイ砂と融剤とを後燃焼域の焼却灰に供給するとともに、上記小粒径焼却灰をも供給するようになっている。
かかる本実施形態によれば、焼却灰のうち、酸化カルシウムを多く含む小粒径焼却灰を分級して取り出し、反応剤とともに後燃焼域へ供給するので、排出焼却灰中のCaOとケイ砂をさらに反応させることにより、焼却灰の塩基性を低下させ鉛の溶出を抑制させる効果をさらに高めることができる。
火格子式廃棄物焼却炉の後燃焼火格子上の焼却灰にケイ砂と融剤としてのホウ砂を供給し、焼却炉内の後燃焼段の温度雰囲気である600〜700℃の温度雰囲気下で加熱処理した。焼却炉から排出された焼却灰を環境省告示46号土壌の汚染に係る環境基準による試験方法に基づき鉛溶出試験を行ない、溶出液pHおよび溶出鉛濃度を測定した。比較例1として後燃焼段に何も吹き込まない場合、比較例2としてケイ砂のみ供給する場合、および比較例3としてホウ砂のみ供給する場合について同様に加熱処理し鉛溶出試験を行なった。それぞれの結果を表1に示す。
これに対し、実施例として後燃焼火格子上の焼却灰へケイ砂とホウ砂を供給する場合には、同表に示されるように焼却灰を埋立路盤材等の土木資材として利用することができる鉛の溶出基準である0.01mg/l未満とすることができた。比較例では上記溶出基準を超過した。
Figure 2017176970
第一実施形態そして第二実施形態では、火格子式廃棄物焼却炉を例として説明したが、本発明では、焼却炉の形式に限定はなく、炉内が乾燥域、主燃焼域、後燃焼域に大別形成されていれば、本発明が適用できる。
1 廃棄物焼却炉
5a 乾燥火格子(乾燥域)
5b 主燃焼火格子(主燃焼域)
5c 後燃焼火格子(後燃焼域)
6 灰排出部
10 反応剤供給装置
11 分級装置

Claims (6)

  1. 炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物焼却炉で発生する焼却灰の処理装置において、
    後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給する反応剤供給装置を有していることを特徴とする焼却灰処理装置。
  2. 炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物焼却炉で発生する焼却灰の処理装置において、
    後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給する反応剤供給装置と、
    灰排出部から排出された焼却灰を所定粒径よりも小粒径の小粒径焼却灰と該所定粒径以上の大粒径の大粒径焼却灰に分級する分級装置と、
    分級された小粒径焼却灰を反応剤供給装置へ搬送する小粒径焼却灰搬送装置とを有し、
    上記反応剤供給装置が、反応剤とともに小粒径焼却灰を後燃焼域の焼却灰へ供給することを特徴とする焼却灰処理装置。
  3. 融剤は、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、鉄のうち少なくとも1つを含む化合物又はホウ砂であることとする請求項1または請求項2に記載の焼却灰処理装置。
  4. 炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物処理炉で発生する焼却灰の処理方法において、
    後燃焼域の焼却灰に対して、ケイ砂と融剤を含む反応剤を供給して、
    融剤により焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ、焼却灰中の酸化カルシウムに上記ケイ砂を反応させて、ケイ酸化合物を生成して焼却灰の塩基性を低下させ、焼却灰からの鉛の溶出を抑制することを特徴とする焼却灰処理方法。
  5. 炉内で廃棄物を乾燥させる乾燥域、乾燥後の廃棄物を燃焼する主燃焼域そして燃え残りを後燃焼する後燃焼域、さらには後燃焼後の焼却灰を排出する灰排出部を有する廃棄物処理炉で発生する焼却灰の処理装置において、
    灰排出部から排出された焼却灰を所定粒径よりも小粒径の小粒径焼却灰と該所定粒径以上の大粒径の大粒径焼却灰とに分級し、
    分級された小粒径焼却灰を、ケイ砂と融剤とを含む反応剤とともに後燃焼域の焼却灰に供給して、
    融剤により焼却灰とケイ砂の各成分の融点を降下させ、焼却灰中の酸化カルシウムに上記ケイ砂を反応させて、ケイ酸化合物を生成して焼却灰の塩基性を低下させ、焼却灰からの鉛の溶出を抑制することを特徴とする焼却灰処理方法。
  6. 融剤は、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、鉄のうち少なくとも1つを含む化合物又はホウ砂であることとする請求項4または請求項5に記載の焼却灰処理方法。
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