JP7103021B2 - 廃棄物焼却装置及び廃棄物焼却方法 - Google Patents

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本発明は、都市ごみ等の廃棄物を焼却する火格子式の廃棄物焼却装置及び廃棄物焼却方法に関する。
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却残渣は、その殆どが埋め立て処分されている。しかし、近年、埋め立て処分場の確保が困難になり、埋め立て量を減少させることが要望されている。このため、廃棄物焼却炉から排出される焼却残渣(以下、「焼却灰」という)を資源として有効利用し、埋立て処分量を減少させる試みがなされている。
しかし、焼却灰には、有害物質、特に重金属類が含まれている。したがって、焼却灰からの重金属類の溶出量が基準値以上の場合は、そのままでの資源としての利用が困難である。このような状況に対処するためには、上述のような性状の焼却灰を資源として利用するために、焼却灰から重金属類を除去する処理を行うか、または重金属類を安定化させて焼却灰からの溶出量を基準値以下とする処理を行うように焼却灰の無害化処理を行わなければならない。なお、焼却灰に含まれている重金属類のうち、特に鉛の含有量が多いため、処理の対象になっている重金属類は主として鉛である。
焼却灰中の重金属類としての鉛の溶出の抑制(難溶性化)に関しては、次のようなことが知られている。
(1)焼却灰に含まれる鉛は、該鉛を二酸化炭素と反応させて炭酸化物を生成することにより、水に対する溶解度が低下する性質を有する。具体的には、酸化鉛PbOから炭酸鉛PbCOに変化することにより、水に対する溶解度は酸化鉛で107mg/lであるところ、炭酸鉛では2.5mg/lと大幅に低下し、難溶性になり焼却灰からの溶出が抑制される。
(2)また、焼却灰は塩基性であって溶出液のpHが高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウムCaOあるいは水酸化カルシウムCa(OH)2を二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウムCaCOとせしめることにより、焼却灰のpHを重金属類が難溶性を示す低pHとして難溶性領域とすることも行われる。焼却灰中の重金属類のうち、特に含有量が多い鉛は両性金属であり、強い塩基性を示す焼却灰に対してpHを低下させる処理を施し、難溶性領域とすることで、鉛の溶出量を減少させることができる。
このように、(1)鉛などの重金属類の炭酸化反応により炭酸鉛などを生成させ難溶性にすることと共に、(2)焼却灰のpHを低下させ難溶性領域にすることも同時に行うことにより、重金属類を難溶化し、焼却灰からの重金属類の溶出を抑制でき、焼却灰を土木資材として利用する際の基準値となる土壌環境基準における重金属類溶出基準を満足させることができる。
現状における焼却灰の鉛の溶出量に対する基準値は、資源として有効利用する場合、鉛の溶出量が0.01mg/lである。このため、焼却灰を利用する場合には、焼却灰をこれらの基準値以下の性状にするための処理をしなければならない。
このような焼却灰に含まれる重金属類の難溶性化処理が知られている状況のもとで、焼却灰の無害化処理方法として、特許文献1の段落[0040]~[0042]、図4に開示されている方法が知られている。特許文献1に開示されている焼却灰の重金属類の無害化処理方法では、廃棄物焼却炉からの燃焼排ガスの一部が煙道から抜き出され送風機により送気され、熱風発生炉で発生した高温の燃焼ガスと混合されて400℃~600℃の範囲内の所定温度まで加熱された後、後燃焼火格子の下方から導入されるようになっており、廃棄物焼却炉の排ガスを後燃焼火格子上の焼却灰に通気することにより、焼却灰中の成分と排ガス中の二酸化炭素との反応がなされ、鉛などの重金属類の炭酸化反応により炭酸鉛などを生成させ難溶性にすることと共に、焼却灰に含まれる酸化カルシウムCaOあるいは水酸化カルシウムCa(OH)2を二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウムCaCOとせしめ、焼却灰のpHを低下させ難溶性領域にすることも行なわれることにより、焼却灰からの重金属類の溶出を抑制する焼却灰の無害化処理が行われる。
特開2003-340397
しかしながら、特許文献1に開示された方法にあっては、燃焼排ガスと混合する高温の燃焼ガスを発生させるために熱風発生炉が追加的に必要であり、設備費用と運転費用が嵩むという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、焼却灰の重金属類の溶出を抑制する無害化処理を簡便に行うことができ、さらにその無害化処理の効率を向上させることができる、廃棄物焼却装置及び廃棄物焼却方法を提供することを課題とする。
本発明によると上述の課題は、次のような構成の廃棄物焼却装置、それらによる廃棄物焼却方法により解決される。
[廃棄物焼却装置]
本発明の廃棄物焼却装置は、次のごとく構成される。
乾燥火格子、燃焼火格子及び後燃焼火格子を有し廃棄物を焼却する焼却炉を備える廃棄物焼却装置において、
乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ一次空気を供給する一次空気供給手段と、後燃焼火格子の下方へ焼却炉の排ガスの一部を供給する循環排ガス供給手段と、焼却炉で燃焼する廃棄物燃焼量を測定する廃棄物燃焼量測定手段と、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を調整する循環排ガス供給量調整手段とを有していることを特徴とする廃棄物焼却装置。
本発明において、循環排ガス供給量調整手段は、廃棄物燃焼量1tあたり循環排ガス供給量を500~2000Nmとするように循環排ガス供給量を調整することが好ましい。
また、本発明において、循環排ガス供給量調整手段は、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように循環排ガス供給量を調整することが好ましい。
また、本発明において、循環排ガス供給手段は、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガスの温度を130~250℃とすることが好ましい。
[廃棄物焼却方法]
本発明の廃棄物焼却方法は、次のごとく構成される。
乾燥火格子、燃焼火格子及び後燃焼火格子を有する焼却で廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法において、
一次空気供給手段から乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ一次空気を供給し、循環排ガス供給手段から後燃焼火格子の下方へ焼却炉の排ガスの一部を供給し、焼却炉で燃焼する廃棄物燃焼量を廃棄物燃焼量測定手段で測定し、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を循環排ガス供給量調整手段で調整することを特徴とする廃棄物焼却方法。
本発明においては、循環排ガス供給量調整手段で、廃棄物燃焼量1tあたり循環排ガス供給量を500~2000Nmとするように循環排ガス供給量を調整することが好ましい。
本発明においては、循環排ガス供給量調整手段で、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように循環排ガス供給量を調整することが好ましい。
本発明においては、循環排ガス供給手段で、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガスの温度を130~250℃とすることが好ましい。
本発明は、以上のように、後燃焼火格子上の焼却灰に循環排ガス中の二酸化炭素を供給して接触させることで焼却灰を無害化する処理を施す際に、乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ一次空気を供給する一次空気供給手段と、後燃焼火格子の下方へ焼却炉の排ガスの一部を供給する循環排ガス供給手段と、焼却炉で燃焼する廃棄物燃焼量を測定する廃棄物燃焼量測定手段と、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を調整する循環排ガス供給量調整手段とを有していることとしたので、後燃焼火格子上の焼却灰に循環排ガス中の二酸化炭素を十分な供給量で接触させて無害化処理を十分に施すことができる。
本発明の一実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。 図1装置の変形例の概要構成図である。
以下、添付図面にもとづき、本発明の一実施形態を説明する。
<廃棄物焼却装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る廃棄物焼却装置の全体構成を示しており、この廃棄物焼却装置は、廃棄物を焼却する焼却炉1と、該焼却炉1から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行い蒸気を発生させる廃熱ボイラ10と、該廃熱ボイラ10で熱回収された排ガスを除塵するバグフィルタ11と、該バグフィルタ11で除塵された排ガスを大気中へ放出するための煙突12とを備えている。
焼却炉1は、例えば産業廃棄物や家庭ごみ等の廃棄物を燃焼するための燃焼室2と、この燃焼室2の廃棄物の流れ方向の上流側(図1の左側)の上方に配置され、廃棄物を燃焼室2内に投入するための廃棄物投入口3と、燃焼室2の廃棄物の流れ方向の下流側(図1の右側)の上方に連設される二次燃焼室4とを備える火格子式の焼却炉である。燃焼室2に連設された二次燃焼室4では、燃焼室2で発生した燃焼ガス中の可燃性ガスの未燃分(未燃ガス)が燃焼(二次燃焼)される。
燃焼室2の底部には、廃棄物を移動させながら燃焼させる火格子(ストーカ)5が設けられている。廃棄物投入口3の下方には廃棄物を燃焼室2の火格子5上に押出し供給する押出機3aが設けられている。火格子5は、廃棄物投入口3に近い方から、すなわち、上流側から乾燥域を形成する乾燥火格子5a、燃焼域を形成する燃焼火格子5b、後燃焼域を形成する後燃焼火格子5cの順に設けられていて、主に乾燥火格子5aと燃焼火格子5bの上に廃棄物層が形成され、後燃焼火格子の下流部に焼却灰層が形成されている。
乾燥火格子5aでは主として廃棄物の乾燥と着火が行われる。燃焼火格子5bでは主として廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ、熱分解により発生した可燃性ガスと固形分の燃焼が行われ、可燃性ガスが燃焼する際に火炎を形成する。後燃焼火格子5c上では、燃え残った廃棄物中の固形分の未燃分を完全に燃焼させる熾燃焼が行われ、廃棄物中の固形分が燃焼する際には火炎は発生せず熾燃焼する。この結果、後燃焼火格子5cの下流側部分(図1での右半部)上には、完全に燃焼した後の焼却灰の層が形成される。該焼却灰は焼却灰排出部6から排出される。
本実施形態では、上記乾燥火格子5aと燃焼火格子5bの下方から燃焼用の一次空気を供給する一次空気供給手段としての一次空気供給ライン8が設けられている。該一次空気供給ライン8は、送風機7を備えており、該送風機7の下流側で乾燥火格子5aの下方と燃焼火格子5bの下方に接続された分岐ライン8a,8bを有していて、それぞれ一次空気を乾燥火格子5aの下方からそして燃焼火格子5bの下方から送入する。
燃焼用の一次空気は、乾燥火格子5a、燃焼火格子5b上の廃棄物の乾燥及び燃焼に使われるほか、乾燥火格子5a、燃焼火格子5bの冷却作用、廃棄物の攪拌作用を有する。
バグフィルタ11の出口側の排ガスダクト(煙道)から、バグフィルタ11での除塵後の排ガスの一部を循環排ガスとして後燃焼火格子5cの下方へ送入する循環排ガス供給ライン13が循環排ガス供給手段として設けられている。循環排ガス供給ライン13には流量調整を行う循環排ガス供給量調整手段としてダンパ又はバルブ14cが設けられている。また、上記循環排ガス供給ライン13には送風機15も設けられている。
このような図1の廃棄物焼却装置は、燃焼室2内に供給され燃焼される廃棄物量(廃棄物焼却量)を測定する廃棄物燃焼量測定手段(図示せず)をも備えており、その測定値に基づき循環排ガス供給量を制御するようになっている。この廃棄物燃焼量測定手段の測定形態と測定値に基づく制御形態は次のごとくである。
<廃棄物燃焼量測定手段の測定形態>
廃棄物燃焼量測定手段では、次の1),2),3)の測定手段による測定値のいずれかにより(又は組み合わせて)燃焼室内に供給され燃焼される廃棄物量(廃棄物燃焼量)を測定又は導出する。
1)クレーン(図示せず)により廃棄物ピットから焼却炉1の廃棄物投入口3に投入する廃棄物投入量を、投入するごとにクレーンに付設した重量計で測定し、単位時間あたりに燃焼室に供給する廃棄物重量を廃棄物燃焼量として求める。
2)廃棄物投入口3に投入された廃棄物を押出機3aにより焼却炉1内の火格子5上へ押出し供給する廃棄物供給量を、押出機3aの一回の押出動作により供給される廃棄物の重量に、単位時間あたりの押出機の押出回数を乗じて廃棄物燃焼量として求める。
3)火格子5により廃棄物を乾燥火格子5aから後燃焼火格子5cへ向け搬送する廃棄物供給量を、最上流側の火格子上の廃棄物重量に火格子送り速度を乗じて廃棄物燃焼量として求める。
<測定値に基づく制御形態>
廃棄物燃焼量測定手段により測定、導出された廃棄物燃焼量に基づき、適切な循環排ガス供給量を設定し、循環排ガス供給量調整手段としてのダンパ又はバルブ14cの開度を調整して循環排ガス供給量を制御する。測定、導出された廃棄物燃焼量に基づき、適切な循環排ガス供給量を設定する際に、廃棄物燃焼量に対応する適切な循環排ガス供給量との対応関係をテーブル、線図等で予め定めておき、この対応関係に基づき適切な循環排ガス供給量を設定するようにしてもよいし、廃棄物燃焼量から適切な循環排ガス供給量を導出する関係式や導出フローチャートを作成しておき、これを用いるようにしてもよい。
<廃棄物焼却装置の運転要領>
このような本実施形態の廃棄物焼却装置は、次の要領で運転される。
図1の実施形態においては、先ず、廃棄物投入口3へ廃棄物Wが投入されると、廃棄物Wは押出機3aにより押出されて乾燥火格子5aに供給され、各火格子5a,5b,5cの動作により、乾燥火格子5a上から燃焼火格子5b上そして後燃焼火格子5c上へと順次移動し、各火格子5a,5b,5c上に廃棄物の層を形成する。
乾燥火格子5a、燃焼火格子5bは燃焼用ガスとして分岐ライン8a,8bを経てそれぞれ一次空気の供給を受け、これにより乾燥火格子5a、燃焼火格子5b上の廃棄物は乾燥されてから燃焼される。後燃焼火格子5cでは、循環排ガス供給ライン13から焼却炉1の排ガスの一部を循環排ガスとして受け、廃棄物は後燃焼し、その焼却灰は焼却灰排出部6から排出される。
燃焼室2内で発生した未燃ガスは、二次燃焼室4に導かれ、そこで二次空気と混合・攪拌され二次燃焼し、二次燃焼室4からの燃焼後の排ガスは廃熱ボイラ10で熱回収される。熱回収された後、廃熱ボイラ10から排出された排ガスは、バグフィルタ11に送られ除塵される。バグフィルタ11で除塵されて無害化された後の排ガスは、煙突12から大気中に放出される。
本実施形態では、後燃焼火格子5c上の焼却灰は、下方から循環排ガス供給ライン13を経て循環排ガスを受けていて、循環排ガスに含まれる二酸化炭素により焼却灰無害化処理が行われる。無害化処理された後の焼却灰は、焼却灰排出部6より排出される。
後燃焼火格子5c上での焼却灰の無害化処理は、循環排ガスに含まれる二酸化炭素と焼却灰に含まれる鉛とが反応して炭酸化物化して難溶性化することにより、焼却灰からの鉛の溶出が抑制されることによりなされる。また、循環排ガスに含まれる二酸化炭素と焼却灰に含まれる酸化カルシウムとが反応して炭酸カルシウムとなることにより、焼却灰は、pHが低下して、鉛が難溶性を示す難溶性領域となり、焼却灰からの鉛の溶出がさらに抑制される。かくして、後燃焼火格子5c上での焼却灰の無害化処理が十分に進行するため、焼却灰を排出後さらに別の無害化処理を行う必要がなく、処理費用を低くすることができる。
<循環排ガス供給量の制御要領>
本実施形態の廃棄物焼却装置において、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子5cの下方へ供給する循環排ガス供給量を次の要領で調整する。
(1)廃棄物燃焼量測定手段により廃棄物燃焼量を測定、導出する。すなわち、廃棄物燃焼量を、クレーンにより廃棄物投入口3に投入する廃棄物投入量の測定、押出機3aによる火格子5上へ供給する廃棄物供給量の測定、火格子5により搬送する廃棄物供給量の測定のうちいずれか又は組み合わせにより求める。
(2)廃棄物燃焼量測定手段により測定、導出された廃棄物燃焼量に基づき、適切な循環排ガス供給量を設定し、循環排ガス供給量調整手段としてのダンパ又はバルブ14cの開度を調整して循環排ガス供給量を制御する。
循環排ガス供給量は、循環排ガス供給ライン13の送風機15による循環排ガスの送風量を調整することにより調整してもよい。
循環排ガス供給量制御装置を設け、廃棄物燃焼量測定手段から測定、導出された廃棄物燃焼量測定値を受け、適切な循環排ガス供給量を設定し、循環排ガス供給ラインから循環排ガスが適切な循環排ガス供給量で供給されるように循環排ガス供給量調整手段を制御するようにしてもよい。
測定、導出された廃棄物燃焼量に基づき、適切な循環排ガス供給量を設定する際に、廃棄物燃焼量に対応する適切な循環排ガス供給量との対応関係をテーブル、線図等で予め定めておき、この対応関係に基づき適切な循環排ガス供給量を設定するようにしてもよいし、廃棄物燃焼量から適切な循環排ガス供給量を導出する関係式や導出フローチャートを作成しておき、これを用いるようにしてもよい。
ここで廃棄物燃焼量は、それぞれの廃棄物燃焼量測定手段により測定する測定量であってもよいし、廃棄物焼却炉の操業計画に基づき設定する設定量であってもよいし、又は廃棄物燃焼量を算定するための操業データから算定する算定量であってもよい。
<循環排ガス供給量の適正範囲>
循環排ガス供給量を廃棄物燃焼量に対応する適正範囲に調整するが、好ましくは、循環排ガス供給量を、廃棄物燃焼量1tあたり循環排ガス供給量を500~2000Nmとするように循環排ガス供給量を調整する。このような範囲に限定する理由は、下限値より少ないと焼却灰中の鉛量や酸化カルシウム量、水酸化カルシウム量に対して、十分な量の二酸化炭素を供給して接触させることができず、焼却灰からの重金属の溶出を抑制する反応を十分に行えないし、また上限値より多いと循環排ガスにより焼却炉内の温度が低下し廃棄物の燃焼が不安定になりCO発生が多くなり不適となるからである。
<焼却灰に含まれる無機炭素濃度又は炭酸カルシウム濃度の調整>
循環排ガス供給量を調整する際、焼却灰からの鉛の溶出抑制の視点から、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように調整することが好ましい。焼却灰に含まれる無機炭素は主に炭酸カルシウムであり、焼却灰に含まれる酸化カルシムと水酸化カルシウムとが循環排ガスに含まれる二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムが生成される反応の進行状況を把握する指標として、無機炭素濃度又は炭酸カルシウム濃度を用いることが好ましい。
循環排ガス供給量を調整して、焼却灰に含まれる酸化カルシムと水酸化カルシウムとを、循環排ガスに含まれる二酸化炭素と反応させることにより、炭酸カルシウムを生成させ、焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とすることにより、焼却灰のpHを低下させて鉛の難溶性領域として鉛の溶出を抑制する効果を十分に発揮させることができる。
また、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を化学分析により測定し、無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上とするように、又は炭酸カルシウム濃度をX線回折法により測定し、炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように、循環排ガス供給量を調整すれば、焼却灰のpHを鉛の溶出を抑制する領域にまで低下させて、鉛の溶出を十分に抑制することができる。
<循環排ガス温度の調整>
循環排ガス温度の調整に際しては、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガスの温度を130~250℃とするように、集塵機の下流側から抜き出し循環排ガス供給ラインを介して供給する際にヒーター等による保温を行い、循環排ガスの温度を調整することが好ましい。
循環排ガス温度をこのような範囲に限定する理由は、下限値より循環排ガスの温度が低いと、循環排ガスに含まれている水蒸気が火格子の下方で結露し循環排ガスの通風や火格子から落下する灰の排出に支障が生じるし、上限値より循環排ガスの温度が高いと、循環排ガスにより火格子を冷却する作用が十分でなく火格子温度が過剰に高温となり火格子の運転に支障が生じたり、火格子の損傷が生じるなど問題が生じるからである。
<後燃焼火格子上の焼却灰層の温度の調整>
本実施形態の焼却炉においては、後燃焼火格子上の焼却灰層の温度を400~700℃の範囲とするように、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を制御することとしてもよい。後燃焼火格子上の焼却灰層の温度を400~700℃の範囲に制御することにより、焼却灰に含まれる酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムが循環排ガス中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを生成する反応を促進させて、焼却灰のpHを鉛が難溶性を示す低pHの難溶性領域とする処理を促進させることができる。焼却灰層の温度が400℃未満では、前記の炭酸カルシウムを生成する反応が生じないし、700℃より高いと生成した炭酸カルシウムが分解される逆反応が生じるため、好ましくないからである。焼却灰層の温度を600~700℃の範囲とすることが、炭酸カルシウムを生成する反応が高い効率で進行するためより好ましい。
後燃焼火格子の温度と後燃焼火格子上の焼却灰層の温度との相関関係を予め把握しておき、後燃焼火格子の温度を測定し後燃焼火格子上の焼却灰層の温度を求め、求めた焼却灰層の温度に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を制御することが好ましい。循環排ガス供給量は、循環排ガス供給ライン13の送風機15による循環排ガスの供給量、ダンパ又はバルブ14cの開度の加減により調整される。
<変形例>
次に、本実施形態についての変形例について図2にもとづき説明する。
図2に示されるこの変形例は、図1の構成に加え、焼却炉から排出される焼却灰を受け、槽内の冷却水により冷却する灰冷却槽を設けた構成となっている。
図2に示す本実施形態についての変形例の装置構成、作用効果を説明するのに先立ち、本変形例を見出すに至った背景と解析を説明する。
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰は、焼却炉から排出されて灰冷却槽に投入され槽内の冷却水により冷却され、灰冷却槽から搬出され埋立処分されている。
焼却炉から排出される焼却灰を受け該焼却灰を冷却水で冷却する灰冷却槽では、焼却灰から溶解又は分離した成分から発生したスカムと呼ばれる粒子状物質が上記冷却水の水面に浮遊堆積する。スカムは厚さが数十cmで堆積することもあり、灰冷却槽からの冷却後の焼却灰の搬出などに支障が生じるため、散水スプレーやエアレーション等の設備により沈降させ消失させたり、人力作業により除去したりしている。
スカムを除去するため、スカム消失のための散水スプレーやエアレーション等を行うには、そのための設備の設置やその運転コストが必要になったり、人力作業によるスカム除去のために作業者の負担が大きくなったり、運転コストがかかるという問題がある。
また、灰冷却槽から焼却灰を搬出する際に、搬出用のコンベアにスカムが付着し、コンベアが運転不能となることや、灰冷却槽の水位レベルを測定する水位センサがスカムに埋まってしまい、測定不能となることなど、灰冷却槽の運転に支障が生ずるという問題が生じている。
このような状況のもとで、スカムの発生自体を抑制することができなかった。発明者らは、スカム発生の原因を解析し、スカムの発生を抑制する有効な手段として、焼却炉の後燃焼火格子の下方から循環排ガスを供給することを見出した。以下に、このスカムの発生を抑制する原理を説明する。
<スカム発生の原因解析>
(i)灰冷却槽に焼却炉から高温の焼却灰が投入され、焼却灰中に含まれていたり、焼却灰から反応により発生した小粒径粒子等が冷却水表面に浮遊堆積してスカムとなる。スカムの大部分は焼却灰に含まれる酸化カルシウムから冷却水中で発生する水酸化カルシウム粒子と、焼却灰成分から冷却水中で反応生成されるアルミネート系セメント水和物粒子であり、水酸化カルシウム粒子は冷却水に一部は溶解するが、不溶解分が浮遊し、アルミネート系セメント水和物粒子は水に溶解せず浮遊して、両者がスカムとなる。
(ii)火格子式廃棄物焼却炉において、廃棄物が燃焼火格子で燃焼した後に、後燃焼火格子では未燃分を後燃焼させる、熾燃焼が行われており、後燃焼火格子下部より微量の空気を通風することで未燃分を完全燃焼する。後燃焼火格子下方からの空気送風による冷却作用が小さいため、後燃焼火格子上の焼却灰は高温に保たれる。また、廃棄物に含まれているカルシウムは高温での燃焼により焼却灰中で酸化カルシウムの形態で存在し、焼却灰が灰冷却槽に排出され、灰冷却槽内で焼却灰の酸化カルシウムと水との反応により生成する水酸化カルシウムが存在するようになり、そのため、灰冷却槽の冷却水のpHは高く保たれている。
(iii)灰冷却槽の高pHの冷却水に酸化カルシウムを多く含む焼却灰が投入されると、焼却灰中の酸化カルシウムと水との反応により発生した水酸化カルシウム粒子の大部分が水に溶解せず、水酸化カルシウム粒子の不溶解分が多量に発生し、浮遊してスカムとなる。
<スカム発生の抑制>
そこで、火格子式廃棄物焼却炉の後燃焼火格子の下方より、焼却炉からの排ガスの一部(循環排ガス)を供給し、後燃焼火格子上の焼却灰をスカムの発生し難い性状にすることができる。循環排ガスを後燃焼火格子の下方から供給すると、後燃焼火格子上の焼却灰がスカムの発生し難い性状となる理由は、次の(1)~(3)のごとくである。
(1)後燃焼火格子の下方より循環排ガスを吹き込むことにより、焼却灰中の酸化カルシウムを循環排ガスに含まれる二酸化炭素との反応により炭酸化して炭酸カルシウムとする。こうして、焼却灰中の酸化カルシウム分を低減して、灰冷却槽内で水と反応して発生する水酸化カルシウム粒子量を低減し、水酸化カルシウム粒子の不溶解分として存在することを抑制し、スカム発生を抑制する。
(2)灰冷却槽の冷却水温度が高いほど、水酸化カルシウム粒子の溶解度が小さくなり、水酸化カルシウム不溶解分として存在する量が多くなり、スカムが生じ易くなる。そこで、後燃焼火格子の下方より従来の空気に代えて循環排ガスを吹き込むことにより、空気を吹き込む場合に比べて後燃焼火格子への送風量を増加させて焼却灰の温度を低下させることで、灰冷却槽の冷却水の温度を低下させ、冷却水への水酸化カルシウムの溶解度を増加させ、水酸化カルシウムの不溶解分として存在する量を低減してスカム発生を抑制する。
(3)アルミネート系セメント水和物の生成反応速度は温度依存性が高く、灰冷却槽の冷却水温度が高いほど、アルミネート系セメント水和物の生成反応速度が高くなり、スカムが生じ易くなる。そこで、後燃焼火格子の下方より従来の空気に代えて循環排ガスを吹き込むことにより、空気を吹き込む場合に比べて後燃焼火格子への送風量を増加させて焼却灰の温度を低下させて、灰冷却槽の冷却水の温度を低下させ、アルミネート系セメント水和物の生成反応速度を低下させ、生成量を低減してスカム発生を抑制する。
このように、後燃焼火格子の下方より従来の空気に代えて循環排ガスを吹き込むことにより、空気を吹き込む場合に比べて後燃焼火格子への送風量を増加させて焼却灰の温度を低下させて、灰冷却槽の冷却水の温度を低下させることにより、水酸化カルシウムの不溶解分の存在量を低減するとともに、アルミネート系セメント水和物の生成量を低減してスカム発生を抑制することができる。好ましくは、灰冷却槽の冷却水の温度を65℃以下とすることにより、水酸化カルシウムの溶解度を増加させることと、アルミネート系セメント水和物の生成反応速度を低下させることに効果が高いことを見出した。
<本変形例における装置構成>
図2は、本発明の第一実施形態に係る廃棄物焼却装置の変形例の全体構成を示しており、この廃棄物焼却装置は、図1の装置構成に加えてさらに、焼却炉1から排出された焼却灰を冷却する灰冷却槽20とを備えている。焼却灰は焼却灰排出部6から灰冷却槽20へ落下排出される。
灰冷却槽20は、冷却水WAを貯留している焼却灰冷却部21と、該焼却灰冷却部21から上方に向け延び上方に開口する焼却灰受入部22と、上記焼却灰冷却部21の左上部で下方に開口して、焼却灰を冷却後に冷却灰として排出するための冷却灰排出部23とを有し、上記焼却灰受入部22はその開口部が焼却炉1の焼却灰排出部6の下方に位置している。また、上記焼却灰冷却部21は、上記冷却灰排出部23に向けた槽底部が傾斜面をなしていて、該傾斜面に沿って、冷却灰を上記冷却灰排出部23に向け搬送するコンベア(図示せず)が設けられている。
このような本実施形態の廃棄物焼却装置における本変形例は、次の要領で運転される。そこで、図1の実施形態で説明した内容に対しては説明を省略し、変形例が関連している点について重点的に説明する。
後燃焼火格子5cでは、循環排ガス供給ライン13から焼却炉1の排ガスの一部を循環排ガスとして受け、廃棄物は後燃焼され、その焼却灰は焼却灰排出部6から灰冷却槽20へ落下排出される。
本変形例では、後燃焼火格子5c上の焼却灰は、下方から循環排ガスを受けていて、或る程度降温された状態で、焼却灰排出部6から落下して、灰冷却槽20の焼却灰受入部22を経て焼却灰冷却部21で冷却水中に堆積され冷却される。冷却灰はコンベアにより冷却灰排出部23から槽外へ排出される。
本変形例では、後燃焼火格子5c上の焼却灰への循環排ガスの供給により、焼却灰は降温されてから焼却灰冷却部21へ落下するように、設定されている。
上記循環ガスの供給量は、焼却灰が焼却灰冷却部21へ落下して冷却水中に堆積しても、スカムの発生を抑制する性状となっているように、後燃焼火格子5c上の焼却灰の温度を降下させるのに十分な量とすることが好ましい。この焼却灰の温度を直接に測定する代わりに、上記冷却水の温度を測定し冷却水温度を指標として、焼却灰の温度をスカムが発生し難い状態とするような温度とするように後燃焼火格子5c上の焼却灰への循環排ガス供給量を調整してもよい。循環排ガス供給量調整手段としてのダンパ又はバルブ14により循環排ガス供給量を調整するようにしてもよい。このようにして上述したような原理のもとで焼却灰をスカムが発生し難い状態とすることができる。冷却水温度測定手段としての冷却水温度計を備えて、冷却水温度計により焼却灰冷却部21内の冷却水の温度を測定し、測定された冷却水の温度を所定温度範囲とするように、循環排ガス供給量を調整するようにしてもよい。
本変形例では、灰冷却槽の冷却水の温度を65℃以下とすることが好ましく、この温度では、水酸化カルシウムの溶解度を増加させることと、アルミネート系セメント水和物の生成反応速度を低下させることに有効である。さらに、冷却水の温度を65℃以下にするには、後燃焼火格子5cへの循環ガス供給量は、焼却灰排出量1kgあたり5~20mとすること、又は、廃棄物焼却量1kgあたり循環排ガス供給量500~2000mに調整することが好ましい。循環ガス供給量を下限より少なくすると、冷却水温度を低下させる効果が十分でなく、上限より多くすると、燃焼室内温度が低下し廃棄物の安定的な燃焼に問題が生じるため不適である。
ここで焼却灰排出量又は廃棄物焼却量は、廃棄物焼却炉の操業計画に基づき設定する設定量であってもよいし、実際の排出量又は焼却量をそれぞれの測定手段により測定する測定量であってもよいし、又は焼却灰排出量又は廃棄物焼却量を算定するための操業データから算定する算定量であってもよい。
<本変形例の効果>
本変形例では、一次空気供給手段から乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ、一次空気を供給し、循環排ガス供給手段から後燃焼火格子の下方へ焼却炉からの排ガスの一部を供給することとしたので、後燃焼火格子上の焼却灰への循環排ガスの供給により、スカムの原因となる焼却灰中の酸化カルシウムが循環排ガスに含まれる二酸化炭素との反応により炭酸化され酸化カルシウムが低減され、また、循環排ガスの吹き込みにより焼却灰の温度が低下して灰冷却槽の冷却水の温度を低下させ冷却水への水酸化カルシウムの溶解度を増加させて水酸化カルシウムの未溶解分が低減され、さらには、アルミネート系セメント水和物の生成反応速度が低下されてアルミネート系セメント水和物の生成が抑制されて、灰冷却槽でのスカム発生を抑制できる。そのため、従来用いていた散水スプレーやエアレーション等設備が不要であり、設備の運転にかかる運転コストや作業者によるスカム除去作業コストを削減できる。また、冷却槽内から焼却灰を搬出するコンベアが運転不能となることや水位センサが測定不能となることなどの問題が生じなくなる。
図1に示す廃棄物焼却装置を用いて廃棄物を焼却し、焼却炉から排出された焼却灰を環境省告示46号土壌の汚染に係る環境基準による試験方法に基づき鉛溶出試験を行ない、溶出液pHおよび溶出鉛濃度を測定した。次に、比較例と実施例について、循環排ガス等の供給状況、得られた焼却灰の無機炭素濃度、溶出液pHそして鉛溶出濃度の測定結果を示す。
<比較例>
乾燥火格子、燃焼火格子、後燃焼火格子に一次空気を供給し、後燃焼火格子への循環排ガスを供給していない。
無機炭素濃度 0.23wt%
溶出液pH 12.4
鉛溶出濃度 0.14mg/l
<実施例>
乾燥火格子、燃焼火格子に一次空気を供給し、後燃焼火格子に循環排ガスを供給した。
無機炭素濃度 0.62wt%
溶出液pH 12.0
鉛溶出濃度 0.01mg/l未満
このような結果からも判るように、実施例では、焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上とすることができ、焼却灰を埋立路盤材等の土木資材として利用することができる鉛の溶出基準である0.01mg/l未満とすることができた。比較例では、焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上とすることができず、また、上記溶出基準を超過した。
1 焼却炉
5a 乾燥火格子
5b 燃焼火格子
5c 後燃焼火格子
8 一次空気供給手段(一次空気供給ライン)
13 循環排ガス供給手段(循環排ガス供給ライン)
14 循環排ガス供給量調整手段(バルブ)

Claims (6)

  1. 乾燥火格子、燃焼火格子及び後燃焼火格子を有し廃棄物を焼却する焼却炉を備える廃棄物焼却装置において、
    後燃焼火格子の下方へ一次空気を供給せず、乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へのみ一次空気を供給する一次空気供給手段と、乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ焼却炉の排ガスの一部を供給せず、後燃焼火格子の下方へのみ焼却炉の排ガスの一部を供給する循環排ガス供給手段と、焼却炉で燃焼する廃棄物燃焼量を測定する廃棄物燃焼量測定手段と、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を調整する循環排ガス供給量調整手段とを有し
    循環排ガス供給手段は、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガスの温度を130~250℃とすることを特徴とする廃棄物焼却装置。
  2. 循環排ガス供給量調整手段は、廃棄物燃焼量1tあたり循環排ガス供給量を500~2000Nmとするように循環排ガス供給量を調整することとする請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
  3. 循環排ガス供給量調整手段は、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように循環排ガス供給量を調整することとする請求項1または請求項2に記載の廃棄物焼却装置。
  4. 乾燥火格子、燃焼火格子及び後燃焼火格子を有する焼却炉で廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法において、
    一次空気供給手段から後燃焼火格子の下方へ一次空気を供給せず、乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へのみ一次空気を供給し、循環排ガス供給手段から乾燥火格子及び燃焼火格子の下方へ焼却炉の排ガスの一部を供給せず、後燃焼火格子の下方へのみ焼却炉の排ガスの一部を供給し、焼却炉で燃焼する廃棄物燃焼量を廃棄物燃焼量測定手段で測定し、廃棄物燃焼量測定手段により測定される廃棄物燃焼量に基づき、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガス供給量を循環排ガス供給量調整手段で調整し、
    循環排ガス供給手段で、後燃焼火格子の下方へ供給する循環排ガスの温度を130~250℃とすることを特徴とする廃棄物焼却方法。
  5. 循環排ガス供給量調整手段で、廃棄物燃焼量1tあたり循環排ガス供給量を500~2000Nmとするように循環排ガス供給量を調整することとする請求項4に記載の廃棄物焼却方法。
  6. 循環排ガス供給量調整手段で、焼却炉から排出される焼却灰に含まれる無機炭素濃度を0.5乾燥wt%以上又は炭酸カルシウム濃度を4.0乾燥wt%以上とするように循環排ガス供給量を調整することとする請求項4または請求項5に記載の廃棄物焼却方法。
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