JP2004177429A - 液晶用マトリクス基板の製造方法および液晶用マトリクス基板 - Google Patents

液晶用マトリクス基板の製造方法および液晶用マトリクス基板 Download PDF

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征文 大東
Masashi Michijima
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Abstract

【課題】導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を、リフトオフを利用することなくパターニングすることができる液晶用マトリクス基板の製造方法およびそれによって製造される液晶用マトリクス基板を提供する。
【解決手段】電気絶縁性基板11上に形成されたTFTアクティブマトリクス回路10を覆うように感光性電気絶縁膜20を形成し、感光性電気絶縁膜20の表面上に感光性撥水膜21を形成し、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施し、画素電極形成予定位置の感光性撥水膜21を除去するとともに、感光性電気絶縁膜20の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔を形成し、感光性電気絶縁膜20および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって塗布型透明導電膜23を形成し画素電極23aとコンタクトホール23bとを形成し、TFTアクティブマトリクス基板1を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に用いる液晶用マトリクス基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶表示装置としては、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;略称:TFT)をスイッチング素子に用いるアクティブマトリクス型液晶表示装置が広く用いられている。TFTをスイッチング素子に用いるTFTアクティブマトリクス型液晶表示装置では、透明なガラス基板の表面に、複数のTFT素子がマトリクス状に配置されて成るTFTアクティブマトリクス回路が形成されたTFTアクティブマトリクス基板を使用する。TFTアクティブマトリクス基板は、複数枚のフォトマスクを用い、フォトリソグラフィプロセスによる微細パターニングを繰返すことによって製造される。液晶表示装置の生産性および製造歩留を向上させるという観点、また原価を低く抑えるという観点から、TFTアクティブマトリクス基板の製造工程におけるフォトマスクの使用枚数の削減、すなわちフォトリソグラフィプロセスの回数の削減が検討されている。
【0003】
また、TFTアクティブマトリクス型液晶表示装置の低消費電力化および高輝度化を図る観点から、液晶セルの光透過率を高めることが求められる。液晶セルの光透過率を高めるためには、TFTアクティブマトリクス基板の開口率を向上させることが必要である。開口率とは、液晶セルに電界を与えるための画素電極の全画素に対する面積比を百分率で表すものである。開口率を向上させる技術としては、TFT素子部を覆う絶縁性の保護膜上に画素電極を形成し、保護膜を介することによってTFT素子部と画素電極とを立体的に分離して積み重ねて配置し、積み重ね方向から見た平面図上ではTFT素子部と画素電極とをオーバーラップさせて画素領域を広くする技術が知られている。このようにTFT素子部と画素電極とが立体的に分離して積み重ねられ平面的にはオーバーラップしている状態を、以後、立体的にオーバーラップしている状態と称する。この従来技術によって80%を越える高開口率が実現されている。このような高開口率のTFTアクティブマトリクス基板は、5〜6回のフォトリソグラフィプロセスを経て製造されており、製造工程におけるフォトリソグラフィプロセスの回数の削減、すなわちフォトマスクの使用枚数の削減が求められる。
【0004】
高開口率のTFTアクティブマトリクス基板の製造工程においてフォトマスクの使用枚数を削減することに関する先行技術がある。この先行技術では、TFT素子部を覆う絶縁性の保護膜上に、画素電極と画素電極との境界部分となる撥水層を形成し、画素電極を形成するべく予め定められる位置(以下、このような位置を形成予定位置と表記する)のみに水性の導電材料を塗布することによって、フォトマスクを使用することなく画素電極を形成し、製造工程におけるフォトリソグラフィプロセスの回数を削減している。
【0005】
この先行技術によって得られる高開口率のTFTアクティブマトリクス基板として、TFTアクティブマトリクス基板5を例示する。図28(a)は、TFTアクティブマトリクス基板5の構成を簡略化して示す平面図であり、図28(b)は、図28(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板5の切断面線III−III′における断面構成を示す断面図である。なお、図28(b)では、G−S交差部70、TFT素子部71、画素部72およびゲート端子部73の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0006】
図28(a)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板5には、ガラス基板51上に、ゲート電極膜52で形成される走査用のゲート電極配線74とソース・ドレイン電極膜57で形成されるデータ用のソース電極配線75とが交差するG−S交差部70、スイッチング素子であるTFT素子部71、ゲート端子部73および図示しないソース端子部を含むTFTアクティブマトリクス回路50と、表示領域である画素部72とが形成される。画素部72には、画素電極63aが形成される。画素電極63aと画素電極63aとは、撥水層である撥水性フッ素系樹脂膜61によって分離されている。ゲート端子部73および図示しないソース端子部は、TFTアクティブマトリクス回路50と、液晶セルを駆動させ液晶表示動作を行わせるためにTFTアクティブマトリクス回路50の周辺に設けられる駆動用の電子回路(以下、単に「周辺回路」と称する)とを電気的に接続するための端子取出部である。
【0007】
また図28(b)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板5には、ガラス基板51上に、ゲート電極膜52と、ゲート絶縁膜54と、チャネル部55aを有する第1半導体層55と、第2半導体層56と、ソース・ドレイン電極膜57と、パッシベーション膜59とが積層されてTFT素子部71が形成され、TFT素子部71を覆う絶縁性の保護膜である感光性アクリル系樹脂膜60の凹所62aの表面に画素電極63aが形成され、さらに感光性アクリル系樹脂膜60の表面からTFTアクティブマトリクス回路50に達するコンタクトホール63bおよび63cが形成される。画素電極63aはコンタクトホール63bによってTFT素子部71と電気的に接続される。またTFTアクティブマトリクス回路50は、ゲート端子部73のコンタクトホール63cおよび図示しないソース端子部のコンタクトホールによって周辺回路と電気的に接続される。
【0008】
図28(a)および図28(b)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板5では、感光性アクリル系樹脂膜60を介することによって、ゲート電極膜52と画素電極63aとを積み重ねて形成し、画素電極63aとTFTアクティブマトリクス回路50のTFT素子部71とを立体的にオーバーラップさせることができるので、高い開口率を得ることができる。
【0009】
図28に示す高開口率のTFTアクティブマトリクス基板5の製造方法を説明する。図29〜図43は、TFTアクティブマトリクス基板5の製造における各工程の状態を模式的に示す断面図である。図29〜図43では、図28(b)と同様に、図28(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板5の切断面線III−III′における断面構成のうちのG−S交差部70、TFT素子部71、画素部72およびゲート端子部73の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0010】
図29は、ガラス基板51の一方の表面51a上にゲート電極膜52を形成した状態を示す図である。まず、図29に示すように、ガラス基板51の一方の表面51a上に、スパッタリング法などによって、クロム、アルミニウムおよびタンタルなどのうちから選ばれる少なくとも1つのゲート電極材料で成膜し、金属膜としてゲート電極膜52を形成する。
【0011】
図30は、ゲート電極膜52の表面上にレジストパターン53を形成した状態を示す図である。ゲート電極膜52の表面にフォトレジストを塗布しレジスト層を形成した後、1枚目のフォトマスクを用いてパターニングすることによって、図30に示すレジストパターン53を形成する。レジストパターン53は、G−S交差部70、TFT素子部71、ゲート端子部73および前述の図28(a)に示すゲート電極配線74の位置に形成され、画素部72には形成されない。すなわち、G−S交差部70およびゲート電極配線74の位置にはレジスト部53aが形成され、TFT素子部71にはレジスト部53bが形成され、ゲート端子部73にはレジスト部53cが形成される。
【0012】
図31は、ゲート電極膜52をパターニングした状態を示す図である。レジストパターン53をマスクとしてエッチングを行うことによって、ゲート電極膜52を図31に示すようにパターニングする。
【0013】
図32は、ゲート絶縁膜54、第1半導体層55および第2半導体層56の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜57を形成した状態を示す図である。前述の図31に示すレジストパターン53を除去した後、ゲート絶縁膜54、第1半導体層55および第2半導体層56の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜57を、プラズマ化学気相成長(chemical vapor deposition; 略称:CVD)法またはスパッタリング法などによって順次積層する。ゲート絶縁膜54、第1半導体層55および第2半導体層56の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜57は連続して形成される。ゲート絶縁膜54は、たとえば窒化シリコン(化学式:SiN)膜などで形成される。第1半導体層55は、たとえばアモルファスシリコン(以下、「a−Si」と略記する)膜で形成される。第2半導体層56は、n型不純物、たとえばリン、ヒ素およびアンチモンなどの5価の元素が高濃度に添加されたシリコン(以下、「n−Si」と略記する)膜で形成される。ソース・ドレイン電極膜57は、クロム、アルミニウムおよびタンタルなどのうちから選ばれる少なくとも1つの金属材料で形成される。
【0014】
図33は、ソース・ドレイン電極膜57の表面上に各部で異なる厚みを有するレジストパターン58を形成した状態を示す図である。ソース・ドレイン電極膜57の表面全体にフォトレジストを塗布しレジスト層を形成した後、2枚目のフォトマスクとしてスリットマスクなどを用いて露光量を調整することによってレジスト層にハーフトーン露光を施し、1回のフォトレジスト塗布で図33に示す各部で異なる厚みを有するレジストパターン58を形成する。レジストパターン58は、G−S交差部70、TFT素子部71、図示しないソース端子部および前述の図28(a)に示すソース電極配線75の位置に形成され、画素部72およびゲート端子部73には形成されない。また、TFT素子部71に形成されるレジストパターン58は、前述の図28(b)に示すチャネル部55aの位置に相当する部分では厚みd1の薄肉部58aとして形成され、後述するソース電極およびドレイン電極の形成予定位置に相当する部分では薄肉部58aの厚みd1よりも厚い厚みd2(d2>d1)のレジスト部58bとして形成される。またG−S交差部70およびソース電極配線75の位置では、ソース電極およびドレイン電極の形成予定位置と同様に、厚みd2のレジスト部58bとして形成される。
【0015】
図34は、レジストパターン58をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。レジストパターン58をマスクとしてエッチングを行い、レジストパターン58に覆われていない部分の第1半導体層55および第2半導体層56の2層と、ソース・ドレイン電極膜57とを除去する。すなわち、G−S交差部70、TFT素子部71、図示しないソース端子部およびソース電極配線75の位置以外の部分の第1半導体層55および第2半導体層56の2層と、ソース・ドレイン電極膜57とを除去する。
【0016】
図35は、アッシングによって薄肉部58aを除去し、ソース・ドレイン電極膜57を露出させた状態を示す図である。図35に示すように、アッシングによってレジストパターン58の全体の厚みを減少させ、前述のチャネル部55aの位置に相当する部分の薄肉部58aを除去し、ソース・ドレイン電極膜57を露出させる。
【0017】
図36は、残存するレジストパターン58をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。残存するレジストパターン58をマスクとしてエッチングを行うと図36に示す状態になる。薄肉部58aの除去された位置では、第2半導体層56およびソース・ドレイン電極膜57が除去され、ソース電極とドレイン電極との分離が行われる。また薄肉部58aの除去された位置の第1半導体層55は部分的にエッチングされて厚みを調整され、第1半導体層55にチャネル部55aが形成される。すなわち、薄肉部58aの除去された位置において、第1半導体層55に対するチャネルエッチングが行われる。
【0018】
図37は、レジストパターン58を除去した状態を示す図である。前述の図36に示すレジストパターン58を除去すると図37に示す状態になる。
【0019】
図38は、パッシベーション膜59を形成した状態を示す図である。レジストパターン58を除去した後の基板の表面全体に、たとえばスパッタリング法などによって窒化シリコン(SiN)膜などを成膜し、保護膜であるパッシベーション膜59を形成する。
【0020】
図39は、パッシベーション膜59の表面上に感光性アクリル系樹脂膜60を形成した状態を示す図である。パッシベーション膜59の表面上に、感光性を有するアクリル系樹脂を塗布し、表面が平坦な電気絶縁膜である感光性アクリル系樹脂膜60を形成した後、80〜100℃の温度でプリベークする。
【0021】
図40は、感光性アクリル系樹脂膜60の表面上に、撥水性フッ素系樹脂膜61を形成した状態を示す図である。感光性アクリル系樹脂膜60の表面上に、撥水性を有する透明樹脂である撥水性フッ素系樹脂を塗布し、撥水層である撥水性フッ素系樹脂膜61を薄く形成した後、80〜100℃の温度でプリベークする。撥水性フッ素系樹脂膜61は、紫外線透過率が90%以上になるように形成される。
【0022】
図41は、感光性アクリル系樹脂膜60にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。3枚目のフォトマスクとしてスリットマスクなどを用いて露光量を調整することによって、撥水性フッ素系樹脂膜61を透過させて感光性アクリル系樹脂膜60にハーフトーン露光を施す。前述のように、撥水性フッ素系樹脂膜61は透明であり紫外線透過率が90%以上であるので、感光性アクリル系樹脂膜60を露光するための紫外線が撥水性フッ素系樹脂膜61の上側、すなわち矢符200の方向から照射されると、照射された紫外線は撥水性フッ素系樹脂膜61を透過し、感光性アクリル系樹脂膜60に達する。したがって、撥水性フッ素系樹脂膜61を透過させて感光性アクリル系樹脂膜60を露光することができる。感光性アクリル系樹脂膜60は、画素電極形成予定位置80aでは部分的に硬化し、コンタクトホール形成予定位置80bおよび80c、ならびに図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では硬化せず、その他の部分では硬化するようにハーフトーン露光される。このハーフトーン露光によって、感光性アクリル系樹脂膜60には、画素電極形成予定位置80aで未硬化部60aが形成され、コンタクトホール形成予定位置80bで未硬化部60bが形成され、コンタクトホール形成予定位置80cで未硬化部60cが形成され、図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置で未硬化部が形成される。
【0023】
図42は、凹所62a、ならびに貫通孔62bおよび62cを形成した状態を示す図である。ハーフトーン露光が施された感光性アクリル系樹脂膜60に対してウェットエッチングなどの現像処理を施すことによって、画素電極形成予定位置80a、ならびにコンタクトホール形成予定位置80bおよび80cの感光性アクリル系樹脂膜60に形成された前述の図41に示す未硬化部60a,60bおよび60cを除去し、コンタクトホール形成予定位置80bに感光性アクリル系樹脂膜60の表面からソース・ドレイン電極膜57に達する貫通孔62bを形成し、画素電極形成予定位置80aに貫通孔62bに連なる凹所62aを形成し、コンタクトホール形成予定位置80cに撥水性フッ素系樹脂膜61の表面からゲート電極膜52に達する貫通孔62cを形成する。感光性アクリル系樹脂膜60の未硬化部60a,60bおよび60cが除去されるとき、前述のように撥水性フッ素系樹脂膜61の膜厚は薄いので、画素電極形成予定位置80a、ならびにコンタクトホール形成予定位置80bおよび80cの撥水性フッ素系樹脂膜61はリフトオフプロセスによって同時に除去される。画素電極形成予定位置80a、ならびにコンタクトホール形成予定位置80bおよび80c以外の位置では、感光性アクリル系樹脂膜60が除去されないので、撥水性フッ素系樹脂膜61も除去されずに残存する。このように、撥水性フッ素系樹脂膜61は、下層の感光性アクリル系樹脂膜60が除去されることに伴うリフトオフを利用してパターニングされる。また、感光性アクリル系樹脂膜60の現像処理の際、コンタクトホール形成予定位置80bではパッシベーション膜59も同時に除去され、ソース・ドレイン電極膜57が露出するので、別の工程を経ることなく感光性アクリル系樹脂膜60の表面からソース・ドレイン電極膜57に達する貫通孔62bを形成することができる。またゲート端子部73においても、パッシベーション膜59およびゲート絶縁膜54が同時に除去され、ゲート電極膜52が露出するので、別の工程を経ることなく撥水性フッ素系樹脂膜61の表面からゲート電極膜52に達する貫通孔62cを形成することができる。また、図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても、現像処理によって撥水性フッ素系樹脂膜61、感光性アクリル樹脂膜60の未硬化部およびパッシベーション膜59が除去されてソース・ドレイン電極膜57が露出し、撥水性フッ素系樹脂膜61の表面からソース・ドレイン電極膜57に達する貫通孔が形成される。
【0024】
図43は、画素電極63a、ならびにコンタクトホール63bおよび63cを形成した状態を示す図である。前述の図42に示す凹所62a、ならびに貫通孔62b、貫通孔62cおよび図示しないソース端子部の貫通孔が形成された基板に、たとえばスピンコート法などによって水性の塗布型透明導電材料を塗布し、塗布型透明導電膜63を形成する。撥水性フッ素系樹脂膜61は撥水性によって水性の塗布型透明導電材料を弾くので、撥水性フッ素系樹脂膜61が残存する部分には塗布型透明導電材料は塗布されない。したがって、塗布型透明導電材料は前述の図42に示す凹所62aの感光性アクリル系樹脂膜60の表面、ならびに貫通孔62b、貫通孔62cおよび図示しないソース端子部の貫通孔の表面のみに塗布されるので、塗布型透明導電膜63は凹所62aの感光性アクリル系樹脂膜60の表面、ならびに貫通孔62b、貫通孔62cおよび図示しないソース端子部の貫通孔の表面のみに形成される。ここで、貫通孔62bの表面とは、貫通孔62bに臨む感光性アクリル系樹脂膜60、パッシベーション膜59およびソース・ドレイン電極膜57の表面のことであり、貫通孔62cの表面とは、貫通孔62cに臨む撥水性フッ素系樹脂膜61、感光性アクリル系樹脂膜60、パッシベーション膜59、ゲート絶縁膜54およびゲート電極膜52の表面のことであり、図示しないソース端子部の貫通孔の表面とは、図示しないソース端子部の貫通孔に臨む感光性アクリル系樹脂膜60、パッシベーション膜59およびソース・ドレイン電極膜57の表面のことである。塗布型透明導電膜63は、たとえばインジウム−錫合金酸化物(Indium Tin Oxide;略称:ITO)などによって形成される。
【0025】
次いで、200〜250℃の温度で焼成することによって、凹所62aの感光性アクリル系樹脂膜60の表面に形成された塗布型透明導電膜63から画素電極63aを形成し、貫通孔62bの表面に形成された塗布型透明導電膜63から画素電極63aとTFT素子部71とを電気的に接続するコンタクトホール63bを形成し、貫通孔62cの表面に形成された塗布型透明導電膜63からTFTアクティブマトリクス回路50と周辺回路とを電気的に接続するコンタクトホール63cを形成し、図示しないソース端子部の貫通孔の表面に形成された塗布型透明導電膜63からTFTアクティブマトリクス回路50と周辺回路とを電気的に接続するコンタクトホールを形成する。以上のようにして、高開口率のTFTアクティブマトリクス基板5を得る。
【0026】
以上に述べたTFTアクティブマトリクス基板5の製造方法では、図30、図33および図41に示す3つの工程でそれぞれ1枚のフォトマスクを使用し、合計3枚のフォトマスクを使用するだけで、高開口率のTFTアクティブマトリクス基板5を製造することができる。したがって、高開口率のTFTアクティブマトリクス基板の製造工程におけるフォトリソグラフィプロセスの回数を3回に削減することができる(特許文献1参照)。
【0027】
【特許文献1】
特開2002−98994号公報(第6−7頁、第1−6図)
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上に述べた特許文献1に記載のTFTアクティブマトリクス基板の製造方法では、画素電極を形成するために設けられる撥水層は、下層の保護膜が除去されることに伴うリフトオフを利用してパターニングされるので、以下のような問題がある。
【0029】
撥水層がリフトオフを利用してパターニングされる際、画素電極形成予定位置の撥水層は下層の保護膜が除去されるときに同時に除去されるけれども、画素電極形成予定位置の撥水層と画素電極形成予定位置に隣接する周辺部分の撥水層とは化学的には同一の性質を有しているので、画素電極形成予定位置の撥水層と画素電極形成予定位置に隣接する周辺部分の撥水層とを完全に分離することはできない。このため、画素電極形成予定位置の両端部では、下層の保護膜が除去されても撥水層が残存することがある。画素電極形成予定位置の両端部に残存する不要な撥水層は、離脱して画素電極形成予定位置の保護膜の凹所に落ち込み不要な部分を形成するので、画素電極形成予定位置の保護膜の表面の平坦性が損なわれる。画素電極形成予定位置の保護膜の表面の平坦性が損なわれると、表面が平坦な画素電極を形成することができないので、表面の平坦性の高いTFTアクティブマトリクス基板を得ることはできない。
【0030】
また逆に、画素電極と画素電極との境界部分となるべき撥水層が、下層の保護膜が除去されていないにも関わらず、画素電極形成予定位置の撥水層とともに剥離することがある。画素電極と画素電極との境界部分となるべき撥水層が剥離すると、画素電極と画素電極との境界部分となるべき部分にも導電材料が塗布されるので、隣接する画素電極間に不要な導通が生じる。
【0031】
また、画素電極形成予定位置の撥水層は前述のように下層の保護膜が除去されるときに同時に除去される、すなわち画素電極形成予定位置の保護膜に依存して除去されるので、保護膜単独で除去される場合に比べると保護膜の除去は困難であり、画素電極形成予定位置の保護膜の一部が撥水層とともに残存し、保護膜および撥水層が所望の形状にパターニングされないことがある。保護膜および撥水層が所望の形状にパターニングされないと、撥水層が残存する部分には導電材料が塗布されず画素電極が形成されないので、画素電極が形成される領域が設計と異なり小さくなる。このため、カラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際に、カラーフィルタと画素電極とが完全に対応せず、表示に色抜けが生じる。
【0032】
以上のように、物理的な除去方法であるリフトオフを利用した撥水層のパターニングには問題がある。
【0033】
本発明の目的は、高開口率の液晶用マトリクス基板の製造工程において画素電極を形成するために設けられる導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を、リフトオフを利用することなくパターニングすることができる液晶用マトリクス基板の製造方法およびそれによって製造される液晶用マトリクス基板を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記撥液層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去するとともに、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法である。
【0035】
本発明に従えば、液晶用マトリクス基板は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記撥液層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去するとともに、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを経て製造される。ここで、貫通孔の表面とは、貫通孔に臨む前記電気絶縁層の表面のことである。貫通孔の表面となる貫通孔に臨む層は、前記電気絶縁層に限定されることなく、後述する図15に示すように、ソース・ドレイン電極膜およびパッシベーション膜などの液晶用マトリクス基板を製造する際に前記電気絶縁性基板上に形成される層をも含む。またコンタクトホールとは、後述する図1に示すように、前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって該貫通孔の表面に形成される導電膜のことである。このように、画素電極を形成するために前記電気絶縁層の表面上に設けられる前記撥液層は、感光性を有し、前記電気絶縁層とともにハーフトーン露光を施される。このハーフトーン露光によって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層と前記予め定められる位置に隣接する周辺部分の前記撥液層とは化学的に異なる性質に変化させられるので、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層は、リフトオフを利用することなく除去される。すなわち、前記撥液層はリフトオフを利用することなくパターニングされる。このことによって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の両端部に不要な前記撥液層が残存することを防ぐことができるので、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記電気絶縁層の表面に不要な部分が形成されることはない。また画素電極を形成するべく予め定められる位置に隣接する周辺部分の前記撥液層、すなわち画素電極と画素電極との境界部分となるべき前記撥液層の剥離を防ぐことができるので、画素電極と画素電極との境界部分となるべき部分に前記導電材料が塗布されることはなく、画素電極と画素電極とは互いに分離されて形成される。また画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層は、前記電気絶縁層に依存することなく除去されるので、前記電気絶縁層および前記撥液層はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。したがって、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0036】
また本発明は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層を露光する工程と、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、前記電気絶縁層と異なる感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記撥液層を露光する工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法である。
【0037】
本発明に従えば、液晶用マトリクス基板は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層を露光する工程と、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、前記電気絶縁層と異なる感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記撥液層を露光する工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを経て製造される。このように、画素電極を形成するために前記電気絶縁層の表面上に設けられる前記撥液層は、前記電気絶縁層と異なる感光性を有し、前記貫通孔の形成後に露光される。この露光によって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層と前記予め定められる位置に隣接する周辺部分の前記撥液層とは化学的に異なる性質に変化させられるので、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層は、リフトオフを利用することなく除去される。すなわち、前記撥液層はリフトオフを利用することなくパターニングされる。このことによって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の両端部に不要な前記撥液層が残存することを防ぐことができるので、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記電気絶縁層の表面に不要な部分が形成されることはない。また画素電極を形成するべく予め定められる位置に隣接する周辺部分の前記撥液層、すなわち画素電極と画素電極との境界部分となるべき前記撥液層の剥離を防ぐことができるので、画素電極と画素電極との境界部分となるべき部分に前記導電材料が塗布されることはなく、画素電極と画素電極とは互いに分離されて形成される。また、前記撥液層は前記電気絶縁層と異なる感光性を有するので、前記撥液層の露光後に画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層が除去される際に、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記電気絶縁層が前記撥液層とともに除去されることはなく、前記電気絶縁層および前記撥液層はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。したがって、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0038】
また本発明は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記撥液層の表面上に、レジスト層を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記レジスト層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記レジスト層を除去する工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法である。
【0039】
本発明に従えば、液晶用マトリクス基板は、電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、前記電気絶縁層の表面上に、導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、前記撥液層の表面上に、レジスト層を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記レジスト層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記レジスト層を除去する工程と、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを経て製造される。このように、画素電極を形成するために前記電気絶縁層の表面上に設けられる前記撥液層は表面上にレジスト層を有し、前記レジスト層は前記電気絶縁層とともにハーフトーン露光を施され、画素電極を形成するべく予め定められる位置において除去される。画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記レジスト層が除去されることによって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層は露出し、前記レジスト層を利用して除去される。すなわち、前記撥液層はリフトオフを利用することなくパターニングされる。このことによって、画素電極を形成するべく予め定められる位置の両端部に不要な前記撥液層が残存することを防ぐことができるので、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記電気絶縁層の表面に不要な部分が形成されることはない。また画素電極を形成するべく予め定められる位置に隣接する周辺部分の前記撥液層、すなわち画素電極と画素電極との境界部分となるべき前記撥液層の剥離を防ぐことができるので、画素電極と画素電極との境界部分となるべき部分に前記導電材料が塗布されることはなく、画素電極と画素電極とは互いに分離されて形成される。また、画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層は前記レジスト層を利用して除去され、前記電気絶縁層に依存することなく除去されるので、前記電気絶縁層および前記撥液層はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。したがって、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0040】
また本発明は、前記導電膜が、着色されていることを特徴とする。
本発明に従えば、前記導電膜は着色されているので、前記導電膜で形成される画素電極は、カラーフィルタとして機能する。したがって、液晶表示装置を作製する際に新たにカラーフィルタを設ける必要がないので、液晶表示装置の製造工程を短縮するとともに、製造原価を低く抑えることができる。
【0041】
また本発明は、前記液晶用マトリクス基板の製造方法によって製造されることを特徴とする液晶用マトリクス基板である。
【0042】
本発明に従えば、液晶用マトリクス基板は、前記液晶用マトリクス基板の製造方法によって製造される。このことによって、前記撥液層はリフトオフを利用することなくパターニングされるので、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することができるとともに、表面が平坦で、隣接する画素電極間の不要な導通および液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けが防止された液晶用マトリクス基板を得ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態である液晶用マトリクス基板として、以下ではTFTアクティブマトリクス基板1を例示する。図1(a)は、TFTアクティブマトリクス基板1の構成を簡略化して示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板1の切断面線I−I′における断面構成を示す断面図である。なお、図1(b)では、G−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0044】
図1(a)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板1には、電気絶縁性基板11上に、ゲート電極膜12で形成される走査用のゲート電極配線34とソース・ドレイン電極膜17で形成されるデータ用のソース電極配線35とが交差するG−S交差部30、スイッチング素子であるTFT素子部31、ゲート端子部33および図示しないソース端子部を含むTFTアクティブマトリクス回路10と、表示領域である画素部32とが形成される。画素部32には、塗布型透明導電膜23から成る画素電極23aが形成される。画素電極23aと画素電極23aとは、感光性および塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層である感光性撥水膜21によって分離されている。ゲート端子部33および図示しないソース端子部は、TFTアクティブマトリクス回路10と周辺回路とを電気的に接続するための端子取出部である。
【0045】
また図1(b)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板1には、電気絶縁性基板11上に、ゲート電極膜12と、ゲート絶縁膜14と、チャネル部15aを有する第1半導体層15と、第2半導体層16と、ソース・ドレイン電極膜17と、パッシベーション膜19とが積層されてTFT素子部31が形成され、TFT素子部31を覆う感光性を有する電気絶縁層である感光性電気絶縁膜20の平坦な表面に画素電極23aが形成され、さらに感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達するコンタクトホール23bおよび23cが形成される。画素電極23aはコンタクトホール23bによってTFT素子部31と電気的に接続される。またTFTアクティブマトリクス回路10は、ゲート端子部33のコンタクトホール23cおよび図示しないソース端子部のコンタクトホールによって周辺回路と電気的に接続される。
【0046】
図1(a)および図1(b)に示すように、TFTアクティブマトリクス基板1では、感光性電気絶縁膜20を介することによって、ゲート電極膜12と画素電極23aとを積み重ねて形成し、画素電極23aとTFTアクティブマトリクス回路10のTFT素子部31とを立体的にオーバーラップさせることができるので、高い開口率を得ることができる。このように高い開口率を有するTFTアクティブマトリクス基板を用いれば、高輝度の液晶表示装置を実現することができる。
【0047】
図1に示すTFTアクティブマトリクス基板1の製造方法を説明する。図2〜図16は、TFTアクティブマトリクス基板1の製造における各工程の状態を模式的に示す断面図である。図2〜図16では、図1(b)と同様に、図1(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板1の切断面線I−I′における断面構成のうちのG−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0048】
図2は、電気絶縁性基板11の一方の表面11a上にゲート電極膜12を形成した状態を示す図である。まず、図2に示すように、たとえば、ガラス基板などの電気絶縁性基板11の一方の表面11a上に、スパッタリング法などによって、クロム、アルミニウムおよびタンタルなどのうちから選ばれる少なくとも1つのゲート電極材料で成膜し、金属膜としてゲート電極膜12を形成する。
【0049】
図3は、ゲート電極膜12の表面上にレジストパターン13を形成した状態を示す図である。ゲート電極膜12の表面にフォトレジストを塗布しレジスト層を形成した後、1枚目のフォトマスクを用いてパターニングすることによって、図3に示すレジストパターン13を形成する。レジストパターン13は、G−S交差部30、TFT素子部31、ゲート端子部33および前述の図1(a)に示すゲート電極配線34の位置に形成され、画素部32には形成されない。すなわち、G−S交差部30およびゲート電極配線34の位置にはレジスト部13aが形成され、TFT素子部31にはレジスト部13bが形成され、ゲート端子部33にはレジスト部13cが形成される。
【0050】
図4は、ゲート電極膜12をパターニングした状態を示す図である。レジストパターン13をマスクとしてエッチングを行うことによって、ゲート電極膜12を図4に示すようにパターニングする。
【0051】
図5は、ゲート絶縁膜14、第1半導体層15および第2半導体層16の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜17を形成した状態を示す図である。前述の図4に示すレジストパターン13を除去した後、ゲート絶縁膜14、第1半導体層15および第2半導体層16の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜17を、プラズマCVD法またはスパッタリング法などによって順次積層する。ゲート絶縁膜14、第1半導体層15および第2半導体層16の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜17は連続して形成される。ゲート絶縁膜14は、たとえば窒化シリコン(SiN)膜などで形成される。第1半導体層15は、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)膜で形成される。第2半導体層16は、n型不純物、たとえばリン、ヒ素およびアンチモンなどの5価の元素が高濃度に添加されたシリコン(n−Si)膜で形成される。ソース・ドレイン電極膜17は、クロム、アルミニウムおよびタンタルなどのうちから選ばれる少なくとも1つの金属材料で形成される。
【0052】
図6は、ソース・ドレイン電極膜17の表面上に各部で異なる厚みを有するレジストパターン18を形成した状態を示す図である。ソース・ドレイン電極膜17の表面全体にフォトレジストを塗布しレジスト層を形成した後、2枚目のフォトマスクとしてスリットマスクなどを用いて露光量を調整することによってレジスト層にハーフトーン露光を施し、1回のフォトレジスト塗布で図6に示す各部で異なる厚みを有するレジストパターン18を形成する。レジストパターン18は図6に示すように選択的に形成される。すなわち、レジストパターン18は、G−S交差部30、TFT素子部31、図示しないソース端子部および前述の図1(a)に示すソース電極配線35の位置に形成され、画素部32およびゲート端子部33には形成されない。また、TFT素子部31に形成されるレジストパターン18は、前述の図1(b)に示すチャネル部15aの位置に相当する部分では厚みt1の薄肉部18aとして形成され、後述するソース電極およびドレイン電極を形成するべく予め定められる位置(以下、このような位置を形成予定位置と表記する)に相当する部分では薄肉部18aの厚みt1よりも厚い厚みt2(t2>t1)のレジスト部18bとして形成される。またG−S交差部30およびソース電極配線35の位置では、ソース電極およびドレイン電極の形成予定位置と同様に、厚みt2のレジスト部18bとして形成される。
【0053】
図7は、レジストパターン18をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。レジストパターン18をマスクとしてエッチングを行い、レジストパターン18に覆われていない部分の第1半導体層15および第2半導体層16の2層と、ソース・ドレイン電極膜17とを除去する。すなわち、G−S交差部30、TFT素子部31、図示しないソース端子部およびソース電極配線35の位置以外の部分の第1半導体層15および第2半導体層16の2層と、ソース・ドレイン電極膜17とを除去する。
【0054】
図8は、アッシングによって薄肉部18aを除去し、ソース・ドレイン電極膜17を露出させた状態を示す図である。図8に示すように、アッシングによってレジストパターン18の全体の厚みを減少させ、前述のチャネル部15aの位置に相当する部分の薄肉部18aを除去し、ソース・ドレイン電極膜17を露出させる。
【0055】
図9は、残存するレジストパターン18をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。残存するレジストパターン18をマスクとしてエッチングを行うと図9に示す状態になる。薄肉部18aの除去された位置では、第2半導体層16およびソース・ドレイン電極膜17が除去され、ソース電極とドレイン電極との分離が行われる。また薄肉部18aの除去された位置の第1半導体層15は部分的にエッチングされて厚みを調整され、第1半導体層15にチャネル部15aが形成される。すなわち、薄肉部18aの除去された位置において、第1半導体層15に対するチャネルエッチングが行われる。
【0056】
図10は、レジストパターン18を除去した状態を示す図である。前述の図9に示すレジストパターン18を除去すると図10に示す状態になる。
【0057】
図11は、パッシベーション膜19を形成した状態を示す図である。レジストパターン18を除去した後の基板の表面全体に、たとえばスパッタリング法などによって窒化シリコン(SiN)膜などを成膜し、保護膜であるパッシベーション膜19を形成する。以上のようにして、TFTアクティブマトリクス回路10を形成する。
【0058】
図12は、パッシベーション膜19の表面上に感光性電気絶縁膜20を形成した状態を示す図である。パッシベーション膜19の表面上に、たとえば感光性を有するアクリル系樹脂などを塗布することによって、TFTアクティブマトリクス回路10を覆うように感光性を有する電気絶縁層である感光性電気絶縁膜20を形成した後、80〜100℃の温度でプリベークする。感光性電気絶縁膜20は表面が平坦になるように形成される。
【0059】
図13は、感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性撥水膜21を形成した状態を示す図である。感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性および前述の図1に示す塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層である感光性撥水膜21を形成した後、80〜100℃の温度でプリベークする。感光性撥水膜21は、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が水性である場合には、感光性および撥水性を有する材料、たとえば感光性および撥水性を有するフッ素系樹脂材料などを塗布することによって形成される。また塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が油性である場合には、感光性および油性の塗布型透明導電材料を弾く性質を有する材料を塗布することによって形成される。
【0060】
図14は、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。3枚目のフォトマスクとしてスリットマスクなどを用いて露光量を調整することによって、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施す。感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21は、画素電極形成予定位置40aでは感光性電気絶縁膜20のみが硬化し、コンタクトホール形成予定位置40bおよび40c、ならびに図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21のいずれも硬化せず、画素電極23aと画素電極23aとの境界部分となるその他の部分では感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21のいずれも硬化するようにハーフトーン露光される。このハーフトーン露光によって、図14に示すように、画素電極形成予定位置40aおよびコンタクトホール形成予定位置40bの感光性撥水膜21に未硬化部21aが形成され、コンタクトホール形成予定位置40bの感光性電気絶縁膜20に未硬化部20bが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cの感光性電気絶縁膜20に未硬化部20cが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cの感光性撥水膜21に未硬化部21cが形成される。このとき図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21に未硬化部が形成される。
【0061】
図15は、凹所22a、ならびに貫通孔22bおよび22cを形成した状態を示す図である。ハーフトーン露光が施された感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21に対して、たとえばウェットエッチングなどの現像処理を施すことによって、前述の図14に示す画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21、ならびにコンタクトホール形成予定位置40bおよび40cの感光性撥水膜21、すなわち未硬化部21aおよび21cを除去するとともに、コンタクトホール形成予定位置40bおよび40cの感光性電気絶縁膜20、すなわち未硬化部20bおよび20cを除去し、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bと、貫通孔22bに連なる凹所22aと、感光性撥水膜21の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22cとを形成する。貫通孔22bに連なる凹所22aは、未硬化部21aが除去されて露出する感光性撥水膜21の表面と感光性電気絶縁膜20の表面とによって画素電極形成予定位置40aに形成される。感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21の現像処理の際、コンタクトホール形成予定位置40bではパッシベーション膜19も同時に除去され、ソース・ドレイン電極膜17が露出するので、別の工程を経ることなく感光性電気絶縁膜20の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔22bを形成することができる。またゲート端子部33においても、パッシベーション膜19およびゲート絶縁膜14が同時に除去され、ゲート電極膜12が露出するので、別の工程を経ることなく感光性撥水膜21の表面からゲート電極膜12に達する貫通孔22cを形成することができる。また図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21の未硬化部とパッシベーション膜19とが同時に除去されてソース・ドレイン電極膜17が露出し、感光性撥水膜21の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔が形成される。
【0062】
図16は、画素電極23a、ならびにコンタクトホール23bおよび23cを形成した状態を示す図である。前述の図15に示す凹所22a、貫通孔22b、貫通孔22cおよび図示しないソース端子部の貫通孔が形成された基板に、たとえばスピンコート法などによって塗布型透明導電材料を塗布し、塗布型透明導電膜23を形成する。感光性撥水膜21は前述のように塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有するので、感光性撥水膜21が残存する部分には塗布型透明導電材料は塗布されない。したがって、塗布型透明導電材料は前述の図15に示す凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面、ならびに貫通孔22b、貫通孔22cおよび図示しないソース端子部の貫通孔の表面のみに塗布されるので、塗布型透明導電膜23は凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面、ならびに貫通孔22b、貫通孔22cおよび図示しないソース端子部の貫通孔の表面のみに形成される。ここで、貫通孔22bの表面とは、貫通孔22bに臨む感光性電気絶縁膜20、パッシベーション膜19およびソース・ドレイン電極膜17の表面のことであり、貫通孔22cの表面とは、貫通孔22cに臨む感光性撥水膜21、感光性電気絶縁膜20、パッシベーション膜19、ゲート絶縁膜14およびゲート電極膜12の表面のことであり、図示しないソース端子部の貫通孔の表面とは、図示しないソース端子部の貫通孔に臨む感光性電気絶縁膜20、パッシベーション膜19およびソース・ドレイン電極膜17の表面のことである。塗布型透明導電膜23は、たとえばインジウム−錫合金酸化物(ITO)などによって形成される。
【0063】
次いで、200〜250℃の温度で焼成することによって、凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面に形成された塗布型透明導電膜23から画素電極23aを形成し、貫通孔22bの表面に形成された塗布型透明導電膜23から画素電極23aとTFT素子部31とを電気的に接続するコンタクトホール23bを形成し、貫通孔22cの表面に形成された塗布型透明導電膜23からTFTアクティブマトリクス回路10と周辺回路とを電気的に接続するコンタクトホール23cを形成し、図示しないソース端子部の貫通孔の表面に形成された塗布型透明導電膜23からTFTアクティブマトリクス回路10と周辺回路とを電気的に接続するコンタクトホールを形成する。以上のようにして、高開口率のTFTアクティブマトリクス基板1を得る。
【0064】
以上のように、本実施形態によるTFTアクティブマトリクス基板1の製造方法では、画素電極23aを形成するために感光性電気絶縁膜20の表面上に設けられる感光性撥水膜21は、感光性を有し、感光性電気絶縁膜20とともにハーフトーン露光を施される。このハーフトーン露光によって、前述の図14に示すように、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21と画素電極形成予定位置40aに隣接する周辺部分の感光性撥水膜21とは化学的に異なる性質に変化させられるので、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21は、リフトオフを利用することなく除去される。すなわち、感光性撥水膜21はリフトオフを利用することなくパターニングされる。
【0065】
このことによって、画素電極形成予定位置40aの両端部に不要な感光性撥水膜21が残存することを防ぐことができるので、画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20の表面に不要な部分が形成されることはない。また画素電極形成予定位置40aに隣接する周辺部分の感光性撥水膜21、すなわち画素電極23aと画素電極23aとの境界部分となるべき感光性撥水膜21の剥離を防ぐことができるので、画素電極23aと画素電極23aとの境界部分となるべき部分に塗布型透明導電材料が塗布されることはなく、画素電極23aと画素電極23aとは互いに分離されて形成される。また画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21は、感光性電気絶縁膜20に依存することなく除去されるので、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。
【0066】
したがって、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0067】
本発明の第2の実施形態である液晶用マトリクス基板として、TFTアクティブマトリクス基板2を例示する。図17は、TFTアクティブマトリクス基板2の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施の形態のTFTアクティブマトリクス基板2は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。なお、図17では、図1(b)と同様に、G−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0068】
注目すべきは、感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性電気絶縁膜20と異なる感光性および塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層である感光性撥水膜210が形成されていることである。
【0069】
図17に示すTFTアクティブマトリクス基板2の製造方法を説明する。本実施形態のTFTアクティブマトリクス基板2の製造方法は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造方法と類似するので、同様の工程については説明を省略し、異なる工程について以下に説明する。
【0070】
本実施の形態では、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造における図13〜図15に示す工程、すなわち感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性撥水膜21を形成する工程と、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施す工程と、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21を除去するとともに、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bを形成する工程とに代えて、感光性電気絶縁膜20を露光する工程と、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bおよび220cを形成する工程と、感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性電気絶縁膜20と異なる感光性および塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層である感光性撥水膜210を形成する工程と、感光性撥水膜210を露光する工程と、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210を除去する工程とを行う。
【0071】
図18〜図20は、TFTアクティブマトリクス基板2の製造における各工程の状態を模式的に示す断面図である。図18〜図20では、図1(b)と同様に、G−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0072】
図18は、貫通孔22bおよび220cを形成した状態を示す図である。実施の第1形態と同様にして感光性電気絶縁膜20を形成した後、感光性電気絶縁膜20を露光する。感光性電気絶縁膜20は、コンタクトホール形成予定位置40b、コンタクトホール形成予定位置40cおよび図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では硬化せず、その他の部分では硬化するように露光される。露光された感光性電気絶縁膜20に対して、たとえばウェットエッチングなどの現像処理を施すことによって、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bおよび220cを形成する。現像処理によって、コンタクトホール形成予定位置40bでは感光性電気絶縁膜20の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔22bが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cでは感光性電気絶縁膜20の表面からゲート電極膜12に達する貫通孔220cが形成される。また図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では感光性電気絶縁膜20の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔が形成される。
【0073】
図19は、感光性撥水膜210を形成した状態を示す図である。現像処理が施された感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性電気絶縁膜20と異なる感光性および前述の図17に示す塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層である感光性撥水膜210を形成する。感光性撥水膜210は、たとえば、感光性電気絶縁膜20が、光が照射された部分が化学的に変化して現像剤に対して可溶となるポジ型の感光性を有し、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が水性である場合には、光が照射された部分が化学的に変化して現像剤に対して不溶となるネガ型の感光性および撥水性を有する材料、たとえばネガ型の感光性および撥水性を有する撥水性フッ素系樹脂材料などを塗布することによって形成される。また感光性電気絶縁膜20がポジ型の感光性を有し、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が油性である場合には、ネガ型の感光性および油性の塗布型透明導電材料を弾く性質を有する材料を塗布することによって形成される。
【0074】
図20は、感光性撥水膜210を露光した状態を示す図である。形成された感光性撥水膜210に対して、画素電極形成予定位置40a、ならびにコンタクトホール形成予定位置40b、コンタクトホール形成予定位置40cおよび図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では硬化せず、その他の部分では硬化するように露光を施す。この露光によって、図20に示すように、画素電極形成予定位置40aおよびコンタクトホール形成予定位置40bの感光性撥水膜210に未硬化部210aが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cの感光性撥水膜210に未硬化部210cが形成される。このとき、図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても感光性撥水膜210に未硬化部が形成される。
【0075】
露光された感光性撥水膜210に対して、たとえばウェットエッチングなどの現像処理を施すことによって、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210、ならびにコンタクトホール形成予定位置40bおよび40cの感光性撥水膜210、すなわち図20に示す未硬化部210aおよび210cと、図示しないソース端子部の未硬化部とを除去する。これによって、実施の第1形態における図15に示す状態と同様の状態になる。すなわち、コンタクトホール形成予定位置40bでは、先に形成した前述の図18に示す貫通孔22bが露出し、画素電極形成予定位置40aでは、未硬化部210aが除去されて露出する感光性撥水膜210の表面と感光性電気絶縁膜20の表面とによって貫通孔22bに連なる凹所22aが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cでは、感光性撥水膜210の表面からゲート電極膜12に達する貫通孔22cが形成される。また図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても、感光性撥水膜210の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔が形成される。
【0076】
本実施形態では、感光性撥水膜210は前述のように感光性電気絶縁膜20と異なる感光性を有するので、感光性撥水膜210の露光後に画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210が除去される際に、画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20が感光性撥水膜210とともに除去されることはなく、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜210はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。
【0077】
一方、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜210が同一の感光性、たとえばポジ型の感光性を有する場合、ポジ型の感光性を有する物質は前述のように光が照射された部分が化学的に変化して現像剤に対して可溶となるので、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜210の未硬化部は、ともに光が照射された部分に形成される。すなわち、図20に示す工程において光が照射されて感光性撥水膜210に未硬化部210aおよび210cが形成されるとき、未硬化部210aが形成される画素電極形成予定位置40aでは下層の感光性電気絶縁膜20にも未硬化部が形成される。画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20に形成された未硬化部は、感光性撥水膜210の現像処理の際に同時に除去されるので、図18に示す工程において所望の形状にパターニングされた感光性電気絶縁膜20の形状が変化し、感光性電気絶縁膜20の表面に凹凸が生じる。したがって、感光性電気絶縁膜20の表面に、表面が平坦な画素電極23aを形成することはできない。
【0078】
本実施形態のように、感光性電気絶縁膜20と感光性撥水膜210とが異なる感光性を有する場合、たとえば、感光性電気絶縁膜20がポジ型の感光性を有し、感光性撥水膜210がネガ型の感光性を有する場合、ネガ型の感光性を有する物質は前述のように光が照射された部分が化学的に変化して現像剤に不溶となるので、感光性電気絶縁膜20の未硬化部は光が照射された部分に形成されるけれども、感光性撥水膜210の未硬化部は光が照射されない部分に形成される。すなわち、図20に示す工程において光が照射されて感光性撥水膜210に未硬化部210aおよび210cが形成されるとき、未硬化部210aが形成される画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210の下層に存在する感光性電気絶縁膜20に未硬化部が形成されることはなく、感光性撥水層210の現像処理によって感光性電気絶縁膜20の形状が変化することはない。したがって、前述のように、感光性撥水膜210の感光性を、感光性電気絶縁膜20と異なる感光性とすることによって、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜210をそれぞれ所望の形状にパターニングすることができる。
【0079】
以上に述べた工程以外は実施の第1形態と同様にして、TFTアクティブマトリクス基板2を得る。
【0080】
以上のように、本実施形態によるTFTアクティブマトリクス基板2の製造方法では、画素電極23aを形成するために感光性電気絶縁膜20の表面上に設けられる感光性撥水膜210は、感光性電気絶縁膜20と異なる感光性を有し、前述の図18に示す貫通孔22bおよび220cの形成後に露光される。この露光によって、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210と画素電極形成予定位置40aに隣接する周辺部分の感光性撥水膜210とは化学的に異なる性質に変化させられるので、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜210は、リフトオフを利用することなく除去される。すなわち、感光性撥水膜210は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の感光性撥水膜21と同様に、リフトオフを利用することなくパターニングされる。
【0081】
したがって、実施の第1形態の液晶用マトリクス基板の製造方法と同様に、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0082】
本発明の第3の実施形態である液晶用マトリクス基板として、TFTアクティブマトリクス基板3を例示する。図21は、TFTアクティブマトリクス基板3の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施の形態のTFTアクティブマトリクス基板3は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。なお、図21では、図1(b)と同様に、G−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0083】
注目すべきは、感光性電気絶縁膜20の表面上に、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層211が形成されていることである。
【0084】
図21に示すTFTアクティブマトリクス基板3の製造方法を説明する。本実施形態のTFTアクティブマトリクス基板3の製造方法は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造方法と類似するので、同様の工程については説明を省略し、異なる工程について以下に説明する。
【0085】
本実施の形態では、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造における図13〜図15に示す工程、すなわち感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性撥水膜21を形成する工程と、感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施す工程と、画素電極形成予定位置40aの感光性撥水膜21を除去するとともに、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bを形成する工程とに代えて、感光性電気絶縁膜20の表面上に、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層211を形成する工程と、撥液層211の表面上に、レジスト層240を形成する工程と、感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、画素電極形成予定位置40aのレジスト層240を除去する工程と、画素電極形成予定位置40aの撥液層211を除去する工程と、感光性電気絶縁膜20の表面からTFTアクティブマトリクス回路10に達する貫通孔22bを形成する工程とを行う。
【0086】
図22〜図25は、TFTアクティブマトリクス基板3の製造における各工程の状態を模式的に示す断面図である。図22〜図25では、図1(b)と同様に、G−S交差部30、TFT素子部31、画素部32およびゲート端子部33の断面構成を、説明の便宜上連なって構成されるものと仮定し並べて示す。
【0087】
図22は、撥液層211およびレジスト層240を形成した状態を示す図である。実施の第1形態と同様にして形成された感光性電気絶縁膜20の表面上に、前述の図21に示す塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料を弾く性質を有する撥液層211を形成する。撥液層211は、たとえば、塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が水性である場合には、撥水性を有する材料、たとえば撥水性を有するハフニウム酸化物などを塗布することによって形成される。また塗布型透明導電膜23を形成する塗布型透明導電材料が油性である場合には、油性の塗布型透明導電材料を弾く性質を有する材料を塗布することによって形成される。形成された撥液層211の表面上にフォトレジストを塗布することによって、レジスト層240を形成する。
【0088】
図23は、感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。スリットマスクなどを用いて露光量を調整することによって、感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240にハーフトーン露光を施す。感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240は、画素電極形成予定位置40aでは感光性電気絶縁膜20のみが硬化し、コンタクトホール形成予定位置40bおよび40c、ならびに図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置では感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240のいずれも硬化せず、画素電極23aと画素電極23aとの境界部分となるその他の部分では感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240のいずれも硬化するようにハーフトーン露光される。このハーフトーン露光によって、図23に示すように、画素電極形成予定位置40aおよびコンタクトホール形成予定位置40bのレジスト層240に未硬化部240aが形成され、コンタクトホール形成予定位置40bの感光性電気絶縁膜20に未硬化部20bが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cのレジスト層240に未硬化部240cが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cの感光性電気絶縁膜20に未硬化部20cが形成される。このとき図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においても感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240に未硬化部が形成される。
【0089】
図24は、レジスト層240に現像処理を施した状態を示す図である。レジスト層240に対して現像処理を施すことによって、前述の図23に示す画素電極形成予定位置40aのレジスト層240、ならびにコンタクトホール形成予定位置40bおよび40cのレジスト層240、すなわち未硬化部240aおよび240cを除去し、画素電極形成予定位置40a、ならびにコンタクトホール形成予定位置40bおよび40cの撥液層211を露出させる。このとき図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置においてもレジスト層240が除去され、撥液層211が露出する。
【0090】
図25は、撥液層211をパターニングした状態を示す図である。露出した撥液層211に対して、たとえばエッチング液を用いたウェットエッチングなどのエッチング処理を行うことによって、残存するレジスト層240を利用して撥液層211をパターニングする。前記エッチング液としては、感光性電気絶縁膜20がエッチングされないものを用いることができる。たとえば、撥液層211が撥水性を有するハフニウム酸化物で形成され、感光性電気絶縁膜20が感光性アクリル系樹脂で形成される場合には、エッチング液として、純水で希釈された硝酸または純水で希釈された塩酸が用いられる。このエッチング処理によって、図25に示すように、画素電極形成予定位置40a、コンタクトホール形成予定位置40b、コンタクトホール形成予定位置40cおよび図示しないソース端子部のコンタクトホール形成予定位置の感光性電気絶縁膜20が露出する。
【0091】
露出した感光性電気絶縁膜20に対して、たとえばウェットエッチングなどの現像処理を施すことによって、コンタクトホール形成予定位置40bおよび40cの感光性電気絶縁膜20、すなわち未硬化部20bおよび20cを除去する。その後、レジスト層240を剥離する。これによって、実施の第1形態における図15に示す状態と同様の状態になる。すなわち、コンタクトホール形成予定位置40bでは、感光性電気絶縁膜20の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔22bが形成され、画素電極形成予定位置40aでは、パターニングされて露出する撥液層211の表面と感光性電気絶縁膜20の表面とによって貫通孔22bに連なる凹所22aが形成され、コンタクトホール形成予定位置40cでは、撥液層211の表面からゲート電極膜12に達する貫通孔22cが形成される。また図示しないソース端子部においても、撥液層211の表面からソース・ドレイン電極膜17に達する貫通孔が形成される。
【0092】
以上に述べた工程以外は実施の第1形態と同様にして、TFTアクティブマトリクス基板3を得る。
【0093】
以上のように、本実施形態によるTFTアクティブマトリクス基板3の製造方法では、画素電極23aを形成するために感光性電気絶縁膜20の表面上に設けられる撥液層211は表面上にレジスト層240を有し、レジスト層240は感光性電気絶縁膜20とともにハーフトーン露光を施され、画素電極形成予定位置40aにおいて除去される。画素電極形成予定位置40aのレジスト層240が除去されることによって、画素電極形成予定位置40aの撥液層211は露出し、レジスト層240を利用して除去される。すなわち、撥液層211は、実施の第1形態の感光性撥水膜21と同様に、リフトオフを利用することなくパターニングされる。
【0094】
また、画素電極形成予定位置40aの撥液層211はレジスト層240を利用して除去され、感光性電気絶縁膜20に依存することなく除去されるので、感光性電気絶縁膜20および撥液層211はそれぞれ所望の形状にパターニングされる。
【0095】
したがって、実施の第1形態の液晶用マトリクス基板の製造方法と同様に、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0096】
本発明の第4の実施の形態である液晶用マトリクス基板として、TFTアクティブマトリクス基板4を例示する。図26は、TFTアクティブマトリクス基板4の構成を簡略化して示す平面図であり、図27は、図26に示すTFTアクティブマトリクス基板4の切断面線II−II′における断面構成を示す断面図である。本実施の形態のTFTアクティブマトリクス基板4は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0097】
注目すべきは、画素電極230aが、赤色(Red;略称:R)に着色された赤色導電膜230Rで形成される赤色画素電極231Rと、緑色(Green;略称:G)に着色された緑色導電膜230Gで形成される緑色画素電極231Gと、青色(Blue;略称:B)に着色された青色導電膜230Bで形成される青色画素電極231Bとを含むことである。
【0098】
図26および図27に示すTFTアクティブマトリクス基板4の製造方法を説明する。本実施の形態のTFTアクティブマトリクス基板4の製造方法は、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造方法と類似するので、同様の工程については説明を省略し、異なる工程について以下に説明する。
【0099】
本実施の形態では、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造における図16に示す工程において、塗布型透明導電膜23を形成することに代えて、着色された導電膜である赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bを形成する。
【0100】
すなわち、実施の第1形態と同様にして前述の図15に示す凹所22a、貫通孔22b、貫通孔22cおよび図示しないソース端子部の貫通孔が形成された基板に、たとえば印刷法またはインクジェット法などによって導電性を有するカラーフィルタ材料などの導電材料を塗布することによって、着色された導電膜である赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bを所望のパターンになるように形成する。前記導電性を有するカラーフィルタ材料としては、たとえば、赤色、緑色または青色の着色剤を含有する樹脂に、導電性を有する材料を添加したものを用いることができる。
【0101】
次いで、実施の第1形態と同様にして焼成することによって、図27に示すように、凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面に形成された赤色導電膜230Rから赤色画素電極231Rを形成し、凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面に形成された緑色導電膜230Gから緑色画素電極231Gを形成し、凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面に形成された青色導電膜230Bから青色画素電極231Bを形成する。また貫通孔22bの表面に形成された赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bから画素電極230aとTFT素子部31とを電気的に接続するコンタクトホール230bを形成する。また図15に示す貫通孔22cの表面に形成された赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230BからTFTアクティブマトリクス回路10と周辺回路とを電気的に接続する図示しないコンタクトホールを形成し、図示しないソース端子部の貫通孔の表面に形成された赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230BからTFTアクティブマトリクス回路10と周辺回路とを電気的に接続する図示しないコンタクトホールを形成する。
【0102】
以上に述べた工程以外は実施の第1形態と同様にして、TFTアクティブマトリクス基板4を得る。
【0103】
以上のように、本実施形態によるTFTアクティブマトリクス基板4の製造方法では、凹所22aの感光性電気絶縁膜20の表面、ならびに貫通孔22b、図15に示す貫通孔22cおよび図示しないソース端子部の貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって形成される導電膜である赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bは着色されているので、赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bで形成される画素電極230aは、赤色画素電極231Rと緑色画素電極231Gと青色画素電極231Bとを含み、カラーフィルタとして機能する。したがって、液晶表示装置を作製する際に新たにカラーフィルタを設ける必要がないので、液晶表示装置の製造工程を短縮するとともに、製造原価を低く抑えることができる。
【0104】
以上に述べたように、本実施の形態では、実施の第1形態のTFTアクティブマトリクス基板1の製造における図16に示す工程において、塗布型透明導電膜23を形成することに代えて、着色された導電膜である赤色導電膜230R、緑色導電膜230Gおよび青色導電膜230Bを形成すること以外は、実施の第1形態と同様にして、TFTアクティブマトリクス基板4を製造するけれども、これに限定されることなく、実施の第2形態または実施の第3形態と同様にしてTFTアクティブマトリクス基板4を製造してもよい。
【0105】
また、以上に述べたように、本発明の第1〜第4の実施の形態では、画素電極の形成後に、残存する撥液層を除去しないけれども、これに限定されることなく、画素電極の形成後に、残存する撥液層を除去し、撥液層を有しない液晶用マトリクス基板を製造してもよい。この場合には、画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20に一部は硬化せずその他の部分は硬化するようにハーフトーン露光を施すことによって、画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20の一部に未硬化部を形成し、画素電極形成予定位置40aの感光性電気絶縁膜20の一部を現像処理において除去することが好ましい。このとき、画素電極が形成される凹所は、未硬化部が除去されて露出する感光性電気絶縁膜20の表面と画素電極形成予定位置40aの撥液層が除去されて露出する撥液層の表面とによって形成される。画素電極は、前記凹所の感光性電気絶縁膜20の表面、すなわち未硬化部が除去されて露出する感光性電気絶縁膜20の表面に形成されるので、画素電極の層厚みを、前記凹所の層厚方向の深さに等しく形成することによって、形成された画素電極の表面と撥液層が残存する部分の感光性電気絶縁膜20の表面との段差を小さくすることができる。したがって、画素電極の形成後に撥液層を除去しても、表面が平坦な液晶用マトリクス基板を得ることができる。このような液晶用マトリクス基板を用いて液晶表示装置を製造すれば、製造時に行う液晶配向制御のための配向膜の形成において均一な配向膜を形成し、その後の配向処理を均一に行うことができるので、配向処理の信頼性を向上させることができる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、撥液層はリフトオフを利用することなくパターニングされるので、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することのできる液晶用マトリクス基板において、表面の平坦性を向上させるとともに、隣接する画素電極間の不要な導通およびカラーフィルタと貼り合わせて液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けを防止することができる。
【0107】
また本発明によれば、導電膜で形成される画素電極は、カラーフィルタとして機能するので、液晶表示装置を作製する際に新たにカラーフィルタを設ける必要はなく、液晶表示装置の製造工程を短縮するとともに、製造原価を低く抑えることができる。
【0108】
また本発明によれば、画素電極とマトリクス回路とが立体的にオーバーラップして高い開口率を示し高輝度を実現することができるとともに、表面が平坦で、隣接する画素電極間の不要な導通および液晶表示装置を作製した際の表示の色抜けが防止された液晶用マトリクス基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、TFTアクティブマトリクス基板1の構成を簡略化して示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板1の切断面線I−I′における断面構成を示す断面図である。
【図2】電気絶縁性基板11の一方の表面11a上にゲート電極膜12を形成した状態を示す図である。
【図3】ゲート電極膜12の表面上にレジストパターン13を形成した状態を示す図である。
【図4】ゲート電極膜12をパターニングした状態を示す図である。
【図5】ゲート絶縁膜14、第1半導体層15および第2半導体層16の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜17を形成した状態を示す図である。
【図6】ソース・ドレイン電極膜17の表面上に各部で異なる厚みを有するレジストパターン18を形成した状態を示す図である。
【図7】レジストパターン18をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。
【図8】アッシングによって薄肉部18aを除去し、ソース・ドレイン電極膜17を露出させた状態を示す図である。
【図9】残存するレジストパターン18をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。
【図10】レジストパターン18を除去した状態を示す図である。
【図11】パッシベーション膜19を形成した状態を示す図である。
【図12】パッシベーション膜19の表面上に感光性電気絶縁膜20を形成した状態を示す図である。
【図13】感光性電気絶縁膜20の表面上に、感光性撥水膜21を形成した状態を示す図である。
【図14】感光性電気絶縁膜20および感光性撥水膜21にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。
【図15】凹所22a、ならびに貫通孔22bおよび22cを形成した状態を示す図である。
【図16】画素電極23a、ならびにコンタクトホール23bおよび23cを形成した状態を示す図である。
【図17】TFTアクティブマトリクス基板2の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図18】貫通孔22bおよび220cを形成した状態を示す図である。
【図19】感光性撥水膜210を形成した状態を示す図である。
【図20】感光性撥水膜210を露光した状態を示す図である。
【図21】TFTアクティブマトリクス基板3の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図22】撥液層211およびレジスト層240を形成した状態を示す図である。
【図23】感光性電気絶縁膜20およびレジスト層240にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。
【図24】レジスト層240に現像処理を施した状態を示す図である。
【図25】撥液層211をパターニングした状態を示す図である。
【図26】TFTアクティブマトリクス基板4の構成を簡略化して示す平面図である。
【図27】図26に示すTFTアクティブマトリクス基板4の切断面線II−II′における断面構成を示す断面図である。
【図28】図28(a)は、TFTアクティブマトリクス基板5の構成を簡略化して示す平面図であり、図28(b)は、図28(a)に示すTFTアクティブマトリクス基板5の切断面線III−III′における断面構成を示す断面図である。
【図29】ガラス基板51の一方の表面51a上にゲート電極膜52を形成した状態を示す図である。
【図30】ゲート電極膜52の表面上にレジストパターン53を形成した状態を示す図である。
【図31】ゲート電極膜52をパターニングした状態を示す図である。
【図32】ゲート絶縁膜54、第1半導体層55および第2半導体層56の3層、ならびにソース・ドレイン電極膜57を形成した状態を示す図である。
【図33】ソース・ドレイン電極膜57の表面上に各部で異なる厚みを有するレジストパターン58を形成した状態を示す図である。
【図34】レジストパターン58をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。
【図35】アッシングによって薄肉部58aを除去し、ソース・ドレイン電極膜57を露出させた状態を示す図である。
【図36】残存するレジストパターン58をマスクとしてエッチングを施した状態を示す図である。
【図37】レジストパターン58を除去した状態を示す図である。
【図38】パッシベーション膜59を形成した状態を示す図である。
【図39】パッシベーション膜59の表面上に感光性アクリル系樹脂膜60を形成した状態を示す図である。
【図40】感光性アクリル系樹脂膜60の表面上に、撥水性フッ素系樹脂膜61を形成した状態を示す図である。
【図41】感光性アクリル系樹脂膜60にハーフトーン露光を施した状態を示す図である。
【図42】凹所62a、ならびに貫通孔62bおよび62cを形成した状態を示す図である。
【図43】画素電極63a、ならびにコンタクトホール63bおよび63cを形成した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 TFTアクティブマトリクス基板
10 TFTアクティブマトリクス回路
11 電気絶縁性基板
12 ゲート電極膜
13,18 レジストパターン
13a,13b,13c,18b レジスト部
14 ゲート絶縁膜
15 第1半導体層
15a チャネル部
16 第2半導体層
17 ソース・ドレイン電極膜
18a 薄肉部
19 パッシベーション膜
20 感光性電気絶縁膜
20b,20c 未硬化部
21 感光性撥水膜
21a,21c 未硬化部
22a 凹所
22b,22c 貫通孔
23 塗布型透明導電膜
23a 画素電極
23b,23c コンタクトホール
30 G−S交差部
31 TFT素子部
32 画素部
33 ゲート端子部
34 ゲート電極配線
35 ソース電極配線
40a 画素電極形成予定位置
40b,40c コンタクトホール形成予定位置
210 感光性撥水膜
210a,210c 未硬化部
211 撥液層
220c 貫通孔
230a 画素電極
230R 赤色導電膜
230G 緑色導電膜
230B 青色導電膜
231R 赤色画素電極
231G 緑色画素電極
231B 青色画素電極
240 レジスト層
240a,240c 未硬化部

Claims (5)

  1. 電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、
    前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、
    前記電気絶縁層の表面上に、感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、
    前記電気絶縁層および前記撥液層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、
    画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去するとともに、前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、
    前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法。
  2. 電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、
    前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、
    前記電気絶縁層を露光する工程と、
    前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、
    前記電気絶縁層の表面上に、前記電気絶縁層と異なる感光性および導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、
    前記撥液層を露光する工程と、
    画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、
    前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法。
  3. 電気絶縁性基板上に、液晶セルを形成するためのマトリクス回路を形成する工程と、
    前記マトリクス回路を覆うように感光性を有する電気絶縁層を形成する工程と、
    前記電気絶縁層の表面上に、導電膜を形成する導電材料を弾く性質を有する撥液層を形成する工程と、
    前記撥液層の表面上に、レジスト層を形成する工程と、
    前記電気絶縁層および前記レジスト層に、露光量を調整することによってハーフトーン露光を施す工程と、
    画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記レジスト層を除去する工程と、
    画素電極を形成するべく予め定められる位置の前記撥液層を除去する工程と、
    前記電気絶縁層の表面から前記マトリクス回路に達する貫通孔を形成する工程と、
    前記電気絶縁層および前記貫通孔の表面に導電材料を塗布することによって導電膜を形成し、画素電極とコンタクトホールとを形成する工程とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法。
  4. 前記導電膜が、着色されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の液晶用マトリクス基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶用マトリクス基板の製造方法によって製造されることを特徴とする液晶用マトリクス基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010152298A (ja) * 2008-11-21 2010-07-08 Toppan Printing Co Ltd 薄膜トランジスタ及びその製造方法並びに画像表示装置
JP2011043640A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Panasonic Liquid Crystal Display Co Ltd 表示装置及びその製造方法
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