JP2004176213A - 紙用改質剤および紙の製造方法 - Google Patents

紙用改質剤および紙の製造方法 Download PDF

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竜吾 下山
Michiyoshi Kizawa
路美 木澤
Keiji Akamatsu
啓二 赤松
Kazuhiro Murai
和浩 村井
Masaki Saito
正喜 斎藤
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Abstract

【課題】紙力を維持したまま紙を低密度化すなわち軽量化し、白色度などの紙質を向上させることにより優れた紙を得ることのできる紙用改質剤およびこれを用いた紙の製造方法を提供することである。
【解決手段】ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンと、高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリド(油脂)から選ばれる少なくとも1種との反応混合物からなる紙用改質剤である。前記反応混合物はカチオン化剤でカチオン化してもよい。前記紙用改質剤は、抄紙工程において、パルプに対して0.01〜10重量%添加され、抄紙が行われる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙用改質剤およびこれを用いた紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙は多種多様な用途で使用されており、様々な用途に応じた特徴を有する紙が研究・開発されている。このような紙として、例えばボリューム感を向上させた紙や柔軟性、印刷適性、不透明度等を付与した紙などが挙げられる。また、最近では森林保護などの環境問題や資源の有効利用、再利用の重要性が高まっており、ヴァージンパルプの有効利用や古紙のリサイクル利用が求められている。紙のボリューム感や柔軟性は、紙を低密度化することにより得ることができる。また、紙を低密度化、すなわち同一容積の紙の重量を減少させて軽量化することにより従来より少ないパルプで紙を製造でき、パルプの有効利用を図ることができる。そこで、以下のような様々な紙用添加剤を使用することにより、紙質を向上させる方法が提案されている。
【0003】
例えば、特定の多価アルコールと特定の脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献1)、カチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩および両性化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する紙用嵩高剤(特許文献2)、特定の物性を有したオルガノシロキサン、グリセリルエーテル、アミド、アミン、アミン酸塩、4級アンモニウム塩、イミダゾール、多価アルコールと脂肪酸のエステルなどの化合物からなる抄紙用紙質向上剤(特許文献3)、特定の高級脂肪酸と特定のアミンとを反応させて得られる縮合物またはその塩からなる古紙再生用添加剤(特許文献4)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2971447号公報
【特許文献2】
特開平11−269799号公報
【特許文献3】
特開2001−81687号公報
【特許文献4】
特開2002−129497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、紙の軽量化目的で使用される従来の紙用添加剤では著しく紙力を低下させてしまうという欠点があり、さらに嵩高さも上記の特許文献1〜4に開示されている紙用添加剤では充分向上しているとはいえない。特に、紙力の低下が起こりやすい古紙パルプを含有する再生紙では未だ満足とはいえない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、紙力を維持したまま紙を低密度化すなわち軽量化し、白色度などの紙質を向上させることにより優れた紙を得ることができる紙用改質剤およびこれを用いた紙の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンの混合物と、高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリドから選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応混合物を含有する紙用改質剤を使用すると、従来よりも紙力を維持したまま低密度化(軽量化)され、紙厚を増加させることができ、しかも白色度等の紙質が向上した優れた紙を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。本発明において、このように高い紙質向上効果が得られる理由は、上記した各成分の反応による種々の反応生成物や未反応物が混在した状態で紙に作用するため、それらの相乗効果によるものと推測される。
【0008】
すなわち、本発明にかかる紙用改質剤は、下記(a)成分と(b)成分の反応混合物からなることを特徴とする。
(a)ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミン
(b)高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリドから選ばれる少なくとも1種
【0009】
前記トリグリセリドとして、油脂が好適に使用される。また、本発明の紙用改質剤は、前記反応混合物をカチオン化剤でカチオン化したものであるのが好ましい。これにより、抄紙時における水への分散性やパルプへの定着性が向上し、より高い紙質向上効果を得ることができる。
【0010】
本発明にかかる紙の製造方法は、抄紙工程において上記の紙用改質剤をパルプに対して0.01〜10重量%添加して抄紙を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、上記紙用改質剤を用いて抄紙工程で紙の改質を行うことにより、紙の密度を小さくして同一容積の紙の重量を減少させることができ、紙厚を増加させ、さらに白色度等の紙の品質も向上させることができる。本薬剤の添加による紙の改質の利点として、紙の軽量化によるパルプ資源の有効利用ができること、ボリューム感や柔軟性を付与できること、白色度等の向上により填料などの紙の品質向上目的で使用される添加剤の添加量を削減できることなどが挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の紙用改質剤およびこれを用いた紙の製造方法について詳細に説明する。
【0013】
本発明にかかる紙用改質剤は、下記(a)成分と(b)成分の反応混合物からなり、必要に応じて、この反応混合物にカチオン化剤を加えて反応混合物をカチオン化、特に反応混合物中のトリアルカノールアミン由来物質の一部または全部をカチオン化したものである。
(a)ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミン
(b)高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリドから選ばれる少なくとも1種
【0014】
前記ジアルカノールアミンとしては、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のジアルカノールアミン、好ましくはジエタノールアミンを使用するのがよい。また、前記トリアルカノールアミンとしては、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のトリアルカノールアミン、好ましくはトリエタノールアミンを使用するのがよい。
【0015】
ジアルカノールアミンとトリアルカノールアミンとの混合比(ジアルカノールアミンのモル数/トリアルカノールアミンのモル数)は、1/99〜99/1、好ましくは1/9〜9/1、より好ましくは1/6〜6/1であるのがよい。
【0016】
前記高級脂肪酸およびそのエステルとしては、長鎖炭化水素基の炭素数が8〜24の飽和または不飽和の高級脂肪酸およびそのエステル、具体的には、例えばパルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、およびそのメチルエステル、エチルエステルなどのアルキルエステルやモノグリセリド、ジグリセリドなどが挙げられる。エステル部分のアルキル基の炭素数は1〜8、好ましくは1〜4であるのがよい。また、高級脂肪酸には、ヒドロキシル基を有する高級脂肪酸誘導体も含まれる。これらの高級脂肪酸およびそのエステルは、1種または2種以上の混合物で使用される。
【0017】
前記トリグリセリドとしては、前記した高級脂肪酸がグリセリンにエステル結合したものが挙げられる。また、前記トリグリセリドとしては、油脂が好適に使用される。このような油脂としては、植物油脂や動物油脂があり、例えばやし油、パーム油、パーム核油、硬化パーム油、カカオバター、とうもろこし油、綿実油、オリーブ油、大豆油、べにばな油、なたね油、米ぬか油、ごま油、ピーナッツ油、からし油、ひまし油、硬化ひまし油などの植物油脂、牛脂、牛脂硬化油、豚脂、羊脂、いわし油、鯨油などの動物油脂が挙げられる。
【0018】
また、上記の高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリド(油脂)の2種以上の混合物を(b)成分として用いてもよい。例えば、油脂の一部を加水分解したものを用いる場合には、(b)成分はトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、高級脂肪酸が含まれた混合物となる。また、工業用の高級脂肪酸のエステルは、通常、高級脂肪酸または油脂から誘導されたものであるため、少量の高級脂肪酸やトリグリセリドを含んでいる。なお、コスト面を考慮すると、(b)成分として高級脂肪酸および/または油脂を使用するのが好ましい。
【0019】
(a)成分と(b)成分との混合比率は、特に限定されないが、モル比((a)成分/(b)成分)が1/3〜9/1、好ましくは1/3〜5/1、より好ましくは1/3〜3/1であるのがよい。ここで、前記(a)成分のモル数は、ジアルカノールアミンのモル数とトリアルカノールアミンのモル数の合計である。また、前記(b)成分のモル数は、高級脂肪酸のモル数、高級脂肪酸エステルのモル数、およびトリグリセリド(または油脂)から遊離される高級脂肪酸のモル数の合計である。(a)成分と(b)成分とは、通常、窒素雰囲気下において、反応温度130〜250℃程度、好ましくは140〜220℃程度、反応時間1〜10時間程度、好ましくは3〜7時間程度で反応させる。この反応は、無触媒で、あるいは酸やアルカリの触媒を使用して行われる。また、この反応は、トルエン、キシレンなどの炭化水素、エーテル類、ケトン類などの溶媒中で行ってもよい。
【0020】
また、反応混合物にカチオン化剤を加えて、反応混合物中のトリアルカノールアミン由来物質の一部または全部をカチオン化してもよい。カチオン化剤の添加量は、(a)成分中のトリアルカノールアミン1モルに対して、0.01モル以上、好ましくは0.05モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは0.4モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であるのがよい。また、カチオン化剤が未反応のまま残らないようにするためには、カチオン化剤の上限を1モルとするのがよい。反応混合物とカチオン化剤とは、通常、窒素雰囲気下において、反応温度40〜100℃程度、好ましくは50〜70℃程度、反応時間1〜7時間程度、好ましくは3〜5時間程度で反応させる。カチオン化剤としては、例えばジアルキル硫酸、アルキルハライド、ベンジルハライドなどが挙げられる。
【0021】
本発明では、上記のようにして得られた反応混合物またはこれをカチオン化したものをそのまま紙用改質剤として使用することもできるが、例えば水または有機溶媒の溶液、乳化液または分散液として調製したものを使用してもよい。その際、有機溶剤、乳化剤、分散剤としては公知のものをそれぞれ1種以上使用できる。
【0022】
このような有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの低級アルコール類や鉱物油、動植物油などが挙げられる。乳化剤および分散剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸エチレンオキシド付加物、脂肪酸プロピレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤、カチオン化デンプン、アルキルアミン塩、カチオン化ポリアクリルアミドなどの陽イオン界面活性剤などが挙げられる。これらの乳化剤または分散剤の添加量は、紙用改質剤の全重量に対して0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%であるのがよい。
【0023】
また、これらの溶液または乳化液、分散液には、抄紙工程において通常用いられている添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、澱粉またはその変性物、ポリアクリルアミドなどの紙力増強剤、ポリエチレンイミンなどの歩留まり向上剤、ラテックス、アクリル樹脂、尿素樹脂などの合成樹脂、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの無機填料、脂肪酸塩、パラフィンワックス、尿素などが挙げられる。
【0024】
<紙の製造方法>
本発明にかかる紙の製造方法では、抄紙工程において前記紙用改質剤をパルプに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%添加することによって紙質が向上した紙を得ることができる。添加場所はパルプスラリーと均一に混合できる場所であれば特に限定されない。原料パルプは、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプなどを単一または混合して使用することができる。
【0025】
また、上記抄紙工程では、本発明の紙用改質剤の他、必要に応じて他の添加剤、例えばポリアクリルアミド、植物グァムなどの紙力増強剤、アルキルケテンダイマー、ロジンなどのサイズ剤、歩留まり向上剤、硫酸バンドなどの定着剤などを添加してもよい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0027】
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた容量が3リットルの4つ口フラスコに、ジエタノールアミン63.0g(0.6モル)と、トリエタノールアミン357.6g(2.4モル)と、オレイン酸847.4g(3.0モル)と、ステアリン酸853.4g(3.0モル)とを仕込み、窒素雰囲気下、200〜220℃で撹拌し、水を系外へ除去しながら3時間反応を行うことによって反応混合物(紙用改質剤)を得た。
【0028】
<紙の製造>
下記に示すLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)またはDIP(古紙パルプ)に対して、上記で得られた紙用改質剤をパルプに対して1重量%、硫酸バンドをパルプに対して2重量%添加し、抄紙器にて抄紙を行ってシートを得た。抄紙後のシートはプレス機にて圧力3kg/cmで2分間プレスし、さらに105℃で2分間乾燥することによって紙をそれぞれ作製した。原料パルプは、下記に示す方法により調製したLBKP、DIPを用いた。
LBKP:広葉樹哂クラフトパルプを、室温下叩解機にて離解、叩解して2%のLBKPスラリーとしたものを用いた。
DIP:市中回収古紙(新聞紙/チラシ=60/40)に温水および水酸化ナトリウム1%、過酸化水素1%を加え、卓上離解機で離解後、80メッシュふるいで脱水し、希釈、濃度調整を行い得たDIPスラリー2%を用いた。
【0029】
実施例2
表1に示す原料および仕込量とした他は、実施例1と同様にして反応混合物を得た。ついで、この反応混合物にカチオン化剤としてジエチル硫酸147.8g(0.96モル)を添加し、窒素雰囲気下、60〜70℃で撹拌しながら4時間反応を行わせて紙用改質剤を得た。この紙用改質剤および硫酸バンドを実施例1と同様にしてパルプに対して添加し、紙を作製した。
【0030】
実施例3〜5,7〜9
表1に示す原料および仕込量とした他は、実施例2と同様にして紙をそれぞれ作製した。
【0031】
実施例6
表1に示す原料および仕込量とした他は、実施例1と同様にして紙を作製した。
【表1】
Figure 2004176213
【0032】
比較例1
紙用改質剤を添加していない他は、実施例1と同様にして紙を作製した。
【0033】
比較例2,3
表1に示す原料および仕込量とした他は、実施例1と同様にして紙をそれぞれ作製した。
【0034】
比較例4
表1に示す原料および仕込量とした他は、実施例2と同様にして紙を作製した。
【0035】
<評価>
上記実施例1〜9および比較例1〜4で得られた紙について白色度、紙厚、密度、坪量、軽量化率および比引裂強度をそれぞれ測定した。結果を表2にそれぞれ示す。なお、白色度向上度はブランク(比較例1)に対する白色度の増加量を示し、紙厚向上度はブランク(比較例1)に対する紙厚の増加量を示し、軽量化率は下式により算出した。また、比引裂強度とは、JIS P 8116(エルメンドルフ形引裂試験機法)に基づき測定された引裂強度を坪量で除して100倍した値である。比引裂強度は、ブランク(比較例1)に対して85%以上の値に維持されていれば、紙の品質誤差上、有意差であるとは言えない。
【数1】
Figure 2004176213
【表2】
Figure 2004176213
【0036】
表2から、本発明の紙用改質剤を添加した実施例1〜9は、比較例2〜4と比べて、同じ添加量でもブランク(比較例1)からの軽量化率が大きく、紙の低密度化がより進行しており、しかも白色度も同等以上であることがわかる。また、実施例1〜9は、比引裂強度もブランク(比較例1)に対して85%以上の高い値を維持している。さらに、実施例1〜9は、比較例2〜4と比べて、紙厚向上度が大きく、ボリューム感のある紙が得られていることがわかる。これらの紙質向上効果は、カチオン化剤の反応モル数が高いほど顕著に現れている。
【0037】
実施例10
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた容量が3リットルの4つ口フラスコに、ジエタノールアミン63.0g(0.6モル)と、トリエタノールアミン357.6g(2.4モル)と、オレイン酸メチル889.5g(3.0モル)と、ステアリン酸メチル895.53g(3.0モル)とを仕込み、さらに、アミド化反応、エステル交換反応の触媒として、48%カセイソーダ水溶液20.83g(カセイソーダ純分10.00g、0.25モル)を仕込んだ。ついで、上記4つ口フラスコを、窒素雰囲気下、140〜160℃で撹拌し、メタノールを系外へ除去しながら4時間反応を行うことによって反応混合物を得た。ついで、この反応混合物にカチオン化剤としてジエチル硫酸258.72g(1.68モル)を添加し、窒素雰囲気下、60〜70℃で撹拌しながら4時間反応を行わせて紙用改質剤を得た。この紙用改質剤および硫酸バンドを実施例1と同様にしてパルプに対して添加し、紙を作製した。
【0038】
実施例11
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた容量が3リットルの4つ口フラスコに、ジエタノールアミン63.0g(0.6モル)と、トリエタノールアミン357.6g(2.4モル)と、ピーナッツ油874.4g(脂肪酸に換算して3.0モル。けん化価192.5mg/g。飽和脂肪酸15重量%、不飽和脂肪酸85重量%)と、牛脂硬化油863.2g(脂肪酸に換算して3.0モル。けん化価195mg/g。飽和脂肪酸99重量%、不飽和脂肪酸1重量%)とを仕込み、さらに、アミド化反応、エステル交換反応の触媒として、48%カセイソーダ水溶液20.83g(カセイソーダ純分10.00g、0.25モル)を仕込んだ。ついで、上記4つ口フラスコを、窒素雰囲気下、140〜160℃で撹拌しながら4時間反応を行うことによって反応混合物を得た。ついで、この反応混合物にカチオン化剤としてジエチル硫酸258.72g(1.68モル)を添加し、窒素雰囲気下、50〜70℃で撹拌しながら4時間反応を行わせて紙用改質剤を得た。この紙用改質剤および硫酸バンドを実施例1と同様にしてパルプに対して添加し、紙を作製した。
【0039】
実施例12
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた容量が3リットルの4つ口フラスコに、ジエタノールアミン63.0g(0.6モル)と、トリエタノールアミン357.6g(2.4モル)と、工業用オレイン酸837.4g(脂肪酸に換算して3.0モル。酸価201mg/g。飽和脂肪酸8重量%、不飽和脂肪酸92重量%)と、牛脂硬化油863.2g(脂肪酸に換算して3.0モル。けん化価195mg/g。飽和脂肪酸99重量%、不飽和脂肪酸1重量%)とを仕込み、さらに、アミド化反応、エステル化反応、エステル交換反応の触媒として、48%カセイソーダ水溶液20.83g(カセイソーダ純分10.00g、0.25モル)を仕込んだ。ついで、上記4つ口フラスコを、窒素雰囲気下、180〜200℃で撹拌しながら4時間反応を行うことによって反応混合物を得た。ついで、この反応混合物にカチオン化剤としてジエチル硫酸258.72g(1.68モル)を添加し、窒素雰囲気下、50〜70℃で撹拌しながら4時間反応を行わせて紙用改質剤を得た。この紙用改質剤および硫酸バンドを実施例1と同様にしてパルプに対して添加し、紙を作製した。
【0040】
実施例10〜12で得られた紙について実施例1〜9と同様にして紙質向上効果を調べたところ、いずれも比較例1〜4よりも良好な結果が得られた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、紙用改質剤を抄紙工程に添加することで、紙力の低下を防ぎつつ紙を軽量化し、白色度等を著しく向上させることにより優れた紙に改質することができるという効果がある。また、本発明の紙用改質剤を添加することによって紙厚を厚くすることができるので、ボリューム感のある紙を得ることができるという効果がある。

Claims (5)

  1. 下記(a)成分と(b)成分の反応混合物からなることを特徴とする紙用改質剤。
    (a)ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミン
    (b)高級脂肪酸、そのエステルおよびトリグリセリドから選ばれる少なくとも1種
  2. 前記トリグリセリドとして、油脂が使用される請求項1記載の紙用改質剤。
  3. 前記反応混合物をカチオン化剤でカチオン化した請求項1または2記載の紙用改質剤。
  4. 前記ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンがジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンである請求項1〜3のいずれかに記載の紙用改質剤。
  5. 抄紙工程において請求項1〜4のいずれかに記載の紙用改質剤をパルプに対して0.01〜10重量%添加して抄紙を行うことを特徴とする紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007056427A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Nicca Chemical Co Ltd 紙用低密度化剤及び低密度紙の製造方法
KR20120046256A (ko) * 2009-08-11 2012-05-09 마쓰모토유시세이야쿠 가부시키가이샤 초지용 합성섬유 처리제, 초지용 합성섬유의 제조방법 및 초지 부직포의 제조방법

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