JP2010126833A - 紙用柔軟剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙に高い柔軟性を与え、サイズ効果の低減なく、摩擦係数が下がらず、抄紙系汚れを抑制する紙用柔軟剤を提供する。
【解決手段】化合物(A)と(B)の質量比が80/20〜99/1である紙用柔軟剤で、(A)は炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合、式(1)で示される物とをモル比1.7/1〜2.0/1で反応させて得られるエステル化合物であり、
Figure 2010126833

[式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。](B)が、式(2)の化合物である、RO(CHCHO)(2)[式(2)中、RおよびRは炭素数4〜8のアルキル基を示し、同一でも異なっていても良い。nは1〜3である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、紙用柔軟剤に関する。より詳細には、紙に高い柔軟性を付与し、サイズ剤のサイズ効果を低下させることがなく、かつ紙の摩擦係数の低下が小さく、抄紙系での汚れの発生を抑制する紙用柔軟剤に関する。
近年の製紙産業においては、印刷物のカラー化が進み、印刷適正を向上させるために柔軟な印刷用紙が求められている。また、書籍などのページのめくりやすさの点からも、印刷用紙の柔軟化が要求されている。これまでに多くの柔軟剤が開発されており、グリセリン、ポリエチレングリコール、尿素等が紙の柔軟性の向上に効果があることが知られている。しかしながら、これらの化合物は柔軟性の向上に効果はあるもののサイズ剤の効果を低下させてしまうことがあった。サイズ度の低下を抑制する方法としては、高い疎水性を有する化合物からなる柔軟剤を使用することが有効であるが、サイズ度の低下を抑制することができる反面、紙の摩擦係数を低下させてしまうことがあった。紙の摩擦係数の低下は、印刷時における紙の走行不良の原因となる。したがって、製紙産業においては、紙に高い柔軟性を付与し、サイズ度を低下させることがなく、かつ摩擦係数の低下の小さい柔軟剤が求められている。
これまでに、特許文献1や特許文献2には、モノエステル含有率を制限した多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル化合物により紙の柔軟性とサイズ度を向上させる方法が開示されているが、紙の摩擦係数を低下させてしまうことがあった。また、特許文献3には、モノエステルを特定の割合で含有する多価アルコールと脂肪酸のエステル化物により紙のサイズ度と摩擦係数を低下させることなく柔軟性を向上させる方法が開示されているが、摩擦係数の低下の抑制が十分ではなかった。さらに、特許文献4には、不飽和脂肪酸系化合物により紙の摩擦係数を低下させることなく柔軟性を向上させる方法が開示されているが、サイズ度を著しく低下させてしまうことがあった。
サイズ度の低下を抑制するような高い疎水性を有する化合物からなる柔軟剤は、水への分散性が低いものが多い。さらに、近年、省資源および環境保全の観点から、製紙工程で使用される水の循環システムのクローズド化が進んでおり、製紙薬剤が白水中に蓄積されやすくなっている。したがって、サイズ度の低下を抑制するような化合物は、抄紙系で凝集して汚れを発生させやすく、紙の汚点や欠点となって品質を低下させてしまうことがある。特許文献5には、長鎖アルキル鎖を有するアミンと脂肪酸の混合物によりサイズ度を低下させることなく柔軟性を向上させる方法が開示されているが、抄紙系で汚れを発生させてしまう場合があった。
抄紙工程で発生した汚れを分散させる方法として、界面活性剤やカチオンポリマーなどからなるピッチコントロール剤を添加する方法が知られているが、サイズ度を低下させたり、柔軟性の向上効果を低下させてしまうことがあった。
このように、紙に高い柔軟性を付与し、サイズ剤のサイズ効果の低下を抑制し、かつ紙の摩擦係数の低下を抑制し、抄紙系での汚れの発生を抑制することを同時に満たすことはできていない。
特開2002−285494号公報 特開2004−324024号公報 特開2004−285490号公報 特開2004−270074号公報 特開2006−83503号公報
本発明は、紙に高い柔軟性を付与し、サイズ剤のサイズ効果を低下させることがなく、かつ紙の摩擦係数の低下が小さく、抄紙系での汚れの発生を抑制する紙用柔軟剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の脂肪酸とアルキルアミノアルコールのエステル化物と特定のエチレングリコールアルキルエーテルまたはポリエチレングリコールアルキルエーテルとを特定の質量比で組み合わせることによって、上記目的を達成する紙用柔軟剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
化合物(A)と化合物(B)からなり、化合物(A)と化合物(B)の質量比が80/20〜99/1である紙用柔軟剤であり、
該化合物(A)が、炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物とをモル比1.7/1〜2.0/1で反応させて得られるエステル化合物であり、
Figure 2010126833
[式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
該化合物(B)が、式(2)で示される化合物である、
O(CHCHO) (2)
[式(2)中、RおよびRは炭素数4〜8のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3である。]
である紙用柔軟剤、
である。
本発明の紙用柔軟剤によれば、抄紙系での汚れの発生を抑制しながら、高い柔軟性を有し、サイズ剤のサイズ効果を低下させることがなく、かつ紙の摩擦係数の低下が小さい紙を提供することができる。
以下、更に詳細に発明の説明をする。
本発明の紙用柔軟剤は、特定の脂肪酸とアルキルアミノアルコールのエステル化合物[化合物(A)]と、特定のエチレングリコールアルキルエーテルまたはポリエチレングリコールアルキルエーテル[化合物(B)]からなる。以下、各成分および紙用柔軟剤について説明する。
<化合物(A)>
本発明で用いる化合物(A)は、炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物とをモル比1.7/1〜2.0/1で反応させて得られるエステル化合物である。
Figure 2010126833
[式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸としては、カプリン酸、ウンデカン酸およびラウリン酸が挙げられる。また、炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸としては、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸が挙げられる。
直鎖飽和脂肪酸の炭素数が10より小さい場合は柔軟性の向上が不十分であり、サイズ剤のサイズ効果を低下させてしまう。直鎖飽和脂肪酸の炭素数が18を超える場合は紙の摩擦係数を大きく低下させたり、水への分散性が低下し抄紙系で汚れを発生させてしまうことがある。脂肪酸のアルキル鎖が不飽和や分岐の場合は、サイズ剤のサイズ効果を低下させてしまう。
炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸の質量比は10/90〜55/45であり、好ましくは30/70〜50/50である。質量比が10/90より小さい場合は紙の摩擦係数の低下が大きく、55/45を超える場合はサイズ剤のサイズ効果を低下させる。
式(1)におけるRは炭素数1〜4のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。式(1)で示される化合物として、具体的には、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert−ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。
式(1)におけるRの炭素数が4を超える場合は水への分散性が低下し、抄紙系で汚れを発生させてしまうことがある。
化合物(A)は通常のエステル化反応により得ることができる。例えば、窒素雰囲気下、反応器中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物とを仕込み、攪拌しながら180〜200℃に昇温し、生成水を除去しながら数時間反応させることにより化合物(A)が得られる。
エステル化反応を行う際の、炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物の反応モル比は、1.7/1〜2.0/1であり、好ましくは1.8/1〜2.0/1である。反応モル比が1.7/1より小さい場合はサイズ剤のサイズ効果を低下させる。反応モル比が2.0/1より大きい場合は柔軟性の向上効果が飽和に達するばかりでなく、未反応の脂肪酸の残存量が増加して抄紙系で汚れを発生させてしまうことがある。
化合物(A)は、そのまま紙用柔軟剤として使用することができるが、無機酸あるいは有機酸で中和すると、取り扱いがさらに容易になる。この際使用する酸としては、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられ、有機酸としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸等が挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。
<化合物(B)>
本発明で用いる、エチレングリコールアルキルエーテルまたはポリエチレングリコールアルキルエーテルは、式(2)で示される。
O(CHCHO) (2)
[式(2)中、RおよびRは炭素数4〜8のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3である。]
式(2)におけるRおよびRは炭素数4〜8のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。炭素数が4より小さい場合は化合物(A)の分散効果が不十分であり、炭素数が8を超える場合は自身の分散性が低下して抄紙系で汚れを発生させてしまうことがある。
式(2)におけるnは1〜3である。nが3を超える場合はサイズ剤のサイズ効果を低下させてしまう。
式(2)で示される化合物は、特に限定するものではなく従来公知の方法により得られる。例えば、アルカリ触媒の存在下においてアルコールにエチレンオキシドを付加させた後、さらにハロゲン化アルキルと反応させることにより得られる。
<紙用柔軟剤>
本発明の紙用柔軟剤は、炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物とをモル比1.7/1〜2.0/1で反応させて得られる化合物[化合物(A)]と、上記式(2)で示される化合物[化合物(B)]からなり、化合物(A)と化合物(B)の質量比が80/20〜99/1であり、好ましくは85/15〜95/5である。質量比が80/20より小さい場合は柔軟性の向上が不十分であり、99/1を超える場合は抄紙系で汚れを発生させてしまうことがある。
本発明の紙用柔軟剤は、上記紙用柔軟剤をパルプに対して0.03〜8質量%、好ましくは0.1〜5質量%となるよう添加し使用する。添加量が8質量%を越える場合は使用量に見合った柔軟性の向上が得られない。
本発明の紙用柔軟剤の添加場所については特に制限はなく、水とパルプが共存するいずれの工程でも添加することができる。特に抄紙工程中であって、均一にパルプ原料に添加できるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱等が好ましい。
前記原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹または広葉樹の晒しまたは未晒しクラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ(新聞、雑誌古紙等)などを単独または任意の割合で混合したものを選択することができる。
本発明の紙の製造方法によって製造される紙としては、例えば、新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、板紙、ライナー、中芯などの段ボール用紙、壁紙、襖紙原紙や裏打ち紙などの紙製品、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの衛生紙が挙げられる。特に、印刷用紙が好適である。
以下に化合物(A)の製造例、紙用柔軟剤分散液の調製例およびそれを用いた紙の製造例を示す。
<化合物(A)>
(合成例1−1)
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた1L容量の4つ口フラスコに、ラウリン酸186.9g(0.933モル)、パルミチン酸247.9g(0.967モル)およびN−n−ブチルジエタノールアミン161.2g(1.00モル)を仕込み、窒素雰囲気下、180〜190℃で6時間反応させて酸価4.2、水酸基価10.1およびアミン価95.7の化合物a−1を得た。
(合成例1−2〜1−7)
表1に示す化合物を用いて、合成例1−1と同様にして化合物a−2〜a−7を合成した。
化合物a−2〜a−7の酸価、水酸基価、アミン価を表1に示す。
(比較合成例1−1〜1−6)
表1に示す化合物を用いて、合成例1−1と同様にして化合物a−8〜a−13を合成した。化合物a−8〜a−13の酸価、水酸基価、アミン価を表1に示す。
Figure 2010126833
<化合物(B)>
使用した化合物(B)を表2に示す。
Figure 2010126833
<紙用柔軟剤分散液>
(調製例1)
1L容量ビーカーに、イオン交換水712.6g、表1に示す化合物a−1を72.0g、化合物b−1を8.0g、化合物(A)のアミノ基に対して1.0倍モル当量の酢酸7.4gを仕込み、80℃に昇温し、ホモミキサーを用いて5000rpmで5分間撹拌して、化合物(A)と化合物(B)の質量比が90/10である紙用柔軟剤の10質量%分散液1を調製した。
(調製例2〜20)
表3に示す化合物(A)、化合物(B)および酸を用い、調製例1と同様にして紙用柔軟剤の10質量%分散液2〜20を調製した。
Figure 2010126833
(比較調製例1〜13)
表4に示す化合物(A)、化合物(B)および酸を用い、調製例1と同様にして紙用柔軟剤の10質量%分散液21〜33を調製した。
Figure 2010126833
<紙用柔軟剤の評価>
実施例1
(1)手すきシートの製造
フリーネス400mlであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を離解機(熊谷理研(株)製)で離解し、1質量%パルプスラリーを調製した。このパルプスラリー100.0gを200ミリリットル容量のビーカーにとり、あらかじめ1質量%に希釈して糊化したカチオン化デンプン(王子コーンスターチ(株)製エースK−100)1.0g(対パルプ1.0質量%)、1質量%硫酸アルミニウム水溶液0.1g(対パルプ0.1質量%)、あらかじめ糊化したカチオン化デンプンを用いて分散したアルキル(パルミトイル/ステアリル=35/65)ケテンダイマーの10質量%分散液0.01g(対パルプ0.1質量%)および紙用柔軟剤の10質量%分散液A0.05g(有効分として対パルプ0.5質量%)を添加して、径4.5cmのタービン羽根により、250rpmで1分間攪拌した。その後、TAPPIスタンダードシートマシン(安田精機(株)製)により抄紙し、油圧プレス機(安田精機(株)製)により、0.35MPaで5分間プレス後、ドラム式ドライヤー(安田精機(株)製)により105℃、2分の乾燥を行い、坪量50g/mの手すきシートを3枚製造した。この手すきシートを恒温恒湿室(温度23℃、湿度50%)にて17時間調湿させた。
得られた3枚の手すきシートの柔軟性(曲げ剛度および容量)およびサイズ性について以下の方法で測定し、その平均値を評価した。結果を表5に示す。
<紙の評価>
(1)柔軟性(曲げ剛度)の評価
調湿した手すきシートの曲げ剛度を純曲げ試験機(カトーテック(株)製KES−FB2)にて測定した。縦方向横方向の曲げ剛度をそれぞれ測定し、その平均値を求めた。なお、女性10人による官能評価の結果、7名以上が4.41×10−5N・m/m未満で柔軟であると評価したため、手すきシートの曲げ剛度は以下の基準で評価した。
曲げ剛度 4.41×10−5N・m/m未満:柔軟性良好 ○
4.41×10−5N・m/m以上:柔軟性不十分 ×
(2)柔軟性(容量)の評価
調湿した手すきシートの坪量をJIS P 8124に従って測定し、さらに手すきシート1枚あたり10箇所の厚さをJIS式紙圧測定機(シチズン時計(株)製 MEI−10)により測定し、その平均値を求めた。なお、次式に従い、厚さから手すきシートの容量を求めた。
容量(cm/g)=厚さ(μm)/坪量(g/m
容量 1.60cm/g以上 :柔軟性良好 ○
1.60cm/g未満 :柔軟性不十分 ×
(3)サイズ性の評価
調湿した手すきシートのステキヒトサイズ度をJIS P 8122に準じて測定した。
ステキヒトサイズ度 20秒以上:サイズ性良好 ○
20秒未満:サイズ性不十分 ×
(4)摩擦係数の評価
調湿した手すきシートの静摩擦係数をJIS P 8147に準じて測定した。
静摩擦係数 0.500以上 ○
0.500未満 ×
Figure 2010126833
(実施例2〜20)
表3に示す紙用柔軟剤分散液2〜20を表5に示す添加量で添加して実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表5に示す。
(比較例1)
紙用柔軟剤を添加しない以外は実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。
結果を表6に示す。
(比較例2〜14)
表4に示す紙用柔軟剤分散液21〜33を表6に示す添加量で添加して実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表6に示す。
Figure 2010126833
<汚れの評価>
フリーネス400mlであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を離解機(熊谷理研(株)製)で離解し、1質量%パルプスラリーを調製した。このパルプスラリーを500mL容量のビーカーに300.0gとり、紙用柔軟剤分散液1を3.0g(有効分として対パルプ10質量%)添加して、径4.5cmのタービン羽根により、250rpmで1分間攪拌した。その後、TAPPIスタンダードシートマシン(安田精機(株)製)により抄紙した。この抄紙を連続して10回行なった後、抄紙網をかえてさらに抄紙を10回行なった。抄紙後の抄紙網2枚を超音波洗浄機に入れ、800gのエタノールを加えて60℃で3時間洗浄した。洗浄後のエタノールをあらかじめ重量を測定した1L容量ナス型フラスコに入れ、エバポレータで蒸留後、ナス型フラスコの重量を測定した。蒸留後のナス型フラスコの重量の増加量を汚れ付着量とした。結果を表7に示す。
汚れ付着量 300mg未満:汚れ少ない ○
300mg以上:汚れ多い ×
Figure 2010126833
(実施例2〜20)
表3に示す紙用柔軟剤分散液2〜20を実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表7に示す。
(比較例1)
紙用柔軟剤を添加しない以外は実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表8に示す。
(比較例2〜14)
表4に示す紙用柔軟剤分散液21〜33を実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表8に示す。
Figure 2010126833
表5〜表8の結果から、実施例1〜20の紙用柔軟剤を用いることによって、抄紙系での汚れの発生を抑制しながら、高い柔軟性を有し、サイズ剤のサイズ効果を低下させることがなく、かつ紙の摩擦係数の低下が小さい紙が得られることがわかる。
これに対して、比較例1は、本発明の紙用柔軟剤を用いていないので柔軟性が不十分であった。比較例2は、化合物(A)の合成に用いる炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸の質量比が本発明より大きいためにサイズ性が低下した。比較例3は、化合物(A)の合成に用いる炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸の質量比が本発明より小さいために摩擦係数が低下した。比較例4は、化合物(A)の合成に用いる脂肪酸の炭素数が本発明より小さいために柔軟性が不十分でありサイズ性が低下した。比較例5は、化合物(A)の合成に用いる脂肪酸が不飽和脂肪酸を含有するためにサイズ性が低下した。比較例6は、化合物(A)の合成に用いるアミノアルコールのアルキル基の炭素数が本発明の範囲より大きいため柔軟性が不十分であり、汚れが大きかった。比較例7は、化合物(A)の合成に用いる脂肪酸とアミノアルコールの反応モル比が本発明の範囲より小さいためサイズ性が不十分であった。比較例8および比較例9は、化合物(B)のアルキル鎖の炭素数が本発明の範囲より小さいために汚れが大きかった。比較例10および比較例11は、化合物(B)のアルキル鎖の炭素数が本発明の範囲より大きいために汚れが大きかった。比較例12は、化合物(B)のオキシエチレン基の付加モル数が本発明の範囲より大きいためにサイズ性が低下した。比較例13は、化合物(A)と化合物(B)の質量比が本発明の範囲より小さいために柔軟性が不十分であった。比較例14は、化合物(A)と化合物(B)の質量比が本発明の範囲より大きいために汚れが大きかった。

Claims (1)

  1. 化合物(A)と化合物(B)からなり、化合物(A)と化合物(B)の質量比が80/20〜99/1である紙用柔軟剤であり、
    該化合物(A)が、炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸とを質量比10/90〜55/45で混合した脂肪酸と、式(1)で示される化合物とをモル比1.7/1〜2.0/1で反応させて得られるエステル化合物であり、
    Figure 2010126833
    [式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
    該化合物(B)が、式(2)で示される化合物である、
    O(CHCHO) (2)
    [式(2)中、RおよびRは炭素数4〜8のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3である。]
    である紙用柔軟剤。
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