JP2004175932A - ポリプロピレン樹脂、該樹脂から得られるシートおよびフィルム - Google Patents

ポリプロピレン樹脂、該樹脂から得られるシートおよびフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】シートを成形した際にβ晶の含有率の高いシートをβ晶核剤を配合しなくても容易に製造可能な高立体規則性ポリプロピレン樹脂、それから得られるシート、および電気絶縁性、アンチブロッキング性および機械特性等に優れたキャパシターフィルムを提供すること。
【解決手段】担持型チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂であって、メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、GPC法で測定したMnが100000以下、Mw/Mnが5.4以上、Mz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂であって、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から下記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値が0.950〜0.995の範囲にあることを特徴とするポリプロピレン樹脂。
【数1】
Figure 2004175932

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、β晶が発生しやすい立体規則性の高いポリプロピレン樹脂、このポリプロピレン樹脂を原料とするβ晶分率(β晶の含有率)の高いポリプロピレンシート、そのシートの延伸により得られる機械特性に優れた延伸フィルムおよびキャパシターフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン樹脂は機械的強度、電気絶縁性が高く、食品衛生性、および透明性に優れているところから、食品包装用、または産業用シートもしくはフィルムなどとして使用されている。
【0003】
ポリプロピレン樹脂には通常α晶、β晶などの結晶形態が存在しており、その結晶形態を利用して様々な物性を付与することができる。β晶はα晶に比べて密度が小さく、融点も低い特徴がある。溶融したポリプロピレン樹脂を徐冷するとβ晶が少量発生することは知られているが、β晶分率の高いポリプロピレン樹脂を得るのは難しい。β晶分率の高いポリプロピレン樹脂を得る場合、β晶核剤を配合することなどが行われているが、このようなβ晶核剤はコンデンサー用のキャパシターフィルムのように電気絶縁性が要求される用途には不向きであった。
【0004】
β晶を利用した技術の一例を紹介する。ポリプロピレン樹脂フィルムには通常滑りを良くするため、スリップ剤およびアンチブロッキング剤が少量配合されている。しかし、コンデンサー用のキャパシターフィルムのように電気絶緑性が要求される用途には電気特性を損なうスリップ剤やアンチブロッキング剤の配合が制限されている。このような用途には従来、ポリエチレン樹脂等の極性基を持たない樹脂の微粒子を配合したり、溶融したポリプロピレン樹脂を徐冷してβ晶を生成させ、それを延伸することでβ晶→α晶転移を引き起こしフィルム表面に凹凸を形成してアンチブロッキング性を持たせることが行われている。
【0005】
近年のポリプロピレン樹脂の製造はマグネシウム担持型チタン触媒成分を使用することが多いが、マグネシウム担持型チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂に代表される分子量分布の狭いポリプロピレン樹脂では十分なβ晶を生成させることが困難であり、β晶を多く発生できるポリプロピレン樹脂の開発、改善が望まれていた。また、ポリプロピレン樹脂フィルムにおいてβ晶を形成するメカニズムは必ずしも明らかになっていなかった。
【0006】
前記マグネシウム担持型チタン系触媒を用い、剛性などに代表される機械強度の向上を目指して、高立体規則性のポリプロピレンを高活性で得る方法が、例えば特開平2−229805号公報、特開平7−25946号公報などに開示されている。しかし、このような高立体規則性触媒を用いてオレフィンの重合を行なうと生成ポリオレフィンの狭分子量分布化や結晶性が高まる結果、加熱溶融してTダイから押出した後に徐冷してもβ晶は殆ど生成しないのが一般的であった。本発明者らは、加熱溶融、Tダイからの押出、および徐冷操作によって十分なβ晶を発生させることが可能であり、且つ延伸フィルムの機械特性面(剛性、寸法安定性など)で優れた性能を発揮する高立体規則性なポリプロピレン樹脂について鋭意検討を行い、特にポリプロピレン樹脂組成とβ晶生成との関係を研究する中で、分子量分布曲線(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法の溶出曲線)の超高分子量領域とβ晶生成と立体規則性指標との因果関係を見出すことによって本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の課題は、担持型チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂であって、シートを成形した際にβ晶の含有率の高いシートを、β晶核剤を配合しなくても容易に製造可能な高立体規則性ポリプロピレン樹脂、およびそれから得られるシートを提供することである。
本発明の第2の課題は、担持型チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂であって、アンチブロッキング性に優れたキャパシターフィルムを得るのに十分なβ晶の生成に優れた高立体規則性ポリプロピレン樹脂、およびそれから得られるシートを提供することである。
本発明の第3の課題は、上記シートからなる延伸フィルム、ならびにこの延伸フィルムからなり、電気絶縁性、アンチブロッキング性および機械特性に優れたキャパシターフィルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下(1)〜(8)に述べるポリプロピレン樹脂、それから得られるシート、延伸フィルムおよびキャパシターフィルムである。
(1)ASTM D−1238(230℃、2.16kg荷重)で測定したメルトフローレート(以下の説明では単にMFRと略記することがある。)が0.5〜10g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下の説明ではGPCと略記することがある。)法で測定したMnが100000以下、Mw/Mnが5.4以上、Mz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂であって、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から下記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値が0.950〜0.995の範囲にあるポリプロピレン樹脂。
【0009】
【数2】
Figure 2004175932
(式中、[Pmmmm]はプロピレン単位が5単位連続してイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度を示し、[Pw]はプロピレン単位のメチル基に由来する吸収強度を示す。)
(2)MFRが0.5〜10g/10分、GPC法で測定したMnが100000以下、Mw/Mnが5.4以上、Mz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂であって、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から上記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値が0.950〜0.995の範囲にあり、加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上の温度に保持された冷却ロールで徐冷した場合に、得られたシートのβ晶分率が0.20以上となる(1)記載のポリプロピレン樹脂。
(3)灰分含有量が50ppm以下である(1)または(2)に記載のポリプロピレン樹脂。
(4)塩素含有量が10ppm以下である上記(3)記載のポリプロピレン樹脂。
(5)多段重合で得られたものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂。
(6)上記(1)〜(5)記載のポリプロピレン樹脂を、加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上の温度に保持された冷却ロールで徐冷して得られるポリプロピレンシート。
(7)上記(6)記載のポリプロピレンシートを延伸して得られる延伸フィルム。
(8)上記(6)記載のポリプロピレンシートを延伸して得られる延伸フィルムからなるキャパシターフィルム。
【0010】
本発明のポリプロピレン樹脂は結晶性のポリプロピレン樹脂であり、プロピレン単独重合体、またはプロピレンとエチレンもしくは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体である。上記炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらの中ではエチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。これらのα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、ポリプロピレン樹脂中に5モル%以下、好ましくは2モル%以下であるのが望ましい。
【0011】
本発明のポリプロピレン樹脂は、MFRが0.5〜10g/10分、好ましくは1〜8g/10分、さらに好ましくは1.5〜5g/10分の範囲にある。MFRがこの範囲にあるのでシートまたはフィルムの成形性および外観に優れる。
【0012】
本発明のポリプロピレン樹脂は、GPC法で測定した数平均分子量(Mn)が100000以下、好ましくは80000以下、さらに好ましくは80000〜10000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が5.4以上、好ましくは5.5以上、さらに好ましくは5.8〜15、Z平均分子量/数平均分子量(Mz/Mn)が20以上、好ましくは21以上、さらに好ましくは21〜40である。
Mnが100000以下であるので、押出し特性に優れるとともに、β晶の生成量も多い。またMw/Mnが5.4以上、かつMz/Mnが20以上であるので、超高分子量成分が存在し、それが溶融状態から固化する過程でβ晶生成に優位に働き、β晶の生成量が多くなる。Mw/MnおよびMz/Mnが大きくなるほどβ晶の生成量が多くなる。
また、Mw/Mnが15以下であり、Mz/Mnが40以下の場合は、フィッシュアイの発生が少なく、成形性が向上するとともに外観に優れる。
【0013】
Mw/Mnが5.4以上およびMz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂は、135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]が2〜10dl/g、好ましくは2.5〜7dl/gの高分子量のプロピレン重合体を通常0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%の割合で含んでいる。[η]がその範囲にあるとβ晶生成量が多くなり、且つフィッシュアイの発生も少ない。
Mw/Mnが5.4以上およびMz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂は、上記のプロピレン重合体をブレンドして得ることもできるし、多段重合プロセスで得ることもできる。
【0014】
本発明に係るプロピレン重合体は、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から下記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値が0.950〜0.995、好ましくは0.952〜0.990、より好ましくは0.953〜0.985の範囲にある。[M]がその範囲にあると延伸性を損なわないで、また延伸フィルムの機械物性と寸法安定性は良くなる。
【0015】
【数3】
Figure 2004175932
上式中、[Pmmmm]はプロピレン単位が5単位連続してイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度を示し、[Pw]はプロピレン単位のメチル基に由来する吸収強度を示す。
次に本発明に係るプロピレン重合体の立体規則性の評価に用いられる立体規則性指標[M]について具体的に説明する。
【0016】
プロピレンの単独重合体は、たとえば下記式(A)のように表わすことができる。
【0017】
【化1】
Figure 2004175932
で表されるプロピレン単位5連鎖中の3単位目のメチル基(たとえばMe、Me)に由来する13C−NMRスペクトルにおける吸収強度をPmmmmとし、プロピレン単位中の全メチル基(Me、Me、Me…)に由来する吸収強度をPwとすると、上記式(A)で表される重合体の立体規則性は、PmmmmとPwとの比、すなわち上記式(Eq−1)から求められる値[M]により評価することができる。
【0018】
したがって、本発明に係るプロピレン重合体の立体規則性は、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から前記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値により評価することができる。
【0019】
上記物性を有するポリプロピレン樹脂は170〜280℃、好ましく190〜230℃で加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90〜110℃の温度に保持された冷却ロールで徐冷した場合に、得られたシートのβ晶分率が0.20以上、好ましくは0.21以上、さらに好ましくは0.21〜0.50となる。このβ晶分率はβ晶核剤を含まないポリプロピレン樹脂の値である。徐冷は、引張り速度0.2〜3m/分、冷却ロールによる冷却時間0.3〜4.5分で行い、冷却ロールを通したシートの厚さが0.1〜3mmとなるように行うのが望ましい。
【0020】
従来、担持型チタン系触媒を用いて製造された分子量分布の狭いポリプロピレン樹脂において、β晶核剤を配合しないでβ晶分率を0.20以上にすることは困難であったが、本発明では前記特定の物性を有するポリプロピレン樹脂を上記特定の条件で徐冷することにより、担持型チタン系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂であるにもかかわらず、β晶分率を0.20以上にすることができる。
β晶分率が0.20以上の場合、延伸した際にフィルムはヘイジーになり、フィルム表面の凹凸が十分でアンチブロッキング性に優れ、またキャパシターフィルムとしての表面凹凸も十分満足できるものが得られる。
【0021】
β晶はポリプロピレン樹脂の結晶形態の1種であり、最も安定なα晶のポリプロピレン樹脂に比べて融点が低く、密度も小さい。またα晶のポリプロピレン樹脂より密度が小さいため延伸などの外部圧力によりβ晶はα晶へ転移するときにフィルム表面に凹凸が発生する。
【0022】
本発明におけるβ晶分率はA. Turner Jones et al, Macromol. Chem., 75, 134(1964)に記載されている方法に従って算出される値であり、K値と称される場合もある。すなわち、ポリプロピレン樹脂を170〜280℃、好ましく190〜230℃で加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90〜110℃の温度に保持された冷却ロールで、引張り速度0.2〜3m/分、冷却ロールによる冷却時間0.3〜4.5分で徐冷を行って厚さが0.1〜3mmのシートを得、このシートについて次の条件でX線回折を行い、得られた回折強度に基づいて、下記数式(Eq−2)から求められる値である。
Figure 2004175932
【0023】
【数4】
Figure 2004175932
式(Eq−2)中、Hβはβ晶(2θ=16°のピーク)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hαはα晶(110)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hαはα晶(040)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)、Hαはα晶(130)の結晶部の散乱に対応するピークの高さ(強度)である。ただし、いずれの値も非晶部の散乱を差し引いた後のピーク高さである。
【0024】
本発明のポリプロピレン樹脂をキャパシターフィルム用途に利用する場合は、灰分含有量が50ppm以下、好ましくは30ppm以下であるのが望ましい。灰分含有量が50ppm以下の場合、電気絶縁性が優れており、このためキャパシターフィルム用原反シートの原料樹脂として好適に用いられる。このような灰分含有量が少ないポリプロピレン樹脂は高活性の触媒を用いるか、重合したポリプロピレン樹脂中の触媒を分解および/または除去することにより製造することができる。本発明のポリプロピレン樹脂をキャパシターフィルム用途に利用する場合は、灰分含有量が前記濃度になっており、且つ塩素含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下になっていると、コンデンサー部品の特性に与える影響を極小化できるのでキャパシターフィルム用原反シートの原料樹脂として特に好適に用いられる。
【0025】
本発明のポリプロピレン樹脂は担持型チタン系触媒の存在下に前記モノマーを重合した重合体である。担体としてはマグネシウム化合物やシリカ化合物などを用いる方法がある。マグネシウム担持型チタン系触媒としては、例えば、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有する固体状チタン触媒成分と、
(b)有機金属化合物と、
(c)電子供与体と
を含む触媒があげられる。上記の固体状チタン触媒成分(a)はマグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を接触させることにより調製することができる。
【0026】
固体状チタン触媒成分(a)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有さないマグネシウム化合物を挙げることができる。
還元能を有するマグネシウム化合物としては、マグネシウム−炭素結合またはマグネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙げることができる。具体的にはジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドなどを挙げることができる。
【0027】
還元能を有さないマグネシウム化合物としては、たとえば塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩等を挙げることができる。
【0028】
これら還元能を有さないマグネシウム化合物は、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物、または触媒成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。還元能を有さないマグネシウム化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導するには、たとえば還元能を有するマグネシウム化合物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アルコール、ハロゲン含有化合物、ケトンなどの活性な炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0029】
本発明では、上述した以外にも多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、触媒成分を調製する過程でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ましい。
【0030】
マグネシウム化合物としては還元能を有さないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムが特に好ましい。
【0031】
固体状チタン触媒成分(a)の調製の際には、チタン化合物としてたとえば次の一般式(1)で示される4価のチタン化合物を用いることが好ましい。
Ti(OR)4−g …(1)
(式(1)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦g≦4である。)
【0032】
具体的にはTiCl、TiBr、TiIなどのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(OC)Br、Ti(O−iso−C)Brなどのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−CCl、Ti(OCBrなどのジハロゲン化ジアルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OCBrなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−iso−C、Ti(O−2−エチルヘキシル)などのテトラアルコキシチタン等が挙げられる。
【0033】
これらの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。チタン化合物は、炭化水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈して用いることもできる。
【0034】
固体状チタン触媒成分(a)の調製の際に用いられる電子供与体としては、たとえばアルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、有機酸または無機酸のエステル、有機酸ハライド、エーテル、酸アミド、酸無水物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
【0035】
より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセチルアセトン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、マレイン酸n−ブチル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカルボン酸ジn−ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素数2〜30の有機酸エステル;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェニルエチルエポキシ−p−メンタンなどの炭素数2〜20のエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類;無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピロール類、ピロリン、ピロリジン、インドール、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、塩化ピリジンなどのピリジン類、ピペリジン類、キノリン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;テトラヒドロフラン、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジヒドロピランなどの環状含酸素化合物等が挙げることができる。
【0036】
また上記の有機酸エステルとしては、多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。
このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α−メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、フチルマレイン酸ジエチル、β−メチルグルタル酸ジイソプロピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル;1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルなどの脂環族ポリカルボン酸エステル;フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル等が挙げられる。
【0037】
本発明では、上記の中ではカルボン酸エステルを用いることが好ましく、特に多価カルボン酸エステル、とりわけフタル酸エステル類を用いることが好ましい。
【0038】
固体状チタン触媒成分(a)は担体に担持させた担体担持型のものを用いることもできる。このような担体としては、Al、SiO、B、MgO、CaO、TiO、ZnO、SnO、BaO、ThO、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂等が挙げられる。これらの中ではAl、SiO が好ましく用いられる。
【0039】
固体状チタン触媒成分(a)は、公知の方法を含むあらゆる方法を採用して調製することができる。
固体状チタン触媒成分(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有しており、マグネシウムにチタンが担持された触媒成分である。
【0040】
固体状チタン触媒成分(a)において、ハロゲン/チタン(原子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100であり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.01〜200、好ましくは約0.01〜100であり、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、好ましくは約2〜50であることが望ましい。
【0041】
本発明では、触媒として上記のような固体状チタン触媒成分(a)とともに有機金属化合物(b)が用いられる。この有機金属化合物としては、周期律表第I族〜第III族から選ばれる金属、特にアルミニウムを含む有機アルミニウム化合物が好ましい。
前記の有機アルミニウム化合物としては、たとえば下記一般式(2)で示される化合物が好ましい。
AlX3−m …(2)
(式(2)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、mは好ましくは0<m<3である。)
【0042】
このような有機アルミニウム化合物としては、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム等があげられる。
これらの中では特にトリアルキルアルミニウムが好ましく用いられる。
【0043】
本発明では、触媒として上記のような(a)固体状チタン触媒成分、(b)有機金属化合物とともに、電子供与体(c)として好ましくは有機ケイ素化合物(c−1)または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下、ポリエーテル化合物という場合もある)(c−2)が用いられる。
【0044】
本発明で用いられる有機ケイ素化合物(c−1)は、下記一般式(3)で示される。
Si(OR4−n …(3)
(式(3)中、nは1、2または3であり、nが1のときRは2級または3級の炭化水素基であり、nが2または3のときRの少なくとも1つは2級または3級の炭化水素基であり、Rは同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−nが2または3であるときRは同一であっても異なっていてもよい。)
【0045】
上記式(3)で示される有機ケイ素化合物(c−1)は、nが1である場合には、シクロペンチルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,3−ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類を挙げることができる。
【0046】
上記式(3)においてnが2である場合には、ジシクロペンチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン類が挙げられる。
【0047】
上記式(3)においてnが3である場合には、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどのモノアルコキシシラン類などが挙げられる。
【0048】
これらの中ではジメトキシシラン類が好ましく、具体的に、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ−t−アミルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどが好ましい。
【0049】
前記ポリエーテル化合物(c−2)では、エーテル結合間に存在する原子は炭素、ケイ素、酸素、硫黄、リンおよびホウ素からなる群から選ばれる1種以上であり、原子数は2以上である。これらのうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基、具体的には炭素数2以上、好ましくは3以上で直鎖状、分岐状、環状構造を有する置換基、より好ましくは分岐状または環状構造を有する置換基が結合しているものが望ましい。また2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の、好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10、特に好ましくは3〜7の炭素原子が含まれた化合物が好ましい。
【0050】
このようなポリエーテル化合物(c−2)のうち好ましい化合物は1,3−ジエーテル類で、特に2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパンが好ましく用いられる。
【0051】
本発明では、上記のような固体状チタン触媒成分(a)、有機金属化合物(b)および電子供与体(c)からなる触媒を用いてポリプロピレン樹脂を製造するに際して、予め予備重合を行うこともできる。
予備重合は固体状チタン触媒成分(a)、有機金属化合物(b)、および必要に応じて電子供与体(c)の存在下にオレフィンを重合させる。
【0052】
上記予備重合オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどの直鎖状のオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、アリルナフタレン、アリルノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、ビニルナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類などの分岐構造を有するオレフィンなどを用いることができ、これらを共重合させてもよい。これらの中ではエチレン、プロピレンが特に好ましく用いられる。
【0053】
予備重合は、固体状チタン触媒成分(a)1g当り0.1〜1000g程度、好ましくは0.3〜500g程度の重合体が生成するように行うことが望ましい。予備重合量が多すぎると、本重合における(共)重合体の生成効率が低下することがあり、得られる(共)重合体からシートまたはフィルムなどを成形した場合にフィッシュアイが発生し易くなる場合がある。
【0054】
予備重合は、不活性炭化水素媒体に予備重合オレフィンおよび上記触媒成分を加え、温和な条件下で行うことが好ましい。
不活性炭化水素媒体としては、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;これらの混合物などを用いることができる。特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
【0055】
固体状チタン触媒成分(a)は、重合容積1リットル当りチタン原子換算で、通常約0.01〜200ミリモル、好ましくは約0.05〜100ミリモルの濃度で用いられることが望ましい。
【0056】
有機金属化合物(b)は、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原子1モル当り通常約0.05〜200モル、好ましくは約0.1〜100モルの量で用いることが望ましい。
【0057】
また電子供与体(c)は、本重合時には使用することが好ましく、その際の使用量は固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原子1モル当り0.1〜300モル、好ましくは1.0〜250モル、特に好ましくは30〜150モルの量である。
【0058】
上記のような触媒を用いてプロピレンを多段重合させる際には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、いずれかの段でまたは全段でプロピレンと上述したような他のモノマーを共重合させてもよい。
【0059】
プロピレンの重合は、通常、気相あるいは液相で行われる。重合がスラリー重合または溶解重合の反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の予備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と同様の不活性炭化水素を用いることができる。
【0060】
本発明では、プロピレンの重合を2段以上、好ましくは3段以上の多段で行うことが好ましい。たとえば3段で重合して、各段において分子量の異なる結晶性ポリプロピレンを製造することが好ましい。例えば、前段の重合で相対的に高分子量のポリプロピレンを製造し、後段の重合で相対的に低分子量のポリプロピレンを製造することができる。
具体的には、2段重合の場合、第1段目において極限粘度[η1st]が2.5〜10dl/g、好ましくは2.5〜7dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40重量%となる量で製造し、次いで第2段目において極限粘度[η2nd]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.3〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が99.5〜60重量%となる量で製造することが好ましい。
また3段重合の場合、第1段目において極限粘度[η1st]が2.5〜10dl/g、好ましくは2.5〜7dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40重量%となる量で製造し、次いで第2段目において極限粘度[η2nd]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.3〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が20〜99重量%となる量で製造し、次いで第3段目において極限粘度[η3rd]が0.001〜5dl/g、好ましくは0.05〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40重量%となる量で製造することが好ましい。
【0061】
本発明のポリプロピレン樹脂を原料としてシートまたはフィルムなどを成形する場合、本発明のポリプロピレン樹脂には、必要に応じて、他の樹脂またはゴムなどの他の重合体を本発明の目的を損なわない範囲内で添加してもよい。前記他の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリエチレン、ポリブテン−1、ポリイソブテン、ポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン・ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン・α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン・α−オレフィン・ジエン単量体共重合体;スチレン・ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体・ジエン単量体ランダム共重合体;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体などのビニル単量体・ジエン単量体・ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン・ブタジエンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体・ジエン単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体・ジエン単量体・ビニル単量体ブロック共重合体)などがあげられる。
【0062】
他の重合体の添加量は、添加する樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前記のように本発明の目的を損なわない範囲であればよいが、通常ポリプロピレン樹脂樹脂100重量部に対して約5重量部以下であることが好ましい。
【0063】
また本発明のポリプロピレン樹脂を原料としてシートまたはフィルムを成形する場合、本発明のポリプロピレン樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、塩酸吸収剤などの安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の目的を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0064】
本発明のポリプロピレン樹脂はβ晶分率が0.20以上のシートを容易に得ることができるので、延伸したフィルムはヘイズ値が大きくなり、マット調フィルムやキャパシターフィルム用原反シートなどのポリプロピレンシートの原料樹脂として好適に使用できる。
本発明のポリプロピレン樹脂から原反シートなどのポリプロピレンシートを成形するには公知の各種の方法を採用することができる。例えば、本発明のポリプロピレン樹脂を押出機で溶融し、先端のTダイからシート状に押出し、1個または複数の冷却ロールを通して冷却固化してシートを成形する方法を採用することができる。冷却に際してはロール群の温度を60℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90〜110℃とすることにより、原反シートが徐冷されてβ晶を多く形成することができ、β晶分率が0.20以上のシートを容易に得ることができる。
【0065】
本発明のポリプロピレンシートは前記本発明のポリプロピレン樹脂を上記方法でシート状に成形したシートであり、β晶分率が0.20以上のシートである。また本発明のキャパシターフィルム用原反シートは灰分含有量50ppm以下の灰分含有量が少ない本発明のポリプロピレン樹脂から得られるシートである。これらのシートの厚さは限定されないが、通常0.1〜3mm、好ましくは0.3〜1mmであるのが望ましい。本発明のポリピロピレンシートは必要に応じて更に延伸処理を行い、延伸フィルムを得ることができる。本発明のキャパシターフィルム用原反シートは延伸してキャパシターフィルムとして用いられる。延伸は、通常100℃〜融点の間の温度にフィルムを再加熱して、延伸ロールおよび/またはテンター式延伸、またチューブラー式延伸等の公知の方法で延伸することができる。延伸は1軸延伸または2軸延伸で行うことができる。延伸倍率は2軸延伸の場合は縦3〜7倍、横3〜11倍程度である。この延伸処理により、機械的強度、剛性が優れ、表面の凹凸の数が多く、粗面化されたフィルムを製造することができる。
【0066】
本発明のポリプロピレン樹脂からはβ晶分率が0.20以上という従来得られなかったような大量にβ晶を含有したシートあるいは、フィルム性状(剛性、熱収縮率、寸法安定性など)に優れ、HAZEの高い延伸フィルムをβ晶核剤を配合しなくても容易に製造することができる。
【0067】
灰分含有量50ppm以下、塩素含有量10ppm以下の本発明のポリプロピレン樹脂から得られるシートは電気的絶縁特性が優れているので、キャパシターフィルム用の原反シートとして優れている。それを延伸、好ましくは2軸延伸した場合、表面凹凸の数が多く、粗面化されているためアンチブロッキング効果が優れている。このように電気的絶縁特性に優れ、表面凹凸が多くアンチブロッキング効果に優れていると同時にフィルム性状(剛性、熱収縮率、寸法安定性など)に優れた延伸フィルムはコンデンサー用のキャパシターフィルムとして好適に利用することができる。キャパシターフィルムの厚さは限定されないが、通常2〜100μm、好ましくは4〜50μmであるのが望ましい。
【0068】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次の通りである。
1)メルトフローレート(MFR)
ASTM D−1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素は導入せず、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
【0069】
2)Mw、MnおよびMz
GPCを使用して以下の条件で測定した。
測定装置:Waters社製150CVtype
サンプル濃度:7.5mg/4mL
カラム:昭和電工(株)製Shodex AD−806ms
測定温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
ポリスチレン換算
3)灰分
ポリプロピレン樹脂をるつぼに入れて完全に燃焼させて、そのるつぼを電気炉内で800℃、2時間 灰化させた。るつぼに残った灰を計測し灰分(ppm)を計算した。
4)塩素含有量
0.8gを三菱化成社製燃焼装置でアルゴン/酸素気流下で、400〜900℃で燃焼した後、燃焼ガスを超純水で捕集し濃縮後の試料液を、日本ダイオネック(株)DIONEX−DX300型イオンクロマト測定装置を用いて、陰イオンカラムAS4A−SC(ダイオネッス社製)を用いて測定した。
5)極限粘度[η]
135℃、テトラリン中で測定した。
6)立体規則性指標[M
機器:日本電子製 JNM−LA400型
溶媒:重ベンゼン/1,2,4−トリクロロベンゼン混合
測定条件:パルス繰り返し時間は5秒。積算回数は20000回。測定温度は125℃。
計算方法はメチル炭素領域の全ピークに対するPmmmm のピークの面積分率で行った。
【0070】
7)β晶分率
A. Turner Jones et al, Macromol. Chem., 75, 134(1964)に記載されている方法に従って、前記数式(a)から求めた。すなわち、サンプルシートとしてはポリプロピレン樹脂を200℃で加熱溶融してTダイから押出し、95℃の温度に保持された1個の冷却ロールにより、引張り速度1.0m/分、冷却ロールによる冷却時間0.94分の条件で徐冷し、冷却ロールを通したシートの厚さが0.5mmのシートを用いた。このシートについて次の条件でX線回折を行い、前記の式(Eq−2)から算出した。
Figure 2004175932
【0071】
8)延伸フィルムの物性測定方法
8−1) ヘイズ;JISK7105に準じて測定した。
8−2) 収縮率;延伸フィルムを10mm巾で100mmの長さにカットした。MD、TD方向にそれぞれカットしたものを 120℃熱風オーブンに入れて15分間加熱した。元の長さに対する収縮した長さの割合で収縮率を求めた。
8−3) ヤング率;フィルムを10mm巾にカットし、チャック間距離を80mmにして引張試験を行い、ヤング率を求めた。引張速度は50mm/minで行った。
【0072】
実施例1
1)ポリプロピレン樹脂の製造
[固体状チタン触媒成分(a)の調製]
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mlおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。
【0073】
このようにして得られた均一溶液を23℃まで冷却した後、この均一溶液の750mlを、−20℃に保持された四塩化チタン2000ml中に1時間にわたって滴下した。滴下後、得られた混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)52.2gを添加し、これより2時間攪拌しながら同温度に保持した。次いで熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を2750mlの四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃で2時間加熱した。
【0074】
加熱終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃のデカンおよびヘキサンを用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。
上記のように調製された固体状チタン触媒成分(a)はヘキサンスラリーとして保存されるが、このうち−部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分(a)は、チタンを3重量%、塩素を58重量%、マグネシウムを18重量%およびDIBPを21重量%の量で含有していた。
【0075】
[予備重合触媒の調製]
10Lの攪拌機付きのオートクレーブ中に、窒素雰囲気下、精製ヘプタン7Lとトリエチルアルミニウム0.16molおよび上記で得られた固体状チタン触媒成分(a)をチタン原子換算で0.053mol装入した後、プロピレンを900gを導入し、温度5℃以下に保ちながら、1時間反応させた。
重合終了後、反応器内を窒素で置換し、上澄み液の除去及び精製ヘプタンによる洗浄を3回行った。得られた予備重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して触媒供給槽に移し、固体状チタン触媒成分(a)濃度で1g/Lとなるよう、精製ヘプタンの追加により調整を行った。この予備重合触媒は固体状チタン触媒成分(a)1g当たりポリプロピレン10gを含んでいた。
【0076】
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン20Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン80kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン100mmol/Hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素は重合槽1には供給しなかった。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ6.0dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン70kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.4mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は下式(Eq−3)より1.8dl/gと判断した。
【0077】
【数5】
Figure 2004175932
(式中、nは直列に連結された重合槽の総数を示す。)
【0078】
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン56kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.4mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.8dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.8dl/gと判断した。
【0079】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂100重量部に対して、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.1重量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.01重量部を配合し、単軸押出機を用いて、樹脂温度230℃で溶融混練してポリプロピレン樹脂のペレット化を行った。単軸押出機は、(株)ジーエムエンジニアリング製GMZ50−32(L/D=32)を使用した。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0080】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットを50mmΦ押出機で200℃で溶融し、Tダイから押出し、95℃に保持された冷却ロールにより、引取り速度1.0m/min、冷却ロールによる冷却時間0.94分の条件で徐冷し、厚さ0.5mmのシートを得た。シート成形条件の詳細は下記の通りである。この冷却ロールを通したシートをカットし、X線回析装置を用いて前記方法でβ晶分率を求めた。結果を表1に示す。
成形装置:ナカタニ機械(株)製VSK型50
成形温度:シリンダー、ダイス温度=200℃
ダイスリップ幅:600mm
冷却ロール温度:95℃
エアーギャップ:60mm
引取速度:1.0m/min
冷却ロール径:450mm
【0081】
[2軸延伸フィルム]
上記のシート成形で得られたシートを85mm×85mmにカットし、次の条件で2軸延伸し、厚さ14μmの2軸延伸フィルムを得た。
延伸装置:ブルックナー社製KAROIV
予熱温度:150℃
予熱時間:60秒
延伸倍率:5×7倍(MD方向5倍、TD方向7倍)の逐次2軸延伸
延伸速度:6m/分
【0082】
実施例2
重合を次のように変更した以外は実施例1と同様に行った。
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン100Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン83kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、ジシクロペンチルジメトキシシラン55mmol/Hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素は重合槽1の気相部の濃度を0.05mol%に保つように連続的に供給した。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ2.8dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン167kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.55mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ2.0dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は上記式(Eq−3)より1.6dl/gと判断した。
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン125kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.55mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.6dl/gと判断した。
【0083】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0084】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットから実施例1と同様の方法でシートを得た。このシートのβ晶分率を実施例1と同じ方法で求めた。結果を表1に示す。
【0085】
実施例3
重合を次のように変更した以外は実施例1と同様に行った。
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン100Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン110kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、ジシクロペンチルジメトキシシラン70mmol/hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素は重合槽1の気相部の濃度が0.015mol%に保つように連続的に供給した。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ3.5dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン137kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.57mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ2.0dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は前記式(Eq−3)より1.5dl/gと判断した。
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン50kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.57mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.8dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.5dl/gと判断した。
【0086】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0087】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットから実施例1と同様の方法でシートを得た。このシートのβ晶分率を実施例1と同じ方法で求めた。結果を表1に示す。
【0088】
比較例1
[予備重合触媒の調製]
10Lの攪拌機付きのオートクレーブ中に、窒素雰囲気下、精製ヘプタン7Lとトリエチルアルミニウム0.16molおよび上記で得られた固体状チタン触媒成分(a)をチタン原子換算で0.053mol装入した後、プロピレンを900gを導入し、温度5℃以下に保ちながら、1時間反応させた。
重合終了後、反応器内を窒素で置換し、上澄み液の除去及び精製ヘプタンによる洗浄を3回行った。得られた予備重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して触媒供給槽に移し、固体状チタン触媒成分(a)濃度で1g/Lとなるよう、精製ヘプタンの追加により調整を行った。この予備重合触媒は固体状チタン触媒成分(a)1g当たりポリプロピレン10gを含んでいた。
【0089】
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン100Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン83kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン9mmol/Hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素も重合槽1の気相部の濃度を0.35molに保つように連続的に供給した。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン217kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.35mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は前記式(Eq−3)より1.9dl/gと判断した。
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン75kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.35mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.9dl/gと判断した。
【0090】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0091】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットから実施例1と同様の方法でシートを得た。このシートのβ晶分率を実施例1と同じ方法で求めた。結果を表1に示す。
【0092】
[2軸延伸フィルム]
得られたポリプロピレン樹脂シートを用いて、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られたフィルムについて測定した物性を表1にまとめる。
【0093】
比較例2
[予備重合触媒の調整]
重合を次のように変更した以外は比較例1と同様に行った。
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン100Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン83kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン9 mmol/Hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素も重合槽1の気相部の濃度を0.05molに保つように連続的に供給した。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ2.8dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン167kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.55mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ2.0dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は前記式(Eq−3)より1.6dl/gと判断した。
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン125kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.55mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.6dl/gと判断した。
【0094】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0095】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットから実施例1と同様の方法でシートを得た。このシートのβ晶分率を実施例1と同じ方法で求めた。結果を表1に示す。
【0096】
[2軸延伸フィルム]
得られたポリプロピレン樹脂シートを用いて、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られたフィルムについて測定した物性を表1にまとめる。
【0097】
比較例3
[予備重合触媒の調整]
重合を次のように変更した以外は比較例1と同様に行った。
[重合]
内容積140Lの攪拌機付き重合槽1に液化プロピレン100Lを装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン83kg/Hr、予備重合触媒18g/Hr、トリエチルアルミニウム47mmol/Hr、ジシクロペンチルジメトキシシラン55mmol/Hrを連続的に供給し、温度73℃で重合した。また、水素も重合槽1の気相部の濃度を0.35molに保つように連続的に供給した。この重合槽1で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽1の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽2へスラリー状のまま送液した。なお得られたポリマーを一部サンプリングし、極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。
重合槽2では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン217kg/Hrを連続的に供給し、温度71℃で重合した。また、水素も重合槽2の気相部の濃度を0.35mol%に保つように連続的に供給した。重合槽2で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽2の生成量の割合)は表1に記載した。得られた重合体を内容積500Lの攪拌機付き重合槽3へスラリー状のまま送液した。なお、得られたポリマーの一部をサンプリングし、極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽2で生成している重合体の極限粘度は前記式(Eq−3)より1.9dl/gと判断した。
重合槽3では液位300Lを保ちながら、新たに液化プロピレン75kg/Hrを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また水素も重合槽2と同様、気相部の濃度を0.35mol%に保つように連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、プロピレンによる洗浄槽に送液後、ポリプロピレンパウダーを洗浄し脱灰した。重合槽3で生成した重合体の生成量比(重合全体に占める重合槽3の生成量の割合)は表1に記載した。その後、プロピレンを蒸発させポリプロピレンパウダーを得た。このサンプルの極限粘度を測定したところ1.9dl/gであった。この結果から重合槽3で生成しているポリプロピレンの極限粘度は1.9dl/gと判断した。
【0098】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
【0099】
[シート成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットから実施例1と同様の方法でシートを得た。このシートのβ晶分率を実施例1と同じ方法で求めた。結果を表1に示す。
【0100】
[2軸延伸フィルム]
得られたポリプロピレン樹脂シートを用いて、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られたフィルムについて測定した物性を表1にまとめる。
【0101】
【表1】
Figure 2004175932
【0102】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン樹脂は担持型チタン系触媒を用いた重合で得られるポリプロピレン樹脂であるが、MFR、Mn、Mw/Mn、Mz/Mn、および[M]が特定の範囲にあるので、特定の条件で徐冷することによりβ晶分率を高くすることができ、これによりシートを成形した際にβ晶の含有率の高いシートをβ晶核剤を配合しなくても容易に得ることができる。このような本発明のポリプロピレン樹脂はアンチブロッキング性に優れたキャパシターフィルムを得るのに十分なβ晶の生成に優れたポリプロピレン樹脂である。
本発明のポリプロピレンシートの製造方法は、上記特定の物性を有するポリプロピレン樹脂を特定の条件で徐冷しているので、β晶分率が0.20以上のシートを容易に製造することができる。
本発明のポリプロピレンシートは、上記製造方法で得られるβ晶分率が0.20以上のシートであるので、それを延伸して得られるフィルムはアンチブロッキング性に優れており、キャパシターフィルムの原料として好適に利用することができる。
本発明の延伸フィルムは、上記ポリプロピレンシートを延伸して得られる延伸フィルムであるのでアンチブロッキング性に優れている。さらに剛性、寸法安定性にも優れている。
本発明のキャパシターフィルム用原反シートは灰分含有量が少なく塩素含有量も少なく、かつβ晶分率が0.20以上であるので、電気的絶縁特性およびアンチブロッキング性に優れており、キャパシターフィルムの原料として好適に利用することができる。
本発明のキャパシターフィルムは、上記キャパシターフィルム用原反シートの延伸フィルムからなるので、電気的絶縁特性およびアンチブロッキング性に優れている。さらにキャパシターフィルムの耐熱性、剛性、寸法安定性にも優れている。

Claims (8)

  1. 担持型チタン系触媒を用いた重合で得られ、ASTM D−1238(230℃、2.16kg荷重)で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法で測定したMnが100000以下、Mw/Mnが5.4以上、Mz/Mnが20以上のポリプロピレン樹脂であって、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から下記式(Eq−1)により求められる立体規則性指標[M]の値が0.950〜0.995の範囲にあることを特徴とするポリプロピレン樹脂。
    Figure 2004175932
    (式中、[Pmmmm]はプロピレン単位が5単位連続してイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度を示し、[Pw] はプロピレン単位のメチル基に由来する吸収強度を示す。)
  2. 担持型チタン系触媒を用いた重合で得られ、加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上の温度に保持された冷却ロールで徐冷した場合に、得られたシートのβ晶分率が0.20以上となることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン樹脂。
  3. 灰分含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン樹脂。
  4. 塩素含有量が10ppm以下であることを特徴とする請求項3記載のポリプロピレン樹脂。
  5. 多段重合で得られたものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のプロピレン樹脂を、加熱溶融してTダイから押出し、60℃以上の温度に保持された冷却ロールで徐冷して得られるβ晶分率が0.20以上であるポリプロピレンシート。
  7. 請求項6記載のポリプロピレンシートを延伸して得られる延伸フィルム。
  8. 請求項6記載のポリプロピレンシートを延伸して得られる延伸フィルムからなるキャパシターフィルム。
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