JP2004175149A - 空調装置の省動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変容量型圧縮機を用いた空調装置において、空調ダクト内に配された吸熱用熱交換器から発生する異臭の発生を防止または低減しつつ、可変容量圧縮機の省動力制御を可能とする。
【解決手段】空気流路が形成された空調ダクトと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量圧縮機と、空調ダクトの空気流路内に配設されて、可変容量圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された低温低圧の冷媒と前記空気流路を流通する空気との熱交換を行う蒸発器とを有し、可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行うようにしている構成において、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子に基づき露点温度を演算し、この露点温度に基づき臭いが発生する閾値となる臨界蒸発温度を決定し、臨界蒸発温度に対して蒸発温度を上下させる。
【選択図】 図3
【解決手段】空気流路が形成された空調ダクトと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量圧縮機と、空調ダクトの空気流路内に配設されて、可変容量圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された低温低圧の冷媒と前記空気流路を流通する空気との熱交換を行う蒸発器とを有し、可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行うようにしている構成において、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子に基づき露点温度を演算し、この露点温度に基づき臭いが発生する閾値となる臨界蒸発温度を決定し、臨界蒸発温度に対して蒸発温度を上下させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に用いられる可変容量型圧縮機を用いた空調装置にあって、空調ケース内に配される蒸発器からの異臭の発生を防止しつつ、可変容量型圧縮機の省動力制御を可能とする省動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
可変容量型圧縮機を用いた空調装置にあっては、省動力化の観点から、中熱負荷域での蒸発温度を高めて圧縮機の圧縮比を抑えることが有効であるが、このような運転を行う場合には、蒸発器から発生する異臭の問題を解決する必要がある。
【0003】
このような異臭は、そもそも、細菌の発生、タバコの煙、かびの発酵などによって空調ケース内で作り出されるものであり、空調装置の稼動開始と共に吹き出される一方、その臭いの分子は蒸発器の表面に生じる結露水に吸収される。この際、蒸発器の通風出口側に臭いの分子が集まりやすいことから、通風出口側の結露水には強い臭いの分子が吸収保持されることとなる。
【0004】
したがって、蒸発器の表面に結露水が発生する運転状態(蒸発温度が流入空気の露点温度以下となる状態)においては、臭いの分子は殆ど結露水に吸収されて異臭の発生は抑えられているが、吐出容量が一定である固定容量型圧縮機を備えた空調装置にあっては、空気温度が低い場合や高速走行時などで、蒸発温度が下がって蒸発器が凍結温度に達すると圧縮機を停止する制御が行われるので、次のような過程で臭いが発生することが判っている。
【0005】
先ず、圧縮機が停止すると、図8(a)に示されるように、蒸発器のフィンの温度が上昇して空気の露点温度以上となるので、フィンの表面で結露しなくなり、フィン表面に付着した結露水は、蒸発器の通風入口側から送風空気中に蒸発し始め、それと同時に結露水中に存在している臭い分子が放出され、弱い臭いが発生し始める。
【0006】
その後、この状態がしばらく継続し、蒸発器の通風出口側の結露水が蒸発し始めると、次第に臭いが強くなり、それと同時に、フィン表面の水分が消失するので、フィン温度は急激に上昇し始め、入口空気温度に近くなる。そして、フィン全体が乾き切ると、臭い分子の蒸発がなくなるので、臭い自体も弱くなってくる。
【0007】
このため、固定容量型圧縮機を用いた場合には、停止した圧縮機を早期に稼動しなければ強い臭いの発生を回避することができなくなるが、蒸発器の凍結防止のために圧縮機の停止時間が長くなると、強い臭いの発生を抑えることは困難となる。尚、冷房装置の異臭を防止する制御としては、特許文献1や特許文献2などに示された技術が公知となっている。
【0008】
【特許文献1】
特公昭63−40006号公報
【特許文献2】
特許第3264062号公報(0003欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、可変容量型圧縮機を備えた空調装置においては、基本的には、圧縮機を停止する制御を行わないので、快適な空調に影響しない範囲で蒸発温度を増加させ、圧縮比を低下させる制御が行われる。即ち、入口空気温度が低い時や、風量が少ない時、或いは高速運転時においては、蒸発温度の下がり過ぎを防ぐために、或いは省動力の観点から吐出容量を小さくする制御が行われる。
【0010】
例えば、送風量を低下させる場合を考えると、蒸発器での熱交換が少なくなるので蒸発温度が低下し、圧縮機はこれを打ち消すように吐出量を小さくし、蒸発温度を上げるように制御される(図8(b)参照)。
【0011】
この際、上昇した蒸発温度が入口空気の露点温度以下であれば、結露水は蒸発しなくなるので、時間が経過しても臭いは発生しない。ところが、蒸発温度が露点温度よりも1,2度高くなると、蒸発器のフィン表面の結露水は、飽和水蒸気圧が送風空気側の水蒸気分圧よりも大きくなった時点で蒸発し始め、これに伴い弱い臭いが発生し始める。ここで、可変容量型圧縮機においては、冷媒が供給され続けられているので、固定容量型圧縮機のクラッチオフ時の場合よりも、蒸発器の温度上昇は小さく、結露水の蒸発は少なくなる。このため、発生する臭いの強さも固定容量型圧縮機を用いた場合よりも弱い傾向にある。また、蒸発量が少なくなるので、フィン表面が乾くのに時間がかかり、固定容量型圧縮機を用いた場合よりも長い時間をかけて通風出口側が乾き始め、その時点から次第に強い臭いが発生し始める。
【0012】
このように、可変容量型圧縮機を用いた場合には、蒸発温度を高めることで強い臭いの発生を遅らすことができるので、圧縮機の省動力化を促進することが可能となるが、単に蒸発温度を上げただけでは、結露水の蒸発に伴う異臭の発生を効果的に低減できない不都合がある。
【0013】
そこで、この発明においては、可変容量型圧縮機を用いた空調装置において、空調ケース内に配された蒸発器から発生する異臭の発生を防止または低減しつつ、可変容量型圧縮機の省動力制御を可能とする省動力制御装置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、前記露点温度演算手段によって演算された露点温度に基づき臭いが発生する閾値となる臨界蒸発温度を決定し、前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、蒸発温度を前記臨界蒸発温度よりも高い温度で所定時間継続させる運転と前記臨界蒸発温度よりも低い温度で所定時間継続させる運転とを交互に切り換える制御手段を具備することを特徴としている(請求項1)。
【0015】
したがって、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、露点温度演算手段でこの因子に基づき蒸発器の露点温度が演算され、制御手段でこの演算された露点温度を境にして蒸発温度が上下に切換えられるので、蒸発温度を臨界蒸発温度よりも低くした場合には蒸発器の表面に結露水を発生させ、臭い分子を閉じ込めることができ、ある程度結露水が発生した後は蒸発温度を高めることで、圧縮機の圧縮比を小さくする。そして、この状態を所定時間継続させた後に、再び蒸発温度を低くして結露水の発生を促し、臭いの発生を回避又は低減させる。このため、蒸発温度を高くしたことによる臭いの発生を回避又は低減できると共に圧縮機の省動力化を図ることが可能となる。
【0016】
また、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、前記露点温度演算手段で演算された露点温度の近傍であり、且つ、前記露点温度よりも低い蒸発温度を維持する運転を継続させる制御手段とを具備するものであってもよい(請求項2)。
【0017】
したがって、このような構成によれば、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、露点温度演算手段でこの因子に基づき蒸発器の露点温度が演算され、制御手段でこの演算された露点温度よりも僅かに低い値に蒸発温度が維持されるので、圧縮機の過剰な動力消費を避けることができ、また、蒸発器の表面の乾きを抑え、臭いの発生を回避又は低減させることが可能となる。
【0018】
ここで、上述した相関因子取得手段としては、蒸発器に流入する空気の乾球温度と相対湿度を計測するセンサを用い、露点温度演算手段によってこれら乾球温度と相対湿度とから露点温度を演算する構成などを採用してもよい。
【0019】
さらに、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、可変容量型圧縮機が吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記相関因子取得手段によって取得した因子が所定の閾値を越えた時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる蒸発温度制御手段とを有するものであってもよい(請求項3)。
【0020】
このような構成によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、蒸発温度が上昇して表面が乾燥し初め、臭いが発生し又は発生し始めようとすると、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えるので、蒸発温度制御手段により可変容量型圧縮機の吐出容量が増大して蒸発温度が所定時間下げられることとなる。このため、圧縮機の動力をできるだけ抑えることが可能となり、また、臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0021】
ここで、相関因子取得手段を、蒸発器を通過した空気の湿度を検出する湿度検出センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、湿度検出センサで検出された湿度が所定の閾値を越えて低下した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項4)。
【0022】
また、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて電気抵抗を検出する電気抵抗センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、電気抵抗センサで検出された抵抗が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであっても(請求項5)、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて静電容量を検出する静電容量センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、静電容量センサで検出された静電容量が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項6)。
【0023】
さらに、相関因子取得手段を、蒸発器の風路内部のフィン表面に挿着されてフィン温度を検出する温度センサとし、蒸発温度制御手段を、フィン温度が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項7)。
【0024】
また、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、相関因子取得手段によって取得した因子から湿度に無関係な代表特性を決定し、この代表特性に基づき可変容量型圧縮機の吐出容量を制御する制御手段を有するものであってもよい(請求項8)。
【0025】
このような構成によれば、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、制御手段でこの因子に基づき湿度に無関係な代表特性が決定され、この決定された特性に基づき、圧縮機の吐出容量が制御されるので、臭いの発生を厳密に抑える制御は行えないが、圧縮機の省動力化と異臭発生の抑制又は低下を図る凡その制御を行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、車両に搭載される空調ユニット1の概略構成が示されており、この空調ユニット1は、空気流路2が形成された空調ケース3の最上流側に外気導入口4と内気導入口5とを備えたインテーク切替装置6を有し、外気導入口4から導入される外気と内気導入口5から導入される内気との導入割り合いがインテークドア7によって調節されるようになっている。空調ケース3には、モータ8によって回転する送風機9が前記インテーク切替装置6の外気導入口4及び内気導入口5に臨むように設けられており、送風機9の回転によって導入口から導入された空気が、下流側の蒸発器10へ圧送されるようになっている。
【0027】
蒸発器10の下流側には、エンジン冷却水を熱源とするヒータコア11が配されており、このヒータコア11の手前にエアミックスドア12が配置されている。蒸発器10を通過した空気は、このエアミックスドア12によってヒータコア11を通過する空気とこれをバイパスする空気との割合が調節されるようになっている。
【0028】
そして、蒸発器10及びヒータコア11によって温調された空気は、 空調ケース3の最下流側に設けられたモードドア13a,13b,13cによって開閉される吹出口(デフ吹出口14a、ベント吹出口14b、フット吹出口14c)から車室15へ送風されるようになっている。
【0029】
前記蒸発器10は、エンジン16からの動力を受けて回転する圧縮機17と、この圧縮機17によって圧縮された高温高圧の冷媒を凝縮液化する凝縮器18と、この凝縮器18によって凝縮液化された冷媒を溜めると共に冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、液相冷媒のみを下流側へ送る受液器19と、この受液器19から送られる液相冷媒を減圧して低温低圧の気液混合冷媒にする膨張装置20と共に配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、膨張装置20から送られる低温低圧の気液混合冷媒を空気流路2内を流れる空気と熱交換して蒸発気化するようにしている。圧縮機17の吐出口から凝縮器18を介して膨張装置20へ至る冷媒経路によって高圧ラインが構成され、膨張装置20から蒸発器10を介して圧縮機17の吸入口に至る冷媒経路によって低圧ラインが構成されており、低圧ラインの圧力は圧縮機の吐出容量を調節することで制御されるようになっている。
【0030】
ここで、圧縮機17は、吐出量を可変させる駆動機構の動きを制御する制御弁17aを有し、この制御弁17aに供給される制御信号を制御して吐出量を変更するいわゆる外制式の可変容量型圧縮機であり、エンジン1によってベルト駆動されるようになっている。
【0031】
また、前記インテークドア7、エアミックスドア12、モードドア13a〜13cを駆動制御する各アクチュエータ22〜24や送風機9のモータ8はコントロールユニット21からの制御信号に応じて制御される。ここでコントロールユニット21は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成された公知のもので、蒸発器10の流入側の空気の乾球温度を検出する乾球温度センサ25からの信号、蒸発器10の流入側の湿球温度を検出する湿球温度センサ26からの信号、冷凍サイクルの低圧ラインの圧力を検出する低圧検出センサ27からの信号などが入力され、メモリに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、圧縮機17の吐出容量を制御して蒸発温度などを制御するようになっている。
【0032】
図2において、コントロールユニット21による空調装置の制御動作例がフロチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づいて制御動作例を説明する。ここで示す制御動作例は、説明の便宜上、蒸発温度の制御に関連する処理のみが示され、その他の処理は割愛されている。
【0033】
コントロールユニット21は、空調装置を起動された後に、初期設定などの一連の初期処理を経てこの制御ルーチンに入り、乾球温度センサ25によって検出された乾球温度と、湿球温度センサ26によって検出された湿球温度を入力し(ステップ50)、これらに基づき公知の演算手法によって露点温度を演算する(ステップ52)。
【0034】
そして、ステップ52で得られた露点温度に基づき、実際の蒸発温度を臭いが発生する閾値の蒸発温度(以下、臨界蒸発温度:Tc0という)まで増加させる(ステップ54)。その後、蒸発温度をTc0よりも1,2℃高い蒸発温度(Tc1)まで増加させ、その状態を所定時間(Tup) 継続させる(ステップ56)。ここで、Tc1の継続時間は、蒸発温度が高くなってしばらくすると、フィンの表面が乾燥し始め、臭いが発生し始めるので、この臭いが発生し始めるまでの時間として予め設定されたものである。
【0035】
その後、蒸発温度をTc0よりも低いTc2とし、その状態を所定時間(Tlow)継続させる(ステップ58)。このTc2の継続時間は、これがあまり長過ぎると圧縮機17の省動力が図れなくなり、また、短過ぎると蒸発器10の表面に結露が生じにくくなるので、これらを両立させうる最適な値として設定される。
【0036】
そして、Tc2が所定時間(Tlow)継続した後は、再びステップ56へ戻り、蒸発温度をTc0よりも1,2℃高い蒸発温度(Tc1)まで高め、以後、上述したステップ56及び58の運転を繰り返し、図3に示すように蒸発温度を変化させる。
【0037】
したがって、上述の構成によれば、臭いが発生する閾値としての臨界蒸発温度(Tc0)を境に蒸発温度が上下に切り換えられるので、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも低く設定した期間では、結露水の発生が促進され、フィン表面の乾きを抑えることができるので、臭いの発生を回避又は低減させることが可能となる。また、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも高く設定した期間では、圧縮機17の圧縮比が小さくなるので、圧縮機17の省動力運転が可能となる。
【0038】
以上の制御は、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも高い温度(Tc1)で所定時間(Tup)継続させる運転と、臨界蒸発温度(Tc0)よりも低い温度(Tc2)で所定時間(Tlow )継続させる運転とを交互に切り換え、蒸発器10の表面に結露水を発生させつつ圧縮機17の圧縮比を間欠的に抑える制御であったが、このような制御に代えて、図4に示されるように、ステップ52で露点温度が演算された後に、図5に示されるように、露点温度よりも僅かに低い蒸発温度を維持する運転を行うようにしてもよい(ステップ60)。尚、他のステップは前記構成例と同様であるので、同一ステップに同一番号を付して説明を省略する。
【0039】
このような制御によれば、蒸発温度が露点温度よりも大きく下回ることがないので、圧縮機17の省動力運転を持続させることが可能となり、また、蒸発器10の表面の湿り状態を維持することができるので、臭いの発生を抑えることも可能となる。
【0040】
尚、上述の構成においては、露点温度の判断方法として湿球温度センサ26を用いた場合を示したが、湿球温度を推定した上で露点温度を演算するようにしてもよい。例えば、圧縮機17のクラッチをオフにし、又は、圧縮機17の吐出容量を最小にすると、フィン温度は、上昇した後フィン表面の結露水が蒸発を始めて乾燥するまで一定に保たれるので、このフィン温度を湿球温度とみなし、この温度と蒸発器10の入口側空気温度とから露点温度を演算してもよい。
【0041】
ところで、上述した臨界蒸発温度(Tc0)を境に蒸発温度を上下に切り換える制御にあっては、それぞれの蒸発温度を予め決められた所定の時間(Tup、Tdown) だけ持続させるようにしているが、Tc0より蒸発温度を高く設定するTc1での運転時間を、臭いが強くなるまで維持するようにしてもよい。即ち、異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大し、蒸発温度を所定時間下げるようにしてもよい。
【0042】
具体的には、蒸発器10の出口側に出口湿度センサ28を設け、この出口湿度センサ28からの信号を利用して、例えば、図6に示すような制御を行うとよい。即ち、ステップ54の処理の後に、圧縮機17を所定容量にデストロークする制御を行う(ステップ62)。デストローク制御すると、蒸発器表面の結露水が蒸発し始めるので、蒸発器10の出口湿度は一旦100%となり、しばらくすると、蒸発器10のフィンが乾燥して、出口湿度が次第に低下してくる。前述したようにフィンの乾燥が促進すると、次第に臭いが強くなるので、ステップ64において、蒸発器10の出口湿度が100%から90%以下に低下する時点を判定し、蒸発器10の出口湿度が90%以下になった場合に、蒸発温度をTc2に下げ、この状態を所定時間(Tlow)継続させて強い臭いの発生を抑える。尚、他のステップは前記構成例と同様であるので、同一ステップに同一番号を付して説明を省略する。
【0043】
したがって、このような構成によれば、強い臭いが発生するぎりぎりまで圧縮機17をデストローク制御させ、その後蒸発温度を下げるように圧縮機17の容量を制御するので、圧縮機17の省動力運転を強い臭いが発生する直前まで行うことができ、空調装置の省動力化を図ると共に、強い臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0044】
尚、上述の構成においては、出口湿度センサ28によって蒸発器10の出口側湿度を検出し、この湿度の低下を判定して蒸発温度を制御するようにしたが、蒸発器10のフィンの表面乾き度合いを何らかの方法で検知するセンサを設け、このセンサの出力が所定の閾値を越えたか否か判定し、同様の制御をしてもよい。
【0045】
例えば、出口湿度センサ28の代わりにフィン表面に電気抵抗を検出する電気抵抗センサ29を装着し、フィン表面が乾くにつれて電気抵抗が大きくなる性質を利用し、圧縮機17をデストローク制御した後にフィン表面の電気抵抗が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。また、出口湿度センサ28の代わりにフィン表面に静電容量を検出する静電容量センサ30を装着し、フィン表面が乾くにつれて静電容量が大きくなる性質を利用し、圧縮機17をデストローク制御した後にフィン表面の静電容量が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。
【0046】
さらに、蒸発器10のフィンの温度を検出する感熱センサ31を蒸発器10の後端から中央部まで挿入し、中央部でのフィン温度が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。このような構成によれば、蒸発器10の通風出口側が乾燥し始める前に圧縮機の吐出容量が増大し、蒸発温度が下げられるので、強い臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0047】
以上は、露点温度を基準にして蒸発温度を制御するものであったが、湿度と無関係な代表特性に基づき蒸発温度を制御し、圧縮機17の省動力化と臭いの発生の低減を図るようにしてもよい。例えば、図7に示されるように、乾球温度センサ25によって検出された乾球温度に対応する信号と、送風機の風量を設定する設定器のブロワーノッチに対応する信号を入力し(ステップ70)、これらの情報から蒸発温度の制御パターンを予め記憶された制御パターンの中から選択し(ステップ72)、この選択された制御パターンに基づき、圧縮機17の吐出容量を制御するようにしてもよい(ステップ74)。
【0048】
このような構成においては、蒸発温度を厳格に制御するものではないが、決められたパターンに基づいて蒸発温度が臭いの発生を低減するように制御されるので、センサを多用する必要がなくなり、構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1又は2に係る発明によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子に基づき露点温度を演算し、この演算された露点温度を基準にして可変容量型圧縮機の吐出容量を調節して蒸発温度を制御するようにしたので、可変容量型圧縮機を用いた空調装置において、空調ケース内に配された蒸発器から発生する異臭の発生を回避又は低減しつつ、可変容量型圧縮機の省動力化を図ることが可能となる。
【0050】
特に、請求項1の構成によれば、露点温度を演算し、この露点温度との関係によって決定される異臭発生の閾値である臨界蒸発温度に対して、蒸発温度を臨界蒸発温度よりも高い温度と臨界蒸発温度よりも低い温度とに交互に切換えるようにしたので、蒸発器の表面に結露水を保って臭いの発生を抑えることが可能となり、圧縮機の圧縮比を間欠的に小さくすることで省動力化を図ることが可能となる。
【0051】
また、請求項2の構成によれば、露点温度を演算し、蒸発温度をこの露点温度よりも僅かに低い温度に維持するようにしたので、蒸発器の表面に結露水を保って臭いの発生を回避又は低減することが可能となり、圧縮機の動力を過剰に消費することがなくなり、省動力化を図ることが可能となる。
【0052】
さらに、請求項3乃至7の構成によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるようにしたので、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0053】
特に、請求項4の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器を通過した空気の湿度を検出する湿度検出センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、湿度検出センサで検出された湿度が所定の閾値を越えて低下した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを湿度センサで感知することができ、蒸発器からの臭いが増大する限界まで圧縮機の吐出容量を抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0054】
また、請求項5の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて電気抵抗を検出する電気抵抗センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、電気抵抗センサで検出された抵抗が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを電気抵抗センサで感知することができ、圧縮機の吐出容量の増大を臭いの発生が増大する限界まで抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0055】
さらに、請求項6の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて静電容量を検出する静電容量センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、静電容量センサで検出された静電容量が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを静電容量センサで感知することができ、圧縮機の吐出容量の増大を臭いの発生が増大する限界まで抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0056】
また、請求項7の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン中央部の表面に挿着されてフィン温度を検出する温度センサとし、蒸発温度制御手段を、フィン温度が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、蒸発器の中央部が乾燥し始めたことを感知することができ、出口側が乾燥し始めて強い臭いが発生する直前まで圧縮機の吐出容量の増大を抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0057】
以上の制御に対して、請求項8の構成によれば、臭いの発生を厳密に抑える制御は困難であるが、圧縮機の省動力化を図りつつ臭いの発生を低減する凡その制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る省動力制御を行う空調装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図2は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の動作例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2で示すフローチャートの制御を行った場合の蒸発温度の変化を示す特性線図である。
【図4】図4は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4で示すフローチャートの制御を行った場合の蒸発温度の変化を示す特性線図である。
【図6】図6は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、固定容量型圧縮機を用いた場合の臭いの発生過程を説明する特性線図であり、図8(b)は、可変容量型圧縮機を用いた場合の臭いの発生過程を説明する特性線図である。
【符号の説明】
2 空気流路
3 空調ケース
10 蒸発器
17 圧縮機
21 コントロールユニット
25 乾球温度センサ
26 湿球温度センサ
28 出口湿度センサ
29 電気抵抗センサ
30 静電容量センサ
31 感熱センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に用いられる可変容量型圧縮機を用いた空調装置にあって、空調ケース内に配される蒸発器からの異臭の発生を防止しつつ、可変容量型圧縮機の省動力制御を可能とする省動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
可変容量型圧縮機を用いた空調装置にあっては、省動力化の観点から、中熱負荷域での蒸発温度を高めて圧縮機の圧縮比を抑えることが有効であるが、このような運転を行う場合には、蒸発器から発生する異臭の問題を解決する必要がある。
【0003】
このような異臭は、そもそも、細菌の発生、タバコの煙、かびの発酵などによって空調ケース内で作り出されるものであり、空調装置の稼動開始と共に吹き出される一方、その臭いの分子は蒸発器の表面に生じる結露水に吸収される。この際、蒸発器の通風出口側に臭いの分子が集まりやすいことから、通風出口側の結露水には強い臭いの分子が吸収保持されることとなる。
【0004】
したがって、蒸発器の表面に結露水が発生する運転状態(蒸発温度が流入空気の露点温度以下となる状態)においては、臭いの分子は殆ど結露水に吸収されて異臭の発生は抑えられているが、吐出容量が一定である固定容量型圧縮機を備えた空調装置にあっては、空気温度が低い場合や高速走行時などで、蒸発温度が下がって蒸発器が凍結温度に達すると圧縮機を停止する制御が行われるので、次のような過程で臭いが発生することが判っている。
【0005】
先ず、圧縮機が停止すると、図8(a)に示されるように、蒸発器のフィンの温度が上昇して空気の露点温度以上となるので、フィンの表面で結露しなくなり、フィン表面に付着した結露水は、蒸発器の通風入口側から送風空気中に蒸発し始め、それと同時に結露水中に存在している臭い分子が放出され、弱い臭いが発生し始める。
【0006】
その後、この状態がしばらく継続し、蒸発器の通風出口側の結露水が蒸発し始めると、次第に臭いが強くなり、それと同時に、フィン表面の水分が消失するので、フィン温度は急激に上昇し始め、入口空気温度に近くなる。そして、フィン全体が乾き切ると、臭い分子の蒸発がなくなるので、臭い自体も弱くなってくる。
【0007】
このため、固定容量型圧縮機を用いた場合には、停止した圧縮機を早期に稼動しなければ強い臭いの発生を回避することができなくなるが、蒸発器の凍結防止のために圧縮機の停止時間が長くなると、強い臭いの発生を抑えることは困難となる。尚、冷房装置の異臭を防止する制御としては、特許文献1や特許文献2などに示された技術が公知となっている。
【0008】
【特許文献1】
特公昭63−40006号公報
【特許文献2】
特許第3264062号公報(0003欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、可変容量型圧縮機を備えた空調装置においては、基本的には、圧縮機を停止する制御を行わないので、快適な空調に影響しない範囲で蒸発温度を増加させ、圧縮比を低下させる制御が行われる。即ち、入口空気温度が低い時や、風量が少ない時、或いは高速運転時においては、蒸発温度の下がり過ぎを防ぐために、或いは省動力の観点から吐出容量を小さくする制御が行われる。
【0010】
例えば、送風量を低下させる場合を考えると、蒸発器での熱交換が少なくなるので蒸発温度が低下し、圧縮機はこれを打ち消すように吐出量を小さくし、蒸発温度を上げるように制御される(図8(b)参照)。
【0011】
この際、上昇した蒸発温度が入口空気の露点温度以下であれば、結露水は蒸発しなくなるので、時間が経過しても臭いは発生しない。ところが、蒸発温度が露点温度よりも1,2度高くなると、蒸発器のフィン表面の結露水は、飽和水蒸気圧が送風空気側の水蒸気分圧よりも大きくなった時点で蒸発し始め、これに伴い弱い臭いが発生し始める。ここで、可変容量型圧縮機においては、冷媒が供給され続けられているので、固定容量型圧縮機のクラッチオフ時の場合よりも、蒸発器の温度上昇は小さく、結露水の蒸発は少なくなる。このため、発生する臭いの強さも固定容量型圧縮機を用いた場合よりも弱い傾向にある。また、蒸発量が少なくなるので、フィン表面が乾くのに時間がかかり、固定容量型圧縮機を用いた場合よりも長い時間をかけて通風出口側が乾き始め、その時点から次第に強い臭いが発生し始める。
【0012】
このように、可変容量型圧縮機を用いた場合には、蒸発温度を高めることで強い臭いの発生を遅らすことができるので、圧縮機の省動力化を促進することが可能となるが、単に蒸発温度を上げただけでは、結露水の蒸発に伴う異臭の発生を効果的に低減できない不都合がある。
【0013】
そこで、この発明においては、可変容量型圧縮機を用いた空調装置において、空調ケース内に配された蒸発器から発生する異臭の発生を防止または低減しつつ、可変容量型圧縮機の省動力制御を可能とする省動力制御装置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、前記露点温度演算手段によって演算された露点温度に基づき臭いが発生する閾値となる臨界蒸発温度を決定し、前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、蒸発温度を前記臨界蒸発温度よりも高い温度で所定時間継続させる運転と前記臨界蒸発温度よりも低い温度で所定時間継続させる運転とを交互に切り換える制御手段を具備することを特徴としている(請求項1)。
【0015】
したがって、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、露点温度演算手段でこの因子に基づき蒸発器の露点温度が演算され、制御手段でこの演算された露点温度を境にして蒸発温度が上下に切換えられるので、蒸発温度を臨界蒸発温度よりも低くした場合には蒸発器の表面に結露水を発生させ、臭い分子を閉じ込めることができ、ある程度結露水が発生した後は蒸発温度を高めることで、圧縮機の圧縮比を小さくする。そして、この状態を所定時間継続させた後に、再び蒸発温度を低くして結露水の発生を促し、臭いの発生を回避又は低減させる。このため、蒸発温度を高くしたことによる臭いの発生を回避又は低減できると共に圧縮機の省動力化を図ることが可能となる。
【0016】
また、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、前記露点温度演算手段で演算された露点温度の近傍であり、且つ、前記露点温度よりも低い蒸発温度を維持する運転を継続させる制御手段とを具備するものであってもよい(請求項2)。
【0017】
したがって、このような構成によれば、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、露点温度演算手段でこの因子に基づき蒸発器の露点温度が演算され、制御手段でこの演算された露点温度よりも僅かに低い値に蒸発温度が維持されるので、圧縮機の過剰な動力消費を避けることができ、また、蒸発器の表面の乾きを抑え、臭いの発生を回避又は低減させることが可能となる。
【0018】
ここで、上述した相関因子取得手段としては、蒸発器に流入する空気の乾球温度と相対湿度を計測するセンサを用い、露点温度演算手段によってこれら乾球温度と相対湿度とから露点温度を演算する構成などを採用してもよい。
【0019】
さらに、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、可変容量型圧縮機が吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記相関因子取得手段によって取得した因子が所定の閾値を越えた時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる蒸発温度制御手段とを有するものであってもよい(請求項3)。
【0020】
このような構成によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、蒸発温度が上昇して表面が乾燥し初め、臭いが発生し又は発生し始めようとすると、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えるので、蒸発温度制御手段により可変容量型圧縮機の吐出容量が増大して蒸発温度が所定時間下げられることとなる。このため、圧縮機の動力をできるだけ抑えることが可能となり、また、臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0021】
ここで、相関因子取得手段を、蒸発器を通過した空気の湿度を検出する湿度検出センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、湿度検出センサで検出された湿度が所定の閾値を越えて低下した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項4)。
【0022】
また、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて電気抵抗を検出する電気抵抗センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、電気抵抗センサで検出された抵抗が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであっても(請求項5)、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて静電容量を検出する静電容量センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、静電容量センサで検出された静電容量が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項6)。
【0023】
さらに、相関因子取得手段を、蒸発器の風路内部のフィン表面に挿着されてフィン温度を検出する温度センサとし、蒸発温度制御手段を、フィン温度が所定の閾値を越えて増加した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであってもよい(請求項7)。
【0024】
また、上記課題を達成するために、この発明に係る空調装置の省動力制御装置は、空気流路が形成された空調ケースと、圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う構成において、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、相関因子取得手段によって取得した因子から湿度に無関係な代表特性を決定し、この代表特性に基づき可変容量型圧縮機の吐出容量を制御する制御手段を有するものであってもよい(請求項8)。
【0025】
このような構成によれば、相関因子取得手段で蒸発器から発生し得る異臭の発生と相関する因子が取得され、制御手段でこの因子に基づき湿度に無関係な代表特性が決定され、この決定された特性に基づき、圧縮機の吐出容量が制御されるので、臭いの発生を厳密に抑える制御は行えないが、圧縮機の省動力化と異臭発生の抑制又は低下を図る凡その制御を行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、車両に搭載される空調ユニット1の概略構成が示されており、この空調ユニット1は、空気流路2が形成された空調ケース3の最上流側に外気導入口4と内気導入口5とを備えたインテーク切替装置6を有し、外気導入口4から導入される外気と内気導入口5から導入される内気との導入割り合いがインテークドア7によって調節されるようになっている。空調ケース3には、モータ8によって回転する送風機9が前記インテーク切替装置6の外気導入口4及び内気導入口5に臨むように設けられており、送風機9の回転によって導入口から導入された空気が、下流側の蒸発器10へ圧送されるようになっている。
【0027】
蒸発器10の下流側には、エンジン冷却水を熱源とするヒータコア11が配されており、このヒータコア11の手前にエアミックスドア12が配置されている。蒸発器10を通過した空気は、このエアミックスドア12によってヒータコア11を通過する空気とこれをバイパスする空気との割合が調節されるようになっている。
【0028】
そして、蒸発器10及びヒータコア11によって温調された空気は、 空調ケース3の最下流側に設けられたモードドア13a,13b,13cによって開閉される吹出口(デフ吹出口14a、ベント吹出口14b、フット吹出口14c)から車室15へ送風されるようになっている。
【0029】
前記蒸発器10は、エンジン16からの動力を受けて回転する圧縮機17と、この圧縮機17によって圧縮された高温高圧の冷媒を凝縮液化する凝縮器18と、この凝縮器18によって凝縮液化された冷媒を溜めると共に冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、液相冷媒のみを下流側へ送る受液器19と、この受液器19から送られる液相冷媒を減圧して低温低圧の気液混合冷媒にする膨張装置20と共に配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、膨張装置20から送られる低温低圧の気液混合冷媒を空気流路2内を流れる空気と熱交換して蒸発気化するようにしている。圧縮機17の吐出口から凝縮器18を介して膨張装置20へ至る冷媒経路によって高圧ラインが構成され、膨張装置20から蒸発器10を介して圧縮機17の吸入口に至る冷媒経路によって低圧ラインが構成されており、低圧ラインの圧力は圧縮機の吐出容量を調節することで制御されるようになっている。
【0030】
ここで、圧縮機17は、吐出量を可変させる駆動機構の動きを制御する制御弁17aを有し、この制御弁17aに供給される制御信号を制御して吐出量を変更するいわゆる外制式の可変容量型圧縮機であり、エンジン1によってベルト駆動されるようになっている。
【0031】
また、前記インテークドア7、エアミックスドア12、モードドア13a〜13cを駆動制御する各アクチュエータ22〜24や送風機9のモータ8はコントロールユニット21からの制御信号に応じて制御される。ここでコントロールユニット21は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えて構成された公知のもので、蒸発器10の流入側の空気の乾球温度を検出する乾球温度センサ25からの信号、蒸発器10の流入側の湿球温度を検出する湿球温度センサ26からの信号、冷凍サイクルの低圧ラインの圧力を検出する低圧検出センサ27からの信号などが入力され、メモリに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、圧縮機17の吐出容量を制御して蒸発温度などを制御するようになっている。
【0032】
図2において、コントロールユニット21による空調装置の制御動作例がフロチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づいて制御動作例を説明する。ここで示す制御動作例は、説明の便宜上、蒸発温度の制御に関連する処理のみが示され、その他の処理は割愛されている。
【0033】
コントロールユニット21は、空調装置を起動された後に、初期設定などの一連の初期処理を経てこの制御ルーチンに入り、乾球温度センサ25によって検出された乾球温度と、湿球温度センサ26によって検出された湿球温度を入力し(ステップ50)、これらに基づき公知の演算手法によって露点温度を演算する(ステップ52)。
【0034】
そして、ステップ52で得られた露点温度に基づき、実際の蒸発温度を臭いが発生する閾値の蒸発温度(以下、臨界蒸発温度:Tc0という)まで増加させる(ステップ54)。その後、蒸発温度をTc0よりも1,2℃高い蒸発温度(Tc1)まで増加させ、その状態を所定時間(Tup) 継続させる(ステップ56)。ここで、Tc1の継続時間は、蒸発温度が高くなってしばらくすると、フィンの表面が乾燥し始め、臭いが発生し始めるので、この臭いが発生し始めるまでの時間として予め設定されたものである。
【0035】
その後、蒸発温度をTc0よりも低いTc2とし、その状態を所定時間(Tlow)継続させる(ステップ58)。このTc2の継続時間は、これがあまり長過ぎると圧縮機17の省動力が図れなくなり、また、短過ぎると蒸発器10の表面に結露が生じにくくなるので、これらを両立させうる最適な値として設定される。
【0036】
そして、Tc2が所定時間(Tlow)継続した後は、再びステップ56へ戻り、蒸発温度をTc0よりも1,2℃高い蒸発温度(Tc1)まで高め、以後、上述したステップ56及び58の運転を繰り返し、図3に示すように蒸発温度を変化させる。
【0037】
したがって、上述の構成によれば、臭いが発生する閾値としての臨界蒸発温度(Tc0)を境に蒸発温度が上下に切り換えられるので、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも低く設定した期間では、結露水の発生が促進され、フィン表面の乾きを抑えることができるので、臭いの発生を回避又は低減させることが可能となる。また、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも高く設定した期間では、圧縮機17の圧縮比が小さくなるので、圧縮機17の省動力運転が可能となる。
【0038】
以上の制御は、蒸発温度を臨界蒸発温度(Tc0)よりも高い温度(Tc1)で所定時間(Tup)継続させる運転と、臨界蒸発温度(Tc0)よりも低い温度(Tc2)で所定時間(Tlow )継続させる運転とを交互に切り換え、蒸発器10の表面に結露水を発生させつつ圧縮機17の圧縮比を間欠的に抑える制御であったが、このような制御に代えて、図4に示されるように、ステップ52で露点温度が演算された後に、図5に示されるように、露点温度よりも僅かに低い蒸発温度を維持する運転を行うようにしてもよい(ステップ60)。尚、他のステップは前記構成例と同様であるので、同一ステップに同一番号を付して説明を省略する。
【0039】
このような制御によれば、蒸発温度が露点温度よりも大きく下回ることがないので、圧縮機17の省動力運転を持続させることが可能となり、また、蒸発器10の表面の湿り状態を維持することができるので、臭いの発生を抑えることも可能となる。
【0040】
尚、上述の構成においては、露点温度の判断方法として湿球温度センサ26を用いた場合を示したが、湿球温度を推定した上で露点温度を演算するようにしてもよい。例えば、圧縮機17のクラッチをオフにし、又は、圧縮機17の吐出容量を最小にすると、フィン温度は、上昇した後フィン表面の結露水が蒸発を始めて乾燥するまで一定に保たれるので、このフィン温度を湿球温度とみなし、この温度と蒸発器10の入口側空気温度とから露点温度を演算してもよい。
【0041】
ところで、上述した臨界蒸発温度(Tc0)を境に蒸発温度を上下に切り換える制御にあっては、それぞれの蒸発温度を予め決められた所定の時間(Tup、Tdown) だけ持続させるようにしているが、Tc0より蒸発温度を高く設定するTc1での運転時間を、臭いが強くなるまで維持するようにしてもよい。即ち、異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大し、蒸発温度を所定時間下げるようにしてもよい。
【0042】
具体的には、蒸発器10の出口側に出口湿度センサ28を設け、この出口湿度センサ28からの信号を利用して、例えば、図6に示すような制御を行うとよい。即ち、ステップ54の処理の後に、圧縮機17を所定容量にデストロークする制御を行う(ステップ62)。デストローク制御すると、蒸発器表面の結露水が蒸発し始めるので、蒸発器10の出口湿度は一旦100%となり、しばらくすると、蒸発器10のフィンが乾燥して、出口湿度が次第に低下してくる。前述したようにフィンの乾燥が促進すると、次第に臭いが強くなるので、ステップ64において、蒸発器10の出口湿度が100%から90%以下に低下する時点を判定し、蒸発器10の出口湿度が90%以下になった場合に、蒸発温度をTc2に下げ、この状態を所定時間(Tlow)継続させて強い臭いの発生を抑える。尚、他のステップは前記構成例と同様であるので、同一ステップに同一番号を付して説明を省略する。
【0043】
したがって、このような構成によれば、強い臭いが発生するぎりぎりまで圧縮機17をデストローク制御させ、その後蒸発温度を下げるように圧縮機17の容量を制御するので、圧縮機17の省動力運転を強い臭いが発生する直前まで行うことができ、空調装置の省動力化を図ると共に、強い臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0044】
尚、上述の構成においては、出口湿度センサ28によって蒸発器10の出口側湿度を検出し、この湿度の低下を判定して蒸発温度を制御するようにしたが、蒸発器10のフィンの表面乾き度合いを何らかの方法で検知するセンサを設け、このセンサの出力が所定の閾値を越えたか否か判定し、同様の制御をしてもよい。
【0045】
例えば、出口湿度センサ28の代わりにフィン表面に電気抵抗を検出する電気抵抗センサ29を装着し、フィン表面が乾くにつれて電気抵抗が大きくなる性質を利用し、圧縮機17をデストローク制御した後にフィン表面の電気抵抗が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。また、出口湿度センサ28の代わりにフィン表面に静電容量を検出する静電容量センサ30を装着し、フィン表面が乾くにつれて静電容量が大きくなる性質を利用し、圧縮機17をデストローク制御した後にフィン表面の静電容量が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。
【0046】
さらに、蒸発器10のフィンの温度を検出する感熱センサ31を蒸発器10の後端から中央部まで挿入し、中央部でのフィン温度が所定値以上となったことを判定して蒸発温度を下げるようにしてもよい。このような構成によれば、蒸発器10の通風出口側が乾燥し始める前に圧縮機の吐出容量が増大し、蒸発温度が下げられるので、強い臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0047】
以上は、露点温度を基準にして蒸発温度を制御するものであったが、湿度と無関係な代表特性に基づき蒸発温度を制御し、圧縮機17の省動力化と臭いの発生の低減を図るようにしてもよい。例えば、図7に示されるように、乾球温度センサ25によって検出された乾球温度に対応する信号と、送風機の風量を設定する設定器のブロワーノッチに対応する信号を入力し(ステップ70)、これらの情報から蒸発温度の制御パターンを予め記憶された制御パターンの中から選択し(ステップ72)、この選択された制御パターンに基づき、圧縮機17の吐出容量を制御するようにしてもよい(ステップ74)。
【0048】
このような構成においては、蒸発温度を厳格に制御するものではないが、決められたパターンに基づいて蒸発温度が臭いの発生を低減するように制御されるので、センサを多用する必要がなくなり、構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1又は2に係る発明によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子に基づき露点温度を演算し、この演算された露点温度を基準にして可変容量型圧縮機の吐出容量を調節して蒸発温度を制御するようにしたので、可変容量型圧縮機を用いた空調装置において、空調ケース内に配された蒸発器から発生する異臭の発生を回避又は低減しつつ、可変容量型圧縮機の省動力化を図ることが可能となる。
【0050】
特に、請求項1の構成によれば、露点温度を演算し、この露点温度との関係によって決定される異臭発生の閾値である臨界蒸発温度に対して、蒸発温度を臨界蒸発温度よりも高い温度と臨界蒸発温度よりも低い温度とに交互に切換えるようにしたので、蒸発器の表面に結露水を保って臭いの発生を抑えることが可能となり、圧縮機の圧縮比を間欠的に小さくすることで省動力化を図ることが可能となる。
【0051】
また、請求項2の構成によれば、露点温度を演算し、蒸発温度をこの露点温度よりも僅かに低い温度に維持するようにしたので、蒸発器の表面に結露水を保って臭いの発生を回避又は低減することが可能となり、圧縮機の動力を過剰に消費することがなくなり、省動力化を図ることが可能となる。
【0052】
さらに、請求項3乃至7の構成によれば、蒸発器からの異臭の発生と相関する因子が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるようにしたので、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生を抑えることが可能となる。
【0053】
特に、請求項4の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器を通過した空気の湿度を検出する湿度検出センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、湿度検出センサで検出された湿度が所定の閾値を越えて低下した時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを湿度センサで感知することができ、蒸発器からの臭いが増大する限界まで圧縮機の吐出容量を抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0054】
また、請求項5の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて電気抵抗を検出する電気抵抗センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、電気抵抗センサで検出された抵抗が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを電気抵抗センサで感知することができ、圧縮機の吐出容量の増大を臭いの発生が増大する限界まで抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0055】
さらに、請求項6の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン表面に挿着されて静電容量を検出する静電容量センサとし、蒸発温度制御手段を、可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、静電容量センサで検出された静電容量が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、結露水が蒸発して蒸発器の表面が乾燥していることを静電容量センサで感知することができ、圧縮機の吐出容量の増大を臭いの発生が増大する限界まで抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0056】
また、請求項7の構成によれば、相関因子取得手段を、蒸発器のフィン中央部の表面に挿着されてフィン温度を検出する温度センサとし、蒸発温度制御手段を、フィン温度が所定の閾値を越えた時点で可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる構成としたので、蒸発器の中央部が乾燥し始めたことを感知することができ、出口側が乾燥し始めて強い臭いが発生する直前まで圧縮機の吐出容量の増大を抑えることが可能となる。このため、圧縮機の動力を最大限に抑えつつ臭いの発生の防止又は低減を図ることが可能となる。
【0057】
以上の制御に対して、請求項8の構成によれば、臭いの発生を厳密に抑える制御は困難であるが、圧縮機の省動力化を図りつつ臭いの発生を低減する凡その制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る省動力制御を行う空調装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図2は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の動作例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2で示すフローチャートの制御を行った場合の蒸発温度の変化を示す特性線図である。
【図4】図4は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4で示すフローチャートの制御を行った場合の蒸発温度の変化を示す特性線図である。
【図6】図6は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1のコントロールユニットによる省動力制御の他の動作例を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、固定容量型圧縮機を用いた場合の臭いの発生過程を説明する特性線図であり、図8(b)は、可変容量型圧縮機を用いた場合の臭いの発生過程を説明する特性線図である。
【符号の説明】
2 空気流路
3 空調ケース
10 蒸発器
17 圧縮機
21 コントロールユニット
25 乾球温度センサ
26 湿球温度センサ
28 出口湿度センサ
29 電気抵抗センサ
30 静電容量センサ
31 感熱センサ
Claims (8)
- 空気流路が形成された空調ケースと、
圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、
前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う空調装置の省動力制御装置において、
前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、
この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、
前記露点温度演算手段によって演算された露点温度に基づき臭いが発生する閾値となる臨界蒸発温度を決定し、前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、蒸発温度を前記臨界蒸発温度よりも高い温度で所定時間継続させる運転と前記臨界蒸発温度よりも低い温度で所定時間継続させる運転とを交互に切り換える制御手段を具備することを特徴とする請求項1記載の空調装置の省動力制御装置。 - 空気流路が形成された空調ケースと、
圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、
前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う空調装置の省動力制御装置において、
前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、
この相関因子取得手段によって得られた因子に基づき、露点温度を演算する露点温度演算手段と、
前記可変容量型圧縮機による吐出容量の制御により、前記露点温度演算手段で演算された露点温度の近傍であり、且つ、前記露点温度よりも低い蒸発温度を維持する運転を継続させる制御手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の空調装置の省動力制御装置。 - 空気流路が形成された空調ケースと、
圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、
前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う空調装置の省動力制御装置において、
前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、
可変容量型圧縮機が吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記相関因子取得手段によって取得した因子が所定の閾値を越えた時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げる蒸発温度制御手段とを有することを特徴とする空調装置の省動力制御装置。 - 前記相関因子取得手段は、前記蒸発器を通過した空気の湿度を検出する湿度検出センサであり、
前記蒸発温度制御手段は、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記湿度検出センサで検出された湿度が所定の閾値を越えて低下した時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであることを特徴とする請求項3記載の空調装置の省動力制御装置。 - 前記相関因子取得手段は、前記蒸発器のフィン表面に装着され、このフィン表面の電気抵抗を検出する電気抵抗センサであり、
前記蒸発温度制御手段は、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記電気抵抗センサで検出された抵抗が所定の閾値を越えて増加した時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであることを特徴とする請求項3記載の空調装置の空調装置の省動力制御装置。 - 前記相関因子取得手段は、前記蒸発器のフィン表面に挿着され、このフィン表面の静電容量を検出する静電容量センサであり、
前記蒸発温度制御手段は、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を低減する運転を開始した後に、前記静電容量センサで検出された静電容量が所定の閾値を越えて増加した時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであることを特徴とする請求項3記載の空調装置の空調装置の省動力制御装置。 - 前記相関因子取得手段は、前記蒸発器の風路内部まで挿入されて該蒸発器の風路内部のフィン温度を検出する温度センサであり、前記蒸発温度制御手段は、前記フィン温度が所定の閾値を越えて増加した時点で前記可変容量型圧縮機の吐出容量を増大して蒸発温度を所定時間下げるものであることを特徴とする請求項3記載の空調装置の空調装置の省動力制御装置。
- 空気流路が形成された空調ケースと、
圧縮された冷媒の吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機と、
前記空調ケースの空気流路内に配設されて、前記可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を減圧装置を介して供給し、この供給された冷媒と前記空気流路を流れる空気とを熱交換する蒸発器とを有し、前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御して省動力制御を行う空調装置の省動力制御装置において、
前記蒸発器からの異臭の発生と相関する因子を取得する相関因子取得手段と、
前記相関因子取得手段によって取得した因子から湿度に無関係な代表特性を決定し、この代表特性に基づき前記可変容量型圧縮機の吐出容量を制御する制御手段とを有することを特徴とする空調装置の省動力制御装置。
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