JP2004166338A - 分電盤と分電盤の取付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで省スペースな分電盤及び分電盤の取付け方法を提供する。
【解決手段】あらかじめ、内壁下地材7の設置幅に盤下地4が納まるよう、盤下地4の幅を調整しておき、内壁下地材7を施工した後に、分電盤1を設置したい所望位置に対して盤下地4内を壁下地材7に固定手段を用いて締結する。次に、盤下地4の幅と同様になるように、扉下地8の幅を調整した後、盤下地4の上下の位置で、上下の扉下地8の設置間隔が、後に取り付ける扉ユニット53の高さに相当する間隔を確保するように、内壁下地材7に扉下地8を固定手段を用いて締結する。この後、内壁下地材7に対して内壁ボードを取り付け、クロス等の仕上げを施工して内壁を仕上げた後、分電盤1の設置位置を開口し、盤下地4にブレーカーユニット2を取り付け結線する。さらに、盤下地4の上下それぞれに配置された扉下地8に、扉ユニット53を固定手段を用いて締結する。
【選択図】 図1
【解決手段】あらかじめ、内壁下地材7の設置幅に盤下地4が納まるよう、盤下地4の幅を調整しておき、内壁下地材7を施工した後に、分電盤1を設置したい所望位置に対して盤下地4内を壁下地材7に固定手段を用いて締結する。次に、盤下地4の幅と同様になるように、扉下地8の幅を調整した後、盤下地4の上下の位置で、上下の扉下地8の設置間隔が、後に取り付ける扉ユニット53の高さに相当する間隔を確保するように、内壁下地材7に扉下地8を固定手段を用いて締結する。この後、内壁下地材7に対して内壁ボードを取り付け、クロス等の仕上げを施工して内壁を仕上げた後、分電盤1の設置位置を開口し、盤下地4にブレーカーユニット2を取り付け結線する。さらに、盤下地4の上下それぞれに配置された扉下地8に、扉ユニット53を固定手段を用いて締結する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般の間仕切り壁にも設置可能で、かつ改修後のEPS設置や増設を容易にする低コストで省スペースな分電盤および分電盤の取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気設備に係る施工性の向上や工費削減を目的として、電気設備用のスペースをユニット化する構成やユニットの施工方法が、例えば特許文献1に示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−90512号公報(第1図参照)
【0004】
具体例として、図4に、従来の隠蔽型分電盤の詳細を示す。符号51は隠蔽型分電盤、52はブレーカーユニット、54は木板、55は扉付き箱、56は内壁下地材を示している。従来より、隠蔽型分電盤51は、木板54に固定したブレーカーユニット52をスチールもしくは合成樹脂の扉付き箱55に納めて、該扉付き箱55を内壁下地材56に取り付けて建築物の内壁に納めるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、一般的に用いられているスチール製の扉付き箱55は、奥行きが最小でも130mm必要なため、隠蔽型分電盤51の設置には、最小でも130mm以上の壁厚が必要となる。さらに、該扉付き箱55の中に納めるブレーカーユニット52は木板54に固定されるが、該木板54は前記ブレーカーユニット52の荷重に耐えるべく、相応の部材厚が必要となるため、該扉付き箱55にはこれらを収容できる奥行きが必要となる。
【0006】
また、改修工事の際には該扉付き箱55の奥行きが深いため、一般の間仕切壁の奥行きには納まらないだけでなく、新たにEPSを設置する場合や、隠蔽式分電盤51を増設する場合は、建築物の内壁でこれらの設置場所を新たに確保することが困難である。
【0007】
一方で、一般に隠蔽式分電盤51では、ブレーカーユニット52を納める前記扉付き箱55がコスト高であり、該隠蔽式分電盤51に対する全体コストの50〜70%を要する。
【0008】
上記事情に鑑み、一般の間仕切り壁にも設置可能で、かつ改修後のEPS設置や増設を容易にする低コストで省スペースな分電盤、および分電盤の取付け方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の分電盤では、ブレーカーユニットと、内壁下地材に取付けられて前記ブレーカーユニットが固定される盤下地と、該盤下地の周囲に配置されて前記内壁下地材に取付けられる扉下地と、該扉下地に直接固定される扉ユニットと、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の分電盤では、ブレーカーユニットを固定する前記盤下地は、L字板を2枚組み合わせてコの字型を形成する2分割フレームで構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の分電盤の取付け方法では、内壁下地材を施工後、鉛直方向に立設する2本の該内壁下地材を連結するように盤下地を取り付るとともに、該盤下地の上下位置にそれぞれ前記内壁下地材を連結するように扉下地を取り付け、内壁ボードの施工および内壁仕上げを施した後に分電盤の設置位置を開口し、前記盤下地にブレーカーユニットを固定して結線して、前記扉下地に扉ユニットを取り付けることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係る分電盤の詳細を示す。符号1は分電盤、2はブレーカーユニット、3は扉ユニット、4は盤下地、7は内壁下地材を示す。図1から分かるように、分電盤1には従来用いられていたような前記扉付き箱55は存在せず、壁内面11と、内壁下地材7と、扉ユニット3により仮想の扉付き箱55が形成されている。
【0013】
本発明の分電盤1は、ブレーカーユニット2と、該ブレーカーユニット2が固定される盤下地4と、該盤下地4の上下に配置される扉下地8と、該扉下地8に直接固定される扉ユニット3と、を備えている。前記ブレーカーユニット2は、ブレーカー高さが小さく、家庭用分電盤として一般に使用されている安全ブレーカー、およびブレーカーフレームを適用している。
【0014】
該ブレーカーユニット2が固定される盤下地4には、薄い部材厚でも該ブレーカーユニット2を固定した際の荷重に耐えることのできるスチール部材を用いている。また、該盤下地4は、第1L字板5と第2L字板6を重ね合わせた2分割フレームで構成されており、第1L字板5は、第2面5bが内壁下地材7に接するとともに、固定手段を用いて締結されており、第1面5aの外面は、壁内面11に接する状態となっている。第2L字板6は、第2面6bが前記内壁下地材7に接するとともに、固定手段を用いて締結されており、前記第2L字板6の第1面6aは、前記第1L字板5の第1面5aの内面に重なるように接しながら、固定手段により締結されている。さらに、該第2L字板6の第1面6aの内側には、前記ブレーカーユニット2が固定手段により取り付けられている。
【0015】
前記盤下地4を構成する前記第2L字板6の第1面6aに設けられた固定手段締結用の孔は、横方向の長孔となっており、前記盤下地4の幅が微調整できるようになっている。また、前記盤下地4を構成する前記第1L字板5の第2面5b、および前記第2L字板6の第2面6bそれぞれに設けられた内壁下地材7への固定手段締結用の孔も、縦方向の長孔となっており、該内壁下地材7に対して前記盤下地4の位置を上下方向に微調整することが可能となっている。
【0016】
該盤下地4の上下に設けられた前記扉下地8についても、前記盤下地4と同様にL字板のスチール製部材を用いた2分割フレームを採用している。該扉下地8を構成する第1L字板9は、第2面9bが内壁下地材7に接しており、かつ固定手段を用いて締結されている。該第1L字板9の第1面9aは、その外面が扉ユニット3に接する状態であり、かつ該扉ユニット3を締結した際に、該扉ユニット3が、内壁に対してほぼ平面となるよう、該扉ユニット3の厚身分だけ内壁面より後退させた状態で、前記内壁下地材7に取付けられている。前記扉下地8を構成する第2L字板10は、第2面10bが内壁下地材7に接する状態で固定手段を用いて締結されており、第2L字板10の第1面10aは、その外面が前記第1L字板9の第1面9aの内面に重なるように接しており、かつ固定手段により締結されている。
【0017】
前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第1面9aに設けられた固定手段締結用の孔は、横方向の長孔となっており、前記扉下地8の幅が微調整できるようになっている。また、前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第2面9b、および前記第2L字板10の第2面10bそれぞれに設けられた前記内壁下地材7への固定手段締結用の孔も、縦方向の長孔となっており、前記内壁下地材7に対して前記扉下地8の位置を上下方向に微調整することが可能となっている。
【0018】
該扉下地8に取り付けられる前記扉ユニット53は、扉フレーム53aと扉53bより構成されるもので、現行で用いられているものと同様のものを採用している。なお、コストの縮減化を考慮して従来の扉フレーム53aを改良し、図2に示すような扉ユニット3を用いても良い。
【0019】
該扉ユニット3を構成する扉フレーム3aは、従来の前記扉フレーム53aの上下の縁を無くしたもので、1枚板の左右それぞれが長方体を形成するように折り込まれているとともに、中央部が開口されることで形成されたものである。このように製作された該扉ユニット3は、簡略な構成であるとともに、溶接箇所も少ないため製作が容易である。また、正面に溶接箇所が見えない等の工夫がなされている。
【0020】
次に、本発明の取付け方法を示す。あらかじめ、前記内壁下地材7の設置幅に前記盤下地4が納まるよう、該盤下地4を構成する前記第2L字板6の第1面6aに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて、該盤下地4の幅を調整しておく。内壁下地材7を施工した後に、前記分電盤1を設置したい所望位置に幅調整済みの前記盤下地4を構成する第1L字板5の第2面5b、および第2L字板の第2面6bを、それぞれ前記内壁下地材7に固定手段を用いて締結する。
【0021】
このとき、内壁下地材7に対する該壁下地4の高さ位置について、前記盤下地4を構成する前記第1L字板5の第2面5b、および前記第2L字板6の第2面6bそれぞれに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて微調整を行う。
【0022】
次に、該盤下地4の幅と同様になるように、前記扉下地8を構成する前記第2L字板10の第1面10aに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて前記扉下地の幅を調整した後、前記盤下地4の上下の位置で、上下の前記扉下地8の設置間隔が、後に取り付ける扉ユニット3の高さに相当する間隔を確保するように、前記内壁下地材7に前記扉下地8を固定手段を用いて締結する。
【0023】
このとき、該扉下地8は前記扉ユニット3を締結した際に、該扉ユニット3が、内壁より突出することなく平面となるよう、該扉ユニット3の厚身分だけ内壁面より後退させた状態で、前記内壁下地材7に取付けられている。また、内壁下地材7に対する該扉下地8の高さ位置について、前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第2面9b、および前記第2L字板10の第2面10bそれぞれに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて高さ位置の微調整を行う。
【0024】
これらを取り付けた後、前記内壁下地材7に対して図示しない内壁ボードを取り付けるとともに、同じく図示しないクロス等の仕上げを施工して内壁を仕上げる。その後、前記分電盤1を設置する前記盤下地4および前記扉下地8を設置した箇所の内壁を開口し、前記盤下地4に前記ブレーカーユニット2を取り付け結線する。さらに、前記盤下地4の上下それぞれに配置された前記扉下地8に、前記扉ユニット3を固定手段を用いて締結する。
【0025】
なお、前記分電盤1の扉3bは扉ユニット3だけでなく、天井点検口で用いられるようなウォールパネルを内壁用に改良して用いてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、従来の隠蔽型分電盤51に用いられていた扉付き箱55は扉ユニット3のみとなり、扉付き箱55自体にかかっていたコストを大幅に低減することが可能となる。さらに、前記扉ユニット3を構成する扉フレーム3aを1枚板より形成することにより、さらに材料費や該扉フレーム3aの製作費を一層低減でき、低コスト化を実現できる。
【0027】
また、前記分電盤1は、内壁内に前記盤下地4を介して直接ブレーカーユニット2を前記内壁下地材7に取り付けるため、奥行きを余計に取ることなく一般の間仕切壁内にも十分納まることから、省スペース化を図ることが可能となり、レンタブル比の向上を図ることができる。
【0028】
このように、該分電盤1は省スペース化が図られることから、場所を選ぶことなくどのスペースにも納まるため、テナントビル等においてブレーカー数が増加しても容易に増設が可能である。
【0029】
さらに、改装を行う際に、図3に示すような、分電盤1、分岐ケーブル12、弱電端子盤13、及び幹線ケーブル14等を収めたEPS15が適切な位置に見つからない場合においても、梁にかからない間仕切り壁を利用して分電盤1を設置することが可能となる。
【0030】
前記分電盤1は、ブレーカーユニット2と扉ユニット3が分離されているため、施主のニーズに合った扉ユニット3を建築工事として選定することができ、天井点検口で利用されるような安価なウォールパネルを内壁用に改良して用いることも可能である。
【0031】
また、前記ブレーカーユニット2として、家庭用分電盤で使用される安価な安全ブレーカーと、ブレーカーフレームをそのまま活用できるため、分電盤自体のコストを低減することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の分電盤によれば、ブレーカーユニットと、左右に位置する内壁下地材に固定されて前記ブレーカーユニットが固定される盤下地と、該盤下地の上下に配置されて左右の内壁下地材にそれぞれ固定される扉下地と、扉下地に直接固定される扉ユニットと、を備えることから、従来の扉付き箱が不要となりコスト低減に資するとともに、奥行きを余計に取ることなく一般の間仕切壁内にも十分納まることから、省スペース化を図ることが可能となり、レンタブル比の向上を図ることができる。また、場所を選ぶことなくどのスペースにも納まるため、テナントビル等においてブレーカー数が増加しても容易に増設が可能である。さらに、改装を行う際に適切なEPSが見つからない場合においても、梁にかからない間仕切り壁を利用することが可能となる。
【0033】
請求項2の分電盤によれば、ブレーカーユニットを固定する盤下地は、L字型の板を2枚組み合わせてコの字型を形成する2分割フレームとすることから、内壁下地材の設置位置に併せた盤下地の幅の調整や、内壁下地に対する上下位置の微調整が容易で施工性に優れている。
【0034】
請求項3の分電盤の取付け方法によれば、内壁下地材を施工後、鉛直方向に立設する2本の内壁下地材を連結するように盤下地を取り付るとともに、該盤下地の上下位置にそれぞれ前記内壁下地材を連結するように扉下地を取り付け、内壁ボードの施工および内壁仕上げを施して分電盤の設置位置を開口した後に、前記盤下地にブレーカーユニットを固定して結線して、前記扉下地に扉ユニットを取り付けることから、ブレーカーユニットと扉ユニットが分離されているため、施主のニーズに合った扉ユニットを建築工事として選定することができるとともに、天井点検口で利用されるような安価なウォールパネルを内壁用に改良して用いることも可能となるなど、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分電盤の詳細を示す。
【図2】本発明に係る1枚板を用いた扉の詳細を示す。
【図3】本発明に係るリニューアル時のEPS増設の場合の例を示す。
【図4】従来の隠蔽型分電盤の詳細を示す。
【符号の説明】
1 分電盤
2 ブレーカーユニット
3 扉ユニット
3a 扉フレーム
3b 扉
4 盤下地
5 第1L字板
5a 第1面
5b 第2面
6 第2L字板
6a 第1面
6b 第2面
7 内壁下地材
8 扉下地
9 第1L字板
9a 第1面
9b 第2面
10 第2L字板
10a 第1面
10b 第2面
11 壁内面
12 分岐ケーブル
13 弱電端子盤
14 幹線ケーブル
15 EPS
51 隠蔽型分電盤
52 ブレーカーユニット
53 扉ユニット
53a 扉フレーム
53b 扉
54 木板
55 扉付き箱
56 内壁下地材
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般の間仕切り壁にも設置可能で、かつ改修後のEPS設置や増設を容易にする低コストで省スペースな分電盤および分電盤の取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気設備に係る施工性の向上や工費削減を目的として、電気設備用のスペースをユニット化する構成やユニットの施工方法が、例えば特許文献1に示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−90512号公報(第1図参照)
【0004】
具体例として、図4に、従来の隠蔽型分電盤の詳細を示す。符号51は隠蔽型分電盤、52はブレーカーユニット、54は木板、55は扉付き箱、56は内壁下地材を示している。従来より、隠蔽型分電盤51は、木板54に固定したブレーカーユニット52をスチールもしくは合成樹脂の扉付き箱55に納めて、該扉付き箱55を内壁下地材56に取り付けて建築物の内壁に納めるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、一般的に用いられているスチール製の扉付き箱55は、奥行きが最小でも130mm必要なため、隠蔽型分電盤51の設置には、最小でも130mm以上の壁厚が必要となる。さらに、該扉付き箱55の中に納めるブレーカーユニット52は木板54に固定されるが、該木板54は前記ブレーカーユニット52の荷重に耐えるべく、相応の部材厚が必要となるため、該扉付き箱55にはこれらを収容できる奥行きが必要となる。
【0006】
また、改修工事の際には該扉付き箱55の奥行きが深いため、一般の間仕切壁の奥行きには納まらないだけでなく、新たにEPSを設置する場合や、隠蔽式分電盤51を増設する場合は、建築物の内壁でこれらの設置場所を新たに確保することが困難である。
【0007】
一方で、一般に隠蔽式分電盤51では、ブレーカーユニット52を納める前記扉付き箱55がコスト高であり、該隠蔽式分電盤51に対する全体コストの50〜70%を要する。
【0008】
上記事情に鑑み、一般の間仕切り壁にも設置可能で、かつ改修後のEPS設置や増設を容易にする低コストで省スペースな分電盤、および分電盤の取付け方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の分電盤では、ブレーカーユニットと、内壁下地材に取付けられて前記ブレーカーユニットが固定される盤下地と、該盤下地の周囲に配置されて前記内壁下地材に取付けられる扉下地と、該扉下地に直接固定される扉ユニットと、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の分電盤では、ブレーカーユニットを固定する前記盤下地は、L字板を2枚組み合わせてコの字型を形成する2分割フレームで構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の分電盤の取付け方法では、内壁下地材を施工後、鉛直方向に立設する2本の該内壁下地材を連結するように盤下地を取り付るとともに、該盤下地の上下位置にそれぞれ前記内壁下地材を連結するように扉下地を取り付け、内壁ボードの施工および内壁仕上げを施した後に分電盤の設置位置を開口し、前記盤下地にブレーカーユニットを固定して結線して、前記扉下地に扉ユニットを取り付けることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係る分電盤の詳細を示す。符号1は分電盤、2はブレーカーユニット、3は扉ユニット、4は盤下地、7は内壁下地材を示す。図1から分かるように、分電盤1には従来用いられていたような前記扉付き箱55は存在せず、壁内面11と、内壁下地材7と、扉ユニット3により仮想の扉付き箱55が形成されている。
【0013】
本発明の分電盤1は、ブレーカーユニット2と、該ブレーカーユニット2が固定される盤下地4と、該盤下地4の上下に配置される扉下地8と、該扉下地8に直接固定される扉ユニット3と、を備えている。前記ブレーカーユニット2は、ブレーカー高さが小さく、家庭用分電盤として一般に使用されている安全ブレーカー、およびブレーカーフレームを適用している。
【0014】
該ブレーカーユニット2が固定される盤下地4には、薄い部材厚でも該ブレーカーユニット2を固定した際の荷重に耐えることのできるスチール部材を用いている。また、該盤下地4は、第1L字板5と第2L字板6を重ね合わせた2分割フレームで構成されており、第1L字板5は、第2面5bが内壁下地材7に接するとともに、固定手段を用いて締結されており、第1面5aの外面は、壁内面11に接する状態となっている。第2L字板6は、第2面6bが前記内壁下地材7に接するとともに、固定手段を用いて締結されており、前記第2L字板6の第1面6aは、前記第1L字板5の第1面5aの内面に重なるように接しながら、固定手段により締結されている。さらに、該第2L字板6の第1面6aの内側には、前記ブレーカーユニット2が固定手段により取り付けられている。
【0015】
前記盤下地4を構成する前記第2L字板6の第1面6aに設けられた固定手段締結用の孔は、横方向の長孔となっており、前記盤下地4の幅が微調整できるようになっている。また、前記盤下地4を構成する前記第1L字板5の第2面5b、および前記第2L字板6の第2面6bそれぞれに設けられた内壁下地材7への固定手段締結用の孔も、縦方向の長孔となっており、該内壁下地材7に対して前記盤下地4の位置を上下方向に微調整することが可能となっている。
【0016】
該盤下地4の上下に設けられた前記扉下地8についても、前記盤下地4と同様にL字板のスチール製部材を用いた2分割フレームを採用している。該扉下地8を構成する第1L字板9は、第2面9bが内壁下地材7に接しており、かつ固定手段を用いて締結されている。該第1L字板9の第1面9aは、その外面が扉ユニット3に接する状態であり、かつ該扉ユニット3を締結した際に、該扉ユニット3が、内壁に対してほぼ平面となるよう、該扉ユニット3の厚身分だけ内壁面より後退させた状態で、前記内壁下地材7に取付けられている。前記扉下地8を構成する第2L字板10は、第2面10bが内壁下地材7に接する状態で固定手段を用いて締結されており、第2L字板10の第1面10aは、その外面が前記第1L字板9の第1面9aの内面に重なるように接しており、かつ固定手段により締結されている。
【0017】
前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第1面9aに設けられた固定手段締結用の孔は、横方向の長孔となっており、前記扉下地8の幅が微調整できるようになっている。また、前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第2面9b、および前記第2L字板10の第2面10bそれぞれに設けられた前記内壁下地材7への固定手段締結用の孔も、縦方向の長孔となっており、前記内壁下地材7に対して前記扉下地8の位置を上下方向に微調整することが可能となっている。
【0018】
該扉下地8に取り付けられる前記扉ユニット53は、扉フレーム53aと扉53bより構成されるもので、現行で用いられているものと同様のものを採用している。なお、コストの縮減化を考慮して従来の扉フレーム53aを改良し、図2に示すような扉ユニット3を用いても良い。
【0019】
該扉ユニット3を構成する扉フレーム3aは、従来の前記扉フレーム53aの上下の縁を無くしたもので、1枚板の左右それぞれが長方体を形成するように折り込まれているとともに、中央部が開口されることで形成されたものである。このように製作された該扉ユニット3は、簡略な構成であるとともに、溶接箇所も少ないため製作が容易である。また、正面に溶接箇所が見えない等の工夫がなされている。
【0020】
次に、本発明の取付け方法を示す。あらかじめ、前記内壁下地材7の設置幅に前記盤下地4が納まるよう、該盤下地4を構成する前記第2L字板6の第1面6aに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて、該盤下地4の幅を調整しておく。内壁下地材7を施工した後に、前記分電盤1を設置したい所望位置に幅調整済みの前記盤下地4を構成する第1L字板5の第2面5b、および第2L字板の第2面6bを、それぞれ前記内壁下地材7に固定手段を用いて締結する。
【0021】
このとき、内壁下地材7に対する該壁下地4の高さ位置について、前記盤下地4を構成する前記第1L字板5の第2面5b、および前記第2L字板6の第2面6bそれぞれに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて微調整を行う。
【0022】
次に、該盤下地4の幅と同様になるように、前記扉下地8を構成する前記第2L字板10の第1面10aに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて前記扉下地の幅を調整した後、前記盤下地4の上下の位置で、上下の前記扉下地8の設置間隔が、後に取り付ける扉ユニット3の高さに相当する間隔を確保するように、前記内壁下地材7に前記扉下地8を固定手段を用いて締結する。
【0023】
このとき、該扉下地8は前記扉ユニット3を締結した際に、該扉ユニット3が、内壁より突出することなく平面となるよう、該扉ユニット3の厚身分だけ内壁面より後退させた状態で、前記内壁下地材7に取付けられている。また、内壁下地材7に対する該扉下地8の高さ位置について、前記扉下地8を構成する前記第1L字板9の第2面9b、および前記第2L字板10の第2面10bそれぞれに設けられた固定手段締結用の長孔を用いて高さ位置の微調整を行う。
【0024】
これらを取り付けた後、前記内壁下地材7に対して図示しない内壁ボードを取り付けるとともに、同じく図示しないクロス等の仕上げを施工して内壁を仕上げる。その後、前記分電盤1を設置する前記盤下地4および前記扉下地8を設置した箇所の内壁を開口し、前記盤下地4に前記ブレーカーユニット2を取り付け結線する。さらに、前記盤下地4の上下それぞれに配置された前記扉下地8に、前記扉ユニット3を固定手段を用いて締結する。
【0025】
なお、前記分電盤1の扉3bは扉ユニット3だけでなく、天井点検口で用いられるようなウォールパネルを内壁用に改良して用いてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、従来の隠蔽型分電盤51に用いられていた扉付き箱55は扉ユニット3のみとなり、扉付き箱55自体にかかっていたコストを大幅に低減することが可能となる。さらに、前記扉ユニット3を構成する扉フレーム3aを1枚板より形成することにより、さらに材料費や該扉フレーム3aの製作費を一層低減でき、低コスト化を実現できる。
【0027】
また、前記分電盤1は、内壁内に前記盤下地4を介して直接ブレーカーユニット2を前記内壁下地材7に取り付けるため、奥行きを余計に取ることなく一般の間仕切壁内にも十分納まることから、省スペース化を図ることが可能となり、レンタブル比の向上を図ることができる。
【0028】
このように、該分電盤1は省スペース化が図られることから、場所を選ぶことなくどのスペースにも納まるため、テナントビル等においてブレーカー数が増加しても容易に増設が可能である。
【0029】
さらに、改装を行う際に、図3に示すような、分電盤1、分岐ケーブル12、弱電端子盤13、及び幹線ケーブル14等を収めたEPS15が適切な位置に見つからない場合においても、梁にかからない間仕切り壁を利用して分電盤1を設置することが可能となる。
【0030】
前記分電盤1は、ブレーカーユニット2と扉ユニット3が分離されているため、施主のニーズに合った扉ユニット3を建築工事として選定することができ、天井点検口で利用されるような安価なウォールパネルを内壁用に改良して用いることも可能である。
【0031】
また、前記ブレーカーユニット2として、家庭用分電盤で使用される安価な安全ブレーカーと、ブレーカーフレームをそのまま活用できるため、分電盤自体のコストを低減することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の分電盤によれば、ブレーカーユニットと、左右に位置する内壁下地材に固定されて前記ブレーカーユニットが固定される盤下地と、該盤下地の上下に配置されて左右の内壁下地材にそれぞれ固定される扉下地と、扉下地に直接固定される扉ユニットと、を備えることから、従来の扉付き箱が不要となりコスト低減に資するとともに、奥行きを余計に取ることなく一般の間仕切壁内にも十分納まることから、省スペース化を図ることが可能となり、レンタブル比の向上を図ることができる。また、場所を選ぶことなくどのスペースにも納まるため、テナントビル等においてブレーカー数が増加しても容易に増設が可能である。さらに、改装を行う際に適切なEPSが見つからない場合においても、梁にかからない間仕切り壁を利用することが可能となる。
【0033】
請求項2の分電盤によれば、ブレーカーユニットを固定する盤下地は、L字型の板を2枚組み合わせてコの字型を形成する2分割フレームとすることから、内壁下地材の設置位置に併せた盤下地の幅の調整や、内壁下地に対する上下位置の微調整が容易で施工性に優れている。
【0034】
請求項3の分電盤の取付け方法によれば、内壁下地材を施工後、鉛直方向に立設する2本の内壁下地材を連結するように盤下地を取り付るとともに、該盤下地の上下位置にそれぞれ前記内壁下地材を連結するように扉下地を取り付け、内壁ボードの施工および内壁仕上げを施して分電盤の設置位置を開口した後に、前記盤下地にブレーカーユニットを固定して結線して、前記扉下地に扉ユニットを取り付けることから、ブレーカーユニットと扉ユニットが分離されているため、施主のニーズに合った扉ユニットを建築工事として選定することができるとともに、天井点検口で利用されるような安価なウォールパネルを内壁用に改良して用いることも可能となるなど、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分電盤の詳細を示す。
【図2】本発明に係る1枚板を用いた扉の詳細を示す。
【図3】本発明に係るリニューアル時のEPS増設の場合の例を示す。
【図4】従来の隠蔽型分電盤の詳細を示す。
【符号の説明】
1 分電盤
2 ブレーカーユニット
3 扉ユニット
3a 扉フレーム
3b 扉
4 盤下地
5 第1L字板
5a 第1面
5b 第2面
6 第2L字板
6a 第1面
6b 第2面
7 内壁下地材
8 扉下地
9 第1L字板
9a 第1面
9b 第2面
10 第2L字板
10a 第1面
10b 第2面
11 壁内面
12 分岐ケーブル
13 弱電端子盤
14 幹線ケーブル
15 EPS
51 隠蔽型分電盤
52 ブレーカーユニット
53 扉ユニット
53a 扉フレーム
53b 扉
54 木板
55 扉付き箱
56 内壁下地材
Claims (3)
- ブレーカーユニットと、内壁下地材に取付けられて前記ブレーカーユニットが固定される盤下地と、該盤下地の周囲に配置されて前記内壁下地材に取付けられる扉下地と、該扉下地に直接固定される扉ユニットと、を備えることを特徴とする分電盤。
- 請求項1記載の分電盤であって、ブレーカーユニットを固定する前記盤下地は、L字板を2枚組み合わせてコの字型を形成する2分割フレームで構成されることを特徴とする分電盤。
- 内壁下地材を施工後、鉛直方向に立設する2本の該内壁下地材を連結するように盤下地を取り付るとともに、該盤下地の上下位置にそれぞれ前記内壁下地材を連結するように扉下地を取り付け、内壁ボードの施工および内壁仕上げを施した後に分電盤の設置位置を開口し、前記盤下地にブレーカーユニットを固定して結線して、前記扉下地に扉ユニットを取り付けることを特徴とする分電盤の取付け方法。
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2002
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