JP2004161585A - 電子部品焼成用治具 - Google Patents

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Hitoshi Kajino
仁 梶野
Kazutomo Hoshino
和友 星野
Yasuhisa Izutsu
靖久 井筒
Koji Horiuchi
幸士 堀内
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Abstract

【課題】粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニアの併用が望ましい電子焼成用治具において、ジルコニア表面層の耐摩耗性を向上させ、脱粒、亀裂、剥離等を防ぎ、焼成対象である電子部品の性能を損なうことなく、より良い効率で焼成を行える電子部品焼成用治具を提供する。
【解決手段】基材、及び該基材上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタ等の電子部品を焼成する際に用いる、セッター、棚板、匣鉢等の電子部品焼成用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
これらの電子部品焼成用治具として通常アルミナ系材料、アルミナームライト系材料、アルミナージルコニア系材料、アルミナーマグネシア系スピネル材料、アルミナームライトーコージェライト系材料、又はこれらの組み合わせによる材料が使用されている。電子部品焼成用治具として必要な性能は耐熱衝撃性や機械的強度の他に、焼成する電子部品と反応しないことが要求される。
【0003】
例えばアルミナームライト系材料は耐熱衝撃性に優れ、熱間強度が高く、熱スポーリング性が良好であるが、電子部品との反応が起こりやすい。誘電体等の電子部品が焼成治具と反応すると、融着したり電子部品の組成変動によって特性が低下するといった問題が起きるため、この反応を防止するために、基材表面をジルコニアでコーティングする方法が採用されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ジルコニアコーティング層においては、電子部品中に含まれているバインダー成分を焼成時に効率よく取り除くため、また、コーティング層自体の熱スポーリング性を向上させるため、気孔を多く含んだ構造とする技術が知られている。この気孔を多く形成する方法には、粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニアを使用することが採用されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−224172号公報
【特許文献2】
特開平3−177383号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ジルコニアを基材表面に被覆したものは、ジルコニアと該基材との熱膨張係数の差が大きいため繰り返し熱サイクルが生ずる使用環境下では治具の被覆に亀裂が生じたり、剥離するといった問題がある。また、治具は繰り返し使用されるため、表面のジルコニア層の耐摩耗性が低いとジルコニア層に含まれる粒子が脱落、電子部品に混入し著しい問題となる。更にジルコニアは1100℃近傍で単斜晶から正方晶への相変態が起こる。その結果、繰り返し熱サイクルによって、相変態に伴う体積変化がおこり、微亀裂が生じてジルコニア粒子が脱粒しやすく耐摩耗性が低下するといった問題点がある。
【0007】
本発明においては、粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニアの併用が望ましい電子焼成用治具において、ジルコニア表面層の耐摩耗性を向上させ、脱粒、亀裂、剥離等を防ぎ、焼成対象である電子部品の性能を損なうことなく、より良い効率で焼成を行える電子部品焼成用治具を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材、及び該基材上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具である。
【0009】
また、基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具である。
【0010】
また、ジルコニア表面層が80〜300メッシュの粗粒ジルコニア50〜75重量%と、平均粒径0.1〜10μmの微粒ジルコニア50〜25重量%とを、2種類以上の金属酸化物から成る焼結助剤により結合して、耐摩耗性を高めた請求項1又は請求項2記載の電子部品焼成用治具である。
【0011】
以下本発明を詳細に説明する。本発明に係わる電子部品焼成用治具の基材の材質は、従来と同様で良く、例えばアルミナ系材料、アルミナームライト系材料、アルミナージルコニア系材料、アルミナーマグネシア系スピネル材料、アルミナームライトーコージェライト系材料、又はこれらの組み合わせによる材料が使用される。
【0012】
この基材上に中間層を形成する場合、該中間層は1又は2種類以上の金属酸化物を高温焼成する事により得られる。この中間層を構成する金属酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化イットリウム(イットリア)、酸化カルシウム(カルシア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化ストロンチウム(ストロンチア)及びアルミナ・マグネシアスピネル複合酸化物があり、これらを単独で、又は2種類以上を選択して使用する。具体的には、アルミナと他の金属酸化物を組み合わせる事が望ましく、例えばアルミナースピネル酸化物やアルミナーカルシアーイットリアの組み合わせにより優れた特性を有する中間層が得られる。
【0013】
この中間層を構成する金属酸化物の粒径は特に限定されず、ランダムな粒径の金属酸化物で中間層を構成しても良いが、粗粒子と微粒子を混合して、例えば平均粒径30〜500μmの粗粒子と平均粒径0.1〜5μmの微粒子を混合して存在させると、気孔率の大きい粗粒子金属酸化物により中間層に空隙が形成され、ジルコニア表面層と中間層、及び中間層と基材間の熱膨張係数の差を吸収し緩和する事ができ、急熱及び急冷を繰り返す熱サイクル環境下で使用しても、比較的長期間剥離することなく使用できる。中間層の厚さは特に限定されないが、微粒子金属酸化物のみで形成する場合は50〜200μmの厚さが好ましい。
【0014】
次いでこの中間層を高温焼成し、固相焼結又は部分的に溶融させて中間層を形成する。その焼成温度は実際に電子部品を焼成するより高い温度にして本発明の電子部品焼成用治具が使用時に劣化しないようにする事が望ましい。通常の電子部品の焼成温度は1200〜1400℃であるので、中間層の焼成温度は1400〜1800℃とすることが好ましい。なお、中間層の焼成はジルコニア表面層を形成した後に該ジルコニア表面層の焼成と同時に行っても良く、それより焼成工程の回数を減らす事ができる。
【0015】
このように形成される中間層上に、又は前記基材上に直接ジルコニア表面層を形成する。このジルコニア表面層は、塗布―熱分解法、スプレー法、及びディップコート法等により形成できる。塗布―熱分解法は対応金属の硝酸塩等の金属塩水溶液を基材表面に塗布し熱分解により対応する金属酸化物に変換し、基材表面に被覆する方法である。
【0016】
スプレー法は、所定の粒径の金属酸化物粒子を溶媒に懸濁させてこの溶媒を基材表面に噴射しかつ溶媒を飛散させて金属酸化物を基材表面に被覆する方法である。またディップコート法は対応金属酸化物を溶解または懸濁させた溶液に基材を浸して金属酸化物を含有する液層を基材表面に形成し、かつ乾燥して溶液を除去して金属酸化物を形成する方法である。本発明のジルコニア表面層を形成する場合には、所定の粒径の金属酸化物粒子を直接噴霧するスプレー法によることが望ましい。
【0017】
ジルコニア表面層の材質として具体的には、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及び安定化ジルコニア等が使用できるが、該ジルコニア表面層は電子部品と直接接触するため、該電子部品に悪影響を与えるものであってはならず、従って、イットリア、カルシア、及びマグネシア等により部分安定化または安定化させたジルコニア又はそれらの混合物を使用することが望ましい。
【0018】
ジルコニアは室温では単斜晶系であり、温度の上昇とともに、単斜晶系→正方晶系→立方晶系の相変態が起こるが、ジルコニアにカルシアやイットリアやマグネシア等の安定化剤を固溶させることにより、高温相である正方晶や立方晶を室温で安定化できる。
【0019】
従来から電子部品、例えば積層チップコンデンサーを焼成する場合には数百度に加熱して添加されたバインダーを分解し脱バインダーする必要がある。この脱バインダーの際に電子部品焼成用治具の表面層の凹凸すなわち表面層中に含まれる気孔が分解されたバインダーに起因するガス等の表面層からの脱離に大きく関与している。つまり、この脱バインダーを円滑に進行させるためには生成するガスの抜けを良好にする事が望ましく、そのためにジルコニア表面層は、気孔を多く含んでいることが必要となる。
【0020】
このため、ジルコニア表面層は粗粒骨材(粗粒子ジルコニア)と微粒ボンド(微粒子ジルコニア)からなる構成が望ましい。このように粗粒骨材と微粒ボンドを共存させると、気孔率の大きい粗粒骨材によりジルコニア表面層内に空隙が形成され、ジルコニア表面層と中間層との熱膨張係数の差をより完全に吸収し緩和でき、更に気孔の存在により脱バインダーも良好に行われる。
【0021】
また、粗粒骨材と微粒ボンド相とは焼結助剤により結合されていることが望ましい。焼結助剤によって結合されている事により、ジルコニア表面層内に多くの気孔を形成したまま耐摩耗性の優れた表面層の形成が可能となる。
【0022】
本発明のこのジルコニア表面層は、80〜300メッシュ、特に100〜200メッシュの粗粒子ジルコニアと、平均粒径0.1〜10μm、特に1〜5μmの微粒子ジルコニアとを2種類以上の金属酸化物から成る焼結助剤により結合して形成されていることが望ましい。
【0023】
また、粗粒骨材と微粒ボンド相の比率は、前者が50〜75重量%、特に60〜70重量%、後者が50〜25重量%、特に40〜30重量%とすることが好ましい。75重量%を超える粗粒骨材、つまり微粒ボンド相が25重量%未満でジルコニア表面層を形成すると焼結性が悪く、脱粒が発生しやすくなり耐摩耗性が著しく損なわれる。また粗粒骨材が50重量%未満、つまり微粒ボンド相が50重量%を超えてジルコニア表面層を形成すると微粒ボンド相の焼結が進行しすぎて素材との熱膨張の差を吸収又は緩和できず、素材に反りが生じたり亀裂が発生しやすくなる。
【0024】
添加する焼結助剤は、酸化イットリウム(Y)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、及び酸化ストロンチウム(SrO)から選択される1種類以上、好ましくは2種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウム(Al)を含んで成るものである。酸化アルミニウム以外のこれらの金属酸化物は、焼成時に液相を介してジルコニア粒子と反応して、ジルコニアの一部をより安定化させる機能も有する。
【0025】
また酸化アルミニウムは基材あるいは中間層とジルコニア層とのマッチングを良好にする。焼結助剤の割合は、粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニア全量に対して0.5〜25重量%、好ましくは1〜10重量%であることが望ましい。添加量が0.5重量%未満であると添加効果が不十分になりやすく、耐摩耗性が著しく損なわれる。
【0026】
また、25重量%を超えると焼結助剤が基材に浸透したり、焼結助剤自体が独立してジルコニア層以外に溶融層を形成して密着性を低下させる恐れがある。これらの金属酸化物を有する焼結助剤は、焼成時に粗粒子ジルコニア同士または粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニアとを結合してジルコニア層の耐摩耗性を向上させる。このジルコニアを焼結させる観点から該焼結助剤は0.1〜10μm程度の微粒子を使用することが望ましい。
【0027】
本発明は、前述した通り脱バインダーを良好にし、ジルコニア表面層と中間層あるいは基材との熱膨張係数の差をより完全に吸収、緩和するためにジルコニア表面層に多くの気孔を含んだまま、ジルコニア表面層の耐摩耗性を向上させたことを特長とする電子部品焼成治具に関するものである。この耐摩耗性は10〜200(DS/mg)であることが望ましい。
【0028】
耐摩耗性が10(DS/mg)未満では、脱粒によりジルコニア粒子が電子部品に混入しやすくなる。耐摩耗性が200(DS/mg)を超えても特に問題は生じないが、この場合ジルコニア表面層に含まれる気孔の量を著しく少なくしなければならず、脱バインダー性が悪くなり、またジルコニア表面層と中間層あるいは基材との熱膨張率の差を吸収、緩和できず剥離が生じて問題となる。
【0029】
耐摩耗性試験方法はJIS‐H8503に規定されている。試験の種類としては、往復運動摩耗試験法によって耐摩耗性を評価する。JIS‐H8503の中には試験条件として、試験荷重1.5kgf、研磨紙の粒度#320〜600の条件を推奨している。しかしながら、このJIS‐H8503はめっき膜の耐摩耗性を想定しており、本発明の電子部品焼成用治具の耐摩耗性はめっき膜と比べて著しく劣っており、評価する条件としては厳しすぎる。そのため今回の試験条件は、推奨する試験条件よりも負荷の小さな試験荷重50gf、研磨紙の粒度#600としている。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の電子部品焼成用治具の製造に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
【0031】
(実施例1)
基材としてはシリカ成分が約10重量%までのアルミナ−ムライト基材を使用した。中間層としては、100メッシュのアルミナ粗粒骨材を70重量%および平均粒径約3μmのアルミナ微粉、カルシア微粉、イットリア微粉をそれぞれ27重量%、2重量%、1重量%準備した。これらをボールミル中で均一に混合し、水とバインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリーとした。このスラリーを前記基材表面にスプレーコートし、約100℃で乾燥した。得られた中間層の厚さは約100μmであった。
【0032】
ジルコニア表面層の粗粒骨材として100メッシュのイットリア(Y)安定化ジルコニア骨材を60重量%、微粒ボンド相として平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末を40重量%準備した。また焼結助剤として、イットリア20モル%、アルミナ22モル%、及びカルシア58モル%から成る酸化物混合物を全量に対して3重量%準備した。
【0033】
これらをボールミル中で均一に混合し、水とバインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリーとした。このスラリーを前記中間層表面にスプレーコートし、約100℃で乾燥した。ジルコニア表面層の厚さは約100μmであった。この2層コート積層体を1450℃で2時間保持し、電子部品焼成用治具を作製した。
【0034】
こうして作製した電子部品焼成用治具を前記JIS‐H8503の往復運動摩耗試験法によって耐摩耗性を評価した。試験条件は、試験荷重50gf、研磨紙の粒度#600で行った。その結果、耐摩耗性は43(DS/mg)であった。ついで、この電子部品焼成用治具を1300℃までの急熱、および室温までの急冷を繰り返した(50サイクル)後、ジルコニア表面層の亀裂及び剥離の有無を調べた。またジルコニア表面層を手でこすり、ジルコニア粒子の脱粒の様子を調べた。その結果、亀裂及び剥離は生じておらず、脱粒もなかった。
【0035】
また、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液を添加したチタン酸バリウム誘電体をφ10mm、厚み2mmのペレット状に成型し、この電子部品焼成用治具の上に乗せ、1300℃で1時間保持し冷却後、ジルコニア表面層および誘電体を観察し脱バインダーの様子を調べた。その結果、脱バインダーは良好になされていた。これらの結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004161585
【0037】
(実施例2)
ジルコニア表面層の焼結助剤を5重量%とした事と中間層をなくした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は51(DS/mg)であった。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じておらず、脱粒もなかった。また脱バインダーは良好になされていた。その結果を表1に示す。
【0038】
(実施例3)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を100メッシュのイットリア安定化ジルコニア70重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmの未安定化ジルコニア粉末30重量%とし、焼結助剤を20重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
【0039】
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は72(DS/mg)であった。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じておらず、脱粒もなかった。また脱バインダーは良好になされていた。その結果を表1に示す。
【0040】
(実施例4)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を100メッシュのイットリア安定化ジルコニア70重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末30重量%とし、焼結助剤のモル%をアルミナ25モル%、カルシア30モル%、及びストロンチア45モル%から成る酸化物混合物10重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
【0041】
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は30(DS/mg)であった。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じておらず、脱粒もなかった。また脱バインダーは良好になされていた。その結果を表1に示す。
【0042】
(比較例1)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を100メッシュのイットリア安定化ジルコニア70重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末30重量%とし、焼結助剤を使用しない事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
【0043】
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は2(DS/mg)であり、著しく耐摩耗性が劣っていた。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じていなかったが、脱粒が多く観察された。脱バインダーは良好になされていたが、耐摩耗性が劣っているので脱粒が著しく電子部品焼成用治具としては不適である。その結果を表1に示す。
【0044】
(比較例2)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を100メッシュのイットリア安定化ジルコニア70重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末30重量%とし、焼結助剤を0.3重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
【0045】
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は4(DS/mg)であり、著しく耐摩耗性が劣っていた。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じていなかったが、脱粒が多く観察された。脱バインダーは良好になされていたが、耐摩耗性が劣っているので脱粒が著しく電子部品焼成用治具としては不適である。その結果を表1に示す。
【0046】
(比較例3)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を60メッシュのイットリア安定化ジルコニア90重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmの未安定化ジルコニア粉末10重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は8(DS/mg)であり、著しく耐摩耗性が劣っていた。熱サイクルに伴う亀裂及び剥離は生じていなかったが、脱粒が多く観察された。脱バインダーは良好になされていたが、耐摩耗性が劣っているので脱粒が著しく電子部品焼成用治具としては不適である。その結果を表1に示す。
【0047】
(比較例4)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を100メッシュのイットリア安定化ジルコニア40重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末60重量%とし、焼結助剤を30重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。
【0048】
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、耐摩耗性は210(DS/mg)であった。熱サイクルの結果、脱粒は見られなかったが、ジルコニア表面層に剥離が見られた。また脱バインダーが悪く焼きムラが観察された。熱サイクルに伴う剥離と脱バインダー性が劣っているので電子部品焼成用治具としては不適である。その結果を表1に示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具(請求項2)である。
本発明に関わる電子部品焼成用治具では、ジルコニア表面層に多くの気孔を含んだまま耐摩耗性を向上させているので、電子部品焼成時の脱バインダーが良好に行われ、かつジルコニア粒子が脱粒して電子部品に混入することがなく焼成が可能である。また、中間層を設けず基材表面に直接ジルコニア表面層を形成してもほぼ同等の効果が得られる(請求項1)。

Claims (3)

  1. 基材、及び該基材上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具。
  2. 基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10〜200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具。
  3. ジルコニア表面層が80〜300メッシュの粗粒ジルコニア50〜75重量%と、平均粒径0.1〜10μmの微粒ジルコニア50〜25重量%とを、2種類以上の金属酸化物から成る焼結助剤により結合して、耐摩耗性を高めた請求項1又は請求項2記載の電子部品焼成用治具。
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