JP2004115332A - 電子部品焼成用治具 - Google Patents

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Hitoshi Kajino
梶野 仁
Kazutomo Hoshino
星野 和友
Yasuhisa Izutsu
井筒 靖久
Koji Horiuchi
堀内 幸士
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Abstract

【課題】ジルコニア表面層の表面粗さが適度なレベルに維持されているため、電子部品焼成時のバインダーから発生するガスの抜けを良好にし、かつジルコニア表面層と電子部品間の反応を抑制して効率よく電子部品の焼成を実施できる。
【解決手段】基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、ジルコニア表面層の表面粗さにおいて算術平均粗さRaが5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3であることを特徴とする電子部品焼成用治具である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタ等の電子部品を焼成する際に用いる、セッター、棚板、匣鉢等の電子部品焼成用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品焼成用治具として必要な性能は耐熱性や機械的強度の他に、焼成するセラミック電子部品と反応しないことが要求される。誘電体等の電子部品ワークが焼成用治具と接触し反応すると、融着したり、ワークの組成変動によって特性低下が生ずる等の問題点がある。これらの問題点を解決するために、粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアにより表面層を形成する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、コーティング表面層の算術平均粗さRaを特定する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−13710号公報
【特許文献2】
特開2002−60277号公報
【0004】
通常これらの電子部品焼成用治具の基材として、アルミナ系材料、アルミナームライト系材料、アルミナージルコニア系材料、アルミナーマグネシア系スピネル材料、アルミナームライトーコージェライト系材料、又はこれらの組み合わせによる材料が使用されている。
【0005】
例えばアルミナームライト系材料は熱間強度が高く熱スポーリング性は良好であるが、電子部品ワークとの反応が起こりやすく、この反応を防止するために、基材表面にジルコニア(酸化ジルコニウム)を被覆する方法が採用されている。ジルコニアは基材との反応性は低いが、該基材との熱膨張係数の差が大きいため繰り返し熱サイクルが生ずる使用環境下では治具の被覆に亀裂が生じたり、剥離するといった問題がある。また治具を繰り返し使用する場合、表面のジルコニア層に含まれる粒子が脱落する耐脱粒性や耐摩耗性が低いと、電子部品に微粒子が混入し著しい問題となる。
【0006】
更にジルコニアは略1100℃近傍で単斜晶から正方晶への相変化が起こる。その結果繰り返し熱サイクルによる相変態に伴う熱膨張係数の変化により、ジルコニアの被覆層が脱離し易いという問題点がある。なお未安定化ジルコニアを使用する場合には、相変態に伴う粉化が生じやすく耐脱粒性が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来からジルコニア表面層のこれらの問題点を解決するために、粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアにより表面層を形成する手法が提案されている(例えば特公平8−13710号公報)。この手法は粗粒ジルコニアを使用することにより、気孔が多く形成されて基材や中間層と表面層との間の熱膨張係数の差を緩和又は吸収して亀裂の発生やジルコニア表面層の剥離が防止できる。そして微粒ジルコニアを使用するとジルコニア表面層の焼結性が上昇して機械的強度が良好になる。この粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアにより表面層を形成する手法は、高性能の電子部品焼成用治具を製造するための優れた手法であるが、焼成対象である電子部品の保護及び焼成の効率化という面からは必ずしも満足できる方法とは言えない。
【0008】
また、誘電体等の電子部品ワークが焼成用治具と接触する際に、反応・融着するという問題点を解決するために、コーティング表面層の算術平均粗さRaを特定する手法が提案されている(例えば特開2002−60277)。しかしながら、当該手法では算術平均粗さRaは凹凸の程度のみを表しており、コーティング表面層の算術平均粗さRaを特定するだけでは電子部品焼成用治具として良好な性質を提供することができない。
【0009】
本発明は、粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアの併用が望ましい電子部品焼成用治具において焼成対象である電子部品の性能を損なうことなく、より良い効率で焼成を行える電子部品焼成用治具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、ジルコニア表面層の表面粗さが算術平均粗さRaで5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3であることを特長とする電子部品焼成用治具である。ジルコニア表面層の尖鋭度(とがり)を特定する事で、ジルコニア表面層の表面形状を特定する事ができる。ジルコニア表面層は50〜75重量%の80〜300メッシュの粗粒骨材と、50〜25重量%の平均粒径0.1〜10μmの微粒ボンド相を含んでなる事が望ましい。また、本発明では中間層を設けず、基材上に直接ジルコニア表面層を形成しても良い。
【0011】
以下本発明を詳細に説明する。従来から電子部品、例えば積層チップコンデンサーを焼成する場合には数百℃に加熱して添加されたバインダーを分解し脱バインダーする必要がある。そして本発明者らの検討により、この脱バインダーの際に電子部品焼成用治具の表面層の状態が分解したバインダーに起因するガス等の表面層からの脱離に大きく関与することが見出された。つまりこの脱バインダーを円滑に進行させるためには生成するガスの抜けを良好にすることが望ましく、そのためにはジルコニア表面層の表面を適度な粗さに維持することが必要になる。
【0012】
更に電子部品を1000℃を超える高温で焼成する場合に、ジルコニア表面層に接触して置かれる電子部品とジルコニア表面層が密着し過ぎると、両者間で望ましくない反応が生じてしまう。本発明者等はこの反応発生の抑制を検討し、該反応発生の抑制は、ジルコニア表面層の表面を適度な粗さ、かつ適度な形状に維持することにより達成できることを見出した。
【0013】
従って,本発明は、所望割合の粗粒ジルコニア及び微粒ジルコニア等で構成したジルコニア表面層の表面粗さ(凹凸の程度)を特定し、かつ表面の凹凸の形状を特定することで、より効率良く電子部品の焼成を実施できる電子部品焼成用治具を実現するものである。
【0014】
本発明に係わる電子部品焼成用治具の基材の材質は、従来と同様で良く、例えばアルミナ系材料、アルミナームライト系材料、アルミナージルコニア系材料、アルミナーマグネシア系スピネル材料、アルミナームライトーコージェライト系材料、又はこれらの組み合わせによる材料が使用されている
【0015】
この基材上に中間層を形成する場合,該中間層は1又は2以上の金属酸化物を高温焼成することにより得られる。この中間層を構成する金属酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ、Al2O3)、酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO2)、酸化イットリウム(イットリア、Y2O3)、酸化カルシウム(カルシア、CaO)、酸化マグネシウム(マグネシア、MgO)、酸化ストロンチウム(ストロンチア、SrO)及びアルミナ・マグネシアスピネル複合酸化物(Al2O3・MgO、以下「スピネル酸化物」ともいう)があり、これらを単独で,又は2種類以上を選択して使用する。具体的には、アルミナと他の金属酸化物を組み合わせることが望ましく、例えばアルミナ−スピネル酸化物やアルミナ−カルシア−イットリアの組み合わせにより優れた特性を有する中間層が得られる。
【0016】
この中間層を構成する金属酸化物の粒径は特に限定されずランダムな粒径の金属酸化で中間層を構成しても良いが、粗粒子と微粒子を混合して、例えば平均粒径30〜500μmの粗粒子と平均粒径0.1〜5μmの微粒子を混合して存在させると、気孔率の大きい粗粒子金属酸化物により中間層に空隙が形成され、ジルコニア表面層と中間層間、及び中間層と基材間の熱膨張係数の差を吸収し緩和することができ、急熱及び急冷を繰り返す熱サイクル環境下で使用しても、比較的長期間剥離することなく使用できる。
【0017】
中間層の厚さは特に限定されないが、微粒子金属酸化物のみで形成する場合は50〜200μmの厚さが好ましい。次いでこの中間層を高温焼成し、固相焼結又は部分的に溶融させて中間層を形成する。その焼成温度は実際に電子部品を焼成するより高い温度にして本発明の電子部品焼成用治具が使用時に劣化しないようにすることが望ましい。通常の電子部品の焼成温度は1200〜1400℃であるので、中間層の焼成温度は1400〜1800℃とすることが好ましい。なお中間層の焼成はジルコニア表面層を形成した後に該ジルコニア表面層の焼成と同時に行っても良く、それより焼成工程の回数を減らすことができる。
【0018】
このように形成される中間層上に、又は前記基材上に直接ジルコニア表面層を形成する。このジルコニア表面層は、塗布−熱分解法、スプレー法,及びディップコート法等により形成できる。塗布−熱分解法は対応金属の硝酸塩等の金属塩水溶液を基材表面に塗布し熱分解により対応する金属酸化物に変換し基材表面に被覆する方法である。スプレー法は、所定の粒径の金属酸化物粒子を溶媒に懸濁させてこの溶媒を基材表面に噴射しかつ溶媒を飛散させて金属酸化物を基材表面に被覆する方法である。又ディップコート法は対応金属酸化物を溶解又は懸濁させた溶液に基材を浸して金属酸化物を含有する液層を基材表面に形成しかつ乾燥して溶液を除去して金属酸化物層を形成する方法である。塗布−熱分解法及びディップコート法は生成する金属酸化物粒子の粒径を調節しにくい。所望の粒径分布の金属酸化物を含んで成ることが好ましい、本発明のジルコニア表面層を形成する場合には、所定の粒径の金属酸化物粒子を直接噴霧するスプレー法によることが望ましい。
【0019】
このジルコニア表面層は、80〜300メッシュ、特に100〜200メッシュの粗粒骨材(粗粒子ジルコニア)と、平均粒径0.1〜10μm、特に1〜5μmの微粒ボンド相(微粒子ジルコニア)を含んでなることが望ましい。このように粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニアを共存させると、気孔率の大きい粗粒子ジルコニアによりジルコニア表面層内に空隙が形成され、ジルコニア表面層と中間層との熱膨張係数の差をより完全に吸収し緩和でき、更に微粒子ジルコニアにより緻密で焼結性に優れた表面層が形成できる。ジルコニア表面層の材質として具体的には、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及び安定化ジルコニア等が使用できるが、該ジルコニア表面層は電子部品と直接接触するため、該電子部品に悪影響を与えるものであってはならず、従ってイットリア、カルシア、及びマグネシア等により部分安定化または安定化させたジルコニア又はそれらの混合物を使用することが望ましい。ジルコニアは室温では単斜晶系であり、温度の上昇とともに、単斜晶系→(〜1170℃)→正方晶系→(〜1170℃)→立方晶系の相変態が起こるが、ジルコニアにイットリアやマグネシア等の部分溶融結合材(安定化剤)を固溶させることにより、高温相である正方晶や立方晶を室温で「安定化」できる。
【0020】
本発明のジルコニア表面層は粗粒骨材と微粒ボンド相とから成っていても、他の成分を含んでいても良いが、粗粒骨材と微粒ボンド相のみから成る場合は、前者が50〜75重量%、特に60〜70重量%、後者が50〜25重量%、特に40〜30重量%とすることが好ましい。75重量%を超える粗粒骨材でジルコニア表面層を形成すると焼結性が悪く、ぼろつきが発生しやすくなる。又粗粒骨材が50重量%未満、つまり微粒ボンド相が50重量%を超えると微粒ボンド相の焼結が進行し過ぎて素材との熱膨張の差を吸収又は緩和できず、素材に反りが生じたり、表面に亀裂が発生しやすくなる。
【0021】
本発明では、前述した通り電子部品焼成時のバインダーから発生するガスの抜けを良好にしたり、ジルコニア表面層と電子部品間の反応を防止したりするために、このような材質から形成されるジルコニア表面層の粗さ(凹凸の程度)を表面粗さが算術平均粗さRaで5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3としている。この算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、最大高さRyはJISB0601−1994に規程されている。
【0022】
ここで、尖鋭度(とがり)について説明する。尖鋭度(とがり)とは、粗さ曲線の平均値への集まりの程度を示す値で、以下の式により規程される。
【0023】
【数1】
Figure 2004115332
【0024】
ここでのRkuは尖鋭度(とがり)、Rqは二乗平均粗さで、ISO4287−1984に規程されている。nは測定点の数で、Yiはi番目の測定点から平均線までの偏差をあらわしている。この尖鋭度(とがり)の値によって、山や谷の先端の鋭さを判断する事が可能である。
【0025】
尖鋭度(とがり)が2未満であると、電子部品の焼成により生成するガスが抜け難くなり、更にジルコニア表面層と電子部品との接触面積が増大して両者間に反応が生じ易くなる。また、均一に加熱されないため焼きムラが生じ易くなる。また、尖鋭度(とがり)が3をこえると、摩耗に弱くなり、ジルコニア表面層のぼろつきが生じ易く、十分な強度を有するジルコニア表面層が得難くなる。
【0026】
これらの表面粗さは、ジルコニア表面層自体を構成する粒子の粒径、粒度分布、組成などを調整して所望のものを得る。また、スプレーコートに使用するスラリーの水分量や粘度、スプレーコートする際の基材の温度などを調整してもよい。また、中間層を設ける場合は、中間層表面が所望の表面粗さになるように調整し、その中間層表面にほぼ整合するようにジルコニア表面層を被覆形成するようにしても良く、これは中間層を粗粒骨材と微粒ボンド相とで構成し、該粗粒骨材の粗さがジルコニア表面層を構成する粗粒骨材の粗さ以上とすることで達成できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の電子部品焼成用治具の製造に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
【0028】
(実施例1)
基材として、シリカ成分が約10重量%までのアルミナ−ムライト基材を使用した。中間層としては、100メッシュのアルミナ粗粒骨材を70重量%および平均粒径約3μmのアルミナ微粉を30重量%を準備した。これらをボールミル中で均一に混合し、水とバインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリーとした。このスラリーを前記基材表面にスプレーコートし、約100℃で乾燥した。得られた中間層の厚さは約100μmであった。
【0029】
ジルコニア表面層の粗粒骨材として100メッシュのイットリア(Y2O3)安定化ジルコニア骨材を70重量%、微粒ボンド相として平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末を30重量%準備した。これらをボールミル中で均一に混合し、水とバインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリーとした。このスラリーを前記中間層表面にスプレーコートし、約100℃で乾燥した。ジルコニア表面層の厚さは約100μmであった。この2層コート積層体を1450℃で2時間保持し、電子部品焼成用治具を作製した。
【0030】
この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは18.8μm、Rzは73.5μm、Ryは104.3μm、Rkuは2.7であった。
ついで、この電子部品焼成用治具を1300℃までの急熱、および室温までの急冷を繰り返した(50サイクル)後にジルコニア表面層を手でこすり、ぼろつきの有無を調べた。また、ジルコニア表面層の亀裂の有無を調べた。その結果ぼろつき及び亀裂は生じなかった。また、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液を添加したチタン酸バリウム誘電体をφ10mm、厚み2mmのペレット状に成型し、この電子部品焼成用治具の上に乗せ、1300℃で1時間保持し冷却後、ジルコニア表面層および誘電体の反応の有無、誘電体の焼きムラの有無を調べた。その結果、反応は無く、焼きムラも生じなかった。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004115332
【0032】
(実施例2)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を200メッシュのイットリア安定化ジルコニア骨材60重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmの未安定化ジルコニア粉末40重量%、中間層を平均粒径3μmのアルミナ100重量%の微粉ボンド相のみとした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは12.2μm、Rzは51.2μm、Ryは80.6μm、Rkuは2.5であった。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、ぼろつき及び亀裂、反応、焼きムラは生じなかった。その結果を表1に示す。
【0033】
(実施例3)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を200メッシュのイットリア安定化ジルコニア骨材50重量%、微粒ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末50重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは8.1μm、Rzは43.4μm、Ryは68.8μm、Rkuは2.3であった。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、ぼろつき及び亀裂、反応、焼きムラは生じなかった。その結果を表1に示す。
【0034】
(実施例4)
中間層を設けなかった事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは14.5μm、Rzは66.7μm、Ryは92.5μm、Rkuは2.6であった。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、ぼろつき及び亀裂、反応、焼きムラは生じなかった。その結果を表1に示す。
【0035】
(比較例1)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を200メッシュのイットリア安定化ジルコニア骨材40重量%、微粉ボンド相を平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末60重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは6.2μm、Rzは40.4μm、Ryは62.3μm、Rkuは1.9であった。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、表面に亀裂が観察され、さらに焼きムラがみられた。その結果を表1に示す。
【0036】
(比較例2)
ジルコニア表面層の粗粒骨材を60メッシュのイットリア安定化ジルコニア骨材90重量%、微粉ボンド相を平均粒径5μmの未安定化ジルコニア粉末10重量%とした事以外は実施例1と同様にして電子部品焼成用治具を作製した。この電子部品焼成用治具の表面粗さを表面粗さ計で測定した所、Raは44.5μm、Rzは133.2μm、Ryは211.3μm、Rkuは3.2であった。
さらに実施例1と同様にしてテストを行った結果、ぼろつきが多く観察された。その結果を表1に示す。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、ジルコニア表面層の表面粗さにおいて算術平均粗さRaが5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3であることを特長とする電子部品焼成用治具(請求項2)である。
【0038】
本発明に係わる電子部品焼成用治具では、ジルコニア表面層の表面粗さが適度なレベルに維持されているため、電子部品焼成時のバインダーから発生するガスの抜けを良好にし、かつジルコニア表面層と電子部品間の反応を抑制して効率よく電子部品の焼成を実施できる。
また、中間層を設けず基材表面に直接ジルコニア表面層を形成してもほぼ同等の効果が得られる(請求項1)。

Claims (3)

  1. 基材、及び該基材上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、ジルコニア表面層の表面粗さが算術平均粗さRaで5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3であることを特徴とする電子部品焼成用治具。
  2. 基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、ジルコニア表面層の表面粗さが算術平均粗さRaで5〜40μmであり、あるいは十点平均粗さRzが30〜130μmであり、あるいは最大高さRyが40〜200μmであるものの中で、尖鋭度(とがり)Rkuが2〜3であることを特徴とする電子部品焼成用治具。
  3. ジルコニア表面層が50〜75重量%の80〜300メッシュの粗粒骨材と、50〜25重量%の平均粒径0.1〜10μmの微粒ボンド相を含んでなる請求項1又は請求項2記載の電子部品焼成用治具。
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