JP2003073183A - 電子部品焼成用材料 - Google Patents

電子部品焼成用材料

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JP2003073183A
JP2003073183A JP2001340518A JP2001340518A JP2003073183A JP 2003073183 A JP2003073183 A JP 2003073183A JP 2001340518 A JP2001340518 A JP 2001340518A JP 2001340518 A JP2001340518 A JP 2001340518A JP 2003073183 A JP2003073183 A JP 2003073183A
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Yasuhisa Izutsu
靖久 井筒
Tomihiro Uchida
富大 内田
Kazutomo Hoshino
和友 星野
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材表面にジルコニア層を被覆して成る従来
の電子部品焼成用材料のジルコニア層の剥離やジルコニ
ア層の強度不足を解消し経済的に製造できる前記電子部
品焼成用材料を提供する。 【解決手段】 平均粒径30〜500μmの粗粒ジルコニア
と平均粒径0.1〜10μmの微粒ジルコニアを、2種類以
上の金属酸化物から成る部分溶融結合材により結合して
形成したジルコニア層を煉瓦質基材又は磁器質基材上に
被覆した電子部品焼成用材料において、粗粒ジルコニア
と、微粒ジルコニア及び部分溶融結合材との重量比が7
5:25から25:75であり、部分溶融結合材の、粗粒ジル
コニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材に対する重量
比が0.5重量%以上3重量%未満とする。粗粒ジルコニ
ア同士又は粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアを酸化イッ
トリウムや酸化アルミニウムから成る部分溶融結合材を
用いて焼成すると、ジルコニア層の結合強度や基材との
密着性を上昇させて、高性能の電子部品焼成用材料が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗粒ジルコニアと
微粒ジルコニアを部分溶融結合材で結合して構成したジ
ルコニア層を有する電子部品焼成用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体、積層コンデンサ、セラミックコ
ンデンサ、圧電素子、サーミスタ、バリスタ等の電子部
品を焼成する際に用いる電子部品焼成用材料として、セ
ッター、棚板、匣鉢、吊棒等がある。これらの電子部品
焼成用材料として必要な性能は耐熱性や機械的強度の他
に、焼成するセラミック電子部品と反応しないことが要
求される。誘電体等の電子部品ワークが焼成用治具と接
触し反応すると、融着したり、ワークの組成変動によっ
て特性低下が生ずる等の問題点がある。通常はこれらの
電子部品焼成用材料の基材として、アルミナ系材料、ア
ルミナ−ムライト系材料、アルミナ−マグネシア系スピ
ネル材料、アルミナ−ムライト−コージェライト系材
料、又はこれらの組合せによる煉瓦質材料又は磁器質材
料が使用される。
【0003】又ワークとの反応を防止するために、表面
層にジルコニア(酸化ジルコニウム、ZrO2)を被覆
する方法が採用されている。ジルコニアは基材との反応
性は少ないが、基材との熱膨張係数の差が大きいため、
繰り返し熱サイクルが生ずる使用環境下では治具のコー
ティングに亀裂が生じたり剥離したりするといった問題
がある。更にジルコニアは〜1100℃近傍で単斜晶から正
方晶への相変化が起こる。その結果、繰り返し熱サイク
ルによる相変態に伴う熱膨張係数の変化によりジルコニ
アのコーティング層が脱離しやすいという問題点があ
る。又未安定化ジルコニアを使用する場合には、相変態
に伴う粉化が生ずることが問題点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの電子部品焼成
用材料の基材表面にジルコニア層(又はジルコニア膜)
を形成する方法として、塗布法やスプレー法等がある。
この場合、極めて粒径の小さい微粒子から成るジルコニ
ア層を被覆すると、繰り返し熱サイクルが電子部品焼成
用材料に対して負荷される使用環境では、基材とジルコ
ニア層間の熱膨張係数の差を緩和又は吸収できず、ジル
コニア層が基材から剥離する場合がある。又比較的粒子
の粗い粗粒を用いてジルコニア層を形成する場合は、ジ
ルコニア膜の緻密化が起こらず、又気孔が多く形成され
て基材との熱膨張差を緩和する方向に作用する。しかし
ジルコニア膜と基材と密着性が悪く、膜の燒結性も低下
して剥離の原因となることがある。従って本発明は、繰
り返し熱サイクルに対する耐性を有し剥離や粉化を実質
的に生ずることのないジルコニア層を含む電子部品焼成
用材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径30〜
500μmの粗粒ジルコニアと平均粒径0.1〜10μmの微粒
ジルコニアを、2種類以上の金属酸化物から成る部分溶
融結合材により結合して形成したジルコニア層を煉瓦質
基材又は磁器質基材上に被覆した電子部品焼成用材料で
あって、粗粒ジルコニアと、微粒ジルコニア及び部分溶
融結合材との重量比が75:25から25:75であり、部分溶
融結合材の、粗粒ジルコニア+微粒ジルコニア+部分溶
融結合材に対する重量比が0.5重量%以上3重量%未満
であることを特徴とする電子部品焼成用材料である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明は、
平均粒径が30〜500μmの粗粒ジルコニアを少なくとも
使用して電子部品焼成用材料を構成する際に微粒子状の
部分溶融結合材を使用することにより粗粒ジルコニアの
欠点、つまり剥離や燒結性の低下を防止する。粗粒ジル
コニアを使用するとジルコニア層の緻密化が十分に進行
せず気孔が多く形成されるため、基材との熱膨張差が緩
和又は吸収される。更に微粒子状の部分溶融結合材を使
用することにより、該部分溶融結合材がジルコニア層と
基材との間の密着性を向上させて、従来は並立しえなか
った「基材とジルコニア層間の熱膨張率の差異の減少に
よる剥離防止」と「基材とジルコニア層の密着性の向
上」を達成している。
【0007】又本発明の好ましい態様では、平均粒径が
30〜500μmの粗粒ジルコニアと平均粒径が0.1〜10μm
の微粒ジルコニアとを使用し、これらを前述の部分溶融
結合材により結合してジルコニア層を形成する。この態
様では、微粒ジルコニアの使用によりジルコニア層とし
ての強度が向上し、その上で、「基材とジルコニア層間
の熱膨張率の差異の減少による剥離防止」と「基材とジ
ルコニア層の密着性の向上」を達成できる。
【0008】本発明の電子部品焼成用材料の被覆材料は
ジルコニアを主成分とし、前述の通り平均粒径が30〜50
0μmの粗粒ジルコニアを必須成分とし、平均粒径が0.1
〜10μmの微粒ジルコニアを含んでいても良い。粗粒ジ
ルコニアは平均粒径が30μm未満であると、基材との熱
膨張差による応力緩和効果が小さく、剥離を生じやすく
なり、又粗粒ジルコニアの平均粒径が500μmを越える
と燒結性が低下する。微粒ジルコニアの平均粒径が0.1
μm未満であると、粗粒ジルコニアとの粒径差が大き過
ぎて粗粒ジルコニアと基材の密着性を向上させるという
効果が小さくなり、又10μmを越えると粗粒ジルコニア
に近づいて微粒ジルコニア添加の効果が小さくなる。
【0009】粗粒ジルコニアと微粒ジルコニアを使用す
る場合にその重量比は75:25から25:75であることが望
ましく、この範囲以外では燒結性が悪化したり、熱膨張
差を緩和又は吸収できず剥離を生ずることがある。粗粒
ジルコニアのみを使用する場合には部分溶融結合材を微
粒ジルコニアと類似する粒径範囲として同様の組成範囲
に維持することが望ましい。また粗粒ジルコニアが80重
量%以上であると、結合力を増すために部分溶融結合材
は3重量%以上必要であるが、粗粒ジルコニアの重量を
75重量%未満とすることにより、部分溶融結合材を3重
量%未満に減らすことができる。
【0010】粗粒ジルコニアは電子部品との反応性を考
慮して、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及
び安定化ジルコニア、あるいはこれらの混合物を使用す
ることが望ましい。安定化又は部分安定化は酸化イット
リウム(イットリア、Y23)、酸化カルシウム(カル
シア、CaO)や酸化マグネシウム(マグネシア、Mg
O)等をジルコニアに添加することにより達成できる。
ジルコニアは室温では単斜晶系であり、温度上昇ととも
に、単斜晶系→(〜1170℃)→正方晶系→(〜2370℃)
→立方晶系の相変態が起こるが、ジルコニアにイットリ
アやマグネシア等の部分溶融結合材(安定化剤)を固溶
させることにより、高温相である正方晶や立方晶を室温
下で「安定化」できる。未安定化ジルコニアでは単斜晶
系→正方晶の相変態による体積変化が生ずるが、部分溶
融結合材が固溶した安定化ジルコニアでは相変態が起こ
らなくなる。
【0011】添加する部分溶融結合材は、酸化イットリ
ウム(Y23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグ
ネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、
酸化バリウム(BaO)、酸化チタン(TiO2)、酸
化マンガン(MnO)、酸化タンタル(TaO、TaO
2)、及び酸化ニオブ(Nb25)から選択される1種
類以上の金属酸化物と酸化アルミニウム(Al23)を
含んで成り、酸化アルミニウム以外の2種類以上の金属
酸化物と酸化アルミニウムを含むことが望ましい。酸化
アルミニウム以外のこれらの金属酸化物は、焼成時に液
相を介して未安定化ジルコニア表面のジルコニア粒子と
反応してジルコニアの一部を安定化させる機能を有す
る。又酸化アルミニウムは基材とジルコニア層とのマッ
チングを良好にする。
【0012】ジルコニアと部分溶融結合材の全量に対す
る部分溶融結合材の割合は0.5重量%以上、3重量%未
満とする。添加量が0.5重量%未満であると添加効果が
不十分になりやすく、又3重量%以上では部分溶融結合
材が過度に基材に浸透したり、部分溶融結合材自体が独
立してジルコニア層以外に溶融層を形成して密着性を低
下させる恐れがある。
【0013】これらの金属酸化物を有する部分溶融結合
材は、適量が基材表面の微細な気孔内に浸透して基材と
ジルコニア層が密着して強い結合力を生じさせると共
に、焼成時に粗粒ジルコニア同士又は粗粒ジルコニアと
微粒ジルコニアとを結合してジルコニア層の強度を向上
させる。ジルコニア燒結の観点から該部分溶融結合材は
サブミクロンから10μm程度の微粒子を使用することが
望ましい。
【0014】このように本発明で使用する部分溶融結合
材は、ジルコニア安定化化合物であるY23、CaO、
MgO、SrO、BaO、TiO2、MnO、TaO
(TaO2)及びNb25から選択される好ましくは2
種類以上の金属酸化物と基材とのマッチングを向上させ
る化合物である酸化アルミニウムを含むことが望まし
く、これにより、粗粒ジルコニア及び/又は微粒ジル
コニアを結合して強度を向上すること、そして粗粒ジル
コニアのみでジルコニア層を構成する場合には自身が微
細な結合材として粗粒ジルコニアを強固に結合するこ
と、未安定化ジルコニアを使用する場合でも該ジルコ
ニアの少なくとも一部を安定化すること、従って経済的
に有利な未安定化ジルコニアを使用しても安定化ジルコ
ニアを使用する場合とほぼ同等な効果が得られること、
及び基材との密着性を向上させてジルコニア層の剥離
や粉化を抑制するという、3種類の効果を奏する。
【0015】基材表面へのジルコニア層(ジルコニア
膜)の形成は、ジルコニウム化合物溶液の塗布及び熱分
解による方法、ジルコニア粉末をスプレーする法、基材
をジルコニウム化合物溶液に浸漬した後、熱分解して前
記化合物をジルコニアに変換する方法等の従来法に従っ
て行えば良い。使用する基材は従来と同様で良く、例え
ば前述の通りアルミナ系材料、アルミナ−ムライト系材
料、アルミナ−マグネシア系スピネル材料、アルミナ−
ムライト−コージェライト系材料、又はこれらの組合せ
による煉瓦質材料又は磁器質材料が使用される。
【0016】ジルコニア層形成のための焼成温度は、電
子部品焼成用材料の場合は実際に電子部品等を焼成する
温度より高い温度で焼成して得られる電子部品焼成用材
料が使用時に劣化しないようにすることが望ましい。従
って通常の電子部品の焼成温度は1200〜1400℃であるの
で、ジルコニア層焼成温度は基材が煉瓦質、磁器質に関
わらず1400〜1650℃程度とすることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電子部品焼成用材料の製
造に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明を限
定するものではない。
【0018】実施例1 基材として、シリカ成分が約10重量%までのアルミナ−
ムライト系の煉瓦質基材を使用した。粗粒ジルコニアと
して平均粒径が約100μmであるイットリアで安定化さ
せたジルコニア(Y安定化ジルコニア)を、微粒ジルコ
ニアとして平均粒径が約5μmで安定化させていないジ
ルコニア(未安定化ジルコニア)を、部分溶融結合材と
してイットリア(21モル%)、アルミナ(22モル%)及
びカルシア(57モル%)から成る酸化物混合物を、それ
ぞれ70重量%、29重量%及び1重量%の割合で準備し
た。
【0019】これらをボールミルで均一に混合し、水と
バインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリ
とした。このスラリを前記基材表面にスプレーコートし
た。得られたジルコニア層の厚さは約100μmであっ
た。このスプレーコートした基材を100℃で乾燥後、160
0℃で2時間保持し、焼成したジルコニア層を作製して
電子部品焼成用材料とした。この電子部品焼成用材料の
ジルコニア層の剥離及び粉化に対する耐性を調べるた
め、該電子部品焼成用材料を、3時間掛けて500℃から1
300℃へ急熱し、次いで3時間掛けて1300℃から500℃へ
急冷する熱サイクルを繰り返し、剥離及び粉化が生ずる
までの熱サイクル数を調べたところ、150サイクルを経
ても剥離や粉化は生じなかった。これらの結果を表1に
示した。
【0020】実施例2〜5 粗粒ジルコニア、微粒ジルコニアの安定化処理の状態及
び重量%、結合材の重量%及びその構成金属酸化物のモ
ル%を表1に示すように変動させて、実施例1と同様の
条件で電子部品焼成用材料を作製した。次いで実施例2
〜5のそれぞれについて実施例1と同様の条件で熱サイ
クルを繰り返し、剥離及び粉化が生ずるまでの熱サイク
ル数を調べた。それらの結果は表1に示す通りであっ
た。なお表1中、Y安定化はイットリア安定化、M安定
化はマグネシア安定化、C安定化はカルシア安定化を示
す。又実施例3で得られた電子部品焼成用材料のジルコ
ニア層の結晶構造をX線回折法により観察した。X線回
折ピークにはジルコニアの正方晶又は立方晶から得られ
るピークが観察され、未安定ジルコニア(単斜晶)が部
分的に安定化されていることが分かった。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1 部分溶融結合材を添加せずその分をイットリア安定化粗
粒ジルコニアに代えたこと以外は実施例1と同様の条件
で電子部品焼成用材料を作製し、かつ実施例1と同様の
条件で熱サイクルを繰り返し、剥離及び粉化が生ずるま
での熱サイクル数を調べたところ、表2に示す通り熱サ
イクルを10回繰り返したところでジルコニア層の剥離が
観察された。
【0023】比較例2〜8 粗粒ジルコニア、微粒ジルコニアの安定化処理の状態及
び重量%、結合材の重量%及びその構成金属酸化物のモ
ル%を表2に示すように変動させて、比較例1と同様の
条件で電子部品焼成用材料を作製した。次いで比較例2
〜8のそれぞれについて比較例1と同様の条件で熱サイ
クルを繰り返し、剥離及び粉化が生ずるまでの熱サイク
ル数を調べた。それらの結果は表2に示す通りであり、
比較例2〜4ではそれぞれ1回、17回及び31回の熱サイ
クルでジルコニア層が剥離したのに対し、比較例5及び
6ではジルコニア層が剥離する前にジルコニア層(ジル
コニア膜)自体が溶融してしまった。また比較例7及び
8ではそれぞれ36回及び8回の熱サイクルで剥離した。
【0024】前記実施例及び比較例から部分溶融結合材
を添加することにより、電子部品焼成用材料の熱サイク
ルに対する耐性が大幅に向上することが分かる。部分溶
融結合材の添加量はジルコニアと該部分溶融結合材の全
量に対して0.5重量%以上、3重量%未満であることが
望ましく、0重量%の場合や30重量%を越える場合に
は、約30回以下の熱サイクルでジルコニア層が剥離し又
は溶融して、耐性が不十分であることが見出された。
【0025】
【表2】
【0026】実施例6 基材としてアルミナ−ムライト系の煉瓦質基材の替わり
に、アルミナ系磁器質基材を使用したこと以外は実施例
1と同様にして電子部品焼成用材料を作製した。この電
子部品焼成用材料を大気中、1300℃で繰り返し使用した
が、100回使用後もジルコニア層は剥離しなかった。
【0027】比較例9 基材としてアルミナ系磁器質を用い、比較例2〜8と同
様に表2に示す条件で電子部品焼成用材料を作製した。
表2に示す通り、作製後に基材に反りが生じ、熱サイク
ル3回で剥離、粉化した。
【0028】比較例10 1200℃で焼成したこと以外は比較例2〜8と同様の条件
で電子部品焼成用材料を作製した。1300℃で熱サイクル
試験したところ、21回で膜が剥離した。
【0029】比較例11 基材としてアルミナ系磁器質を用い、1700℃で焼成した
こと以外は比較例2〜8と同様の条件で電子部品焼成用
材料を作製した。表2に示す通り、作製後基材に反りが
生じ、熱サイクル1回で剥離した。
【0030】
【発明の効果】本発明は、平均粒径30〜500μmの粗粒
ジルコニアと平均粒径0.1〜10μmの微粒ジルコニア
を、2種類以上の金属酸化物から成る部分溶融結合材に
より結合して形成したジルコニア層を煉瓦質基材又は磁
器質基材上に被覆した電子部品焼成用材料において、粗
粒ジルコニアと、微粒ジルコニア及び部分溶融結合材と
の重量比が75:25から25:75であり、部分溶融結合材
の、粗粒ジルコニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材
に対する重量比が0.5重量%以上3重量%未満であるこ
とを特徴とする電子部品焼成用材料(請求項1)であ
る。
【0031】この電子部品焼成用材料では煉瓦質材料又
は磁器質基材上に形成されるジルコニア層を、添加する
部分溶融結合材により、粗粒ジルコニア及び/又は微
粒ジルコニアを結合して強度を向上させ、安価な未安
定化ジルコニアを使用する場合でも該ジルコニアの少な
くとも一部を安定化し、高価な安定化ジルコニアの場合
とほぼ同等な効果を得、及び基材との密着性を向上さ
せてジルコニア層の剥離や粉化を抑制するという、効果
が得られる。従って強度が十分で、経済的な製造が可能
で、しかも基材との密着性が優れた電子部品焼成用材料
が提供できる。また粗粒ジルコニアと、微粒ジルコニア
及び部分溶融結合材との重量比が75:25から25:75とし
てあり、粗粒の重量を75重量%以下とすることにより、
部分溶融結合材の使用量を減らすことができ、このとき
に電子部品焼成用材料の性能は最適になる。
【0032】本発明で使用できる部分溶融結合材は、酸
化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化
マンガン、酸化タンタル及び酸化ニオブから選択される
1種類以上好ましくは2種類以上の金属酸化物と酸化ア
ルミニウムとから成ることが望ましく(請求項2)、酸
化アルミニウム以外の金属酸化物は、ジルコニアの一部
を安定化し、酸化アルミニウムは基材とジルコニア層と
のマッチングを良好にして、高性能の電子部品焼成用材
料を提供する。
【0033】本発明の電子部品焼成用材料のジルコニア
層は粗粒ジルコニアのみで形成しても良く(請求項
3)、この場合には部分溶融結合材を微粒ジルコニアと
同等に機能させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 和友 埼玉県上尾市原市1333−2 三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E082 AB03 EE04 EE23 EE35 FG04 MM11 PP03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径30〜500μmの粗粒ジルコニア
    と平均粒径0.1〜10μmの微粒ジルコニアを、2種類以
    上の金属酸化物から成る部分溶融結合材により結合して
    形成したジルコニア層を煉瓦質基材又は磁器質基材上に
    被覆した電子部品焼成用材料であって、粗粒ジルコニア
    と、微粒ジルコニア及び部分溶融結合材との重量比が7
    5:25から25:75であり、部分溶融結合材の、粗粒ジル
    コニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材に対する重量
    比が0.5重量%以上3重量%未満であることを特徴とす
    る電子部品焼成用材料。
  2. 【請求項2】 部分溶融結合材が、酸化イットリウム、
    酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウ
    ム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化タ
    ンタル及び酸化ニオブから選択される1種類以上の金属
    酸化物と酸化アルミニウムを含む請求項1に記載の電子
    部品焼成用材料。
  3. 【請求項3】 平均粒径30〜500μmの粗粒ジルコニア
    を、2種類以上の金属酸化物から成る部分溶融結合材に
    より結合して形成したジルコニア層を煉瓦質基材又は磁
    器質基材上に被覆したことを特徴とする電子部品焼成用
    材料。
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