JP2004158358A - 電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】電子顕微鏡の操作に不慣れなユーザでも操作が容易で、かつ操作に慣れたユーザも柔軟に操作可能な電子顕微鏡等を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡は、像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易的に結像し表示部28に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含む複数のステップを有するオート観察モードとを備えると共に、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段209を表示部28に表示するよう制御する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型、透過型等の電子顕微鏡およびその操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムならびにコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、微小物体を拡大する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等の他、電子レンズを使った電子顕微鏡が利用されている。電子顕微鏡は、電子の進行方向を自由に屈折させ、光学顕微鏡のような結像システムを電子光学的に設計したものである。電子顕微鏡には、試料や標本を透過した電子を電子レンズを用いて結像する透過型の他、試料表面で反射した電子を結像する反射型、収束電子線を試料表面上に走査して各走査点からの二次電子を用いて結像する走査型電子顕微鏡、加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イオン顕微鏡)等がある。
【0003】
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)は、対象となる試料に細い電子線(電子プローブ)を照射した際に発生する二次電子や反射電子を、二次電子検出器、反射電子検出器等それぞれの検出器を用いて取り出し、ブラウン管やLCD等の表示画面上に表示して、主として試料の表面形態を観察する装置である。一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中で原子により散乱、回折された電子を電子回折パターンまたは透過電顕像として得ることによって主に物質の内部構造を観察できる。
【0004】
電子線が固体試料に照射されたとき、電子のエネルギーによって固体中を透過するが、その際に試料を構成する原子核や電子との相互作用によって弾性的な衝突、弾性散乱やエネルギー損失を伴う非弾性散乱を生じる。非弾性散乱によって試料元素の殻内電子を励起したり、X線等を励起したり、また二次電子を放出し、それに相当するエネルギーを損失する。二次電子は衝突する角度によって放出される量が異なる。一方、弾性散乱によって後方に散乱し、試料から再び放出される反射電子は、原子番号に固有の量が放出される。SEMはこの二次電子や反射電子を利用する。SEMは電子を試料に照射し、放出される二次電子や反射電子を検出して観察像を結像している。
【0005】
一般に、SEMやTEM等の電子顕微鏡は光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等他の拡大観察装置に比べ、設定・調整項目が多く、その操作手順が分かり難い。そのためSEMの操作を支援する技術も開発されているが(例えば特許文献1)、一般にはSEMの操作は熟練した専門のオペレータが行うことが多い。
【0006】
このような状況に鑑みて本願出願人は、電子顕微鏡の操作に不慣れな初心者でも操作でき観察画像が得られるように、フローチャート等のガイダンスに従って操作手順を誘導可能な電子顕微鏡を開発した(特願2002−108931号)。この方法によれば、初心者であってもガイダンスに従って必要な設定項目を順に設定することができ、観察画像を取得できる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−338603号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フローチャートで操作手順を誘導する手段によれば、電子顕微鏡の操作に不慣れなユーザには好都合である反面、電子顕微鏡の操作にある程度慣れてくると、決められた手順でしか操作ができないため柔軟性に欠けるという問題があった。例えば良品・不良品を判定するために同じサンプルを繰返し観察するユーザであれば、観察条件がほぼ決まっているため、必要な設定項目のみを設定すれば足る。しかしながらガイダンス機能によれば定められた手順に従って一通りの設定項目を設定する必要があり、煩わしい。またユーザによっては、特定のステップのみを省略したい場合もある。しかしながら従来のガイダンス機能では、予め定められた手順でしか設定できないため、ユーザの操作習得レベルや特定の使い方に応じて設定手順を変更することができなかった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ユーザの要求に応じて設定手順を柔軟に変更可能な電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載される電子顕微鏡は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えると共に、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順に依存しないで所定の像観察条件を設定可能である。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の電子顕微鏡は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順によらず任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行可能である。
【0012】
さらに、本発明の請求項3に記載の電子顕微鏡は、請求項1または2に加えて、前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含むことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項4に記載の電子顕微鏡は、請求項1から3のいずれかに加えて、前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明の請求項5に記載の電子顕微鏡は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含む複数のステップからなり、各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、さらに前記電子顕微鏡は、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順によらず任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行するためのセルフ条件設定画面移行手段を備えることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明の請求項6に記載の電子顕微鏡は、請求項1から5のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面において、所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段と、予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定可能な簡易像観察条件設定手段とが備えられており、前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し、表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項7に記載の電子顕微鏡は、請求項1から6のいずれかに加えて、電子顕微鏡がセルフ条件設定画面においてプレビュー機能を実行可能であり、前記セルフ条件設定画面において、試料の特性を指定する試料指定手段と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項8に記載の電子顕微鏡は、請求項1から7のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面において、所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段が備えられていることを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項9に記載の電子顕微鏡は、請求項8に加えて、前記個別条件設定手段は、試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定可能であることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明の請求項10に記載の電子顕微鏡は、請求項1から9のいずれかに加えて、電子顕微鏡が観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶可能であって、記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定するためのファイル対応条件設定手段を備えることを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明の請求項11に記載の電子顕微鏡は、請求項1から10のいずれかに加えて、前記表示部が、観察像を表示可能な第1表示領域と、前記第1表示領域よりも小さく表示される複数の簡易観察像を並列して表示可能な第2表示領域とを備えることを特徴とする。
【0021】
さらにまた、本発明の請求項12に記載の電子顕微鏡は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、かつ前記電子顕微鏡は過去に像観察を実行した際の像観察条件を記憶する履歴記憶手段を備えており、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、前記履歴記憶手段で記憶された一の像観察条件を呼び出して、呼び出された像観察条件にて観察像を取得可能であることを特徴とする。
【0022】
さらにまた、本発明の請求項13に記載の電子顕微鏡は、請求項12に加えて、前記履歴記憶手段が、前回に結像された観察像に対応する像観察条件を記憶可能な前回条件設定手段であることを特徴とする。
【0023】
さらにまた、本発明の請求項14に記載の電子顕微鏡は、請求項1から13のいずれかに加えて、オート観察モードにおけるプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件を提示し、その内のいずれかを像観察条件として設定するための簡易像観察条件設定手段を備えており、前記簡易像観察条件設定手段により一の観察条件が設定されたとき、プレビュー機能を実行することなく、設定された像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0024】
さらにまた、本発明の請求項15に記載の電子顕微鏡は、請求項1から14のいずれかに加えて、電子顕微鏡は、マニュアル観察モードにおいてプレビュー機能を実行可能であり、前記マニュアル観察モードにおいて、試料の特性を指定する試料指定手段と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項16に記載の電子顕微鏡の操作方法は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードか、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードかを選択する工程と、オート観察モードを選択した後の所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順に従って所定の像観察条件を設定するか、あるいは所定の像観察条件を任意の手順で設定可能なセルフ条件設定画面に移行するかを選択する工程と、設定された像観察条件に従って観察像を表示部に表示する工程とを備える。
【0026】
さらにまた、本発明の請求項17に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16に加えて更に、観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶する工程と、必要時に記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定する工程とを備えることを特徴とする。
【0027】
さらにまた、本発明の請求項18に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16または17に加えて更に、過去に像観察を実行した際の像観察条件を記憶する工程と、必要時に記憶された一の像観察条件を呼び出し、呼び出された過去の像観察条件を現在の像観察条件として設定する工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
さらにまた、本発明の請求項19に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から18に加えて更に、前回像観察を実行した際の像観察条件を記憶しておき、記憶された前回の像観察条件を現在の像観察条件として設定する工程とを備えることを特徴とする。
【0029】
さらにまた、本発明の請求項20に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から19のいずれかに加えて、前記マニュアル観察モードを選択した後、試料の特性を指定する工程と、プレビュー機能を設定する工程と、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示する工程とを備えることを特徴とする。
【0030】
さらにまた、本発明の請求項21に記載の電子顕微鏡の操作方法は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードの所定のステップにおいて、所定の像観察条件を任意の手順で設定可能なセルフ条件設定画面に移行する工程と、設定された像観察条件に従って観察像を表示部に表示する工程とを備える。
【0031】
さらにまた、本発明の請求項22に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から21のいずれかに加えて、前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする。
【0032】
さらにまた、本発明の請求項23に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から22のいずれかに加えて更に、前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行する工程を備えることを特徴とする。
【0033】
さらにまた、本発明の請求項24に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から23のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面に移行した後、所定の像観察条件を任意の手順で設定する工程を備えることを特徴とする。
【0034】
さらにまた、本発明の請求項25に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から24のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面に移行した後、像観察条件として、試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定する工程を備えることを特徴とする。
【0035】
さらにまた、本発明の請求項26に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から25のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面に移行した後、予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定する工程と、前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示する工程とを備えることを特徴とする。
【0036】
さらにまた、本発明の請求項27に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から26のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面に移行した後、試料の特性を指定する工程と、前記指定された試料の特性に基づいて複数の簡易像観察条件を設定し、各条件に従って複数の簡易観察像を簡易的に結像し前記表示部に表示する工程と、前記表示部に表示された複数簡易観察画像の中から所望の画像を選択する工程と、選択された簡易観察画像を撮像した際の簡易像観察条件を設定し、観察画像を取得して表示部に表示する工程とを備えることを特徴とする。
【0037】
さらにまた、本発明の請求項28に記載の電子顕微鏡の操作方法は、請求項16から27のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面に移行した後、オート観察モードにおけるプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件が提示され、その内のいずれかを像観察条件として設定する工程と、設定された観察条件に基づいて、プレビュー機能を実行することなく観察像を結像し表示部に表示する工程とを備えることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の請求項29に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作をコンピュータに実行させるための電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを選択する手段と、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行する手段とを実行させる。
【0039】
さらにまた、本発明の請求項30に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29に加えて、前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含むことを特徴とする。
【0040】
さらにまた、本発明の請求項31に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29または30に加えて、前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする。
【0041】
さらにまた、本発明の請求項32に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作をコンピュータに実行させるための電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含む複数のステップからなり、各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを選択する手段と、オート観察モードにおける所定のステップにおいて、任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行する手段とを実行させる。
【0042】
さらにまた、本発明の請求項33に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から32のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面において、所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段と、予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定可能な簡易像観察条件設定手段とが備えられており、前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し、表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0043】
さらにまた、本発明の請求項34に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から33のいずれかに加えて、電子顕微鏡は、セルフ条件設定画面においてプレビュー機能を実行可能であり、前記セルフ条件設定画面において、試料の特性を指定する試料指定手段と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0044】
さらにまた、本発明の請求項35に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から34のいずれかに加えて、前記セルフ条件設定画面において、所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段が備えられていることを特徴とする。
【0045】
さらにまた、本発明の請求項36に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から35のいずれかに加えて、前記個別条件設定手段は、試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定可能であることを特徴とする。
【0046】
さらにまた、本発明の請求項37に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から36のいずれかに加えて、観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶可能であって、記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定するためのファイル対応条件設定手段を備えることを特徴とする。
【0047】
さらにまた、本発明の請求項38に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から37のいずれかに加えて、前記表示部が、観察像を表示可能な第1表示領域と、前記第1表示領域よりも小さく表示される複数の簡易観察像を並列して表示可能な第2表示領域とを備えることを特徴とする。
【0048】
さらにまた、本発明の請求項39に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から38のいずれかに加えて更に、前回像観察を実行した際の像観察条件を記憶しておき、記憶された前回の像観察条件を現在の像観察条件として設定する前回条件設定手段を備えることを特徴とする。
【0049】
さらにまた、本発明の請求項40に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から39のいずれかに加えて、オート観察モードにおけるプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件を提示し、その内のいずれかを像観察条件として設定するための簡易像観察条件設定手段を備えており、前記簡易像観察条件設定手段により一の観察条件が設定されたとき、プレビュー機能を実行することなく、設定された像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0050】
さらにまた、本発明の請求項41に記載の電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項29から40のいずれかに加えて、電子顕微鏡は、マニュアル観察モードにおいてプレビュー機能を実行可能であり、前記マニュアル観察モードにおいて、試料の特性を指定する試料指定手段と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする。
【0051】
さらに、本発明の請求項42に記載されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、請求項29から41のいずれかに記載した電子顕微鏡の操作プログラムを記録したことを特徴とする。
【0052】
記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を例示するものであって、本発明は電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を以下のものに特定しない。
【0054】
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を随時省略する。
【0055】
本明細書において電子顕微鏡とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.11x等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
【0056】
以下の実施例ではSEMについて説明する。但し、本発明はTEMやその他の電子顕微鏡関連装置においても利用できる。本発明を具現化した一実施例に係るSEMについて、図1に基づいて説明する。SEMは一般に加速電子の電子線を発生させ試料に到達させるまでの光学系と、試料を配置する試料室と、試料室内を真空にするための排気系と、像観察のための操作系で構成される。また、図2〜図12に、この電子顕微鏡を操作する操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージ図を示す。この電子顕微鏡の操作プログラムは、図1のコンピュータ1にインストールされ、電子顕微鏡の像観察条件の設定や各種操作を行い、図2〜図12に示す観察像の表示を行う表示部を含むユーザインターフェース画面を、図1の表示部28に表示する。
【0057】
光学系は、加速電子の電子線を発生させる電子銃7、加速電子の束を絞り込んで細束化するレンズ系、試料から発生する二次電子や反射電子を検出する検出器を備える。図1に示す走査型電子顕微鏡は、光学系として電子線を照射する電子銃7と、電子銃7から照射される電子線がレンズ系の中心を通過するように補正するガンアライメントコイル9と、電子線のスポットの大きさを細く絞る収束レンズ12であるコンデンサレンズと、収束レンズ12で収束された電子線を試料20上で走査させる電子線偏向走査コイル18と、走査に伴い試料20から放出される二次電子を検出する二次電子検出器21と、反射電子を検出する反射電子検出器22を備える。
【0058】
試料室には、試料台、試料導入装置、X線検出用分光器等が備えられる。試料台はX、Y、Z移動、回転、傾斜機能を備える。
【0059】
排気系は、加速電子の電子線が気体成分通過中に極力エネルギーを失うことなく試料に到達するために必要で、ロータリーポンプ、油拡散ポンプが主として用いられる。
【0060】
操作系は二次電子像、反射電子像、X線像等を表示、観察しながら照射電流の調整、焦点合わせ等を行う。二次電子像等の出力は、アナログ信号であれば写真機によるフィルム撮影が一般的であったが、近年は画像をデジタル信号に変換した出力が可能となり、データの保存や画像処理、印刷等の多種多様な処理が可能である。図1のSEMは、二次電子像や反射電子像等の観察像を表示する表示部28と印刷のためのプリンタ29を備える。また操作系は、像観察条件として少なくとも加速電圧またはスポットサイズ(入射電子線束の直径)を設定するために必要な設定項目の設定手順を誘導(ガイダンス)する誘導手段を備える。
【0061】
図1に示すSEMは、コンピュータ1と接続され、コンピュータ1を電子顕微鏡の操作を行うコンソールとして使用し、また必要に応じて像観察条件や画像データを保存したり、画像処理や演算を行う。図1に示すCPUやLSI等で構成される中央演算処理部2は、走査型電子顕微鏡を構成する各ブロックを制御する。電子銃高圧電源3を制御することにより、フィラメント4、ウェーネルト5、アノード6からなる電子銃7より電子線を発生させる。電子銃7から発生された電子線8は、必ずしもレンズ系の中心を通過するとは限らず、ガンアライメントコイル9をガンアライメントコイル制御部10によって制御することで、レンズ系の中心を通過するように補正を行う。次に、電子線8は収束レンズ制御部11によって制御される収束レンズ12であるコンデンサコイルによって細く絞られる。収束された電子線8は、電子線8を偏向する非点収差補正コイル17、電子線偏向走査コイル18、対物レンズ19、および電子線8のビーム開き角を決定する対物レンズ絞り13を通過し、試料20に至る。非点収差補正コイル17は非点収差補正コイル制御部14によって制御され、ビーム形状を制御する。同様に電子線偏向走査コイル18は電子線偏向走査コイル制御部15によって、対物レンズ19は対物レンズ制御部16によって、それぞれ制御され、これらの作用によって試料上を走査する。試料20上を電子線8が走査することにより、試料20から二次電子、反射電子等の情報信号が発生され、この情報信号は二次電子検出器21、反射電子検出器22によりそれぞれ検出される。検出された二次電子の情報信号は二次電子検出増幅部23を経て、また反射電子の情報信号は反射電子検出器22で検出されて反射電子検出増幅部24を経て、それぞれA/D変換器25、26によりA/D変換され、画像データ生成部27に送られ、画像データとして構成される。この画像データはコンピュータ1に送られ、コンピュータ1に接続されたモニタ等の表示部28にて表示され、必要に応じてプリンタ29にて印刷される。
【0062】
排気系ポンプ30は、試料室31内部を真空状態にする。排気系ポンプ30に接続された排気制御部32が真空度を調整し、試料20や観察目的に応じて高真空から低真空まで制御する。
【0063】
電子銃7はあるエネルギーをもった加速電子を発生させるソースとなる部分で、W(タングステン)フィラメントやLaBフィラメントを加熱して電子を放出させる熱電子銃の他、尖状に構成したWの先端に強電界を印加して電子を放出させる電界放射電子銃がある。レンズ系には、収束レンズ、対物レンズ、対物レンズ絞り、電子線偏向走査コイル、非点収差補正コイル等が装着されている。収束レンズは電子銃で発生した電子線をさらに収斂して細くする。対物レンズは最終的に電子プローブを試料に焦点合わせするためのレンズである。対物レンズ絞りは収差を小さくするために用いられる。検出器には、二次電子を検出する二次電子検出器と反射電子を検出する反射電子検出器がある。二次電子はエネルギーが低いのでコレクタにより捕獲され、シンチレータにより光電子に変換されて、光電子倍増管で信号増幅される。一方、反射電子の検出にはシンチレータあるいは半導体型が用いられる。
【0064】
[試料台]
観察位置の位置決めは、試料20を載置した試料台33を物理的に移動させて行う。この場合は観察位置決め手段が試料台33で構成される。試料台33は試料20の観察位置を調整可能なように様々な方向への移動、調整が可能である。移動、調整の方向は、試料台の観察位置を移動、調整させるため、試料台のX軸方向、Y軸方向、R軸方向への移動および微調整が可能である他、試料の傾斜角度を調整するために試料台のT軸方向の調整、ならびに対物レンズと試料との距離(ワーキングディスタンス)を調整するために試料台のZ軸方向の調整が可能である。
【0065】
観察像の位置決めや観察視野の移動には、試料台を物理的に移動させる方法に限られず、例えば電子銃から照射される電子線の走査位置をシフトさせる方法も利用できる。あるいは両者を併用する方法も利用できる。あるいはまた、広い範囲で一旦画像データを取り込み、データをソフトウェア的に処理する方法も利用できる。この方法では、一旦データが取り込まれてデータ内で処理されるため、ソフトウェア的に観察位置を移動させることが可能で、試料台の移動や電子線の走査といったハードウェア的な移動を伴わないメリットがある。予め大きな画像データを取り込む方法としては、例えば様々な位置の画像データを複数取得し、これらの画像データをつなぎ合わせることで広い面積の画像データを取得する方法がある。あるいは、低倍率で画像データを取得することによって、取得面積を広く取ることができる。
【0066】
[eプレビュー]
本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡は、簡易観察像取得機能(プレビュー機能)としてeプレビューを備える。eプレビューとは、最適な観測条件を得るために電子顕微鏡もしくはコンピュータ側で推奨の観測条件を簡易的に複数作成し、各々の観測条件で観察像を取得し、複数の簡易観察像として一覧表示するものである。まずSEMの像観察条件の設定項目の内、1つまたは複数を変化させた設定を、簡易的な像観察条件として複数組準備しておく。例えば加速電圧や検出器の種類を変更した複数の簡易像観察条件を自動的に生成する。そして準備した複数組の簡易像観察条件を順にSEMに設定し、それぞれの条件で試料を連続的に観察する。観察した複数の簡易観察像は一時的に保存し、表示部28のウィンドウ等に一覧表示する。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。
【0067】
例えば操作者は、表示された複数の簡易観察像を比較し、チャージアップの発生を確認する。簡易観察像の画面でチャージアップによる像障害が発生しているものがあれば、その手前の観察像で用いた加速電圧が、チャージアップが発生しない最大の加速電圧になる。必要に応じて、eプレビューは複数回実行する。例えばチャージアップが確認されない場合は、加速電圧を上げて再度eプレビューを行う。あるいは、チャージアップが生じない最大加速電圧を詳細に調べるために、eプレビューで使用する加速電圧の変化量を小さくして絞り込みを行うこともできる。このようにして測定したチャージアップしない最大加速電圧を、除電終了電圧として設定する。設定は、第2表示部から該当する簡易観察像を操作者が選択することで、自動的にその加速電圧をチャージアップしない最大加速電圧として電子顕微鏡またはコンピュータが保持し、設定する。またチャージアップしない最大加速電圧を操作者が手動で記録もしくは入力してもよい。
【0068】
本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡において、以前に結像された観察像を像観察条件と共に記憶される画像ファイル、および前回に結像された観察像に対応する像観察条件は、例えばコンピュータ1のメモリに記憶される。
【0069】
この電子顕微鏡では、排気系によって試料室内の真空度を変更して像観察を行うことが可能である。一般に試料室が高真空であれば分解能の高い鮮明な画像を得ることができるが、反面チャージアップが生じ易くなり、また水分を含む試料の観察に不適といった欠点がある。一方で低真空であればチャージアップが生じ難くなり、絶縁体や水分を含む試料の観察に適している反面、鮮明な観察像を得ることが困難になるという欠点がある。したがって、観察対象の試料や観察目的に応じて試料室内の圧力(真空度)を調整することで更に適切な観察像を得ることが可能となる。しかしながら、真空度を調整することによって、像観察条件のパラメータが更に増えることとなり、SEMの操作に慣れていない初心者にとっては条件設定がより困難となる。特に低真空観察では像観察条件の調整が困難となり、結像すら容易でない。そこで本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡では、低真空観察用の観察モードに特化したガイダンス機能を設けることにより、このガイダンスに従って初心者でも容易に低真空観察が可能なユーザ環境を提供している。さらに、通常の高真空観察に適した高真空観察用のガイダンス機能も設け、ユーザにいずれの圧力(真空度)で観察を行いたいかを選択させることによって、それぞれに適したガイダンス機能が実行される。また、高真空観察、低真空観察の二段階のみならず、中真空観察、超高真空観察等も加えて三段階、四段階以上といった複数のガイダンス機能を設けることもできる。
【0070】
なお本明細書においては高真空、低真空の値を特に限定するものでないが、一般に高真空とは圧力が0.1Pa〜10−5Pa(10−3〜10−7Torr)あるいは更に真空度の高い10−5Pa〜10−8Pa(10−7〜10−10Torr)、また低真空とは100kPa〜100Pa(760〜1Torr)あるいは100Pa〜0.1Pa(1〜10−3Torr)を指す。低真空観察は、例えばESEM(環境制御型SEM)を用いて試料室の圧力を調整することにより実行される。
【0071】
[電子顕微鏡の操作プログラム]
次に、電子顕微鏡の操作を行うための電子顕微鏡の操作プログラムについて説明する。この電子顕微鏡の操作プログラムは、電子顕微鏡に接続されたコンピュータにインストールされ、実行される。電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータが電子顕微鏡の操作プログラムと通信を行い、必要な情報を送受信して設定を行う。通信は、例えばRS−232CケーブルやUSBケーブルを介してシリアル通信で行われる。
【0072】
図2〜図12に、電子顕微鏡の操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージの一例を示す。なお、これらの画面において各入力欄や各ボタンなどの配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様などは適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。
【0073】
これらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力などの指定は、電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータに設けられた入力デバイスで行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力デバイスによりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータに固定されている。一般的な入力デバイスとしては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイントなどの各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、電子顕微鏡自体やその周辺機器の操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
【0074】
なお、電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータに接続された入出力デバイスから設定を行う態様の他、電子顕微鏡の操作プログラムや専用ハードウェアを電子顕微鏡に組み込み、電子顕微鏡のみで設定を行えるようにしても良い。この場合、入出力デバイスは電子顕微鏡に設けられあるいは接続され、必要に応じて設定用のモニタなどが接続される。
【0075】
[メニュー画面]
電子顕微鏡の操作プログラムを起動すると、メニュー画面が表示部28に表示される。メニュー画面の一例を図2に示す。このメニュー画面にはアイコン状のボタンが配置されており、各々のボタンを押下すると、該当する画面に切り替わる。本実施の形態では、複数のガイダンス機能として第一のオート観察モード、第二のオート観察モードを用意し、メニュー画面からいずれかを選択できる。ここでは第一のオート観察モードを高真空観察用のガイダンス機能とし、第二のオート観察モードを低真空観察用のガイダンス機能としている。さらに初心者ユーザに理解し易いよう、「低真空観察」を、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適した「オート観察▲2▼」と呼び、通常の高真空観察を「オート観察▲1▼」と呼ぶことで、ユーザは真空度や圧力といった概念を意識することなく、単に観察したい試料に応じて適切なガイダンス機能を選択することができ、専門知識のないユーザでも容易に使用できる。
【0076】
図2のメニュー画面には、手軽に使用したいユーザ向けの簡単操作による観察モード(第一のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する“オート観察▲1▼”アイコン(第一のオート観察モード設定手段)101、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適している観察モード(第二のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する“オート観察▲2▼”アイコン(第二のオート観察モード設定手段)102、および全てのパラメータを操作できる観察モード(マニュアル観察モード)に対応する操作画面に移行する“マニュアル観察”アイコン(マニュアル観察モード設定手段)103からなる観察モード設定手段が表示される。また、メニュー画面には、観察モード設定アイコンの他に、取り込んだ画像の整理を行うアルバムモード(画像ファイル編集モード)の操作画面に移行する“アルバム”アイコン(画像ファイル編集モード設定手段)104、距離や面積を計測する計測モード操作画面に移行する“計測”アイコン(計測モード設定手段)105、消耗品の交換時に使われるメンテナンスモードの操作画面に移行する“メンテナンス”アイコン(メンテナンスモード設定手段)106、各種初期設定を行う初期設定モードの操作画面に移行する“初期設定”アイコン(初期設定モード設定手段)107、およびメニュー画面を終了する“終了”アイコン108が表示される。
【0077】
“オート観察▲1▼”アイコン101を押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、図3に示す第一のオート観察モードの操作画面に切り替えられる。また同様に、“オート観察▲2▼”アイコン102、“マニュアル観察”アイコン103を押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、図6に示す第二のオート観察モードの操作画面、図12に示すマニュアル観察モードの操作画面にそれぞれ切り替えられる。
【0078】
[第一のオート観察モード]
(試料分類ステップ)
図3に、第一のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面の一例を示す。表示部28には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー201と、観察する試料の材質を設定する第一オート観察用試料指定手段211と、前回に設定された像観察条件を観察条件として設定する前回条件設定手段212と、試料交換を指示する試料交換指示手段208と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段209とが表示される。
【0079】
操作フロー201は、例えば試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ(プレビューステップ)、条件選択ステップ、および観察ステップが順に表示される。操作フロー201の各ステップを以下に説明する。
【0080】
(1)試料分類ステップは、観察サンプルがどのような材質であるかを見極め、最初に電子線を照射する条件を決定するためのステップである。具体的にはサンプルが絶縁体の場合はチャージアップ現象が生じるためチャージアップし難い観察条件で、また、サンプルが導体の場合はチャージアップや試料の損傷等を気にするよりも信号量や画質を優先した観察条件が設定される。
【0081】
(2)位置決めステップは、出来るだけ低倍率でSEM観察を行い、観察したい位置をさがし、観察したい倍率に設定するためのステップである。
【0082】
(3)eプレビューステップは、観察の目的に応じて、最適な観察条件を探すためのステップである。eプレビューステップにおいては、複数の像観察条件で簡易的に試料を結像する。
【0083】
(4)条件選択ステップにおいては、簡易的に結像察した画像を見比べることで目的に最適な観察条件を選び、その観察条件を装置に設定するためのステップである。
【0084】
(5)観察ステップは、フォーカスやコントラスト、明るさ(ブライトネス)、非点収差等の微調整を行うためのステップである。また別の場所、別の倍率での観察が必要な場合はそれを行う。
【0085】
(試料分類ステップ)
試料分類ステップにおいては、操作フロー201での“試料分類”の表示が他のステップと異なる態様で表示される。例えば“試料分類”の項目表示が明るい緑色で表示され、他の“位置決め”、“eプレビュー”、“条件選択”、“観察”の項目表示が暗い緑色で表示される。もちろん、色相を変更して異なる態様として表示してもよく、項目枠と文字を反転して表示する、点滅、下線、太字、蛍光色等種々の異なる態様を用いることができる。これによって現在のステップが“試料分類”であることが判断できる。
【0086】
第一のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、図3に示すように第一オート観察用試料指定手段211が設けられる。第一オート観察用試料指定手段211によって、試料の材質を指定し、これに応じた像観察条件が設定される。図3の例ではラジオボタンにより試料の材質を選択させる。ここでは導体のみの試料を設定するラジオボタン(第一の第一オート観察用試料指定手段)211a、または絶縁体を含む試料(または半導体)を設定するラジオボタン(第二の第一オート観察用試料指定手段)211bのいずれかがチェックされ、このチェックに基づいて、導体のみの試料、または絶縁体を含む試料(または半導体)に対応する像観察条件が設定される。また、前回条件設定手段212において、「前回と同じ条件で観察する」チェック欄212aがチェックされたときは、前回に設定された像観察条件が像観察条件として設定される。
【0087】
[位置表示]
図3の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。この“位置表示”画面において、円を複数の領域に分割されそれぞれに番号が付された領域は、試料台33上に同様に番号が付された領域のどの部分を観察しているかを判り易くするために表示されている。
【0088】
[セルフ条件設定画面移行手段]
試料分類ステップを示す図3の画面左下には、セルフ条件設定画面へ移行するためのセルフ条件設定画面移行手段の一形態として、セルフ条件設定ボタン209が設けられている。このセルフ条件設定ボタン209は、図3の試料分類ステップのみならず、位置決めステップ、図4のeプレビューステップ、条件選択ステップ、および図5の観察ステップ等他のステップにおいても表示されている。いずれのステップにおいても、セルフ条件設定ボタン209を押下することによって、セルフ条件設定画面への移行が指示され、表示部28に表示される表示画面は、図11に示すセルフ条件設定画面の操作画面に切り替えられる。これによって、ユーザは操作フロー201に示されたガイダンスの順序に拘束されることなく、所望のタイミングで所望の像観察条件を設定、変更することが可能となる。このことは、ガイダンス機能によって初心者に判りやすい操作体系を提示すると共に、必要時には詳細設定画面に速やかに移行できる手段を提供することで、ガイダンス順序によらず必要な項目のみを所望の順序、タイミングで設定することが可能となり、知識のあるユーザがガイダンス順序によらず任意の項目を設定可能としている。これによってユーザはガイダンス機能を適宜利用しながら、これに拘束されることなく必要な事項を所望の順序で設定できる。このように本実施の形態ではガイダンス機能をエスケープ、あるいはON/OFFすることを可能とし、これによってガイダンス機能と通常の任意設定機能とを並立させ、習熟度や利用形態等の異なる様々なユーザの要求に応えることのできる操作支援環境が実現される。
【0089】
(位置決めステップ)
試料分類ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、位置決めステップに移行する。位置決めステップでは、試料分類ステップで設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が第1表示領域47に表示されており、この観察像に対して観察位置決めや倍率調整を必要に応じて行う。例えば操作者に観察位置の位置決めと拡大倍率を手動で設定させる。また、必要に応じてフォーカス、コントラスト、明るさをそれぞれ調整する。位置決めステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、eプレビューステップに移行する。
【0090】
(eプレビューステップ)
[プレビュー機能]
図4に、第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面の一例を示す。表示部28には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー201と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段231と、予め設定された複数の簡易像観察条件に対応する像観察条件から一の観察条件を設定する簡易像観察条件設定手段232と、試料交換を指示する試料交換指示手段208と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段209とが表示される。eプレビューステップにおいても、図4に示すように操作フロー201の表示の内“eプレビュー”がハイライトされ、他のステップの表示よりも目立つことで現在のステップがプレビューステップにあることがユーザに示される。
【0091】
第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップでは、プレビュー設定手段231において「eプレビューを行う」チェック欄231aがチェックされることにより、eプレビュー実行が選択される。eプレビューの実行によって、予め設定された複数のプレビュー像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易的に結像し表示部に表示される。プレビュー像観察条件の設定は、像観察条件の内、特定の一以上のパラメータを段階的あるいは連続的に変化させることで簡易的な像観察条件を複数設定する。いずれのパラメータを変化させるかはユーザが指定することもできるし、電子顕微鏡側で予め設定しておいても良い。
【0092】
図4の例では、予め設定された複数の簡易像観察条件として、加速電圧と検出器を組み合わせて変化させてA〜Dの4つの条件を設定している。各条件は、具体的なパラメータで表示する他、結果としてどのような観察像が得られるかを説明することで、ユーザに観念的に把握し易くできる。ここでは、Aとして「最表面の細かい凹凸情報」に対応する第一の像観察条件(加速電圧2kVで二次電子検出)、Bとして「AとCの中間」に対応する第二の像観察条件(加速電圧5kで二次電子検出)、Cとして「高画質 低ノイズ」に対応する第一の像観察条件(加速電圧20kVで二次電子検出)、およびDとして「材質の違い」に対応する第一の像観察条件(加速電圧20kVで反射電子検出)の4つの簡易像観察条件を設定している。
【0093】
これら4つの簡易像観察条件は、図4において第2表示領域48に表示されている。eプレビューが実行されると、それぞれの簡易像観察条件が表示されている上に簡易観察画像が表示される。なお簡易像観察条件のテキストは、簡易観察画像表示後もマウスで選択もしくはマウスカーソルを近付けることでチップ表示することができる。観察像を簡易的に結像し観察した複数の簡易観察像は一時的に保存され、表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。
【0094】
(条件選択ステップ)
eプレビュー実行後に「次へ」ボタンを押下すると、条件選択ステップに移行する。条件選択ステップでは、eプレビューステップで設定された4つの簡易像観察条件に基づきeプレビューが実行され、4枚の簡易観察像が結像されて表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。ユーザはこの中から所望の画像を選択する。条件選択ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、観察ステップに移行する。
【0095】
また、eプレビューを実行しないこともできる。図4のeプレビューステップにおいて、「eプレビューを行う」チェック欄231aのチェックを外し、代わりに簡易像観察条件設定手段232において、A「最表面の細かい凹凸情報」のラジオボタン232a、B「AとCの中間」ラジオボタン232b、C「高画質低ノイズ」ラジオボタン232c、およびD「材質の違い」ラジオボタン232dのうちいずれか一つを選択する。これらの条件は、上記eプレビューのために設定された簡易像観察条件と対応している。簡易像観察条件設定手段232のいずれかを選択すれば、自動的に「eプレビューを行う」チェック欄231aのチェックがオフになるようにしたり、「eプレビューを行う」をラジオボタンとして簡易像観察条件設定手段232に組み込んでも良い。このようにして予め設定された複数の簡易像観察条件からいずれかの条件が選択されると、選択された簡易像観察条件から一の観察条件が設定され、eプレビューが行われることなく、選択されたラジオボタンに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するように制御される。この場合は条件選択ステップが不要となるので、図5に示す観察ステップの操作画面に切り替えられる。
【0096】
eプレビューステップや条件選択ステップ、あるいは位置決めステップにおいても、セルフ条件設定ボタン(セルフ条件設定画面移行手段)209を押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示されると、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられる。
【0097】
(観察ステップ)
図5に第一のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を表示部28に表示する一例を示す。観察ステップでは、結像された観察像に対して倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を必要に応じて行い、さらに高精度な画像の取り込み、保存、印刷、除電等の処理を行う。観察ステップの操作画面は上記と同様、第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー201と、試料交換指示手段208と、セルフ条件設定画面移行手段209等の他、観察ステップにおける操作メッセージを表示する観察操作メッセージ領域251を備える。図5の表示例においては、第2表示領域48に“広域図”画面が表示されている。
【0098】
観察ステップにおいても、セルフ条件設定ボタン(セルフ条件設定画面移行手段)209を押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示されると、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられ、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行する。
【0099】
以上、第一のオート観察モードの試料分類ステップ、eプレビューステップ、および観察ステップのいずれのステップにおいてもセルフ条件設定画面移行手段を表示する例を示したが、オート観察モードにおける所定のステップにおいてのみセルフ条件設定画面移行手段を表示部28に表示する構成とすることができる。セルフ条件設定画面移行手段を表示する所定のステップは、オート観察モードのすべてのステップに設ける必要はなく、そのステップの目的に応じて適宜設定できる。
【0100】
[第二のオート観察モード]
(試料分類ステップ)
次に、第二のオート観察モードの一例として、電気を通さない試料や水分を含んだウェットな試料を観察可能な第二のオート観察モードを、図6〜図10に基づいて説明する。
【0101】
図6に、第二のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面の一例を示す。表示部28に示される試料分類ステップの操作画面は、上記同様第1表示領域47と、第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー301と、試料交換を指示する試料交換指示手段308と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段309等の他、観察する試料の材質を設定する第二オート観察用試料指定手段311と、前回に設定された像観察条件を観察条件として設定する前回条件設定手段312を備える。図6の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。
【0102】
操作フロー301は、例えば試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ、条件選択ステップ、および観察ステップが順に表示される。試料分類ステップにおいては、操作フロー301欄の“試料分類”の表示が他のステップの表示よりも強調され、現在のステップを示している。
【0103】
第二のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、チャージアップ防止を目的とした操作を誘導するチャージアップ防止項目、あるいは試料の蒸発防止を目的とした操作を誘導する蒸発防止項目とが設定可能である。それぞれの項目に対して、チャージアップ防止に適した簡易像観察条件、および蒸発防止に適した簡易像観察条件がeプレビューにおいて設定される。
【0104】
チャージアップを防止するには、高真空では加速電圧を低く抑えて試料の帯電を防止することが挙げられる。一方低真空では空気分子が増えるので、これがイオン化して帯電を阻害するため高い加速電圧としてもチャージアップが生じ難い。このようにチャージアップの度合いは真空度に対する依存が大きいが、その他にスポットサイズの大きさ、加速電圧の高さによる依存性もある。
【0105】
チャージアップ防止目的の簡易像観察条件の例としては、真空度と加速電圧を調整し、例えば高真空で加速電圧が1kV、高真空で加速電圧が2kV、真空度13Paで加速電圧が15kV、および真空度30Paで加速電圧が20kVという4つの簡易像観察条件の組とする。あるいは真空度を固定して加速電圧とスポットサイズを調整し、真空度を13Paで一定のまま、加速電圧が20kVでスポットサイズを16、加速電圧が10kVでスポットサイズを16、加速電圧が15kVでスポットサイズを12、加速電圧が20kVでスポットサイズを8、および加速電圧が10kVでスポットサイズを8とした5つの簡易像観察条件の組とする。真空度の調整には、排気系ポンプ30で試料室31内の圧力を調整するため時間がかかる。よって各簡易像観察条件で真空度を一定とれば、この時間を節約してプレビュー画像を得るために要する時間を短縮できるというメリットがある。
【0106】
一方、試料の蒸発を防止するには、真空度を低く抑えることが挙げられる。また蒸発量は、真空度に対する依存性の他にも、加速電圧にも依存している。これは加速電圧の違いによって試料が加熱される度合いが変わることによる。そこで真空度を一定として加速電圧を調整することによって、上記と同様真空度の調整に要する時間を省き、プレビュー画像を得るために要する時間を短縮できるというメリットがある。
【0107】
蒸発防止目的の簡易像観察条件としては、例えば高真空で加速電圧が1kV、高真空で加速電圧が2kV、真空度13Paで加速電圧が15kV、および真空度30Paで加速電圧が20kVという4つの簡易像観察条件の組とする。あるいは真空度を130Paで固定し、加速電圧が7kVでスポットサイズを16、加速電圧が10kVでスポットサイズを16、加速電圧が15kVでスポットサイズを16、および加速電圧が20kVでスポットサイズを16とした4つの簡易像観察条件の組とする。
【0108】
第二のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、図6に示すように第二オート観察用試料指定手段311において、試料の材質を指定する。ここではユーザが真空度や加速電圧等の値を意識することなく、観察したい試料を選択すれば足りるように、試料の種別と撮像したい観察像の画質を示した選択肢を提示している。図6の例では、第二オート観察用試料指定手段311として第一〜第三の3つの選択肢を備え、ラジオボタンによっていずれかを選択させる。ここでは、「水分を含まない試料<高速>」、「水分を含まない試料<高画質>」、および「水分を含む試料」の3つに分類する。このうち、「水分を含まない試料<高速>」および「水分を含まない試料<高画質>」はチャージアップ防止を必要とする材質が設定されるチャージアップ防止項目に相当し、「水分を含む試料」は蒸発防止を必要とする材質が設定される蒸発防止項目に相当する。具体的には、それぞれ、第一の第二オート観察用試料指定手段311aとして水分を含まない試料または半導体の試料の高速観察を設定するラジオボタン、第二の第二オート観察用試料指定手段311bとして水分を含まない試料または半導体の試料の高画質観察を設定するラジオボタン、および第三の第二オート観察用試料指定手段311cとして水分を含む試料を設定するラジオボタンとする。このうちいずれか一つのラジオボタンが選択されることにより、選択された条件に対応する像観察条件が設定される。
【0109】
また、過去に使用した像観察条件の履歴を記憶する履歴記憶手段を設けることができる。履歴記憶手段に記憶された複数の履歴を遡って表示し、所望の像観察条件を選択して、これを現在の像観察条件として設定する。記憶された過去の履歴の中から選択する際は、実行した日付で特定したり、特定の像観察条件に予め名前を付けて保存することにより、これを呼び出す方法等が利用できる。
【0110】
特に本実施の形態では、このような履歴記憶手段の一態様として、前回に結像された観察像に対応する像観察条件を一つ記憶可能な前回条件設定手段を備えている。前回条件設定手段312において、「前回と同じ条件で観察する」チェック欄312aがチェックされたときは、前回の観察時に設定された像観察条件を呼び出し、これを像観察条件として設定する。
【0111】
第二オート観察用試料指定手段311または前回条件設定手段312において、ユーザは像観察条件を設定した後「次へ」ボタンを押下すると、図7の位置決めステップに移行し、第1表示領域47には設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が表示される。
【0112】
一方で試料分類ステップあるいはそれ以外のいずれのステップにおいても、セルフ条件設定画面移行手段309の一形態であるセルフ条件設定ボタンが表示されている。これを押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示され、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられる。これによってユーザは操作フロー301によるガイダンスから解放され、所望の項目を設定可能となる。
【0113】
(位置決めステップ)
図6の試料分類ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、位置決めステップに移行する。図7に第二のオート観察モードにおける位置決めステップの操作画面の一例を示す。表示部28に表示される位置決めステップの操作画面には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を切り替えて表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー301と、位置決めステップにおける操作メッセージを表示する位置決め操作メッセージ領域321と、試料交換を指示する試料交換指示手段308と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段309とが備えられる。
【0114】
位置決めステップでは、試料分類ステップで設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が第1表示領域47に表示されており、この観察像に対して観察位置決めや倍率調整を必要に応じて行う。第2表示領域48には第1表示領域47で表示されるよりも低倍率の“広域図”画面を表示し、第1表示領域47にて表示中の領域が第2表示領域48でどの領域に該当するかが枠線で表示される。例えば操作者に観察位置の位置決めと拡大倍率を手動で設定させる。また、必要に応じてフォーカス、コントラスト、明るさをそれぞれ調整する。位置決めステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、図8のeプレビューステップに移行する。
【0115】
(プレビューステップ)
図8に、第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面の一例を示す。表示部28に表示されるeプレビューステップの操作画面は、上記図4と同様に第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、プレビュー設定手段331と、簡易像観察条件設定手段332と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309とを備える。このeプレビューステップにおいても、操作フロー301中の“eプレビュー”の表示が他のステップよりも目立つようハイライト表示される。
【0116】
第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップでも、プレビュー設定手段331において「eプレビューを行う」チェック欄331aがチェックされることにより、eプレビュー実行が選択される。「eプレビューを行う」チェック欄331aがチェックされると、簡易像観察条件設定手段332がグレーアウトして選択不能となり、ユーザの誤動作を防止する。図8の例でも、予め設定された複数の簡易像観察条件として、簡易像観察条件設定手段332において提示される条件と同一の条件が設定される。ここでは、A「低解像度 低チャージ」、B「Aに近い画像」、C「Dに近い画像」、およびD「高画質 低ノイズ」として、それぞれ低真空観察に適した簡易像観察条件設定がなされる。このステップでは未だeプレビューは実行されず、「次へ」ボタンを押下することによってeプレビューが開始される。eプレビューによって観察像を簡易的に結像し得られた複数の簡易観察像は一時的に保存され、表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。
【0117】
また、上記図4と同様にeプレビューを実行しないこともできる。図8のeプレビューステップにおいて、「eプレビューを行う」チェック欄331aのチェックを外し、代わりに簡易像観察条件設定手段332において簡易像観察条件を設定する。図8の例では、4つの選択肢がラジオボタンで表示され、それぞれA「低解像度 低チャージ」のラジオボタン332a、B「Aに近い画像」ラジオボタン332b、C「Dに近い画像」ラジオボタン332c、およびD「高画質低ノイズ」ラジオボタン332dが提示される。これらのラジオボタンからいずれか一つを選択し「次へ」ボタンを押下することにより、eプレビューが行われることなく、選択されたラジオボタンに対応する簡易像観察条件に基づいて観察像を結像し、第1表示領域47に表示するように制御される。この場合、図9の条件選択ステップは不要で、図10に示す観察ステップの操作画面に切り替えられる。
【0118】
(条件選択ステップ)
図9に第二のオート観察モードにおける条件選択ステップの操作画面の一例を示す。この図に示す操作画面も、第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、条件選択ステップにおける操作メッセージを表示する条件選択観察操作メッセージ領域341と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309等を備える。
【0119】
図9の表示例においては、第2表示領域48に“eプレビュー”画面が表示される。条件選択ステップにおいては、第2表示領域48に表示された4つの“eプレビュー”画面からいずれか一つの画面を押下することによってその画面に対応する簡易像観察条件が設定される。すなわち、第2表示領域48の“eプレビュー”画面が、簡易像観察条件からいずれか一つの像観察条件を選択して設定する簡易像観察条件設定手段として機能する。なおeプレビュー動作中でも選択は可能である。eプレビューの描画には時間がかかるが、4つの簡易観察画像の結像が完了しない描画中においてもユーザは所望の簡易観察画像もしくは未表示の画面を選択することができる。このようにしてユーザは第2表示領域48においていずれかの画面を選択し、「次へ」ボタンを押下すると観察ステップに移行する。
【0120】
(観察ステップ)
図10に第二のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面の一例を示す。この図は上記図5と対応しており、同様に第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、観察操作メッセージ領域351と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309とを備える。図10の表示例においては、第2表示領域48に“広域図”画面が表示されており、上記の通り結像された観察像に対して倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を必要に応じて行い、さらに高精度な画像の取り込み、保存、印刷、除電等の処理を行う。
【0121】
以上、第二のオート観察モードの試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ、条件選択ステップ、および観察ステップのいずれのステップにおいてもセルフ条件設定画面移行手段を表示する例を示したが、オート観察モードにおける所定のステップにおいてセルフ条件設定画面移行手段を表示部28に表示する構成とすることができる。セルフ条件設定画面移行手段を表示する所定のステップは、オート観察モードのすべてのステップに設ける必要はなく、そのステップの目的に応じて適宜設定できる。
【0122】
[セルフ条件設定画面]
次に、セルフ条件設定画面について説明する。セルフ条件設定画面は、定められた操作フローに従って順に条件設定を行うオート観察モードとは異なり、ユーザが所望の項目を任意の順に設定できる。そのため、図6〜図10で設定可能な項目を一画面にまとめたような構成である。なお、すべての項目を一画面で設定可能とする必要はなく、特定の項目は別画面で設定するよう構成してもよいことはいうまでもない。また必要な際はモード復帰手段として「戻る」ボタンを押下すれば、オート観察モードに復帰することもできる。
【0123】
さらに、モード切替手段として、本実施の形態では画面の下部に設けられたタブを切り替えることで、より詳細設定が可能なマニュアル観察に切り替えたり、オート観察▲1▼・オート観察▲2▼への変更や、計測モード、アルバムモード等にも切り替えることができる。なお後述するマニュアル観察ではすべての設定項目を調整可能であるが、セルフ条件設定画面は、所定の項目のみを設定可能としている。セルフ条件設定画面は、ある程度操作に慣れたユーザを対象にしており、通常変更する必要のない項目は変更できないようにすることで、誤操作を防止している。より詳細な設定が行いたいユーザは、マニュアル観察モードに移行する。
【0124】
図11に、第一のオート観察モードからセルフ条件設定画面に移行した際に表示部28に表示される操作画面の一例を示す。この操作画面は、上記と同様に第1表示領域47と、第2表示領域48の他、観察する試料の材質を設定する試料指定手段401と、予め設定された複数の簡易像観察条件に対応する像観察条件から一の観察条件を設定する簡易像観察条件設定手段402と、検出器、加速電圧、およびスポットサイズ等を設定する個別条件設定手段403と、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定するファイル対応条件設定手段404とを備える。図11の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。
【0125】
試料指定手段401では、観察対象の試料の材質を指定する。図11に示す試料指定手段401は、2つの選択肢として「導体のみの試料」のラジオボタン401aまたは「絶縁体を含む試料」のラジオボタン401bが設けられる。このいずれかを選択すると、それぞれの試料観察に適した像観察条件が設定される。
【0126】
また、セルフ条件設定画面においてもプレビュー機能を実行可能である。試料指定手段401において試料の特性を指定した後、プレビュー設定手段の一態様である“eプレビュー”ボタン401cを押下すると、eプレビューが実行される。第2表示領域48が自動的にeプレビューのタブに切り替わり、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像が第2表示領域48に表示される。複数の簡易像観察条件は、後述する簡易像観察条件設定手段402で示される簡易観察条件と対応しているので、ユーザは各簡易観察画像の簡易像観察条件を確認できる。
【0127】
簡易像観察条件設定手段402では、プレビュー機能を実行することなくユーザが指定した簡易像観察条件に基づいて観察像の結像が行われる。図11の簡易像観察条件設定手段402では、A〜Dの4つの簡易像観察条件が選択肢として提示されており、ユーザは所望のラジオボタンを選択する。ここでは、A「最表面の細かい凹凸情報(加速電圧2kV)」のラジオボタン402a、B「AとCの中間(加速電圧5kV)」ラジオボタン402b、C「高画質 低ノイズ(加速電圧20kV)」ラジオボタン402c、およびD「材質の違い(20kV 反射電子)」ラジオボタン402dが提示されている。このうちいずれか一つのチェックボックスがチェックされ、“上の条件に設定する”ボタン402eが押下されることにより、選択された簡易像観察条件が設定され、この像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部の第1表示領域47に表示するよう制御される。
【0128】
また、上記と別に、像観察条件を個別に設定可能な個別条件設定手段403によって像観察条件を個別に設定することもできる。像観察条件としては、例えば検出器、加速電圧、スポットサイズ等の項目が挙げられる。図11の例では個別条件設定手段403における“検出器”ボックス403aから検出器の種類を選択することにより、検出器が設定される。また、“加速電圧”ボックス403bから加速電圧の数値を選択することにより、加速電圧が設定される。さらに、“スポットサイズ”ボックス403dからスポットサイズの数値を選択することにより、スポットサイズが設定される。ここでは、個別条件設定手段において、検出器、加速電圧、スポットサイズを個別に設定する例を示したが、これ以外の像観察条件のパラメータとして、真空度、非点収差、光軸等種々の像観察条件を設定するよう構成してもよい。
【0129】
また、“ファイルから読み出す”ボタン(ファイル対応条件設定手段)404によって、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定することができる。“ファイルから読み出す”ボタン404を押下すると、以前に記憶された画像ファイルあるいは以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件が選択可能となり、選択された以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御される。
【0130】
なお、図11は第一のオート観察モードにおいてセルフ条件設定画面を選択した例を示したが、第二のオート観察モードにおいても同様のセルフ条件設定画面の操作画面が提供される。第二のオート観察モードが低真空観察の場合は、低真空観察に適した条件が提示される。
【0131】
[マニュアル観察モード]
さらに、本実施の形態に係る電子顕微鏡は、すべての設定項目が調整可能なマニュアル観察モードを備えている。このモードは、操作者自身がすべての像観察条件を設定可能なモードである。図12に、マニュアル観察モードにおける操作画面の一例を示す。この図に示す操作画面は、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、観察像の画像補正を設定する画像補正設定手段601と、検出器、加速電圧、真空度、およびスポットサイズ等の像観察条件を個別に設定する個別条件設定手段603と、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定するファイル対応条件設定手段604と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段605と、観察像等の倍率を設定する倍率設定手段611と、観察視野の移動を設定する観察視野移動設定手段612と、コントラストおよび明るさを設定するコントラスト・明るさ設定手段613と、非点収差の調整を設定する非点収差調整設定手段614と、光軸の調整を設定する光軸調整設定手段615とを備える。
【0132】
マニュアル観察モードでは、画像補正設定手段601において、シャープネスを設定するシャープネス設定手段601aと、ハイライトを設定するハイライト設定手段601bと、ガンマ補正を設定するガンマ補正設定手段601cと、観察像の輝度分布を示す輝度分布図(ヒストグラム)601dと、オーバーレンジ抽出設定手段601eとが表示される。観察像の表示において、チェック欄“オーバーレンジチェック”(オーバーレンジ抽出設定手段)601eをチェックすることによって、観察像のアンダー領域あるいはオーバー領域なったオーバーレンジ領域を他の中間色領域と異なる態様で表示することによって抽出するオーバーレンジ抽出表示が設定される。
【0133】
また、像観察条件を個別に設定可能な個別条件設定手段603によって像観察条件を個別に設定可能である。像観察条件としては、例えば検出器、加速電圧、スポットサイズ等が挙げられる。個別条件設定手段603における“検出器”ボックス603aから検出器の種類を選択することにより、検出器が設定される。また、“加速電圧”ボックス603bから加速電圧の数値を選択することにより、加速電圧が設定される。また、“真空度”ボックス603bから真空度を選択することにより、真空度が設定される。また、“スポットサイズ”ボックス603dからスポットサイズの数値を選択することにより、スポットサイズが設定される。ここでは、個別条件設定手段において、検出器、加速電圧、真空度、スポットサイズを個別に設定する例を示したが、個別条件設定手段に、非点収差調整設定手段、光軸調整設定手段等を含めることができる。
【0134】
また、“ファイルから読み出す”ボタン(ファイル対応条件設定手段)404によって、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定することができる。“ファイルから読み出す”ボタン404を押下すると、以前に記憶された画像ファイルあるいは以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件が選択可能となり、選択された以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御される。
【0135】
“eプレビュー”ボタン(プレビュー設定手段)605によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御され、プレビュー機能が実行される。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、電子顕微鏡の操作に不慣れなユーザおよびある程度習熟したユーザのいずれに対しても、操作しやすい環境を提供する。それは、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体が、必要な項目を必要なタイミングで設定可能なセルフ条件設定画面に移行できるようにしているからである。これによって、ユーザはオート観察モードの操作フローに拘束されることなく、必要時にセルフ条件設定画面に移行し、また必要時にはオート観察モードに戻ることができ、様々なユーザの設定手順に適応できる。これによって、ユーザはガイダンス機能やプレビュー機能を必要な場面で利用しながら、変更したい像観察条件には速やかにアクセスすることができ、一般に操作の複雑な電子顕微鏡においても使い勝手の良い操作環境が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのメニュー画面を示すイメージ図である。
【図3】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図4】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図5】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図6】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図7】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける位置決めステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図8】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図9】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける条件選択ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図10】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図11】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのセルフ条件設定ステップにおける操作画面を示すイメージ図である。
【図12】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのマニュアル観察モードにおける操作画面を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ
2・・・中央演算処理部
3・・・電子銃高圧電源
4・・・フィラメント
5・・・ウェーネルト
6・・・アノード
7・・・電子銃
8・・・電子線
9・・・ガンアライメントコイル
10・・・ガンアライメントコイル制御部
11・・・収束レンズ制御部
12・・・収束レンズ
13・・・対物レンズ絞り
14・・・非点収差補正コイル制御部
15・・・電子線偏向走査コイル制御部
16・・・対物レンズ制御部
17・・・非点収差補正コイル
18・・・電子線偏向走査コイル
19・・・対物レンズ
20・・・試料
21・・・二次電子検出器
22・・・反射電子検出器
23・・・二次電子検出増幅部
24・・・反射電子検出増幅部
25・・・A/D変換器
26・・・A/D変換器
27・・・画像データ生成部
28・・・表示部
29・・・プリンタ
30・・・排気系ポンプ
31・・・試料室
32・・・排気制御部
33・・・試料台
47・・・第1表示領域
48・・・第2表示領域
101・・・第一のオート観察モード設定手段
102・・・第二のオート観察モード設定手段
103・・・マニュアル観察モード設定手段
104・・・画像ファイル編集モード設定手段
105・・・計測モード設定手段
106・・・初期設定モード設定手段
107・・・終了設定手段
201・・・操作フロー
208・・・試料交換指示手段
209・・・セルフ条件設定画面移行手段
211・・・第一オート観察用試料指定手段
212・・・前回条件設定手段
231・・・プレビュー設定手段
232・・・簡易像観察条件設定手段
252・・・観察操作メッセージ領域
301・・・操作フロー
308・・・試料交換指示手段
309・・・セルフ条件設定画面移行手段
311・・・第二オート観察用試料指定手段
311a・・・第一の第二オート観察用試料指定手段
311b・・・第二の第二オート観察用試料指定手段
311c・・・第三の第二オート観察用試料指定手段
312・・・前回条件設定手段
312a・・・「前回と同じ条件で観察する」チェック欄
331a・・・「eプレビューを行う」チェック欄
332・・・簡易像観察条件設定手段
401・・・試料指定手段
401a・・・「導体のみの試料」のラジオボタン
401b・・・「絶縁体を含む試料」のラジオボタン
401c・・・「eプレビュー」ボタン
402・・・簡易像観察条件設定手段
402a・・・「最表面の細かい凹凸情報(加速電圧2kV)」ラジオボタン
402b・・・「AとCの中間(加速電圧5kV)」ラジオボタン
402c・・・「高画質 低ノイズ(加速電圧20kV)」ラジオボタン
402d・・・「材質の違い(20kV 反射電子)」ラジオボタン
402e・・・「上の条件に設定する」ボタン
403・・・個別条件設定手段
403a・・・「検出器」ボックス
403b・・・「加速電圧」ボックス
403d・・・「スポットサイズ」ボックス
404・・・ファイル対応条件設定手段
601・・・画像補正設定手段
601a・・・シャープネス設定手段
601b・・・ハイライト設定手段
601c・・・ガンマ補正設定手段
601d・・・輝度分布図
601e・・・オーバーレンジ抽出設定手段
603・・・個別条件設定手段
603a・・・「検出器」ボックス
603b・・・「加速電圧」ボックス
603c・・・「真空度」ボックス
603d・・・「スポットサイズ」ボックス
604・・・ファイル対応条件設定手段
605・・・「eプレビュー設定」ボタン
606・・・関連観察像保存設定手段
606a・・・「保存」ボタン
606b・・・「右の画像を広域図として登録」ボタン
611・・・倍率設定手段
612・・・観察視野移動設定手段
613・・・コントラスト・明るさ設定手段
614・・・非点収差調整設定手段
615・・・光軸調整設定手段

Claims (42)

  1. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、
    前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、
    複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えると共に、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順に依存しないで所定の像観察条件を設定可能である電子顕微鏡。
  2. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、
    前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、
    複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順によらず任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行可能である電子顕微鏡。
  3. 前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含むことを特徴とする請求項1または2記載の電子顕微鏡。
  4. 前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の電子顕微鏡。
  5. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、
    前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、
    複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含む複数のステップからなり、各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、
    さらに前記電子顕微鏡は、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順によらず任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行するためのセルフ条件設定画面移行手段を備えることを特徴とする電子顕微鏡。
  6. 前記セルフ条件設定画面において、
    所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段と、
    予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定可能な簡易像観察条件設定手段とが備えられており、
    前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し、表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の電子顕微鏡。
  7. 電子顕微鏡は、セルフ条件設定画面においてプレビュー機能を実行可能であり、
    前記セルフ条件設定画面において、
    試料の特性を指定する試料指定手段と、
    プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、
    前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の電子顕微鏡。
  8. 前記セルフ条件設定画面において、
    所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段が備えられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の電子顕微鏡。
  9. 前記個別条件設定手段は、
    試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定可能であることを特徴とする請求項8記載の電子顕微鏡。
  10. 電子顕微鏡は、観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶可能であって、記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定するためのファイル対応条件設定手段を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の電子顕微鏡。
  11. 前記表示部が、
    観察像を表示可能な第1表示領域と、
    前記第1表示領域よりも小さく表示される複数の簡易観察像を並列して表示可能な第2表示領域とを備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか記載の電子顕微鏡。
  12. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、
    前記電子顕微鏡は像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、
    複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを備えており、
    かつ前記電子顕微鏡は過去に像観察を実行した際の像観察条件を記憶する履歴記憶手段を備えており、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、前記履歴記憶手段で記憶された一の像観察条件を呼び出して、呼び出された像観察条件にて観察像を取得可能であることを特徴とする電子顕微鏡。
  13. 前記履歴記憶手段が、前回に結像された観察像に対応する像観察条件を記憶可能な前回条件設定手段であることを特徴とする請求項12記載の電子顕微鏡。
  14. オート観察モードにおけるプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件を提示し、その内のいずれかを像観察条件として設定するための簡易像観察条件設定手段を備えており、
    前記簡易像観察条件設定手段により一の観察条件が設定されたとき、プレビュー機能を実行することなく、設定された像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項1から13のいずれか記載の電子顕微鏡。
  15. 電子顕微鏡は、マニュアル観察モードにおいてプレビュー機能を実行可能であり、
    前記マニュアル観察モードにおいて、
    試料の特性を指定する試料指定手段と、
    プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、
    前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項1から14のいずれか記載の電子顕微鏡。
  16. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、
    像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードか、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードかを選択する工程と、
    オート観察モードを選択した後の所定のステップにおいて、オート観察モードで定めるステップ毎の手順に従って所定の像観察条件を設定するか、あるいは所定の像観察条件を任意の手順で設定可能なセルフ条件設定画面に移行するかを選択する工程と、
    設定された像観察条件に従って観察像を表示部に表示する工程と、
    を備える電子顕微鏡の操作方法。
  17. 前記電子顕微鏡の操作方法は更に、
    観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶する工程と、
    必要時に記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16記載の電子顕微鏡の操作方法。
  18. 前記電子顕微鏡の操作方法は更に、
    過去に像観察を実行した際の像観察条件を記憶する工程と、
    必要時に記憶された一の像観察条件を呼び出し、呼び出された過去の像観察条件を現在の像観察条件として設定する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16または17記載の電子顕微鏡の操作方法。
  19. 前記電子顕微鏡の操作方法は更に、
    前回像観察を実行した際の像観察条件を記憶しておき、記憶された前回の像観察条件を現在の像観察条件として設定する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16から18のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  20. 前記マニュアル観察モードを選択した後、
    試料の特性を指定する工程と、
    複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を設定する工程と、
    予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16から19のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  21. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、
    複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードの所定のステップにおいて、所定の像観察条件を任意の手順で設定可能なセルフ条件設定画面に移行する工程と、
    設定された像観察条件に従って観察像を表示部に表示する工程と、
    を備える電子顕微鏡の操作方法。
  22. 前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする請求項16から21のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  23. 電子顕微鏡の操作方法は更に、
    前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行する工程を備えることを特徴とする請求項16から22のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  24. 前記セルフ条件設定画面に移行した後、
    所定の像観察条件を任意の手順で設定する工程を備えることを特徴とする請求項16から23のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  25. 前記セルフ条件設定画面に移行した後、
    像観察条件として、試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定する工程を備えることを特徴とする請求項16から24のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  26. 前記セルフ条件設定画面に移行した後、
    予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定する工程と、
    前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16から25のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  27. 前記セルフ条件設定画面に移行した後、
    試料の特性を指定する工程と、
    前記指定された試料の特性に基づいて複数の簡易像観察条件を設定し、各条件に従って複数の簡易観察像を簡易的に結像し前記表示部に表示する工程と、
    前記表示部に表示された複数簡易観察画像の中から所望の画像を選択する工程と、
    選択された簡易観察画像を撮像した際の簡易像観察条件を設定し、観察画像を取得して表示部に表示する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16から26のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  28. 前記セルフ条件設定画面に移行した後、
    オート観察モードにおける複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件が提示され、その内のいずれかを像観察条件として設定する工程と、
    設定された観察条件に基づいて、プレビュー機能を実行することなく観察像を結像し表示部に表示する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項16から27のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
  29. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作をコンピュータに実行させるための電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに
    像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、複数のステップからなり各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを選択する手段と、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行する手段と、
    を実行させる電子顕微鏡の操作プログラム。
  30. 前記オート観察モードの一のステップとして、複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含むことを特徴とする請求項29記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  31. 前記オート観察モードの任意のステップでセルフ条件設定画面に移行可能であることを特徴とする請求項29または30記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  32. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作をコンピュータに実行させるための電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに
    像観察条件を個別に設定可能なマニュアル観察モードと、
    複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能なプレビューステップを含む複数のステップからなり、各ステップ毎に像観察条件の所定の項目を設定するよう誘導するオート観察モードとを選択する手段と、
    オート観察モードにおける所定のステップにおいて、任意の手順で所定の像観察条件を設定可能なセルフ条件設定画面に移行する手段と、
    を実行させる電子顕微鏡の操作プログラム。
  33. 前記セルフ条件設定画面において、
    所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段と、
    予め設定された複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定可能な簡易像観察条件設定手段とが備えられており、
    前記簡易像観察条件設定手段によって設定された一の像観察条件に基づいて観察像を結像し、表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項29から32のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  34. 電子顕微鏡は、セルフ条件設定画面において複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能であり、前記セルフ条件設定画面において、
    試料の特性を指定する試料指定手段と、
    プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、
    前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項29から33のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  35. 前記セルフ条件設定画面において、
    所定の像観察条件を任意に設定可能な個別条件設定手段が備えられていることを特徴とする請求項29から34のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  36. 前記個別条件設定手段は、
    試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、真空度の内少なくともいずれかを設定可能であることを特徴とする請求項29から35のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  37. 観察像の画像データを撮像時の像観察条件と関連付けて記憶可能であって、記憶された画像データと対応する像観察条件を呼び出して一の観察条件として設定するためのファイル対応条件設定手段を備えることを特徴とする請求項29から36のいずれかに記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  38. 前記表示部が、
    観察像を表示可能な第1表示領域と、
    前記第1表示領域よりも小さく表示される複数の簡易観察像を並列して表示可能な第2表示領域とを備えることを特徴とする請求項29から37のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  39. 前記電子顕微鏡の操作プログラムは更に、
    前回像観察を実行した際の像観察条件を記憶しておき、記憶された前回の像観察条件を現在の像観察条件として設定する前回条件設定手段を備えることを特徴とする請求項29から38のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  40. オート観察モードにおける複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行するために予め設定された複数の簡易像観察条件に対応して複数の像観察条件を提示し、その内のいずれかを像観察条件として設定するための簡易像観察条件設定手段を備えており、
    前記簡易像観察条件設定手段により一の観察条件が設定されたとき、プレビュー機能を実行することなく、設定された像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項29から39のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  41. 電子顕微鏡は、マニュアル観察モードにおいて複数の異なる簡易像観察条件に基づいて簡易的に複数の簡易観察像を結像し表示部に表示するプレビュー機能を実行可能であり、
    前記マニュアル観察モードにおいて、
    試料の特性を指定する試料指定手段と、
    プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段とが備えられており、
    前記プレビュー設定手段によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御されることを特徴とする請求項29から40のいずれか記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  42. 請求項29から41のいずれかに記載した電子顕微鏡の操作プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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