JPH05343019A - 荷電粒子線装置およびその観察方法 - Google Patents

荷電粒子線装置およびその観察方法

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JPH05343019A
JPH05343019A JP4166720A JP16672092A JPH05343019A JP H05343019 A JPH05343019 A JP H05343019A JP 4166720 A JP4166720 A JP 4166720A JP 16672092 A JP16672092 A JP 16672092A JP H05343019 A JPH05343019 A JP H05343019A
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charged particle
particle beam
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JP4166720A
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English (en)
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Akimitsu Okura
昭光 大蔵
Mitsugi Sato
佐藤  貢
Osamu Yamada
理 山田
Yasushi Nakaizumi
泰 中泉
Eiichi Hazaki
栄市 羽崎
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/261Details
    • H01J37/265Controlling the tube; circuit arrangements adapted to a particular application not otherwise provided, e.g. bright-field-dark-field illumination

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  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料を特定する識別情報を入力するだけで当
該試料に最適な装置条件が自動的に設定されるようにす
る。 【構成】 識別情報入力手段101からは試料を特定す
るための識別情報が入力される。装置条件記憶手段10
2には、電子線装置107に関する各種の装置条件が、
識別情報に基づいて選択できるように記憶されている。
装置条件選択手段103は識別情報に応答した装置条件
を装置条件記憶手段102から選択する。選択された装
置条件は表示手段104上に表示される。装置条件変更
手段106からは、表示手段104上に表示された装置
条件の一部を変更する場合に、その変更のためのデータ
が入力される。装置条件設定手段105は装置条件に基
づいて電子線装置107の各部の設定値を自動的に調節
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電粒子線装置および
その観察方法に係り、特に、試料を特定する識別情報を
入力するだけで当該試料に最適な装置条件が自動的に設
定されるようにした荷電粒子線装置およびその観察方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面で荷電粒子線のスポットを走査
し、このとき試料から放出される二次信号に基づいて走
査像を得る装置、例えば走査電子顕微鏡(SEM)、X
線マイクロアナライザ(XMAまたはEPMA)、ある
いはイオンマイクロアナライザ(IMA)などの荷電粒
子線装置では、その試料構造や組成を忠実かつ明瞭に走
査像として表せるようにすることが極めて重要である。
【0003】そして、このような荷電粒子線装置による
観察・分析では、各種の装置条件、例えば加速電圧、プ
ローブ電流、電子光学系のレンズ条件などが目的に応じ
て最適な値に設定されているか否かが走査像の画質に大
きな影響を及ぼす。
【0004】したがって、荷電粒子線装置による観察・
分析では、試料に応じた最適な装置条件が選択されるよ
うにすることが非常に重要である。
【0005】これまで、荷電粒子線装置による観察・分
析時、その試料に最適な装置条件はオペレータが経験に
基づいて試行錯誤を繰り返しながら設定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来では
試料に最適な装置条件が操作者の経験に基づいて設定さ
れることが多かったため、いろいろな試料に対する装置
の最適条件を設定するのに時間がかかってしまったり、
操作者の熟練度により得られる観察データにバラツキが
生じ易いという問題があった。
【0007】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点を解決し、試料に最適な装置条件の選択・設定を操作
者の経験に頼ることなく簡単かつ確実に行うことがで
き、バラツキの少ない観察データを得ることの可能な荷
電粒子線装置およびその観察方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、荷電粒子線を試料に照射し、試料
から二次的に発生する信号を検出して観察像を得る荷電
粒子線装置において、試料を特定するための識別情報を
入力する手段と、各種装置条件を識別情報に基づいて選
択できるように記憶する装置条件記憶手段と、前記入力
された識別情報に応答した装置条件を前記装置条件記憶
手段から選択する装置条件選択手段と、前記選択された
装置条件を自動設定する装置条件設定手段とを具備した
点に特徴がある。
【0009】さらに、本発明では、荷電粒子線を試料に
照射し、試料から二次的に発生する信号を検出して観察
像を得る荷電粒子線装置の観察方法において、試料を特
定するための識別情報を入力し、前記入力された識別情
報に応答した装置条件を記憶手段から選択し、前記選択
された装置条件を自動設定して観察するようにした点に
特徴がある。
【0010】
【作用】上記した各構成によれば、試料の識別情報を入
力するだけで当該試料に最適な装置条件が自動的に選択
されて設定されるようになる。
【0011】
【実施例】初めに、本発明の基本概念を走査電子顕微鏡
(以下SEMと略す)を例にして説明する。
【0012】各種試料の構造や組成を最高の分解能で忠
実に観察できるようにするためには、試料の種類(属
性)が何であるかを考慮して最適な装置条件を選択する
必要がある。ここでいう試料の種類(属性)とは、(1)
生物が非生物か、(2) 絶縁物が導電物か、(3) 放出ガス
が多いか少ないか、(4) 荷電粒子線ダメージを受けやす
いか否か、(5) 水分を多く含むか含まないか、(6) 温度
に対して強いか弱いか、(7) どの程度の倍率で見える構
造か、などである。
【0013】一方、装置側では、以下のような各種の装
置条件が重要なファクターとなり、これらを上記した試
料の属性に応じて最適な値に設定する必要がある。 (1) 加速電圧 (2) ビーム電流 (3) 走査方法 (4) 真空度 (5) 像観察のための検出手段 (6) 光軸合わせ (7) 記録方法 そして本発明は、上述した各種装置条件が試料に応じて
自動的に最適な値に設定されるようにして、常に最適な
装置条件で試料観察が行えるようにするものである。
【0014】図1は本発明の機能ブロック図、図2はそ
の動作を説明するためのフローチャートである。
【0015】識別情報入力手段101からは、試料を特
定するための識別情報がオペレータのキー操作によって
適宜の手法により入力される。装置条件記憶手段102
には、電子線装置107の加速電圧、プローブ電流、電
子光学系のレンズ条件などの各種の装置条件が、識別情
報に基づいて選択できるように記憶されている。
【0016】装置条件選択手段103は、識別情報入力
手段101から入力された識別情報に応答した装置条件
を装置条件記憶手段102から選択する。選択された装
置条件は表示手段104上に表示される。装置条件変更
手段106からは、選択されて表示手段104上に表示
された装置条件の一部を変更する場合に、その変更のた
めのデータがオペレータのキー操作によって入力され
る。装置条件設定手段105は、前記選択された装置条
件あるいはその後変更された装置条件に基づいて、電子
線装置107の各部の設定値を自動的に調節する。
【0017】このような構成において、ステップS1で
は、観察したい試料を特定するための識別情報がオペレ
ータによって識別情報入力手段101から入力される。
識別情報の入力は、試料名を直接入力するキーワード入
力方式、試料の属性を入力するフリーキーワード方式、
あるいは予めプログラムで組まれたメニューに従って一
覧表示された属性情報の中から該当する項目を選択する
メニュー選択方式、あるいはこれらの各方式を適宜に結
合した方式のいずれであっても良い。
【0018】試料に関する識別情報の入力が完了する
と、ステップS2では、装置条件選択手段103が前記
識別情報に基づいて装置条件記憶手段102を検索し、
当該識別情報に応答した装置条件を選択する。
【0019】ステップS3では、装置条件選択手段10
3によって選択された装置条件が表示手段104上に一
覧表示される。
【0020】なお、装置条件選択手段103によって選
択された装置条件は、識別情報で特定された試料を観察
する場合の最適条件となるものであるが、これらは必ず
しも一意的に決まるものではなく、ある程度の選択肢が
必要な場合もある。そこで、表示された装置条件の一部
を変更する場合には、ステップS4において装置条件変
更手段106から該当する装置条件を変更するためのデ
ータを入力する。
【0021】以上のようにして装置条件が確定すると、
ステップS5では、装置条件設定手段105によって電
子線装置107の各部が前記装置条件に設定される。ス
テップS6では走査像の表示、観察、写真撮影などが行
われる。
【0022】ステップS7では、装置条件がプリンタへ
出力されると共に装置条件記憶装置102へも転送され
る。記憶装置102では、必要に応じて当該装置条件を
前記識別情報に応答した装置条件として登録する。
【0023】以下、図面を参照しながら本発明の一実施
例を詳細に説明する。
【0024】図3は、本発明の一実施例であるSEMの
概略構成図であり、ここでは、特に2段電磁レンズ縮小
系からなる電界放出形SEMを示している。
【0025】同図において、電界放出陰極4および静電
レンズ5等から成る電界放出形電子銃6から放出された
電子ビーム7は、コンデンサレンズ8及び対物レンズ9
により試料ステージ10上の試料11表面で極めて細い
電子線プローブ12に収束される。
【0026】電子線プローブ12は、偏向コイル電源1
3により付勢される偏向コイル14で偏向されて試料面
上で走査される。電子線プローブ12の走査により試料
面から発生した二次電子15は二次電子検出器16に導
かれる。なお、試料11からの信号として反射電子を検
出する場合は反射電子検出器(図示せず)が、また透過
電子を検出する場合は透過電子検出器(図示せず)がそ
れぞれ試料11の上方あるいは下方に配置される。
【0027】前記二次電子検出器16により検出された
信号は増幅回路17により増幅され、映像信号として陰
極線管(Cathode Ray Tube:以下、CRTと略す)18
a、18bに送られる。
【0028】走査像の倍率調整は、倍率制御回路19に
よって電子線プローブ12の試料面上での走査幅を可変
し、この走査幅とCRT18a、18bのスクリーン幅
との比を調整することにより行われる。
【0029】また、走査像を記録したい場合は、カメラ
装置20でCRT18bの表示像を撮影するか、あるい
は信号制御回路21およびメモリ回路22により画像を
記憶する。さらには、中央制御装置(CPU)23を介
してハードディスク24や光ディスク25あるいは光磁
気ディスク26などの外部記憶装置3に記憶する。
【0030】以下、上記した構成の電子顕微鏡における
装置条件の設定方法を図6のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0031】ステップS11では、試料を特定する識別
情報の入力方式として、キーワード入力方式、メニュー
選択方式、フリーキーワード入力方式のいずれかを選択
するための画面がCRT18a上に表示される。
【0032】ここで、オペレータが操作卓27を操作し
てキーワード入力方式を選択すると、ステップS12で
は、観察したい試料名として、例えば“杉の花粉”ある
いは“Si基板フォトレジスト”といった具体的な名称
を操作卓27から直接入力する。なお、各試料名に対し
て特定のコード番号などが割り当てられていれば、当該
コード番号を試料名の代わりに入力することも可能であ
る。
【0033】ステップS13では、前記入力された試料
名に基づいて中央制御装置23の内部メモリ又は外部記
憶装置3のデータファイルが検索される。入力した試料
名に対応したデータファイルが存在すれば当該処理はス
テップS14からステップS23へ進み、データファイ
ルが存在しなければステップS11へ戻る。
【0034】一方、ステップS11においてフリーキー
ワード入力方式を選択すると、ステップS15では、試
料が“杉の花粉”であれば“植物”、“Si基板フォト
レジスト”であれば“半導体”といった試料の属性を操
作卓27から入力する。なお、入力する試料の属性は1
つに限定されず、当該試料が所属する多数の属性を入力
するほうが、最適な装置条件を確実に選択できるように
なる。
【0035】ステップS16では、前記入力された試料
の属性に基づいて中央制御装置23の内部メモリ又は外
部記憶装置3のデータファイルが検索される。入力した
属性に対応したデータファイルが存在すれば当該処理は
ステップS17からステップS23へ進み、データファ
イルが存在しなければステップS11へ戻る。
【0036】さらに、ステップS11においてメニュー
選択方式が選択されると、ステップS18では、例えば
図4に示したような階層構造のメニューがCRT18a
に表示される。
【0037】ステップS19〜S21では、オペレータ
が表示されたメニューを参照しながら[1.試料の種
類]、[2.試料の作製方法]、[3.試料の観察・分
析法]に関して試料に該当する項目の番号、記号をキー
操作あるいは音声入力等の適宜の手法により入力する。
なお、本実施例では[1.試料の種類]および[2.試
料の作製方法]は階層構造となっている。
【0038】なお、図中の[4.装置条件]は、後に詳
述するように自動的に設定された装置条件を変更する場
合に選択される項目であり、メニュー選択方式に特有の
項目ではない。また、装置条件の真空度は鏡体試料室の
必要な到達真空度を意味し、真空度を直接制御すること
を意味するものではない。また、倍率は観察に適切な倍
率範囲であり、オペレータが可変することができる。さ
らに、分解能は計算上のスポットサイズである。プロー
ブ電流および照射角は加速電圧やBM絞り、対物レンズ
絞り、コンデンサレンズ条件などによって変化するが、
電子光学的に計算することは可能であり、中央制御装置
23で瞬時に計算し、表示できるようになっている。
【0039】ステップS22では、各項目で選択された
内容に基づいて中央制御装置23の内部メモリ又は外部
記憶装置3のデータファイルが検索される。ステップS
23では、検索されたデータファイルすなわち当該試料
に最適な装置条件がCRT18a上に表示される。
【0040】図7は、上記のようにして設定された装置
条件の表示内容を示した図であり、ここでは、選択され
る装置条件が試料によってどのように異なるかを示すた
めに、試料が『杉の花粉』である場合に選択される装置
条件と『Si基板フォトレジスト』である場合に選択さ
れる装置条件とを並べて示している。
【0041】例えば両者の加速電圧を比較すると、『S
i基板フォトレジスト』では『杉の花粉』よりも低く
(1/20)抑えられ、試料破壊が考慮されていること
が確認できる。
【0042】上記のようにして装置条件が表示される
と、オペレータがCRT18aを参照して装置条件を確
認し、いずれかの項目に変更の必要があれば当該処理は
ステップS24からステップS25へ進む。ステップS
25ではオペレータが当該項目に関するデータを操作卓
27から入力して装置条件の一部を変更する。
【0043】以上のようにして最適な装置条件が確定す
ると、ステップS26では、例えば次のような順序で装
置条件が装置にセットされる。 (1) 排気ポンプ28などの真空排気系を制御する排気系
制御回路29が作動して真空度を制御する。 (2) 電子銃用の高圧電源30を制御する高圧制御回路3
1が作動し、電界放出陰極4から放出されるエミッショ
ン電流32、静電レンズ5に印加されるエミッション引
出し電圧(V1 )および電子の加速電圧(V0 )を制御
する。 (3) 電子銃6から放出された電子ビーム7が試料11上
に照射されたときのプローブ電流を試料11とアースE
との間に設けたプローブ電流検出回路pAで検出し、プ
ローブ電流値が最大となるようにプローブ電流制御回路
35と連動して電子銃光軸を機械的に動かす(図示して
いないが、電子銃軸調整つまみを人の手を介さずに駆動
できる電子銃軸駆動装置が取付けられている)。又は電
子銃6の光軸近傍に設けた、例えば静電偏向板のような
偏向手段(図示せず)により、電子銃と鏡体全体の電子
光学的軸が合うように電気的なアライメントを行う。
【0044】なお、プローブ電流の代わりに電子銃6の
下方に設けたビームモニタ装置36およびビームモニタ
(BM)制御回路37により、電子ビーム7が最大値を
示すように電子銃光軸のアライメントを行うようにして
も良い。 (4) コンデンサレンズ8を励磁し、電子線プローブ12
のプローブ電流値が最大となるようにコンデンサレンズ
軸駆動手段(図示せず)によりレンズ軸を調整する。又
は、コンデンサレンズ電源38およびコンデンサレンズ
制御回路39により、レンズ電流値を少し増減させたと
きに試料11の画像がCRT18aのほぼ中心上で同心
円的にぼけるようにレンズ軸駆動手段によりレンズ軸を
調整する。
【0045】この時、同心円的にぼけるか否かの判断
は、いったん操作者の判断にゆだねるようにしてもよい
し、前記信号制御回路21およびメモリ回路22により
コンデンサレンズ電流値の増減をN回繰り返したときの
各々の画像を記憶しておき、CRT18aの中心付近で
の像が最もシャープになるときの記憶画面に近づくよ
う、自動的にレンズ軸が調整されるようにしても良い。 (5) 対物レンズ9を励磁し、上記(4) と同様の方法で電
子線プローブ12の電流値が最大となるように、あるい
は対物レンズ電源40、対物レンズ制御回路41、及び
信号制御回路21とメモリ回路22とを組み合わせてC
RT18aの中心付近で同心円的に像がぼけるように対
物レンズ9のレンズ軸を調整する。
【0046】なお、装置設計上、電子銃軸、対物レンズ
軸、コンデンサレンズ軸の少なくとも1つが機械的に固
定されている場合がある。このような場合は、固定され
ている方の軸調整は省略してもよく、また、軸調整の順
序は上記(3) 、(4) 、(5) の順序にこだわらなくても良
く、機械的に固定されているレンズ軸に対し、可動軸の
方を電子光学的中心軸に合うように調整できるようにな
っていればよい。 (6) 対物絞り装置42および対物絞り制御回路43、な
らびにビームモニタ装置36およびビームモニタ制御回
路37に関しても前記(4) 、(5) と同様の光軸調整を行
う。 (7) 電子光学的な軸調整終了後、試料11を観察するの
に適切な試料傾斜角を設定する。これは、試料ステージ
駆動電源44とステージ制御回路45により設定され
る。ただし、試料傾斜角には装置設計上の制約があり、
またいろいろと角度を変えて観察したい場合もあるの
で、傾斜角の最終設定は操作者の判断を介するようにプ
ログラムを組むようにしておくことが望ましい。
【0047】以上のようにして装置条件の設定が終了す
ると、ステップS27では前記設定された装置条件で得
られた走査像がメモリ22に記憶されると共にCRT1
8aに表示される。
【0048】なお、上記した例では拡大倍率が自動設定
されず、表示された装置条件(図4参照)に示された最
適範囲内でオペレータが適宜に調節するが、本発明はこ
れのみに限定されず、観察に適した倍率に自動設定され
るようにしても良い。
【0049】ステップS28では、同一の試料を装置条
件を変化させて比較するか否かの選択が行われ、比較を
行う場合はステップS29へ進む。
【0050】ステップS29では、オペレータが変更す
る装置条件の項目およびデータを操作卓27から入力し
て装置条件を変更する。ステップS30では、変更前の
装置条件による走査像がメモリ22から読み出されてC
RT18a、18bの例えば右半分に表示され、変更後
の装置条件による走査像が左半分に表示される。したが
って、オペレータはどの装置条件をどのように変更すれ
ば走査像がどのように変化するのかを具体的に確認する
ことができるので、最適な装置条件を簡単かつ確実に設
定できるようになる。
【0051】ステップS31において走査像の比較が終
了し、最適な装置条件が確定すると、ステップS32で
は装置条件変更前および変更後のいずれかの走査像を選
択する。ステップS33では、選択された走査像がCR
T18a、18bの全面に表示される。
【0052】ステップS34では、表示された走査像に
基づいて観察や記録が行われる。ステップS35では、
前記ステップS29において変更した装置条件を当該試
料に応じた最適な装置条件として新たに登録したり、従
来の装置条件を更新したりするか否か、すなわち学習を
実行するか否かをオペレータが判断し、学習する場合
は、ステップS36において当該装置条件をファイルに
登録/更新する。
【0053】本実施例によれば、試料名や試料の属性と
いった、試料を特定するための識別情報を登録するだけ
で当該試料の観察に最適な装置条件が自動的に設定され
るようになるので、最適条件での試料観察が簡単かつ確
実に行えるようになる。
【0054】また本実施例では、識別情報に基づいて自
動的に選択された装置条件を容易に変更することができ
るので、各試料の状態に応じて装置条件を微調整するこ
とも可能になる。
【0055】さらに本実施例では、異なった装置条件で
得られた走査像を同時に表示できるようにしたので、よ
り最適な装置条件を簡単に見出だすことができるように
なる。しかも本実施例では、このようにして得られた装
置条件を当該試料に関する最適装置条件として改めて登
録することにより学習効果を得ることができるので、使
い勝手がさらに向上する。
【0056】なお、図4に示したメニューでは項目を2
段階に階層づけしたが、さらに細かく階層づけしてもか
まわない。また、試料11に対して最適装置条件が設定
された後の像観察において、オートフォーカスやオート
スティグマ、さらに微細なオートアライメント、自動明
るさ・コントラスト調整などは、最近のほとんどのSE
Mに標準装備されているので、これらを中央制御装置2
3を介してワンタッチで自動調整できるようにしても良
い。
【0057】図5は本発明の第2実施例であるインレン
ズタイプの走査電子顕微鏡の概略構成図であり、前記と
同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0058】図5において、第1コンデンサレンズ8a
にさらに第2コンデンサレンズ8bが追加され、対物レ
ンズ9と合わせて三段電磁レンズ系をなし、試料11へ
の電子線プローブ12の照射角およびプローブ電流が、
より精度良く制御できるように構成されている。また、
対物レンズギャップ内には反射電子検出器47が設けら
れ、光軸から出し入れ自在な状態で支持されている。
【0059】さらに、対物レンズ9の下方には透過電子
検出器48が設けられ、透過走査電子像(STEM像)
も観察できるようになっている。また、対物レンズ9の
上方にはエネルギ分散形X線検出器(EDX)49が取
り行けられている。
【0060】このような構成により、二次電子像のみで
はなく、反射電子像、透過電子像、X線分析などの観察
・分析も可能となり、試料に対するより適切な観察・分
析方法が拡大適用できるようになる。
【0061】なお、本発明は前述した実施例に限定され
ないことはもちろんであり、例えば透過形電子顕微鏡、
X線マイクロアナライザ、SEM機能と融合した走査形
トンネル顕微鏡、電子ビームテスタ、イオンマイクロア
ナライザなど、各種の荷電粒子線装置及びその類似装置
に適用しても同様の効果を奏しうる。
【0062】また、上記した実施例では、試料名や試料
の属性等に応答して読み出される装置条件は予めメモリ
等の記憶装置に登録されているものとして説明したが、
本発明はこれのみに限定されるものではなく、オペレー
タが自由に作成して記憶装置に登録できるようにしても
良い。
【0063】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば次のよ
うな効果が達成される。 (1) 試料名や試料の属性といった、試料を特定するため
の識別情報を登録するだけで、当該試料の観察に最適な
装置条件が自動的に設定されるようになるので、試料の
最適条件での観察が簡単かつ確実に行えるようになる。 (2) 識別情報に基づいて自動的に選択された装置条件を
容易に変更することができるので、各試料の状態に応じ
て装置条件の微調整も可能になる。 (3) 異なった装置条件で得られた走査像を同時に表示で
きるようにしたので、より最適な装置条件を簡単に見出
だすことができるようになる。しかも、このようにして
得られた装置条件を当該試料に関する最適装置条件とし
て改めて登録することにより学習効果を得ることができ
るので、使い勝手がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能ブロック図である。
【図2】 図1の動作を説明するためのフローチャート
である。
【図3】 本発明の一実施例であるSEMの概略構成図
である。
【図4】 本発明によるメニュー画面の一例を示した図
である。
【図5】 本発明の第2実施例であるSEMの概略構成
図である。
【図6】 図3の動作を説明するためのフローチャート
である。
【図7】 装置条件の表示例を示した図である。
【符号の説明】
3…外部記憶装置、6…電界放出形電子銃、7…電子ビ
ーム、11…試料、12…電子線プローブ、18a、1
8b…CRT、21…信号制御回路、22…メモリ回
路、23…中央制御装置、27…操作卓、29…排気系
制御回路、31…高圧制御回路、35…プローブ電流制
御回路、39…コンデンサレンズ制御回路、41…対物
レンズ制御回路、43…対物絞り制御回路、101…識
別情報入力手段、102…装置条件記憶手段、103…
装置条件選択手段、104…表示手段、105…装置条
件設定手段、106…装置条件変更手段、107…電子
線装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中泉 泰 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内 (72)発明者 羽崎 栄市 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線を試料に照射し、試料から二
    次的に発生する信号を検出して観察像を得る荷電粒子線
    装置において、 試料を特定するための識別情報を入力する手段と、 各種装置条件を識別情報に基づいて選択できるように記
    憶する装置条件記憶手段と、 前記入力された識別情報に応答した装置条件を前記装置
    条件記憶手段から選択する装置条件選択手段と、 前記選択された装置条件を自動設定する装置条件設定手
    段とを具備したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 【請求項2】 前記識別情報は試料名であることを特徴
    とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 【請求項3】 前記識別情報は試料の属性を表す少なく
    とも1つの属性情報であることを特徴とする請求項1記
    載の荷電粒子線装置。
  4. 【請求項4】 属性情報を一覧表示する手段をさらに具
    備し、識別情報の入力は、一覧表示された属性情報の少
    なくとも1つを指定することにより行われるようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  5. 【請求項5】 前記選択された装置条件を表示する手段
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれかに記載の荷電粒子線装置。
  6. 【請求項6】 前記選択された装置条件の少なくとも一
    部を変更する手段をさらに具備したことを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載の荷電粒子線装
    置。
  7. 【請求項7】 前記変更された装置条件を前記装置条件
    記憶手段に記憶する手段をさらに具備したことを特徴と
    する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の荷電粒
    子線装置。
  8. 【請求項8】 第1の装置条件による観察像および第2
    の装置条件による観察像を同時に表示する手段をさらに
    具備したことを特徴とする請求項1ないし請求項7のい
    ずれかに記載の荷電粒子線装置。
  9. 【請求項9】 荷電粒子線を試料に照射し、試料から二
    次的に発生する信号を検出して観察像を得る荷電粒子線
    装置の観察方法において、 試料を特定するための識別情報を入力し、 前記入力された識別情報に応答した装置条件を記憶手段
    から選択し、 前記選択された装置条件を自動設定して観察するように
    したことを特徴とする荷電粒子線装置の観察方法。
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