JP2004158366A - 電子顕微鏡、電子顕微鏡の観察像記憶方法、電子顕微鏡の観察像記憶プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

電子顕微鏡、電子顕微鏡の観察像記憶方法、電子顕微鏡の観察像記憶プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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裕 古川
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Abstract

【課題】同じ試料を異なる倍率で観察した観察像において、相互の関連付けや領域のマーキングを容易に行える電子顕微鏡等を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡は、複数の観察像を画像ファイルとして記憶可能であり、低倍率で試料を像観察した低倍率観察像aに、同じ試料を像観察した高倍率観察像Aの像観察領域情報Wを表示すると共に、同じ試料を低倍率で像観察を行った低倍率観察像aの画像ファイルと高倍率で像観察を行った高倍率観察像Aの画像ファイルとを、低倍率観察像aにおける高倍率観察像Aの像観察領域情報Wと共に関連付けて記憶するよう制御する。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型、透過型等の電子顕微鏡およびその操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムならびにコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、微小物体を拡大する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等の他、電子レンズを使った電子顕微鏡が利用されている。電子顕微鏡は、電子の進行方向を自由に屈折させ、光学顕微鏡のような結像システムを電子光学的に設計したものである。電子顕微鏡には、試料や標本を透過した電子を電子レンズを用いて結像する透過型の他、試料表面で反射した電子を結像する反射型、収束電子線を試料表面上に走査して各走査点からの二次電子を用いて結像する走査型電子顕微鏡、加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イオン顕微鏡)等がある。
【0003】
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)は、対象となる試料に細い電子線(電子プローブ)を照射した際に発生する二次電子や反射電子を、二次電子検出器、反射電子検出器等それぞれの検出器を用いて取り出し、ブラウン管やLCD等の表示画面上に表示して、主として試料の表面形態を観察する装置である。一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中で原子により散乱、回折された電子を電子回折パターンまたは透過電顕像として得ることによって主に物質の内部構造を観察できる。
【0004】
電子線が固体試料に照射されたとき、電子のエネルギーによって固体中を透過するが、その際に試料を構成する原子核や電子との相互作用によって弾性的な衝突、弾性散乱やエネルギー損失を伴う非弾性散乱を生じる。非弾性散乱によって試料元素の殻内電子を励起したり、X線等を励起したり、また二次電子を放出し、それに相当するエネルギーを損失する。二次電子は衝突する角度によって放出される量が異なる。一方、弾性散乱によって後方に散乱し、試料から再び放出される反射電子は、原子番号に固有の量が放出される。SEMはこの二次電子や反射電子を利用する。SEMは電子を試料に照射し、放出される二次電子や反射電子を検出して観察像を結像している(例えば特許文献1)。
【0005】
SEMやTEM等の電子顕微鏡で高倍率の観察像を取得する際、試料の特定の部位の詳細画像と共に、その観察部位の近辺を低倍率で撮像した広域画像も併せて保存したい場合がある。このような場合、従来は高倍率の詳細画像を保存した後に、保存した画像よりも広域の情報を含む低倍率の観察像を別途保存し、その低倍率観察像上に操作者が手作業で像観察領域をマーキングしていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−338603号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では手作業でマーキングを行うため手間がかかるという問題があった。またマーキング作業を忘れてしまったり、広域画像と詳細画像との対応関係を忘れてしまう、画像写真がバラバラになって対応関係が判らなくなってしまう、あるいは広域画像の撮像自体を忘れてしまうといった問題もあった。
【0008】
本発明は、従来のこのような問題を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、低倍率観察像と高倍率観察像との対応関係やマーキング位置を確実に記録できる電子顕微鏡、電子顕微鏡の観察像記憶方法、電子顕微鏡の観察像記憶プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の電子顕微鏡は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶可能であって、かつ一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶可能な記憶手段を備える。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載される電子顕微鏡は、請求項1に加えて、前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項3に記載される電子顕微鏡は、請求項2に加えて、前記像観察領域情報は、低倍率観察像である他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示可能であることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明の請求項4に記載される電子顕微鏡は、請求項1から3のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項5に記載される電子顕微鏡は、請求項1から4のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載される電子顕微鏡の操作方法は、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶する工程と、一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶する工程とを備える。
【0015】
さらに、本発明の請求項7に記載される電子顕微鏡の操作方法は、請求項6に加えて、前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項8に記載される電子顕微鏡の操作方法は、請求項7に加えて、電子顕微鏡の操作方法は更に、低倍率観察像である他の観察像を表示させる際に、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示する工程を備えることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項9に記載される電子顕微鏡の操作方法は、請求項6から8のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項10に記載される電子顕微鏡の操作方法は、請求項6から9のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項11に記載される電子顕微鏡の操作プログラムは、像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶する機能と、一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶する機能とを実現させる。
【0020】
さらに、本発明の請求項12に記載される電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項11に加えて、前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする。
【0021】
さらにまた、本発明の請求項13に記載される電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項12に加えて、低倍率観察像である他の観察像を表示させる際に、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示する機能を実現させる。
【0022】
さらにまた、本発明の請求項14に記載される電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項11から13のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする。
【0023】
さらにまた、本発明の請求項15に記載される電子顕微鏡の操作プログラムは、請求項11から14のいずれかに加えて、前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項16に記載されるコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、請求項11から15のいずれかに記載した電子顕微鏡の操作プログラムを記録したものである。
【0025】
記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を例示するものであって、本発明は電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法、電子顕微鏡の操作プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体を以下のものに特定しない。
【0027】
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0028】
本明細書において電子顕微鏡とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.11x等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
【0029】
以下の実施例ではSEMについて説明する。但し、本発明はTEMやその他の電子顕微鏡関連装置においても利用できる。本発明を具現化した一実施例に係るSEMについて、図1に基づいて説明する。SEMは一般に加速電子の電子線を発生させ試料に到達させるまでの光学系と、試料を配置する試料室と、試料室内を真空にするための排気系と、像観察のための操作系で構成される。また、図2〜図16に、この電子顕微鏡を操作する操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージ図を示す。この電子顕微鏡の操作プログラムは、図1のコンピュータ1にインストールされ、電子顕微鏡の像観察条件の設定や各種操作を行い、図2〜図16に示す観察像の表示を行う表示部を含むユーザインターフェース画面を、図1の表示部28に表示する。
【0030】
光学系は、加速電子の電子線を発生させる電子銃7、加速電子の束を絞り込んで細束化するレンズ系、試料から発生する二次電子や反射電子を検出する検出器を備える。図1に示す走査型電子顕微鏡は、光学系として電子線を照射する電子銃7と、電子銃7から照射される電子線がレンズ系の中心を通過するように補正するガンアライメントコイル9と、電子線のスポットの大きさを細く絞る収束レンズ12であるコンデンサレンズと、収束レンズ12で収束された電子線を試料20上で走査させる電子線偏向走査コイル18と、走査に伴い試料20から放出される二次電子を検出する二次電子検出器21と、反射電子を検出する反射電子検出器22を備える。
【0031】
試料室には、試料台、試料導入装置、X線検出用分光器等が備えられる。試料台はX、Y、Z移動、回転、傾斜機能を備える。
【0032】
排気系は、加速電子の電子線が気体成分通過中に極力エネルギーを失うことなく試料に到達するために必要で、ロータリーポンプ、油拡散ポンプが主として用いられる。
【0033】
操作系は二次電子像、反射電子像、X線像等を表示、観察しながら照射電流の調整、焦点合わせ等を行う。二次電子像等の出力は、アナログ信号であれば写真機によるフィルム撮影が一般的であったが、近年は画像をデジタル信号に変換した出力が可能となり、データの保存や画像処理、印刷等の多種多様な処理が可能である。図1のSEMは、二次電子像や反射電子像等の観察像を表示する表示部28と印刷のためのプリンタ29を備える。また操作系は、像観察条件として少なくとも加速電圧またはスポットサイズ(入射電子線束の直径)を設定するために必要な設定項目の設定手順を誘導(ガイダンス)する誘導手段を備える。
【0034】
図1に示すSEMは、コンピュータ1と接続され、コンピュータ1を電子顕微鏡の操作を行うコンソールとして使用し、また必要に応じて像観察条件や画像データを保存したり、画像処理や演算を行う。図1に示すCPUやLSI等で構成される中央演算処理部2は、走査型電子顕微鏡を構成する各ブロックを制御する。電子銃高圧電源3を制御することにより、フィラメント4、ウェーネルト5、アノード6からなる電子銃7より電子線を発生させる。電子銃7から発生された電子線8は、必ずしもレンズ系の中心を通過するとは限らず、ガンアライメントコイル9をガンアライメントコイル制御部10によって制御することで、レンズ系の中心を通過するように補正を行う。次に、電子線8は収束レンズ制御部11によって制御される収束レンズ12であるコンデンサコイルによって細く絞られる。収束された電子線8は、電子線8を偏向する非点収差補正コイル17、電子線偏向走査コイル18、対物レンズ19、および電子線8のビーム開き角を決定する対物レンズ絞り13を通過し、試料20に至る。非点収差補正コイル17は非点収差補正コイル制御部14によって制御され、ビーム形状を制御する。同様に電子線偏向走査コイル18は電子線偏向走査コイル制御部15によって、対物レンズ19は対物レンズ制御部16によって、それぞれ制御され、これらの作用によって試料上を走査する。試料20上を電子線8が走査することにより、試料20から二次電子、反射電子等の情報信号が発生され、この情報信号は二次電子検出器21、反射電子検出器22によりそれぞれ検出される。検出された二次電子の情報信号は二次電子検出増幅部23を経て、また反射電子の情報信号は反射電子検出器22で検出されて反射電子検出増幅部24を経て、それぞれA/D変換器25、26によりA/D変換され、画像データ生成部27に送られ、画像データとして構成される。この画像データはコンピュータ1に送られ、コンピュータ1に接続されたモニタ等の表示部28にて表示され、必要に応じてプリンタ29にて印刷される。
【0035】
排気系ポンプ30は、試料室31内部を真空状態にする。排気系ポンプ30に接続された排気制御部32が真空度を調整し、試料20や観察目的に応じて高真空から低真空まで制御する。
【0036】
電子銃7はあるエネルギーをもった加速電子を発生させるソースとなる部分で、W(タングステン)フィラメントやLaBフィラメントを加熱して電子を放出させる熱電子銃の他、尖状に構成したWの先端に強電界を印加して電子を放出させる電界放射電子銃がある。レンズ系には、収束レンズ、対物レンズ、対物レンズ絞り、電子線偏向走査コイル、非点収差補正コイル等が装着されている。収束レンズは電子銃で発生した電子線をさらに収斂して細くする。対物レンズは最終的に電子プローブを試料に焦点合わせするためのレンズである。対物レンズ絞りは収差を小さくするために用いられる。検出器には、二次電子を検出する二次電子検出器と反射電子を検出する反射電子検出器がある。二次電子はエネルギーが低いのでコレクタにより捕獲され、シンチレータにより光電子に変換されて、光電子倍増管で信号増幅される。一方、反射電子の検出にはシンチレータあるいは半導体型が用いられる。
【0037】
[試料台(ステージ)]
観察位置の位置決めは、試料20を載置した試料台33を物理的に移動させて行う。この場合は観察位置決め手段が試料台33で構成される。試料台33は試料20の観察位置を調整可能なように様々な方向への移動、調整が可能である。移動、調整の方向は、試料台の観察位置を移動、調整させるため、試料台のX軸方向、Y軸方向、R軸方向への移動および微調整が可能である他、試料の傾斜角度を調整するために試料台のT軸方向の調整、ならびに対物レンズと試料との距離(ワーキングディスタンス)を調整するために試料台のZ軸方向の調整が可能である。
【0038】
観察像の位置決めや観察視野の移動には、試料台を物理的に移動させる方法に限られず、例えば電子銃から照射される電子線の走査位置をシフトさせる方法も利用できる。あるいは両者を併用する方法も利用できる。あるいはまた、広い範囲で一旦画像データを取り込み、データをソフトウェア的に処理する方法も利用できる。この方法では、一旦データが取り込まれてデータ内で処理されるため、ソフトウェア的に観察位置を移動させることが可能で、試料台の移動や電子線の走査といったハードウェア的な移動を伴わないメリットがある。予め大きな画像データを取り込む方法としては、例えば様々な位置の画像データを複数取得し、これらの画像データをつなぎ合わせることで広い面積の画像データを取得する方法がある。あるいは、低倍率で画像データを取得することによって、取得面積を広く取ることができる。
【0039】
[eプレビュー]
本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡は、簡易観察像取得機能(プレビュー機能)としてeプレビューを備える。eプレビューとは、最適な観測条件を得るために電子顕微鏡もしくはコンピュータ側で推奨の観測条件を簡易的に複数作成し、各々の観測条件で観察像を取得し、複数の簡易観察像として一覧表示するものである。まずSEMの像観察条件の設定項目の内、1つまたは複数を変化させた設定を、簡易的な像観察条件として複数組準備しておく。例えば加速電圧や検出器の種類を変更した複数の簡易像観察条件を自動的に生成する。そして準備した複数組の簡易像観察条件を順にSEMに設定し、それぞれの条件で試料を連続的に観察する。観察した複数の簡易観察像は一時的に保存し、表示部28の第2表示領域48等に一覧表示する。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して複数枚を同時に表示させることができる。一覧表示することによって、複数の簡易観察像を対比し易くできる。さらに、選択された簡易観察像は第1表示領域47で拡大表示される。ただ、簡易観察像を一枚ずつ切り替えて表示させてもよい。切り替えにはマウスクリックやボタン操作でトグル状に切り替える他、一定時間毎に自動的に表示を切り替えるスライドショーのような形態も利用できる。一枚ずつ表示することによって各簡易観察像をより大きく表示でき、詳細な観察が可能となる。
【0040】
例えば操作者は、表示された複数の簡易観察像を比較し、チャージアップの発生を確認する。簡易観察像の画面でチャージアップによる像障害が発生しているものがあれば、その手前の観察像で用いた加速電圧が、チャージアップが発生しない最大の加速電圧になる。必要に応じて、eプレビューは複数回実行する。例えばチャージアップが確認されない場合は、加速電圧を上げて再度eプレビューを行う。あるいは、チャージアップが生じない最大加速電圧を詳細に調べるために、eプレビューで使用する加速電圧の変化量を小さくして絞り込みを行うこともできる。このようにして測定したチャージアップしない最大加速電圧を、除電終了電圧として設定する。設定は、第2表示領域から該当する簡易観察像を操作者が選択することで、自動的にその加速電圧をチャージアップしない最大加速電圧として電子顕微鏡またはコンピュータが保持し、設定する。またチャージアップしない最大加速電圧を操作者が手動で記録もしくは入力してもよい。
【0041】
本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡において、以前に結像された観察像を像観察条件と共に記憶される画像ファイル、および前回に結像された観察像に対応する像観察条件は、例えばコンピュータ1のメモリに記憶される。
【0042】
この電子顕微鏡では、排気系によって試料室内の真空度を変更して像観察を行うことが可能である。一般に試料室が高真空であれば分解能の高い鮮明な画像を得ることができるが、反面チャージアップが生じ易くなり、また水分を含む試料の観察に不適といった欠点がある。一方で低真空であればチャージアップが生じ難くなり、絶縁体や水分を含む試料の観察に適している反面、鮮明な観察像を得ることが困難になるという欠点がある。したがって、観察対象の試料や観察目的に応じて試料室内の圧力(真空度)を調整することで更に適切な観察像を得ることが可能となる。しかしながら、真空度を調整することによって、像観察条件のパラメータが更に増えることとなり、SEMの操作に慣れていない初心者にとっては条件設定がより困難となる。特に低真空観察では像観察条件の調整が困難となり、結像すら容易でない。そこで本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡では、低真空観察用の観察モードに特化したガイダンス機能を設けることにより、このガイダンスに従って初心者でも容易に低真空観察が可能なユーザ環境を提供している。さらに、通常の高真空観察に適した高真空観察用のガイダンス機能も設け、操作者にいずれの圧力(真空度)で観察を行いたいかを選択させることによって、それぞれに適したガイダンス機能が実行される。また、高真空観察、低真空観察の二段階のみならず、中真空観察、超高真空観察等も加えて三段階、四段階以上といった複数のガイダンス機能を設けることもできる。
【0043】
なお本明細書においては高真空、低真空の値を特に限定するものでないが、一般に高真空とは圧力が0.1Pa〜10−5Pa(10−3〜10−7Torr)あるいは更に真空度の高い10−5Pa〜10−8Pa(10−7〜10−10Torr)、また低真空とは100kPa〜100Pa(760〜1Torr)あるいは100Pa〜0.1Pa(1〜10−3Torr)を指す。低真空観察は、例えばESEM(環境制御型SEM)を用いて試料室の圧力を調整することにより実行される。
【0044】
また本明細書において、少なくとも真空度の設定を含むとは、必ずしも真空度を調整するという意味でなく、真空度を一定に保つ設定も含むものとする。
【0045】
[電子顕微鏡の操作プログラム]
次に、電子顕微鏡の操作を行うための電子顕微鏡の操作プログラムについて説明する。この電子顕微鏡の操作プログラムは、電子顕微鏡に接続されたコンピュータにインストールされ、実行される。電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータが電子顕微鏡の操作プログラムと通信を行い、必要な情報を送受信して設定を行う。通信は、例えばRS−232CケーブルやUSBケーブルを介してシリアル通信で行われる。
【0046】
図2〜図16に、電子顕微鏡の操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージの一例を示す。なお、これらの画面において各入力欄や各ボタンなどの配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様などは適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。
【0047】
これらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力などの指定は、電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータに設けられた入力デバイスで行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力デバイスによりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータに固定されている。一般的な入力デバイスとしては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイントなどの各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、電子顕微鏡自体やその周辺機器の操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上を操作者が手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
【0048】
なお、電子顕微鏡の操作プログラムをインストールされたコンピュータに接続された入出力デバイスから設定を行う態様の他、電子顕微鏡の操作プログラムや専用ハードウェアを電子顕微鏡に組み込み、電子顕微鏡のみで設定を行えるようにしても良い。この場合、入出力デバイスは電子顕微鏡に設けられあるいは接続され、必要に応じて設定用のモニタなどが接続される。
【0049】
[メニュー画面]
電子顕微鏡の操作プログラムを起動すると、メニュー画面が表示部28に表示される。メニュー画面の一例を図2に示す。この図に示すメニュー画面は、オート観察モードまたはマニュアル観察モードのいずれかを選択する観察モード選択手段の一態様である。メニュー画面にはアイコン状のボタンが配置されており、各々のボタンを押下すると、該当する画面に切り替わる。本実施の形態では、複数のガイダンス機能として第一のオート観察モード、第二のオート観察モードを用意し、メニュー画面からいずれかを選択できる。ここでは第一のオート観察モードを高真空観察用のガイダンス機能とし、第二のオート観察モードを低真空観察用のガイダンス機能としている。さらに初心者ユーザに理解し易いよう、「低真空観察」を、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適した「オート観察▲2▼」と呼び、通常の高真空観察を「オート観察▲1▼」と呼ぶことで、操作者は真空度や圧力といった概念を意識することなく、単に観察したい試料に応じて適切なガイダンス機能を選択することができ、専門知識のない操作者でも容易に使用できる。
【0050】
図2のメニュー画面には、手軽に使用したいユーザ向けの簡単操作による観察モード(第一のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する“オート観察▲1▼”アイコン(第一のオート観察モード設定手段)101、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適している観察モード(第二のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する“オート観察▲2▼”アイコン(第二のオート観察モード設定手段)102、および全てのパラメータを操作できる観察モード(マニュアル観察モード)に対応する操作画面に移行する“マニュアル観察”アイコン(マニュアル観察モード設定手段)103からなる観察モード設定手段が表示される。また、メニュー画面には、観察モード設定アイコンの他に、取り込んだ画像の整理を行うアルバムモード(画像ファイル編集モード)の操作画面に移行する“アルバム”アイコン(画像ファイル編集モード設定手段)104、距離や面積を計測する計測モード操作画面に移行する“計測”アイコン(計測モード設定手段)105、消耗品の交換時に使われるメンテナンスモードの操作画面に移行する“メンテナンス”アイコン(メンテナンスモード設定手段)106、各種初期設定を行う初期設定モードの操作画面に移行する“初期設定”アイコン(初期設定モード設定手段)107、およびメニュー画面を終了する“終了”アイコン108が表示される。
【0051】
“オート観察▲1▼”アイコン101を押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、図3に示す第一のオート観察モードの操作画面に切り替えられる。また同様に、“オート観察▲2▼”アイコン102、“マニュアル観察”アイコン103を押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、図6に示す第二のオート観察モードの操作画面、図12に示すマニュアル観察モードの操作画面にそれぞれ切り替えられる。
【0052】
[第一のオート観察モード]
(試料分類ステップ)
図3に、第一のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面の一例を示す。表示部28には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー201と、観察する試料の材質を設定する第一オート観察用試料指定手段211と、前回に設定された像観察条件を観察条件として設定する前回条件設定手段212と、試料交換を指示する試料交換指示手段208と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段209とが表示される。
【0053】
操作フロー201は、例えば試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ(プレビューステップ)、条件選択ステップ、および観察ステップが順に表示される。操作フロー201の各ステップを以下に説明する。
【0054】
(1)試料分類ステップは、観察サンプルがどのような材質であるかを見極め、最初に電子線を照射する条件を決定するためのステップである。具体的にはサンプルが絶縁体の場合はチャージアップ現象が生じるためチャージアップし難い観察条件で、また、サンプルが導体の場合はチャージアップや試料の損傷等を気にするよりも信号量や画質を優先した観察条件が設定される。
【0055】
(2)位置決めステップは、出来るだけ低倍率でSEM観察を行い、観察したい位置をさがし、観察したい倍率に設定するためのステップである。
【0056】
(3)eプレビューステップは、観察の目的に応じて、最適な観察条件を探すためのステップである。eプレビューステップにおいては、複数の像観察条件で簡易的に試料を結像する。
【0057】
(4)条件選択ステップにおいては、簡易的に結像察した画像を見比べることで目的に最適な観察条件を選び、その観察条件を装置に設定するためのステップである。
【0058】
(5)観察ステップは、フォーカスやコントラスト、明るさ(ブライトネス)、非点収差等の微調整を行うためのステップである。また別の場所、別の倍率での観察が必要な場合はそれを行う。
【0059】
(試料分類ステップ)
試料分類ステップにおいては、操作フロー201での“試料分類”の表示が他のステップと異なる態様で表示される。例えば“試料分類”の項目表示が明るい緑色で表示され、他の“位置決め”、“eプレビュー”、“条件選択”、“観察”の項目表示が暗い緑色で表示される。もちろん、色相を変更して異なる態様として表示してもよく、項目枠と文字を反転して表示する、点滅、下線、太字、蛍光色等種々の異なる態様を用いることができる。これによって現在のステップが“試料分類”であることが判断できる。
【0060】
第一のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、図3に示すように第一オート観察用試料指定手段211が設けられる。第一オート観察用試料指定手段211によって、試料の材質を指定し、これに応じた像観察条件が設定される。図3の例ではラジオボタンにより試料の材質を選択させる。ここでは導体のみの試料を設定するラジオボタン(第一の第一オート観察用試料指定手段)211a、または絶縁体を含む試料(または半導体)を設定するラジオボタン(第二の第一オート観察用試料指定手段)211bのいずれかがチェックされ、このチェックに基づいて、導体のみの試料、または絶縁体を含む試料(または半導体)に対応する像観察条件が設定される。また、前回条件設定手段212において、「前回と同じ条件で観察する」チェック欄212aがチェックされたときは、前回に設定された像観察条件が像観察条件として設定される。
【0061】
[位置表示]
図3の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。この“位置表示”画面において、円を複数の領域に分割されそれぞれに番号が付された領域は、試料台33上に同様に番号が付された領域のいずれの部分を観察しているかを判り易くするために表示されている。
【0062】
[セルフ条件設定画面移行手段]
試料分類ステップを示す図3の画面左下には、セルフ条件設定画面へ移行するためのセルフ条件設定画面移行手段の一形態として、セルフ条件設定ボタン209が設けられている。このセルフ条件設定ボタン209は、図3の試料分類ステップのみならず、位置決めステップ、図4のeプレビューステップ、条件選択ステップ、および図5の観察ステップ等他のステップにおいても表示されている。いずれのステップにおいても、セルフ条件設定ボタン209を押下することによって、セルフ条件設定画面への移行が指示され、表示部28に表示される表示画面は、図11に示すセルフ条件設定画面の操作画面に切り替えられる。これによって、操作者は操作フロー201に示されたガイダンスの順序に拘束されることなく、所望のタイミングで所望の像観察条件を設定、変更することが可能となる。このことは、ガイダンス機能によって初心者に判りやすい操作体系を提示すると共に、必要時には詳細設定画面に速やかに移行できる手段を提供することで、ガイダンス順序によらず必要な項目のみを所望の順序、タイミングで設定することが可能となり、知識のある操作者がガイダンス順序によらず任意の項目を設定可能としている。これによって操作者はガイダンス機能を適宜利用しながら、これに拘束されることなく必要な事項を所望の順序で設定できる。このように本実施の形態ではガイダンス機能をエスケープ、あるいはON/OFFすることを可能とし、これによってガイダンス機能と通常の任意設定機能とを並立させ、習熟度や利用形態等の異なる様々なユーザの要求に応えることのできる操作支援環境が実現される。
【0063】
(位置決めステップ)
試料分類ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、位置決めステップに移行する。位置決めステップでは、試料分類ステップで設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が第1表示領域47に表示されており、この観察像に対して観察位置決めや倍率調整を必要に応じて行う。例えば操作者に観察位置の位置決めと拡大倍率を手動で設定させる。また、必要に応じてフォーカス、コントラスト、明るさをそれぞれ調整する。位置決めステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、eプレビューステップに移行する。
【0064】
(eプレビューステップ)
[プレビュー機能]
図4に、第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面の一例を示す。表示部28には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー201と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段231と、予め設定された複数の簡易像観察条件に対応する像観察条件から一の観察条件を設定する簡易像観察条件設定手段232と、試料交換を指示する試料交換指示手段208と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段209とが表示される。eプレビューステップにおいても、図4に示すように操作フロー201の表示の内“eプレビュー”がハイライトされ、他のステップの表示よりも目立つことで現在のステップがプレビューステップにあることが操作者に示される。
【0065】
第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップでは、プレビュー設定手段231において「eプレビューを行う」チェック欄231aがチェックされることにより、eプレビュー実行が選択される。eプレビューの実行によって、予め設定された複数の像観察条件(プレビュー像観察条件)に基づいて複数の観察像を簡易的に結像し表示部に表示される。プレビュー像観察条件の設定は、像観察条件の内、特定の一以上のパラメータを段階的あるいは連続的に変化させることで簡易的な像観察条件を複数設定する。いずれのパラメータを変化させるかは操作者が指定することもできるし、電子顕微鏡側で予め設定しておいても良い。
【0066】
図4の例では、予め設定された複数の簡易像観察条件として、加速電圧と検出器を組み合わせて変化させてA〜Dの4つの条件を設定している。各条件は、具体的なパラメータで表示する他、結果としてどのような観察像が得られるかを説明することで、操作者に観念的に把握し易くできる。ここでは、Aとして「最表面の細かい凹凸情報」に対応する第一の像観察条件(加速電圧2kVで二次電子検出)、Bとして「AとCの中間」に対応する第二の像観察条件(加速電圧5kで二次電子検出)、Cとして「高画質 低ノイズ」に対応する第一の像観察条件(加速電圧20kVで二次電子検出)、およびDとして「材質の違い」に対応する第一の像観察条件(加速電圧20kVで反射電子検出)の4つの簡易像観察条件を設定している。
【0067】
これら4つの簡易像観察条件は、図4において第2表示領域48に表示されている。eプレビューが実行されると、それぞれの簡易像観察条件が表示されている上に簡易観察像が表示される。なお簡易像観察条件のテキストは、簡易観察像表示後もマウスで選択もしくはマウスカーソルを近付けることでチップ表示することができる。観察像を簡易的に結像し観察した複数の簡易観察像は一時的に保存され、表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。
【0068】
(条件選択ステップ)
eプレビュー実行後に「次へ」ボタンを押下すると、条件選択ステップに移行する。条件選択ステップでは、eプレビューステップで設定された4つの簡易像観察条件に基づきeプレビューが実行され、4枚の簡易観察像が結像されて表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。操作者はこの中から所望の画像を選択する。ここにおいて、第2表示領域48は、表示された複数の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するための簡易観察像選択手段として機能する。条件選択ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、観察ステップに移行する。この際、選択された簡易観察像を撮像した際の簡易像観察条件に基づいて、これを像観察条件として設定し、新たに観察像が撮像され、第1表示領域部に表示されるよう制御される。ここでの撮像は、簡易的なものでなく、選択された簡易像観察条件を像観察条件として設定した上で通常の撮像が行われる。選択された簡易像観察条件を像観察条件として設定するための像観察条件設定手段は、簡易観察像を選択した簡易観察像選択手段と同様に第2表示領域48上での選択に基づいて、電子顕微鏡の内部にて中央演算処理部2等が受け持つ。すなわち、図4や後述する図9においては、第2表示領域48の“eプレビュー”画面が、簡易像観察条件からいずれか一つの像観察条件を選択する簡易観察像選択手段、および選択した簡易観察像に設定された簡易像観察条件を像観察条件として設定する像観察条件設定手段として機能する。
【0069】
また、eプレビューを実行しないこともできる。図4のeプレビューステップにおいて、「eプレビューを行う」チェック欄231aのチェックを外し、代わりに簡易像観察条件設定手段232において、A「最表面の細かい凹凸情報」のラジオボタン232a、B「AとCの中間」ラジオボタン232b、C「高画質低ノイズ」ラジオボタン232c、およびD「材質の違い」ラジオボタン232dのうちいずれか一つを選択する。これらの条件は、上記eプレビューのために設定された簡易像観察条件と対応している。簡易像観察条件設定手段232のいずれかを選択すれば、自動的に「eプレビューを行う」チェック欄231aのチェックがオフになるようにしたり、「eプレビューを行う」をラジオボタンとして簡易像観察条件設定手段232に組み込んでも良い。このようにして予め設定された複数の簡易像観察条件からいずれかの条件が選択されると、選択された簡易像観察条件から一の観察条件が設定され、eプレビューが行われることなく、選択されたラジオボタンに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するように制御される。この場合は条件選択ステップが不要となるので、図5に示す観察ステップの操作画面に切り替えられる。
【0070】
eプレビューステップや条件選択ステップ、あるいは位置決めステップにおいても、セルフ条件設定ボタン(セルフ条件設定画面移行手段)209を押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示されると、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられる。
【0071】
(観察ステップ)
図5に第一のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を表示部28に表示する一例を示す。観察ステップでは、結像された観察像に対して倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を必要に応じて行い、さらに高精度な画像の取り込み、保存、印刷、除電等の処理を行う。観察ステップの操作画面は上記と同様、第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー201と、試料交換指示手段208と、セルフ条件設定画面移行手段209等の他、観察ステップにおける操作メッセージを表示する観察操作メッセージ領域251と、倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を行うための調整手段を備える。図5の表示例においては、第2表示領域48に“広域図”画面が表示されている。
【0072】
観察ステップにおいても、セルフ条件設定ボタン(セルフ条件設定画面移行手段)209を押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示されると、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられ、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行する。
【0073】
以上、第一のオート観察モードの試料分類ステップ、eプレビューステップ、および観察ステップのいずれのステップにおいてもセルフ条件設定画面移行手段を表示する例を示したが、オート観察モードにおける所定のステップにおいてのみセルフ条件設定画面移行手段を表示部28に表示する構成とすることができる。セルフ条件設定画面移行手段を表示する所定のステップは、オート観察モードのすべてのステップに設ける必要はなく、そのステップの目的に応じて適宜設定できる。
【0074】
[第二のオート観察モード]
(試料分類ステップ)
次に、第二のオート観察モードの一例として、電気を通さない試料や水分を含んだウェットな試料を観察可能な第二のオート観察モードを、図6〜図10に基づいて説明する。
【0075】
図6に、第二のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面の一例を示す。表示部28に示される試料分類ステップの操作画面は、上記同様第1表示領域47と、第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー301と、試料交換を指示する試料交換指示手段308と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段309等の他、観察する試料の材質を設定する第二オート観察用試料指定手段311と、前回に設定された像観察条件を観察条件として設定する前回条件設定手段312を備える。図6の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。
【0076】
操作フロー301は、例えば試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ、条件選択ステップ、および観察ステップが順に表示される。試料分類ステップにおいては、操作フロー301欄の“試料分類”の表示が他のステップの表示よりも強調され、現在のステップを示している。
【0077】
第二のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、チャージアップ防止を目的とした操作を誘導するチャージアップ防止項目、あるいは試料の蒸発防止を目的とした操作を誘導する蒸発防止項目とが設定可能である。それぞれの項目に対して、チャージアップ防止に適した簡易像観察条件、および蒸発防止に適した簡易像観察条件がeプレビューにおいて設定される。
【0078】
チャージアップを防止するには、高真空では加速電圧を低く抑えて試料の帯電を防止することが挙げられる。一方低真空では空気分子が増えるので、これがイオン化して帯電を阻害するため高い加速電圧としてもチャージアップが生じ難い。このようにチャージアップの度合いは真空度に対する依存が大きいが、その他にスポットサイズの大きさ、加速電圧の高さによる依存性もある。
【0079】
チャージアップ防止目的の簡易像観察条件の例としては、真空度と加速電圧を調整し、例えば高真空で加速電圧が1kV、高真空で加速電圧が2kV、真空度13Paで加速電圧が15kV、および真空度30Paで加速電圧が20kVという4つの簡易像観察条件の組とする。真空度を変化させると、真空引きのため待ち時間が発生する。待ち時間は、変化の度合いに依存するが、バルブの開閉やポンプの回転等機械的な動作が必要となるため、数分〜十数分程度かかる。従来であれば、真空度を変更する度に真空引きの待ち時間が発生するため、操作者は断続的に数分間は作業を止めて待たなければならなかった。中途半端な時間が空くため、電子顕微鏡を離れて別の作業を行うこともできない。しかしながら上記実施の形態では、プレビュー機能によって指定された真空度に自動的に調整されるため、操作者はプレビューが完了するまでの間は電子顕微鏡に付きっきりで待つ必要がなく、他の作業に充てることができ、待ち時間を無駄にせず有効利用することができる。
【0080】
あるいは真空度を固定して加速電圧とスポットサイズを調整し、真空度を13Paで一定のまま、加速電圧が20kVでスポットサイズを16、加速電圧が10kVでスポットサイズを16、加速電圧が15kVでスポットサイズを12、加速電圧が20kVでスポットサイズを8、および加速電圧が10kVでスポットサイズを8とした5つの簡易像観察条件の組とする。真空度の調整には、排気系ポンプ30で試料室31内の圧力を調整するため時間がかかる。よって各簡易像観察条件で真空度を一定とれば、この時間を節約してプレビュー画像を得るために要する時間を短縮できるというメリットがある。
【0081】
一方、試料の蒸発を防止するには、真空度を低く抑えることが挙げられる。また蒸発量は、真空度に対する依存性の他にも、加速電圧にも依存している。これは加速電圧の違いによって試料が加熱される度合いが変わることによる。そこで真空度を一定として加速電圧を調整することによって、上記と同様真空度の調整に要する時間を省き、プレビュー画像を得るために要する時間を短縮できるというメリットがある。
【0082】
蒸発防止目的の簡易像観察条件としては、例えば高真空で加速電圧が1kV、高真空で加速電圧が2kV、真空度13Paで加速電圧が15kV、および真空度30Paで加速電圧が20kVという4つの簡易像観察条件の組とする。あるいは真空度を130Paで固定し、加速電圧が7kVでスポットサイズを16、加速電圧が10kVでスポットサイズを16、加速電圧が15kVでスポットサイズを16、および加速電圧が20kVでスポットサイズを16とした4つの簡易像観察条件の組とする。
【0083】
第二のオート観察モードにおける試料分類ステップでは、図6に示すように第二オート観察用試料指定手段311において、試料の材質を指定する。ここでは操作者が真空度や加速電圧等の値を意識することなく、観察したい試料を選択すれば足りるように、試料の種別と撮像したい観察像の画質を示した選択肢を提示している。図6の例では、第二オート観察用試料指定手段311として第一〜第三の3つの選択肢を備え、ラジオボタンによっていずれかを選択させる。ここでは、「水分を含まない試料<高速>」、「水分を含まない試料<高画質>」、および「水分を含む試料」の3つに分類する。このうち、「水分を含まない試料<高速>」および「水分を含まない試料<高画質>」はチャージアップ防止を必要とする材質が設定されるチャージアップ防止項目に相当し、「水分を含む試料」は蒸発防止を必要とする材質が設定される蒸発防止項目に相当する。具体的には、それぞれ、第一の第二オート観察用試料指定手段311aとして水分を含まない試料または半導体の試料の高速観察を設定するラジオボタン、第二の第二オート観察用試料指定手段311bとして水分を含まない試料または半導体の試料の高画質観察を設定するラジオボタン、および第三の第二オート観察用試料指定手段311cとして水分を含む試料を設定するラジオボタンとする。このうちいずれか一つのラジオボタンが選択されることにより、選択された条件に対応する像観察条件が設定される。
【0084】
また、過去に使用した像観察条件の履歴を記憶する履歴記憶手段を設けることができる。履歴記憶手段に記憶された複数の履歴を遡って表示し、所望の像観察条件を選択して、これを現在の像観察条件として設定する。記憶された過去の履歴の中から選択する際は、実行した日付で特定したり、特定の像観察条件に予め名前を付けて保存することにより、これを呼び出す方法等が利用できる。
【0085】
特に本実施の形態では、このような履歴記憶手段の一態様として、前回に結像された観察像に対応する像観察条件を一つ記憶可能な前回条件設定手段を備えている。前回条件設定手段312において、「前回と同じ条件で観察する」チェック欄312aがチェックされたときは、前回の観察時に設定された像観察条件を呼び出し、これを像観察条件として設定する。
【0086】
第二オート観察用試料指定手段311または前回条件設定手段312において、操作者は像観察条件を設定した後「次へ」ボタンを押下すると、図7の位置決めステップに移行し、第1表示領域47には設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が表示される。
【0087】
一方で試料分類ステップあるいはそれ以外のいずれのステップにおいても、セルフ条件設定画面移行手段309の一形態であるセルフ条件設定ボタンが表示されている。これを押下することによってセルフ条件設定画面への移行が指示され、表示部28に表示される表示画面は、図11の操作画面に切り替えられる。これによって操作者は操作フロー301によるガイダンスから解放され、所望の項目を設定可能となる。
【0088】
(位置決めステップ)
図6の試料分類ステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、位置決めステップに移行する。図7に第二のオート観察モードにおける位置決めステップの操作画面の一例を示す。表示部28に表示される位置決めステップの操作画面には、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を切り替えて表示する第2表示領域48と、SEMの操作手順を誘導する操作フロー301と、位置決めステップにおける操作メッセージを表示する位置決め操作メッセージ領域321と、試料交換を指示する試料交換指示手段308と、像観察条件を個別に設定可能なセルフ条件設定画面に移行するセルフ条件設定画面移行手段309とが備えられる。
【0089】
位置決めステップでは、試料分類ステップで設定された像観察条件に基づいて結像された観察像が第1表示領域47に表示されており、この観察像に対して観察位置決めや倍率調整を必要に応じて行う。第2表示領域48には第1表示領域47で表示されるよりも低倍率の“広域図”画面を表示し、第1表示領域47にて表示中の領域が第2表示領域48でいずれの領域に該当するかが枠線で表示される。例えば操作者に観察位置の位置決めと拡大倍率を手動で設定させる。また、必要に応じてフォーカス、コントラスト、明るさをそれぞれ調整する。位置決めステップ終了後、「次へ」ボタンを押下すると、図8のeプレビューステップに移行する。
【0090】
(プレビューステップ)
図8に、第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面の一例を示す。表示部28に表示されるeプレビューステップの操作画面は、上記図4と同様に第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、プレビュー設定手段331と、簡易像観察条件設定手段332と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309とを備える。このeプレビューステップにおいても、操作フロー301中の“eプレビュー”の表示が他のステップよりも目立つようハイライト表示される。
【0091】
第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップでも、プレビュー設定手段331において「eプレビューを行う」チェック欄331aがチェックされることにより、eプレビュー実行が選択される。「eプレビューを行う」チェック欄331aがチェックされると、簡易像観察条件設定手段332がグレーアウトして選択不能となり、操作者の誤動作を防止する。図8の例でも、予め設定された複数の簡易像観察条件として、簡易像観察条件設定手段332において提示される条件と同一の条件が設定される。ここでは、A「低解像度 低チャージ」、B「Aに近い画像」、C「Dに近い画像」、およびD「高画質 低ノイズ」として、それぞれ低真空観察に適した簡易像観察条件設定がなされる。このステップでは未だeプレビューは実行されず、「次へ」ボタンを押下することによってeプレビューが開始される。eプレビューによって観察像を簡易的に結像し得られた複数の簡易観察像は一時的に保存され、表示部28の第2表示領域48に一覧表示される。
【0092】
また、上記図4と同様にeプレビューを実行しないこともできる。図8のeプレビューステップにおいて、「eプレビューを行う」チェック欄331aのチェックを外し、代わりに簡易像観察条件設定手段332において簡易像観察条件を設定する。図8の例では、4つの選択肢がラジオボタンで表示され、それぞれA「低解像度 低チャージ」のラジオボタン332a、B「Aに近い画像」ラジオボタン332b、C「Dに近い画像」ラジオボタン332c、およびD「高画質低ノイズ」ラジオボタン332dが提示される。これらのラジオボタンからいずれか一つを選択し「次へ」ボタンを押下することにより、eプレビューが行われることなく、選択されたラジオボタンに対応する簡易像観察条件に基づいて観察像を結像し、第1表示領域47に表示するように制御される。この場合、図9の条件選択ステップは不要で、図10に示す観察ステップの操作画面に切り替えられる。
【0093】
(条件選択ステップ)
図9に第二のオート観察モードにおける条件選択ステップの操作画面の一例を示す。この図に示す操作画面も、第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、条件選択ステップにおける操作メッセージを表示する条件選択観察操作メッセージ領域341と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309等を備える。
【0094】
図9の表示例においては、第2表示領域48に“eプレビュー”画面が表示される。条件選択ステップにおいては、第2表示領域48に表示された4つの“eプレビュー”画面からいずれか一つの画面を押下することによってその画面に対応する簡易像観察条件が設定される。すなわち、第2表示領域48の“eプレビュー”画面が、簡易像観察条件からいずれか一つの像観察条件を選択する簡易観察像選択手段、および選択した簡易観察像に設定された簡易像観察条件を像観察条件として設定する像観察条件設定手段として機能する。なおeプレビュー動作中でも選択は可能である。eプレビューの描画には時間がかかるが、4つの簡易観察像の結像が完了しない描画中においても操作者は所望の簡易観察像もしくは未表示の画面を選択することができる。このようにして操作者は第2表示領域48においていずれかの画面を選択し、「次へ」ボタンを押下すると観察ステップに移行する。
【0095】
(観察ステップ)
図10に第二のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面の一例を示す。この図は上記図5と対応しており、同様に第1表示領域47と、第2表示領域48と、操作フロー301と、観察操作メッセージ領域351と、試料交換指示手段308と、セルフ条件設定画面移行手段309とを備える。図10の表示例においては、第2表示領域48に“広域図”画面が表示されており、上記の通り結像された観察像に対して倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を必要に応じて行い、さらに高精度な画像の取り込み、保存、印刷、除電等の処理を行う。これらの調整を行うために図10の画面は、図5と同様、倍率調整、視野移動、コントラスト・明るさ・フォーカス調整等を行うための調整手段を備える。
【0096】
以上、第二のオート観察モードの試料分類ステップ、位置決めステップ、eプレビューステップ、条件選択ステップ、および観察ステップのいずれのステップにおいてもセルフ条件設定画面移行手段を表示する例を示したが、オート観察モードにおける所定のステップにおいてセルフ条件設定画面移行手段を表示部28に表示する構成とすることができる。セルフ条件設定画面移行手段を表示する所定のステップは、オート観察モードのすべてのステップに設ける必要はなく、そのステップの目的に応じて適宜設定できる。
【0097】
[セルフ条件設定画面]
次に、セルフ条件設定画面について説明する。セルフ条件設定画面は、定められた操作フローに従って順に条件設定を行うオート観察モードとは異なり、操作者が所望の項目を任意の順に設定できる。そのため、図6〜図10で設定可能な項目を一画面にまとめたような構成である。なお、すべての項目を一画面で設定可能とする必要はなく、特定の項目は別画面で設定するよう構成してもよいことはいうまでもない。また必要な際はモード復帰手段として「戻る」ボタンを押下すれば、オート観察モードに復帰することもできる。
【0098】
さらに、モード切替手段として、本実施の形態では画面の下部に設けられたタブを切り替えることで、より詳細設定が可能なマニュアル観察に切り替えたり、オート観察▲1▼・オート観察▲2▼への変更や、計測モード、アルバムモード等にも切り替えることができる。なお後述するマニュアル観察ではすべての設定項目を調整可能であるが、セルフ条件設定画面は、所定の項目のみを設定可能としている。セルフ条件設定画面は、ある程度操作に慣れた操作者を対象にしており、通常変更する必要のない項目は変更できないようにすることで、誤操作を防止している。より詳細な設定が行いたい操作者は、マニュアル観察モードに移行する。
【0099】
図11に、第一のオート観察モードからセルフ条件設定画面に移行した際に表示部28に表示される操作画面の一例を示す。この操作画面は、上記と同様に第1表示領域47と、第2表示領域48の他、観察する試料の材質を設定する試料指定手段401と、予め設定された複数の簡易像観察条件に対応する像観察条件から一の観察条件を設定する簡易像観察条件設定手段402と、検出器、加速電圧、およびスポットサイズ等を設定する個別条件設定手段403と、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定するファイル対応条件設定手段404とを備える。図11の表示例においては、第2表示領域48に“位置表示”画面が表示されている。
【0100】
試料指定手段401では、観察対象の試料の材質を指定する。図11に示す試料指定手段401は、2つの選択肢として「導体のみの試料」のラジオボタン401aまたは「絶縁体を含む試料」のラジオボタン401bが設けられる。このいずれかを選択すると、それぞれの試料観察に適した像観察条件が設定される。
【0101】
また、セルフ条件設定画面においてもプレビュー機能を実行可能である。試料指定手段401において試料の特性を指定した後、プレビュー設定手段の一態様である“eプレビュー”ボタン401cを押下すると、eプレビューが実行される。第2表示領域48が自動的にeプレビューのタブに切り替わり、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の簡易観察像が第2表示領域48に表示される。複数の簡易像観察条件は、後述する簡易像観察条件設定手段402で示される簡易観察条件と対応しているので、操作者は各簡易観察像の簡易像観察条件を確認できる。
【0102】
簡易像観察条件設定手段402では、プレビュー機能を実行することなく操作者が指定した簡易像観察条件に基づいて観察像の結像が行われる。図11の簡易像観察条件設定手段402では、A〜Dの4つの簡易像観察条件が選択肢として提示されており、操作者は所望のラジオボタンを選択する。ここでは、A「最表面の細かい凹凸情報(加速電圧2kV)」のラジオボタン402a、B「AとCの中間(加速電圧5kV)」ラジオボタン402b、C「高画質 低ノイズ(加速電圧20kV)」ラジオボタン402c、およびD「材質の違い(20kV 反射電子)」ラジオボタン402dが提示されている。このうちいずれか一つのチェックボックスがチェックされ、“上の条件に設定する”ボタン402eが押下されることにより、選択された簡易像観察条件が設定され、この像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部の第1表示領域47に表示するよう制御される。
【0103】
また、上記と別に、像観察条件を個別に設定可能な個別条件設定手段403によって像観察条件を個別に設定することもできる。像観察条件としては、例えば検出器、加速電圧、スポットサイズ等の項目が挙げられる。図11の例では個別条件設定手段403における“検出器”ボックス403aから検出器の種類を選択することにより、検出器が設定される。また、“加速電圧”ボックス403bから加速電圧の数値を選択することにより、加速電圧が設定される。さらに、“スポットサイズ”ボックス403dからスポットサイズの数値を選択することにより、スポットサイズが設定される。ここでは、個別条件設定手段において、検出器、加速電圧、スポットサイズを個別に設定する例を示したが、これ以外の像観察条件のパラメータとして、真空度、非点収差、光軸等種々の像観察条件を設定するよう構成してもよい。
【0104】
また、“ファイルから読み出す”ボタン(ファイル対応条件設定手段)404によって、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定することができる。“ファイルから読み出す”ボタン404を押下すると、以前に記憶された画像ファイルあるいは以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件が選択可能となり、選択された以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御される。
【0105】
なお、図11は第一のオート観察モードにおいてセルフ条件設定画面を選択した例を示したが、第二のオート観察モードにおいても同様のセルフ条件設定画面の操作画面が提供される。第二のオート観察モードが低真空観察の場合は、低真空観察に適した条件が提示される。
【0106】
[マニュアル観察モード]
さらに、本実施の形態に係る電子顕微鏡は、すべての設定項目が調整可能なマニュアル観察モードを備えている。このモードは、操作者自身がすべての像観察条件を設定可能なモードである。図12に、マニュアル観察モードにおける操作画面の一例を示す。この図に示す操作画面は、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、観察像の画像補正を設定する画像補正設定手段601と、検出器、加速電圧、真空度、およびスポットサイズ等の像観察条件を個別に設定する個別条件設定手段603と、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定するファイル対応条件設定手段604と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段605と、観察像等の倍率を設定する倍率設定手段611と、観察視野の移動を設定する観察視野移動設定手段612と、コントラストおよび明るさを設定するコントラスト・明るさ設定手段613と、非点収差の調整を設定する非点収差調整設定手段614と、光軸の調整を設定する光軸調整設定手段615とを備える。
【0107】
マニュアル観察モードでは、画像補正設定手段601において、シャープネスを設定するシャープネス設定手段601aと、ハイライトを設定するハイライト設定手段601bと、ガンマ補正を設定するガンマ補正設定手段601cと、観察像の輝度分布を示す輝度分布図(ヒストグラム)601dと、オーバーレンジ抽出設定手段601eとが表示される。観察像の表示において、チェック欄“オーバーレンジチェック”(オーバーレンジ抽出設定手段)601eをチェックすることによって、観察像のアンダー領域あるいはオーバー領域なったオーバーレンジ領域を他の中間色領域と異なる態様で表示することによって抽出するオーバーレンジ抽出表示が設定される。
【0108】
また、像観察条件を個別に設定可能な個別条件設定手段603によって像観察条件を個別に設定可能である。像観察条件としては、例えば検出器、加速電圧、スポットサイズ等が挙げられる。個別条件設定手段603における“検出器”ボックス603aから検出器の種類を選択することにより、検出器が設定される。また、“加速電圧”ボックス603bから加速電圧の数値を選択することにより、加速電圧が設定される。また、“真空度”ボックス603bから真空度を選択することにより、真空度が設定される。また、“スポットサイズ”ボックス603dからスポットサイズの数値を選択することにより、スポットサイズが設定される。ここでは、個別条件設定手段において、検出器、加速電圧、真空度、スポットサイズを個別に設定する例を示したが、個別条件設定手段に、非点収差調整設定手段、光軸調整設定手段等を含めることができる。
【0109】
また、“ファイルから読み出す”ボタン(ファイル対応条件設定手段)404によって、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定することができる。“ファイルから読み出す”ボタン404を押下すると、以前に記憶された画像ファイルあるいは以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件が選択可能となり、選択された以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件に基づいて観察像を結像し表示部に表示するよう制御される。
【0110】
“eプレビュー”ボタン(プレビュー設定手段)605によってプレビュー機能が設定されたとき、予め設定された複数の簡易像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易的に結像し表示部に表示するよう制御され、プレビュー機能が実行される。
【0111】
[広域図登録]
次に、広域画像を現在の観察像と関連付けて保存する機能について説明する。図13に、マニュアル観察モードにおける観察像の表示例を示す。図13の表示例においては、第1表示領域47には現在観察中の観察像が表示されており、第2表示領域48には表示中の観察像よりも低倍率で撮像され、表示中の観察像の領域を含む広域画像(広域図)が表示されている。以下、第1表示領域47に表示中の観察像を高倍率観察像、第2表示領域48に表示中の観察像を低倍率観察像とも呼ぶ。広域図には、第1表示領域47に表示された高倍率観察像に対応する像観察領域が矩形枠W(矩形領域)によって表示されている。この観察領域は、試料台の位置情報に基づいて取得される。観察像に対応する広域図の画像ファイル、および広域図における観察像の位置を示す像観察領域情報は、対応広域図保存ボタンを押下することによって、観察像画像ファイルと対応した組または対として保存される。対応広域図保存ボタンは、関連観察像保存設定手段606として、例えば図13においては「保存」ボタン606aに割り当てる。関連観察像保存設定手段606によって、同じ試料を低倍率で像観察した低倍率観察像の画像ファイルと、高倍率で像観察した高倍率観察像の画像ファイルとを、低倍率観察像における高倍率観察像の像観察領域情報と共に関連付けて記憶するよう制御される。
【0112】
また、図13の画面において、上記「保存」ボタン606aの左側に配置された「右の画像を広域図として登録」ボタン606bは、第1表示領域47に表示されている観察像を広域図として、第2表示領域48に表示・登録する際に使用される。具体例としては、「右の画像を広域図として登録」ボタン606bを操作すると、操作された時点で第1表示領域47に表示中の観察像が、広域図として第2表示領域48に表示される。その際、第2表示領域48に表示中の広域図の画像情報と共に、第1表示領域47に表示されていた時点での表示倍率ならびに試料台の位置情報が、所定のメモリに登録される。これによって、第2表示領域48に表示される矩形枠Wのサイズならびに画像上の位置を適切に表示することができることとなる。さらに、「保存」ボタン606aを操作すると、広域図の画像ファイルを固定ディスクに記憶すると共に、メモリに登録された画像情報、位置情報等が画像ファイルに関連付けられて記憶される。なお、これらの機能は個別のボタンに割り当てる他、一のボタンに割り当てることもできる。例えば一のボタン操作で、広域図の登録と広域図・高倍率観察像の画像ファイルの登録、これらの画像ファイルへの情報の関連付け等の動作をすべて行わせる。
【0113】
保存された観察像画像ファイルと広域図画像ファイルの組は、位置情報と共に記憶されているので、操作者は各々の関連情報を容易に呼び出すことができる。図14に、保存あるいは登録されたファイルを一覧表示、閲覧、検索するためのアルバムモードの一例を示す。図14に示すアルバムモードの表示画面は、上段に各画像ファイルをサムネイル状に縮小して一覧表示する一覧表示欄と、下段に選択した画像ファイルをプレビュー表示するプレビュー表示欄を設けている。プレビュー表示欄は、2枚の画像を表示可能となっている。一覧表示欄で高倍率観察像の縮小画像A1を選択すると、プレビュー表示欄には拡大されて高倍率観察像Aがプレビュー表示される。プレビュー表示の脇には、撮像時の像観察条件も併せて表示される。その際、対応する低倍率観察像aもプレビュー表示欄に表示され、さらに高倍率観察像Aの位置を示す矩形枠Wも表示される。像観察領域情報は、このように位置情報を高倍率観察像と低倍率観察像と関連付けて記録している。また、それぞれの倍率等といった像観察条件も併せて記録することもできる。
【0114】
以上の実施例においては、一の低倍率観察像上に一の高倍率観察像を表示する例を示したが、一の低倍率観察像上に二以上の高倍率観察像を表示し、さらにこれらを相互に関連付けて記録することもできることはいうまでもない。
【0115】
また図15に示すように、高倍率観察像に対応する像観察領域を示す矩形枠Wは、広域図aに対して回転させて表示することもできる。第1表示領域では観察像を回転して表示できるので、これに応じて矩形枠Wも低倍率観察像上で回転して表示される。
【0116】
さらに、高倍率観察像の像観察領域が低倍率観察像の表示範囲外であるときでも、低倍率観察像上において高倍率観察像の位置する方向を表示する構成とすることもできる。例えば図16においては、表示中の高倍率観察像が広域図である低倍率観察像のいずれの方向にはみ出しているかを、赤線で示している。この例では、高倍率観察像が広域図から図面上左方向に外れた領域を観察していることを示すために、広域図の四辺のうちの左の辺の線Lとして表示している。このように、表示中の観察像が広域図上から見ていずれの方向に外れているかを示すことができる。低倍率観察像が矩形状の場合は、上下左右のいずれの方向に高倍率観察像が離れて位置しているかを示すために、上下左右の各辺のうち該当する方向に位置する辺を色を変える、太さを変える、点滅させる等の手段で示す。またこの方法以外にも、例えば低倍率観察像と高倍率観察像の重心同士の位置関係を矢印で示す方法等も利用できる。
【0117】
なお像観察領域情報は低倍率観察像上において高倍率観察像がいずれの位置にあるかを示すものであるが、高倍率観察像が低倍率観察像上に存在しない場合、すなわち低倍率観察像の範囲外にある場合でも、範囲外であるという情報を示すことができる。またこの場合は上述のように、低倍率観察像上から高倍率観察像がいずれの方向に位置しているかを像観察領域情報として記録することができる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の観察像記憶方法、電子顕微鏡の観察像記憶プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体によれば、同じ試料を観察した観察像に関して、広域図にマーキングなどを手作業で付したり、関連する画像をまとめてファイリングする等の作業を省き、これらを自動的に行うことができる。それは、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の観察像記憶方法、電子顕微鏡の観察像記憶プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体が、同じ試料を低倍率で像観察を行った低倍率観察像の画像ファイルと高倍率で像観察を行った高倍率観察像の画像ファイルとを、低倍率観察像における高倍率観察像の像観察領域情報と共に関連付けて記憶することができるからである。これによって電子顕微鏡の操作者は、広域図を効率よく管理でき、また位置関係の把握等を画面上で容易に行うことができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのメニュー画面を示すイメージ図である。
【図3】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図4】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図5】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第一のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図6】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける試料分類ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図7】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける位置決めステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図8】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおけるeプレビューステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図9】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける条件選択ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図10】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムの第二のオート観察モードにおける観察ステップの操作画面を示すイメージ図である。
【図11】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのセルフ条件設定ステップにおける操作画面を示すイメージ図である。
【図12】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのマニュアル観察モードにおける操作画面を示すイメージ図である。
【図13】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのマニュアル観察モードにおける観察像と広域図の対応表示態様を示すイメージ図である。
【図14】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのアルバムモードにおける表示画面の一例を示すイメージ図である。
【図15】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのマニュアル観察モードにおける観察像と広域図の他の対応表示態様を示すイメージ図である。
【図16】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作プログラムのマニュアル観察モードにおける観察像と広域図の他の対応表示態様を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ
2・・・中央演算処理部
3・・・電子銃高圧電源
4・・・フィラメント
5・・・ウェーネルト
6・・・アノード
7・・・電子銃
8・・・電子線
9・・・ガンアライメントコイル
10・・・ガンアライメントコイル制御部
11・・・収束レンズ制御部
12・・・収束レンズ
13・・・対物レンズ絞り
14・・・非点収差補正コイル制御部
15・・・電子線偏向走査コイル制御部
16・・・対物レンズ制御部
17・・・非点収差補正コイル
18・・・電子線偏向走査コイル
19・・・対物レンズ
20・・・試料
21・・・二次電子検出器
22・・・反射電子検出器
23・・・二次電子検出増幅部
24・・・反射電子検出増幅部
25・・・A/D変換器
26・・・A/D変換器
27・・・画像データ生成部
28・・・表示部
29・・・プリンタ
30・・・排気系ポンプ
31・・・試料室
32・・・排気制御部
33・・・試料台
47・・・第1表示領域
48・・・第2表示領域
101・・・第一のオート観察モード設定手段
102・・・第二のオート観察モード設定手段
103・・・マニュアル観察モード設定手段
104・・・画像ファイル編集モード設定手段
105・・・計測モード設定手段
106・・・初期設定モード設定手段
107・・・終了設定手段
201・・・操作フロー
208・・・試料交換指示手段
209・・・セルフ条件設定画面移行手段
211・・・第一オート観察用試料指定手段
311・・・第二オート観察用試料指定手段
311a・・・第一の第二オート観察用試料指定手段
311b・・・第二の第二オート観察用試料指定手段
311c・・・第三の第二オート観察用試料指定手段
401・・・試料指定手段
401a・・・「導体のみの試料」のラジオボタン
401b・・・「絶縁体を含む試料」のラジオボタン
401c・・・「eプレビュー」ボタン
212・・・前回条件設定手段
231・・・プレビュー設定手段
232・・・簡易像観察条件設定手段
252・・・観察操作メッセージ領域
301・・・操作フロー
308・・・試料交換指示手段
309・・・セルフ条件設定画面移行手段
311・・・試料指定手段
312・・・前回条件設定手段
312a・・・「前回と同じ条件で観察する」チェック欄
331a・・・「eプレビューを行う」チェック欄
332・・・簡易像観察条件設定手段
401・・・試料指定手段
402・・・簡易像観察条件設定手段
402a・・・「最表面の細かい凹凸情報(加速電圧2kV)」ラジオボタン
402b・・・「AとCの中間(加速電圧5kV)」ラジオボタン
402c・・・「高画質 低ノイズ(加速電圧20kV)」ラジオボタン
402d・・・「材質の違い(20kV 反射電子)」ラジオボタン
402e・・・「上の条件に設定する」ボタン
403・・・個別条件設定手段
403a・・・「検出器」ボックス
403b・・・「加速電圧」ボックス
403d・・・「スポットサイズ」ボックス
404・・・ファイル対応条件設定手段
601・・・画像補正設定手段
601a・・・シャープネス設定手段
601b・・・ハイライト設定手段
601c・・・ガンマ補正設定手段
601d・・・輝度分布図
601e・・・オーバーレンジ抽出設定手段
603・・・個別条件設定手段
603a・・・「検出器」ボックス
603b・・・「加速電圧」ボックス
603c・・・「真空度」ボックス
603d・・・「スポットサイズ」ボックス
604・・・ファイル対応条件設定手段
605・・・「eプレビュー設定」ボタン
606・・・関連観察像保存設定手段
606a・・・「保存」ボタン
606b・・・「右の画像を広域図として登録」ボタン
611・・・倍率設定手段
612・・・観察視野移動設定手段
613・・・コントラスト・明るさ設定手段
614・・・非点収差調整設定手段
615・・・光軸調整設定手段

Claims (16)

  1. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡であって、
    試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶可能であって、かつ一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶可能な記憶手段を備える電子顕微鏡。
  2. 前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡。
  3. 前記像観察領域情報は、低倍率観察像である他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示可能であることを特徴とする請求項2記載の電子顕微鏡。
  4. 前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  5. 前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  6. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作方法であって、
    試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶する工程と、
    一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶する工程と、
    を備える電子顕微鏡の操作方法。
  7. 前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする請求項6記載の電子顕微鏡の操作方法。
  8. 電子顕微鏡の操作方法は更に、低倍率観察像である他の観察像を表示させる際に、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示する工程を備えることを特徴とする請求項7記載の電子顕微鏡の操作方法。
  9. 前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の電子顕微鏡の操作方法。
  10. 前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の電子顕微鏡の操作方法。
  11. 像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出しながら試料表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡の操作プログラムであって、コンピュータに
    試料を像観察した一の観察像と、前記観察像の少なくとも一部の領域を含む他の観察像とを記憶する機能と、
    一の観察像が他の観察像上でいずれの位置にあるかを示す像観察領域情報を観察像と関連付けて記憶する機能と、
    を実現させるための電子顕微鏡の操作プログラム。
  12. 前記他の観察像が一の観察像を撮像した観察倍率よりも低倍率で観察された低倍率観察像であることを特徴とする請求項11記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  13. 低倍率観察像である他の観察像を表示させる際に、一の観察像に相当する像観察領域を矩形領域として表示する機能を実現させるための請求項12記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  14. 前記像観察領域情報は、他の観察像上において、一の観察像に相当する像観察領域を回転して表示可能であることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  15. 前記像観察領域情報は、他の観察像中に一の観察像が含まれていないとき、他の観察像に対して一の観察像が位置する方向を示すことを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の電子顕微鏡の操作プログラム。
  16. 請求項11から15のいずれかに記載した電子顕微鏡の観察像記憶プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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