JP3934461B2 - 電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型、透過型などの電子顕微鏡において発生する試料のチャージアップ現象について、チャージアップした試料を除電可能な電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、微小物体を拡大する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープなどの他、電子レンズを使った電子顕微鏡が利用されている。電子顕微鏡は、電子の進行方向を自由に屈折させ、光学顕微鏡のような結像システムを電子光学的に設計したものである。電子顕微鏡には、試料や標本を透過した電子を電子レンズを用いて結像する透過型の他、試料表面で反射した電子を結像する反射型、集束電子線を試料表面上に走査して各走査点からの二次電子を用いて結像する走査型電子顕微鏡、加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イオン顕微鏡)などがある。
【0003】
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)は、対象となる試料に細い電子線(電子プローブ)を照射した際に発生する二次電子や反射電子を、二次電子検出器、反射電子検出器などそれぞれの検出器を用いて取り出し、ブラウン管やLCDなどの表示画面上に表示して、主として試料の表面形態を観察する装置である。一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中で原子により散乱、回折された電子を電子回折パターンまたは透過電顕像として得ることによって主に物質の内部構造を観察できる。
【0004】
電子線が固体試料に照射されたとき、電子のエネルギーによって固体中を透過するが、その際に試料を構成する原子核や電子との相互作用によって弾性的な衝突、弾性散乱やエネルギー損失を伴う非弾性散乱を生じる。非弾性散乱によって試料元素の殻内電子を励起したり、X線などを励起したり、また二次電子を放出し、それに相当するエネルギーを損失する。二次電子は衝突する角度によって放出される量が異なる。一方、弾性散乱によって後方に散乱し、試料から再び放出される反射電子は、原子番号に固有の量が放出される。走査型電子顕微鏡はこの二次電子や反射電子を利用する。SEMは電子を試料に照射し、放出される二次電子や反射電子を検出して観察像を結像している。
【0005】
SEM観察を妨げる要因は様々なものがあるが、試料に起因する要因の代表は、非導電性試料観察時に発生する帯電(チャージアップ)現象である。チャージアップとは、入射する荷電粒子と放出される荷電粒子が有する電荷の差によって、照射面が正または負に帯電する現象である。チャージアップが発生すると、放出された二次電子が加速されたり引き戻されたりして、良好な結像特性が得られなくなり、希ではあるが、全く結像しない場合さえ発生する。
【0006】
負の電荷を持つ電子線が塊(バルク)状試料に入射すると、試料が導電性であればその電荷は試料を伝ってアースされるが、試料が非導電性の場合は入射電子の電荷は試料表面から逃げることができず、試料自体がチャージアップする。チャージアップ現象としては、観察視野内に異常な明暗のコントラストが発生したり、明暗が帯状に現れ二次電子像の観察が困難となる。チャージアップが激しくなると観察視野のドリフト(ゆっくりと視野が移動したり、いきなり視野が大きく移動する)も発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように電子線の照射によって負の電荷に帯電した観察試料を観察すると、様々な像障害が起こる。このようなチャージアップの弊害を防止するための様々な技術が開発されている。例えば非導電性試料の表面に金などの金属被膜を施す方法が知られている。しかしながら、この方法では、金属コーティングが面倒な上、観察後の試料が元に戻らないといった欠点ががある。
【0008】
また、チャージアップした試料の帯電を除電する技術として、試料からの電子の発生効率が1を上回るような低い加速電圧の電子線を照射する方法がある(特開平7−14537号公報)。しかしながらこの方法では、試料に帯電したエネルギーが、除電のために照射した電子線のエネルギーを上回る場合は、照射した電子線が跳ね返されて試料に到達できず、除電できないという問題がある。またこの方法では加速電圧の設定が難しいという問題もある。二次電子の発生効率が1になるような加速電圧に設定しなければならないが、試料の材質、形状によって、発生効率が1になる加速電圧が異なるため、加速電圧を調整しながら発生効率が1になるような加速電圧を見出さなければならない。試料がチャージアップしている場合は、一次電子の初速度と試料に入射する時のランディング速度が異なるため、最適な加速電圧の設定が難しくなる。仮に発生効率が1になる加速電圧を見つけたとしても、それまでの観察過程で試料に高加速電圧の電子が照射された場合は既に試料が負の電荷に帯電しているため、チャージアップによる像障害が起こる。長時間(例えば数時間程度)発生効率が1になる加速電圧の電子を照射し続ければ除電できる場合もあるが、現実的ではない。
【0009】
試料表面に蓄積した電荷を、反対極性の電荷が発生する加速電圧の電子線を照射することで消去する方法もある(特開平7−14537号公報)。しかしながらこの方法は、チャージがたまり始める前までに観察する方法、すなわち帯電を防止する対策であって帯電した電荷を除去するといった積極的な除電方法ではない。
【0010】
また、別の技術として、試料がチャージアップしているかどうかを検知し、チャージアップしていると判定された場合に帯電対策を行う技術が開発されている。しかしながら、チャージアップの検知の問題として、検知のための専用の設備が必要となること、チャージアップの現象が様々であるため、正しく検知することが困難なことなどの問題がある。さらにこの方法はチャージアップを防止するものであって、チャージアップが発生した場合の対策ではない。
【0011】
また試料室内を大気圧にし試料を空気に触れさせることで除電する方法もあるが、十分に除電しきれない場合があり、また再度観察を行うために真空引きをやり直す必要があり、時間と手間がかかる欠点もある。
【0012】
さらに低真空で観察する方法、電子シャワー発生器を用いて電子シャワーを照射する方法やイオンシャワー発生器を用いてイオンシャワーを照射する方法(特開平10−12684号公報)、あるいは制御電極を設ける方法もある(特開平5−343021号公報)。しかしながら、これらの方法では、別途専用の設備が必要となり、簡単に実施することができない。
【0013】
このように、いずれの方法も欠点を有しており、簡単に試料の除電が可能が装置が望まれていた。本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、専用の設備を別段設けることなく、簡易にチャージアップした試料の除電を行うことのできる電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、チャージアップした試料に対し、電子銃に加速電圧を印加し一次電子を前記電子銃から前記試料に照射して除電する電子顕微鏡のチャージアップ防止方法であって、試料の観察を開始したときから除電開始時までの間に照射した一次電子の加速電圧の最大値を除電開始の加速電圧とし、試料面における電子線の着地加速電圧が、試料の二次電子放出効率が1となる最大着地加速電圧に近付くように、試料に電子線を照射するステップと、前記除電開始電圧から加速電圧を、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させ、さらに試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射するステップと、降下させた加速電圧からさらに|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させ、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう、該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射するステップを、加速電圧の降下を終了する除電終了電圧まで繰り返すステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記除電開始電圧で試料に電子線を照射するステップが、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、一次電子の加速電圧の最大値を前記除電開始電圧として試料に電子線を照射するステップであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1または2に記載される特徴に加えて、加速電圧を降下させながら、負に帯電した試料が帯電なしもしくは正に帯電されるまで加速電圧を連続的または離散的に印加することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の請求項4に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1から3のいずれかに記載される特徴に加えて、加速電圧の降下を終了する除電終了電圧は、予め複数の試料で最大着地加速電圧を比較し、最小の最大着地加速電圧以下とすることを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項5に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1から3のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡が、加速電圧を変更した複数の簡易観察像観察条件を自動的に設定し、各々の加速電圧毎の簡易観察像を取得し、前記複数の簡易観察像を一覧表示する簡易観察像取得機能を備えており、前記簡易観察像取得機能を1回以上実行して、試料がチャージアップしない加速電圧の最大値を最大加速電圧として測定しておき、加速電圧の降下を終了する除電終了電圧を、前記チャージアップしない最大加速電圧とすることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明の請求項6に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1から5のいずれかに記載される特徴に加えて、除電の際に電子線を試料に照射する領域を、観測の際よりも広く設定することを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明の請求項7に記載される電子顕微鏡のチャージアップ防止方法は、前記請求項1から5のいずれかに記載される特徴に加えて、除電の際に電子線を試料に照射する領域を、チャージアップが生じている領域またはチャージアップが生じている領域よりも大きく設定することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項8に記載される電子顕微鏡は、
所定の像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出することで観察像を撮像する電子顕微鏡が、チャージアップした試料に対し一次電子を電子銃から照射して除電するチャージアップ防止機能を備えており、前記電子顕微鏡は、前記試料の観察を開始したときから除電開始時までの間に試料に照射した一次電子の加速電圧の最大値を最大加速電圧として記録し、前記最大加速電圧を除電開始の加速電圧とする除電開始電圧決定手段と、複数の試料の二次電子放出効率が1となる最大着地加速電圧の内、最小の最大着地加速電圧以下となる加速電圧を除電終了の加速電圧として決定する除電終了電圧決定手段と、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、試料に照射する除電加速電圧を前記除電開始電圧から前記除電終了電圧まで、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させる加速電圧調整手段とを備え、これによって加速電圧を前記除電開始電圧として試料に電子線を照射し、次いで前記除電開始電圧から加速電圧を、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させて、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射し、また降下させた加速電圧からさらに|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として加速電圧を降下させ、試料面における電子線の着地加速電圧を試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射する工程を、加速電圧の降下を終了する前記除電終了電圧まで繰り返すことによりチャージアップ防止機能を実現する
【0022】
本発明は、チャージアップした試料を除電するために、観測用の電子銃を利用しているので、チャージアップ検知用の設備や除電用の設備などの特別な装置を別途設ける必要がなく、コストを抑えることができる。また一次電子を試料に照射するための加速電圧を、一次電子が試料に帯電した電子に跳ね返されない加速電圧から、試料に帯電した電子を除去する加速電圧まで徐々に下げることによって除電する。このため、従来の方法では電子線が跳ね返されてしまうような強い帯電状態の試料であっても除電可能であり、様々なチャージアップ状態に対して効果的に除電することができる。また従来の方法のような真空状態を解除、変更する必要もなく、真空状態を維持したまま容易に短時間で実施できるというメリットもある。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのチャージアップした試料を除電可能な電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡を例示するものであって、本発明はチャージアップした試料を除電可能な電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡を以下のものに特定しない。
【0024】
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0025】
本明細書において電子顕微鏡とこれに接続される操作、制御、表示、各種処理その他のためのコンピュータ、あるいはプリンタなどその他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232CやRS−422、USBなどのシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TXなどのネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、無線LANやBluetoothなどの電波、赤外線、光通信などを利用した無線接続などでもよい。さらに観察像のデータ保存などを行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0026】
以下の実施例ではSEMについて説明する。但し、本発明はTEMやその他の電子顕微鏡関連装置においても利用できる。本発明を具現化した一実施例に係るSEMについて、図1に基づいて説明する。SEMは一般に加速電子の電子線を発生させ試料に到達させるまでの光学系と、試料を配置する試料室と、試料室内を真空にするための排気系と、像観察のための操作系で構成される。また図2に、この電子顕微鏡を操作する操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージ図を示す。この電子顕微鏡操作プログラムは、図1のコンピュータ1にインストールされ、電子顕微鏡の像観察条件の設定や各種操作を行い、図2に示す観察像の表示を行う表示部を含むユーザインターフェース画面を、図1の表示部28に表示する。
【0027】
光学系は、加速電子の電子線を発生させる電子銃7、加速電子の束を絞り込んで細束化するレンズ系、試料から発生する二次電子や反射電子を検出する検出器を備える。図1に示す走査型電子顕微鏡は、光学系として電子線を照射する電子銃7と、電子銃7から照射される電子線がレンズ系の中心を通過するように補正するガンアライメントコイル9と、電子線のスポットの大きさを細く絞る収束レンズ12であるコンデンサレンズと、収束レンズ12で収束された電子線を試料20上で走査させる電子線偏向走査コイル18と、走査に伴い試料20から放出される二次電子を検出する二次電子検出器21と、反射電子を検出する反射電子検出器22を備える。
【0028】
試料室には、試料台、試料導入装置、X線検出用分光器などが備えられる。試料台はX、Y、Z移動、回転、傾斜機能を備える。
【0029】
排気系は、加速電子の電子線が気体成分通過中に極力エネルギーを失うことなく試料に到達するために必要で、ロータリーポンプ、油拡散ポンプが主として用いられる。
【0030】
操作系は二次電子像、反射電子像、X線像などを表示、観察しながら照射電流の調整、焦点合わせなどを行う。二次電子像などの出力は、アナログ信号であれば写真機によるフィルム撮影が一般的であったが、近年は画像をデジタル信号に変換した出力が可能となり、データの保存や画像処理、印刷のなどの多種多様な処理が可能である。図1のSEMは、二次電子像や反射電子像などの観察像を表示する表示部28と印刷のためのプリンタ29を備える。また操作系は、像観察条件として少なくとも加速電圧またはスポットサイズを設定するために必要な設定項目の設定手順を誘導する誘導手段を備える。
【0031】
図1に示すSEMは、コンピュータ1と接続され、コンピュータ1を電子顕微鏡の操作を行うコンソールとして使用し、また必要に応じて像観察条件や画像データを保存したり、画像処理や演算を行う。図1に示すCPUやLSIなどで構成される中央演算処理部2は、走査型電子顕微鏡を構成する各ブロックを制御する。電子銃高圧電源3を制御することにより、フィラメント4、ウェーネルト5、アノード6からなる電子銃7より電子線を発生させる。電子銃7から発生された電子線8は、必ずしもレンズ系の中心を通過するとは限らず、ガンアライメントコイル9をガンアライメントコイル制御部10によって制御することで、レンズ系の中心を通過するように補正を行う。次に、電子線8は収束レンズ制御部11によって制御される収束レンズ12であるコンデンサコイルによって細く絞られる。収束された電子線8は、電子線8を偏向する非点収差補正コイル17、電子線偏向走査コイル18、対物レンズ19、および電子線8のビーム開き角を決定する対物レンズ絞り13を通過し、試料20に至る。非点収差補正コイル17は非点収差補正コイル制御部14によって制御され、走査速度等を制御する。同様に電子線偏向走査コイル18は電子線偏向走査コイル制御部15によって、対物レンズ19は対物レンズ制御部16によって、それぞれ制御され、これらの作用によって試料上を走査する。試料20上を電子線8が走査することにより、試料20から二次電子、反射電子等の情報信号が発生され、この情報信号は二次電子検出器21、反射電子検出器22によりそれぞれ検出される。検出された二次電子の情報信号は二次電子検出増幅部23を経て、また反射電子の情報信号は反射電子検出器22で検出されて反射電子検出増幅部24を経て、それぞれA/D変換器25、26によりA/D変換され、画像データ生成部27に送られ、画像データとして構成される。この画像データはコンピュータ1に送られ、コンピュータ1に接続されたモニタなどの表示部28にて表示され、必要に応じてプリンタ29にて印刷される。
【0032】
排気系ポンプ30は、試料室31内部を真空状態にする。排気系ポンプ30に接続された排気制御部32が真空度を調整し、試料20や観察目的に応じて高真空から低真空まで制御する。
【0033】
電子銃7はあるエネルギーをもった加速電子を発生させるソースとなる部分で、W(タングステン)フィラメントやLaB6フィラメントを加熱して電子を放出させる熱電子銃の他、尖状に構成したWの先端に強電界を印加して電子を放出させる電界放射電子銃がある。レンズ系には、収束レンズ、対物レンズ、対物レンズ絞り、電子線偏向走査コイル、非点収差補正コイルなどが装着されている。収束レンズは電子銃で発生した電子線をさらに収斂して細くする。対物レンズは最終的に電子プローブを試料に焦点合わせするためのレンズである。対物レンズ絞りは収差を小さくするために用いられる。検出器には、二次電子を検出する二次電子検出器と反射電子を検出する反射電子検出器がある。二次電子はエネルギーが低いのでコレクタにより捕獲され、シンチレータにより光電子に変換されて、光電子倍増管で信号増幅される。一方、反射電子の検出にはシンチレータあるいは半導体型が用いられる。
【0034】
[試料台]
観察位置の位置決めは、試料20を載置した試料台33を物理的に移動させて行うことができる。この場合は観察位置決め手段が試料台33で構成される。試料台33は試料20の観察位置を調整可能なように様々な方向への移動、調整が可能である。移動、調整の方向は、試料台の観察位置を移動、調整させるため、試料台のX軸方向、Y軸方向、R軸方向への移動および微調整が可能である他、試料の傾斜角度を調整するために試料台のT軸方向の調整、ならびに対物レンズと試料との距離(ワーキングディスタンス)を調整するために試料台のZ軸方向の調整が可能である。
【0035】
観察像の位置決めや観察視野の移動には、試料台を物理的に移動させる方法に限られず、例えば電子銃から照射される電子線の走査位置をシフトさせる方法(イメージシフト)も利用できる。あるいは両者を併用する方法も利用できる。あるいはまた、広い範囲で一旦画像データを取り込み、データをソフトウェア的に処理する方法も利用できる。この方法では、一旦データが取り込まれてデータ内で処理されるため、ソフトウェア的に観察位置を移動させることが可能で、試料台の移動や電子線の走査といったハードウェア的な移動を伴わないメリットがある。予め大きな画像データを取り込む方法としては、例えば様々な位置の画像データを複数取得し、これらの画像データをつなぎ合わせることで広い面積の画像データを取得する方法がある。あるいは、低倍率で画像データを取得することによって、取得面積を広く取ることができる。
【0036】
[二次電子の放出効率特性]
試料に電子線が入射されると、試料からは二次電子、反射電子などが放出される。試料が放出する二次電子の量は、試料の材質や加速電圧に依存する。図3に、加速電圧で電子銃から出射された一次電子が、試料に到達したときの着地加速電圧(ランディングエネルギー)に対する二次電子の放出効率を示す。この図に示すように、着地加速電圧がE1またはE2のとき、二次電子放出効率δは1となる。ここでE1<E2として、E2を最大着地加速電圧と呼ぶ。着地加速電圧がE1からE2の間で二次電子放出効率δは1以上となり、Emのとき最大値δmとなる。したがってこの間は1個の一次電子が試料に入射されると、1個以上の二次電子が放出されることになる。その結果、試料が絶縁物であれば電子の量が減少する分だけ試料は正に帯電する。試料が正に帯電すると、正の電荷が一次電子を引きつけるため電子がより加速される。
【0037】
一方、着地加速電圧が0からE1またはE2以上の範囲では、二次電子放出効率δが1以下となる。つまり、1個の一次電子が入射されても、試料から放出される二次電子は1個以下となる。その結果、出射されない電子が試料にたまり、その分の負電荷が試料に帯電する。試料が負に帯電すると、一次電子が負の電荷によって減速されることになる。二次電子放出効率が1に近ければ、電荷がバランスして電荷量は変化しない。
【0038】
帯電した試料は、周囲が真空であるため放出されず試料にとどまり、チャージアップと呼ばれる帯電現象が生じる。チャージアップによる像障害としては、観察像のコントラスト異常、観察像の明るさの時間的な変化、観察像の移動、瞬間的な移動、焦点距離の時間的なズレ、一次電子の試料未到達などがある。このようなチャージアップ現象は、検出器などで自動的に検出するのが難しい。一方、チャージアップが発生しても、観察像に異常が生じていなければよい。
【0039】
本発明の実施例では、チャージアップした試料に対し、加速電圧を徐々に下げながら電子線を照射する。加速電圧は、試料表面の着地加速電圧が二次電子放出効率が1以上となるようにして、試料から電子が放出される状態とする。これによって、負に帯電した試料から電子が減少し、着地加速電圧は最大着地加速電圧E2に近づく。
【0040】
この様子を図3〜図5に基づき説明する。図4は除電のプロセスで着地加速電圧が変化する様子を示し、図5は図4のそれぞれの電荷量を示している。図4(a)は試料が19keVに帯電している状態で、電子銃の加速電圧を20keVとして一次電子を試料に照射する。このとき一次電子は試料の19keVの帯電によって反発力が働き減速され、20−19=1keVの着地加速電圧で試料に入射される。今図3の二次電子放出効率δが1となる最大着地加速電圧E2が1keVとすると、二次電子放出効率δは1となり電子の入射量と出射量が等しくなるので試料の電荷量は19keVのまま変化しない。
【0041】
次に図4(b)のように電子銃の加速電圧を0.5keV下げて19.5keVとする。このとき、試料表面の着地加速電圧は19.5−19=0.5keVとなるので、二次電子放出効率δは1以上となって試料から放出される電子の量が多くなる。その結果、試料に帯電した電荷は減少し、減少に伴って試料表面の帯電量が上昇するので電子の放出量も減少していく。図4(c)で示すように、着地加速電圧が最大着地加速電圧E2(1keV)になったときバランスされる。これによって、着地加速電圧が上昇した分の電荷量が試料から放出されたことになり、結果的に帯電量が0.5keV除電されたことになる。
【0042】
以後、さらに電子銃の加速電圧を徐々に下げて上記のプロセスを繰り返すことにより、試料に帯電した電荷が放出されていく。図6に、加速電圧を除電開始電圧20keVから除電終了電圧0.5keVまで降下させる様子を示す。図6(a)は上述した試料表面の帯電量19keVに対し加速電圧20keVを印加した状態である。着地加速電圧は二次電子放出効率δが1となる最大着地加速電圧E2(1keV)に近付いてバランスする。加速電圧を徐々に降下させていくと、着地加速電圧が1keVとなるように帯電量が減少していく。図6(b)は加速電圧10keVで帯電量9keVの状態であり、図6(c)は加速電圧1keVで帯電量0keVの状態である。この状態で除電は完全に行われており、ここで除電を終了してもよい。ただ、除電は帯電量が0keVか、あるいは若干正に帯電するまで行わせてもよい。試料が負に帯電するよりは正に帯電する方が望ましいからであり、実際には帯電量を完全にゼロとすることが容易でないため、安全のため意図的に若干正に帯電させている。図6(d)は加速電圧0.5keVで帯電量は正に0.5keVに帯電しており、この状態で除電を終了する。0.5keV程度の帯電量で正に除電されていても、実際の観測動作においては特に支障ははい。
【0043】
以上の方法により加速電圧を除電開始電圧から除電終了電圧まで降下させて、チャージアップした試料を除電する。除電のために照射する一次電子の加速電圧は、以下のようにして決定する。
【0044】
[除電開始電圧]
除電を開始する除電開始電圧は、過去に試料に照射した加速電圧の最大値とする。試料の帯電は電子銃の加速電圧によって生じているため、加速電圧の最大値以上で帯電していることはあり得ないからである。試料がチャージアップしているとき、電子銃に印加する加速電圧が弱すぎると帯電した電荷によって一次電子が跳ね返され、試料に到達できないことが起こる。このため、加速電圧を高くする必要があるが、高すぎるとさらに試料がチャージアップされてしまうという問題が生じる。したがって、適切な加速電圧を設定する必要がある。試料の観察を開始したときから現在までの間で、過去に照射した加速電圧の最大値で一次電子を加速すれば、試料に帯電した電荷によって跳ね返されることはない。加速電圧の最大値を得るため、試料の観察を開始したときから加速電圧の値の履歴を記録しておく。履歴の記録は、電子顕微鏡もしくは電子顕微鏡に接続されたコンピュータで自動的に行う。そして除電の際にはその時点で最大の加速電圧が履歴中から検索される。あるいは、加速電圧が高い値になると更新されるメモリを使用してもよい。
【0045】
[除電終了電圧]
除電を終了する除電終了電圧は、最大着地加速電圧以下となるように設定する。最大着地加速電圧のとき、二次電子放出効率が1となり帯電量は0になるが、安全のため試料が若干正に帯電するよう、最大着地加速電圧よりも若干低い値に設定する。試料によって二次電子放出効率の特性は異なるため、予め複数の試料で二次電子放出効率を比較し、それらの内で最大着地加速電圧が最も低い値を抽出し、この値よりも若干低い値とすることでどのような試料でも除電することができる。この設定は予め電子顕微鏡に組み込んでおき、操作者が意識することなく自動的に設定される。また、操作者が所望の除電終了電圧を指定することもできる。
【0046】
あるいは、チャージアップしない加速電圧が判明している場合は、その値を除電終了電圧とすることもできる。例えば簡易的に観察像を取得し表示する簡易観察像取得機能を行い、観測したい個々の試料についてチャージアップが発生しない最大の加速電圧を測定する。この電子顕微鏡は、簡易観察像取得機能としてeプレビューを備える。eプレビューとは、最適な観測条件を得るために電子顕微鏡もしくはコンピュータ側で推奨の観測条件を簡易的に複数作成し、各々の観測条件で観察像を取得し、複数の簡易観察像として一覧表示するものである。まずSEMの像観察条件の設定項目の内、1つまたは複数を変化させた設定を、簡易的な像観察条件として複数組準備しておく。例えば加速電圧や検出器の種類を変更した複数の簡易観察像観察条件を自動的に生成する。そして準備した複数組の簡易観察像観察条件を順にSEMに設定し、それぞれの条件で試料を連続的に観察する。観察した複数の簡易観察像は一時的に保存し、第2表示部で一覧表示する。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。操作者は、表示された複数の簡易観察像を比較し、チャージアップの発生を確認する。簡易観察像の画面でチャージアップによる像障害が発生しているものがあれば、その手前の観察像で用いた加速電圧が、チャージアップが発生しない最大の加速電圧になる。必要に応じて、eプレビューは複数回実行する。例えばチャージアップが確認されない場合は、加速電圧を上げて再度eプレビューを行う。あるいは、チャージアップが生じない最大加速電圧を詳細に調べるために、eプレビューで使用する加速電圧の変化量を小さくして絞り込みを行うこともできる。このようにして測定したチャージアップしない最大加速電圧を、除電終了電圧として設定する。設定は、第2表示部から該当する簡易観察像を操作者が選択することで、自動的にその加速電圧をチャージアップしない最大加速電圧として電子顕微鏡またはコンピュータが保持し、設定する。またチャージアップしない最大加速電圧を操作者が手動で記録もしくは入力してもよい。
【0047】
加速電圧を除電開始電圧から除電終了電圧まで降下させる変化量は、連続的でも離散的でもよい。ただし、あまり大きな変化量とすると、二次電子放出効率δが1以上の領域E1〜E2を超えてしまい電荷を放出することができないおそれがあるので、|E2−E1|よりも小さい値とする。例えば変化量は1keV以下、好ましくは数十eV〜数百eVの値で徐々に加速電圧を降下させる。これによって、着地加速電圧が最大着地加速電圧E2の近傍であれば、E2に近付いてバランスされるという性質を利用することができる。
【0048】
あるいは、試料を構成する材料に応じて予め個々の材料毎に二次電子放出効率δのパターンを記憶させ、あるいは参照テーブルを持たせておき、試料の種類を操作者が指定もしくは電子顕微鏡が検出することで該当する二次電子放出効率を求め、これに応じて除電終了電圧などを設定することもできる。
【0049】
以上の方法により、短時間で簡単に除電を行うことができる。例えば除電開始電圧を20keV、除電終了電圧を0.5keVとして30秒〜1分間程度で除電作業を終了する。この方法では、従来のように真空状態を解除する必要がないので、簡単かつ間時間で除電を確実に行うことができる。
【0050】
[照射領域]
また、除電の際に電子線を試料に照射する領域を必要に応じて調整し、より効率よく除電を行うことができる。例えば除電の際に電子線を試料に照射する領域を、チャージアップが生じている領域と同じ領域、あるいはこれよりも若干大きく設定する。観察像でチャージアップが生じている領域または余裕を考慮してこれよりも若干広い領域に絞って除電のための電子線を照射することにより、除電の必要のない無駄な領域に電子線が照射されないと共に、必要な領域では照射される電子線の密度が高くなり、効果的に除電が行われ、かつ除電時間が短縮される。例えば除電時の拡大倍率を観測時の拡大倍率よりも高く設定し、チャージアップしている領域を拡大表示させて、チャージアップ領域およびこの周辺にのみ除電のための電子線を照射する。
【0051】
一方、チャージアップした領域のみを除電しても、その周囲に電荷が残っており、これが原因となって像障害が起こることがある。このような場合には、より広い範囲に電子線を照射するため、電子顕微鏡の拡大倍率を低く設定する。除電のために電子線を試料に照射する領域を広くすることで除電を確実に行い、観測領域の周囲に帯電が残り像障害が生じる状態を回避できる。
【0052】
また必要に応じて電子線の走査速度を調整することもできる。電子線の平均照射量は同じとしても、チャージアップしている領域で走査を遅くする一方、チャージアップのない領域では走査を速くして電子線を効率よく利用できる。
【0053】
あるいは、照射される電子線のスポットサイズを調整する。スポットサイズを多くすると、走査時間が短時間になる分電子線が多く照射される。
【0054】
さらに、一次電子を出射する電子銃のエミッション電流を変化させることもできる。電子銃のフィラメントに流れる電流を多くすることで、出射される電子量を多くする。
【0055】
さらにまた、加速電圧を降下させる際に電子銃のガンアライメントを再調整することもできる。加速電圧を変化させると軸がずれて、目標の位置に電子が照射されなくなるため、ガンアライメントを再調整しながら電子線を照射する。同様に、照射される電子線の焦点距離や視野のずれを再調整することもできる。これらの項目を加速電圧の変化に応じて再調整することにより、より正確に電子線を試料に照射して効率よく除電を行うことができる。
【0056】
[除電機能を利用した像観察]
以下、図7のフローチャートに基づいて、除電機能を利用して試料の像観察を行う一例を説明する。
【0057】
ステップS1で、最適な像観察条件を設定する。ここではeプレビューを行い、試料や観察目的に適した像観察条件を探す。像観察条件としては、加速電圧、スポットサイズ、検出器として二次電子検出器あるいは反射電子検出器などのいずれを選択するか、試料室31内の真空度、拡大倍率、試料の観察位置すなわち試料台のX、Y、R軸位置、試料の傾斜角度すなわち試料台のT軸位置、ワーキングディスタンスすなわち試料台のZ軸位置、対物絞り径などがある。
【0058】
加速電圧は、最も重要なパラメータの一つであり、eプレビューによって加速電圧を変化させた複数の簡易観察像観察条件を設定し、各々の加速電圧について簡易観察像を取得して第2表示部に一覧表示させる。そして、像障害が発生しない最も高い加速電圧に設定するよう、第2表示部から最適な簡易観察像を選択する。ただし、スポットサイズ、拡大倍率、真空度など他のパラメータによっても試料の帯電量が変化する。例えば倍率を上げて一部の領域を拡大表示させるとチャージアップを生じやすい。また真空度は、試料室31の空気が多いと空気がイオン化してチャージアップし難い。このように、それぞれがチャージアップに影響を与えるため、各々最適値に決定するために簡易観察像観察条件をこれらのパラメータについて変化させてもよい。
【0059】
eプレビューでは、チャージアップの影響を受けにくい条件から順に観察する。例えば加速電圧を変化させるeプレビューでは、加速電圧の低い方から順に簡易像観察を行う。eプレビューでは通常の像観察条件よりも簡易な設定で行われる。設定パラメータの内、加速電圧、スポットサイズ、検出器の種類、拡大倍率、位置などは予め所定の値が適用され、さらに取得された画像のフォーカス、非点収差補正、ブライトネス、コントラスト、ガンアライメント調整などは自動で行われる。よって、操作者が個別の設定を行うことなく、自動的に複数の簡易観察像が取得され第2表示部に表示される。ただ、操作者が個別に簡易観察像観察条件を指定してもよい。このようにして得られた簡易観察像を操作者は対比して、所望の画像を選択する。選択された簡易観察像の簡易観察像観察条件が、像観察条件として設定される。
【0060】
次にステップS2で、チャージアップした試料の除電を行う。上記のステップS1でeプレビューを行う際、簡易撮像のため試料に電子線が複数回照射され走査されている。このため、eプレビューを行うとチャージアップし易くなる。このままでは通常の撮像を行ってもチャージアップによって像障害が生じるため、除電する必要がある。そこで、上述の手順に従い除電を行う。例えばeプレビューで加速電圧0.5keV、0.7keV、1.0keV、1.2keV、1.5keVの5枚の簡易観察像が取得された場合、最も高い加速電圧は1.5keVであるから、除電開始電圧を1.5keVとする。また除電終了電圧を、最も低い加速電圧である0.5keVに設定する。これによって、試料に帯電した電荷は確実に除電される。
【0061】
除電作業は自動で開始される。例えばeプレビューが終了する度に毎回自動で行うよう設定される。ただ、操作者が図2の画面から「除電」ボタン88を押下して手動で行うこともできる。例えば図2のeプレビューによらず、操作者がマニュアル観察モードから像観察条件の各項目を設定する場合にチャージアップが生じた場合など、除電したい場面で「除電」ボタン88を押下すると、除電作業に移行する。操作パネル上に「除電中」などの表示が表し、操作者に除電作業が実行中であることを示す。
【0062】
ステップS3では、所望の像観察条件が得られたかどうかを判断する。さらに像観察条件を再設定したいときは、ステップS1に戻り像観察条件の設定を繰り返す。例えば所望の像観察条件が得られていない場合や、より詳細な像観察条件を得るために条件の絞り込みを行う場合、最初に簡易観察像観察条件のパラメータ変化量を大きくして大まかな像観察条件を調べ、その後変化量を小さくして詳細な像観察条件を探す場合などがある。このように、必要に応じてeプレビューを繰り返し、所望の像観察条件が得られれば、ステップS4に移行し、その像観察条件にて像観察を実行し、得られた観察像に対して所望の処理を行う。
【0063】
この方法によれば、チャージアップを確実に除去して像障害のない観察像を取得することができる。チャージアップには種々な現象があるので、正確な自動検出は難しく、またチャージアップしていても像障害がなければ問題はないので、実際に観察像を表示させて判断する必要がある。従来の技術では、ある像観察条件がチャージアップする条件であるかどうかは判断できるが、チャージアップする手前の像観察条件、例えばチャージアップしない最も高い加速電圧を検出することはできない。したがってチャージアップしないような像観察条件を探すには、像観察条件を変化させながら観察像の検討と除電を繰り返し行う必要がある。そこで本発明の上記実施例を利用すれば、特別な設備なしで確実に除電を行って像観察を正しく行え、また最適な像観察条件を探すために簡易観察像観察条件を変更する場合においても、除電によって前回の像観察の影響を除去し、新たな像観察を繰り返すことができる。これらの作業は自動で行われるため、チャージアップに関する知識がなくても、あらゆるチャージアップ現象に対して除電を行い、最適な像観察条件での観察が可能となる。また、除電開始電圧をそれまでに使用した最大の加速電圧とすることで、除電のために照射する電子線が跳ね返されて除電できないような事態を回避できる。このように、試料の帯電量の強弱、試料の材質に関係なく除電することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡によれば、既存のシステムで簡単に除電を行えるという極めて優れた特長を実現する。それは、本発明の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法および電子顕微鏡が、観察に用いるのと同じ電子銃を使って試料に一次電子を照射することによって除電しているからである。電子顕微鏡が備える電子銃という既存の設備を利用して効果的に除電できるため、専用の装備を用意する必要がなく追加の設備費用がかからない。しかも除電は自動で行われ、あるいは操作者が除電ボタンを押下するだけで実行できるので、特別な知識や作業が不要で、試料を空気に触れさせて除電する方法などと比べて遙かに容易で、しかも短時間にかつ効果的に除電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡の構成を示すブロック図である。
【図2】電子顕微鏡操作プログラムのユーザインターフェース画面の一例を示すイメージ図である。
【図3】電子銃から出射された一次電子が試料に到達したときの着地加速電圧に対する二次電子の放出効率を示すグラフである。
【図4】除電のプロセスで着地加速電圧が変化する様子を示す図である。
【図5】図4のそれぞれの部位における電荷量を示す表である。
【図6】加速電圧を除電開始電圧20keVから除電終了電圧0.5keVまで降下させる様子を示す図である。
【図7】除電動作の流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ
2・・・中央演算処理部
3・・・電子銃高圧電源
4・・・フィラメント
5・・・ウェーネルト
6・・・アノード
7・・・電子銃
8・・・電子線
9・・・ガンアライメントコイル
10・・・ガンアライメントコイル制御部
11・・・収束レンズ制御部
12・・・収束レンズ
13・・・対物レンズ絞り
14・・・非点収差補正コイル制御部
15・・・電子線偏向走査コイル制御部
16・・・対物レンズ制御部
17・・・非点収差補正コイル
18・・・電子線偏向走査コイル
19・・・対物レンズ
20・・・試料
21・・・二次電子検出器
22・・・反射電子検出器
23・・・二次電子検出増幅部
24・・・反射電子検出増幅部
25・・・A/D変換器
26・・・A/D変換器
27・・・画像データ生成部
28・・・表示部
29・・・プリンタ
30・・・排気系ポンプ
31・・・試料室
32・・・排気制御部
33・・・試料台
88・・・「除電」ボタン

Claims (8)

  1. チャージアップした試料に対し、電子銃に加速電圧を印加し一次電子を前記電子銃から前記試料に照射して除電する電子顕微鏡のチャージアップ防止方法であって、
    試料の観察を開始したときから除電開始時までの間に照射した一次電子の加速電圧の最大値を除電開始の加速電圧とし、試料面における電子線の着地加速電圧が、試料の二次電子放出効率が1となる最大着地加速電圧に近付くように、試料に電子線を照射するステップと、
    前記除電開始電圧から加速電圧を、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させ、さらに試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射するステップと、
    降下させた加速電圧からさらに|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させ、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう、該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射するステップを、加速電圧の降下を終了する除電終了電圧まで繰り返すステップと、
    を備えることを特徴とする電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  2. 前記除電開始電圧で試料に電子線を照射するステップが、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、一次電子の加速電圧の最大値を前記除電開始電圧として試料に電子線を照射するステップであることを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  3. 加速電圧を降下させながら、負に帯電した試料が帯電なしもしくは正に帯電されるまで加速電圧を連続的または離散的に印加することを特徴とする請求項1または2記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  4. 加速電圧の降下を終了する除電終了電圧は、予め複数の試料で最大着地加速電圧を比較し、最小の最大着地加速電圧以下とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  5. 前記電子顕微鏡が、加速電圧を変更した複数の簡易観察像観察条件を自動的に設定し、各々の加速電圧毎の簡易観察像を取得し、前記複数の簡易観察像を一覧表示する簡易観察像取得機能を備えており、
    前記簡易観察像取得機能を1回以上実行して、試料がチャージアップしない加速電圧の最大値を最大加速電圧として測定しておき、
    加速電圧の降下を終了する除電終了電圧を、前記チャージアップしない最大加速電圧とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  6. 除電の際に電子線を試料に照射する領域を、観測の際よりも広く設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  7. 除電の際に電子線を試料に照射する領域を、チャージアップが生じている領域またはチャージアップが生じている領域よりも大きく設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の電子顕微鏡のチャージアップ防止方法。
  8. 所定の像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出することで観察像を撮像する電子顕微鏡が、チャージアップした試料に対し一次電子を電子銃から照射して除電するチャージアップ防止機能を備えており、前記電子顕微鏡は、
    前記試料の観察を開始したときから除電開始時までの間に試料に照射した一次電子の加速電圧の最大値を最大加速電圧として記録し、前記最大加速電圧を除電開始の加速電圧とする除電開始電圧決定手段と、
    複数の試料の二次電子放出効率が1となる最大着地加速電圧の内、最小の最大着地加速電圧以下となる加速電圧を除電終了の加速電圧として決定する除電終了電圧決定手段と、
    試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるように、試料に照射する除電加速電圧を前記除電開始電圧から前記除電終了電圧まで、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させる加速電圧調整手段と、
    を備え
    これによって加速電圧を前記除電開始電圧として試料に電子線を照射し、次いで前記除電開始電圧から加速電圧を、二次電子放出効率が1となる着地加速電圧E 1 、E 2 (E 1 <E 2 )の差|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として降下させて、試料面における電子線の着地加速電圧を、試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射し、また降下させた加速電圧からさらに|E 2 −E 1 |よりも小さい値を変化量として加速電圧を降下させ、試料面における電子線の着地加速電圧を試料の二次電子放出効率が1を超える領域にすることで試料に帯電した電子を放出させるよう該降下させた加速電圧で試料に電子線を照射する工程を、加速電圧の降下を終了する前記除電終了電圧まで繰り返すことによりチャージアップ防止機能を実現することを特徴とする電子顕微鏡。
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