JP2004154821A - ワークのクランプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆T字型嵌合凹溝を有するベース上でクランプされる金型等の位置に制約を受けないようにし、また、充分なクランプ力でクランプ出来るようにする。
【解決手段】ベース部材2の二ヶ所の嵌合凹溝2mにボルト取付けプレート3を嵌合させてワークWの近傍に位置させ、プレート面3p面上の任意の箇所の雌ネジ孔nにボルト4の下端雄ネジ部4eを螺合させるとともに、このボルト4の上端部をクランププレート6の長孔6hを挿通させて上方に延出させ、同時にクランププレート6の一端側をワークW上面に、また他端側を移動自在な支持部材5の上面に当接させた状態にし、ボルト4の上端雄ネジ部4eにナット7を螺合させて締め付けることで、クランププレート6を下方に押圧しワークWをクランプする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば逆T字型の嵌合凹溝を有するベース上に金型等のワークをクランプする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばプレス機械や金型等のワークをベースに固定する技術として、クランプ板の中間部に長孔を形成し、この長孔にボルトを挿通させてボルトの下端部をコイルバネを介して台枠(ベース)のネジ孔に螺合させて、クランプ板をボルトの軸廻りに回動自在にするとともに、クランプ板の基端側を支点部材で支持するようにし、ワークを台枠(ベース)上に載置した後、クランプ板の先端側をワーク上に当接させるよう回動させてボルトを締め付けることによりワークをクランプするようにした技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
また、ヘッド(ベース)に形成される逆T字型の凹溝にブラケットを嵌合させ、このブラケットに形成される複数の透孔に挿通される軸で押え板を枢支するとともに、押え板の基端部にボルトを取付け、押え板の先端部をワーク上面に当接させた状態でボルトを締め付けることにより、押え板の先端部を下方に揺動させてワークを押圧クランプするような技術も知られている。(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3274870号公報
【特許文献2】
実開昭56−23222号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者のように、台枠(ベース)にネジ孔を設け、このネジ孔にボルトを螺合させるような技術は、台枠(ベース)上に載置される金型等の近傍にネジ孔を設ける必要があることから、台枠(ベース)がネジ孔だらけになり、台枠(ベース)の剛性が低下するとともに、ネジ孔に切粉等が侵入すると、金型等の位置決めや、ボルトの螺合時に問題が発生する恐れがある。
また、後者のように、ブラケットの透孔に軸を挿通させ、この軸で押え板を枢支する方法は、押圧力を高めるためには枢支点を金型等に近接させる必要が生じ、このため、凹溝が金型等に近接した位置になければならない等、制約が多く、また、押え板を長くする場合には、押え板が曲がって充分なクランプ力を発揮出来ないという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、ベース上に載置・クランプされる金型等の位置に制約を受けないようにし、また、充分なクランプ力でクランプ出来るようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、複数列の逆T字型嵌合凹溝を有するベース部材にワークをクランプするようにしたクランプ装置において、前記ベース部材の二ヶ所の嵌合凹溝にスライド自在に嵌合し且つプレート面に垂直方向の複数の雌ネジ孔を備えたボルト取付けプレートと、両側端部に雄ネジ部を備え且つ一端側の雄ネジ部が前記ボルト取付けプレートの任意の箇所の雌ネジ孔に螺合自在なボルトと、下端部が前記ベース部材の上部または前記ボルト取付けプレートの上部に載置され且つ高さ調整自在な支持部材と、前記ボルトの他端側の雄ネジ部を遊挿せしめることの出来る挿通孔を備え且つ一端側が前記ワークの押圧部の上面に当接するとともに他端側が前記支持部材の上面に当接するクランププレートと、このクランププレートの挿通孔を遊挿するボルトの他端側の雄ネジ部に螺合し且つ締付け動作に伴って前記クランププレートを下方に押圧可能なナットを設けるようにした。
【0007】
そして、ボルト取付けプレートを二ヶ所の嵌合凹溝に嵌合させてワークの近傍に移動させ、任意の雌ネジ孔にボルトの下端部を螺合させるとともに、このボルトの上端部をクランププレートの挿通孔を遊挿させ、同時に、このクランププレートの一端側をワーク上面に、また他端側を支持部材の上面に当接させた状態にして挿通孔を遊挿するボルトの雄ネジ部にナットを螺合させて締め付けることで、クランププレートを下方に押圧し、ワークをクランプするようにする。
【0008】
この際、支持部材はベース部材上、またはボルト取付けプレート上に載置可能で、またその高さ調整も可能なため、位置設定の自由度が高まり、この支持部材上面とワーク上面の間に載置されるクランププレートの方向や位置等の自由度も高まる。このためワークの形状等が複雑な場合でも容易に対処できる。
また、複数の雌ネジ孔を形成するのが、ボルト取付けプレートであるため、ベース部材がネジ孔だらけになることはなく、剛性が低下するような不具合がない。
因みに、支持部材の高さを調整するための手段としては、受面を備えたネジ棒にネジ筒を螺合させるような方法等が適用可能である。
【0009】
また本発明では、前記クランププレートの挿通孔を、ボルトの挿通位置を変化させることの出来る長孔にするようにした。
このようにクランププレートの挿通孔を長孔にすれば、クランププレートの位置調整等が一層容易となり、ひいてはワークの位置設定の自由度が高まる。
【0010】
また本発明では、前記ボルト取付けプレートの複数の雌ネジ孔のうち、前記ボルトが螺合する箇所以外の雌ネジ孔には、封止ネジを螺着するようにした。
このように、使用していない雌ネジ孔に封止ネジを装着すれば、切粉等が入り込む恐れがなく、ボルトを螺合させるときや、支持部材を載置する時等にトラブルが生じにくくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係るクランプ装置の説明図で、支持部材をボルト取付けプレート上に載置した状態図、図2はボルト取付けプレートの斜視図、図3は支持部材をベース部材上に載置した状態の斜視図である。
【0012】
本発明に係るワークのクランプ装置は、例えばベース部材上に載置される金型等のワークをクランプする際、その位置に制約を受けないようにし、また、充分なクランプ力でクランプ出来るようにされている。
【0013】
すなわち、図1に示すように、本クランプ装置1は、逆T字型の嵌合凹溝2mが複数列形成されるベース部材2上の基準ブロック12に載置される金型等のワークWをクランプできるようにされ、二ヶ所の嵌合凹溝2mに嵌合するボルト取付けプレート3と、このボルト取付けプレート3のプレート面3pに形成される複数の雌ネジ孔nのうち任意の1ヶ所に螺合可能なボルト4と、ベース部材2上か、またはボルト取付けプレート3上に載置可能な支持部材5と、この支持部材5とワークWのクランプ部Wc上面に載置され、且つ中間部にボルト4の上端部を遊挿せしめることの出来る長孔6hが形成されるクランププレート6と、長孔6hを挿通したボルト4の上端側雄ネジ部に螺合するナット7を備えており、このナット7の締め付けによってクランププレート6でワークWを下方に押圧出来るようにされている。
【0014】
前記ボルト取付けプレート3は、図2にも示すように、両端部に二本の脚部3aを備えており、各脚部3aには、嵌合凹溝2mにスライド自在に嵌合する逆T字型のホゾ部tが形成されるととともに、前述のようにプレート面3pには複数の雌ネジ孔nが形成されている。そして、これら雌ネジ孔nのうち、使用されない雌ネジ孔nには、封止ネジ8が螺着され、内部に切粉等の異物が侵入することがないように孔を塞いでいる。
【0015】
前記ボルト4は、両端部に雄ネジ部4eを備えており、下端側の雄ネジ部4eは、前記ボルト取付けプレート3の任意の位置の雌ネジ孔nに螺合可能にされるとともに、上端側の雄ネジ部4eは、クランププレート6の長孔6hを貫いて上方に延出し、この延出部にナット7が螺合している。
【0016】
前記支持部材5は、受面10pを備えたネジ棒10の下端部にネジ筒11を螺合せしめて構成しており、ネジ筒11の下面をベース部材2上、またはボルト取付けプレート3上の任意の位置に載置するとともに、ネジ棒10とネジ筒11を螺合位置を変えることにより、受面10pの高さ位置を調整出来るようにされている。
【0017】
前記クランププレート6は、下面が平らなプレートであり、中間部に長孔6hを備えている。そしてこの長孔6hは、ボルト4の軸部を遊挿せしめて、長手方向にボルト4の挿通位置を変化させることが出来るようにされるとともに、この長孔6hの孔幅は、前記ナット7の径またはナット7と合わせてワッシャを使用する場合はワッシャの径より幅狭にされている。
【0018】
以上のようなクランプ装置1によるクランプ方法について説明する。
まず、金型等のワークWをベース部材2上の基準ブロック12に載置し、このワークW近傍の二ヶ所の嵌合凹溝2mに、ボルト取付けプレート3の脚部3aのホゾ部tを嵌合させて、ボルト取付けプレート3をワークWのクランプ部Wc近傍に移動させる。
【0019】
次いで、ボルト取付けプレート3の複数の雌ネジ孔nのうち、適当な箇所の雌ネジ孔nにボルト4の下端側雄ネジ部4eを螺合させるとともに、図1に示すように、ボルト取付けプレート3のプレート面3p上に支持部材5を載置するか、または、図3に示すように、ボルト取付けプレート3近傍のベース部材2上に支持部材5を載置し、受面10pの高さをワークWのクランプ部Wcの高さと略同一に調整する。
【0020】
そして、ボルト4の上端部を長孔6hに挿通させつつ、クランププレート6の一端側をワークWのクランプ部Wc上面に載置し、他端側を支持部材5の受面10p上に載置する。そして、ボルト4の上端側雄ネジ部4eにナット7を螺合させ、このナット7を締め付けることにより、クランププレート6を下方に押圧する。こうすることにより、ワークWのクランプ部Wcは上方から押圧力を受けてベース部材2上の所定位置にクランプされる。
【0021】
この際、支持部材5の位置は任意の位置に変更可能であるため、クランププレート6の方向や位置等を任意に変更することが出来、ワークWが複雑形状の場合でも確実にクランプすることが出来る。また、クランププレート6の長孔6hによってクランププレート6の位置が微妙に調整可能であるため、クランプ可能な領域を一層広げることが出来る。
【0022】
また、ボルト4の下端部が螺合する雌ネジ孔nがボルト取付けプレート3に設けられているため、ベース部材2に多数の雌ネジ孔を設ける必要がない。またこの際、使用しない雌ネジ孔nには封止ネジ8が螺着されており、切粉等が侵入するような不具合を防止出来る。
【0023】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば支持部材5の具体的構成等は任意である。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るワークのクランプ装置は、複数列の逆T字型嵌合凹溝を有するベース部材にワークをクランプするようなクランプ装置において、ボルト取付けプレートを二ヶ所の嵌合凹溝にスライド自在に嵌合させ、プレート面に形成した複数の雌ネジ孔のうち任意の雌ネジ孔にボルトを螺合させ、ベース部材の上部またはボルト取付けプレートの上部に載置される支持部材とワークのクランプ部との間にクランププレートを載置して、その中間部に形成した長孔を通してボルトの上端部を挿通させるとともに、このボルトの上部にナットを螺合させてクランププレートに押圧力を与えるようにしたため、ワークを押圧クランプし得る領域が広がって、クランプ位置の自由度が高まるようになった。
また、ベース部材に多数のネジ孔を形成する必要がなくなり、剛性が低下するような不具合を防止出来る。
【0025】
また、クランププレートの挿通孔を長孔にすれば、クランププレートの位置調整等が一層容易となり、ワークのクランプ位置の自由度を一層高めることが出来る。
そして、ボルト取付けプレートの複数の雌ネジ孔のうち、ボルトが螺合する箇所以外の雌ネジ孔には、封止ネジを螺着するようにすれば、切粉等が入り込む恐れがなくなって、ボルトを螺合させるときや、支持部材を載置する時等にトラブルが生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランプ装置の説明図で、支持部材をボルト取付けプレート上に載置した状態図
【図2】ボルト取付けプレートの斜視図
【図3】支持部材をベース部材上に載置した状態の斜視図
【符号の説明】
1…クランプ装置、2…ベース部材、2m…嵌合凹溝、3…ボルト取付けプレート、3p…プレート面、4…ボルト、4e…雄ネジ部、5…支持部材、6…クランププレート、6h…長孔、7…ナット、8…封止ネジ、W…ワーク、Wc…クランプ部、n…雌ネジ孔。

Claims (3)

  1. 複数列の逆T字型嵌合凹溝を有するベース部材にワークをクランプするようにしたクランプ装置であって、前記ベース部材の二ヶ所の嵌合凹溝にスライド自在に嵌合し且つプレート面に垂直方向の複数の雌ネジ孔を備えたボルト取付けプレートと、両側端部に雄ネジ部を備え且つ一端側の雄ネジ部が前記ボルト取付けプレートの任意の箇所の雌ネジ孔に螺合自在なボルトと、下端部が前記ベース部材の上部または前記ボルト取付けプレートの上部に載置され且つ高さ調整自在な支持部材と、前記ボルトの他端側の雄ネジ部を遊挿せしめることの出来る挿通孔を備え且つ一端側が前記ワークの押圧部の上面に当接するとともに他端側が前記支持部材の上面に当接するクランププレートと、このクランププレートの挿通孔を遊挿するボルトの他端側の雄ネジ部に螺合し且つ締付け動作に伴って前記クランププレートを下方に押圧可能なナットを備えたことを特徴とするワークのクランプ装置。
  2. 前記クランププレートの挿通孔は、ボルトの挿通位置を変化させることの出来る長孔にされることを特徴とする請求項1に記載のワークのクランプ装置。
  3. 前記ボルト取付けプレートの複数の雌ネジ孔のうち、前記ボルトが螺合する箇所以外の雌ネジ孔には、封止ネジが螺着されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワークのクランプ装置。
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