JP2004154363A - 車両用座席及び座席用収納装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の座り心地を低下させることなく、小物等の物入れを設けた車両用座席及び乗員の座り心地を低下させることがない座席用収納装置を得る。ことが目的である。
【解決手段】後部座席10を構成するシートクッション14に、略車両前方側及び略車両下方側で開口した凹部48を形成する。また、凹部48の内側に略車両前方側で開口した断面矩形の有底筒形状に形成されたケース42を嵌め込む。さらに、略車両上方で開口した箱形状の物入れ50を略車両前後方向に沿ってスライド移動可能にケース42に挿入する。このように、物入れ50を設けているが、ケース42の上側には、シートクッション14を構成するクッションパッドが存在するため、ケース42の上側に乗員が着席しても、座り心地が低下しない。
【選択図】 図1
【解決手段】後部座席10を構成するシートクッション14に、略車両前方側及び略車両下方側で開口した凹部48を形成する。また、凹部48の内側に略車両前方側で開口した断面矩形の有底筒形状に形成されたケース42を嵌め込む。さらに、略車両上方で開口した箱形状の物入れ50を略車両前後方向に沿ってスライド移動可能にケース42に挿入する。このように、物入れ50を設けているが、ケース42の上側には、シートクッション14を構成するクッションパッドが存在するため、ケース42の上側に乗員が着席しても、座り心地が低下しない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の座席に係り、特に、小物等を収納する物入れが付属した車両用座席及びこのような車両用の座席に好適な座席用収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の後部座席は、通常、略車幅方向に沿って長手方向とされた厚肉のシートクッションを備えている。シートクッションは、ウレタン等で形成されたクッションパッドを皮や合成皮革、或いは、布等により形成された表皮によって覆われている。また、シートクッションの後端側には、シートバックが設けられている。シートバックは、厚さ方向が略車両前後方向とされている点でシートクッションと異なるが、ウレタン等で形成されたクッションパッドを皮や合成皮革、或いは、布等により形成された表皮によって覆われている点ではシートクッションと同じである。
【0003】
このように、基本的に略車幅方向に沿って長手方向とされた所謂ベンチシートタイプの後部座席は、シートクッション上に複数の乗員が並んで着席できる構造となっている。
【0004】
一方、このような後部座席には、小物入れを設けた構成のものがあり、その一例が下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された小物入れ(物入れ)では、ベンチシートタイプの後部座席を構成するシートクッションの長手方向中間部に、略車両上方及び略車両前方側へ向けて開口した切欠部を形成し、その内側に略車両上方側へ向けて開口した筐体を収容している。この筐体には、筐体を閉止した状態で外底部がシートクッションの表面に略一致する一対の蓋体が設けられている。
【0006】
蓋体は略車両前後方向に並んだ状態で設けられており、相対的に略車両前方側の蓋体が略車幅方向を軸方向とする軸周りに略車両前方側へ回動し、相対的に略車両後方側の蓋体が略車幅方向を軸方向とする軸周りに略車両後方側へ回動することで筐体を露出できる。このように、筐体が露出することで、筐体の内部に小物を収納できる構造となっている。
【0007】
一方、特許文献2に開示された小物入れ(物入れ)では、ベンチシートタイプの後部座席を構成するシートクッションの長手方向中間部に、略車両上方へ向けて開口した開口形状が略矩形の有底孔を形成し、その内側に略車両上方側へ向けて開口した収納ボックスを収容している。この収納ボックスには略車両前後方向を軸方向とする軸周りに回動可能に蓋が取り付けられており、この蓋によって収納ボックスの上側開口端を閉止できる。
【0008】
したがって、蓋を回動させて収納ボックスの上側開口端を開放することで、収納ボックスに小物等を収納できる構造となっている。
【0009】
【特許文献1】
実開昭56−163043号公報
【特許文献2】
特開平7−257284号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1、2に開示された小物入れは、筐体や収納ボックスの上部に蓋体(蓋)が設けられており、蓋体の上方に別の物が載置されていたり、或いは、蓋体上に乗員が着席しているような場合には、蓋体を回動させることができず、したがって、このような場合には、筐体や収納ボックスに小物を入れたり、また、筐体や収納ボックスから小物を取り出すことができないという問題がある。
【0011】
また、ベンチシートタイプの後部座席であるにも関わらず、シートクッションの長手方向略中央部に蓋体を設ける構造とすることで、後部座席の長手方向略中央部は基本的には小物入れの専用スペースとなってしまう。このため、基本的には後部座席の略中央部に乗員が着席できない。
【0012】
もっとも、無理をすれば、上記のような構造であっても後部座席の長手方向略中央部に乗員が着席することは可能である。しかしながら、後部座席の長手方向略中央部では、ウレタン等のクッション材が存在せず、蓋体が座面となってしまう。このため、後部座席の長手方向略中央では、所謂座り心地が悪い。
【0013】
本発明は、乗員の座り心地を低下させることなく、小物等の物入れを設けた車両用座席及び乗員の座り心地を低下させることがない座席用収納装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用座席は、車両の乗員が着座可能に成形されると共に、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部が形成されたクッションパッドを有するシートクッションと、前記凹部の内側に設けられ、下方から前記クッションパッドを支持し、前記凹部の内側における空洞の形状を保持する支持手段と、を備えている。
【0015】
上記構成の車両用座席によれば、クッションパッドを有するシートクッション上に車両の乗員が着座する。
【0016】
また、本車両用座席では、シートクッションを構成するクッションパッドには凹部が形成される。この凹部は、少なくとも車両の上下方向に対して直交する一方向、すなわち、略車両前後方向、略車両左右方向、及び車両の左斜め前方等、略車両前後方向及び略車両左右方向の双方を成分的に含む方向の中の一方向に開口している。このため、上記の一方向側における凹部の開口から様々な物(一例としては、ティッシュ箱や地図、サングラス等)を凹部の内側の空洞部に入れることで、このような物をシートックッションの座面の下方に収納できる。
【0017】
これにより、このような物をシートクッション上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0018】
また、このような物を収納するための凹部の上側は、クッションパッドが存在している。このため、凹部が形成された部位であっても、乗員がシートクッションのクッションパッド上に着座できる。このように、本車両用座席では、シートクッション上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、凹部の形成部位でもクッションパッドが存在するため、所謂座り心地も他の部位と比べて同じか、又は、大きく低減させることがない。
【0019】
さらに、このようにシートクッション上の凹部に対応した部位に乗員が着座した場合には、当然のことながら、クッションパッドの凹部が形成された部位に略車両上方側からの荷重が作用する。ここで、凹部の内側には支持体が設けられており、支持体によりクッションパッドが下方から支持される。このため、クッションパッドの凹部が形成された部位に乗員が着座しても、凹部が必要以上に変形することはない。これによっても、凹部を形成することによる座り心地の悪化を防止若しくは軽減できる。
【0020】
また、このように、支持体によりクッションパッドを下方から支持して、凹部の形状(すなわち、物を収納するための空洞部の形状)を保持するため、乗員が凹部の形成部位に着座することによる空洞部の容積変化を防止又は軽減できる。これにより、上方からの荷重により変形したクッションパッド等が、凹部内(空洞部内)に収納した物に干渉することがない。
【0021】
なお、請求項1記載の本発明は、基本的に、クッションパッドに形成された凹部に支持手段を設けた構成であればよい。しかしながら、単純に凹部の内側に物を収納する構造とした場合を考えると、凹部の開口端やこの開口端に対応して、凹部の開口端を開閉する方向に移動可能な蓋体を設ける構成にすることが好ましい。また、このような蓋体には、支持手段若しくはその他の部位に係合することで、凹部の開口端を蓋体が閉止した状態で蓋体を保持する保持手段を設けると更によい。
【0022】
このように蓋体を設けることで、例えば、車両減速時や加速時等の慣性により凹部内(空洞部内)に収納した物が不用意に凹部の外部に抜け出ることを防止できる。
【0023】
請求項2に記載の車両用座席は、請求項1に記載の本発明において、上方へ向けて開口した略箱状に形成され、前記凹部の開口側から前記シートクッションの内側に挿入されると共に、挿入状態で上側が前記シートパッドにより覆われ、前記凹部の開口側から前記シートクッションの外部に引き出し可能な物入れを備える、ことを特徴としている。
【0024】
上記構成の車両用座席によれば、上方へ向けて開口した略箱状の物入れが、凹部の内側(すなわち、空洞部)に挿入される。この物入れは、凹部の開口側から引き出し可能とされ、引き出されることでシートクッションの外部に露出する。したがって、このように露出した状態では、物入れの上側開口端から、様々な物を物入れ内に収容できる。
【0025】
さらに、このように引き出されて外部に露出した物入れが、再度、凹部に挿入されることで、物入れに収容された物が、凹部の内側(すなわち、空洞部)に収納される。これにより、物入れごと様々な物をシートックッションの座面の下方に収納できる。
【0026】
また、上述したように、凹部が形成された部位では、クッションパッドが支持体により下方から支持される。このため、凹部の形成部位に乗員が着座しても、このときの荷重が物入れに作用することを防止若しくは極めて効果的に軽減できる。これにより、物入れの機械的強度を高くしなくてもよく、物入れの軽量化が可能となる。このように、物入れの軽量化を実現できることで、物入れの出し入れが容易になる。
【0027】
請求項3に記載の車両用座席は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記凹部の開口方向を略車両前方とし、且つ、前記シートクッションを前記車両の運転席及び助手席の少なくとも何れか一方の後方側に配置した、ことを特徴としている。
【0028】
上記構成の車両用座席では、シートクッションが車両の運転席及び助手席の少なくとも何れか一方の後方に配置される。すなわち、車両の後部座席(車両前後方向に2以上の座席が並んで設けられている構造である場合の2列目以降の座席)として本車両用座席が適用される。
【0029】
ここで、本車両用座席では、クッションパッドに形成された凹部が略車両前方側へ向けて開口している。このため、基本的には、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0030】
特に、請求項3に記載の本発明が、請求項2に記載の本発明(すなわち、物入れを備える構成)に従属しているならば、凹部に挿入された物入れを取り出す場合には、凹部の開口端であるところのクッションパッド(シートクッション)の前方側開口端から、略車両前方側へ向けて物入れを引っ張ることになる。
【0031】
このように、後部座席のシートックッションから物入れを略車両前方側へ引き出す構造とすることで、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0032】
すなわち、本車両用座席では、後部座席に着座した乗員のみならず、その前方の運転席や助手席の乗員にとっての操作性が極めて高く、所謂使い勝手がよいというメリットがある。
【0033】
請求項4に記載の車両用座席は、請求項3に記載の本発明において、前記凹部を前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成した、ことを特徴としている。
【0034】
上記構成の車両用座席は、上述したように、車両の後部座席として適用される。しかも、略車両前方側へ開口した凹部は、車両の幅方向(略車両左右方向)に沿ったクッションパッドの略中央に形成される。ここで、車両の運転席の乗員や助手席の乗員が略車両後方へ振り向き、手を伸ばすことを考えた場合、車両の運転席の乗員や助手席の乗員の手は、運転席と助手席との間を通過する。
【0035】
ここで、本車両用座席では、凹部が後部座席を構成するクッションパッドの車両幅方向略中央に形成されることで、凹部が概ね運転席と助手席の間の後方側に位置することになる。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れの側からも容易に凹部内に収納した物を取り出すことができ、又は、物入れを引き出すことができる。
【0036】
請求項5に記載の座席用収納装置は、車両の乗員が着座するシートクッションを構成するクッションパッドに形成されて、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部に挿入され、当該挿入状態で上方が前記クッションパッドに覆われると共に、前記一方向側へ向けて前記凹部から引き出し可能な物入れと、前記凹部の内側で前記物入れと前記クッションパッドとの間に介在し、下方から前記クッションパッドを支持する支持体と、を備えている。
【0037】
上記構成の座席用収納装置が適用される車両用座席では、シートクッションを構成するクッションパッド凹部が形成されており、この凹部に座席用収納装置を構成する物入れが収納される。凹部は少なくとも車両の上下方向に対して直交する一方向、すなわち、略車両前後方向、略車両左右方向、及び車両の左斜め前方等、略車両前後方向及び略車両左右方向の双方を成分的に含む方向の中の一方向に開口しており、この開口から物入れが凹部内に挿入されている。
【0038】
したがって、凹部の開口側から物入れを引き出すことで、物入れをシートックッションの外部に取り出すことができ、この状態で物入れに様々な物(一例としては、ティッシュ箱や地図、サングラス等)を収納できる。
【0039】
また、このような物を物入れに収納した状態で、物入れを凹部内に挿入することで、このような物をシートクッション上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0040】
さらに、上記のように凹部に物入れが挿入された状態では、物入れの上方がクッションパッドにより覆われる。このため、物入れの上方、すなわち、凹部が形成された部位であっても、乗員がシートクッションのクッションパッド上に着座できる。このように、本座席用収納装置では、シートクッション上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、このように、凹部の形成部位でもクッションパッドが存在するため、所謂座り心地も他の部位と比べて同じか、又は、大きく低減させることがない。
【0041】
さらに、このようにシートクッション上の凹部に対応した部位に乗員が着座した場合には、当然のことながら、略車両上方側からの荷重がクッションパッドの凹部が形成された部位に作用する。ここで、凹部の内側にはクッションパッドと物入れとの間に支持体が介在しており、支持体によりクッションパッドが下方から支持される。このため、クッションパッドの凹部が形成された部位に乗員が着座しても、凹部が必要以上に変形することがない。これによっても、凹部を形成することによる座り心地の悪化を防止若しくは軽減できる。
【0042】
また、支持体によりクッションパッドを下方から支持する構造とすることで、上記のように凹部の形成部位に乗員が着座しても、このときの荷重が物入れに作用することを防止若しくは極めて効果的に軽減できる。これにより、物入れの機械的強度を高くしなくてもよく、物入れの軽量化が可能となる。このように、物入れの軽量化を実現できることで、物入れの出し入れが容易になる。
【0043】
請求項6に記載の座席用収納装置は、請求項5に記載の本発明において、運転席及び助手席よりも車両後方側に配置された後部座席を構成する前記シートクッションに形成されると共に、略車両前方側へ開口した前記凹部に前記物入れ及び前記支持体を設けた、ことを特徴としている。
【0044】
上記構成の座席用収納装置では、後部座席(車両前後方向に2以上の座席が並んで設けられている構造である場合の2列目以降の座席)を構成するシートクッションに凹部が形成され、この凹部に物入れ及び支持体が設けられる。
【0045】
また、本座席用収納装置では、凹部は略車両前方側に開口しているため、物入れの引出方向が略車両前方側となる。これにより、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0046】
すなわち、本座席用収納装置では、後部座席に着座した乗員のみならず、その前方の運転席や助手席の乗員にとっての操作性が極めて高く、所謂使い勝手がよいというメリットがある。
【0047】
請求項7に記載の車両用座席は、請求項6に記載の本発明において、前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成された前記凹部に、前記物入れ及び前記支持体を設けた、ことを特徴としている。
【0048】
上記構成の座席用収納装置は、上述したように、車両の後部座席を構成するシートックッションに形成された凹部に物入れ及び支持体を設けられる。しかも、凹部は車両の幅方向(略車両左右方向)に沿ったシートクッションの略中央に形成されている。ここで、車両の運転席の乗員や助手席の乗員が略車両後方へ振り向き、手を伸ばすことを考えた場合、車両の運転席の乗員や助手席の乗員の手は、運転席と助手席との間を通過する。
【0049】
ここで、本座席用収納装置では、後部座席を構成するクッションパッドの車両幅方向略中央に形成された凹部に物入れが挿入される構造であるため、凹部に挿入された物入れは、概ね運転席と助手席の間の後方側に位置する。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れの側からも容易に物入れを引き出すことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図4には本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席としての後部座席10(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置12を適用した後部座席10)の概略的な構成が分解斜視図により示されている。また、図3には本後部座席10の断面図が示されている。
【0051】
図1及び図2に示されるように、本後部座席10は、シートクッション14を備えている。図2に示されるように、シートクッション14はクッションパッド16を備えている。クッションパッド16はウレタン等のクッション材によって、略車両左右方向(略車幅方向)に長手方向で、略車両上下方向に沿って厚さ方向の厚肉の板状に形成されている。また、クッションパッド16は、その幅方向一端側(略車両前後方向前端側)から他端側(略車慮前後方向後端側)へ向けて厚さ寸法が小さくなるように形成されている。
【0052】
また、クッションパッド16には1乃至複数本の形状出しワイヤ18が設けられている(図1及び図2では、1本のみを図示している)。形状出しワイヤ18は、長手方向端部を有しない環状若しくは両端を有する線状に形成されており、基本的にはクッションパッド16を成形する際の金型内に配置され、その大部分がクッションパッド16に埋設された状態でインサート成形される。また、形状出しワイヤ18は、環状の場合には周方向に沿った一部、また、線状の場合には一端又は両端にフック等の係止手段(図示省略)が設けられている。
【0053】
このような係止手段はクッションパッド16の下面や、車両の床部20のうち、クッションパッド16を配置するために一段高く形成された後部座席取付部22の適宜位置、又は、後述する表皮張りワイヤ32に設けられた係止部(図示省略)に係止される。この係止手段の係止状態では、形状出しワイヤ18がその張力で適宜にクッションパッド16を締め付けてクッションパッド16に凹凸を形成する等の所定の形状に成形している。これにより、例えば、乗員がクッションパッド16上に着座した際に、乗員の臀部にクッションパッド16がフィットする構成となっている。
【0054】
さらに、上記のクッションパッド16は表皮30によって覆われている。表皮30は、例えば、皮や合成皮革、布等により形成されており、クッションパッド16をその上方から覆うことで、クッションパッド16の露出を防止し、質感や触感等を向上させている。この表皮30の裏面(クッションパッド16側の面)には表皮張りワイヤ32が設けられている。
【0055】
表皮張りワイヤ32は、長手方向端部を有しない環状若しくは両端を有する線状に形成されている(図1においては環状の表皮張りワイヤ32のみを図示している)。表皮32がクッションパッド16を上方から覆った状態では、クッションパッド16の下側における表皮20の開口を表皮張りワイヤ32がしぼる。これにより、クッションパッド16の表面に表皮30が密着し、また、クッションパッド16の形状に対応した凹凸等が形成される。
【0056】
また、表皮張りワイヤ32の適宜位置にクリップ26が形成され、又は、一体的に取り付けられている。これらのクリップ26を後部座席取付部22に形成された嵌合孔28等に嵌め込むことで、表皮30及び表皮30に覆われたクッションパッド16が後部座席取付部22に一体的に連結される(取り付けられる)構成となっている。
【0057】
なお、上記のような各ワイヤ18、32によるクッションパッド16や表皮30の凹凸の形成や、表皮30の取り付けは、あくまでも一例であって、クッションパッド16や表皮30の凹凸の形成や表皮30の取り付けが各ワイヤ18、32によるものでなくてもよい。
【0058】
一方、シートクッション14の幅方向他端側(後端側)には、シートバック34が設けられている。シートバック34はクッションパッド36を備えている。クッションパッド36はウレタン等のクッション材によって、略車両左右方向に長手方向で、略車両前後方向に沿って厚さ方向の厚肉の板状に形成されている。クッションパッド36は、例えば、金属材料等の比較的高い合成を有する材料によって略車両前後方向に貫通した薄肉の枠状に形成されたフレーム(図示省略)に取り付けられている。
【0059】
また、クッションパッド36は表皮38によって覆われている。表皮38は、例えば、皮や合成皮革、布等により形成されており、クッションパッド36をその上方から覆うことで、クッションパッド36の露出を防止し、質感や触感等を向上させている。また、上記のクッションパッド36や表皮38には、シートクッション14のクッションパッド16や表皮30と同様に図示しない形状出しワイヤや表皮張りワイヤが設けられており、これらのワイヤの張力により表皮38やクッションパッド36に適宜に凹凸が形成され、また、表皮38がクッションパッド36に密着している。
【0060】
一方、図4に示されるように、クッションパッド16の長手方向に沿った表皮張りワイヤ32の中間部には、一対のブリッジ部40が設けられている。ブリッジ部40は、クッションパッド16の幅方向に沿って長手方向とされた棒状又は板状の部材で、各々の長手方向両端が溶接等の固着手段によって表皮張りワイヤ32に一体的に連結されている。
【0061】
さらに、これらのブリッジ部40の間には一対のブリッジ部41が設けられている。これらのブリッジ部41は、クッションパッド16の長手方向に沿って長手方向とされた棒状又は板状の部材で、各々の長手方向両端が溶接等の固着手段によってブリッジ部40に一体的に連結されている。
【0062】
これらのブリッジ部40は、クッションパッド16の幅方向に沿って互いに所定距離離間した状態で設けられている。これらのブリッジ部41上には支持体としてのケース42が設けられている。
【0063】
ケース42は、比較的高強度の金属又は合成樹脂材によって略車両前方側で開口した断面矩形の有底筒形状に形成されている。クッションパッド16の長手方向に沿ったケース42の両端近傍には、それぞれ複数の取付部44が形成されている。これらの取付部44には下方へ向けて開口した雌ねじ孔が形成されている。
【0064】
また、これらの取付部44に対応してブリッジ部41には略車両上下方向に貫通した透孔46が形成されている。これらの透孔46には、下方からボルト47が貫通し、更に、取付部44の雌ねじ孔に螺合する。これにより、ケース42がブリッジ部40上、ひいては、表皮張りワイヤ32に一体的に固定される構成となっている。
【0065】
ここで、図1及び図2に示されるように、上述したクッションパッド16には、ケース42が設けられる部分に対応して、略車両下方及び略車両前方へ向けて開口した凹部48が形成されており、ケース42が凹部48に嵌まり込む構造となっている。図2に示されるように、凹部48に嵌まり込んだ状態でケース42の外周部には基本的にクッションパッド16が接していると共に、ケース42の開口端は凹部48の前側開口端で露出する。
【0066】
また、このケース42には物入れ50が設けられている。物入れは略車両上方へ向けて開口した箱形状に形成されている。また、物入れ50の長手方向寸法、高さ寸法、幅寸法のそれぞれは、これらの方向に対応したケース42の内寸よりも僅かに小さい程度とされ、図2に示されるように、略車両前方側でのケース42の開口端から略車両後方側へスライドさせることで物入れ50をケース42の内側へ挿入でき、また、完全に物入れ50をケース42内に挿入した状態では、把持部52が形成された物入れ50の前壁部54がケース42の開口端に対し、略面一か、面一にならないまでも凹凸が極めて小さくなるように物入れ50が形成されている。
【0067】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0068】
以上の後部座席10では、運転席又は助手席の後方側で車両に乗車した乗員がシートクッション14上に着座して、シートバック34に寄り掛かった状態で着席する。
【0069】
一方、本後部座席10では、上述したように、ケース42内に物入れ50が挿入されている。後部座席10の乗員は、ケース42の開口端側から物入れ50を略車両前方側に引っ張ると、ケース42に案内されて物入れ50が略車両前方側にスライドする。このように、物入れ50を略車両前方側へスライドさせると、上方へ向けて開口した物入れ50の開口端がシートクッション14の前方側で外部に露出する。したがって、この状態では、物入れ50の内側に、例えば、ティッシュ箱や地図帳、サングラス、更には車両室内で音楽等を聴くためのミニディスクやコンパクトディスク等、様々な小物(物)を収納できる。
【0070】
さらに、このような小物を物入れ50に収納した状態で、物入れ50を略車両後方側へ押圧すると、物入れ50がケース42に案内されて略車両後方側へスライド移動する。このように、物入れ50が略車両後方側へスライド移動することで、ケース42内に物入れ50が挿入される。物入れ50の前壁部54がケース42の開口端に対し、略面一か面一にならないまでもケース42の開口端に対して凹凸が小さくなるまでケース42内に物入れ50が挿入されることで、ケース42内に物入れ50が収容され、ひいては、物入れ50に収納した小物がケース42内に収容される。
【0071】
このように、本後部座席10では、物入れ50に収納した子物を、物入れ50ごとケース42内に収容することで、小物をシートクッション14上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0072】
また、凹部48及びケース42が略車両前方側で開口し、物入れ50を略車両前後方向にスライド移動させて物入れ50を引き出し、また、物入れ50をケース42内に収納する構成としたことで、基本的には、凹部48の上側で乗員が着座していても、物入れ50をスライド移動させることができる。これにより、物入れ50の使い勝手を向上させることができる。
【0073】
さらに、本後部座席10では、ケース42が設けられるクッションパッド16の凹部48が略車両前方側及び略車両下方へ向けて開口している。しかしながら、凹部48は略車両上方側へは開口しておらず、したがって、ケース42の上側にもクッションパッド16が存在している。このため、ケース42の上方、すなわち、シートクッション14の凹部48に対応した部位であっても、シートクッション14に乗員が着座できる。
【0074】
このように、本後部座席10では、シートクッション14上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、このように、ケース42の上方でもクッションパッド16が存在するため、乗員が着座した際に乗員が感じる座り心地もシートクッション14の他の部位と比べて同じか、又は、大きく悪化することがない。
【0075】
ところで、本後部座席10のケース42の上方に乗員が着座した場合には、シートクッション14の凹部48に対応した部位に乗員の体重に応じた荷重が作用する。ここで、本後部座席10では、凹部48内にケース42が設けられている。
【0076】
ケース42は、比較的機械的強度が高い金属や合成樹脂材により形成される。このため、凹部48が形成された部位では、上記のように上方から荷重が作用してもケース42により下方から支持される。これにより、凹部48を形成することで、クッションパッド16が他の部位に比べて薄くなり、しかも、凹部48と言う空間が形成されても、不必要にクッションパッド16が大きく沈み込むように変形することがない。このため、凹部48を形成することによる座り心地の低下を効果的に防止又は抑制できる。
【0077】
しかも、上記のように、ケース42が上方からの荷重を支持するため、物入れ50が荷重を受けることがなくなるか、また、仮に、物入れ50が上記の荷重を受けるとしても、ケース42が荷重の大部分を受け止めることで物入れ50が受ける荷重が極めて小さくなる。
【0078】
このため、物入れ50の機械的強度を比較的低く設定することが可能となる。このように、物入れ50の機械的強度を比較的低く設定することで、物入れ50自体の重量を軽減でき、物入れ50を引き出したり、ケース42内に物入れ50を挿入する際の操作を楽に行なうことができる(すなわち、物入れ50の操作性が向上する)。
【0079】
さらに、上記のように、本後部座席10では、凹部48及びケース42が略車両前方側で開口し、物入れ50を引き出す際には物入れ50を略車両前方側へ引き出す構造となっている。このため、後部座席10の乗員のみならず、運転席や助手席の乗員であっても、後方へ振り返って手を伸ばせば、物入れ50の把持部52を掴んで物入れ50を引き出すことができる。
【0080】
しかも、凹部48がクッションパッド16の長手方向略中央に形成されており、これにより、凹部48の形成位置が運転席と助手席との間の後方となる。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れからも、物入れ50の把持部52を掴むことができる。
【0081】
すなわち、本後部座席10では、後部座席10の乗員はもとより、運転席や助手席の乗員による物入れ50の操作性が高い。このため、後部座席10の乗員が使用する小物以外にも、運転席の乗員の使用頻度が高い小物も収納できる。
【0082】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0083】
図5には本実施の形態に係る車両用座席としての後部座席70の概略的な構成(本実施の形態に係る座席用収納装置72の概略的な構成)が分解斜視図により示されている。また、図6には本後部座席70の断面図が示されている。
【0084】
図5及び図6に示されるように、本後部座席70は、座席用収納装置72を構成するケース74を備えている。前記第1の実施の形態においてケース42は略車両前方側へ向けて開口した断面矩形の有底筒形状であった。これに対してケース74は、略車両前方側のみならず略車両下方へ向けて開口しており、その断面形状は略車両下方へ向けて開口した凹形状となっている。
【0085】
また、略車幅方向に沿ったケース74の両側壁76には鍔部78が形成されている。両鍔部78は側壁76の下端部から略車幅方向外方へ向けて延出されて延出されており、これらの鍔部78を上方側から貫通した固定ねじ80が後部座席取付部22に形成された螺入する。これにより、ケース74が後部座席取付部22上に固定される。
【0086】
このように、本実施の形態は、表皮張りワイヤ32に固定されることで基本的に後部座席10と一体となったケース42とは異なり、ケース74が車両の床部20である後部座席取付部22に固定される構成である。しかしながら、このような構成であっても、物入れ50はケース74に対して略車両前後方向にスライド移動することで、ケース74から物入れ50が引き出され、また、ケース74に物入れ50が収容される。このように、本後部座席70でも基本的な作用に関しては前記第1の実施の形態と同じになる。このため、前記第1の実施の形態で説明した効果と同様の効果を本実施の形態に係る後部座席70でも得ることができる。
【0087】
なお、上記の各実施の形態では、ケース42、74に物入れ50を収納する構成であった。しかしながら、請求項1に記載した本発明の観点からすれば、物入れ50はなくてもよい。その一例を図7に例えば基づき簡単に説明する。図7に示されるように、凹部48(図7では図示省略)に設けられるケース42の開口端に対応して略矩形板状の蓋体92を設ける。さらに、略車両上下方向に沿った蓋体92の下端部を1乃至複数のヒンジ94によりケース42に連結する。このようにケース42に連結された蓋体92は、ヒンジ94周りに下方へ回動させることでケース42の開口端を開放し、この開放状態で蓋体92が上方へ回動することでケース42の開口端を閉止する。
【0088】
以上のような構造とし、しかも、物入れ50を設けない構成とした場合には、蓋体92を回動させてケース42の開口端を開放し、ケース42の内部に小物等を直接収納する構成となる。
【0089】
このような構成とした場合であっても、ケース42内に小物を収納することで、車両室内という極めて限られた空間を有効に活用できると言う効果がある。しかも、前記第1の実施の形態と同様に凹部48にケース42を設けているため、乗員が凹部48に対応した部位に着座した際の荷重がケース42により支持される。これにより、荷重で変形したシートクッション14等にケース42内の小物が不要に干渉されることを防止できる。
【0090】
さらに、上記の各実施の形態では、ケース42、74は、箱形状若しくは下方へ向けて開口した断面凹形状で、基本的にはケース42、74を構成する各壁部が板状である。しかしながら、基本的に支持体は凹部48においてクッションパッド16を下方から支持する構成であればよい。したがって、壁部が板状のケース42、74に代えて、高強度の金属若しくは合成樹脂材により形成された棒状部材をケース42、74の外周形状と同じような形状に組み合わせたフレームを支持体に適用してもよい。
【0091】
また、これまでの説明では、本発明に係る車両用座席を後部座席10、70に適用した構成(本発明に係る座席用収納装置を後部座席10、70に用いた構成)であったが、本発明に係る車両用座席(座席用収納装置)を運転席や助手席に適用してもよい。
【0092】
このような場合、例えば、凹部48やケース42、74を略車両後方側へ開口し、物入れ50を略車両後方側へスライド移動させることで物入れ50が引き出され、また、物入れ50を略車両前方側へスライド移動させることでケース42、74内に物入れ50が収納される構成とすることで、後部座席に着席した乗員が容易に物入れ50に小物を収納できる。
【0093】
また、近年では、運転席と助手席との間を人が通過できる所謂ウオークスルー構造となった車両がある。このような車両の場合には、凹部48及びケース42、74が車両の室内側(より詳細に言えば、本発明が運転席に適用されるのであれば助手席側、本発明が助手席に適用されるのであれば運転席側)に開口するように形成し、物入れ50を略車幅方向にスライド移動させることで物入れ50をケース42、74から引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収納する構成としてもよい。
【0094】
なお、運転席や助手席の場合には、基本的にシートクッションと車両の床部との間に空間が形成されている場合が多く、この空間を小物の収納スペースとして適用することも充分に考えられる。しかしながら、近年では、運転席や助手席の下方は、例えば、CDチェンジャー等と称されるオーディオ用のコンパクトディスク切り替え装置や、カーナビゲーション装置の本体部分の設置スペースとして用いられることが多い。
【0095】
ここで、このような空間を小物入れのスペースとして用いた場合には、このような各種装置のスペースが不足する。これに対して、上記の各実施の形態の構成を運転席や助手席に応用した場合には、物入れ50がシートクッション14の凹部48に収容される構成である。このため、シートクッション14の下方は、従前通りコンパクトディスク切り替え装置や、カーナビゲーション装置の本体部分の設置スペースとして用いることができると言う極めて優れた効果を得ることができる。
【0096】
以上のように、本発明は、車両の座席であれば、後部座席や運転席等、その態様に関係なく適用できる。このため、複数の座席に本発明を適用することで、小物の収容空間を増加でき、車両室内をより一層広く使用できる。
【0097】
また、上記の各実施の形態では、物入れ50が略車両前後方向にスライドすることで、物入れ50がケース42、74から引き出され、また、物入れ50がケース42、74に収納される構成であった。しかしながら、請求項1又は請求項4記載の本発明の観点からすれば、物入れ50の移動方向が略車両前後方向に沿ったスライド移動に限定されるものではない。例えば、略車両上下方向を軸方向として物入れ50を回動可能にケース42、74内に取り付け、物入れ50を回動させることでケース42、74から物入れ50を引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収容する構成としてもよい。
【0098】
さらに、上記の各実施の形態では用いなかったが、ケース42、74の内側及び物入れ50の外側の何れか一方の適宜位置に、例えば、弾性的に何れか他方に係合し、結果的にケース42、74内で物入れ50を保持する保持手段(又は、ロック手段)を設け、何れか他方に対する保持手段の係合を解除した状態でのみ物入れ50をケース42、74から引き出せる構成としてもよい。このような構成とすることで、車両急停止時等、車両減速時における慣性で、不用意に物入れ50が引き出されることを防止できる。
【0099】
また、ケース42内に、ゴムローラ等の転動体を回転自在に設けると共に、この転動体の外周部に物入れ50の外側面を当接させ、この状態で物入れ50がスライド移動することで転動体が回転する構造のガイド手段を設けてもよい。このような構造とすることで、ケース42、74の内側面が物入れ50の外側面に摺接する構成に比べて軽い力でケース42、74から物入れ50を引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収容でき、操作性が向上する。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、物入れに様々な物を収容できるのみならず、物入れの上方に乗員が着席でき、しかも、乗員の座り心地を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の凹部以外の部位での図2に対応した断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の全体構成の概略を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第2の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第2の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す断面図である。
【図7】物入れを設けない構成の変形例を示す要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 後部座席(車両用座席)
12 座席用収納装置
14 シートクッション
16 クッションパッド
42 ケース(支持体)
48 凹部
50 物入れ
70 後部座席(車両用座席)
72 座席用収納装置
74 ケース(支持体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の座席に係り、特に、小物等を収納する物入れが付属した車両用座席及びこのような車両用の座席に好適な座席用収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の後部座席は、通常、略車幅方向に沿って長手方向とされた厚肉のシートクッションを備えている。シートクッションは、ウレタン等で形成されたクッションパッドを皮や合成皮革、或いは、布等により形成された表皮によって覆われている。また、シートクッションの後端側には、シートバックが設けられている。シートバックは、厚さ方向が略車両前後方向とされている点でシートクッションと異なるが、ウレタン等で形成されたクッションパッドを皮や合成皮革、或いは、布等により形成された表皮によって覆われている点ではシートクッションと同じである。
【0003】
このように、基本的に略車幅方向に沿って長手方向とされた所謂ベンチシートタイプの後部座席は、シートクッション上に複数の乗員が並んで着席できる構造となっている。
【0004】
一方、このような後部座席には、小物入れを設けた構成のものがあり、その一例が下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された小物入れ(物入れ)では、ベンチシートタイプの後部座席を構成するシートクッションの長手方向中間部に、略車両上方及び略車両前方側へ向けて開口した切欠部を形成し、その内側に略車両上方側へ向けて開口した筐体を収容している。この筐体には、筐体を閉止した状態で外底部がシートクッションの表面に略一致する一対の蓋体が設けられている。
【0006】
蓋体は略車両前後方向に並んだ状態で設けられており、相対的に略車両前方側の蓋体が略車幅方向を軸方向とする軸周りに略車両前方側へ回動し、相対的に略車両後方側の蓋体が略車幅方向を軸方向とする軸周りに略車両後方側へ回動することで筐体を露出できる。このように、筐体が露出することで、筐体の内部に小物を収納できる構造となっている。
【0007】
一方、特許文献2に開示された小物入れ(物入れ)では、ベンチシートタイプの後部座席を構成するシートクッションの長手方向中間部に、略車両上方へ向けて開口した開口形状が略矩形の有底孔を形成し、その内側に略車両上方側へ向けて開口した収納ボックスを収容している。この収納ボックスには略車両前後方向を軸方向とする軸周りに回動可能に蓋が取り付けられており、この蓋によって収納ボックスの上側開口端を閉止できる。
【0008】
したがって、蓋を回動させて収納ボックスの上側開口端を開放することで、収納ボックスに小物等を収納できる構造となっている。
【0009】
【特許文献1】
実開昭56−163043号公報
【特許文献2】
特開平7−257284号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1、2に開示された小物入れは、筐体や収納ボックスの上部に蓋体(蓋)が設けられており、蓋体の上方に別の物が載置されていたり、或いは、蓋体上に乗員が着席しているような場合には、蓋体を回動させることができず、したがって、このような場合には、筐体や収納ボックスに小物を入れたり、また、筐体や収納ボックスから小物を取り出すことができないという問題がある。
【0011】
また、ベンチシートタイプの後部座席であるにも関わらず、シートクッションの長手方向略中央部に蓋体を設ける構造とすることで、後部座席の長手方向略中央部は基本的には小物入れの専用スペースとなってしまう。このため、基本的には後部座席の略中央部に乗員が着席できない。
【0012】
もっとも、無理をすれば、上記のような構造であっても後部座席の長手方向略中央部に乗員が着席することは可能である。しかしながら、後部座席の長手方向略中央部では、ウレタン等のクッション材が存在せず、蓋体が座面となってしまう。このため、後部座席の長手方向略中央では、所謂座り心地が悪い。
【0013】
本発明は、乗員の座り心地を低下させることなく、小物等の物入れを設けた車両用座席及び乗員の座り心地を低下させることがない座席用収納装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用座席は、車両の乗員が着座可能に成形されると共に、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部が形成されたクッションパッドを有するシートクッションと、前記凹部の内側に設けられ、下方から前記クッションパッドを支持し、前記凹部の内側における空洞の形状を保持する支持手段と、を備えている。
【0015】
上記構成の車両用座席によれば、クッションパッドを有するシートクッション上に車両の乗員が着座する。
【0016】
また、本車両用座席では、シートクッションを構成するクッションパッドには凹部が形成される。この凹部は、少なくとも車両の上下方向に対して直交する一方向、すなわち、略車両前後方向、略車両左右方向、及び車両の左斜め前方等、略車両前後方向及び略車両左右方向の双方を成分的に含む方向の中の一方向に開口している。このため、上記の一方向側における凹部の開口から様々な物(一例としては、ティッシュ箱や地図、サングラス等)を凹部の内側の空洞部に入れることで、このような物をシートックッションの座面の下方に収納できる。
【0017】
これにより、このような物をシートクッション上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0018】
また、このような物を収納するための凹部の上側は、クッションパッドが存在している。このため、凹部が形成された部位であっても、乗員がシートクッションのクッションパッド上に着座できる。このように、本車両用座席では、シートクッション上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、凹部の形成部位でもクッションパッドが存在するため、所謂座り心地も他の部位と比べて同じか、又は、大きく低減させることがない。
【0019】
さらに、このようにシートクッション上の凹部に対応した部位に乗員が着座した場合には、当然のことながら、クッションパッドの凹部が形成された部位に略車両上方側からの荷重が作用する。ここで、凹部の内側には支持体が設けられており、支持体によりクッションパッドが下方から支持される。このため、クッションパッドの凹部が形成された部位に乗員が着座しても、凹部が必要以上に変形することはない。これによっても、凹部を形成することによる座り心地の悪化を防止若しくは軽減できる。
【0020】
また、このように、支持体によりクッションパッドを下方から支持して、凹部の形状(すなわち、物を収納するための空洞部の形状)を保持するため、乗員が凹部の形成部位に着座することによる空洞部の容積変化を防止又は軽減できる。これにより、上方からの荷重により変形したクッションパッド等が、凹部内(空洞部内)に収納した物に干渉することがない。
【0021】
なお、請求項1記載の本発明は、基本的に、クッションパッドに形成された凹部に支持手段を設けた構成であればよい。しかしながら、単純に凹部の内側に物を収納する構造とした場合を考えると、凹部の開口端やこの開口端に対応して、凹部の開口端を開閉する方向に移動可能な蓋体を設ける構成にすることが好ましい。また、このような蓋体には、支持手段若しくはその他の部位に係合することで、凹部の開口端を蓋体が閉止した状態で蓋体を保持する保持手段を設けると更によい。
【0022】
このように蓋体を設けることで、例えば、車両減速時や加速時等の慣性により凹部内(空洞部内)に収納した物が不用意に凹部の外部に抜け出ることを防止できる。
【0023】
請求項2に記載の車両用座席は、請求項1に記載の本発明において、上方へ向けて開口した略箱状に形成され、前記凹部の開口側から前記シートクッションの内側に挿入されると共に、挿入状態で上側が前記シートパッドにより覆われ、前記凹部の開口側から前記シートクッションの外部に引き出し可能な物入れを備える、ことを特徴としている。
【0024】
上記構成の車両用座席によれば、上方へ向けて開口した略箱状の物入れが、凹部の内側(すなわち、空洞部)に挿入される。この物入れは、凹部の開口側から引き出し可能とされ、引き出されることでシートクッションの外部に露出する。したがって、このように露出した状態では、物入れの上側開口端から、様々な物を物入れ内に収容できる。
【0025】
さらに、このように引き出されて外部に露出した物入れが、再度、凹部に挿入されることで、物入れに収容された物が、凹部の内側(すなわち、空洞部)に収納される。これにより、物入れごと様々な物をシートックッションの座面の下方に収納できる。
【0026】
また、上述したように、凹部が形成された部位では、クッションパッドが支持体により下方から支持される。このため、凹部の形成部位に乗員が着座しても、このときの荷重が物入れに作用することを防止若しくは極めて効果的に軽減できる。これにより、物入れの機械的強度を高くしなくてもよく、物入れの軽量化が可能となる。このように、物入れの軽量化を実現できることで、物入れの出し入れが容易になる。
【0027】
請求項3に記載の車両用座席は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記凹部の開口方向を略車両前方とし、且つ、前記シートクッションを前記車両の運転席及び助手席の少なくとも何れか一方の後方側に配置した、ことを特徴としている。
【0028】
上記構成の車両用座席では、シートクッションが車両の運転席及び助手席の少なくとも何れか一方の後方に配置される。すなわち、車両の後部座席(車両前後方向に2以上の座席が並んで設けられている構造である場合の2列目以降の座席)として本車両用座席が適用される。
【0029】
ここで、本車両用座席では、クッションパッドに形成された凹部が略車両前方側へ向けて開口している。このため、基本的には、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0030】
特に、請求項3に記載の本発明が、請求項2に記載の本発明(すなわち、物入れを備える構成)に従属しているならば、凹部に挿入された物入れを取り出す場合には、凹部の開口端であるところのクッションパッド(シートクッション)の前方側開口端から、略車両前方側へ向けて物入れを引っ張ることになる。
【0031】
このように、後部座席のシートックッションから物入れを略車両前方側へ引き出す構造とすることで、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0032】
すなわち、本車両用座席では、後部座席に着座した乗員のみならず、その前方の運転席や助手席の乗員にとっての操作性が極めて高く、所謂使い勝手がよいというメリットがある。
【0033】
請求項4に記載の車両用座席は、請求項3に記載の本発明において、前記凹部を前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成した、ことを特徴としている。
【0034】
上記構成の車両用座席は、上述したように、車両の後部座席として適用される。しかも、略車両前方側へ開口した凹部は、車両の幅方向(略車両左右方向)に沿ったクッションパッドの略中央に形成される。ここで、車両の運転席の乗員や助手席の乗員が略車両後方へ振り向き、手を伸ばすことを考えた場合、車両の運転席の乗員や助手席の乗員の手は、運転席と助手席との間を通過する。
【0035】
ここで、本車両用座席では、凹部が後部座席を構成するクッションパッドの車両幅方向略中央に形成されることで、凹部が概ね運転席と助手席の間の後方側に位置することになる。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れの側からも容易に凹部内に収納した物を取り出すことができ、又は、物入れを引き出すことができる。
【0036】
請求項5に記載の座席用収納装置は、車両の乗員が着座するシートクッションを構成するクッションパッドに形成されて、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部に挿入され、当該挿入状態で上方が前記クッションパッドに覆われると共に、前記一方向側へ向けて前記凹部から引き出し可能な物入れと、前記凹部の内側で前記物入れと前記クッションパッドとの間に介在し、下方から前記クッションパッドを支持する支持体と、を備えている。
【0037】
上記構成の座席用収納装置が適用される車両用座席では、シートクッションを構成するクッションパッド凹部が形成されており、この凹部に座席用収納装置を構成する物入れが収納される。凹部は少なくとも車両の上下方向に対して直交する一方向、すなわち、略車両前後方向、略車両左右方向、及び車両の左斜め前方等、略車両前後方向及び略車両左右方向の双方を成分的に含む方向の中の一方向に開口しており、この開口から物入れが凹部内に挿入されている。
【0038】
したがって、凹部の開口側から物入れを引き出すことで、物入れをシートックッションの外部に取り出すことができ、この状態で物入れに様々な物(一例としては、ティッシュ箱や地図、サングラス等)を収納できる。
【0039】
また、このような物を物入れに収納した状態で、物入れを凹部内に挿入することで、このような物をシートクッション上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0040】
さらに、上記のように凹部に物入れが挿入された状態では、物入れの上方がクッションパッドにより覆われる。このため、物入れの上方、すなわち、凹部が形成された部位であっても、乗員がシートクッションのクッションパッド上に着座できる。このように、本座席用収納装置では、シートクッション上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、このように、凹部の形成部位でもクッションパッドが存在するため、所謂座り心地も他の部位と比べて同じか、又は、大きく低減させることがない。
【0041】
さらに、このようにシートクッション上の凹部に対応した部位に乗員が着座した場合には、当然のことながら、略車両上方側からの荷重がクッションパッドの凹部が形成された部位に作用する。ここで、凹部の内側にはクッションパッドと物入れとの間に支持体が介在しており、支持体によりクッションパッドが下方から支持される。このため、クッションパッドの凹部が形成された部位に乗員が着座しても、凹部が必要以上に変形することがない。これによっても、凹部を形成することによる座り心地の悪化を防止若しくは軽減できる。
【0042】
また、支持体によりクッションパッドを下方から支持する構造とすることで、上記のように凹部の形成部位に乗員が着座しても、このときの荷重が物入れに作用することを防止若しくは極めて効果的に軽減できる。これにより、物入れの機械的強度を高くしなくてもよく、物入れの軽量化が可能となる。このように、物入れの軽量化を実現できることで、物入れの出し入れが容易になる。
【0043】
請求項6に記載の座席用収納装置は、請求項5に記載の本発明において、運転席及び助手席よりも車両後方側に配置された後部座席を構成する前記シートクッションに形成されると共に、略車両前方側へ開口した前記凹部に前記物入れ及び前記支持体を設けた、ことを特徴としている。
【0044】
上記構成の座席用収納装置では、後部座席(車両前後方向に2以上の座席が並んで設けられている構造である場合の2列目以降の座席)を構成するシートクッションに凹部が形成され、この凹部に物入れ及び支持体が設けられる。
【0045】
また、本座席用収納装置では、凹部は略車両前方側に開口しているため、物入れの引出方向が略車両前方側となる。これにより、運転席や助手席に着座した乗員は、着座したまま後方へ振り向き、手を伸ばして物入れを引っ張るだけで、物入れを取り出すことが可能となる。
【0046】
すなわち、本座席用収納装置では、後部座席に着座した乗員のみならず、その前方の運転席や助手席の乗員にとっての操作性が極めて高く、所謂使い勝手がよいというメリットがある。
【0047】
請求項7に記載の車両用座席は、請求項6に記載の本発明において、前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成された前記凹部に、前記物入れ及び前記支持体を設けた、ことを特徴としている。
【0048】
上記構成の座席用収納装置は、上述したように、車両の後部座席を構成するシートックッションに形成された凹部に物入れ及び支持体を設けられる。しかも、凹部は車両の幅方向(略車両左右方向)に沿ったシートクッションの略中央に形成されている。ここで、車両の運転席の乗員や助手席の乗員が略車両後方へ振り向き、手を伸ばすことを考えた場合、車両の運転席の乗員や助手席の乗員の手は、運転席と助手席との間を通過する。
【0049】
ここで、本座席用収納装置では、後部座席を構成するクッションパッドの車両幅方向略中央に形成された凹部に物入れが挿入される構造であるため、凹部に挿入された物入れは、概ね運転席と助手席の間の後方側に位置する。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れの側からも容易に物入れを引き出すことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図4には本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席としての後部座席10(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置12を適用した後部座席10)の概略的な構成が分解斜視図により示されている。また、図3には本後部座席10の断面図が示されている。
【0051】
図1及び図2に示されるように、本後部座席10は、シートクッション14を備えている。図2に示されるように、シートクッション14はクッションパッド16を備えている。クッションパッド16はウレタン等のクッション材によって、略車両左右方向(略車幅方向)に長手方向で、略車両上下方向に沿って厚さ方向の厚肉の板状に形成されている。また、クッションパッド16は、その幅方向一端側(略車両前後方向前端側)から他端側(略車慮前後方向後端側)へ向けて厚さ寸法が小さくなるように形成されている。
【0052】
また、クッションパッド16には1乃至複数本の形状出しワイヤ18が設けられている(図1及び図2では、1本のみを図示している)。形状出しワイヤ18は、長手方向端部を有しない環状若しくは両端を有する線状に形成されており、基本的にはクッションパッド16を成形する際の金型内に配置され、その大部分がクッションパッド16に埋設された状態でインサート成形される。また、形状出しワイヤ18は、環状の場合には周方向に沿った一部、また、線状の場合には一端又は両端にフック等の係止手段(図示省略)が設けられている。
【0053】
このような係止手段はクッションパッド16の下面や、車両の床部20のうち、クッションパッド16を配置するために一段高く形成された後部座席取付部22の適宜位置、又は、後述する表皮張りワイヤ32に設けられた係止部(図示省略)に係止される。この係止手段の係止状態では、形状出しワイヤ18がその張力で適宜にクッションパッド16を締め付けてクッションパッド16に凹凸を形成する等の所定の形状に成形している。これにより、例えば、乗員がクッションパッド16上に着座した際に、乗員の臀部にクッションパッド16がフィットする構成となっている。
【0054】
さらに、上記のクッションパッド16は表皮30によって覆われている。表皮30は、例えば、皮や合成皮革、布等により形成されており、クッションパッド16をその上方から覆うことで、クッションパッド16の露出を防止し、質感や触感等を向上させている。この表皮30の裏面(クッションパッド16側の面)には表皮張りワイヤ32が設けられている。
【0055】
表皮張りワイヤ32は、長手方向端部を有しない環状若しくは両端を有する線状に形成されている(図1においては環状の表皮張りワイヤ32のみを図示している)。表皮32がクッションパッド16を上方から覆った状態では、クッションパッド16の下側における表皮20の開口を表皮張りワイヤ32がしぼる。これにより、クッションパッド16の表面に表皮30が密着し、また、クッションパッド16の形状に対応した凹凸等が形成される。
【0056】
また、表皮張りワイヤ32の適宜位置にクリップ26が形成され、又は、一体的に取り付けられている。これらのクリップ26を後部座席取付部22に形成された嵌合孔28等に嵌め込むことで、表皮30及び表皮30に覆われたクッションパッド16が後部座席取付部22に一体的に連結される(取り付けられる)構成となっている。
【0057】
なお、上記のような各ワイヤ18、32によるクッションパッド16や表皮30の凹凸の形成や、表皮30の取り付けは、あくまでも一例であって、クッションパッド16や表皮30の凹凸の形成や表皮30の取り付けが各ワイヤ18、32によるものでなくてもよい。
【0058】
一方、シートクッション14の幅方向他端側(後端側)には、シートバック34が設けられている。シートバック34はクッションパッド36を備えている。クッションパッド36はウレタン等のクッション材によって、略車両左右方向に長手方向で、略車両前後方向に沿って厚さ方向の厚肉の板状に形成されている。クッションパッド36は、例えば、金属材料等の比較的高い合成を有する材料によって略車両前後方向に貫通した薄肉の枠状に形成されたフレーム(図示省略)に取り付けられている。
【0059】
また、クッションパッド36は表皮38によって覆われている。表皮38は、例えば、皮や合成皮革、布等により形成されており、クッションパッド36をその上方から覆うことで、クッションパッド36の露出を防止し、質感や触感等を向上させている。また、上記のクッションパッド36や表皮38には、シートクッション14のクッションパッド16や表皮30と同様に図示しない形状出しワイヤや表皮張りワイヤが設けられており、これらのワイヤの張力により表皮38やクッションパッド36に適宜に凹凸が形成され、また、表皮38がクッションパッド36に密着している。
【0060】
一方、図4に示されるように、クッションパッド16の長手方向に沿った表皮張りワイヤ32の中間部には、一対のブリッジ部40が設けられている。ブリッジ部40は、クッションパッド16の幅方向に沿って長手方向とされた棒状又は板状の部材で、各々の長手方向両端が溶接等の固着手段によって表皮張りワイヤ32に一体的に連結されている。
【0061】
さらに、これらのブリッジ部40の間には一対のブリッジ部41が設けられている。これらのブリッジ部41は、クッションパッド16の長手方向に沿って長手方向とされた棒状又は板状の部材で、各々の長手方向両端が溶接等の固着手段によってブリッジ部40に一体的に連結されている。
【0062】
これらのブリッジ部40は、クッションパッド16の幅方向に沿って互いに所定距離離間した状態で設けられている。これらのブリッジ部41上には支持体としてのケース42が設けられている。
【0063】
ケース42は、比較的高強度の金属又は合成樹脂材によって略車両前方側で開口した断面矩形の有底筒形状に形成されている。クッションパッド16の長手方向に沿ったケース42の両端近傍には、それぞれ複数の取付部44が形成されている。これらの取付部44には下方へ向けて開口した雌ねじ孔が形成されている。
【0064】
また、これらの取付部44に対応してブリッジ部41には略車両上下方向に貫通した透孔46が形成されている。これらの透孔46には、下方からボルト47が貫通し、更に、取付部44の雌ねじ孔に螺合する。これにより、ケース42がブリッジ部40上、ひいては、表皮張りワイヤ32に一体的に固定される構成となっている。
【0065】
ここで、図1及び図2に示されるように、上述したクッションパッド16には、ケース42が設けられる部分に対応して、略車両下方及び略車両前方へ向けて開口した凹部48が形成されており、ケース42が凹部48に嵌まり込む構造となっている。図2に示されるように、凹部48に嵌まり込んだ状態でケース42の外周部には基本的にクッションパッド16が接していると共に、ケース42の開口端は凹部48の前側開口端で露出する。
【0066】
また、このケース42には物入れ50が設けられている。物入れは略車両上方へ向けて開口した箱形状に形成されている。また、物入れ50の長手方向寸法、高さ寸法、幅寸法のそれぞれは、これらの方向に対応したケース42の内寸よりも僅かに小さい程度とされ、図2に示されるように、略車両前方側でのケース42の開口端から略車両後方側へスライドさせることで物入れ50をケース42の内側へ挿入でき、また、完全に物入れ50をケース42内に挿入した状態では、把持部52が形成された物入れ50の前壁部54がケース42の開口端に対し、略面一か、面一にならないまでも凹凸が極めて小さくなるように物入れ50が形成されている。
【0067】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0068】
以上の後部座席10では、運転席又は助手席の後方側で車両に乗車した乗員がシートクッション14上に着座して、シートバック34に寄り掛かった状態で着席する。
【0069】
一方、本後部座席10では、上述したように、ケース42内に物入れ50が挿入されている。後部座席10の乗員は、ケース42の開口端側から物入れ50を略車両前方側に引っ張ると、ケース42に案内されて物入れ50が略車両前方側にスライドする。このように、物入れ50を略車両前方側へスライドさせると、上方へ向けて開口した物入れ50の開口端がシートクッション14の前方側で外部に露出する。したがって、この状態では、物入れ50の内側に、例えば、ティッシュ箱や地図帳、サングラス、更には車両室内で音楽等を聴くためのミニディスクやコンパクトディスク等、様々な小物(物)を収納できる。
【0070】
さらに、このような小物を物入れ50に収納した状態で、物入れ50を略車両後方側へ押圧すると、物入れ50がケース42に案内されて略車両後方側へスライド移動する。このように、物入れ50が略車両後方側へスライド移動することで、ケース42内に物入れ50が挿入される。物入れ50の前壁部54がケース42の開口端に対し、略面一か面一にならないまでもケース42の開口端に対して凹凸が小さくなるまでケース42内に物入れ50が挿入されることで、ケース42内に物入れ50が収容され、ひいては、物入れ50に収納した小物がケース42内に収容される。
【0071】
このように、本後部座席10では、物入れ50に収納した子物を、物入れ50ごとケース42内に収容することで、小物をシートクッション14上や車両室内のその他の部位(一例としてリヤトレイ等)に置く必要がなくなり、車両室内と言う極めて限られた空間を広く有効に活用できる。
【0072】
また、凹部48及びケース42が略車両前方側で開口し、物入れ50を略車両前後方向にスライド移動させて物入れ50を引き出し、また、物入れ50をケース42内に収納する構成としたことで、基本的には、凹部48の上側で乗員が着座していても、物入れ50をスライド移動させることができる。これにより、物入れ50の使い勝手を向上させることができる。
【0073】
さらに、本後部座席10では、ケース42が設けられるクッションパッド16の凹部48が略車両前方側及び略車両下方へ向けて開口している。しかしながら、凹部48は略車両上方側へは開口しておらず、したがって、ケース42の上側にもクッションパッド16が存在している。このため、ケース42の上方、すなわち、シートクッション14の凹部48に対応した部位であっても、シートクッション14に乗員が着座できる。
【0074】
このように、本後部座席10では、シートクッション14上を広く着座スペースとして使用できる。しかも、このように、ケース42の上方でもクッションパッド16が存在するため、乗員が着座した際に乗員が感じる座り心地もシートクッション14の他の部位と比べて同じか、又は、大きく悪化することがない。
【0075】
ところで、本後部座席10のケース42の上方に乗員が着座した場合には、シートクッション14の凹部48に対応した部位に乗員の体重に応じた荷重が作用する。ここで、本後部座席10では、凹部48内にケース42が設けられている。
【0076】
ケース42は、比較的機械的強度が高い金属や合成樹脂材により形成される。このため、凹部48が形成された部位では、上記のように上方から荷重が作用してもケース42により下方から支持される。これにより、凹部48を形成することで、クッションパッド16が他の部位に比べて薄くなり、しかも、凹部48と言う空間が形成されても、不必要にクッションパッド16が大きく沈み込むように変形することがない。このため、凹部48を形成することによる座り心地の低下を効果的に防止又は抑制できる。
【0077】
しかも、上記のように、ケース42が上方からの荷重を支持するため、物入れ50が荷重を受けることがなくなるか、また、仮に、物入れ50が上記の荷重を受けるとしても、ケース42が荷重の大部分を受け止めることで物入れ50が受ける荷重が極めて小さくなる。
【0078】
このため、物入れ50の機械的強度を比較的低く設定することが可能となる。このように、物入れ50の機械的強度を比較的低く設定することで、物入れ50自体の重量を軽減でき、物入れ50を引き出したり、ケース42内に物入れ50を挿入する際の操作を楽に行なうことができる(すなわち、物入れ50の操作性が向上する)。
【0079】
さらに、上記のように、本後部座席10では、凹部48及びケース42が略車両前方側で開口し、物入れ50を引き出す際には物入れ50を略車両前方側へ引き出す構造となっている。このため、後部座席10の乗員のみならず、運転席や助手席の乗員であっても、後方へ振り返って手を伸ばせば、物入れ50の把持部52を掴んで物入れ50を引き出すことができる。
【0080】
しかも、凹部48がクッションパッド16の長手方向略中央に形成されており、これにより、凹部48の形成位置が運転席と助手席との間の後方となる。このため、運転席の乗員及び助手席の乗員の何れからも、物入れ50の把持部52を掴むことができる。
【0081】
すなわち、本後部座席10では、後部座席10の乗員はもとより、運転席や助手席の乗員による物入れ50の操作性が高い。このため、後部座席10の乗員が使用する小物以外にも、運転席の乗員の使用頻度が高い小物も収納できる。
【0082】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0083】
図5には本実施の形態に係る車両用座席としての後部座席70の概略的な構成(本実施の形態に係る座席用収納装置72の概略的な構成)が分解斜視図により示されている。また、図6には本後部座席70の断面図が示されている。
【0084】
図5及び図6に示されるように、本後部座席70は、座席用収納装置72を構成するケース74を備えている。前記第1の実施の形態においてケース42は略車両前方側へ向けて開口した断面矩形の有底筒形状であった。これに対してケース74は、略車両前方側のみならず略車両下方へ向けて開口しており、その断面形状は略車両下方へ向けて開口した凹形状となっている。
【0085】
また、略車幅方向に沿ったケース74の両側壁76には鍔部78が形成されている。両鍔部78は側壁76の下端部から略車幅方向外方へ向けて延出されて延出されており、これらの鍔部78を上方側から貫通した固定ねじ80が後部座席取付部22に形成された螺入する。これにより、ケース74が後部座席取付部22上に固定される。
【0086】
このように、本実施の形態は、表皮張りワイヤ32に固定されることで基本的に後部座席10と一体となったケース42とは異なり、ケース74が車両の床部20である後部座席取付部22に固定される構成である。しかしながら、このような構成であっても、物入れ50はケース74に対して略車両前後方向にスライド移動することで、ケース74から物入れ50が引き出され、また、ケース74に物入れ50が収容される。このように、本後部座席70でも基本的な作用に関しては前記第1の実施の形態と同じになる。このため、前記第1の実施の形態で説明した効果と同様の効果を本実施の形態に係る後部座席70でも得ることができる。
【0087】
なお、上記の各実施の形態では、ケース42、74に物入れ50を収納する構成であった。しかしながら、請求項1に記載した本発明の観点からすれば、物入れ50はなくてもよい。その一例を図7に例えば基づき簡単に説明する。図7に示されるように、凹部48(図7では図示省略)に設けられるケース42の開口端に対応して略矩形板状の蓋体92を設ける。さらに、略車両上下方向に沿った蓋体92の下端部を1乃至複数のヒンジ94によりケース42に連結する。このようにケース42に連結された蓋体92は、ヒンジ94周りに下方へ回動させることでケース42の開口端を開放し、この開放状態で蓋体92が上方へ回動することでケース42の開口端を閉止する。
【0088】
以上のような構造とし、しかも、物入れ50を設けない構成とした場合には、蓋体92を回動させてケース42の開口端を開放し、ケース42の内部に小物等を直接収納する構成となる。
【0089】
このような構成とした場合であっても、ケース42内に小物を収納することで、車両室内という極めて限られた空間を有効に活用できると言う効果がある。しかも、前記第1の実施の形態と同様に凹部48にケース42を設けているため、乗員が凹部48に対応した部位に着座した際の荷重がケース42により支持される。これにより、荷重で変形したシートクッション14等にケース42内の小物が不要に干渉されることを防止できる。
【0090】
さらに、上記の各実施の形態では、ケース42、74は、箱形状若しくは下方へ向けて開口した断面凹形状で、基本的にはケース42、74を構成する各壁部が板状である。しかしながら、基本的に支持体は凹部48においてクッションパッド16を下方から支持する構成であればよい。したがって、壁部が板状のケース42、74に代えて、高強度の金属若しくは合成樹脂材により形成された棒状部材をケース42、74の外周形状と同じような形状に組み合わせたフレームを支持体に適用してもよい。
【0091】
また、これまでの説明では、本発明に係る車両用座席を後部座席10、70に適用した構成(本発明に係る座席用収納装置を後部座席10、70に用いた構成)であったが、本発明に係る車両用座席(座席用収納装置)を運転席や助手席に適用してもよい。
【0092】
このような場合、例えば、凹部48やケース42、74を略車両後方側へ開口し、物入れ50を略車両後方側へスライド移動させることで物入れ50が引き出され、また、物入れ50を略車両前方側へスライド移動させることでケース42、74内に物入れ50が収納される構成とすることで、後部座席に着席した乗員が容易に物入れ50に小物を収納できる。
【0093】
また、近年では、運転席と助手席との間を人が通過できる所謂ウオークスルー構造となった車両がある。このような車両の場合には、凹部48及びケース42、74が車両の室内側(より詳細に言えば、本発明が運転席に適用されるのであれば助手席側、本発明が助手席に適用されるのであれば運転席側)に開口するように形成し、物入れ50を略車幅方向にスライド移動させることで物入れ50をケース42、74から引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収納する構成としてもよい。
【0094】
なお、運転席や助手席の場合には、基本的にシートクッションと車両の床部との間に空間が形成されている場合が多く、この空間を小物の収納スペースとして適用することも充分に考えられる。しかしながら、近年では、運転席や助手席の下方は、例えば、CDチェンジャー等と称されるオーディオ用のコンパクトディスク切り替え装置や、カーナビゲーション装置の本体部分の設置スペースとして用いられることが多い。
【0095】
ここで、このような空間を小物入れのスペースとして用いた場合には、このような各種装置のスペースが不足する。これに対して、上記の各実施の形態の構成を運転席や助手席に応用した場合には、物入れ50がシートクッション14の凹部48に収容される構成である。このため、シートクッション14の下方は、従前通りコンパクトディスク切り替え装置や、カーナビゲーション装置の本体部分の設置スペースとして用いることができると言う極めて優れた効果を得ることができる。
【0096】
以上のように、本発明は、車両の座席であれば、後部座席や運転席等、その態様に関係なく適用できる。このため、複数の座席に本発明を適用することで、小物の収容空間を増加でき、車両室内をより一層広く使用できる。
【0097】
また、上記の各実施の形態では、物入れ50が略車両前後方向にスライドすることで、物入れ50がケース42、74から引き出され、また、物入れ50がケース42、74に収納される構成であった。しかしながら、請求項1又は請求項4記載の本発明の観点からすれば、物入れ50の移動方向が略車両前後方向に沿ったスライド移動に限定されるものではない。例えば、略車両上下方向を軸方向として物入れ50を回動可能にケース42、74内に取り付け、物入れ50を回動させることでケース42、74から物入れ50を引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収容する構成としてもよい。
【0098】
さらに、上記の各実施の形態では用いなかったが、ケース42、74の内側及び物入れ50の外側の何れか一方の適宜位置に、例えば、弾性的に何れか他方に係合し、結果的にケース42、74内で物入れ50を保持する保持手段(又は、ロック手段)を設け、何れか他方に対する保持手段の係合を解除した状態でのみ物入れ50をケース42、74から引き出せる構成としてもよい。このような構成とすることで、車両急停止時等、車両減速時における慣性で、不用意に物入れ50が引き出されることを防止できる。
【0099】
また、ケース42内に、ゴムローラ等の転動体を回転自在に設けると共に、この転動体の外周部に物入れ50の外側面を当接させ、この状態で物入れ50がスライド移動することで転動体が回転する構造のガイド手段を設けてもよい。このような構造とすることで、ケース42、74の内側面が物入れ50の外側面に摺接する構成に比べて軽い力でケース42、74から物入れ50を引き出し、また、ケース42、74に物入れ50を収容でき、操作性が向上する。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、物入れに様々な物を収容できるのみならず、物入れの上方に乗員が着席でき、しかも、乗員の座り心地を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の凹部以外の部位での図2に対応した断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第1の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の全体構成の概略を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第2の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る車両用座席(本発明の第2の実施の形態に係る座席用収納装置を適用した車両用座席)の要部の構成を示す断面図である。
【図7】物入れを設けない構成の変形例を示す要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 後部座席(車両用座席)
12 座席用収納装置
14 シートクッション
16 クッションパッド
42 ケース(支持体)
48 凹部
50 物入れ
70 後部座席(車両用座席)
72 座席用収納装置
74 ケース(支持体)
Claims (7)
- 車両の乗員が着座可能に成形されると共に、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部が形成されたクッションパッドを有するシートクッションと、
前記凹部の内側に設けられ、下方から前記クッションパッドを支持し、前記凹部の内側における空洞の形状を保持する支持手段と、
を備える車両用座席。 - 上方へ向けて開口した略箱状に形成され、前記凹部の開口側から前記シートクッションの内側に挿入されると共に、挿入状態で上側が前記シートパッドにより覆われ、前記凹部の開口側から前記シートクッションの外部に引き出し可能な物入れを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用座席。 - 前記凹部の開口方向を略車両前方とし、且つ、前記シートクッションを前記車両の運転席及び助手席の少なくとも何れか一方の後方側に配置した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用座席。 - 前記凹部を前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成した、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用座席。 - 車両の乗員が着座するシートクッションを構成するクッションパッドに形成されて、少なくとも前記車両の略上下方向に対して直交する一方向に開口した凹部に挿入され、当該挿入状態で上方が前記クッションパッドに覆われると共に、前記一方向側へ向けて前記凹部から引き出し可能な物入れと、
前記凹部の内側で前記物入れと前記クッションパッドとの間に介在し、下方から前記クッションパッドを支持する支持体と、
を備える座席用収納装置。 - 運転席及び助手席よりも車両後方側に配置された後部座席を構成する前記シートクッションに形成されると共に、略車両前方側へ開口した前記凹部に前記物入れ及び前記支持体を設けた、
ことを特徴とする請求項5に記載の座席用収納装置。 - 前記車両の幅方向に沿った前記シートクッションの略中央に形成された前記凹部に、前記物入れ及び前記支持体を設けた、
ことを特徴とする請求項6に記載の座席用収納装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102009009692A1 (de) * | 2009-02-19 | 2010-08-26 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Kraftfahrzeug mit einem Innenausstattungs-Bauteil |
DE102009009691A1 (de) * | 2009-02-19 | 2010-08-26 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Kraftfahrzeug mit einem Innenausstattungs-Bauteil |
FR3059952A1 (fr) * | 2016-12-09 | 2018-06-15 | Renault S.A.S. | Siege de vehicule automobile |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002323142A patent/JP2004154363A/ja active Pending
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