JPS6225397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用小物入れ構造に関するもので、
目的とするところは、車室内の有効スペースを狭
めることなく、しかも座席位置から容易に手が届
く範囲内に例えば、かばんや傘あるいは履替え用
の靴などのように比較的に嵩張る物品でも手軽に
収容することの出来る小物入れ構造を提供せんと
するにある。

即ち本考案はシートにおけるワイヤ構造のクツ
シヨンフレームを有するシートクツシヨンに着目
したのであつて、該シートクツシヨンの前方下部
に刳貫空間を形成して該空間の前方開口部に補強
メンバーを配設する一方、前記空間内に収容可能
な容器を形成して、この容器の後部に、表皮を係
止するホグリングに対応する部位を切欠いたフツ
クを設け、該フツクを前記シートクツシヨンの横
枠線に係止し、且つ前記容器の前部を前記強度メ
ンバーに固定したことを特徴とするものである。

以下本考案にかかる車輌用小物入れ構造を図に
示す実施例に従つて説明する。

図において附号１で示す自動車用シートはリヤ
フロアパン２上に取付けられるリヤシートを示し
たもので、シートクツシヨン１ａとシートバツク
１ｂとから構成している。

前記シートクツシヨン１ａは基本的にはワイヤ
構造のクツシヨンフレーム１１とパツド１２及び
表皮１３とから成り、又前記クツシヨンフレーム
１１は前後方向に延びる縦枠線１１ａ，１１ａに
左右方向に延びる横枠線１１ｂ，１１ｂを固定し
て構成している。

尚、前記シートバツクは、既知の構成とすれば
よく、その構成は省略する。

而して本考案は以上の構成からなる前記シート
クツシヨン１ａの前方下部をボツクス状に一部切
欠いて、該シートクツシヨン１ａの前面下部乃至
下面前方部に開口する刳貫空間Ｓを形成するとと
もに、該空間Ｓの前方開口部の周縁に、該開口部
の輪廓を形成し且つ該開口部を保形する強度メン
バー３を配設するのである。

前記強度メンバー３は、金属製のパイプ材を用
いて前記空間Ｓの前方開口部を囲繞する如く略コ
字形に屈曲形成し、その両端部を前記フロアパン
２上に配置したクロスメンバー２０上に支持させ
ている。

又図に示す実施例では前記クツシヨンフレーム
１１における縦枠線１１ａ，１１ａの前端部を前
記強度フレーム３の上面に固定するとともに、前
記シートクツシヨン１ａにおける前面側の表皮１
３を延長してこの延長部分の中間部及び遊端部
を、前記刳貫空間Ｓに露呈する縦枠線１１ａある
いは横枠線１１ｂにホグリング１４，１４を介し
て係止し、これにより前記空間Ｓの上壁面を前記
表皮１３の延長部分でもつて覆うべくしている。

一方、前記刳貫空間Ｓ内に収容可能な大きさで
しかも前面が開口するトレー状の容器４を別途形
成し、この容器４を、前記横枠線１１ｂ並びに強
度メンバー３を利用して前記空間Ｓ内に取りつけ
るのである。

即ち前記容器４の後壁に断面略Ｕ字状のフツク
４１，４１を一体に形成して、このフツク４１，
４１を前記空間Ｓに露呈している横枠線１１ｂに
係止する一方、該容器４の前部、具体的には前記
容器４における左右両側壁の前方部上端にフラン
ジ４２を一体に形成し、このフランジ４２を前記
強度フレーム３の下面にビス４３により固定すべ
くしたのである。

尚、図に示す実施例では前記容器４における後
壁の上縁を一部切欠いて前記表皮１３のホグリン
グどめを可能にしているが、前記切欠きは容器４
後縁上縁であるため、前記容器４を前記空間Ｓ内
に収容した状態では前記ホグリング１４，１４が
見える虞れはない。

また前記容器４はその底部がフロアパン２に対
して浮いた状態で前記空間Ｓに取りつけられるの
であつて、従つて、前記シートクツシヨン１ａへ
の着座時、該シートクツシヨン１ａが撓んでも前
記容器４が破損することはない。

図中４４は前記フランジ４２に穿設したビス孔
を示す。

尚前記実施例ではリヤシートクツシヨンを例と
して説明したが、フロントシートクツシヨンにも
適応できること言うまでもない。

以上の如く本考案では小物類の収容空間を小物
類の収容空間を、ワイヤ構造のクツシヨンフレー
ム及びパツド、表皮よりなるシートクツシヨンに
形成したから、車室内の有効スペースを狭めるこ
となく前記空間を形成でき、従つて、人員の乗降
の障害となる虞れはない。しかも、クツシヨン性
を損なうことなく、前記空間を比較的大きく設け
ることが可能となり、従つて、かばん等のように
比較的嵩張る物品でも支障なく収容できるのであ
る。

更に、前記刳貫空間に収容する容器の後部に
は、前記シートクツシヨンの表皮を係止するホグ
リングに対応する部位を切欠いたフツクを設け、
このフツクを前記クツシヨンフレームの横枠線に
係止したのであるから、表皮の横枠線へのホグリ
ング止めを可能にしながら、横枠線にフツクを係
止するだけで簡単に取付けることができ、しか
も、前記容器は前記フツクにより横枠線に係止す
るから、前記容器を、フロアパンに対して浮かせ
た状態で前記空間に取付けられるので、シートク
ツシヨンに乗員が着座して、該シートクツシヨン
が撓んでも、乗員が異物感を感じることなく、枠
体構造としたシートクツシヨン本来の乗心地が得
られるのである。その上、開口部が保持されて、
形くずれを起こす心配がないばかりでなく、前記
容器が破損する虞れもないのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本案小物入れ構造の１実施例を示し、第
１図はその斜視図、第２図は要部を拡大して示す
一部切欠斜視図、第３図は容器を取り外した状態
を示す一部切欠斜視図である。 １ａ……シートクツシヨン、１ｂ……シートバ
ツク、１１……クツシヨンフレーム、１１ｂ……
横枠線、３……強度メンバー、４……容器、４１
……フツク、Ｓ……刳貫空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌におけるシートクツシヨンを、縦枠線と横
   枠線とを備えたワイヤフレームにパツド及びホグ
   リングを介して表皮を結合した枠線構造として該
   シートクツシヨンの前方下部に刳貫空間を形成し
   て、該空間の前方開口部に、該開口部を保持する
   強度メンバーを配設すると共に、前記空間に収容
   可能とした前面開口の容器を形成し、該容器の後
   部に、前記シートクツシヨンの表皮を係止するホ
   グリングに対応する部位を切欠いたフツクを設
   け、該フツクを、前記シートクツシヨンの横枠線
   に係止し、かつ、前記容器の前部を前記強度メン
   バーに固定したことを特徴とする車輌用小物入れ
   構造。