JP2004149775A - 液晶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて低いしきい値電圧および同時に電圧保持比(VHR)についての高い値を有する、MLC、TNまたはSTNディスプレイ用の媒体を提供。
【解決手段】本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物に基づく液晶媒体であって、これが、式I
Figure 2004149775

で表される1種または2種以上の化合物および式IA
Figure 2004149775

(式中、R、R、は、アルキル基等、環A、環B、はフェニル基,シクロヘキシル基等、L1−4はH又はF、Z、Zは、−CFO−、OCF−又は単結合を、XはCN,SFSCN等およびXは、F、Cl,CN等をそれぞれ表す)で表される1種または2種以上の化合物を含む前記液晶媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶媒体、電気光学的目的のためのこの使用およびこの媒体を含むディスプレイに関する。
液晶は、このような物質の光学的特性が印加される電圧により改変され得るため、原理的に、ディスプレイ装置における誘電体として用いられる。液晶に基づく電気光学的装置は、当業者に極めてよく知られており、種々の効果に基づくことができる。このような装置の例は、動的散乱を有するセル、DAP(配向相の変形)セル、ゲスト/ホストセル、ねじれネマティック構造を有するTNセル、STN(スーパーツイストネマティック)セル、SBE(超複屈折効果)セルおよびOMI(光学モード干渉)セルである。最も一般的なディスプレイ装置は、シャット−ヘルフリッヒ(Schadt-Helfrich)効果に基づいており、ねじれネマティック構造を有する。
液晶材料は、良好な化学的および熱的安定性並びに電場および電磁気放射に対する良好な安定性を有しなければならない。さらに、液晶材料は、低い粘度を有し、およびセルにおいて短いアドレス時間、低いしきい値電圧および高いコントラストを生じなければならない。
さらに、これらは、通常の駆動温度において、即ち、室温よりも高いおよび低い可能な限り広い範囲において、好適な中間相、例えば前述のセルについてのネマティックまたはコレステリック中間相を有しなければならない。液晶は、一般的に、多くの成分の混合物として用いられるため、成分が、互いに容易に混和性であることが重要である。他の特性、例えば導電性、誘電異方性および光学異方性は、セルのタイプおよび応用分野に依存して、種々の要求を満たさなければならない。例えば、ねじれネマティック構造を有するセル用の材料は、正の誘電異方性および低い導電性を有しなければならない。
例えば、個別の画素を切り換えるための集積非線形素子を有するマトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ)について、大きい正の誘電異方性、広いネマティック相、比較的低い複屈折、極めて高い比抵抗、良好なUVおよび温度安定性並びに一層低い蒸気圧を有する媒体が望ましい。
このタイプのマトリックス液晶ディスプレイは、知られている。個別の画素を個別に切り換えるために用いることができる非線形素子は、例えば能動的素子(即ちトランジスタ)である。次に、用語「アクティブマトリックス」を用い、ここで、2つのタイプの間で区別をすることができる:
1.基板としてのシリコンウエファー上のMOS(金属酸化物半導体)または他のダイオード。
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスタ(TFT)。
基板材料としての単結晶シリコンの使用は、ディスプレイの大きさを制限する。この理由は、種々の部分表示をモジュラー集合させてさえも、接合部分に問題が生じるからである。
好ましく、さらに有望なタイプ2の場合において、用いられる電気光学効果は、通常TN効果である。2つの技術の間で、区別がなされる:化合物半導体、例えばCdSeを含むTFT、または多結晶形もしくは無定形シリコンを基材とするTFT。後者の技術については、世界中で格別の研究努力が実施されている。
TFTマトリックスは、ディスプレイの1枚のガラス板の内側に施され、一方他方のガラス板は、この内側に、透明な対向電極を担持している。画素電極の大きさと比較すると、TFTは極めて小さく、像に対する悪影響をほとんど有していない。この技術はまた、フィルター素子が各々の切換可能な画素に対向するように、モザイク状の赤色、緑色および青色フィルターを配列した全色可能性ディスプレイに拡張することができる。
TFTディスプレイは、通常、透過光内に交差偏光板を備えたTNセルとして動作し、裏側から照射される。
用語MLCディスプレイは、ここで、集積非線型素子を備えたすべてのマトリックスディスプレイを含み、即ちアクティブマトリックスに加えて、受動素子、例えばバリスターまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)を有するディスプレイをも含む。
このタイプのMLCディスプレイは、特に、TV用途に(例えば、ポケット型TV)、またはコンピューター用途(ラップトップ)および自動車もしくは航空機構築用の高度情報ディスプレイ用に適する。コントラストの角度依存性および応答時間に関する問題に加えて、また、MLCディスプレイでは、液晶混合物の不適切に高い比抵抗値による困難が生じる[非特許文献1;非特許文献2]。
抵抗値が減少するに従って、MLCディスプレイのコントラストは低下し、残像消去の問題が生じ得る。液晶混合物の比抵抗値は一般に、ディスプレイの内部表面との相互作用によって、MLCディスプレイの寿命全般を通じて減少するため、許容し得る有効寿命を得るためには、高い(初期)抵抗値は極めて重要である。特に、低電圧混合物の場合、極めて高い比抵抗値を達成することは、従来不可能であった。さらに、温度上昇に伴って、並びに熱暴露および/またはUVへの暴露の後に、比抵抗値が、可能な限り小さい上昇を示すことが重要である。従来技術からの混合物の低温特性もまた、特に不利である。低温でさえも、結晶化および/またはスメクティック相が生じず、かつ粘度の温度依存性が可能な限り低いことが要求される。従って、従来技術からのMLCディスプレイは、今日の要求を満たさない。
従って、これらの欠点を有しないか、または有しても小さい程度のみである、極めて高い比抵抗値および同時に大きい動作温度範囲、低温においても短い応答時間および低いしきい値電圧を有するMLCディスプレイに対する多大の要求が継続している。
背面照射を用いる、即ち透過的に、および所望により半透過的に(transflectively)動作する、液晶ディスプレイに加えて、反射性液晶ディスプレイもまた、特に興味深い。これらの反射性液晶ディスプレイは、周囲光を情報ディスプレイに用いる。従って、これらは、対応する大きさおよび解像度を有する背面照射された液晶ディスプレイよりも顕著に低いエネルギーを消費する。TN効果は、極めて良好なコントラストにより特徴づけられるため、このタイプの反射性ディスプレイは、明るい周囲条件下でさえも容易に読みとり可能である。これは、すでに、例えば腕時計およびポケット型計算機において用いられるように、単純な反射性TNディスプレイとして知られている。
しかし、原理はまた、高品質、一層高解像度のアクティブマトリックスアドレスディスプレイ、例えばTFTディスプレイに適用することができる。ここで、すでに、一般的に慣用の透過性TFT−TNディスプレイにおける場合のように、低い複屈折(Δn)を有する液晶を用いることは、低い光学的遅延(d・Δn)を達成するために必要である。この低い光学的遅延により、コントラストの通常は許容し得る低い視野角依存性がもたらされる(特許文献1参照)。反射性ディスプレイにおいて、低い複屈折を有する液晶を用いることは、透過性ディスプレイにおけるよりもさらに一層重要である。その理由は、反射性ディスプレイにおいて、光が通過する有効な層の厚さが、同一の層の厚さを有する透過性ディスプレイの約2倍大きいからである。
TN(シャット−ヘルフリッヒ)セルにおいて、このセルには以下の利点を容易にする媒体が望ましい:
−拡大したネマティック相範囲(特に、低温の方向に)、
−低温においてさえも、貯蔵に際して安定である、
−超低温における切換能力(野外での使用、自動車、航空機)、
−UV照射線に対する増大した抵抗性(一層長い有効寿命)。
−反射性ディスプレイについての低い光学的複屈折(Δn)。
従来技術から利用できた媒体は、これらの利点を達成し、一方同時に他のパラメーターを維持することを可能にしない。
スーパーツイスト(STN)セルの場合、一層大きい時分割特性および/または一層低いしきい値電圧および/または一層広いネマティック相範囲(特に低温における)が可能である媒体が望ましい。この目的のために、利用できるパラメーター寛容度(透明点、スメクティック−ネマティック転移または融点、粘度、誘電パラメーター、弾性パラメーター)のさらなる拡大が、早急に望まれている。
ドイツ国特許第30 22 818号明細書 トガシ・エス、セキグチ・ケー、タナベ・エイチ、ヤマモト・イー、ソリマチ・ケー、タジマ・イー、ワタナベ・エイチ、シミズ・エイチ(TOGASHI, S., SEKIGUCHI, K., TANABE, H., YAMAMOTO, E., SORIMACHI, K., TAJIMA, E., WATANABE, H., SHIMIZU, H.)、プロク・ユーロディスプレイ(Proc. Eurodisplay)84, 1984年9月:A210-288 マトリックス・エルシーディー・コントロールド・バイ・ダブル・ステージ・ダイオード・リングズ(Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings)、141頁以降、Paris ストロマー・エム(STROMER, M.)、プロク・ユーロディスプレイ(Proc. Eurodisplay)84, 1984年9月: デザイン・オブ・シン・フィルム・トランジスタズ・フォア・マトリックス・アドレシング・オブ・テレビジョン・リキッド・クリスタル・ディスプレイズ(Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays)、145頁以降、Paris
本発明は、前述の欠点を有しないか、または有しても小さい程度のみであり、かつ好ましくは同時に極めて低いしきい値電圧および同時に電圧保持比(VHR)についての高い値を有する、特にこのタイプのMLC、TNまたはSTNディスプレイ用の媒体を提供する目的を有する。
ここで、この目的は、本発明の媒体をディスプレイにおいて用いる場合に達成することができることが見出された。
従って、本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物に基づく液晶媒体であって、これが、式I
Figure 2004149775
で表される1種または2種以上の化合物および
式IA
Figure 2004149775
式中、個別の基は、以下の意味を有する:
およびRは、各々、互いに独立して、H、1〜15個の炭素原子を有するハロゲン化または非置換アルキル基であり、ここで、これらの基における1つまたは2つ以上のCH基はまた、各々の場合において、互いに独立して、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、
Figure 2004149775
−CO−O−または−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置換されていることができ、
は、CN、SF、SCN、NCS、OCN、各々6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基またはハロゲン化アルケニルオキシ基であり、
は、各々の場合において、互いに独立して、F、Cl、CN、SF、SCN、NCS、OCN、各々6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基またはハロゲン化アルケニルオキシ基であり、
およびZは、各々、互いに独立して、−CFO−、−OCF−または単結合であり、ここで、Z≠Zであり、
Figure 2004149775
は、各々、互いに独立して、
Figure 2004149775
であり、
1−4は、各々、互いに独立して、HまたはFである、
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、前記液晶媒体に関する。
式IおよびIAで表される化合物は、広範囲の用途を有する。置換基の選択に依存して、これらの化合物は、液晶媒体を主として構成する基材として作用することができる;しかし、また、式IおよびIAで表される化合物を、別の群の化合物からの液晶基材に加えて、例えばこのタイプの誘電体の誘電異方性および/または光学異方性を変化させることができ、および/またはこのしきい値電圧および/またはこの粘度を最適にすることができる。本発明の混合概念により、従来技術から、これらの極めて良好な信頼性およびVth/γ比率により区別される混合物、特に2.5Vおよび3.3V混合物が得られる。
純粋な状態において、式IおよびIAで表される化合物は無色であり、電気光学的使用に対して好ましく位置する温度範囲で液晶中間相を形成する。これらは、化学的、熱的および光に対して安定である。
および/またはRが、アルキル基および/またはアルコキシ基である場合には、これは、直鎖状または分枝状であることができる。これは、好ましくは、直鎖状であり、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を有し、従って好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシまたはヘプチルオキシ、さらにオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシまたはテトラデシルオキシである。
オキサアルキルは、好ましくは、直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニル、または2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
および/またはRが、1つのCH基が−CH=CH−により置換されているアルキル基である場合には、これは、直鎖状または分枝状であることができる。これは、好ましくは直鎖状であり、2〜10個の炭素原子を有する。従って、これは、特に、ビニル、プロプ−1−もしくはプロプ−2−エニル、ブト−1−、−2−もしくは−3−エニル、ペント−1−、−2−、−3−もしくは−4−エニル、ヘクス−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−エニル、ヘプト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−エニル、オクト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−もしくは−7−エニル、ノン−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−エニル、またはデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−もしくは−9−エニルである。
および/またはRが、1つのCH基が−O−により置換されており、1つが−CO−により置換されているアルキル基である場合には、これらは、好ましくは隣接している。従って、これらは、アシルオキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を含む。これらは、好ましくは直鎖状であり、2〜6個の炭素原子を有する。
従って、これらは、特に、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルまたは4−(メトキシカルボニル)ブチルである。
および/またはRが、1つのCH基が非置換または置換−CH=CH−により置換されており、隣接するCH基が、COまたはCO−OまたはO−COにより置換されているアルキル基である場合には、これは、直鎖状または分枝状であることができる。これは、好ましくは、直鎖状であり、4〜12個の炭素原子を有する。従って、これは、特に、アクリロイルオキシメチル、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル、9−アクリロイルオキシノニル、10−アクリロイルオキシデシル、メタクリロイルオキシメチル、2−メタクリロイルオキシエチル、3−メタクリロイルオキシプロピル、4−メタクリロイルオキシブチル、5−メタクリロイルオキシペンチル、6−メタクリロイルオキシヘキシル、7−メタクリロイルオキシヘプチル、8−メタクリロイルオキシオクチルまたは9−メタクリロイルオキシノニルである。
および/またはRが、CNまたはCFにより単置換されたアルキルまたはアルケニル基である場合には、この基は、好ましくは直鎖状である。CNまたはCFによる置換は、任意の所望の位置においてである。
および/またはRが、少なくともハロゲンにより単置換されたアルキルまたはアルケニル基である場合には、この基は、好ましくは直鎖状であり、ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。多置換の場合において、ハロゲンは、好ましくはFである。得られた基はまた、過フッ素化基を含む。単置換の場合において、フッ素または塩素置換基は、任意の所望の位置であることができるが、好ましくはω位においてである。
分枝した翼基Rおよび/またはRを含む化合物は、時々、慣用の液晶基材への一層良好な溶解性により、重要であり得るが、これらが光学的に活性である場合には、特にキラルなドーパントとして重要である。このタイプのスメクティック化合物は、強誘電材料の成分として好適である。
このタイプの分枝基は、一般的に、1つより多くない鎖分枝を含む。好ましい分枝基Rは、イソプロピル、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチル(=2−メチルプロピル)、2−メチルブチル、イソペンチル(=3−メチルブチル)、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキシルオキシ、1−メチルヘキシルオキシおよび1−メチルヘプチルオキシである。
および/またはRが、2つまたは3つ以上のCH基が−O−および/または−CO−O−により置換されているアルキル基である場合には、これは、直鎖状または分枝状であることができる。これは、好ましくは分枝状であり、3〜12個の炭素原子を有する。従って、これは、特に、ビスカルボキシメチル、2,2−ビスカルボキシエチル、3,3−ビスカルボキシプロピル、4,4−ビスカルボキシブチル、5,5−ビスカルボキシペンチル、6,6−ビスカルボキシヘキシル、7,7−ビスカルボキシヘプチル、8,8−ビスカルボキシオクチル、9,9−ビスカルボキシノニル、10,10−ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5−ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6−ビス(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7−ビス(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8−ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(エトキシカルボニル)ブチルまたは5,5−ビス(エトキシカルボニル)ペンチルである。
式Iおよび1Aで表される化合物は、文献(例えば標準的な学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart)に記載されているように、正確には知られており、前述の反応に好適な反応条件下で、自体公知の方法により調製する。また、ここで、自体公知であるが、ここでは一層詳細には述べないが変法を用いることができる。式IAで表される化合物は、例えば、EP 1 046 693 A1およびEP 1 046 694 A1から知られている。式Iで表される化合物は、例えば、EP 0 334 911 B1に記載されている。
本発明はまた、このタイプの媒体を含む電気光学的ディスプレイ(特に、フレームと共にセルを形成する2枚の面平行外板、外板上の個別の画素を切り換えるための、集積非線形素子、並びにセル中に配置された、正の誘電異方性および高い比抵抗を有するネマティック液晶混合物を有するSTNまたはMLCディスプレイ)およびこれらの媒体の、電気光学的目的のための使用に関する。
本発明の液晶混合物は、利用できるパラメーター寛容度の顕著な拡大を可能にする。
透明点、低温における粘度、熱的およびUV安定性並びに誘電異方性の達成可能な組み合わせは、従来技術からの以前の材料に比較してはるかに優れている。
EP 1 046 693 A1に開示されている混合物と比較して、本発明の混合物は、高い透明点、低いγ値および100℃におけるVHRについての極めて高い値を有する。本発明の混合物は、好ましくは、3.3および2.5Vドライバーを有するノート型PC用途用のTN−TFT混合物として適する。
本発明の液晶混合物は、−30℃まで、特に好ましくは−40℃までのネマティック相を維持しながら、70℃を超える、好ましくは75℃を超える、特に好ましくは80℃を超える透明点、同時に≧6、好ましくは≧8の誘電異方性値Δε並びに優れたSTNおよびMLCディスプレイを得ることを可能にする比抵抗値についての高い値を達成することを可能にする。特に、この混合物は、低い動作電圧により特徴づけられる。TNしきい値は、1.8Vより低く、好ましくは1.5Vより低く、特に好ましくは<1.3Vである。
また、本発明の混合物の成分の好適な選択により、他の有利な特性を維持しながら、一層高いしきい値電圧において一層高い透明点(例えば110℃を超える)を達成することが可能であるか、または一層低いしきい値電圧において一層低い透明点を達成することが可能であることは、言うまでもない。わずかにのみ対応して増大する粘度において、同様に、比較的大きい..および従って比較的低いしきい値を有する混合物を得ることが可能である。本発明のMLCディスプレイは、グーチ(Gooch)およびタリー(Tarry)の第一透過率極小値で好ましく動作し[C.H. GoochおよびH.A. Tarry, Electron. Lett. 10, 2-4, 1974; C.H. GoochおよびH.A. Tarry, Appl. Phys., Vol. 8, 1575-1584, 1975]、ここで、特に好ましい電気光学的特性、例えば特性曲線の高い急峻度およびコントラストの低い角度依存性(ドイツ国特許30 22 818)に加えて、一層低い誘電異方性は、第二極小値において、類似ディスプレイにおけるのと同一のしきい値電圧において十分である。
これは、シアノ化合物を含む混合物の場合と比較して、本発明の混合物を用いて第一極小値において顕著に高い比抵抗値を達成することを可能にする。個別の成分およびこれらの重量割合を好適に選択することにより、当業者は、MLCディスプレイの既定の層の厚さに必要な複屈折率を、簡単で常習的な方法を用いて設定することができる。
20℃における流動粘度ν20は、好ましくは<60mm・s−1、特に好ましくは<50mm・s−1である。本発明の混合物の20℃における回転粘度γは、好ましくは<140mPa・s、特に好ましくは<120mPa・sである。ネマティック相範囲は、好ましくは少なくとも100°、特に少なくとも110°である。この範囲は、好ましくは少なくとも−40°〜+80℃まで拡大される。
短い応答時間が、液晶ディスプレイにおいて望ましい。これは、特に、ビデオ再生が可能であるディスプレイに該当する。このタイプのディスプレイ用に、多くとも16msの応答時間(合計:ton+toff)が必要である。応答時間の上限は、画像リフレッシュ周波数により決定される。
「電圧保持率」(HR)の測定値は、[S. Matsumoto et al., Liquid Crystals 5, 1320 (1989); K. Niwa et al., Proc. SID Conference, San Francisco, 1984年6月、 p. 304 (1984); G. Weber et al., Liquid Crystals 5, 1381 (1989)]式IおよびIAで表される化合物を含む本発明の混合物は、式IAで表される化合物の代わりに例えば、式
Figure 2004149775
で表されるシアノフェニルシクロヘキサン類または式
Figure 2004149775
で表されるエステル類を、含む類似する混合物よりも、温度の上昇に伴うHRの減少が顕著に小さいことを示した。
本発明の混合物のUV安定性はまた、顕著に一層良好である。即ち、これらは、UVにさらされた場合におけるHRの減少が顕著に一層小さい。
式Iは、好ましくは、式I−1〜I−15で表される化合物を包含する:
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
式中、Rは、請求項1において定義した通りである。Rは、好ましくはH、CH、C、n−C、n−C、n−C11、n−C13、CH=CH、CHCH=CH、CHCH=CHCHCHまたはCH=CHCHCHである。
好ましいのは、少なくとも1種の式I−2、I−6、I−7および/またはI−9で表される化合物、特に好ましくは、各々の場合において、式I−2で表される少なくとも1種の化合物を含む、本発明の媒体である。
式IAで表される特に好ましい化合物は、式IA−1〜IA−24:
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
式中、Rは、前に定義した通りである、
で表される化合物である。
これらの好ましい化合物の中で、特に好ましいのは、式IA−2、IA−3、IA−5、IA−6およびIA−14、IA−15およびIA−18で表される化合物、特に式IA−3およびIA−15で表される化合物である。
式IAおよびIA−1〜IA−24で表される化合物中のRは、好ましくはH、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状アルキル、特にCH、C、n−C、n−C、n−C11、n−C13、n−C15、さらに1E−または3−アルケニル、特にCH=CH、CHCH=CH、CH=CHCHCHまたはCHCH=CH−CHCHである。
好ましい態様を、以下に示す:
−媒体は、式IA−1〜IA−24からなる群から選択された1種、2種または3種以上の化合物を含む;
−媒体は、好ましくは、各々の場合において、式I−1およびIA−15で表される1種または2種以上、好ましくは2種または3種の化合物(同族体)を含む;
−媒体は、好ましくは、各々の場合において、式I−1およびIA−3で表される1種または2種以上、好ましくは2種または3種の化合物(同族体)を含む;
−媒体は、さらに、一般式II〜VI:
Figure 2004149775
式中、個別の基は、以下のように定義される:
は、各々9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルであり、
は、F、Cl、6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル、アルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシであり、
は、−C−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C−、−(CH−、−CFO−、−OCF−、−OCH−または−CHO−であり、
およびYは、各々、互いに独立して、HまたはFであり、
rは、0または1である、
からなる群から選択された1種または2種以上の化合物を含み、ここで、式IIで表される化合物は、式Iと同一ではない。
式IVで表される化合物は、好ましくは、
Figure 2004149775
である。
−媒体は、さらに、一般式VII〜XIIIからなる群から選択された1種または2種以上の化合物を含む:
Figure 2004149775
式中、R、X、YおよびYは、各々、互いに独立して、請求項4において定義した通りである。YおよびYは、HまたはFである。Xは、好ましくは、F、Cl、CF、OCFまたはOCHFである。Rは、好ましくは、各々6個までの炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルである。
−媒体は、さらに、式Ea〜Ee
Figure 2004149775
式中、Rは、請求項4において定義した通りである、
で表される1種または2種以上のエステル化合物を含む;
−式Ea〜Eeで表される化合物の比率は、好ましくは10〜30重量%、特に15〜25重量%である;
−全体としての混合物中の式IAおよびI〜VIで表される化合物の合計の比率は、少なくとも50重量%である;
−全体としての混合物中の式Iで表される化合物の比率は、5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である;
−全体としての混合物中の式IAで表される化合物の比率は、5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である;
−全体としての混合物中の式II〜VIで表される化合物の比率は、30〜80重量%である;

Figure 2004149775
は、好ましくは、
Figure 2004149775
である。
−媒体は、式II、III、IV、VまたはVIで表される化合物を含む;
−Rは、2〜7個の炭素原子を有する直鎖状アルキルまたはアルケニルである;
−媒体は、本質的に、式IAおよびI〜VIで表される化合物からなる;
−媒体は、さらに、好ましくは以下の一般式XIV〜XVIIからなる群から選択された化合物を含み:
Figure 2004149775
式中、RおよびXは、前に定義した通りであり、1,4−フェニレン環は、CN、塩素またはフッ素により置換されていることができる。1,4−フェニレン環は、好ましくは、フッ素原子により単置換または多置換されている。
−媒体は、さらに、式XVIIIおよび/またはXIX
Figure 2004149775
式中、R、X、YおよびYは、各々、互いに独立して、1〜9個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基である、
で表される1種または2種以上の化合物を含む。
−媒体は、さらに、1種、2種、3種または4種以上、好ましくは2種または3種の、式
Figure 2004149775
式中、「alkyl」および「alkyl」は、以下に定義する通りである、
で表される化合物を含む。
本発明の混合物中の式O1および/またはO2で表される化合物の比率は、好ましくは5〜10重量%である。
−媒体は、好ましくは、5〜35重量%の化合物IVaを含む。
−媒体は、好ましくは、XがFまたはOCFである、式IVaで表される1種、2種または3種の化合物を含む。
−媒体は、好ましくは、式IIa〜IIgで表される1種または2種以上の化合物を含み、
Figure 2004149775
式中、Rは、前に定義した通りである。式IIa〜IIgで表される化合物において、Rは、好ましくはH、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルまたはn−ペンチル、さらにn−ヘキシルまたはn−ヘプチルである。
−(I+IA):(II+III+IV+V+VI)の重量比は、好ましくは、1:10〜10:1である。
−媒体は、本質的に、一般式IAおよびI〜XIIIからなる群から選択された化合物からなる。
−Xがフッ素であり、RがC、n−C、n−Cまたはn−C11である、式IVbおよび/またはIVcで表される化合物の、全体としての混合物中の比率は、2〜20重量%、特に2〜15重量%である;
−媒体は、好ましくは、1種、2種または3種、さらに4種の、H1〜H19(n=1〜12):
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
からなる群から選択された化合物の同族体を含む。
−媒体は、好ましくは、Rがメチルである化合物IIbを含む;
−媒体は、さらに、好ましくは以下の式RI〜RIX
Figure 2004149775
式中、
は、各々9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルであり、
は、HまたはFであり、
alkylおよびalkylは、各々、互いに独立して、1〜9個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
alkenylおよびalkenylは、各々、互いに独立して、9個までの炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルケニル基である、
からなる群から選択された化合物を含む。
−媒体は、好ましくは、式
Figure 2004149775
式中、nおよびmは、各々、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である、nおよびmは、好ましくは、1、2、3、4、5または6である、
で表される1種または2種以上の化合物を含む。
−媒体は、さらに、1種、2種または3種以上の式AN1〜AN11:
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
式中、Rは、前に定義した通りである、
で表される、縮合環を有する化合物を含む。
「alkyl」または「alkyl」の用語は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状アルキル基、特に直鎖状基メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜5個の炭素原子を有する基が、一般的に好ましい。
「alkenyl」の用語は、2〜7個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状アルケニル基、特に直鎖状基を包含する。好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が、一般的に好ましい。
「fluoroalkyl」の用語は、好ましくは、末端フッ素を有する直鎖状基、即ちフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかし、他の位置のフッ素は、除外されない。
「oxaalkyl」の用語は、好ましくは、式C2n+1−O−(CHで表され、式中、nは、1〜6であり、mは、0〜6である、直鎖状基を包含する。好ましくは、n=1または2であり、mは、0〜6である。
慣用の液晶材料、しかし特に式II、III、IV、Vおよび/またはVIで表される1種または2種以上の化合物と混合された、式IおよびIAで表される化合物の比較的小さい比率でさえも、しきい値電圧の顕著な低下およびVHRについての高い値(100℃)をもたらし、低いスメクティック−ネマティック転移温度を有する広いネマティック相が、同時に観察され、貯蔵寿命が改善されることが見出された。好ましいのは、特に、式IおよびIAで表される1種または2種以上の化合物に加えて、式IVで表される1種または2種以上の化合物、特に、XがFまたはOCFである、式IVaで表される化合物を含む混合物である。式IAおよびI〜VIで表される化合物は、無色であり、安定であり、互いに、および他の液晶物質と容易に混和可能である。
およびXの意味を好適に選択することにより、アドレス時間、しきい値電圧、透過特性曲線の急峻度などを、所望の方法で改変することができる。例えば、1E−アルケニル基、3E−アルケニル基、2E−アルケニルオキシ基などは、一般的に、アルキル基またはアルコキシ基と比較して、短いアドレス時間、改善されたネマティック傾向および弾性定数k33(曲がり)とk11(広がり)との高い比率をもたらす。4−アルケニル基、3−アルケニル基などは、一般的に、アルキル基およびアルコキシ基と比較して、低いしきい値電圧および小さいk33/k11値をもたらす。
−CHCH−基は、一般的に、単共有結合と比較して高いk33/k11の値をもたらす。k33/k11の一層大きい値は、例えば、90°のねじれを有するTNセルにおいて、一層平坦な透過特性曲線を容易にし(グレーシェードを達成するために)、STN、SBEおよびOMIセル(一層大きい時分割特性)において一層急峻な透過特性曲線を容易にし、その逆もまた同様である。
式I、IAで表される化合物とII+III+IV+V+VIで表される化合物との最適な混合比は、実質的に、所望の特性、式I、IA、II、III、IV、Vおよび/またはVIで表される成分の選択並びに存在できるすべての他の成分の選択に依存する。前述の範囲内の好適な混合比は、場合毎に容易に決定することができる。
本発明の混合物中の式IAおよびI〜XIIIで表される化合物の総量は、決定的ではない。従って、この混合物は、種々の特性を最適にする目的のために、1種または2種以上の他の成分を含むことができる。しかし、アドレス時間およびしきい値電圧に対して観察される効果は、一般的に、式IAおよびI〜XIIIで表される化合物の総濃度が高いほど大きくなる。
特に好ましい態様において、本発明の媒体は、XがF、OCF、OCHF、F、OCH=CF、OCF=CFまたはOCF−CFHである、式II〜VI(好ましくは式II、IIIおよび/またはIV、特にIVa)で表される化合物を含む。式IおよびIAで表される化合物との好ましい相乗効果は、特に有利な特性をもたらす。特に、式I、IAおよび式IVaで表される化合物を含む混合物は、これらの低いしきい値電圧により区別される。
本発明の媒体において用いることができる、式IAおよびI〜XVIII並びにこれらの従属式で表される個別の化合物は、知られているか、または既知の化合物と同様にして製造することができる。
偏光子、電極基板および表面処理された電極からの本発明のMLCディスプレイの構造は、このタイプのディスプレイに慣用の構造に相当する。ここで、慣用の構造の用語は、広く解釈され、また特にポリ−Si TFTまたはMIMに基づくマトリックス表示素子を含むMLCディスプレイのすべての誘導型および改変型を包含する。
しかし、本発明のディスプレイとねじれネマティックセルに基づく慣用のディスプレイとの顕著な相違点は、液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
本発明において用いることができる液晶混合物は、自体慣用の方法において製造される。一般的に、少ない方の量で用いる成分の所望の量を、有利には高温で、主要成分を構成する成分中に溶解する。有機溶剤、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中の成分の溶液を混合し、十分に混合した後に、例えば蒸留により溶剤を再び除去することも可能である。
誘電体はまた、当業者に知られており、文献中に記載されている他の添加剤、例えば安定剤、UVフィルターおよび酸化防止剤を含むことができる。例えば、0〜15%の多色性染料またはキラルなドーパントを加えることができる。
Cは結晶相を示し、Sはスメクティック相を示し、SはスメクティックC相を示し、Nはネマティック相を示し、Iはアイソトロピック相を示す。
10は、10%透過率にかかわる電圧を示す(板表面に対して垂直の視野角)。tonは、V10の数値の2.0倍に対応する動作電圧におけるスイッチオン時間を示し、toffは、スイッチオフ時間を示す。Δnは、光学異方性を示す。Δεは、誘電異方性を示す(Δε=ε−ε、この式においてεは分子の長軸に対して平行な誘電定数を示し、εは分子の長軸に対して垂直な誘電定数を示す)。電気光学的データは、他に特に述べない限り、20℃でTNセルにおいて第一極小値(即ち0.5.mのd・Δn値において)で測定する。光学的データは、他に特に述べない限り、20℃で測定する。
本出願および以下の例において、液晶化合物の構造を頭文字で示し、その化学式への変換は、以下の表AおよびBに従って得られる。すべての基C2n+1およびC2m+1は、それぞれn個およびm個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である;nおよびmは、整数であり、好ましくは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。表Bにおけるコードは自明である。表Aにおいて、基本構造にかかわる頭文字のみを示す。各場合において、基本構造にかかわる頭文字の後に、ダッシュで分離して、置換基R1*、R2*、L1*、L2*およびL3*に関するコードが示されている:
Figure 2004149775
好ましい混合物成分を、表AおよびBに示す。
表A:
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
表B:
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
特に好ましいのは、式IおよびIAで表される化合物に加えて、少なくとも1種、2種、3種または4種の表Bからの化合物を含む液晶混合物である。
表C:
表Cは、本発明の混合物に一般的に加えられる可能なドーパントを示す。
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
表D
例えば本発明の混合物に加えることができる安定剤を、以下に述べる。
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
Figure 2004149775
以下の例は、本発明を限定せずに、本発明を説明することを意図する。本明細書中、パーセンテージは重量パーセントである。すべての温度を、摂氏度で示す。m.p.は融点を示し、cl.p.は透明点を示す。さらに、C=結晶状態、N=ネマティック相、S=スメクティック相およびI=アイソトロピック相である。これらの記号間のデータは、転移温度を示す。Δnは、光学異方性(589nm、20℃)を示し、Δεは、誘電異方性(1kHz、20℃)を示し、流動粘度ν20(mm/秒)を、20℃において決定した。回転粘度γ(mPa・s)を、同様に20℃において決定した。
例M1
Figure 2004149775
例M2
Figure 2004149775
例M3
Figure 2004149775
例M4
Figure 2004149775
例M5
Figure 2004149775

Claims (11)

  1. 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物に基づく液晶媒体であって、これが、式I
    Figure 2004149775
    で表される1種または2種以上の化合物および
    式IA
    Figure 2004149775
    式中、個別の基は、以下の意味を有する:
    およびRは、各々、互いに独立して、H、1〜15個の炭素原子を有するハロゲン化または非置換アルキル基であり、ここで、これらの基における1つまたは2つ以上のCH基はまた、各々の場合において、互いに独立して、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、
    Figure 2004149775
    −CO−O−または−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置換されていることができ、
    は、各々の場合において、互いに独立して、CN、SF、SCN、NCS、OCN、各々6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基またはハロゲン化アルケニルオキシ基であり、
    は、各々の場合において、互いに独立して、F、Cl、CN、SF、SCN、OCN、NCS、各々6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基またはハロゲン化アルケニルオキシ基であり、
    およびZは、各々、互いに独立して、−CFO−、−OCF−または単結合であり、ここで、Z≠Zであり、
    Figure 2004149775
    は、各々、互いに独立して、
    Figure 2004149775
    であり、
    1−4は、各々、互いに独立して、HまたはFである、
    で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、前記液晶媒体。
  2. 式IA−1〜IA−24:
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    式中、Rは、請求項1において定義した通りである、
    で表される1種、2種または3種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
  3. 式I−1〜I−15
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    Figure 2004149775
    式中、Rは、請求項1において定義した通りである、
    で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
  4. さらに、一般式II、III、IV、VおよびVI:
    Figure 2004149775
    式中、個別の基は、以下の意味を有する:
    は、H、各々9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルであり、
    は、F、Cl、6個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル、アルケニルまたはアルコキシであり、
    は、−C−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C−、−(CH−、−CFO−、−OCF−、−OCH−または−CHO−であり、
    およびYは、各々、互いに独立して、HまたはFであり、
    rは、0または1である、
    からなる群から選択された1種または2種以上の化合物を含み、該化合物は、式Iで表される化合物と同一ではないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
  5. 全体としての混合物中の式IAおよびI〜VIで表される化合物の合計の比率が、少なくとも50重量%であることを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
  6. さらに、式Ea〜Ee
    Figure 2004149775
    式中、Rは、請求項4において定義した通りである、
    で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶媒体。
  7. 式IIa〜IIg
    Figure 2004149775
    式中、Rは、請求項4において定義した通りである、
    で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶媒体。
  8. 以下の式:
    Figure 2004149775
    式中、
    は、各々9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルであり、
    は、HまたはFであり、
    alkylおよびalkylは、各々、互いに独立して、1〜9個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
    alkenylおよびalkenylは、各々、互いに独立して、9個までの炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルケニル基である、
    で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の液晶媒体。
  9. 全体としての混合物中の式IAで表される化合物の比率が、5〜40重量%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の液晶媒体。
  10. 請求項1に記載の液晶媒体の、電気光学的目的のための使用。
  11. 請求項1に記載の液晶媒体を含む、電気光学的液晶ディスプレイ。
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