JP2004149354A - 電磁波シールドガラスパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス間の間隙部の封着を長期的に維持できるようにする。
【解決手段】一対の板ガラス1(1A,1B)のうち少なくとも一方の板ガラス1Aの板面に導電膜11を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部Vが形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材12を設けてある電磁波シールドガラスパネルPであり、前記封着材料が金属はんだ10であり、前記板ガラスの板面に前記導電膜を備えさせるに、その導電膜11の周縁11aが前記金属はんだ10により覆われるように形成し、前記アース用導電材12を前記金属はんだ10に取り付けてある。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の板ガラス1(1A,1B)のうち少なくとも一方の板ガラス1Aの板面に導電膜11を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部Vが形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材12を設けてある電磁波シールドガラスパネルPであり、前記封着材料が金属はんだ10であり、前記板ガラスの板面に前記導電膜を備えさせるに、その導電膜11の周縁11aが前記金属はんだ10により覆われるように形成し、前記アース用導電材12を前記金属はんだ10に取り付けてある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールドガラスパネルに関し、さらに詳しくは、一対の板ガラスのうち少なくとも一方の板ガラスの板面に導電膜を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部が形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材を設けてある電磁波シールドガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばファクトリーオートメーション化など、建物内においても、携帯電話などの電磁波を利用する各種情報通信機器が用いられることが多い。このため、これらの機器が引き起こす不要電磁波による医療機器の異常動作、電子機器の機能破壊、情報漏洩などの悪影響が問題とされ、オフィスや病院、工場などあらゆる環境で、電磁波をシールドする必要性が高まってきている。
【0003】
そこで、従来、建物の開口部等に電磁波シールド機能を持たせるべく、次のような電磁波シールドガラスパネルが提案されている。
【0004】
従来の電磁波シールドガラスパネルでは、一対の板ガラスの間隙部の外周部間を封着する封着材料としては、例えば、ポリイソブチレン、シリコーン、ポリウレタン、ホットメルトブチル、ポリサルファイド等の樹脂材料からなるものが、一般的に用いられており、図6の断面図に例示するような構成として、板ガラスの板面に備えられる導電膜とアース用導電材との導通が確保されている。
つまり、図6に示すように、その厚み方向に間隙部22を介して間隔を隔てて並設される一対の板ガラス21(21A,21B)の、一方の板ガラス21Aの間隙部22側の板面(以下、単に内面と称する)の全面にわたって導電膜23が形成されており、その導電膜23の周縁23aが外部に露出するようにして、樹脂材料からなる封着材料24で、間隙部22の外周部間を封着し、アース用導電材25を前記周縁23aに接着させることで、導電膜23とアース用導電材25とを直接導通させてある。よって、従来の電磁波シールドガラスパネルでは、板ガラス21Aに到達する電磁波が、導電膜23から直接アース用導電材25を経てアースされることで、シールドされる。
尚、一般に板ガラス21Aの板面に形成される前記導電膜23は、電磁波を反射する機能を有するばかりか、多くの場合、赤外線も反射し低放射(Low−E)性をも併せ持つもので、この電磁波シールドガラスパネルを使用した建物では、断熱性も高まり都合がよいものである。
【0005】
また、上述したガラスパネルの一例として、フラットパネルディスプレイ(FPD)があり、従来、FPD自体の前面ガラスや、FPDとの間に空気層を介して前置きする前面ガラスに導電膜を備えさせたものも知られているが、やはり、導電膜が外部に露出する構成であり、その露出した導電膜にアース用の端子部が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−111727号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電磁波シールドガラスパネルによれば、確かに電磁波シールド効果を得ることができるものの、前記導電膜23をアース用導電材25と直接接触により導通させるべく、その周縁23aを外部に露出させているため、周縁23aより導電膜23の腐食が発生することがある。すると、腐食が進行するなどして、結果、樹脂材料24による間隙部22の外周部間の封着が損なわれてしまい易く、このため結露が発生するなどの問題が起こるおそれがあり、上記特許文献に開示のものも同様で、この点に改善の余地が残されている。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス間の間隙部の封着を長期的に維持できる電磁波シールドガラスパネルを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、一対の板ガラスのうち少なくとも一方の板ガラスの板面に導電膜を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部が形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材を設けてある電磁波シールドガラスパネルであって、
前記封着材料が金属はんだであり、
前記板ガラスの板面に前記導電膜を備えさせるに、その導電膜の周縁が前記金属はんだにより覆われるように形成し、
前記アース用導電材を前記金属はんだに取り付けてある電磁波シールドガラスパネル。
【0010】
〔作用効果〕
本特徴構成によれば、板ガラスの間隙部側の板面の導電膜の周縁は、間隙部の外周部間を封着する金属はんだで覆われており、外部に露出することがないので、導電膜が外部雰囲気と直接的に接することで腐食するような現象を解消し、結果、従来の電磁波シールドガラスパネルに比べると、金属はんだによる間隙部の外周部間の封着を長期的に維持することができる。しかも、この金属はんだには、アース用導電材が取り付けられているので、導電膜は金属はんだを介してアース用導電材と導通されるようになり、板ガラスに到達する電磁波を、導電膜と、外周部間を封着する金属はんだと、アース用導電材とを介して、アースさせることでシールドすることができる。
したがって、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス間の間隙部の封着を長期的に維持できる。
【0011】
請求項2記載の発明の特徴構成は、上記請求項1の特徴構成に加えて、前記間隙部を減圧状態に保持してあるところにある。
【0012】
〔作用効果〕
間隙部が減圧状態であるために、この間隙部の外周部間を封着する金属はんだの接着性が良好に維持され、一対の板ガラス間の間隙部の封着を、一層長期的に維持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明に係る電磁波シールドガラスパネル(以下、単にガラスパネルと略称する)Pの一例の断面図を示す。
【0014】
図1に示すように、このガラスパネルPは、一対の板ガラス1(1A,1B)間に、板面に沿って間隔をあけて多数のスペーサ2を介在させることにより、一対の板ガラス1(1A,1B)を間隙部Vを介して対向配置し、ここでは、その間隙部Vの外周部間が全周にわたって金属はんだ10により封着されている。
尚、一例として、一対の板ガラス1の内の何れか一方の板ガラス1B(1A)に、間隙部Vを減圧密閉するための吸引部(図外)を設けてあり、その吸引部から間隙部V内の空気を吸引し、減圧環境(0.13Pa(1.0×10−3Torr)以下)を呈する状態で密閉してある。
【0015】
前記一対の板ガラス1A,1Bはいずれもフロート板ガラス(厚み寸法は、例えば、2.65mm〜3.2mm)で構成してあり、縁部どうしが重なる状態で金属はんだ10で一体化してある。
そして、一例として、一方の板ガラス1Aの間隙部V側に臨む板面に、導電膜11を備えさせてある。ここでは、この導電膜11は、その周縁11aが、前記板ガラス1Aの板面の外周縁の近傍にまで位置するように、その板面のほぼ全面わたって形成されており、結果として、導電膜11の周縁11aは、図に示すように、前記金属はんだ10で覆われた状態となっている。
【0016】
この導電膜11は、例えば、化学的気相成長(CVD)法(例えば、熱CVD、プラズマCVD等)や、物理的気相成長(PVD)法(例えば、スパッタリング法、エレクトロンビーム法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等)や、液相成長法や、ディッピング法などにより、板ガラス1の板面に形成すればよい。また、導電膜11は、フッ素ドープされた酸化スズ膜やITO膜などの透明性導電膜であれば、板ガラス1の透明性を損なうことなく、好適である。
前記導電膜11として使用されるLow−E膜は、従来の技術と同様に、ガラス端面から所定幅除去する必要があるが、金属はんだ10に内部で接している必要がある。好ましくは、金属はんだ10の幅が3〜20mmであるのに対し、Low−E膜除去幅は、2〜15mm程度である。
Low−E膜と金属はんだ10との重なりは、最低でも1mm、好ましくは3mm以上あれば接地が十分である。この重なり部は四周均一にあるのが望ましいが、重なっていれば必ずしも同一幅にある必要はない。
【0017】
尚、前記スペーサ2は、一例として、板面方向に沿った縦横に20mmの間隔で多数設置してある。また、本実施形態においては、間隙部Vを減圧状態に保持してあることから、スペーサ2は、圧縮強度が490MPa(5000kg/cm2)上のものが好ましく、一例としてインコネル718で形成してある。また、スペーサ2の形状は、円柱形状に成形してあり、形状寸法は、直径が0.3mm〜1.0mmで、高さ寸法が0.2mmの円柱形状に形成してある。
【0018】
前記金属はんだ10は、例えば、インジウムや鉛や錫や亜鉛などを主成分とするものを用いれば、板ガラス1(1A,1B)との良好な密着性が期待でき、その一例として、Sn:90.85%,Zn:9.0%,Ti:0.15%の組成(重量%)からなるものを用いてある。
【0019】
また、金属はんだ10は、例えば、溶融させた状態にて、両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間に4辺全長にわたって充填し固化させることで、両板ガラス1A・1Bが一体的に接合され、間隙部Vの外周部間が封着されて、その間隙部Vの密閉が図られている。
因みに、金属はんだ10は、図2,3に示すようなシール装置Dによって、両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間に充填させると、その両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間への金属はんだ10の導入で、金属はんだ10が、導電膜11にその周縁11aを覆う状態で接着すると共に、板ガラス1(1A,1B)の端面にも接着し、図1に例示するような、金属はんだ10が板ガラス1の端面側に盛り出た形状となり、結果、アース用リード線材13を金属はんだ10に取り付け易く、好ましい。
前記シール装置Dは、溶融した状態の金属はんだ10を貯留する供給塔6の下方の吐出部6aから金属はんだ10を流下させ、両板ガラス間に挿入された導入板7を介して金属はんだ10を充填するものである。前記供給塔6は、レール8上を移動することで、基台B上に設置された板ガラス1の辺に沿って移動自在に形成されている。また、前記導入板7は、上下に非常に薄く(0.1mm)横方向に長い扁平なもので、供給塔6の下端側から側方に張り出す状態に設置されている。
【0020】
尚、板ガラスに金属はんだ10を接着させるために、超音波を利用したはんだ接着法も利用できる。また、接着性を向上させるため、予め板ガラス1上に蒸着、スパッタ、溶射、無電解メッキ等の方法で、Ag、Cu、Ni等のメタライズ処理をしておき、その後、はんだ処理を行っても良い。
【0021】
そして、ここでは、この金属はんだ10には、アース用導電材12の一例として、アース用リード線材13の一端側が接続されており、導電性のある金属はんだ10を介して、導電膜11とアース用リード線材13とが導通されるように構成してある。
【0022】
従って、ガラスパネルPに到達する電磁波を、導電膜11から、金属はんだ10を経て、アース用リード線材13を介して、例えばガラスパネルPを設置する枠材等にアースさせることで、シールドすることができる。
【0023】
また、金属はんだ10は、板ガラス1に対する接着性が強固であるため、間隙部Vに水等が浸入することを良好に防止でき、また、導電膜11に比べ比較的厚みをもつものであることから、結果、間隙部Vの封着を従来に比べ長期的に維持することができる。
【0024】
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉 前記導電膜11は、先の実施形態で説明したように一対の板ガラス1(1A,1B)のうちの一方の板ガラス1Aに限らず、例えば、図4に例示するように、他方の板ガラス1Bの板面に備えさせてあってもよく、間隙部V側の板面に導電膜11を備えさせてあれば、同様に金属はんだ10からアース用導電材12を介して電磁波がシールドされ、その効果がより向上される。
【0025】
〈2〉 そして、例えば、図4に例示するように、アース用導電材12として、導電性ゴム等からなる導電性カバー部材16を設け、導電性カバー部材16を、前記金属はんだ10の外面に接着させるなどして、金属はんだ10の外周側を被覆すると共にその金属はんだ10との導通を確保するようにしてあってもよい。この場合には、金属はんだ10が外部に露出することなく、導電性カバー部材16で保護されているので、金属はんだ10の腐食がより確実に防止され、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス1(1A,1B)間の間隙部Vの封着をより確実に長期的に維持できる。
ガラス端面に存在する金属はんだ10は、微視的に見れば必ずしも平坦ではないので、これと電気的接触を十分得るためのアース用導電材は、ゴム状の柔らかいものが適当である。例えば、シリコンゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム等に金属、カーボン微粒子を適当量混合し、導電率1〜104(Ωcm)−1の範囲にあるものが望ましい。
【0026】
〈3〉 また、図5に例示するように、金属はんだ10の外面を被覆する保護膜17を設け(図では金属はんだ10の外面のみならず、板ガラス1(1A,1B)の端面も被覆するものを例示)、前記アース用リード線材13の他端側をその保護膜17より外部に取り出してあってもよい。この場合、金属はんだ10が外部に露出することなく、保護膜17で保護されているので、金属はんだ10の腐食がより確実に防止され、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス1(1A,1B)間の間隙部Vの封着をより確実に長期的に維持できる。
【0027】
〈4〉 導電膜11は、その周縁が金属はんだ10により覆われていればよく、金属はんだ10が図1,4,5に例示するように板ガラス1(1A,1B)の端面にも接着するものであるときには、導電膜11は、金属はんだ10により覆われる範囲内であれば、その周縁11aが、前記板ガラス1Aの板面の外周縁や端面に位置するように形成してあってもよい。
【0028】
〈5〉 また、金属はんだ10は、間隙部Vの外周部間を封着でき且つ導電性を有するものであればよく、先の実施形態で説明したものに限らず、例えば、錫・ビスマス・鉛・亜鉛・インジウム・アンチモン等の何れか一種、又は、二種以上を主成分とするもの、更には、銀・アルミニウム・銅等の何れか一種、又は、二種以上を添加してあるものでもよい。具体例として、Pb−Sn系ハンダ、無鉛ハンダ(例えば、Sn−Zn系、Sn−Bi系、Sn−Ag系、In系)等がある。また、各主成分の合金に、接着性を向上させる目的で、第三元素を添加しても良い。添加元素としてはSi、Al、Mg、Bi、Ti、V、Cr、Ni、Au、Fe、Co、Sb、B、Be等種々の金属元素が考えられる。尚、金属はんだ10は、先の実施形態で例示した間隙部Vの外周部間の全周を封着するものに限らず、間隙部Vの外周部間の一部分を封着するもので、その他の部分を他の封着材料により封着してあってもよい。
【0029】
〈6〉 本発明に係る電磁波シールドガラスパネルは、多種にわたる用途に使用することが可能で、例えば、建築用・乗物用(自動車の窓ガラス、鉄道車両の窓ガラス、船舶の窓ガラス)、プラズマディスプレーなどの機器要素、及び、冷蔵庫や保温装置などのような各種装置の扉や壁部等に用いることが可能である。
また、間隙部Vを、先の実施形態で説明したように0.13Pa(1.0×10−3Torr)以下を呈する状態に構成するものに限らず、減圧度そのものは任意に設定することが可能である。更には、大気圧と等圧の環境とすることも可能である。
〈7〉 板ガラス1(1A,1B)は、先の実施形態で説明した厚み2.65mm〜3.2mmのものに限らず、他の厚みの板ガラスであってもよい。また、一方の板ガラスと他方の板ガラスとの厚みや寸法が異なるものを組み合わせて一対の板ガラス1(1A,1B)を構成してあってもよい。
また、この板ガラス1(1A,1B)を構成するガラスの種別は任意に選定することが可能であり、例えば型板ガラス、すりガラス(表面処理により光を拡散させる機能を付与したガラス)、網入りガラス、又は、強化ガラスや、熱線吸収・紫外線吸収・熱線反射等の機能を付与した板ガラスや、それらとの組み合わせであってもよい。尚、ガラスの組成については、ソーダ珪酸ガラス(ソーダ石灰シリカガラス)や、ホウ珪酸ガラスや、アルミノ珪酸ガラスや、各種結晶化ガラスであってもよい。
〈8〉 尚、スペーサ2は、先の実施形態で説明したインコネル718に限らず、例えば、ステンレス鋼や、それ以外にも、他の金属・石英ガラス・セラミックス、ガラス・低融点ガラス等で形成してあってもよく、また、間隙部Vを減圧状態に保持しないのであれば、例えば、中空部分に乾燥剤が封入されたアルミ製スペーサ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの一例を示す断面図
【図2】金属はんだの充填状況を説明する断面図
【図3】金属はんだの充填状況を説明する一部切り欠き平面図
【図4】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの別例を示す断面図
【図5】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの別例を示す断面図
【図6】従来の電磁波シールドガラスパネルを示す断面図
【符号の説明】
P 電磁波シールドガラスパネル
V 間隙部
1(1A,1B) 板ガラス
2 スペーサ
10 金属はんだ
11 導電膜
11a 導電膜の周縁
12 アース用導電材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールドガラスパネルに関し、さらに詳しくは、一対の板ガラスのうち少なくとも一方の板ガラスの板面に導電膜を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部が形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材を設けてある電磁波シールドガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばファクトリーオートメーション化など、建物内においても、携帯電話などの電磁波を利用する各種情報通信機器が用いられることが多い。このため、これらの機器が引き起こす不要電磁波による医療機器の異常動作、電子機器の機能破壊、情報漏洩などの悪影響が問題とされ、オフィスや病院、工場などあらゆる環境で、電磁波をシールドする必要性が高まってきている。
【0003】
そこで、従来、建物の開口部等に電磁波シールド機能を持たせるべく、次のような電磁波シールドガラスパネルが提案されている。
【0004】
従来の電磁波シールドガラスパネルでは、一対の板ガラスの間隙部の外周部間を封着する封着材料としては、例えば、ポリイソブチレン、シリコーン、ポリウレタン、ホットメルトブチル、ポリサルファイド等の樹脂材料からなるものが、一般的に用いられており、図6の断面図に例示するような構成として、板ガラスの板面に備えられる導電膜とアース用導電材との導通が確保されている。
つまり、図6に示すように、その厚み方向に間隙部22を介して間隔を隔てて並設される一対の板ガラス21(21A,21B)の、一方の板ガラス21Aの間隙部22側の板面(以下、単に内面と称する)の全面にわたって導電膜23が形成されており、その導電膜23の周縁23aが外部に露出するようにして、樹脂材料からなる封着材料24で、間隙部22の外周部間を封着し、アース用導電材25を前記周縁23aに接着させることで、導電膜23とアース用導電材25とを直接導通させてある。よって、従来の電磁波シールドガラスパネルでは、板ガラス21Aに到達する電磁波が、導電膜23から直接アース用導電材25を経てアースされることで、シールドされる。
尚、一般に板ガラス21Aの板面に形成される前記導電膜23は、電磁波を反射する機能を有するばかりか、多くの場合、赤外線も反射し低放射(Low−E)性をも併せ持つもので、この電磁波シールドガラスパネルを使用した建物では、断熱性も高まり都合がよいものである。
【0005】
また、上述したガラスパネルの一例として、フラットパネルディスプレイ(FPD)があり、従来、FPD自体の前面ガラスや、FPDとの間に空気層を介して前置きする前面ガラスに導電膜を備えさせたものも知られているが、やはり、導電膜が外部に露出する構成であり、その露出した導電膜にアース用の端子部が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−111727号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電磁波シールドガラスパネルによれば、確かに電磁波シールド効果を得ることができるものの、前記導電膜23をアース用導電材25と直接接触により導通させるべく、その周縁23aを外部に露出させているため、周縁23aより導電膜23の腐食が発生することがある。すると、腐食が進行するなどして、結果、樹脂材料24による間隙部22の外周部間の封着が損なわれてしまい易く、このため結露が発生するなどの問題が起こるおそれがあり、上記特許文献に開示のものも同様で、この点に改善の余地が残されている。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス間の間隙部の封着を長期的に維持できる電磁波シールドガラスパネルを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、一対の板ガラスのうち少なくとも一方の板ガラスの板面に導電膜を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部が形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材を設けてある電磁波シールドガラスパネルであって、
前記封着材料が金属はんだであり、
前記板ガラスの板面に前記導電膜を備えさせるに、その導電膜の周縁が前記金属はんだにより覆われるように形成し、
前記アース用導電材を前記金属はんだに取り付けてある電磁波シールドガラスパネル。
【0010】
〔作用効果〕
本特徴構成によれば、板ガラスの間隙部側の板面の導電膜の周縁は、間隙部の外周部間を封着する金属はんだで覆われており、外部に露出することがないので、導電膜が外部雰囲気と直接的に接することで腐食するような現象を解消し、結果、従来の電磁波シールドガラスパネルに比べると、金属はんだによる間隙部の外周部間の封着を長期的に維持することができる。しかも、この金属はんだには、アース用導電材が取り付けられているので、導電膜は金属はんだを介してアース用導電材と導通されるようになり、板ガラスに到達する電磁波を、導電膜と、外周部間を封着する金属はんだと、アース用導電材とを介して、アースさせることでシールドすることができる。
したがって、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス間の間隙部の封着を長期的に維持できる。
【0011】
請求項2記載の発明の特徴構成は、上記請求項1の特徴構成に加えて、前記間隙部を減圧状態に保持してあるところにある。
【0012】
〔作用効果〕
間隙部が減圧状態であるために、この間隙部の外周部間を封着する金属はんだの接着性が良好に維持され、一対の板ガラス間の間隙部の封着を、一層長期的に維持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明に係る電磁波シールドガラスパネル(以下、単にガラスパネルと略称する)Pの一例の断面図を示す。
【0014】
図1に示すように、このガラスパネルPは、一対の板ガラス1(1A,1B)間に、板面に沿って間隔をあけて多数のスペーサ2を介在させることにより、一対の板ガラス1(1A,1B)を間隙部Vを介して対向配置し、ここでは、その間隙部Vの外周部間が全周にわたって金属はんだ10により封着されている。
尚、一例として、一対の板ガラス1の内の何れか一方の板ガラス1B(1A)に、間隙部Vを減圧密閉するための吸引部(図外)を設けてあり、その吸引部から間隙部V内の空気を吸引し、減圧環境(0.13Pa(1.0×10−3Torr)以下)を呈する状態で密閉してある。
【0015】
前記一対の板ガラス1A,1Bはいずれもフロート板ガラス(厚み寸法は、例えば、2.65mm〜3.2mm)で構成してあり、縁部どうしが重なる状態で金属はんだ10で一体化してある。
そして、一例として、一方の板ガラス1Aの間隙部V側に臨む板面に、導電膜11を備えさせてある。ここでは、この導電膜11は、その周縁11aが、前記板ガラス1Aの板面の外周縁の近傍にまで位置するように、その板面のほぼ全面わたって形成されており、結果として、導電膜11の周縁11aは、図に示すように、前記金属はんだ10で覆われた状態となっている。
【0016】
この導電膜11は、例えば、化学的気相成長(CVD)法(例えば、熱CVD、プラズマCVD等)や、物理的気相成長(PVD)法(例えば、スパッタリング法、エレクトロンビーム法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等)や、液相成長法や、ディッピング法などにより、板ガラス1の板面に形成すればよい。また、導電膜11は、フッ素ドープされた酸化スズ膜やITO膜などの透明性導電膜であれば、板ガラス1の透明性を損なうことなく、好適である。
前記導電膜11として使用されるLow−E膜は、従来の技術と同様に、ガラス端面から所定幅除去する必要があるが、金属はんだ10に内部で接している必要がある。好ましくは、金属はんだ10の幅が3〜20mmであるのに対し、Low−E膜除去幅は、2〜15mm程度である。
Low−E膜と金属はんだ10との重なりは、最低でも1mm、好ましくは3mm以上あれば接地が十分である。この重なり部は四周均一にあるのが望ましいが、重なっていれば必ずしも同一幅にある必要はない。
【0017】
尚、前記スペーサ2は、一例として、板面方向に沿った縦横に20mmの間隔で多数設置してある。また、本実施形態においては、間隙部Vを減圧状態に保持してあることから、スペーサ2は、圧縮強度が490MPa(5000kg/cm2)上のものが好ましく、一例としてインコネル718で形成してある。また、スペーサ2の形状は、円柱形状に成形してあり、形状寸法は、直径が0.3mm〜1.0mmで、高さ寸法が0.2mmの円柱形状に形成してある。
【0018】
前記金属はんだ10は、例えば、インジウムや鉛や錫や亜鉛などを主成分とするものを用いれば、板ガラス1(1A,1B)との良好な密着性が期待でき、その一例として、Sn:90.85%,Zn:9.0%,Ti:0.15%の組成(重量%)からなるものを用いてある。
【0019】
また、金属はんだ10は、例えば、溶融させた状態にて、両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間に4辺全長にわたって充填し固化させることで、両板ガラス1A・1Bが一体的に接合され、間隙部Vの外周部間が封着されて、その間隙部Vの密閉が図られている。
因みに、金属はんだ10は、図2,3に示すようなシール装置Dによって、両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間に充填させると、その両板ガラス1A・1Bどうしの周縁部間への金属はんだ10の導入で、金属はんだ10が、導電膜11にその周縁11aを覆う状態で接着すると共に、板ガラス1(1A,1B)の端面にも接着し、図1に例示するような、金属はんだ10が板ガラス1の端面側に盛り出た形状となり、結果、アース用リード線材13を金属はんだ10に取り付け易く、好ましい。
前記シール装置Dは、溶融した状態の金属はんだ10を貯留する供給塔6の下方の吐出部6aから金属はんだ10を流下させ、両板ガラス間に挿入された導入板7を介して金属はんだ10を充填するものである。前記供給塔6は、レール8上を移動することで、基台B上に設置された板ガラス1の辺に沿って移動自在に形成されている。また、前記導入板7は、上下に非常に薄く(0.1mm)横方向に長い扁平なもので、供給塔6の下端側から側方に張り出す状態に設置されている。
【0020】
尚、板ガラスに金属はんだ10を接着させるために、超音波を利用したはんだ接着法も利用できる。また、接着性を向上させるため、予め板ガラス1上に蒸着、スパッタ、溶射、無電解メッキ等の方法で、Ag、Cu、Ni等のメタライズ処理をしておき、その後、はんだ処理を行っても良い。
【0021】
そして、ここでは、この金属はんだ10には、アース用導電材12の一例として、アース用リード線材13の一端側が接続されており、導電性のある金属はんだ10を介して、導電膜11とアース用リード線材13とが導通されるように構成してある。
【0022】
従って、ガラスパネルPに到達する電磁波を、導電膜11から、金属はんだ10を経て、アース用リード線材13を介して、例えばガラスパネルPを設置する枠材等にアースさせることで、シールドすることができる。
【0023】
また、金属はんだ10は、板ガラス1に対する接着性が強固であるため、間隙部Vに水等が浸入することを良好に防止でき、また、導電膜11に比べ比較的厚みをもつものであることから、結果、間隙部Vの封着を従来に比べ長期的に維持することができる。
【0024】
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉 前記導電膜11は、先の実施形態で説明したように一対の板ガラス1(1A,1B)のうちの一方の板ガラス1Aに限らず、例えば、図4に例示するように、他方の板ガラス1Bの板面に備えさせてあってもよく、間隙部V側の板面に導電膜11を備えさせてあれば、同様に金属はんだ10からアース用導電材12を介して電磁波がシールドされ、その効果がより向上される。
【0025】
〈2〉 そして、例えば、図4に例示するように、アース用導電材12として、導電性ゴム等からなる導電性カバー部材16を設け、導電性カバー部材16を、前記金属はんだ10の外面に接着させるなどして、金属はんだ10の外周側を被覆すると共にその金属はんだ10との導通を確保するようにしてあってもよい。この場合には、金属はんだ10が外部に露出することなく、導電性カバー部材16で保護されているので、金属はんだ10の腐食がより確実に防止され、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス1(1A,1B)間の間隙部Vの封着をより確実に長期的に維持できる。
ガラス端面に存在する金属はんだ10は、微視的に見れば必ずしも平坦ではないので、これと電気的接触を十分得るためのアース用導電材は、ゴム状の柔らかいものが適当である。例えば、シリコンゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム等に金属、カーボン微粒子を適当量混合し、導電率1〜104(Ωcm)−1の範囲にあるものが望ましい。
【0026】
〈3〉 また、図5に例示するように、金属はんだ10の外面を被覆する保護膜17を設け(図では金属はんだ10の外面のみならず、板ガラス1(1A,1B)の端面も被覆するものを例示)、前記アース用リード線材13の他端側をその保護膜17より外部に取り出してあってもよい。この場合、金属はんだ10が外部に露出することなく、保護膜17で保護されているので、金属はんだ10の腐食がより確実に防止され、電磁波シールド効果を保持しながら、一対の板ガラス1(1A,1B)間の間隙部Vの封着をより確実に長期的に維持できる。
【0027】
〈4〉 導電膜11は、その周縁が金属はんだ10により覆われていればよく、金属はんだ10が図1,4,5に例示するように板ガラス1(1A,1B)の端面にも接着するものであるときには、導電膜11は、金属はんだ10により覆われる範囲内であれば、その周縁11aが、前記板ガラス1Aの板面の外周縁や端面に位置するように形成してあってもよい。
【0028】
〈5〉 また、金属はんだ10は、間隙部Vの外周部間を封着でき且つ導電性を有するものであればよく、先の実施形態で説明したものに限らず、例えば、錫・ビスマス・鉛・亜鉛・インジウム・アンチモン等の何れか一種、又は、二種以上を主成分とするもの、更には、銀・アルミニウム・銅等の何れか一種、又は、二種以上を添加してあるものでもよい。具体例として、Pb−Sn系ハンダ、無鉛ハンダ(例えば、Sn−Zn系、Sn−Bi系、Sn−Ag系、In系)等がある。また、各主成分の合金に、接着性を向上させる目的で、第三元素を添加しても良い。添加元素としてはSi、Al、Mg、Bi、Ti、V、Cr、Ni、Au、Fe、Co、Sb、B、Be等種々の金属元素が考えられる。尚、金属はんだ10は、先の実施形態で例示した間隙部Vの外周部間の全周を封着するものに限らず、間隙部Vの外周部間の一部分を封着するもので、その他の部分を他の封着材料により封着してあってもよい。
【0029】
〈6〉 本発明に係る電磁波シールドガラスパネルは、多種にわたる用途に使用することが可能で、例えば、建築用・乗物用(自動車の窓ガラス、鉄道車両の窓ガラス、船舶の窓ガラス)、プラズマディスプレーなどの機器要素、及び、冷蔵庫や保温装置などのような各種装置の扉や壁部等に用いることが可能である。
また、間隙部Vを、先の実施形態で説明したように0.13Pa(1.0×10−3Torr)以下を呈する状態に構成するものに限らず、減圧度そのものは任意に設定することが可能である。更には、大気圧と等圧の環境とすることも可能である。
〈7〉 板ガラス1(1A,1B)は、先の実施形態で説明した厚み2.65mm〜3.2mmのものに限らず、他の厚みの板ガラスであってもよい。また、一方の板ガラスと他方の板ガラスとの厚みや寸法が異なるものを組み合わせて一対の板ガラス1(1A,1B)を構成してあってもよい。
また、この板ガラス1(1A,1B)を構成するガラスの種別は任意に選定することが可能であり、例えば型板ガラス、すりガラス(表面処理により光を拡散させる機能を付与したガラス)、網入りガラス、又は、強化ガラスや、熱線吸収・紫外線吸収・熱線反射等の機能を付与した板ガラスや、それらとの組み合わせであってもよい。尚、ガラスの組成については、ソーダ珪酸ガラス(ソーダ石灰シリカガラス)や、ホウ珪酸ガラスや、アルミノ珪酸ガラスや、各種結晶化ガラスであってもよい。
〈8〉 尚、スペーサ2は、先の実施形態で説明したインコネル718に限らず、例えば、ステンレス鋼や、それ以外にも、他の金属・石英ガラス・セラミックス、ガラス・低融点ガラス等で形成してあってもよく、また、間隙部Vを減圧状態に保持しないのであれば、例えば、中空部分に乾燥剤が封入されたアルミ製スペーサ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの一例を示す断面図
【図2】金属はんだの充填状況を説明する断面図
【図3】金属はんだの充填状況を説明する一部切り欠き平面図
【図4】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの別例を示す断面図
【図5】本発明に係る電磁波シールドガラスパネルの別例を示す断面図
【図6】従来の電磁波シールドガラスパネルを示す断面図
【符号の説明】
P 電磁波シールドガラスパネル
V 間隙部
1(1A,1B) 板ガラス
2 スペーサ
10 金属はんだ
11 導電膜
11a 導電膜の周縁
12 アース用導電材
Claims (2)
- 一対の板ガラスのうち少なくとも一方の板ガラスの板面に導電膜を備えさせ、その一対の板ガラスを、その厚み方向に間隙部が形成されるように間隔を隔てて、前記導電膜を備える板面が前記間隙部側に臨むように並設し、前記間隙部の外周部間を封着材料で封着し、前記導電膜と導通するアース用導電材を設けてある電磁波シールドガラスパネルであって、
前記封着材料が金属はんだであり、
前記板ガラスの板面に前記導電膜を備えさせるに、その導電膜の周縁が前記金属はんだにより覆われるように形成し、
前記アース用導電材を前記金属はんだに取り付けてある電磁波シールドガラスパネル。 - 前記間隙部を減圧状態に保持してある請求項1記載の電磁波シールドガラスパネル。
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