JP2014138058A - 電磁波遮蔽材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電磁波遮蔽材の視認性を向上すること。
【解決手段】 誘電体層101と、前記誘電体層の一面に配置された第一の導体板102と、前記誘電体層の他面に前記第一の導体板に対向して配置された第二の導体板103とを備えた電磁波遮蔽材であって、前記第一及び第二の導体板は、前記第一の導体板が配置された前記誘電体層の一面の任意の基準点601を中心に3回以上の回転対称性を持つように、周期的、且つそれぞれ独立して配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽材に関するものである。
内部加熱、高速加熱、選択加熱、及び、高効率等の特徴を持ったマイクロ波加熱技術が工業分野にも応用されている。一般に、マイクロ波加熱炉の炉壁には、電磁波の漏洩を防止するため金属が使用され、被加熱物の状態変化を目視で確認出来ない。一方、同じマイクロ波加熱応用技術である電子レンジの扉には、使用者が外部から食材の様子を確認できるように、窓部が設けられている。図10に従来技術の電磁波遮蔽材を示す。この窓部は、薄板状金属301に多数の小孔401を開けたパンチングメタル501をガラス板(図示せず)で覆う構造で、電磁波の漏洩を防止し、且つ小孔を通して食材の様子を目視で確認できる。
パンチングメタル501の小孔401からの電磁波のエネルギー透過率は、式(1)で表される。
Figure 2014138058
なお、r:透過率、a:各小孔401の直径、λ:電磁波の波長(ただし、a<<λ)
例えば、電子レンジに用いられる電磁波(2.45GHz)の真空中での波長約120mmに対し、小孔401の直径を30mmとすると、電磁波の透過率rは、r=0.089となり、約91%の電磁波が遮蔽され、約9%の電磁波が透過する。
電子レンジの透過電磁波に関する規格は、1mW/cm以下と定められている。電子レンジの窓部の大きさを、30cm×15cm=450cm程度とすると、許容される漏洩電磁波の電力は、1mW/cm×450cm=450mW以下となる。業務用電子レンジの出力を1800Wとすると、透過率は0.45W/1800W×100=0.025%となり、99.975%以上の遮蔽率が必要である。この遮蔽率を満足するために、式(1)から小孔401の直径を計算すると、6.8mm以下でなければならないことが分かる。
小孔401の直径は、可視光の波長(おおよそ360〜830nm)に比べて十分に大きいため、可視光は遮蔽されない。これにより、被加熱物の視認性を確保しながら、電磁波の漏洩を防止している(例えば、特許文献1参照)。
実際には、良好な視認性を確保するために、例えば1mm等のより直径の小さな小孔401が多数用いられている。
特開平5−146830号公報
しかしながら、前述の構成では、以下のような欠点があった。例えばパンチングメタル501の小孔401の直径を1mmとし、3つの孔の中心を結ぶと正三角形となるように打ち抜き加工すると仮定する。すると、強度を確保するため、開口率はおおよそ50%程度となる。開口率50%程度では、庫内をぼんやりと確認できる程度であり、被加熱物の細部を観察するには十分とは言えない。開口率を上げるために、孔の直径をより小さくして孔数を増やすことも可能であるが、効果は数%程度である。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分に高い開口率を確保することができる電磁波遮蔽材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる電磁波遮蔽材は、第一の誘電体層と、
前記第一の誘電体層の一面に配置された複数個の第一の導体部材と、
前記第一の誘電体層の他面に前記第一の導体部材に対向して配置された複数個の第二の導体部材とを備え、
前記第一及び第二の導体部材は、前記第一の導体部材が配置された前記第一の誘電体層の前記一面の任意の基準点を中心に3回以上の回転対称性を持つように、それぞれ、周期的に、且つそれぞれ、隣接する導体部材同士の間に隙間を形成するように独立して配置する。
また、本発明の電磁波遮蔽材は、前記第一及び第二の導体板は、同一形状でかつ同一大きさで、前記第一の誘電体層の前記一面と前記他面との同一位置に配置することもできる。
また、本発明の電磁波遮蔽材は、前記第一の誘電体層を、第二の誘電体層と密閉部材とで囲まれかつ気体が満たされた空間又は真空が維持された空間で構成することもできる。
本発明の前記態様によれば、従来より大きな開口を持つため従来より高い開口率を確保でき、被加熱物の視認性の大幅な向上に寄与する。さらに、本発明の前記態様において、前記第一の誘電体層を、第二の誘電体層と密閉部材とで囲まれかつ気体が満たされた空間又は真空が維持された空間で構成すれば、電磁波の漏洩だけでなく、熱伝導を低減できる。また、本発明の前記態様によれば、第一の導体板及び第二の導体板の大きさによって減衰極の周波数が決定されるため、マイクロ波、ミリ波、又は、赤外線等への適用も可能である。
本発明の第1実施形態における電磁波遮蔽材の断面図 本発明の第1実施形態における電磁波遮蔽材の上面図 本発明の第1実施形態における電磁波遮蔽材の通過特性を示す図 本発明の第1実施形態に対する比較例における電磁波遮蔽材の上面図 本発明の第1実施形態における電磁波遮蔽材の通過特性を示す図 本発明の第1実施形態における電磁波遮蔽材の偏波依存性を示す図 本発明の第1実施形態における偏波依存性を説明する図 本発明の第1実施形態における大きさを説明する図 本発明の第1実施形態の変形例における電磁波遮蔽材の断面図 特許文献1に記載された従来技術の電磁波遮蔽材を示す図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電磁波遮蔽材の部分断面図を示している。図2は、第1実施形態の電磁波遮蔽材10の上面図を示している。電磁波遮蔽材10は、一例として、電子レンジの扉に使用する場合を想定して説明するが、これに限られるものではない。
この電磁波遮蔽材10は、誘電体層201の互いに平行な平面である両面に、それぞれ同一の四角形枠形状の第一の導体板101及び第二の導体板102を対向して配置し、さらに、複数個の第一の導体板101と複数個の第二の導体板102とを誘電体層201の面内にそれぞれ互いに独立して(それぞれ隣接する導体板同士の間に隙間100を形成した状態で)周期的に配置する構造である。言い換えれば、多数の第一の導体板101又は多数の第二の導体板102を互いに所定の間隔をあけた状態で、所定のパターンになるように誘電体層201の各面に固定するように配置した構造である。ここで、第一の導体板101は第一の導体部材の一例であり、第二の導体板102は第二の導体部材の一例である。よって、各導体部材としては、板形状の導体板(又は枠形状の導体板)で構成することができる。誘電体層201は、視認性が要求される場合には、透明又は透光性を有するようにする。独立して周期的に配置する構造の一例として、各第一の導体板101は、すべて同一形状(一例として正方形枠形状)で同一の大きさであり、縦3行でかつ横3列の3×3のマトリックス形状に等間隔で誘電体層201の一面に固定されている。隣接する複数の第一の導体板101同士の間には、所定間隔(例えば等間隔)の隙間100が形成されている。各第二の導体板102も、第一の導体板103と同一形状でかつ同一の大きさであり、第一の導体板101と同一の位置にそれぞれ同様に固定されている。隣接する複数の第二の導体板102同士の間にも所定間隔(例えば等間隔)の隙間100が形成されている。各第一の導体板101と各第二の導体板102とには、それぞれ、正方形形状の孔101a,102bが貫通して形成されている。よって、この貫通孔101a,102b及び透明な誘電体層201を通して、電磁波遮蔽材10で覆われた部材の内部(例えば、電子レンジの場合には、庫内の状態)を見ることができる。
電磁波は、図1の電磁波の入射方向902の向きに電磁波遮蔽材10に入射し、偏波の向きは図2の方向901とする。第一の導体板101は、入射した電磁波により励起された電流により、隣り合う第一の導体板101と、対向する第二の導体板102とそれぞれ電磁的に結合し、特定の周波数の電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽材10を構成する。
例えば、誘電体層201として厚さ2.5mmで比誘電率が7のガラスと、線幅0.1mmで外形15mmの正方形枠形状の第一の導体板101と第二の導体板102とをそれぞれ用いる場合の電磁波の通過特性を図3に示す。図3によれば、2.5GHz付近を中心に、帯域幅約300MHzで減衰量36dB以上(透過量1/4000以下)を確保していることが分かる。減衰量36dBは、電磁波の遮蔽率99.975%と等価であり、電子レンジの窓部の電磁波遮蔽材に求められる遮蔽率を満足していることが分かる。
通過特性で減少から増加に転じる点を、「減衰極」と呼ぶ。図3の通過特性では、2.4GHz付近と、2.55GHz付近とに2つの減衰極AP1,AP2がある。減衰極AP1,AP2は、第一の導体板101と第二の導体板102とに電磁波が入射しかつ第一の導体板101と第二の導体板102とに電流が流れることにより、隣り合う第一の導体板101と誘電体層201とを介して対向する第二の導体板102とが電磁的に結合することで発生する。
このように、誘電体層201を介して第一の導体板101と第二の導体板102とを周期的に隣り合わせて配置すること、及び、誘電体層201を介して2つの導体板101と102とを対向させて配置することにより、2つの減衰極が発生し、広い帯域幅を実現している。
また、本構成の電磁波遮蔽材10の開口率は95%以上となり、良好な視認性を実現している。
さらに、図2において、方向901との角度をθとし、角度θを0度、30度、45度と変化させた場合にも、通過特性が一致していることが分かる。このように、図1及び図2に示す構造の電磁波遮蔽材10は、電磁波の偏波の向きを問わずに反応し、電磁波を遮蔽できる。
また、本構成の電磁波遮蔽材10の各導体板101,102は、一例として、各正方形枠形状の外形が15mmで、従来技術のパンチングメタルの直径6.8mm以下に比べて大きいため、製造が容易である。
次に、比較例として、導体板303の形状が縦長の長方形の短冊状である電磁波遮蔽材310の場合について、図4を用いて説明する。この電磁波遮蔽材310は、透明な誘電体層302の両面に、同一短冊形状の第一の導体板303、及び第二の導体板(図示せず)を対向して配置し、さらに第一の導体板303と第二の導体板とを誘電体層302の面内に周期的に独立して配置する構造である。周期的に独立して配置する構造として、図4では、第一の導体板303は、すべて同一形状(一例として縦長の長方形形状)で同一の大きさであり、縦3行でかつ横4列の3×4のマトリックス形状に等間隔で誘電体層302の一面に配置されている。図示しない第二の導体板も、第一の導体板303と同一形状でかつ同一の大きさであり、第一の導体板303と同一の位置にそれぞれ同様に配置されている。
より具体的な例としては、以下のような仕様である。短冊状の第一の導体板303と第二の導体板とのそれぞれの長辺方向の長さを25mmとし、それぞれの短辺方向の長さを5mmとし、短辺方向に隣り合う第一の導体板303と第一の導体板303と(第二の導体板と第二の導体板と)の距離を21mmとし、長辺方向に隣り合う第一の導体板303と第一の導体板303と(第二の導体板と第二の導体板と)の距離を1mmとする。また、誘電体層302は、図1及び図2と同様に比誘電率7のガラスで、厚さは2.5mmである。電磁波の偏波の向きは図4の方向304とする。この電磁波遮蔽材310の通過特性を図5に示す。方向304との角度θ=0の偏波の場合には、第1実施形態の正方形枠型の第一及び第二の導体板101,102の場合と同様に、2.4GHzと2.6GHzとの2つの減衰極AP3,AP4が発生している。しかししながら、通過特性は、偏波により変化し、角度θが90度に近付くにつれて、減衰極の急峻性が鈍り、減衰量が減少する。偏波が固定された環境で使用するのであれば、これでも良いが、マイクロ波加熱炉の炉壁又は電子レンジの筐体によって電磁波は反射され、また、被加熱物の形状等の影響により、偏波の向きは予測不可能である。このため、この比較例の電磁波遮蔽材310では、電磁波の偏波の向きにより遮蔽できない場合がある。
これに対して、第1実施形態にかかる電磁波遮蔽材10は、電磁波の偏波の向きを問わず電磁波を遮蔽できる必要がある。そのための条件として、導体板101,102の配置に着目して、以下に説明する。
図6は、様々な第一の導体板101と第二の導体板102とのそれぞれの形状と、偏波依存性の有無とを示している。また、これらの導体板101,102の配置は、回転対称の中心601を中心として、回転対称性を持つ。図6によると、第一の導体板101が配置された誘電体層102の面内の任意の基準点を中心として、1回回転対称性(360度/1回=360度だけ回転したときに回転対称性)を持つ場合又は2回回転対称性(360度/2回=180度毎に回転したときに回転対称性)を持つ場合は、偏波依存性が見られる。これに対して、任意の基準点を中心として、3回以上の回転対称性(360度/3回=120度毎に回転、又は、それ以下の角度(360度/n回)[ただし、nは4以上の整数。]度毎に回転したときに回転対称性)を持つ場合は、偏波依存性が見られない。つまり、導体板101,102のそれぞれの配置として、3回以上の回転対称性を持つことが、電磁波の偏波の向きを問わず、電磁波を遮蔽できる条件である。なお、任意の基準点は、第一の導体板101上又は誘電体層102上であることを問わない。また、回転対称の中心601は任意の基準点の一例であり、全ての回転対称の中心を示しているものではない。
なお、図6において、偏波依存無しの第1実施形態又はその変形例として使用可能なものは、具体的には、以下の構造である。最上段の左から数えて2番目から6番目までの導体板は、それぞれ、すべて枠形状(四角枠、六角枠、平行四辺形枠、三角枠、円形枠)で構成される配置構造である。2段目の左から数えて1番目と4番目の導体板も、すべて枠形状の三角形で構成される配置構造である。最下段の左から数えて1番目から4番目までの導体板は、すべて平板形状のY字形状又は長方形状又は十字形状で構成される配置構造である。なお、導体板が平板形状の場合は、導体板と導体板との隙間100で開口を確保して、視認性を確保するようにしている。
図7を用いて、3回以上の回転対称性を持つ場合が、偏波の向きを問わず、電磁波を遮蔽する原理を説明する。図7に示す場合は、4回の回転対称性(360度/4回=90度毎に回転したときに回転対称性)を持ち、回転対称の中心601を中心として、90度回転毎に図形が重なる。この図7において、方向901と同じ向きの偏波を持つ電磁波が電磁波遮蔽材10に入射された場合は、電磁波の電界に反応して、主に、第一の導体板101の方向901と同じ向きの成分に電流が流れ、誘電体層201を介して隣り合う第一の導体板101と対向する第二の導体板102とが電磁的に結合し、減衰極を形成する。また、方向901と直交する偏波を持つ電磁波が電磁波遮蔽材10に入射された場合には、電磁波の電界に反応して、主に、第一の導体板101の方向901と直交する成分に電流が流れ、誘電体層201を介して隣り合う第一の導体板101と対向する第二の導体板102とが電磁的に結合し、減衰極を形成する。第一の導体板101の方向901と同じ向きの成分から見て隣り合う第一の導体板101及び誘電体層201の裏面に対向する第二の導体板102の配置と、第一の導体板101の方向901と直交する成分から見て隣り合う第一の導体板101及び誘電体層201の裏面に対向する第二の導体板102の配置とは全く同じである。このため、回転対称の中心601を中心に、90度回転させると、電流の流れ方は全く同じになり、それぞれ同じ周波数に減衰極が発生し、通過特性は一致する。
また、方向901との角度θが0°<θ<90°となる向きの偏波を持つ電磁波が入射された場合には、入射された電磁波は、方向901と同じ向きの成分と、方向901と直交する成分とに分解される。そして、電磁波の電界に反応して、それぞれ、第一の導体板101の方向901と同じ向きの成分及び方向901と直交する成分に電流が流れ、隣り合う第一の導体板101と対向する第二の導体板102とが電磁的に結合し、減衰極を形成する。第一の導体板101の方向901と同じ向きの成分から見て隣り合う第一の導体板101及び誘電体層201の裏面に対向する第二の導体板102の配置と、第一の導体板101の方向901と直交する成分から見て隣り合う第一の導体板101及び誘電体層201の裏面に対向する第二の導体板102の配置とは、図7と同様全く同じである。このため、90度回転させると、電流の流れ方は全く同じになり、それぞれ同じ周波数に減衰極が発生し、通過特性は一致する。つまり、方向901と同じ向きと、方向901と直交する向きと、方向901との角度θが0°<θ<90°となる向きとの偏波を持つ電磁波に対する通過特性は、全て一致する。
これらの特徴は、誘電体層201と、前記誘電体層201の一面に配置された第一の導体板101と、前記誘電体層201の他面に前記第一の導体板101に対向して配置された前記第一の導体板101と同一形状の第二の導体板102とを備えた電磁波遮蔽材10であって、前記第一及び第二の導体板101,102は、前記第一の導体板101が配置された前記誘電体層201の一面の任意の基準点601を中心に3回以上の回転対称性を持つように、周期的に、且つ、それぞれ、隣接する導体部材同士の間に隙間100を形成するように独立して配置したことを特徴とする電磁波遮蔽材10に共通である。このような、本発明の第1実施形態の電磁波遮蔽材10は、電磁波の偏波の向きを問わず、電磁波を遮蔽することができる。
図8を用いて、第一の導体板101と第二の導体板102との大きさについて説明する。図8では、誘電体層201を省略して図示している。減衰極の周波数は式(2)で表され、式(2)中のキャパシタンス成分C及びインダクタンス成分Lは、第一の導体板101と第二の導体板102との大きさによって決まる。導体板の大きさとC、Lとの関係から、第一の導体板101と第二の導体板102との方向901と同じ向きの寸法、及び、方向901と直交する向きの寸法は、減衰極の周波数の波長の約1/2となる。しかし、本発明の第1実施形態の電磁波遮蔽材10のように、周辺に隣り合う第一の導体板101と対向する第二の導体板102とがある場合、図8に示すように、周辺の導体板との間に寄生するインダクタンス701又はキャパシタンス801の影響を受けて、周波数は、式(2)で求まる周波数よりも低域側へシフトする。そのため、第一の導体板101と第二の導体板102との方向901と同じ向きの寸法、及び、方向901と直交する向きの寸法を、減衰極の周波数の波長の1/2よりも小さくし、減衰極の周波数を高域側へシフトさせ、所望の周波数に合わせる。
Figure 2014138058
なお、f:共振周波数、L:インダクタンス、C:キャパシタンスである。
ここで、電磁波の波長について説明する。電磁波の波長は真空中では光速/周波数で表され、例えば2.45GHzでは、30万km/2.45GHz=約120mmとなる。が、誘電体層上に形成された線路における波長は、その比誘電率から求まる実効誘電率により波長が短縮される。この現象は波長短縮効果と呼ばれ、式(3)のように表される。
Figure 2014138058
なお、λ:誘電体層により短縮された波長、λ:真空中における波長、εrel:実効誘電率である。
真空中における2.45GHzの波長の1/2の長さは約60mmとなるが、図1及び図2の構成の場合、周辺の導体板の影響又は波長短縮効果の影響を受けた結果、方向901と同じ向きの寸法、及び、方向901と直交する向きの寸法は、いずれも15mmとなる。また、図4の構成の場合も同様に、周辺の導体の影響又は波長短縮効果の影響を受けた結果、方向901と同じ向きの寸法は25mmとなる。なお、図4の構成の場合には、方向901と直交する向きの偏波には反応しないため、方向901と直交する向きの寸法は波長の1/2とはならない。
次に、本発明の第1実施形態にかかる電磁波遮蔽材10の設計方法について説明する。
一般に、このような導体パターンによる電磁波遮蔽材10は、要求性能を満足するかどうかを確認するために、有限要素法、モーメント法、又は、FDTD法等による電磁界シミュレータを利用する。
まず、3回以上の回転対称性を持つ第一の導体板101と第二の導体板102との形状を決定する。次いで、式(3)より、誘電体層201の比誘電率による波長短縮効果を考慮して、方向901と同じ向きの寸法、及び、方向901と直交する向きの寸法が、波長の約1/2となるように決定する。
決定されたモデルを電磁界シミュレータにより解析し、減衰極の周波数が高すぎる場合には第一の導体板101と第二の導体板102とをそれぞれ大きく、減衰極の周波数が低すぎる場合には第一の導体板101と第二の導体板201とをそれぞれ小さくすることで、所望の周波数に減衰極が発生するように調整する。
以上のように、本発明の第1実施形態の電磁波遮蔽材10によれば、それぞれ複数個の第一及び第二の導体板101,102は、第一の導体板101が配置された第一の誘電体層201の一面の任意の基準点601を中心に3回以上の回転対称性を持つように、それぞれ、周期的、且つ、それぞれの導体板同士が独立して(それぞれ互いに隙間100を形成した状態で)、配置するようにしている。このため、電磁波の偏波の向きを問わず電磁波を遮蔽できる。また、第一及び第二の導体板101,102として、四角形貫通孔付の四角形枠型又は円形貫通孔付のドーナツ型、又は、十文字打ち抜き形状等の形状が可能なため、開口率50%程度の従来技術と比べ、貫通孔101a,102aと隙間100とにより従来を超える開口率、例えば、90%以上等の開口率を確保することが可能となり、被加熱物の状態変化が目視で容易に確認できる。また、第一及び第二の導体板101,102は、それぞれ、複数個の導体板同士を接続しておく必要がなく、互いに独立して(それぞれ隣接する導体板同士の間に隙間100を形成した状態で)第一の誘電体層201に個別に配置するため、複数個の導体板同士を接続するための部材が不要となり、従来よりも導体板の面積を大幅に減少させることができる。
前記第1実施形態によれば、それぞれ複数個の第一及び第二の導体板101,102は、第一の導体板101が配置された第一の誘電体層201の一面の任意の基準点601を中心に3回以上の回転対称性を持つように、それぞれ、周期的に、且つそれぞれ隣接する導体部材同士の間に隙間100を形成するように独立して配置するとともに、貫通孔101a,102aと隙間100とにより従来の開口率を超える開口率が確保できるように第一の誘電体層201にそれぞれ配置するようにしている。このため、従来より大きな開口を持つことができ、従来より高い開口率を確保でき、被加熱物の視認性の大幅な向上に寄与する。
(変形例)
第1実施形態の変形例として、図9を用いて電磁波だけでなく、熱伝導を低減した電磁波遮蔽材12について説明する。本電磁波遮蔽材12は、誘電体層202を気体又は真空とする誘電体空間202とし、誘電体層202を2枚の第二の誘電体層203で挟んでその空間を密閉した構造とする。また、2枚の第二の誘電体層203の向かい合う面に、第一の導体板101と第二の導体板102とをそれぞれ配置する。より具体的には、2枚の第二の誘電体層203と、2枚の第二の誘電体層203の全周囲を密閉する密閉部材205とで、誘電体空間202を密閉し、誘電体空間202を、気体で満たされた空間又は真空に維持された空間とする。この場合にも、気体あるいは真空の比誘電率を用いて、導体板101、102の形状及び寸法は設計可能であり、その動作原理及び偏波依存性は前述の通りである。
また、2枚の第二の誘電体層203の間の誘電体空間202に熱伝導率の低い気体を封入すること、あるいは、真空を維持することで、熱伝導を抑えることができ、マイクロ波加熱炉内、又は、電子レンジ庫内の熱が外部に伝わらず、効率的に加熱ができるとともに、内部を確認するために顔を近づけた際にも、窓部が高温にならず安全である。
また、前記実施形態では、第一の導体板103又は第二の導体板102は、互いに同一形状でかつ同一の大きさで構成しているが、これに限られるものではなく、異なる形状又は異なる大きさで構成することもできる。ただし、例えば、設計及び製造を簡素化する観点からは、各導体板は、互いに同一形状でかつ同一の大きさで構成する。
なお、上記様々な実施形態又は変型例のうちの任意の実施形態又は変型例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の電磁波遮蔽材は、視認性を確保しながら電磁波を遮蔽する機能を有し、且つ周波数選択性を有することから、マイクロ波加熱炉の窓部、電子レンジの窓部、無線LANのセキュリティ用途、又は、赤外線を遮蔽することによる断熱の用途にも適用できる。
10、11、12 電磁波遮蔽部材
100 隙間
101、102、303 導体板
101a、102b 貫通孔
201、203 誘電体層
202 密閉空間
205 密閉部材
301 薄板状金属
401 小孔
501 パンチングメタル
601 回転対称の中心
701 インダクタンス
801 キャパシタンス
901 入射電磁波の偏波の向き
902 電磁波の入射方向

Claims (4)

  1. 第一の誘電体層と、
    前記第一の誘電体層の一面に配置された複数個の第一の導体部材と、
    前記第一の誘電体層の他面に前記第一の導体部材に対向して配置された複数個の第二の導体部材とを備え、
    前記第一及び第二の導体部材は、前記第一の導体部材が配置された前記第一の誘電体層の前記一面の任意の基準点を中心に3回以上の回転対称性を持つように、それぞれ、周期的に、且つ、それぞれ、隣接する導体部材同士の間に隙間を形成するように独立して配置する電磁波遮蔽材。
  2. 前記第一及び第二の導体部材は、同一形状でかつ同一大きさで、前記第一の誘電体層の前記一面と前記他面との同一位置に配置されている請求項1に記載の電磁波遮蔽材。
  3. 前記第一の誘電体層を、第二の誘電体層と密閉部材とで囲まれかつ気体が満たされた空間で構成する請求項1又は2に記載の電磁波遮蔽材。
  4. 前記第一の誘電体層を、第二の誘電体層と密閉部材とで囲まれかつ真空が維持された空間で構成する請求項1又は2に記載の電磁波遮蔽材。
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