JP5836875B2 - 周波数選択板 - Google Patents

周波数選択板 Download PDF

Info

Publication number
JP5836875B2
JP5836875B2 JP2012097675A JP2012097675A JP5836875B2 JP 5836875 B2 JP5836875 B2 JP 5836875B2 JP 2012097675 A JP2012097675 A JP 2012097675A JP 2012097675 A JP2012097675 A JP 2012097675A JP 5836875 B2 JP5836875 B2 JP 5836875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
fss
dielectric case
frequency
regularly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012097675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225797A (ja
Inventor
田中 泰
泰 田中
西岡 泰弘
泰弘 西岡
勇人 荻野
勇人 荻野
山本 和男
和男 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012097675A priority Critical patent/JP5836875B2/ja
Publication of JP2013225797A publication Critical patent/JP2013225797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5836875B2 publication Critical patent/JP5836875B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

この発明は、特定の周波数帯の電磁波を反射または透過させる周波数選択板(以下、「FSS」と称する)に関するものである。
FSSは、多周波共用反射鏡アンテナや、各種の通信システムの電波干渉対策などに幅広く応用されている。
一般に、FSSは、任意の形状を持つ素子(単位素子)を規則的に配置することで作られる。この単位素子は大きく分けて、金属板(ワイヤ、パッチ)とスロットの2つに区別される。
最初に、2種類のFSSの違いについて説明する。
金属板の例として、ある1つのダイポールを想定する。
電磁波がダイポールに入射すると、その電磁波の波長がダイポールの2倍程度の大きさであれば、大きな電流がダイポール上に励起されて共振現象が起き、ダイポールから電磁波が再放射される。
このとき、ダイポールを透過した電磁波と再放射された電磁波(散乱波)は、お互い打ち消し合うために反射波のみが残る。
この現象は、共振周波数に近い帯域でしか起きないため、帯域外の周波数の電磁波は影響を受けずに透過する。
このような性質を有するダイポール等の金属板が周期的に配置されたFSSは、特定の周波数帯域の電磁波のみを透過させないバンドストップフィルタとして作用する。
次に、上記のダイポールと同程度の大きさのスロットが空いている金属板を想定する。
電磁波がスロットに入射すると、ダイポールの場合とは逆に共振周波数付近の電磁波が通過する。また、共振周波数に近い帯域から外れた周波数の電磁波は金属板によって反射される。
これは、スロットが特定の帯域のみを通過させるバンドパスフィルタとして作用していると言える。
スロットで構成されているFSSは、バンドパスフィルタの役割を果たしているが、金属板の大きさに対して、小さなスロットが1つだけ空けられていても、大きな効果は得られない。
そこで、多数のスロットを金属板の上に周期的に並べることで、金属板の全体にバンドパスフィルタの性能を持たせたものがスロット型のFSSや、バンドパスFSSである。
一般的に、FSSは、誘電体基板上にスロットが周期的に空いている金属板を配置するか、ワイヤやパッチを周期的に配置することで製作される。
上述のように、単純にパッチやスロットが周期的に配置されたパッシブ型のFSS(反射や透過周波数帯が不変のFSS)の研究開発に始まり、近年では、FSSの応用範囲の拡大や機能の向上を図るために、反射・透過周波数帯を時間的に切り替えることが可能なアクティブFSSの研究開発も盛んになりつつある。
このようなアクティブFSSが以下の特許文献1や非特許文献1,2に開示されている。
特許文献1に開示されているFSSは、2枚のFSSと、2枚のFSSの間に存在する誘電体との位置関係を、機械駆動制御装置を用いて変えることで周波数特性を制御するものである。
即ち、このFSSは、図12に示すように、スロットや金属板等の単位素子102が周期的に配置されている2つのFSS101と、2つのFSS101の間に配置されている誘電体103と、FSS101を機械的に駆動する制御装置104とを備えている。
制御装置104が、FSS101を機械的に駆動することで、FSS101と誘電体103の間に空間を作ると、その空間に新たな空気の層ができる。
このとき、入射された電磁波に対して、空気の作る電磁界は、FSS101の生成する電磁界に影響を与える。また、この空間の一部又は全部に誘電体103とは別の誘電率を有する誘電体を配置すれば、その誘電体の作る電磁界も影響を及ぼすようになる。
これらの電磁界の影響によって、単位素子102の電気長が変わるため、反射・透過周波数が変化する。これが機械駆動制御を用いたアクティブFSSの仕組みである。
非特許文献1に開示されているFSSは、PIN Diodeを使用したアクティブFSSである。
即ち、このFSSは、図13に示すように、誘電体基板105の上に、バイアス回路107及びダイオード108が接続されている単位素子106a,106bが周期的に敷き詰められていることを特徴としている。
印加電圧の有無によってダイオード108のON/OFFを調整することで、単位素子106a,106bの導通を制御することができる。
単位素子106a,106bは導通すると、1つの単位素子として動作して、共振周波数が変わるため、FSSの反射・透過周波数が変化する。
非特許文献2に開示されているFSSでは、基板にフェライト(強磁性体)を利用している。
基板に磁力を掛けて透磁率が変わると、入射された電磁波によって基板にできる電磁界も変化する。この電磁界が入射された電磁波によって単位素子が作り出す電磁界に影響を与えるために、単位素子の電気長が変わり、反射・透過周波数が変化する。
特開2005−252567号公報(段落番号[0011])
T. K. Chang、R.J.Langley、E. A. Parker"Active frequency-selective surfaces"、1996、IEEE Proc.-Microw. Antennas Propag.、Vol. 143、No. 1 T. K. Chang、R.J.Langley、E. A. Parker"Frequency selective surfaces on biased ferrite substrates"、1994、ELECTRONICS LETTERS、Vol. 30、No. 15
従来の周波数選択板は以上のように構成されているので、特許文献1の場合、構造物の形状が単純であれば、FSSを様々な方向に駆動させることも可能であるが、3次元の構造物の形状は複雑であり、3次元の構造物の表面等に機械駆動のFSSを導入することは非常に困難である。また、ある程度の速度を持って移動する物体の表面を機械的に動かすことは現実的ではなく、移動体の表面等に機械駆動のFSSを導入することは非常に困難である。したがって、FSSを製作できる形状に制限があるなどの課題があった。
また、非特許文献1の場合、個々の単位素子106を制御しようとすると、多くの配線が必要になるために、FSSの構造が非常に複雑になる上、これらの配線に電磁波が入射すると、大きな電流が誘起されて不要散乱を生じるため、FSSが作る電磁界が乱れてしまう課題があった。また、入射された電磁波によって誘起される電流がバイアス回路107の方に流れないようにするためには、アイソレーションを考慮しなければならず、ダイオード108による損失も存在する課題があった。
また、非特許文献2の場合、フェライトによる損失が大きく、FSSの透過係数の平均値が低いため、透過波が大きく減衰してしまう課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、機械的な駆動や複雑な配線構造を用いずに、透過周波数を可変することができる低損失な周波数選択板を得ることを目的とする。
この発明に係る周波数選択板は、一面に複数の穴が規則的に空けられており、ガスが中空部に充填されている誘電体ケースと、誘電体ケースの一面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、誘電体ケースの一面に空けられている複数の穴を包含する位置において、誘電体ケースの内面に貼り付けられている導体板と、導体板と接触しない位置で、誘電体ケースの中空部に設置されている2つの電極とを備え、その電極が電源に接続されているようにしたものである。
この発明によれば、一面に複数の穴が規則的に空けられており、ガスが中空部に充填されている誘電体ケースと、誘電体ケースの一面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、誘電体ケースの一面に空けられている複数の穴を包含する位置において、誘電体ケースの内面に貼り付けられている導体板と、導体板と接触しない位置で、誘電体ケースの中空部に設置されている2つの電極とを備え、その電極が電源に接続されているように構成したので、機械的な駆動や複雑な配線構造を用いずに、透過周波数を可変することができる低損失な周波数選択板が得られる効果がある。
この発明の実施の形態1による周波数選択板を示す三面図である。 反射率(|R|)、透過率(|T|)、損失(Loss)及び複素比誘電率εrの検証結果を示す説明図である。 反射率(|R|)、透過率(|T|)、損失(Loss)及び複素比誘電率εrの検証結果を示す説明図である。 電磁波がFSSに入射される様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるFSSの金属板4及び中空誘電体1のスロット数をそれぞれ8個にして、制御電圧を電極6に印加したとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による周波数選択板を示す三面図である。 この発明の実施の形態2によるFSSの金属板4及び中空誘電体1のスロット数をそれぞれ8個にして、制御電圧を導体壁8に印加したとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による周波数選択板を示す三面図である。 この発明の実施の形態3による周波数選択板の要部を示す斜視図である。 制御電圧が上下の金属板4に印加されたとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態4による周波数選択板を示す構成図である。 特許文献1に開示されているFSSを示す斜視図である。 非特許文献1に開示されているFSSを示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による周波数選択板を示す三面図である。
図1において、中空誘電体板1は上面(一面)に複数のスロット2(穴)が規則的に空けられており、ガスが中空部3に充填されている誘電体ケースである。
金属板4は中空誘電体板1の上面に空けられているスロット2より大きなスロット5(穴)が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数のスロット5が、中空誘電体板1の上面に空けられている複数のスロット2を包含する位置において、中空誘電体板1の内面に貼り付けられている導体板である。
スロット5の形状はどのような形でもよい。中空誘電体板1及び金属板4を法線方向から見た際に、スロット5の内側にスロット2が複数個包含されていてよい。
また、中空誘電体板1に使用する素材は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリスチレン、変形ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレンなど、低誘電損失かつ低誘電率の誘電体であれば、どのようなものでもよい。
中空誘電体板1の中空部3にはガスが充填されているが、このガスはプラズマ状態になりやすい分子(例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xeなど)の希ガスや空気である。
また、ガスの種類は1種類に限らず、複数種の混合ガスであってもよい。
2枚の電極6は金属板4と接触しない位置で、中空誘電体板1の中空部3に設置されており、金属線7を通じて、制御電圧を印加する外部電源と接続されている。
図1の例では、電極6が中空誘電体板1の内壁面に配置されているが、金属板4と接触していなければ、中空誘電体板1のどの内壁面に配置されていてもよい。
外部電源が制御電圧を電極6に印加することで、中空部3に充填されている希ガスの分子運動を励起して、プラズマを発生させることができる。印加する電圧によって内部のプラズマ密度が変化する。
中空部3の中に発生するプラズマの密度は、透過を制御したい周波数帯に応じて変化させるようにする。プラズマ状態の物質の周波数特性は、プラズマ周波数前後で大きく変化する。
例えば、対象となる入射波の周波数がプラズマ周波数以下であるならば、後述するように、その電磁波に対してプラズマは、金属的な性質を持つ物質として振舞うようになる。
発生するプラズマが低温・非磁化・衝突性の物である場合、その複素比誘電率及びプラズマ角周波数は、下記の非特許文献3に開示されているDrude分散の式によって表される。
Figure 0005836875

Figure 0005836875
式(1)(2)において、εは複素比誘電率、ωp(=2πf)はプラズマ角周波数である。また、ω(=2πf)は、FSSに入射する電磁波の角周波数、νは衝突周波数、nは電子密度、mは電子質量、eは自由電子の電荷、εは真空の誘電率、jは虚数単位である。
[非特許文献3]
R. J. Vidmar、“On the use of Atmospheric Pressure Plasmas as Electromagnetic Reflections and Absorbers”1990、IEEE Trans. Plasma Sci.、Vol. 18、No. 4
プラズマの計算例として、式(1)(2)によって、低温・非磁化・衝突性のプラズマの複素誘電率を計算し、この複素誘電率を持つ厚さ15mmの平板に対して、垂直に電磁波が入射された際に反射率(|R|)、透過率(|T|)、損失(Loss)がどのような周波数特性になるかを検証している。
図2及び図3は反射率(|R|)、透過率(|T|)、損失(Loss)及び複素比誘電率εrの検証結果を示す説明図である。
例えば、プラズマ周波数fpを10GHz(電子密度neを約1.24×10-18 [m-3])、衝突周波数νを1GHzとする場合、図2に示すように、プラズマ周波数fpよりもやや低い周波数以下では、反射率は−1dB以上となり、透過率は−10dBを下回る。また、損失も−13dBと低いものとなる。
したがって、上記のプラズマ周波数fpと衝突周波数νを仮定すると、プラズマ周波数fpの近傍以下の周波数を持つ入射波に対して、プラズマを金属としてみなすことができる。
また、図3に示すように、衝突周波数νを変えずに、プラズマ周波数fpを40GHz(電子密度neを約1.98×10-19 [m-3])程度に選べば、プラズマを金属として扱える周波数帯域も変わっていることがわかる。
次に図1のFSSの基本的な動作原理について説明する。
図1のFSSは、以下のような原理で、アクティブFSSとして動作する。
まず、プラズマを生成していない場合(外部電源から制御電圧が電極6に印加されていない場合)は、図4に示すように、到来する入射電磁波によって、FSSの上面に配置されている金属板4上に大きな電流が誘起される。
このとき、透過周波数は、金属板4に空けられているスロット5の共振周波数によって決定される。
次に、中空誘電体板1の内壁面に配置されている電極6に対して、外部電源から金属線7を通じて制御電圧を印加することでプラズマを発生させると、プラズマ周波数fp以下の入射波に対してプラズマは金属として振舞うようになる。
したがって、プラズマ周波数fpが所望の透過周波数帯以上となるように、電極6に印加する制御電圧の電圧値を制御すれば、スロット2の大きさによって決定される共振周波数を持つ電磁波を透過させることができるFSSの形成が可能になる。
また、外部から印加する電界が一様であれば、生成されるプラズマの電極に平行な方向の密度分布も一様になると考えられる。
プラズマの密度分布が一様になれば、図2及び図3に示している複素比誘電率εrの分布も一様になる。
複素比誘電率εrが一様に近ければ、プラズマ周波数fp以下の周波数の入射電磁波に対して、プラズマは、一様な密度分布の金属のように振舞うため、動作の制御が容易になる。以上の理由から、外部電源が制御電圧を電極6に印加することで、中空誘電体板1の中空部3にできる電界分布を知る必要がある。
ここで、図5はこの発明の実施の形態1によるFSSの金属板4及び中空誘電体1のスロット数をそれぞれ8個にして、制御電圧を電極6に印加したとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。
シミュレーション結果では、電極6の付近は強度の変動が大きいが、領域Aは比較的均一な電界強度分布になる。
したがって、中空誘電体1に希ガスが充填されたときに領域A内に生成されるプラズマは、その外側に生成されるものと比べて、均一に近い密度分布になると予想される。
このため、領域Aに含まれている部分は、所望の動作を行うFSSになると考えられる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、上面に複数のスロット2が規則的に空けられており、ガスが中空部3に充填されている中空誘電体1と、中空誘電体1の上面に空けられているスロット2より大きなスロット5が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数のスロット5が、中空誘電体1の上面に空けられている複数のスロット2を包含する位置において、中空誘電体1の内面に貼り付けられている金属板4と、金属板4と接触しない位置で、中空誘電体1の内壁面に設置されている2つの電極6とを備え、その電極6が外部電源に接続されているように構成したので、機械的な駆動や複雑な配線構造を用いずに、透過周波数を可変することができる低損失なFSSが得られる効果がある。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による周波数選択板を示す三面図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
導体壁8は金属板4が張り付けられている中空誘電体1の内面と直交する面を囲むように、中空誘電体1の中空部に設置されている。図6の例では、導体壁8が中空誘電体1の内面と直交する内壁面に配置されている。
なお、金属板4と導体壁8は、金属線7を通じて、外部電源と接続されている。
上記実施の形態1では、2枚の電極板6間に電位差を作り出すものを示したが、2枚の電極板6を実装する代わりに導体壁8を実装し、金属板4と導体壁8の間に電位差を作り出すようにしてもよい。
図6のFSSの基本的な動作原理は、図1のFSSの基本的な動作原理と同様であるが、中空誘電体板1の中空部3に生じる電界の分布が、図1のFSSの電界分布と比較して、全体的に一様になるという点で相違している。
ここで、図7はこの発明の実施の形態2によるFSSの金属板4及び中空誘電体1のスロット数をそれぞれ8個にして、制御電圧を導体壁8に印加したとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。
図5のシミュレーション結果と比較して、図7のシミュレーション結果の方が、全体的に電界分布が一様になっていることが確認される。
したがって、図6のFSSは、図1のFSSと比較して、プラズマ周波数fp以下の周波数の電磁波に対して、一様な密度分布を持つ金属として振舞う範囲が広がるため、中空誘電体板1の中で、FSSとして利用可能な部分が増加する。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3による周波数選択板を示す三面図であり、図9はこの発明の実施の形態3による周波数選択板の要部を示す斜視図である。
上記実施の形態1では、中空誘電体1の上側の内面に金属板4が貼り付けられているものを示したが、この実施の形態3では、中空誘電体1の上側の内面に金属板4(第1の導体板)が貼り付けられるほか、中空誘電体1の下側の内面にも金属板4(第2の導体板)が貼り付けられている。
ただし、中空誘電体1の下面には、複数のスロットが規則的に空けられており、第2の導体板である金属板4にも、複数のスロット(中空誘電体1の下面に空けられているスロットより大きなスロット)が規則的に空けられており、金属板4における複数のスロットが、中空誘電体1の下面に空けられている複数のスロット2を包含する位置において、中空誘電体1の内面に貼り付けられている。
また、この実施の形態3では、2枚の電極板6が実装されておらず、上下の金属板4が金属線7を通じて、外部電源と接続されている。
次に図8のFSSの基本的な動作原理について説明する。
まず、外部電源から制御電圧が金属板4に印加されていない場合、FSSは上下の金属板4による2層の周波数選択板として動作する。
したがって、この2層のスロット5の共振周波数によって、FSSの透過周波数帯が決定される。
外部電源から制御電圧が上下の金属板4に印加されて、上下の金属板4の間に電位差が与えられた場合、上記実施の形態1の場合と同様に、プラズマ周波数fp以下の周波数の電磁波に対してプラズマは金属とみなせるため、入射される電磁波の周波数によってはスロット2による共振が起こる。
スロット2とスロット5は大きさが異なるため、プラズマ生成状態のFSSは、プラズマが生成されていない金属板4のみのFSSとは異なる透過周波数を持つFSSとして動作する。
ここで、図10は制御電圧が上下の金属板4に印加されたとき、中空誘電体板1の中空部3にできる電界強度分布のシミュレーション結果を示す説明図である。
この実施の形態3では、金属板4が中空部3のほぼ全面を上下から覆うような構造であるため、上記実施の形態1,2と比較して、中空部3に発生する電界分布の均一性が上がる。
この効果により、この実施の形態3では、上記実施の形態1,2と比較して、さらに均一な密度分布を持つプラズマを生成することができる。
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4による周波数選択板を示す構成図である。
図11において、ガス密度調整装置21はガスの密度を調整する装置である。
中空誘電体板1に施されている接続孔22には配管23が接続されており、配管23を通じて、中空誘電体板1の中空部3がガス密度調整装置21と接続されている。
この実施の形態4は、上記実施の形態1〜3のいずれにも適用可能である。
図11のFSSの動作原理を説明する。
中空誘電体板1の中空部3に充填されているガスの密度は、ガス密度調整装置21によって調整される。
中空誘電体板1の中空部3に発生するプラズマの密度分布は、電界分布以外に、ガスの密度分布にも依存する。
したがって、ガス密度調整装置21がガスの密度を調整して、陽光柱と呼ばれる内部のプラズマ密度が一定の領域を広げることで、中空部3に発生するプラズマの密度をさらに均一化することができる。
このような構造とすることにより、上記実施の形態1〜3と比較して、プラズマ周波数fp以下の周波数の電磁波に対して、プラズマをさらに一様な密度分布を持つ金属板とみなすことができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 中空誘電体板(誘電体ケース)、2 スロット(穴)、3 中空部、4 金属板(導体板)、5 スロット(穴)、6 電極、7 金属線、8 導体壁、21 ガス密度調整装置、22 接続孔、23 配管、101 FSS、102 単位素子、103 誘電体、104 制御装置、105 誘電体基板、106a,106b 単位素子、107 バイアス回路、108 ダイオード。

Claims (4)

  1. 一面に複数の穴が規則的に空けられており、ガスが中空部に充填されている誘電体ケースと、
    上記誘電体ケースの一面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、上記誘電体ケースの一面に空けられている複数の穴を包含する位置において、上記誘電体ケースの内面に貼り付けられている導体板と、
    上記導体板と接触しない位置で、上記誘電体ケースの中空部に設置されている2つの電極とを備え、
    上記電極が電源に接続されていることを特徴とする周波数選択板。
  2. 一面に複数の穴が規則的に空けられており、ガスが中空部に充填されている誘電体ケースと、
    上記誘電体ケースの一面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、上記誘電体ケースの一面に空けられている複数の穴を包含する位置において、上記誘電体ケースの内面に貼り付けられている導体板と、
    上記導体板が張り付けられている上記誘電体ケースの内面と直交する面を囲むように、上記誘電体ケースの中空部に設置されている導体壁とを備え、
    上記導体板と上記導体壁が電源に接続されていることを特徴とする周波数選択板。
  3. 二つの面に複数の穴が規則的に空けられており、ガスが中空部に充填されている誘電体ケースと、
    上記誘電体ケースの一方の面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、上記誘電体ケースの一方の面に空けられている複数の穴を包含する位置において、上記誘電体ケースの内面に貼り付けられている第1の導体板と、
    上記誘電体ケースの他方の面に空けられている穴より大きな穴が規則的に空けられており、規則的に空けられている複数の穴が、上記誘電体ケースの他方の面に空けられている複数の穴を包含する位置において、上記誘電体ケースの内面に貼り付けられている第2の導体板とを備え、
    上記第1の導体板と上記第2の導体板が電源に接続されていることを特徴とする周波数選択板。
  4. ガスの密度を調整するガス密度調整装置が配管を通じて誘電体ケースの中空部と接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の周波数選択板。
JP2012097675A 2012-04-23 2012-04-23 周波数選択板 Active JP5836875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097675A JP5836875B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 周波数選択板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097675A JP5836875B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 周波数選択板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225797A JP2013225797A (ja) 2013-10-31
JP5836875B2 true JP5836875B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=49595583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012097675A Active JP5836875B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 周波数選択板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5836875B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6078854B2 (ja) * 2014-02-13 2017-02-15 日本電信電話株式会社 透過波制御基板
JP6249906B2 (ja) * 2014-08-28 2017-12-20 三菱電機株式会社 アレーアンテナ装置
JP6410676B2 (ja) * 2015-06-25 2018-10-24 三菱電機株式会社 アンテナ装置
WO2018146773A1 (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 三菱電機株式会社 周波数選択板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225797A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nauman et al. A miniaturized flexible frequency selective surface for X-band applications
JP4197846B2 (ja) アンテナ装置
KR101378477B1 (ko) 기판 집적형 도파관 안테나
Sahoo et al. Circularly polarised filtering dielectric resonator antenna for X‐band applications
KR20090012161A (ko) 표면 임피던스를 가진 전자 스크린
Varikuntla et al. Ultrathin design and implementation of planar and conformal polarisation rotating frequency selective surface based on SIW technology
Shaik et al. Ultra‐wideband monopole antenna for multiband and wideband frequency notch and narrowband applications
JP5836875B2 (ja) 周波数選択板
CN104064840B (zh) 小型化带阻型频率选择表面
Gong et al. Compact slot antenna for ultra‐wide band applications
Cross et al. Development of large-area switchable plasma device for X-band applications
Alshamaileh et al. Dual band‐notched microstrip‐fed vivaldi antenna utilizing compact EBG structures
Varikuntla et al. Design and development of angularly stable and polarisation rotating FSS radome based on substrate‐integrated waveguide technology
Wang et al. Dual‐band miniaturised FSS with stable resonance frequencies of 3.4/4.9 GHz for 5G communication systems applications
Varikuntla et al. Design of SIW cavity models to control the bandwidth of frequency selective surface
Payandehjoo et al. Isolation enhancement between tightly spaced compact unidirectional patch‐antennas on multilayer EBG surfaces
Qu et al. Design of a graphene-based tunable frequency selective surface and its application for variable radiation pattern of a dipole at terahertz
Fakhte et al. High gain and improved waveguide slot antenna using a metallic superstrate as main radiator
Payne et al. Plasma-enabled adaptive absorber for high-power microwave applications
Ortiz et al. Gain improvement of dual band antenna based on complementary rectangular split-ring resonator
WO2019198702A1 (ja) 電磁波伝搬制御部材、電磁波伝搬制御構造体、電磁波伝搬制御部材付きサッシ、窓構造体及び電子機器
Attia et al. Ridge gap waveguide antenna array with improved mutual isolation for millimeter wave applications
Ismail et al. Reconfigurable CRLH‐inspired antenna based on Hilbert curve EBG structure for modern wireless systems
CA2936482A1 (en) Metamaterial electromagnetic bandgap structures
Nasrollahi et al. Compact, dual polarized, mutliband frequency selective surface with wideband spurious rejection

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5836875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250