JP2004147842A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】ストップボタンとリールの対応関係を変更することにより、遊技者に驚きや意外性を与え、ストップボタンとリールの対応関係の予想による期待感を高め、リールとストップボタンの対応関係を告知することで技術介入性も調整する。
【解決手段】スタートレバー4の操作により回転する3個のリール21a〜21cと、3個のリールに対応して設けられた3個のストップボタン5a〜5cと、各ストップボタンからのストップ信号を入力し、各ストップボタンに対応する各リールを停止させる制御手段10を備えたスロットマシンであって、制御手段10が、内部当たり抽選部11aにおける抽選結果に応じて、各ストップボタンと各リールの対応関係を変更し、対応関係が変更されたストップボタンからのストップ信号により、当該ストップボタンに対応する前記リールと異なる他のリールを停止させる対応関係変更制御を行う構成としてある。
【選択図】 図3
【解決手段】スタートレバー4の操作により回転する3個のリール21a〜21cと、3個のリールに対応して設けられた3個のストップボタン5a〜5cと、各ストップボタンからのストップ信号を入力し、各ストップボタンに対応する各リールを停止させる制御手段10を備えたスロットマシンであって、制御手段10が、内部当たり抽選部11aにおける抽選結果に応じて、各ストップボタンと各リールの対応関係を変更し、対応関係が変更されたストップボタンからのストップ信号により、当該ストップボタンに対応する前記リールと異なる他のリールを停止させる対応関係変更制御を行う構成としてある。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コインやメダル等の遊技媒体を使用し、回転する複数のリール(回胴)を、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が所定の配列となるよう停止させることによって一定量の入賞メダルを獲得するスロットマシン(回胴式遊技機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用メダルを投入してスタートレバーを押下することにより、所定の文字,絵柄等の図柄(以下「図柄」と総称する)を表示した複数(通常3個)のリールが回転を開始し、任意のタイミングでストップボタンが押されることでリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出される、という遊技機である。
このようなスロットマシンでは、通常、ゲームの面白さを増すために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われるようになっている。
【0003】
この内部当たり制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回ごとにスロットマシン内部で自動的に内部当たりの抽選が行われて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリールの停止位置が制御されるもので、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御され、これによって所定量のメダルが払い出される、というものである。
具体的には、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、その入賞内容に応じた所定の配列となるように停止制御(入賞制御)されるようになっている。
【0004】
そして、このリールの停止制御が行われることによって、各リールのストップボタンの押下タイミングが、ある入賞内容の配列を構成する図柄(「7」や「BAR」)を配列上に止めるタイミングからずれたとしても、そのずれが一定範囲内(その図柄から4コマ分等の範囲内)であれば、機械的制御により、その図柄が所定配列上に位置するように止められ、その入賞配列が構成されるようになっている。
この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内でストップボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが自動的に停止され、停止された入賞配列に応じた数量のメダルが払い出されることになる。なお、このリールの停止制御には、リールを所定の図柄配列が揃うように停止制御する「引込み制御」の他、一定の図柄配列が揃わないように停止制御する「入賞阻止制御」も含まれる。入賞阻止制御は、例えば、ある入賞内容に当選した場合、そのゲーム中は、他の入賞内容の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御されるものである。
【0005】
このようなリールの停止制御によって所定量のメダルが払い出される入賞内容としては、一般に、大量のメダル払出しが可能となる「レギュラー・ボーナス(RB)」や「ビッグ・ボーナス(BB)」等のボーナス・ゲーム、少量のメダル払出しがある「小役」、メダル投入なしで遊技が行える「再遊技(リプレイ)」、メダル払出しのない「ハズレ」等、数種類が設定されるようになっており、入賞内容に応じて所定数の入賞メダルが払い出され、また払い出されないようにリールが停止制御される。
例えば、「ハズレ」の場合、図柄がメダル払出しのない配列(いずれの入賞図柄も揃わない配列)となるようリールが停止制御(入賞阻止制御)され、「小役」の場合には、通常1〜15枚の少量メダルが払い出される図柄配列(例えば、果物の図柄が横一列に揃う配列)となるようリールが停止制御されるとともに(引込み制御)、他の入賞内容(例えば「大当たり」)の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御される(入賞阻止制御)。
また、「レギュラー・ボーナス」の場合には、数ゲームが1セットとなったボーナス・ゲーム用のリール停止制御が行われ、そのボーナス・ゲーム中は、「小役」や大量払出しのある「大当たり」の図柄配列となるよう、リールが継続的に制御され、百枚以上のメダルが払い出されるようになる。さらに、「ビッグ・ボーナス」の場合、上記のようなボーナス・ゲーム(レギュラー・ボーナス)が数セット(通常3セット)継続して行われるようにリールが制御され、数百枚の大量のメダルが払い出されるようにゲームが設定,制御されるようなっている。
【0006】
ところで、以上のようなスロットマシンは、通常、3個のリールと、各リールに対応した3個のストップボタンが横一列に並列して備えられており、ストップボタンを順番に押下すると対応するリールがその順番で停止するようになっているが、これまでのスロットマシンでは、複数のストップボタンをどのような順番で押下して対応するリールをどのような順番で停止させても、図柄配列、すなわちリールの停止制御には特に影響がないのが一般的であった。
例えば、通常、右利きの遊技者は、横一列に並列された3個のストップボタンを「左→中→右」の順に押下する所謂「順押し」操作するので、対応する3個のリールも「左→中→右」の順に停止するが、ストップボタンを「右→中→左」のように「逆押し」したり、「中→左→右」等のように無作為の順に押下してリールの停止順を「右→中→左」や「中→左→右」としても、停止する図柄配列、すなわちリールの停止制御自体には影響はなく、リールの停止順によって特定の図柄配列が揃い易くなるようなことはなかった。
【0007】
ところが、最近では、遊技の面白味や新鮮さ,意外性,満足感等を高めてより魅力あるスロットマシンを提供すべく、ストップボタンを押下する順番、すなわち、リールを停止させる順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われるスロットマシンが提供されるようになってきた(例えば、特許文献1−5参照。)。
このようなスロットマシンでは、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタンを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリールを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリールが停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリールを停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御されるようになっている。
【0008】
このようなスロットマシンによれば、リールを停止させる順番、すなわち、ストップボタンの押下順にもゲーム性が付与されることになり、ストップボタンの押下順を予想するスリルや期待感、当たったときの意外性や満足感を高めることができるようになった。
また、このようにリールの停止順によって所定の入賞図柄が揃う確率を異ならせることにより、特定のリール停止順(ストップボタンの押下順)を遊技者に提示することで、特定の入賞図柄を揃え易くするよう仕向けることができ、初心者や所謂「目押し」に不慣れな遊技者であっても、提示された停止順に従ってリールを停止させることで容易に入賞図柄を揃えることができるようになり、遊技レベルに関係なく誰にでも大きな払出しチャンスのある魅力的なスロットマシンを提供することが可能となった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−333051号公報(第4−5頁、第2図)
【特許文献2】
特開2002−000807号公報(第4−5頁、第2図)
【特許文献3】
特開2002−058785号公報(第16−17頁、第14−15図、第18図)
【特許文献4】
特開2002−095792号公報(第3頁、第23−24頁、第17−18図、第20図)
【特許文献5】
実用新案登録第3077924号公報(第29−30頁、第1−2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、最近のスロットマシンでは、ストップボタンの押下順(リール停止順)によって図柄配列の揃い易さを変化させ、また、そのストップボタンの押下順を遊技者に提示することで、スロットマシン遊技の魅力を高め、より新鮮で面白味のあるスロットマシンを提供するようになっていた。
ところが、スロットマシン遊技は近年急速に普及,拡大しており、これまでに採用されてきた遊技システム,遊技方式は、既に遊技者の間に広く周知,浸透している。
その結果、遊技者の期待感や満足感を高める手段として、上述のようにストップボタンの押下順によって図柄配列の揃い易さを異ならせる遊技システムも、特にスロットマシン遊技を熟知した者にとって、やや新鮮味に欠けるものになってきていた。
【0011】
その一方で、リールの停止制御や内部当たり抽選処理等の遊技システムをまったく別なものに変更することは、遊技者に浸透した馴染みのある遊技システムが失われることになり、無用の混乱や顧客離れ等を招くおそれがある。
また、スロットマシン遊技は、一定の規制,規格の下に運営されるものであり、遊技の新鮮さや面白味を得るためのみの理由でこれまでの遊技方式をまったく変更したスロットマシンを採用することは困難であった。
このため、これまでの遊技システムを踏襲しつつ、より魅力ある新たな遊技方式を備えたスロットマシンの開発が望まれるようになった。
本願発明者は、鋭意研究の末、従来のスロットマシンの機械構成や遊技方式等をそのままに、遊技者に対し新鮮さや意外性を付与できるとともに、内部当たり入賞に対する期待感や満足度を更に高めることができる、斬新で魅力的な従来にはない新たなスロットマシンを創作するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、従来のスロットマシンが有する課題を解決するために提案されたものであり、複数のストップボタンとリールの対応関係をゲーム内容等に応じて変更させることにより、あるストップボタンからのストップ信号によって、そのストップボタンに対応しない他のリールを停止させることができ、遊技者に驚きや意外性,新鮮さを与え、またストップボタンとリールの対応関係を予想させることで遊技者の期待感や達成感を高めることができ、さらに、リールとストップボタンの対応関係を遊技者に適宜告知することで、遊技の技術介入性を調整することが可能となり、初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者に満足度の高いゲームを提供することができる、従来にはない新たなスロットマシンの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のスロットマシンは、ゲームの開始により回転駆動する複数のリールと、この複数のリールに対応して設けられた複数のストップボタンと、前記複数のストップボタンからのストップ信号を入力し、各ストップボタンに対応する各リールを停止させる制御手段と、を備えたスロットマシンであって、前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係の全部又は一部を変更し、対応関係が変更されたストップボタンからのストップ信号により、当該ストップボタンに対応するリールと異なる他のリールを停止させる対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0014】
特に、請求項2記載のスロットマシンでは、前記制御手段が、各ゲーム毎に抽選により前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0015】
さらに、請求項3記載のスロットマシンでは、ゲームの開始により所定の内部当たり抽選処理が行われる場合に、前記制御手段が、前記内部当たり抽選の結果に応じて、前記ストップボタンとリールの対応関係を異ならせて前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0016】
このような構成からなる本発明のスロットマシンによれば、複数の各リールに対応するストップボタンからのストップ信号を入力することにより該当する各リールを停止制御する制御手段が、所定のゲームにおいて、複数の各ストップボタンとリールの対応関係を変更させる対応関係変更制御を行うことにより、あるゲームにおいて、あるストップボタンが押下されると、そのストップボタンに対応しない他のリールが停止されるように各リールが停止制御される。
具体的には、例えば、内部当たり抽選の結果「小役」に入賞した場合には、制御手段の対応関係変更制御により各リールとストップボタンの対応関係が変更されて、「左」のストップボタンを押下すると「右」のリールが停止し、「中」のストップボタンを押下すると「左」のリールが停止し、「右」のストップボタンを押下すると「中」のリールが停止するように制御することができる。この場合、遊技者が3個のリールを「左→中→右」の順に順押しすると、3個のリールは「右→左→中」の順に停止することになる。
【0017】
そして、本発明では、ストップボタンとリールの対応関係の全部又は一部を変更させる対応関係変更制御を行うか否かは、スロットマシン内部の制御手段において抽選により決定できるようになっている。
これにより、ストップボタンとリールの対応関係を変化させるか否かを、ゲームごとに異ならせることができ、ストップボタンの変更制御が行われるか否かへの遊技者の期待感と、それが行われたときの満足感,達成感を更に高めることが可能となり、本発明の対応関係変更制御が行われるスロットマシン遊技をより一層魅力的なものとすることができる。
ここで、対応関係変更制御を行うか否かの決定は、例えば乱数発生装置を用いて各ゲーム毎に抽選により行うことができ、また、内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて対応関係変更制御が行われるようにすることもできる。
従って、本発明に係る対応関係変更制御は、1回又は複数回行われるゲームの中で、少なくとも1回のあるゲームにおいて行われるものであり、複数回行われるゲーム中に連続的に、又は断続的に行われる場合であっても良く、ある1回のゲームにおいて1回だけ行われる場合であっても良い。
【0018】
このように、ストップボタンとリールの対応関係を各ゲーム毎に行われる抽選や、内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて変更制御することで、あるゲーム中に、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない別のリールが停止することになり、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
また、このようにストップボタンとリールの対応関係が変化するゲームでは、所謂「目押し」は役に立たないことになるので、どのようなレベルの遊技者でもストップボタンを無作為に操作する結果になる。このため、初心者と熟練者との間での技術レベルの差がなくなり、誰でも一定の確率で入賞図柄を揃えられるようになるので、遊技に対する技術介入性を小さくすることができる。
【0019】
また、ストップボタンとリールの対応関係の変更を、内部当たりの抽選結果に応じてその組合せ態様を変化させることにより、例えば、「ビッグ・ボーナス」の入賞時にのみストップボタンとリールの対応関係を「ストップボタン:左・中・右、リール:右・中・左」となるように制御することで、遊技者は押下したストップボタンと停止したリールの対応を見て「ビッグ・ボーナス」に入賞したことを知ることができる。これにより、内部当たりの抽選結果を遊技者に間接的に告知することが可能となり、内部当たりを示すリールの停止順に対する期待感や達成感を高めることができる。
さらに、制御手段において、リールの停止順により特定の図柄配列が揃い易くなるよう停止制御することで、遊技者にストップボタンとリールの対応関係を予想させつつゲームを行わせることが可能となり、リールの停止順を予想するという新たなゲーム性を付与することができ、従来のスロットマシンにはない新たな期待感や達成感を高めることができるようになる。
【0020】
また、請求項4記載のスロットマシンでは、前記制御手段は、複数回のゲームに亘って連続的に又は断続的に前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
このような構成とすることにより、対応関係変更制御を、ゲームが一定回数行われるまでの間、連続的又は断続的に実行させることで、その間のゲームを対応関係の変更制御が連続する、従来にはない新たな遊技状態として提供することができる。そして、その一定回数のゲームの間は、例えばリールを特定の順番で停止させた場合には入賞図柄が揃い易くなるように制御することで、「対応関係変更制御が行われるゲーム」を遊技者に有利な遊技状態として提供することができる。
これにより、「払出しが有利となる対応関係変更制御が続く遊技状態が発生する」ことへの遊技者の期待感と、発生したときの満足感,達成感がより一層高められることになり、更に魅力的なスロットマシン遊技を提供することができるようになる。
【0021】
また、請求項5記載のスロットマシンは、前記制御手段からの信号を入力し、前記対応関係変更制御が行われることを告知する所定の対応関係変更告知を行う告知手段を備える構成としてある。
このような構成とすることにより、例えば、点灯ランプやストップボタン等を点灯,点滅させたり、LEDや液晶表示部により特定の表示を行うことで、また、スピーカ等を介して発せられる所定の音声等によって、本発明に係る対応関係変更制御が行われることを遊技者側に告知することができる。
【0022】
これにより、スロットマシン遊技の初心者であっても、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができ、ゲーム進行に沿った遊技が行えるようになる。また、スロットマシン遊技の熟練者も、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることで、例えば、上述したような入賞配列が揃い易く制御されるリールの停止順を予想して遊技を行うことができ、本発明に係る対応関係変更制御が行われるスロットマシン遊技を満喫できるようになる。
しかも、対応関係変更制御を期待する遊技者にとっては、告知手段による告知が行われるか否かについての期待感が高まることになり、告知が行われた場合の達成感や満足感もより大きなものとなり、従来にはない更に魅力的なスロットマシンとすることができる。
【0023】
そして、請求項6記載のスロットマシンでは、前記告知手段が、前記対応関係変更制御において変更された前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係を告知することにより前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
特に、請求項7では、前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数のリールが特定の停止順で停止される場合に、当該複数のリールを所定の入賞配列に停止制御するとともに、前記告知手段が、前記対応関係変更制御において、前記複数のリールを特定の停止順に停止させる各ストップボタンの押下順の全部又は一部を告知することにより前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
【0024】
このような構成とすることにより、制御手段は、リールが特定の順番で停止させる場合にのみ特定の入賞図柄が揃い易くなるような停止制御を行い、その有利な停止順に対応するストップボタンの押下順を告知することで、「対応関係変更制御」を遊技者に有利な遊技状態として告知し、かつ、その有利な遊技状態を初心者であっても確実に享受できるようにすることができる。
これにより、熟練者と初心者の間の技術格差を少なくすることができ、技術介入性を小さくして初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる。
なお、対応関係変更告知はストップボタンの押下順の告知による場合の他、例えば液晶表示部等に各ストップボタンとリールの対応関係を表示する等、対応関係変更制御において変更される各ストップボタンと各リールの対応関係を告知することにより行うことができる。
【0025】
さらに、請求項8記載のスロットマシンでは、前記対応関係変更告知手段が、各ゲームごとに選択的に前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
このような構成とすることにより、対応関係変更制御が行われる場合に、その告知が各ゲームごとに選択的に行われることになる。
これによって、例えば、有利なリールの停止順に対応するストップボタンの押下順の告知を、あるゲームでは行い、あるゲームでは行わないように制御することができ、告知が行われる場合と行われない場合とで、遊技者にとってゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
【0026】
すなわち、ストップボタンの押下順が告知されるゲームでは、その押下順にストップボタンを操作することで所定の入賞図柄を容易に揃えることができ、メダル獲得数が多くなる。
一方、ストップボタンの押下順が告知されないゲームでは、どの押下順でストップボタンを操作すれば良いかが不明であるため、一定の確率でしか入賞図柄を揃えることができなくなり、メダル獲得数は少なくなる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、このようなハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示すスロットマシンの遊技動作は、通常、プログラムに制御されたコンピュータにより実行されるようになっている。
そして、プログラムは、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な手段からなる記録媒体によって提供される。また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませることもできるが、通信回線を介してコンピュータに読み込ませるようにしても良い。
【0028】
[スロットマシン本体]
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るスロットマシンの全体構造を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。また、図2は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
同図に示す本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン本体1に備えられた複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0029】
具体的には、本実施形態のスロットマシンは、筐体となるスロットマシン本体1の正面に前面パネル2が備えられている。
スロットマシン本体1は、図2に示すように、内部に必要な構成,装置を収納した筐体となっており、前面側が前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン本体1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成しており、そのほぼ中央部分に三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられている。
【0030】
表示窓3は、本体1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、図1に示すように入賞ライン表示が描かれており、この入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
【0031】
前面パネル2の表示窓3の下側には、図1に示すように、スタートレバー4及びストップボタン5が備えられている。
スタートレバー4は、本体内部の各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御手段10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御手段10の内部当たり抽選部11aにおいて内部当たりの抽選が行われるようになっている(図3参照)。
【0032】
ストップボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、上述した三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つのストップボタン(左)5a,ストップボタン(中)5b,ストップボタン(5c)が備えられている。この各ストップボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御手段10にストップ信号が出力され(図3参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
【0033】
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
そして、本実施形態では、後述する制御手段10の対応関係変更制御部11bの制御により、各ストップボタン5a〜5cと、それに対応する各リール21a〜21cの対応関係が変更され、あるストップボタン5が押下されると、そのストップボタン5に対応するリール21と異なる他のリール21が停止される「対応関係変更制御」が行われるようになっている。
【0034】
リール21は、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部材からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている(図2参照)。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0035】
三つのリール21a〜21cは、本体1の内部に備えられた制御手段10及びドラムユニット20により駆動制御及び停止制御されるようになっている。
ドラムユニット20は、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持するとともに、スタートレバー4及びストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、後述する制御手段10の制御部11からパルス(駆動)信号を入力し、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うようになっている。
このドラムユニット20により、制御手段10で行われる内部当たり抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
【0036】
例えば、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5a〜5cを押すタイミングに拘わらず、対応する各リール21a〜21cの図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の配列となるよう、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御手段10で内部当たり抽選が行われ、制御手段10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部当たり抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
【0037】
ここで、リール21の停止制御は、各リール21a〜21cを停止させる順番、すなわち、ストップボタン5a〜5cを押下する順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われる場合がある。
例えば、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタン5a〜5cを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリール21a〜21cを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリール21が停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリール21を停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御される場合がある。
【0038】
そして、本実施形態では、このドラムユニット20が、後述する対応関係変更制御部11bの制御により、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールを停止制御する「対応関係変更制御」が行われるようになっている。ここで、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールとは、ストップボタン(左)5aの場合であれば、対応するリール(右)21a以外のリール、すなわちリール(中)21b又はリール(右)21cを意味する。
同様に、ストップボタン(中)5bの場合であれば、対応するリール(中)21b以外のリール、すなわちリール(左)21a又はリール(右)21cを意味し、ストップボタン(右)5cの場合であれば、対応するリール(右)21c以外のリール、すなわちリール(左)21a又はリール(中)21bを意味する。なお、このストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更の組合せは、ストップボタン5a〜5cに対応するリール21a〜21cと異なるリールが停止される限り、どのような組合せであっても良い。
【0039】
前面パネル2のスタートレバー4及びストップボタン5の上部近傍には、図1に示すように、メダル投入口6及びメダルBETスイッチ7が備えられている。メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御手段10に出力されるようになっている(図3参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御手段10内の記憶部12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
【0040】
メダルBETスイッチ7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入するメダル投入用スイッチである。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御手段10に出力され(図3参照)、押下された回数と同数のメダルが、記憶部12の貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAXBETスイッチを備えることもできる。
【0041】
スロットマシン本体1の下側には、入賞メダル払出し口8及びスピーカ9が備えられている。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、本実施形態では、後述するように、制御手段10で内部当たり抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようになっている。
【0042】
そして、本実施形態では、制御手段10の制御により「対応関係変更制御」が行われる場合に、スピーカ9から所定の音声を発することにより遊技者側に対応関係変更告知を行うようになっている。
このようにスピーカ9を介して対応関係変更告知が行われることで、初心者やそのスロットマシンに不慣れな遊技者等、遊技レベルや遊技知識等に関係なく、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができるようになる。
ここで、スピーカ9から発生される音声は、遊技者側に対応関係変更告知が行されることが聴覚を介して告知される限りどのような音声であっても良く、例えば、通常のゲームと異なるメロディ音や警報音、「やったね!」、「スタート!」等の意味のある言葉等、任意の音を採用することができる。
【0043】
また、本実施形態では、後述する制御手段10の制御により、リール21a〜21cを特定の順番に停止させたときに特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われる場合があり、その場合には、リール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が、スピーカ9を介して、例えば「右!中!左!」というように音声で告知されるようになっている。
従って、リール21a〜21cを特定順に停止させたときに所定の入賞配列が揃いやすくなる制御と、対応関係変更制御が同時に行われる場合には、ストップボタン5a〜5cの押下順が告知されることにより、同時に対応関係変更告知が行われることになる。
ここで、スピーカ9からの対応関係変更告知は、後述する対応関係変更告知部30bによる告知と同様、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりするようになっている。
なお、スピーカ9によるストップボタン5a〜5cの押下順の告知は、対応関係変更制御が行われない場合にも告知できることは勿論である。
【0044】
本体1の前面パネル2には、内部当たり告知部30aを備えている。
内部当たり告知部30aは、本体1の制御手段10における内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に点灯又は点滅するランプからなり、このランプの点灯(点滅)によって内部当たりを告知する内部当たり告知手段となっている。
この内部当たり告知部30aが点灯(点滅)することにより、遊技者は内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞したことを知ることができるようになっている。
なお、内部当たり告知部30aは、視覚を通じて遊技者側に内部当たりを告知できる限り、どのような構成とすることもでき、上述した点灯(点滅)するランプの他、例えば、液晶表示部やマトリックス状に配設されるLED等、任意の構成を採用することができる。
【0045】
さらに、本体1の前面パネル2には、対応関係変更告知部30bが備えられている。
対応関係変更告知部30bは、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールが停止される「対応関係変更制御」が行われる場合に、それを視覚を通じて遊技者側に告知する対応関係変更告知を行う一種の演出手段となっている。
この対応関係変更告知部30bを介して対応関係変更告知が行われることにより、上述したスピーカ9の場合と同様、スロットマシン遊技の初心者等であっても、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができ、ゲーム進行に沿った遊技が行えるようになる。また、スロットマシン遊技の熟練者も、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることで、例えば、上述したような有利なリールの停止順を予想して遊技を行うことができ、スロットマシン遊技を満喫できるようになる。
また、このように対応関係変更告知が行われることで、対応関係変更制御が行われることを期待する遊技者にとっては、いつ告知が行われるか否かについての期待感も高まり、告知が行われた場合の達成感や満足感もより大きなものとなる。
【0046】
ここで、本実施形態の対応関係変更告知部30bは、図4に示すように、7セグメントを表示する液晶パネルやLED等の表示手段となっており、所定の数字や矢印で表示することで対応関係変更告知が行えるようになっている。
図4は、本実施形態のスロットマシンに備えられる対応関係変更告知部30bの一実施形態を示す正面図である。
同図(a)に示す例では、対応関係変更制御が行われるときには、3桁の7セグメントが「7・7・7」を表示する場合となっている。従って、対応関係変更制御が行われないゲーム中は、3桁の7セグメントは「7・7・7」以外の数字や図形等を表示することになる。
ここで、7セグメント表示手段は、表示内容が確定するまでの間、ルーレット式に回転表示させることができる。このようにすると、所定の表示が確定するまで7セグメントの表示が回転することで、遊技者側の期待感をより盛り上げることができるようになる。
【0047】
一方、図4(b)及び(c)に示す例では、対応関係変更制御が行われ、かつ、リール21が特定の順番で停止された場合に特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われるときに、そのリール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が3桁の7セグメントに表示される場合となっている。
図4(b)の例では、3桁の7セグメントが「2・1・3」と表示され、三つのストップボタン5a〜5cを「中・左・右」の順に押下すれば良いことが示されている。
図4(c)の例では、3桁の7セグメントが「←・←・←」と矢印を表示しており、三つのストップボタン5a〜5cを左から右に、すなわち「右・中・左」の順(逆押し)に押下すれば良いことが示されている。
このようにストップボタン5の押下順を告知することにより、間接的に対応関係変更制御が行われることが告知され、かつ、ストップボタン5とリール21の対応関係が変更された状態において、特定の入賞配列が揃い易い停止順にリール21を停止させることができるようになる。
【0048】
ここで、対応関係変更告知部30bは、本実施形態では、告知内容を数字や矢印によって示す7セグメント表示手段によって構成してあるが、特にこのような表示手段のみに限定されるものではない。
すなわち、対応関係変更告知部30bは、直接に、また、ストップボタン5の押下順を表示することで間接的に、対応関係変更を告知できるものであれば、どのような構成の告知手段,演出手段等を採用することもできる。
例えば、上述した7セグメントの表示手段に代えて、動画等を表示する液晶表示手段やドットマトリックスLEDを備えることができ、このような表示手段に変更制御されたときの各ストップボタンとリールの対応関係を表示することで告知を行うことができる。
また、スロットマシン本体1に備えられるリール21と同様の回転体を備え、この回転体の表面に特定の表示やストップボタン5の押下順を示す数字や矢印等等を描いておき、例えば、スタートレバー4の操作により回転体を回転,停止させて対応関係変更告知を行うこともできる。
【0049】
なお、本実施形態では、対応関係変更告知部30bの表示とともに、上述したスピーカ9からの対応関係変更告知音が並行して発せられるようになっているが、これを表示のみ、又は音声のみとすることも勿論可能である。
また、対応関係変更告知部30bを介して行われるストップボタン5a〜5cの押下順の告知(図4(b)及び(c)参照)は、対応関係変更制御が行われない場合にも告知されるようにすることもできる。
さらに、表示や音以外の告知態様、例えば、振動や光,風等による告知を、単独で又は任意に組み合わせて採用することも可能である。
【0050】
[制御手段]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンを制御する制御手段10について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の制御手段10は、上述したスロットマシン本体1の各部を制御する制御手段であり、スロットマシンの遊技動作をプログラムに制御されて実行するCPUやメモリを備えたコンピュータにより構成されており、本実施形態では、制御部11及び記憶部12を備えている。
【0051】
制御部11は、メダル投入口(メダル検知部)6からのメダル信号及びメダルBETスイッチ7からのメダル信号を入力し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数及びメダルBETスイッチ7を用いて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、メダルBETスイッチ7からのメダル信号に基づき、記憶部12で記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに使用される(賭けられる)メダル数が決定されることになる。
また、制御部11は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cの回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
また、制御部11は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号より、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出し処理を行うようになっている。
【0052】
また、制御部11には内部当たり抽選部11aが備えられ、内部当たり抽選が行われるようになっている。
内部当たり抽選部11aでは、従来のスロットマシンの場合と同様、乱数発生装置と記憶部12に予め設定,記憶された抽選テーブルを用いて内部当たり抽選が行われるようになっている。
具体的には、内部当たりの抽選は、スロットマシン内部の図示しない乱数発生装置(ICカウンタ)と抽選テーブルを使用して行われている。乱数発生装置ではスタートレバーが押下された瞬間に任意の一の乱数が選択されることにより、選択された乱数が抽選テーブルの値と比較され、入賞内容が決定されるようになっている。
そして、この内部当たり抽選の結果に応じて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになり、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。
【0053】
すなわち、制御部11は、内部当たり抽選部11aの抽選結果に応じた所定の入賞配列にリール21を停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力し、ドラムユニット20では、この信号に基づいてリール21の停止位置を制御する。これにより、各リール21a〜21cは、ストップボタン5a〜5cが押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で、図柄が入賞内容に応じた所定の入賞配列となるように停止するようになる。
また、内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合には、制御部10は内部当たり告知部30aに信号出力し、ランプの点灯(点滅)等による内部当たり告知を行わせる。
なお、内部当たり抽選部11aで抽選,決定される入賞内容としては、一般に「ハズレ」,「小役(リプレイを含む)」,「レギュラー・ボーナス」,「ビッグ・ボーナス」等、数種類に分かれており、本実施形態でも、同様の入賞内容が抽選により決定されるようになっている。但し、この入賞の種類や具体的な内容は、スロットマシンの型や種類等に応じて設定されるようになっており、本実施形態に係るスロットマシンを実施するための特段の限定等はない。
【0054】
記憶部12は、制御手段10におけるスロットマシン各部の制御や遊技制御に必要な各種のデータを記憶,蓄積する記憶手段である。
具体的には、記憶部12は、入賞内容に応じたリールの図柄の配列や、内部当たり抽選部11aでの内部当たり抽選に用いられる抽選テーブル等を記憶するようになっている。
また、記憶部12は、上述したメダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)を記憶するようになっている。
さらに、本実施形態では、後述する対応関係変更制御部11bの決定に使用される乱数等を記憶するようになっている。
【0055】
そして、本実施形態の制御手段10は、制御部11に対応関係変更制御部11bが備えられている。
この対応関係変更制御部11bを備えることにより、制御部11は、所定のゲームにおいて、各ストップボタン5a〜5cと各リール21a〜21cの対応関係の全部又は一部を変更し、対応関係が変更されたストップボタン5からのストップ信号により、そのストップボタン5に対応するリールと異なる他のリールを停止させる「対応関係変更制御」が行えるようになっている。
具体的には、対応関係変更制御部11bでは、スタートレバー4からのスタート信号を入力することにより、当該ゲームにおいて対応関係変更制御を行うか否かを決定する。この対応関係変更制御を行うか否かの決定は、内部当たり抽選の場合と同様に、スロットマシン内に備えられる乱数発生装置及び抽選テーブル(図示せず)を用いて決定することができる。例えば、内部当たり抽選と共通の乱数発生装置を用いて抽選を行い、対応関係変更制御用の抽選テーブルによって変更制御を行うか否かを決定することができる。
なお、対応関係変更制御の抽選専用の乱数発生装置を備えることも可能である。
【0056】
そして、対応関係変更制御部11bでの決定の結果、対応関係変更制御が行われる場合には、各ストップボタン5a〜5cが押下操作されると、押下されたストップボタン5に対応するリール21とは異なる他のリール21が停止されるように停止制御されるようになる。
具体的には、制御部11は、対応関係変更制御が行われることが決定されたゲームについては、ストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力すると、各ストップ信号に対応するリールと異なるリールを停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力する。
ドラムユニット20では、このパルス信号に基づき、ストップボタン5a〜5cとの対応関係が変更されたリール21を停止させる。
また、対応関係変更制御が決定されると、制御部11は対応関係変更告知部30b(及びスピーカ9)に信号出力し、上述したような所定の態様により対応関係変更告知を行わせる(図4参照)。
【0057】
ここで、ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更は、内部当たり抽選部11aでの抽選の結果に応じて、対応関係の組合せを異ならせて行うことができる。
例えば、内部当たり抽選の結果「小役」に入賞した場合には、制御部11からの信号により各リール21とストップボタン5の対応関係が変更されて、ストップボタン(左)5aを押下するとリール(右)21cが停止し、ストップボタン(中)5bを押下するとリール(左)21aが停止し、ストップボタン(右)5cを押下するとリール(中)21bが停止するように制御する。この場合、遊技者が3個のリールを「左→中→右」の順に順押しすると、3個のリールは「右→左→中」の順に停止することになる。
【0058】
一方、内部当たり抽選の結果「ビッグ・ボーナス」に入賞し、そのボーナス・ゲームに突入した場合には、制御部11からの信号により各リール21とストップボタン5の対応関係が変更されて、ストップボタン(左)5aを押下するとリール(中)21bが停止し、ストップボタン(中)5bを押下するとリール(右)21cが停止し、ストップボタン(右)5cを押下するとリール(左)21aが停止するように制御する。この場合、遊技者がストップボタン5を「左→中→右」の順に順押しすると、リール21は「中→右→左」の順に停止することになる。
このようにして、ストップボタン5とリール21の対応関係を内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて変更制御することで、あるゲーム中に、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない別のリールが停止することになり、また他のゲーム中は、また別のリールが停止することになり、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
【0059】
また、このように内部当たりの種類に応じてストップボタン5とリール21の対応関係を異ならせることで、内部当たり抽選の結果を間接的に告知することになり、スロットマシンに新たな告知機能を持たせることができる。
なお、ストップボタン5とリール21の対応関係の変更は、すべての対応関係を変更する場合だけでなく、一部の対応関係のみを変更する場合であっても良い。
例えば、ストップボタン(左)5a及びリール(左)21aと、ストップボタン(中)5b及びリール(中)21bの対応関係は変更し、ストップボタン(右)5c及びリール(右)21cの対応関係は固定(不変更)とすることもできる。
【0060】
また、対応関係変更制御部11bにおける当該制御を行うか否かの決定方法は、特に限定されるものではなく、スタートレバー4の押下によりスタートされる1ゲームごとに毎回抽選,決定が行われる場合の他、数ゲームを一単位としてその可否が決定される場合であっても良い。すなわち、対応関係変更制御を行うか否かの決定を、少なくとも1ゲームごとに抽選等により選択的に決定できるものであれば、どのような方法,手段であっても良い。
従って、本実施形態では、制御部11の制御により、スロットマシンで行われる各ゲームごとに選択的に対応関係変更制御を行うようにすることができる。
ストップボタンとリールの対応関係を変化させるか否かを、ゲームごとに選択的に異ならせることで、ストップボタン変更制御が行われるか否かへの遊技者の期待感と、それが行われたときの満足感,達成感を更に高めることができるようになる。
【0061】
また、対応関係変更制御は、制御部11の制御により、複数回のゲームに亘って連続的に又は断続的に行うようにすることもできる。
対応関係変更制御を、ゲームが一定回数行われるまでの間、連続的又は断続的に実行させることで、その間のゲームを対応関係の変更制御が連続的に発生する、従来には存在しない新たな遊技状態として提供することができる。
そして、その一定回数のゲームの間は、例えばリールを特定の順番で停止させた場合には入賞図柄が揃い易くなるように制御することで、「対応関係変更制御」を遊技者に有利な遊技状態として提供することができる。
【0062】
さらに、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介した対応関係変更告知についても、各ゲームごとに選択的に告知を行わせることができる。
具体的には、制御部11からの信号を選択的に対応関係変更告知部30bやスピーカ9に出力することで、対応関係変更制御が行われる場合でも、それが告知されたりされなかったりするように制御することができる。
このようにすると、例えば、有利なリールの停止順に対応するストップボタンの押下順を告知することにより対応関係変更告知が行われる場合に、あるゲームでは告知を行い、あるゲームでは行わないように制御することができ、告知が行われる場合と行われない場合とで、遊技者にとってゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
【0063】
すなわち、ストップボタンの押下順が告知されるゲームでは、その押下順にストップボタンを操作することで所定の入賞図柄を容易に揃えることができ、メダル獲得数が多くなる。
一方、ストップボタンの押下順が告知されないゲームでは、どの押下順でストップボタンを操作すれば良いかが不明であるため、一定の確率でしか入賞図柄を揃えることができなくなり、メダル獲得数は少なくなる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、このようなハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができる。
【0064】
なお、以上説明した本実施形態に係るスロットマシンの構成は、上述した各部の他は、既存のスロットマシンにおける構成,機能とほぼ同様となっており、遊技方法,遊技システム等もほぼ同様である。
例えば、前面パネル2は、上述した構成の他、表示窓3の下側に各リールに対応したストップランプを備えることができ、このストップランプを順次点灯させることで、所定の入賞配列が揃い易いストップボタン5a〜5cの押下順を告知することができる。
従って、既存マシンと同様の部分については詳細な説明は省略する。
【0065】
[動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図5を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
まず、遊技者がメダル投入口6にメダルを投入することでゲームが開始される(図5に示すステップ501)。
ここで、投入されるメダルは、通常、入賞ライン(図1参照)に対応して1枚賭け,2枚賭け又は3枚賭けに割り当てられ、4枚以上のメダルが投入された場合、4枚以上のメダルは貯留メダルとして制御手段10の記憶部12に記憶される。従って、貯留メダルは、メダルBETスイッチ7によって2回目以降のゲームに使用されることになる(図3参照)。
【0066】
メダル投入後は、スタートレバー4が押下されることにより(ステップ502)、三つのリール21が一斉に回転を開始し、それと同時に、制御手段10の制御部11内の内部当たり抽選部11aにおいて内部当たりの抽選が行われる(ステップ503)。
そして、本実施形態では、内部当たりの抽選と同時に、制御部11内の対応関係変更制御部11bにおいて、対応関係変更制御を行うか否かの決定がなされる(ステップ504)。
対応関係変更制御を行うことが決定された場合には(ステップ504)、その対応関係変更制御が行われることの告知を行うか否かの決定がなされる(ステップ505)。
対応関係変更告知が行われる場合には、さらに、例えばストップボタン5a〜5cの押下順を告知する等によって変更される対応関係を告知するか、対応関係変更が行われることのみを告知するかが決定される(ステップ506)。
【0067】
この告知がストップボタン5a〜5cの押下順の告知(ストップボタンの対応告知)による場合には(ステップ507)、例えば、図4(b),(c)に示した態様により、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介して、ストップボタン5a〜5cの所定の押下順が告知される。
一方、対応関係変更制御が行われることのみを告知する場合は(ステップ508)、例えば、図4(a)に示したような態様により、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介して、対応関係変更制御が行われることが告知される。
また、ステップ505で対応関係変更告知を行わないと決定された場合には、上記のような告知は行われない。
なお、対応関係変更制御とは別に、内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞している場合には、例えばゲームのスタートと同時に、内部当たり告知部30aを介して所定の内部当たり告知が行われる。
【0068】
その後、遊技者によりストップボタン5a〜5cの三つのストップボタンが押下操作されると(ステップ509,511,513)、各ストップボタン5a〜5cについて対応変更されたリール21a〜21cが停止制御される対応関係変更制御が行われる(ステップ510,512,514)。なお、三つのストップボタンの押下順は遊技者の判断により任意に決定され、押下操作される。
そして、全リール21a〜21cが停止されると(ステップ515)、その停止図柄に応じた処理が行われる(ステップ516)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。
また、告知手段を介してストップボタン5a〜5cの所定の押下順が告知された場合には(ステップ507)、その押下順でストップボタン5a〜5cが操作されると(ステップ509,511,513)、所定の入賞配列が揃うようにリール21a〜21cが停止制御される(ステップ510,512,514)。
以上で1ゲームが終了することになり、以後は、通常のスロットマシン遊技と同様、遊技者の判断によりゲームの続行又は終了が選択され(ステップ517)、ゲームが続行される場合には、メダル(貯留メダルを含む)の投入により、2回目以降のゲームが開始される(ステップ501に戻る)。
【0069】
一方、ステップ504において、対応関係変更制御が行われないと決定された場合には、通常のスロットマシンと同様の遊技が行われることになる。すなわち、まず、遊技者のストップボタン5の押下操作により(ステップ518,520,522)、各ストップボタン5a〜5cと対応する本来のリール21a〜21cが停止制御され(ステップ519,521,523)、全リール21a〜21cが停止されると(ステップ515)、その停止図柄に応じた処理が行われる(ステップ516)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。
その後は、遊技者の判断によりゲームの続行又は終了が選択されることになる(ステップ517)。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシンによれば、3個のリール21a〜21cに対応するストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより該当するリールを停止制御する制御手段10が、内部当たり抽選の結果に応じて、各ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を変更させる対応関係変更制御を行うようにしてあり、あるゲームにおいては、あるストップボタンが押下されると、そのストップボタンに対応しない他のリールが停止されるように各リールが停止制御される。
このようにストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を、例えば内部当たりの抽選結果に応じて変更制御することで、あるゲーム中、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない他のリールが停止することになって、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
【0071】
また、このようにストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係が変化するゲームでは、所謂「目押し」が役に立たないことになるので、どのような遊技レベルの遊技者でもストップボタン5a〜5cを無作為に操作することになる。その結果、初心者と熟練者との間での技術レベルの差がなくなり、誰でも一定の確率で入賞図柄を揃えられるようになって技術介入性を小さくすることができる。
また、このようなストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更を、内部当たりの抽選結果に応じてその組合せ態様を変化させることにより、内部当たりの抽選結果を間接的に告知することができ、内部当たりに対する期待感や達成感を高めることもできる。
しかも、制御手段10においてリール21a〜21cの停止順によって所定の図柄配列が揃い易くなるよう停止制御される場合には、ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を予想することでゲームを有利に行うことができるようになり、リール21a〜21cの停止順を予想することによる新たな期待感や達成感を高めることもできるようになる。
【0072】
さらに、リール21a〜21cが特定の順番で停止させる場合にのみ特定の入賞図柄が揃い易くなるような停止制御を行う場合に、その有利な停止順に対応するストップボタン5a〜5cの押下順を告知することで、熟練者と初心者の間の技術格差を少なくすることができ、技術介入性を小さくして初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる。
特に、このような有利なリール21a〜21cの停止順に対応するストップボタン5a〜5cの押下順の告知を、あるゲームでは行い、あるゲームでは行わないようにすることができ、告知が行われる場合と行われない場合とでゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、ハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができるようになる。
【0073】
以上、本発明のスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、内部当たり抽選の結果発生する遊技者に有利な遊技状態としてボーナス・ゲーム(BB又はRB)を示したが、内部当たり抽選により入賞し得る有利な遊技状態としてはボーナス・ゲームに限られるものではない。
本発明のスロットマシンは、ストップボタンとリールの対応関係が変更されるゲームが発生する限り、各ゲームで発生する有利な遊技状態は特に限定されものではなく、例えば、一定数のゲームの間リールの停止制御が解除される所謂「チャレンジタイム」や、小役の当たり表示が告知されて目押しで小役を止め易くする「アシストタイム」、リプレイ(再遊技)に入賞する確率が高くなる「リプレイタイム」等、どのような遊技状態が発生するスロットマシンであっても本発明の「対応関係変更制御」を適用することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスロットマシンによれば、複数のストップボタンとリールの対応関係をゲーム内容等に応じて変更させることにより、あるストップボタンからのストップ信号によって、そのストップボタンに対応しない他のリールを停止させることができる。
これにより、遊技者に驚きや意外性,新鮮さを与えることができ、また、遊技者はストップボタンとリールの対応関係を予想することで期待感や達成感を高めることができ、さらに、リールとストップボタンの対応関係を遊技者に適宜告知することで、遊技の技術介入性を調整することが可能となる。
従って、本発明によれば、初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる、従来にはない期待感やスリル,満足感が得られる新たなスロットマシンを実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロットマシンの一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明のスロットマシンに備えられる対応関係変更告知部の一実施形態を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン本体
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御手段
11 制御部
11a 内部当たり抽選部
11b 対応関係変更制御部
12 記憶部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30a 内部当たり告知部
30b 対応関係変更告知部
【発明の属する技術分野】
本発明は、コインやメダル等の遊技媒体を使用し、回転する複数のリール(回胴)を、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が所定の配列となるよう停止させることによって一定量の入賞メダルを獲得するスロットマシン(回胴式遊技機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用メダルを投入してスタートレバーを押下することにより、所定の文字,絵柄等の図柄(以下「図柄」と総称する)を表示した複数(通常3個)のリールが回転を開始し、任意のタイミングでストップボタンが押されることでリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出される、という遊技機である。
このようなスロットマシンでは、通常、ゲームの面白さを増すために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われるようになっている。
【0003】
この内部当たり制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回ごとにスロットマシン内部で自動的に内部当たりの抽選が行われて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリールの停止位置が制御されるもので、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御され、これによって所定量のメダルが払い出される、というものである。
具体的には、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、その入賞内容に応じた所定の配列となるように停止制御(入賞制御)されるようになっている。
【0004】
そして、このリールの停止制御が行われることによって、各リールのストップボタンの押下タイミングが、ある入賞内容の配列を構成する図柄(「7」や「BAR」)を配列上に止めるタイミングからずれたとしても、そのずれが一定範囲内(その図柄から4コマ分等の範囲内)であれば、機械的制御により、その図柄が所定配列上に位置するように止められ、その入賞配列が構成されるようになっている。
この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内でストップボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが自動的に停止され、停止された入賞配列に応じた数量のメダルが払い出されることになる。なお、このリールの停止制御には、リールを所定の図柄配列が揃うように停止制御する「引込み制御」の他、一定の図柄配列が揃わないように停止制御する「入賞阻止制御」も含まれる。入賞阻止制御は、例えば、ある入賞内容に当選した場合、そのゲーム中は、他の入賞内容の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御されるものである。
【0005】
このようなリールの停止制御によって所定量のメダルが払い出される入賞内容としては、一般に、大量のメダル払出しが可能となる「レギュラー・ボーナス(RB)」や「ビッグ・ボーナス(BB)」等のボーナス・ゲーム、少量のメダル払出しがある「小役」、メダル投入なしで遊技が行える「再遊技(リプレイ)」、メダル払出しのない「ハズレ」等、数種類が設定されるようになっており、入賞内容に応じて所定数の入賞メダルが払い出され、また払い出されないようにリールが停止制御される。
例えば、「ハズレ」の場合、図柄がメダル払出しのない配列(いずれの入賞図柄も揃わない配列)となるようリールが停止制御(入賞阻止制御)され、「小役」の場合には、通常1〜15枚の少量メダルが払い出される図柄配列(例えば、果物の図柄が横一列に揃う配列)となるようリールが停止制御されるとともに(引込み制御)、他の入賞内容(例えば「大当たり」)の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御される(入賞阻止制御)。
また、「レギュラー・ボーナス」の場合には、数ゲームが1セットとなったボーナス・ゲーム用のリール停止制御が行われ、そのボーナス・ゲーム中は、「小役」や大量払出しのある「大当たり」の図柄配列となるよう、リールが継続的に制御され、百枚以上のメダルが払い出されるようになる。さらに、「ビッグ・ボーナス」の場合、上記のようなボーナス・ゲーム(レギュラー・ボーナス)が数セット(通常3セット)継続して行われるようにリールが制御され、数百枚の大量のメダルが払い出されるようにゲームが設定,制御されるようなっている。
【0006】
ところで、以上のようなスロットマシンは、通常、3個のリールと、各リールに対応した3個のストップボタンが横一列に並列して備えられており、ストップボタンを順番に押下すると対応するリールがその順番で停止するようになっているが、これまでのスロットマシンでは、複数のストップボタンをどのような順番で押下して対応するリールをどのような順番で停止させても、図柄配列、すなわちリールの停止制御には特に影響がないのが一般的であった。
例えば、通常、右利きの遊技者は、横一列に並列された3個のストップボタンを「左→中→右」の順に押下する所謂「順押し」操作するので、対応する3個のリールも「左→中→右」の順に停止するが、ストップボタンを「右→中→左」のように「逆押し」したり、「中→左→右」等のように無作為の順に押下してリールの停止順を「右→中→左」や「中→左→右」としても、停止する図柄配列、すなわちリールの停止制御自体には影響はなく、リールの停止順によって特定の図柄配列が揃い易くなるようなことはなかった。
【0007】
ところが、最近では、遊技の面白味や新鮮さ,意外性,満足感等を高めてより魅力あるスロットマシンを提供すべく、ストップボタンを押下する順番、すなわち、リールを停止させる順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われるスロットマシンが提供されるようになってきた(例えば、特許文献1−5参照。)。
このようなスロットマシンでは、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタンを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリールを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリールが停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリールを停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御されるようになっている。
【0008】
このようなスロットマシンによれば、リールを停止させる順番、すなわち、ストップボタンの押下順にもゲーム性が付与されることになり、ストップボタンの押下順を予想するスリルや期待感、当たったときの意外性や満足感を高めることができるようになった。
また、このようにリールの停止順によって所定の入賞図柄が揃う確率を異ならせることにより、特定のリール停止順(ストップボタンの押下順)を遊技者に提示することで、特定の入賞図柄を揃え易くするよう仕向けることができ、初心者や所謂「目押し」に不慣れな遊技者であっても、提示された停止順に従ってリールを停止させることで容易に入賞図柄を揃えることができるようになり、遊技レベルに関係なく誰にでも大きな払出しチャンスのある魅力的なスロットマシンを提供することが可能となった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−333051号公報(第4−5頁、第2図)
【特許文献2】
特開2002−000807号公報(第4−5頁、第2図)
【特許文献3】
特開2002−058785号公報(第16−17頁、第14−15図、第18図)
【特許文献4】
特開2002−095792号公報(第3頁、第23−24頁、第17−18図、第20図)
【特許文献5】
実用新案登録第3077924号公報(第29−30頁、第1−2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、最近のスロットマシンでは、ストップボタンの押下順(リール停止順)によって図柄配列の揃い易さを変化させ、また、そのストップボタンの押下順を遊技者に提示することで、スロットマシン遊技の魅力を高め、より新鮮で面白味のあるスロットマシンを提供するようになっていた。
ところが、スロットマシン遊技は近年急速に普及,拡大しており、これまでに採用されてきた遊技システム,遊技方式は、既に遊技者の間に広く周知,浸透している。
その結果、遊技者の期待感や満足感を高める手段として、上述のようにストップボタンの押下順によって図柄配列の揃い易さを異ならせる遊技システムも、特にスロットマシン遊技を熟知した者にとって、やや新鮮味に欠けるものになってきていた。
【0011】
その一方で、リールの停止制御や内部当たり抽選処理等の遊技システムをまったく別なものに変更することは、遊技者に浸透した馴染みのある遊技システムが失われることになり、無用の混乱や顧客離れ等を招くおそれがある。
また、スロットマシン遊技は、一定の規制,規格の下に運営されるものであり、遊技の新鮮さや面白味を得るためのみの理由でこれまでの遊技方式をまったく変更したスロットマシンを採用することは困難であった。
このため、これまでの遊技システムを踏襲しつつ、より魅力ある新たな遊技方式を備えたスロットマシンの開発が望まれるようになった。
本願発明者は、鋭意研究の末、従来のスロットマシンの機械構成や遊技方式等をそのままに、遊技者に対し新鮮さや意外性を付与できるとともに、内部当たり入賞に対する期待感や満足度を更に高めることができる、斬新で魅力的な従来にはない新たなスロットマシンを創作するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、従来のスロットマシンが有する課題を解決するために提案されたものであり、複数のストップボタンとリールの対応関係をゲーム内容等に応じて変更させることにより、あるストップボタンからのストップ信号によって、そのストップボタンに対応しない他のリールを停止させることができ、遊技者に驚きや意外性,新鮮さを与え、またストップボタンとリールの対応関係を予想させることで遊技者の期待感や達成感を高めることができ、さらに、リールとストップボタンの対応関係を遊技者に適宜告知することで、遊技の技術介入性を調整することが可能となり、初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者に満足度の高いゲームを提供することができる、従来にはない新たなスロットマシンの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のスロットマシンは、ゲームの開始により回転駆動する複数のリールと、この複数のリールに対応して設けられた複数のストップボタンと、前記複数のストップボタンからのストップ信号を入力し、各ストップボタンに対応する各リールを停止させる制御手段と、を備えたスロットマシンであって、前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係の全部又は一部を変更し、対応関係が変更されたストップボタンからのストップ信号により、当該ストップボタンに対応するリールと異なる他のリールを停止させる対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0014】
特に、請求項2記載のスロットマシンでは、前記制御手段が、各ゲーム毎に抽選により前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0015】
さらに、請求項3記載のスロットマシンでは、ゲームの開始により所定の内部当たり抽選処理が行われる場合に、前記制御手段が、前記内部当たり抽選の結果に応じて、前記ストップボタンとリールの対応関係を異ならせて前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
【0016】
このような構成からなる本発明のスロットマシンによれば、複数の各リールに対応するストップボタンからのストップ信号を入力することにより該当する各リールを停止制御する制御手段が、所定のゲームにおいて、複数の各ストップボタンとリールの対応関係を変更させる対応関係変更制御を行うことにより、あるゲームにおいて、あるストップボタンが押下されると、そのストップボタンに対応しない他のリールが停止されるように各リールが停止制御される。
具体的には、例えば、内部当たり抽選の結果「小役」に入賞した場合には、制御手段の対応関係変更制御により各リールとストップボタンの対応関係が変更されて、「左」のストップボタンを押下すると「右」のリールが停止し、「中」のストップボタンを押下すると「左」のリールが停止し、「右」のストップボタンを押下すると「中」のリールが停止するように制御することができる。この場合、遊技者が3個のリールを「左→中→右」の順に順押しすると、3個のリールは「右→左→中」の順に停止することになる。
【0017】
そして、本発明では、ストップボタンとリールの対応関係の全部又は一部を変更させる対応関係変更制御を行うか否かは、スロットマシン内部の制御手段において抽選により決定できるようになっている。
これにより、ストップボタンとリールの対応関係を変化させるか否かを、ゲームごとに異ならせることができ、ストップボタンの変更制御が行われるか否かへの遊技者の期待感と、それが行われたときの満足感,達成感を更に高めることが可能となり、本発明の対応関係変更制御が行われるスロットマシン遊技をより一層魅力的なものとすることができる。
ここで、対応関係変更制御を行うか否かの決定は、例えば乱数発生装置を用いて各ゲーム毎に抽選により行うことができ、また、内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて対応関係変更制御が行われるようにすることもできる。
従って、本発明に係る対応関係変更制御は、1回又は複数回行われるゲームの中で、少なくとも1回のあるゲームにおいて行われるものであり、複数回行われるゲーム中に連続的に、又は断続的に行われる場合であっても良く、ある1回のゲームにおいて1回だけ行われる場合であっても良い。
【0018】
このように、ストップボタンとリールの対応関係を各ゲーム毎に行われる抽選や、内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて変更制御することで、あるゲーム中に、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない別のリールが停止することになり、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
また、このようにストップボタンとリールの対応関係が変化するゲームでは、所謂「目押し」は役に立たないことになるので、どのようなレベルの遊技者でもストップボタンを無作為に操作する結果になる。このため、初心者と熟練者との間での技術レベルの差がなくなり、誰でも一定の確率で入賞図柄を揃えられるようになるので、遊技に対する技術介入性を小さくすることができる。
【0019】
また、ストップボタンとリールの対応関係の変更を、内部当たりの抽選結果に応じてその組合せ態様を変化させることにより、例えば、「ビッグ・ボーナス」の入賞時にのみストップボタンとリールの対応関係を「ストップボタン:左・中・右、リール:右・中・左」となるように制御することで、遊技者は押下したストップボタンと停止したリールの対応を見て「ビッグ・ボーナス」に入賞したことを知ることができる。これにより、内部当たりの抽選結果を遊技者に間接的に告知することが可能となり、内部当たりを示すリールの停止順に対する期待感や達成感を高めることができる。
さらに、制御手段において、リールの停止順により特定の図柄配列が揃い易くなるよう停止制御することで、遊技者にストップボタンとリールの対応関係を予想させつつゲームを行わせることが可能となり、リールの停止順を予想するという新たなゲーム性を付与することができ、従来のスロットマシンにはない新たな期待感や達成感を高めることができるようになる。
【0020】
また、請求項4記載のスロットマシンでは、前記制御手段は、複数回のゲームに亘って連続的に又は断続的に前記対応関係変更制御を行う構成としてある。
このような構成とすることにより、対応関係変更制御を、ゲームが一定回数行われるまでの間、連続的又は断続的に実行させることで、その間のゲームを対応関係の変更制御が連続する、従来にはない新たな遊技状態として提供することができる。そして、その一定回数のゲームの間は、例えばリールを特定の順番で停止させた場合には入賞図柄が揃い易くなるように制御することで、「対応関係変更制御が行われるゲーム」を遊技者に有利な遊技状態として提供することができる。
これにより、「払出しが有利となる対応関係変更制御が続く遊技状態が発生する」ことへの遊技者の期待感と、発生したときの満足感,達成感がより一層高められることになり、更に魅力的なスロットマシン遊技を提供することができるようになる。
【0021】
また、請求項5記載のスロットマシンは、前記制御手段からの信号を入力し、前記対応関係変更制御が行われることを告知する所定の対応関係変更告知を行う告知手段を備える構成としてある。
このような構成とすることにより、例えば、点灯ランプやストップボタン等を点灯,点滅させたり、LEDや液晶表示部により特定の表示を行うことで、また、スピーカ等を介して発せられる所定の音声等によって、本発明に係る対応関係変更制御が行われることを遊技者側に告知することができる。
【0022】
これにより、スロットマシン遊技の初心者であっても、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができ、ゲーム進行に沿った遊技が行えるようになる。また、スロットマシン遊技の熟練者も、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることで、例えば、上述したような入賞配列が揃い易く制御されるリールの停止順を予想して遊技を行うことができ、本発明に係る対応関係変更制御が行われるスロットマシン遊技を満喫できるようになる。
しかも、対応関係変更制御を期待する遊技者にとっては、告知手段による告知が行われるか否かについての期待感が高まることになり、告知が行われた場合の達成感や満足感もより大きなものとなり、従来にはない更に魅力的なスロットマシンとすることができる。
【0023】
そして、請求項6記載のスロットマシンでは、前記告知手段が、前記対応関係変更制御において変更された前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係を告知することにより前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
特に、請求項7では、前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数のリールが特定の停止順で停止される場合に、当該複数のリールを所定の入賞配列に停止制御するとともに、前記告知手段が、前記対応関係変更制御において、前記複数のリールを特定の停止順に停止させる各ストップボタンの押下順の全部又は一部を告知することにより前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
【0024】
このような構成とすることにより、制御手段は、リールが特定の順番で停止させる場合にのみ特定の入賞図柄が揃い易くなるような停止制御を行い、その有利な停止順に対応するストップボタンの押下順を告知することで、「対応関係変更制御」を遊技者に有利な遊技状態として告知し、かつ、その有利な遊技状態を初心者であっても確実に享受できるようにすることができる。
これにより、熟練者と初心者の間の技術格差を少なくすることができ、技術介入性を小さくして初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる。
なお、対応関係変更告知はストップボタンの押下順の告知による場合の他、例えば液晶表示部等に各ストップボタンとリールの対応関係を表示する等、対応関係変更制御において変更される各ストップボタンと各リールの対応関係を告知することにより行うことができる。
【0025】
さらに、請求項8記載のスロットマシンでは、前記対応関係変更告知手段が、各ゲームごとに選択的に前記対応関係変更告知を行う構成としてある。
このような構成とすることにより、対応関係変更制御が行われる場合に、その告知が各ゲームごとに選択的に行われることになる。
これによって、例えば、有利なリールの停止順に対応するストップボタンの押下順の告知を、あるゲームでは行い、あるゲームでは行わないように制御することができ、告知が行われる場合と行われない場合とで、遊技者にとってゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
【0026】
すなわち、ストップボタンの押下順が告知されるゲームでは、その押下順にストップボタンを操作することで所定の入賞図柄を容易に揃えることができ、メダル獲得数が多くなる。
一方、ストップボタンの押下順が告知されないゲームでは、どの押下順でストップボタンを操作すれば良いかが不明であるため、一定の確率でしか入賞図柄を揃えることができなくなり、メダル獲得数は少なくなる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、このようなハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示すスロットマシンの遊技動作は、通常、プログラムに制御されたコンピュータにより実行されるようになっている。
そして、プログラムは、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な手段からなる記録媒体によって提供される。また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませることもできるが、通信回線を介してコンピュータに読み込ませるようにしても良い。
【0028】
[スロットマシン本体]
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るスロットマシンの全体構造を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。また、図2は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
同図に示す本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン本体1に備えられた複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0029】
具体的には、本実施形態のスロットマシンは、筐体となるスロットマシン本体1の正面に前面パネル2が備えられている。
スロットマシン本体1は、図2に示すように、内部に必要な構成,装置を収納した筐体となっており、前面側が前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン本体1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成しており、そのほぼ中央部分に三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられている。
【0030】
表示窓3は、本体1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、図1に示すように入賞ライン表示が描かれており、この入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
【0031】
前面パネル2の表示窓3の下側には、図1に示すように、スタートレバー4及びストップボタン5が備えられている。
スタートレバー4は、本体内部の各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御手段10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御手段10の内部当たり抽選部11aにおいて内部当たりの抽選が行われるようになっている(図3参照)。
【0032】
ストップボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、上述した三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つのストップボタン(左)5a,ストップボタン(中)5b,ストップボタン(5c)が備えられている。この各ストップボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御手段10にストップ信号が出力され(図3参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
【0033】
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
そして、本実施形態では、後述する制御手段10の対応関係変更制御部11bの制御により、各ストップボタン5a〜5cと、それに対応する各リール21a〜21cの対応関係が変更され、あるストップボタン5が押下されると、そのストップボタン5に対応するリール21と異なる他のリール21が停止される「対応関係変更制御」が行われるようになっている。
【0034】
リール21は、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部材からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている(図2参照)。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0035】
三つのリール21a〜21cは、本体1の内部に備えられた制御手段10及びドラムユニット20により駆動制御及び停止制御されるようになっている。
ドラムユニット20は、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持するとともに、スタートレバー4及びストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、後述する制御手段10の制御部11からパルス(駆動)信号を入力し、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うようになっている。
このドラムユニット20により、制御手段10で行われる内部当たり抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
【0036】
例えば、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5a〜5cを押すタイミングに拘わらず、対応する各リール21a〜21cの図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の配列となるよう、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御手段10で内部当たり抽選が行われ、制御手段10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部当たり抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
【0037】
ここで、リール21の停止制御は、各リール21a〜21cを停止させる順番、すなわち、ストップボタン5a〜5cを押下する順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われる場合がある。
例えば、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタン5a〜5cを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリール21a〜21cを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリール21が停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリール21を停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御される場合がある。
【0038】
そして、本実施形態では、このドラムユニット20が、後述する対応関係変更制御部11bの制御により、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールを停止制御する「対応関係変更制御」が行われるようになっている。ここで、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールとは、ストップボタン(左)5aの場合であれば、対応するリール(右)21a以外のリール、すなわちリール(中)21b又はリール(右)21cを意味する。
同様に、ストップボタン(中)5bの場合であれば、対応するリール(中)21b以外のリール、すなわちリール(左)21a又はリール(右)21cを意味し、ストップボタン(右)5cの場合であれば、対応するリール(右)21c以外のリール、すなわちリール(左)21a又はリール(中)21bを意味する。なお、このストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更の組合せは、ストップボタン5a〜5cに対応するリール21a〜21cと異なるリールが停止される限り、どのような組合せであっても良い。
【0039】
前面パネル2のスタートレバー4及びストップボタン5の上部近傍には、図1に示すように、メダル投入口6及びメダルBETスイッチ7が備えられている。メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御手段10に出力されるようになっている(図3参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御手段10内の記憶部12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
【0040】
メダルBETスイッチ7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入するメダル投入用スイッチである。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御手段10に出力され(図3参照)、押下された回数と同数のメダルが、記憶部12の貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAXBETスイッチを備えることもできる。
【0041】
スロットマシン本体1の下側には、入賞メダル払出し口8及びスピーカ9が備えられている。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、本実施形態では、後述するように、制御手段10で内部当たり抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようになっている。
【0042】
そして、本実施形態では、制御手段10の制御により「対応関係変更制御」が行われる場合に、スピーカ9から所定の音声を発することにより遊技者側に対応関係変更告知を行うようになっている。
このようにスピーカ9を介して対応関係変更告知が行われることで、初心者やそのスロットマシンに不慣れな遊技者等、遊技レベルや遊技知識等に関係なく、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができるようになる。
ここで、スピーカ9から発生される音声は、遊技者側に対応関係変更告知が行されることが聴覚を介して告知される限りどのような音声であっても良く、例えば、通常のゲームと異なるメロディ音や警報音、「やったね!」、「スタート!」等の意味のある言葉等、任意の音を採用することができる。
【0043】
また、本実施形態では、後述する制御手段10の制御により、リール21a〜21cを特定の順番に停止させたときに特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われる場合があり、その場合には、リール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が、スピーカ9を介して、例えば「右!中!左!」というように音声で告知されるようになっている。
従って、リール21a〜21cを特定順に停止させたときに所定の入賞配列が揃いやすくなる制御と、対応関係変更制御が同時に行われる場合には、ストップボタン5a〜5cの押下順が告知されることにより、同時に対応関係変更告知が行われることになる。
ここで、スピーカ9からの対応関係変更告知は、後述する対応関係変更告知部30bによる告知と同様、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりするようになっている。
なお、スピーカ9によるストップボタン5a〜5cの押下順の告知は、対応関係変更制御が行われない場合にも告知できることは勿論である。
【0044】
本体1の前面パネル2には、内部当たり告知部30aを備えている。
内部当たり告知部30aは、本体1の制御手段10における内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に点灯又は点滅するランプからなり、このランプの点灯(点滅)によって内部当たりを告知する内部当たり告知手段となっている。
この内部当たり告知部30aが点灯(点滅)することにより、遊技者は内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞したことを知ることができるようになっている。
なお、内部当たり告知部30aは、視覚を通じて遊技者側に内部当たりを告知できる限り、どのような構成とすることもでき、上述した点灯(点滅)するランプの他、例えば、液晶表示部やマトリックス状に配設されるLED等、任意の構成を採用することができる。
【0045】
さらに、本体1の前面パネル2には、対応関係変更告知部30bが備えられている。
対応関係変更告知部30bは、各ストップボタン5a〜5cに対応するリールと異なるリールが停止される「対応関係変更制御」が行われる場合に、それを視覚を通じて遊技者側に告知する対応関係変更告知を行う一種の演出手段となっている。
この対応関係変更告知部30bを介して対応関係変更告知が行われることにより、上述したスピーカ9の場合と同様、スロットマシン遊技の初心者等であっても、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることができ、ゲーム進行に沿った遊技が行えるようになる。また、スロットマシン遊技の熟練者も、対応関係変更制御が行われることを確実に知ることで、例えば、上述したような有利なリールの停止順を予想して遊技を行うことができ、スロットマシン遊技を満喫できるようになる。
また、このように対応関係変更告知が行われることで、対応関係変更制御が行われることを期待する遊技者にとっては、いつ告知が行われるか否かについての期待感も高まり、告知が行われた場合の達成感や満足感もより大きなものとなる。
【0046】
ここで、本実施形態の対応関係変更告知部30bは、図4に示すように、7セグメントを表示する液晶パネルやLED等の表示手段となっており、所定の数字や矢印で表示することで対応関係変更告知が行えるようになっている。
図4は、本実施形態のスロットマシンに備えられる対応関係変更告知部30bの一実施形態を示す正面図である。
同図(a)に示す例では、対応関係変更制御が行われるときには、3桁の7セグメントが「7・7・7」を表示する場合となっている。従って、対応関係変更制御が行われないゲーム中は、3桁の7セグメントは「7・7・7」以外の数字や図形等を表示することになる。
ここで、7セグメント表示手段は、表示内容が確定するまでの間、ルーレット式に回転表示させることができる。このようにすると、所定の表示が確定するまで7セグメントの表示が回転することで、遊技者側の期待感をより盛り上げることができるようになる。
【0047】
一方、図4(b)及び(c)に示す例では、対応関係変更制御が行われ、かつ、リール21が特定の順番で停止された場合に特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われるときに、そのリール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が3桁の7セグメントに表示される場合となっている。
図4(b)の例では、3桁の7セグメントが「2・1・3」と表示され、三つのストップボタン5a〜5cを「中・左・右」の順に押下すれば良いことが示されている。
図4(c)の例では、3桁の7セグメントが「←・←・←」と矢印を表示しており、三つのストップボタン5a〜5cを左から右に、すなわち「右・中・左」の順(逆押し)に押下すれば良いことが示されている。
このようにストップボタン5の押下順を告知することにより、間接的に対応関係変更制御が行われることが告知され、かつ、ストップボタン5とリール21の対応関係が変更された状態において、特定の入賞配列が揃い易い停止順にリール21を停止させることができるようになる。
【0048】
ここで、対応関係変更告知部30bは、本実施形態では、告知内容を数字や矢印によって示す7セグメント表示手段によって構成してあるが、特にこのような表示手段のみに限定されるものではない。
すなわち、対応関係変更告知部30bは、直接に、また、ストップボタン5の押下順を表示することで間接的に、対応関係変更を告知できるものであれば、どのような構成の告知手段,演出手段等を採用することもできる。
例えば、上述した7セグメントの表示手段に代えて、動画等を表示する液晶表示手段やドットマトリックスLEDを備えることができ、このような表示手段に変更制御されたときの各ストップボタンとリールの対応関係を表示することで告知を行うことができる。
また、スロットマシン本体1に備えられるリール21と同様の回転体を備え、この回転体の表面に特定の表示やストップボタン5の押下順を示す数字や矢印等等を描いておき、例えば、スタートレバー4の操作により回転体を回転,停止させて対応関係変更告知を行うこともできる。
【0049】
なお、本実施形態では、対応関係変更告知部30bの表示とともに、上述したスピーカ9からの対応関係変更告知音が並行して発せられるようになっているが、これを表示のみ、又は音声のみとすることも勿論可能である。
また、対応関係変更告知部30bを介して行われるストップボタン5a〜5cの押下順の告知(図4(b)及び(c)参照)は、対応関係変更制御が行われない場合にも告知されるようにすることもできる。
さらに、表示や音以外の告知態様、例えば、振動や光,風等による告知を、単独で又は任意に組み合わせて採用することも可能である。
【0050】
[制御手段]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンを制御する制御手段10について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の制御手段10は、上述したスロットマシン本体1の各部を制御する制御手段であり、スロットマシンの遊技動作をプログラムに制御されて実行するCPUやメモリを備えたコンピュータにより構成されており、本実施形態では、制御部11及び記憶部12を備えている。
【0051】
制御部11は、メダル投入口(メダル検知部)6からのメダル信号及びメダルBETスイッチ7からのメダル信号を入力し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数及びメダルBETスイッチ7を用いて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、メダルBETスイッチ7からのメダル信号に基づき、記憶部12で記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに使用される(賭けられる)メダル数が決定されることになる。
また、制御部11は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cの回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
また、制御部11は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号より、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出し処理を行うようになっている。
【0052】
また、制御部11には内部当たり抽選部11aが備えられ、内部当たり抽選が行われるようになっている。
内部当たり抽選部11aでは、従来のスロットマシンの場合と同様、乱数発生装置と記憶部12に予め設定,記憶された抽選テーブルを用いて内部当たり抽選が行われるようになっている。
具体的には、内部当たりの抽選は、スロットマシン内部の図示しない乱数発生装置(ICカウンタ)と抽選テーブルを使用して行われている。乱数発生装置ではスタートレバーが押下された瞬間に任意の一の乱数が選択されることにより、選択された乱数が抽選テーブルの値と比較され、入賞内容が決定されるようになっている。
そして、この内部当たり抽選の結果に応じて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになり、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。
【0053】
すなわち、制御部11は、内部当たり抽選部11aの抽選結果に応じた所定の入賞配列にリール21を停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力し、ドラムユニット20では、この信号に基づいてリール21の停止位置を制御する。これにより、各リール21a〜21cは、ストップボタン5a〜5cが押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で、図柄が入賞内容に応じた所定の入賞配列となるように停止するようになる。
また、内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合には、制御部10は内部当たり告知部30aに信号出力し、ランプの点灯(点滅)等による内部当たり告知を行わせる。
なお、内部当たり抽選部11aで抽選,決定される入賞内容としては、一般に「ハズレ」,「小役(リプレイを含む)」,「レギュラー・ボーナス」,「ビッグ・ボーナス」等、数種類に分かれており、本実施形態でも、同様の入賞内容が抽選により決定されるようになっている。但し、この入賞の種類や具体的な内容は、スロットマシンの型や種類等に応じて設定されるようになっており、本実施形態に係るスロットマシンを実施するための特段の限定等はない。
【0054】
記憶部12は、制御手段10におけるスロットマシン各部の制御や遊技制御に必要な各種のデータを記憶,蓄積する記憶手段である。
具体的には、記憶部12は、入賞内容に応じたリールの図柄の配列や、内部当たり抽選部11aでの内部当たり抽選に用いられる抽選テーブル等を記憶するようになっている。
また、記憶部12は、上述したメダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)を記憶するようになっている。
さらに、本実施形態では、後述する対応関係変更制御部11bの決定に使用される乱数等を記憶するようになっている。
【0055】
そして、本実施形態の制御手段10は、制御部11に対応関係変更制御部11bが備えられている。
この対応関係変更制御部11bを備えることにより、制御部11は、所定のゲームにおいて、各ストップボタン5a〜5cと各リール21a〜21cの対応関係の全部又は一部を変更し、対応関係が変更されたストップボタン5からのストップ信号により、そのストップボタン5に対応するリールと異なる他のリールを停止させる「対応関係変更制御」が行えるようになっている。
具体的には、対応関係変更制御部11bでは、スタートレバー4からのスタート信号を入力することにより、当該ゲームにおいて対応関係変更制御を行うか否かを決定する。この対応関係変更制御を行うか否かの決定は、内部当たり抽選の場合と同様に、スロットマシン内に備えられる乱数発生装置及び抽選テーブル(図示せず)を用いて決定することができる。例えば、内部当たり抽選と共通の乱数発生装置を用いて抽選を行い、対応関係変更制御用の抽選テーブルによって変更制御を行うか否かを決定することができる。
なお、対応関係変更制御の抽選専用の乱数発生装置を備えることも可能である。
【0056】
そして、対応関係変更制御部11bでの決定の結果、対応関係変更制御が行われる場合には、各ストップボタン5a〜5cが押下操作されると、押下されたストップボタン5に対応するリール21とは異なる他のリール21が停止されるように停止制御されるようになる。
具体的には、制御部11は、対応関係変更制御が行われることが決定されたゲームについては、ストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力すると、各ストップ信号に対応するリールと異なるリールを停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力する。
ドラムユニット20では、このパルス信号に基づき、ストップボタン5a〜5cとの対応関係が変更されたリール21を停止させる。
また、対応関係変更制御が決定されると、制御部11は対応関係変更告知部30b(及びスピーカ9)に信号出力し、上述したような所定の態様により対応関係変更告知を行わせる(図4参照)。
【0057】
ここで、ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更は、内部当たり抽選部11aでの抽選の結果に応じて、対応関係の組合せを異ならせて行うことができる。
例えば、内部当たり抽選の結果「小役」に入賞した場合には、制御部11からの信号により各リール21とストップボタン5の対応関係が変更されて、ストップボタン(左)5aを押下するとリール(右)21cが停止し、ストップボタン(中)5bを押下するとリール(左)21aが停止し、ストップボタン(右)5cを押下するとリール(中)21bが停止するように制御する。この場合、遊技者が3個のリールを「左→中→右」の順に順押しすると、3個のリールは「右→左→中」の順に停止することになる。
【0058】
一方、内部当たり抽選の結果「ビッグ・ボーナス」に入賞し、そのボーナス・ゲームに突入した場合には、制御部11からの信号により各リール21とストップボタン5の対応関係が変更されて、ストップボタン(左)5aを押下するとリール(中)21bが停止し、ストップボタン(中)5bを押下するとリール(右)21cが停止し、ストップボタン(右)5cを押下するとリール(左)21aが停止するように制御する。この場合、遊技者がストップボタン5を「左→中→右」の順に順押しすると、リール21は「中→右→左」の順に停止することになる。
このようにして、ストップボタン5とリール21の対応関係を内部当たりの抽選結果等のゲーム内容に応じて変更制御することで、あるゲーム中に、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない別のリールが停止することになり、また他のゲーム中は、また別のリールが停止することになり、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
【0059】
また、このように内部当たりの種類に応じてストップボタン5とリール21の対応関係を異ならせることで、内部当たり抽選の結果を間接的に告知することになり、スロットマシンに新たな告知機能を持たせることができる。
なお、ストップボタン5とリール21の対応関係の変更は、すべての対応関係を変更する場合だけでなく、一部の対応関係のみを変更する場合であっても良い。
例えば、ストップボタン(左)5a及びリール(左)21aと、ストップボタン(中)5b及びリール(中)21bの対応関係は変更し、ストップボタン(右)5c及びリール(右)21cの対応関係は固定(不変更)とすることもできる。
【0060】
また、対応関係変更制御部11bにおける当該制御を行うか否かの決定方法は、特に限定されるものではなく、スタートレバー4の押下によりスタートされる1ゲームごとに毎回抽選,決定が行われる場合の他、数ゲームを一単位としてその可否が決定される場合であっても良い。すなわち、対応関係変更制御を行うか否かの決定を、少なくとも1ゲームごとに抽選等により選択的に決定できるものであれば、どのような方法,手段であっても良い。
従って、本実施形態では、制御部11の制御により、スロットマシンで行われる各ゲームごとに選択的に対応関係変更制御を行うようにすることができる。
ストップボタンとリールの対応関係を変化させるか否かを、ゲームごとに選択的に異ならせることで、ストップボタン変更制御が行われるか否かへの遊技者の期待感と、それが行われたときの満足感,達成感を更に高めることができるようになる。
【0061】
また、対応関係変更制御は、制御部11の制御により、複数回のゲームに亘って連続的に又は断続的に行うようにすることもできる。
対応関係変更制御を、ゲームが一定回数行われるまでの間、連続的又は断続的に実行させることで、その間のゲームを対応関係の変更制御が連続的に発生する、従来には存在しない新たな遊技状態として提供することができる。
そして、その一定回数のゲームの間は、例えばリールを特定の順番で停止させた場合には入賞図柄が揃い易くなるように制御することで、「対応関係変更制御」を遊技者に有利な遊技状態として提供することができる。
【0062】
さらに、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介した対応関係変更告知についても、各ゲームごとに選択的に告知を行わせることができる。
具体的には、制御部11からの信号を選択的に対応関係変更告知部30bやスピーカ9に出力することで、対応関係変更制御が行われる場合でも、それが告知されたりされなかったりするように制御することができる。
このようにすると、例えば、有利なリールの停止順に対応するストップボタンの押下順を告知することにより対応関係変更告知が行われる場合に、あるゲームでは告知を行い、あるゲームでは行わないように制御することができ、告知が行われる場合と行われない場合とで、遊技者にとってゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
【0063】
すなわち、ストップボタンの押下順が告知されるゲームでは、その押下順にストップボタンを操作することで所定の入賞図柄を容易に揃えることができ、メダル獲得数が多くなる。
一方、ストップボタンの押下順が告知されないゲームでは、どの押下順でストップボタンを操作すれば良いかが不明であるため、一定の確率でしか入賞図柄を揃えることができなくなり、メダル獲得数は少なくなる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、このようなハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができる。
【0064】
なお、以上説明した本実施形態に係るスロットマシンの構成は、上述した各部の他は、既存のスロットマシンにおける構成,機能とほぼ同様となっており、遊技方法,遊技システム等もほぼ同様である。
例えば、前面パネル2は、上述した構成の他、表示窓3の下側に各リールに対応したストップランプを備えることができ、このストップランプを順次点灯させることで、所定の入賞配列が揃い易いストップボタン5a〜5cの押下順を告知することができる。
従って、既存マシンと同様の部分については詳細な説明は省略する。
【0065】
[動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図5を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
まず、遊技者がメダル投入口6にメダルを投入することでゲームが開始される(図5に示すステップ501)。
ここで、投入されるメダルは、通常、入賞ライン(図1参照)に対応して1枚賭け,2枚賭け又は3枚賭けに割り当てられ、4枚以上のメダルが投入された場合、4枚以上のメダルは貯留メダルとして制御手段10の記憶部12に記憶される。従って、貯留メダルは、メダルBETスイッチ7によって2回目以降のゲームに使用されることになる(図3参照)。
【0066】
メダル投入後は、スタートレバー4が押下されることにより(ステップ502)、三つのリール21が一斉に回転を開始し、それと同時に、制御手段10の制御部11内の内部当たり抽選部11aにおいて内部当たりの抽選が行われる(ステップ503)。
そして、本実施形態では、内部当たりの抽選と同時に、制御部11内の対応関係変更制御部11bにおいて、対応関係変更制御を行うか否かの決定がなされる(ステップ504)。
対応関係変更制御を行うことが決定された場合には(ステップ504)、その対応関係変更制御が行われることの告知を行うか否かの決定がなされる(ステップ505)。
対応関係変更告知が行われる場合には、さらに、例えばストップボタン5a〜5cの押下順を告知する等によって変更される対応関係を告知するか、対応関係変更が行われることのみを告知するかが決定される(ステップ506)。
【0067】
この告知がストップボタン5a〜5cの押下順の告知(ストップボタンの対応告知)による場合には(ステップ507)、例えば、図4(b),(c)に示した態様により、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介して、ストップボタン5a〜5cの所定の押下順が告知される。
一方、対応関係変更制御が行われることのみを告知する場合は(ステップ508)、例えば、図4(a)に示したような態様により、対応関係変更告知部30bやスピーカ9を介して、対応関係変更制御が行われることが告知される。
また、ステップ505で対応関係変更告知を行わないと決定された場合には、上記のような告知は行われない。
なお、対応関係変更制御とは別に、内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞している場合には、例えばゲームのスタートと同時に、内部当たり告知部30aを介して所定の内部当たり告知が行われる。
【0068】
その後、遊技者によりストップボタン5a〜5cの三つのストップボタンが押下操作されると(ステップ509,511,513)、各ストップボタン5a〜5cについて対応変更されたリール21a〜21cが停止制御される対応関係変更制御が行われる(ステップ510,512,514)。なお、三つのストップボタンの押下順は遊技者の判断により任意に決定され、押下操作される。
そして、全リール21a〜21cが停止されると(ステップ515)、その停止図柄に応じた処理が行われる(ステップ516)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。
また、告知手段を介してストップボタン5a〜5cの所定の押下順が告知された場合には(ステップ507)、その押下順でストップボタン5a〜5cが操作されると(ステップ509,511,513)、所定の入賞配列が揃うようにリール21a〜21cが停止制御される(ステップ510,512,514)。
以上で1ゲームが終了することになり、以後は、通常のスロットマシン遊技と同様、遊技者の判断によりゲームの続行又は終了が選択され(ステップ517)、ゲームが続行される場合には、メダル(貯留メダルを含む)の投入により、2回目以降のゲームが開始される(ステップ501に戻る)。
【0069】
一方、ステップ504において、対応関係変更制御が行われないと決定された場合には、通常のスロットマシンと同様の遊技が行われることになる。すなわち、まず、遊技者のストップボタン5の押下操作により(ステップ518,520,522)、各ストップボタン5a〜5cと対応する本来のリール21a〜21cが停止制御され(ステップ519,521,523)、全リール21a〜21cが停止されると(ステップ515)、その停止図柄に応じた処理が行われる(ステップ516)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。
その後は、遊技者の判断によりゲームの続行又は終了が選択されることになる(ステップ517)。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシンによれば、3個のリール21a〜21cに対応するストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより該当するリールを停止制御する制御手段10が、内部当たり抽選の結果に応じて、各ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を変更させる対応関係変更制御を行うようにしてあり、あるゲームにおいては、あるストップボタンが押下されると、そのストップボタンに対応しない他のリールが停止されるように各リールが停止制御される。
このようにストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を、例えば内部当たりの抽選結果に応じて変更制御することで、あるゲーム中、あるストップボタンを押下すると、それに対応しない他のリールが停止することになって、遊技者に対して驚きや意外性を付与することができる。
【0071】
また、このようにストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係が変化するゲームでは、所謂「目押し」が役に立たないことになるので、どのような遊技レベルの遊技者でもストップボタン5a〜5cを無作為に操作することになる。その結果、初心者と熟練者との間での技術レベルの差がなくなり、誰でも一定の確率で入賞図柄を揃えられるようになって技術介入性を小さくすることができる。
また、このようなストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係の変更を、内部当たりの抽選結果に応じてその組合せ態様を変化させることにより、内部当たりの抽選結果を間接的に告知することができ、内部当たりに対する期待感や達成感を高めることもできる。
しかも、制御手段10においてリール21a〜21cの停止順によって所定の図柄配列が揃い易くなるよう停止制御される場合には、ストップボタン5a〜5cとリール21a〜21cの対応関係を予想することでゲームを有利に行うことができるようになり、リール21a〜21cの停止順を予想することによる新たな期待感や達成感を高めることもできるようになる。
【0072】
さらに、リール21a〜21cが特定の順番で停止させる場合にのみ特定の入賞図柄が揃い易くなるような停止制御を行う場合に、その有利な停止順に対応するストップボタン5a〜5cの押下順を告知することで、熟練者と初心者の間の技術格差を少なくすることができ、技術介入性を小さくして初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる。
特に、このような有利なリール21a〜21cの停止順に対応するストップボタン5a〜5cの押下順の告知を、あるゲームでは行い、あるゲームでは行わないようにすることができ、告知が行われる場合と行われない場合とでゲームが有利に行えるか否かの遊技状態を調整することができるようになる。
これによって、対応関係変更告知が行われてゲームが有利となる(メダル獲得数が多くなる)ハイパーモードと、対応関係変更告知が行われずゲームが有利とならないノーマルモードを設定することができ、ハイパーモードとノーマルモードをゲーム開始時等に抽選することで、一定の確率で遊技者に魅力的なハイパーモード遊技が発生する新たなスロットマシンを提供することができるようになる。
【0073】
以上、本発明のスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、内部当たり抽選の結果発生する遊技者に有利な遊技状態としてボーナス・ゲーム(BB又はRB)を示したが、内部当たり抽選により入賞し得る有利な遊技状態としてはボーナス・ゲームに限られるものではない。
本発明のスロットマシンは、ストップボタンとリールの対応関係が変更されるゲームが発生する限り、各ゲームで発生する有利な遊技状態は特に限定されものではなく、例えば、一定数のゲームの間リールの停止制御が解除される所謂「チャレンジタイム」や、小役の当たり表示が告知されて目押しで小役を止め易くする「アシストタイム」、リプレイ(再遊技)に入賞する確率が高くなる「リプレイタイム」等、どのような遊技状態が発生するスロットマシンであっても本発明の「対応関係変更制御」を適用することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスロットマシンによれば、複数のストップボタンとリールの対応関係をゲーム内容等に応じて変更させることにより、あるストップボタンからのストップ信号によって、そのストップボタンに対応しない他のリールを停止させることができる。
これにより、遊技者に驚きや意外性,新鮮さを与えることができ、また、遊技者はストップボタンとリールの対応関係を予想することで期待感や達成感を高めることができ、さらに、リールとストップボタンの対応関係を遊技者に適宜告知することで、遊技の技術介入性を調整することが可能となる。
従って、本発明によれば、初心者から熟練者まであらゆるレベルの遊技者にゲームを満喫させることができる、従来にはない期待感やスリル,満足感が得られる新たなスロットマシンを実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロットマシンの一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明のスロットマシンに備えられる対応関係変更告知部の一実施形態を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン本体
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御手段
11 制御部
11a 内部当たり抽選部
11b 対応関係変更制御部
12 記憶部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30a 内部当たり告知部
30b 対応関係変更告知部
Claims (8)
- スタート操作により回転駆動する複数のリールと、
この複数のリールに対応して設けられた複数のストップボタンと、
前記複数のストップボタンからのストップ信号を入力し、各ストップボタンに対応する各リールを停止させる制御手段と、を備えたスロットマシンであって、
前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係の全部又は一部を変更し、対応関係が変更されたストップボタンからのストップ信号により、当該ストップボタンに対応するリールと異なる他のリールを停止させる対応関係変更制御を行うことを特徴とするスロットマシン。 - 前記制御手段が、各ゲーム毎に抽選により前記対応関係変更制御を行う請求項1記載のスロットマシン。
- 前記スロットマシンにおいて内部当たり抽選処理が行われる場合に、
前記制御手段が、前記内部当たり抽選の結果に応じて、前記ストップボタンとリールの対応関係を異ならせて前記対応関係変更制御を行う請求項1又は2記載のスロットマシン。 - 前記制御手段が、複数回のゲームに亘って連続的に又は断続的に前記対応関係変更制御を行う請求項1,2又は3記載のスロットマシン。
- 前記制御手段からの信号を入力し、前記対応関係変更制御が行われることを告知する所定の対応関係変更告知を行う告知手段を備える請求項1,2,3又は4記載のスロットマシン。
- 前記告知手段が、前記対応関係変更制御において変更された前記複数の各ストップボタンと各リールの対応関係を告知することにより前記対応関係変更告知を行う請求項5記載のスロットマシン。
- 前記制御手段が、所定のゲームにおいて、前記複数のリールが特定の停止順で停止される場合に、当該複数のリールを所定の入賞配列に停止制御するとともに、
前記告知手段が、前記対応関係変更制御において、前記複数のリールを特定の停止順に停止させる各ストップボタンの押下順の全部又は一部を告知することにより前記対応関係変更告知を行う請求項5又は6記載のスロットマシン。 - 前記告知手段が、各ゲームごとに選択的に前記対応関係変更告知を行う請求項5,6又は7記載のスロットマシン。
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