JP2004146421A - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の色素増感型の光電変換素子に見られた光電変換効率と耐久性が両立しないという欠点を克服し、高い光電変換能と耐久性を有する色素増感光電変換素子及びこれを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】(1)導電性層、(2)該導電性層の上に設けられた感光層、(3)該感光層の上に設けられた電荷移動層、及び(4)該電荷移動層の上に設けられた対極導電性層を有する。電荷移動層は、例えば、(a)トリアリールアミン化合物、(b)LiSCN、及び(c)イミダゾリウムのヨウ化物塩を含み。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の組合せの化合物で構成された新規な電荷移動層を、色素で増感された半導体ナノ粒子と組合せて使用した光電変換素子、及びそれを使用する太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光発電として、単結晶シリコン太陽電池や、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象となっているが、普及の点では、製造コストや、原材料確保、エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必要がある。一方、大面積化や、低価格化を指向した有機材料を用いた太陽電池がこれまでにも多く提案されているが、変換効率が低く、耐久性も悪いなど問題があった。
近年、色素によって増感された半導体ナノ粒子を用いた光電変換素子及び太陽電池、並びにこれを作成するための材料及び製造技術が開示されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許4927721号明細書
【非特許文献1】
Nature 353:737〜740 (1991)
【0004】
提案された素子を使用する電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の第一の利点は、二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の利点は、用いられる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全波長領域の光を電気に変換できることである。
しかしながら、この素子は、対極との電気的接続を電解質溶液によって行う湿式太陽電池であるため、長期にわたって使用すると、液漏れを生じたり、電解液の枯渇により光電変換効率が著しく低下したり、素子として機能しなくなることが懸念されている。
一方、湿式太陽電池における経時での電解液の枯渇を防ぐため、CuIやCuSCNなど無機正孔輸送材料を用いて固体化した光電変換素子が提案されている(例えば、非特許文献2及び3)。
【0005】
【非特許文献2】
J. Phys. D: Appl.Phys. 31:1492−1496 (1998)
【非特許文献3】
Chem. Mater. 10:1501−1509 (1998)
【0006】
また、いくつかのイミダゾリウム塩のようなイオン性液体が、不燃性、高導電性、低粘度、熱安定性等の観点から、室温溶融塩として注目を集めている(例えば、非特許文献4〜9)。
【0007】
【非特許文献4】
Science 297:983〜987(2002)
【非特許文献5】
Journal of Fluorine Chemistry 105:221−227 (2000)
【非特許文献6】
Chemistry Letters p.26−27 (2001)
【非特許文献7】
Chem. Commun., 2001, 1466−1467
【非特許文献8】
Chem. Commun., 2002, 1726−1727
【非特許文献9】
Chem. Commun., 2002, 374−375
【0008】
非特許文献4は、ポリアニリンや、ポリピロール、ポリチオフェン等のπ−共役ポリマーに、イミダゾリウム塩を組合せた電気化学装置について開示している。しかしながら、高分子量の正孔輸送物質は、低分子量のものに比べて、キャリヤ移動度が小さい等の問題がある。
一方、非特許文献5〜9には、室温で溶融状態の塩又はイオン性液体(以下、室温溶融塩と言う)として、各種のイミダゾリウム塩と、各種アニオンとの組合せが開示されている。しかしながら、これらの文献は、室温溶融塩の特性を検討するにとどまり、特定の正孔輸送物質と組合せた場合の具体的な作用効果までは開示していない。従来の正孔輸送物質に単にこれらの室温溶融塩を組合せただけでは、太陽電池に使用される電荷移動層用の材料として、従来の光電変換素子に比べて、光電子変換効率(light to electron conversion efficiency)を有意に改善していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の湿式の光電変換素子に比べて耐久性が向上し、更に、従来の固相光電変換素子に比べて、非常に優れた光電子変換効率を提供できる色素増感型光電変換素子、及びこれを用いた太陽電池を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討した結果、以下の構成により、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、(1)導電性層、(2)該導電性層の上に設けられた感光層、(3)該感光層の上に設けられた電荷移動層、及び(4)該電荷移動層の上に設けられた対極導電性層を有する光電変換素子であって、
前記感光層が、色素を吸着した半導体ナノ粒子を含み、かつ該ナノ粒子間が、電荷移動層の材料によって充填されており、
前記電荷移動層が、以下の成分、
(a)次式(I)で示される窒素含有有機電荷移動剤、
【0011】
【化22】
Figure 2004146421
【0012】
(式中、R及びRは、独立に、アルキル基又はアリール基であり、R及びRの少なくとも一方は、アリール基であり、Arは、アリール基である。)、
(b)MSCN
(式中、Mは、アルカリ金属又はアンモニウムイオンである)
で示されるチオシアン酸塩、及び
(c)次式で示されるイミダゾリウム塩、
【0013】
【化23】
Figure 2004146421
【0014】
(R’〜R’は、独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、プロピレン基、ペンチル基及びベンジル基からなる群から選ばれる基であり、Xは、CFSO 、(CFSO、(CFSO)(CFCO)N、I、BF 、PF 、CFCOO、CFCFCFCOO、CFCFCFCFSO 、(HF)2.3及び(NC)からなる群から選ばれるアニオンである。)
からなることを特徴とする光電変換素子、及びこの光電変換素子を使用する太陽電池に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、好ましい実施の態様に関する図面を参照しながら、詳細に説明する。
本発明の光電変換素子は、電極間に、色素増感された半導体ナノ粒子からなる感光層と、特定の電荷移動材料からなる電荷移動層とを有するものであり、好ましい典型的な構造は、例えば、図1に記載されている。
図1には、下から、基板2上に設けられた導電性層7と、色素6が吸着された半導体ナノ粒子5からなる感光層4と、電荷移動層9と、対極導電性層8と、基板2とから構成されており、感光層4において、半導体ナノ粒子5間には、電荷移動層の材料が充填されている。
【0016】
上記光電変換素子において、色素6により増感された半導体ナノ粒子5を含む感光層4に入射した光は、色素6を励起し、励起された色素6中の高エネルギーの電子が半導体ナノ粒子5の伝導帯に渡され、更に拡散により導電性層7に到達する。このとき色素6の分子は酸化体となっている。太陽電池においては、導電性層7中の電子が外部回路で仕事をしながら、対極導電性層8及び電荷移動層9を経て色素6の酸化体に戻り、色素6が再生する。感光層4は、負極として働く。それぞれの層の境界(例えば、導電性層7と感光層4との境界、感光層4と電荷移動層9との境界、電荷移動層9と対極導電性層8との境界等)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。
以下各層について詳細に説明する。
【0017】
電荷移動層
本発明における電荷移動層は、色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極導電性層に輸送する機能を担う層である。
本発明の電荷移動層は、(a)次式(I)で示される窒素含有有機電荷移動剤、
【0018】
【化24】
Figure 2004146421
【0019】
(式中、R及びRは、独立に、アルキル基又はアリール基であり、R及びRの少なくとも一方は、アリール基であり、Arは、アリール基である。)、
(b)MSCN
(式中、Mは、アルカリ金属又はアンモニウム塩である)
で示されるチオシアン酸塩、及び
(c)次式で示されるイミダゾリウム塩、
【0020】
【化25】
Figure 2004146421
【0021】
(R’〜R’は、独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、プロペニル基及びベンジル基からなる群から選ばれる基であり、Xは、CFSO 、(CFSO、(CFSO)(CFCO)N、I、BF 、PF 、CFCOO、CFCFCFCOO、CFCFCFCFSO 、(HF)2.3及び(NC)からなる群から選ばれるアニオンである。)
から構成されている。
【0022】
(1)窒素含有有機電荷移動剤
窒素含有有機電荷移動剤を規定する上記式(I)において、各置換基は、以下の意味を有する。
アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜12個、好ましくは、1〜8個のアルキル基を好適に挙げることができる。アルキル基としては、特に、低級アルキル基を好適に挙げることができる。低級アルキル基としては、1〜8個、好ましくは、1〜6個、更に好ましくは、1〜4個の炭素数を有するアルキル基を好適に挙げることができる。具体的には、低級アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はペンチル基等のアルキル基が好適に挙げられる。
なお、アルキル基には、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、任意の置換基を有することができる。このような置換基としは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)や、アルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基等が含まれる。
【0023】
アリール基としては、フェニル基や、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、ナフタセニル基、ベンゾアントリル基、インデニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基等が好適に挙げられる。アリール基には、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、又は更に、電荷移動効果を向上するために、例えば、次式(a−1)又は(a−2)で示される基、
【0024】
【化26】
Figure 2004146421
【0025】
又は
【0026】
【化27】
Figure 2004146421
(式中、Ar’及びAr’は、アリール基である。)
で置換されていることが好ましい。また、アリール基の範囲は、上記アリール基の場合と同様の範囲であり、このようなアリール基には、更に、任意の置換基を有することができる。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)や、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基等が含まれる。
前記式(I)で示される窒素含有有機電荷移動剤としては、以下の式のいずれかの式で示される窒素含有有機電荷移動剤を好適に挙げることができる。
【0027】
【化28】
Figure 2004146421
(式中、Ar、Ar及びArは、アリール基を示す。)
【0028】
【化29】
Figure 2004146421
【0029】
(式中、Ar、Ar、Ar及びAr10は、アリール基を示し、Ar及びArは、アリーレン基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数5〜8の環状アルキレン基、又はアリーレン基を示す。)
【0030】
【化30】
Figure 2004146421
【0031】
(式中、Ar11、Ar12、Ar14、Ar16及びAr17は、アリール基を示し、Ar13及びAr15は、アリーレン基を示し、そして、nは、1〜6の整数を示す。)
【0032】
【化31】
Figure 2004146421
【0033】
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基であり、Ar18、Ar20及びAr21は、アリール基を示し、Ar19は、アリーレン基を示す。)
【0034】
【化32】
Figure 2004146421
【0035】
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基であり、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25及びAr26は、アリール基を示し、Ar27は、3価のアリール基を示す。)
【0036】
【化33】
Figure 2004146421
(式中、R及びRは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Ar28、Ar29、Ar30は、アリール基を示し、Ar31は、アリーレン基を示す。)
【化34】
Figure 2004146421
(式中、R〜Rは、独立に、アルキル基又はアリール基であり、R及びRの少なくとも一方は、アリール基であり、Ar32は、アリーレン基であり、Ar33及びAr34は、アリール基である。)
【0037】
上記式中において、炭素数1〜12のアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の好ましい炭素数は、1〜8個である。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基や、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が好適に挙げられる。
アルキレン基には、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、任意の置換基を有することができる。このような置換基としは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)や、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基等が含まれる。
炭素数5〜8の環状アルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基や、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が好適に挙げられる。このような環状アルキレン基には、必要に応じて、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、任意の置換基を有することができる。このような置換基としは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)や、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基等が含まれる。
【0038】
アリーレン基は、上記アリール基に由来する2価の芳香族炭化水素基である。アリーレン基には、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、任意の置換基を有することができる。このような置換基としは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)や、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基等が含まれる。
3価の芳香族炭化水素基の範囲も同様である。
上記式(I−1)で示される化合物は、以下の化合物の群から選択されることが好適である。
【0039】
【化35】
Figure 2004146421
【0040】
(式中、R、R及びRは、独立に、アルキル基、又は以下の置換基から選択される。)
又は
【0041】
【化36】
Figure 2004146421
【0042】
(式中、R〜R10は、独立に、アルキル基、又は以下の置換基から選択される。)
【0043】
【化37】
Figure 2004146421
【0044】
【化38】
Figure 2004146421
【0045】
【化39】
Figure 2004146421
【0046】
【化40】
Figure 2004146421
【0047】
上記式(I−1)で示される具体的な化合物として、例えば、以下の化合物が好適に挙げられる。
【0048】
【化41】
Figure 2004146421
Figure 2004146421
【0049】
【化42】
Figure 2004146421
Figure 2004146421
【0050】
次式(I−1−1)において、Rが水素原子であり、かつR及びRが、上記式(b−2)である化合物(TPA−DP)、
次式(I−1−1)において、R、R及びRが、全て、上記式(b−2)である化合物(TPA−TP)、
次式(I−1−1)において、R、R及びRが、全て、上記式(b−3)である化合物(TPA−Tα)、
次式(I−1−1)において、R、R及びRが、全て、上記式(b−4)である化合物(TPA−Tβ)、
次式(I−1−1)において、R及びRが水素原子であり、かつRが上記式(b−3)である化合物(TPA−Sα)、
次式(I−1−1)において、R及びRが水素原子であり、かつRが、上記式(b−4)である化合物(TPA−Sβ)等が好適に挙げられる。
これらの化合物は、有機EL材料として公知の化合物であり、例えば、特許文献2に開示されており、又はその開示された方法に準じて製造することができる。
【0051】
【特許文献2】
特開2001−40345号公報
式(I−2)で示される化合物は、以下の式(I−2−1)で示される化合物の群から選択されることが好適である。
【0052】
【化43】
Figure 2004146421
【0053】
(式中、R11及びR12は、水素原子又はアルキル基であり、R13及びR14は、以下の式で示される基である。)
【化44】
Figure 2004146421
【0054】
上記式(I−2)で示される具体的な化合物として、例えば、以下の化合物が好適に挙げられる。
【0055】
【化45】
Figure 2004146421
【0056】
及び、上記式(I−2−1)において、R11及びR12が水素原子でありかつR13及びR14が、上記式(c−1)である化合物(DTPB)等が好適に挙げられる。
これらの化合物は、電子写真用の有機電導性材料として公知の化合物であり、例えば、特許文献3に開示されており、又はその開示された方法に準じて製造することができる。
【0057】
【特許文献3】
特開平3−5444号公報
式(I−3)で示される化合物は、例えば、電子写真用の有機電導性材料として公知の化合物であり、このような化合物としては、特許文献4に開示されている化合物を好適に挙げることができ、そこに開示されている方法又はそれに準じる方法によって製造することができる。
【特許文献4】
特開平8−3122号公報
例えば、以下の化合物を挙げることができる。
【0058】
【化46】
Figure 2004146421
【0059】
【化47】
Figure 2004146421
【0060】
【化48】
Figure 2004146421
【0061】
【化49】
Figure 2004146421
【0062】
【化50】
Figure 2004146421
【0063】
式(I−4)で示される化合物は、例えば、電荷移動材料として公知の化合物であり、このような化合物として、特許文献5に開示されている化合物を好適に挙げることができ、そこに開示されている方法又はそれに準じる方法によって製造することができる。
【0064】
【特許文献5】
特開平3−3122号公報
式(I−4)で示されるこのような化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
【0065】
【化51】
Figure 2004146421
【0066】
式(I−5)で示される化合物は、例えば、有機EL材料として、公知の化合物であり、このような化合物として、例えば、特許文献6に開示されている化合物を好適に挙げることができ、そこに開示されている方法又はそれに準じる方法によって製造することができる。
【0067】
【特許文献6】
特開平7−97355号公報
式(I−5)で示されるこのような化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
【0068】
【化52】
Figure 2004146421
【0069】
式(I−6)で示される化合物は、例えば、電荷移動材料として公知の化合物であり、このような化合物としては、特許文献7に開示されている化合物を好適に挙げることができ、そこに開示されている方法又はそれに準じる方法によって製造することができる。
このような式(I−6)で示される化合物としては、例えば、以下の化合物を好適に挙げることができる。
【0070】
特開平8−3122号公報
以下の化合物を挙げることができる。
【0071】
【化53】
Figure 2004146421
Figure 2004146421
Figure 2004146421
【0072】
上記式(I−7)で示される化合物としては、以下の化合物の群から選択されるとが好適である。
【0073】
【化54】
Figure 2004146421
【0074】
(式中、R15は、アルキル基であり、R16及びR17は独立に、以下の式で示される基である。)
【0075】
【化55】
Figure 2004146421
【0076】
【化56】
Figure 2004146421
【0077】
【化57】
Figure 2004146421
【0078】
【化58】
Figure 2004146421
【0079】
式(I−7)で示される化合物は、例えば、有機系光導電性材料として、公知の化合物であり、このような化合物として、例えば、特許文献8に開示されている化合物を好適に挙げることができ、そこに開示されている方法又はそれに準じる方法によって製造することができる。
【0080】
【特許文献8】
特公平8−23705号公報
式(I−7)で示されるこのような化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
【0081】
【化59】
Figure 2004146421
【0082】
次式(I−7−1)において、Xが水素原子であり、かつYが上記式(b−2)である化合物(Ca−SP)、
次式(I−7−1)において、Xが水素原子であり、かつYが上記式(b−3)である化合物(Ca−Sα)、
次式(I−7−1)において、Xが水素原子であり、かつYが上記式(b−4)である化合物(Ca−Sβ)、
次式(I−7−1)において、X及びYが上記式(b−3)である化合物(Ca−Dα)、
次式(I−1−1)において、X及びYが上記式(b−4)である化合物(Ca−Dβ)
【0083】
(2)イミダゾリウム塩
本発明において、電荷移動層に使用されるイミダゾリウム塩は、以下の式(II)で示される化合物である。この化合物は、室温から作用温度領域において、流動性のない固体又は固体状の化合物である。この化合物が、上記窒素含有有機電荷移動剤と混合されると、窒素含有有機電荷移動剤の結晶化が阻害され、低温においても、無定形の状態で保持される。
【0084】
【化60】
Figure 2004146421
【0085】
(R’〜R’は、独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、プロペニル及びベンジル基からなる群から選ばれる基であり、Xは、CFSO 、(CFSO、(CFSO)(CFCO)N、I、BF 、PF 、CFCOO、CFCFCFCOO、CFCFCFCFSO 、(HF)2.3及び(NC)からなる群から選ばれるアニオンである。)
ここで、R’〜R’としての炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい。アルキル基としては、好ましくは、低級アルキル基を好適に挙げることができる。低級アルキル基としては、例えば、1〜8個、好ましくは、1〜5個、更に好ましくは、1〜3個の炭素数を有するアルキル基を好適に挙げることができる。具体的には、低級アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はペンチル基等が好適に挙げられる。
【0086】
特に、R’は、好ましくは、3〜8個、更に好ましくは、5〜8個の炭素数を有するアルキル基を好適に挙げることができる。特に、分岐鎖状のアルキル基よりも直鎖状のアルキル基を有するものがより好適である。
R’については、好ましくは1〜5個、更に好ましくは、1〜2個の炭素数を有するアルキル基、具体的には、メチル基やエチル基を好適に挙げることができる。特に、水素原子も好適に挙げられる。
更に、R’については、低級アルキル基を好適に挙げることができる。低級アルキル基としては、例えば、1〜8個、好ましくは、1〜5個、更に好ましは、1〜3個の炭素数を有するアルキル基を好適に挙げることができる。具体的には、低級アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が好適に挙げられる。
【0087】
CFSO 、(CFSO、(CFSO)(CFCO)N、I、BF 、PF 、CFCOO、CFCFCFCOO、CFCFCFCFSO 、(HF)2.3、(NC)等のアニオンは、イミダゾリウムカチオンと組合わされるアニオンとして公知であり、例えば、上記非特許文献4〜9等に記載されている。なお、(HF)2.3(フッ酸アニオン)は、例えば、非特許文献6に記載されており、一般に、(HF)と(HF)とが、7:3の割合で混合した状態と考えられる。
本発明で使用されるイミダゾリウム塩は、上記非特許文献等に記載された方法又はそれに準じた方法に従って、当業者であれば容易に調製することができる。
イミダゾリウム塩は、窒素含有有機電荷移動剤の質量に対して、一般に、25〜125質量%、好ましくは、50〜125質量%、更に好ましくは、75〜100質量%の量で使用される。
【0088】
(3)MSCN
本発明の電荷移動層は、アクセプタードーピングを行って、キャリヤ濃度や導電率を大幅に向上させることができる。特に、本発明においては、ドーパントとして、特定のチオシアン酸塩を使用することによって、従来の固相光電変換素子に比べて、非常に優れた光電子変換効率を提供できる色素増感型光電変換素子が得られる。本発明においては、上記窒素含有有機電荷移動剤と、上記イミダゾリウム塩と、以下で説明するチオシアン酸塩とを組合せることによって、従来の色素増感半導体ナノ粒子を用いた光電変換素子に較べて優れた光電子変換効率が得られる。
本発明で使用されるチオシアン酸塩は、MSCN(式中、Mは、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンである。)で示される。
チオシアン酸塩で使用されるアルカリ金属イオンは、アルカリ金属から由来する金属イオンであり、例えば、リチウムイオンや、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が好適に使用される。
チオシアン酸塩で使用されるアンモニウムイオンは、以下の式(III)で示されるイオンであることが適当である。
【0089】
【化61】
Figure 2004146421
(式中、R’’〜R’’は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基である。)
上記式において、アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい。アルキル基としては、特に、低級アルキル基を好適に挙げることができる。低級アルキル基としては、1〜8個、好ましくは、1〜5個、更に好ましくは、1〜3個の炭素数を有するアルキル基を好適に挙げることができる。具体的には、低級アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はペンチル基等のアルキル基が好適に挙げられる。なお、アルキル基には、窒素含有有機電荷移動剤としての作用に大きく影響しない限り、任意の置換基を有することができる。このような置換基としは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)アルコキシ基、例えば、メトキシ基や、エトキシ基等の低級アルコキシ基等が含まれる。
チオシアン酸塩は、窒素含有有機電荷移動剤の質量に対して、一般に、1〜20質量%、好ましくは、3〜15質量%、更に好ましくは、4〜8質量%の量で使用される。
【0090】
本発明の電荷移動層の膜厚は、色素を吸着した半導体ナノ粒子層と対極の間の厚さとして、例えば、0.005から100μmであり、好ましくは、0.01から50μmである。
本発明の電荷移動層は、例えば、次の3方式のいずれかによって形成することができる。
(形成法1)同時形成法
窒素含有有機電荷移動剤及びイミダゾリウム塩を含む溶液又は分散液を感光層の上に塗布することによって形成する。この際、感光層中の色素吸着半導体ナノ粒子間を充填する。
(形成法2) 窒素含有有機電荷移動剤/イミダゾリウム塩逐次形成法
窒素含有有機電荷移動剤を感光層の上に予め堆積させた後、イミダゾリウム塩をオーバーコートして形成する。
(形成法3)イミダゾリウム塩/窒素含有有機電荷移動剤逐次形成法
感光層の上にイミダゾリウム塩を堆積させた後に、窒素含有有機電荷移動剤の層をその上に形成させる。
【0091】
形成法1は、塗布法を用いて行うことができる。塗布法によって電荷移動層を形成する場合、必要に応じて正孔をトラップしにくいバインダー樹脂や、レベリング剤、界面活性剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加した塗布液を調整し、スピンコート法や、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは、米国特許第2681294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等の方法により塗布して電荷移動層を形成することができる。塗布に好ましく用いられる溶媒又は分散媒としては、例えば、アセトニトリルや、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ピリジン等が好適に挙げられる。この中でも、アセトニトリルが特に好ましい。また、本発明では、塗布の際、感光層を有する導電性層を加熱することが好ましい。塗布時の好ましい基板温度は15〜200℃であり、更に好ましくは40〜150℃である。
【0092】
形成法2における窒素含有有機電荷移動剤層は、真空蒸着法や、スパッタリング法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解メッキ法を用いて形成することができる。真空蒸着法により窒素含有有機電荷移動剤層を形成する場合、感光層を設けた電極基板上に、一般にボート加熱温度50〜400℃、真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/sec、基板温度−50〜+300℃、膜厚5nm〜20μmの範囲で蒸着条件を適宜選択し、蒸着することができる。形成法2におけるイミダゾリウム塩のオーバーコートは、好ましくは、形成法1に記載された塗布法を用いて行われる。
【0093】
形成法3におけるイミダゾリウム塩の堆積は、好ましくは、キャスト法や、スピンコート法、浸漬法等を用いて行われる。また、その後の窒素含有有機電荷移動剤層の形成は真空蒸着法、スパッタリング法や、キャスト法、塗布法を用いて行うことができる。形成法2及び形成法3において、イミダゾリウム塩と窒素含有有機電荷移動剤は、それぞれが分離し、積層した層構造を形成してもよいし、相互に貫入して一層化した層構造をとってもよい。
【0094】
導電性層
導電性層は、(1)導電性層の単層であってもよく、又は(2)基板上に設けられた導電性層(2層構造)(以下、「導電性支持体」とも言う)からなるものであってもよい。強度や密封性が十分に保たれるような導電性層を使用すれば、基板は必ずしも必要でない。
(1)の場合、導電性層として金属のように十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いることができる。
(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導電性層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤としては、金属(例えば、白金や、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)や、炭素、又は導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電性層の厚さは、例えば、0.02〜10μm程度が好ましい。
【0095】
導電性支持体は、表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、更に好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは、光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が特に好ましい。
透明な導電性支持体としては、ガラスや、プラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電性層を塗布又は蒸着等により形成したものが好ましい。なかでも、フッ素をドーピングした二酸化スズからなる導電性層を低コストのソーダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好ましい。また、低コストでフレキシブルな光電変換素子又は太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電性層を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルムの材料としては、例えば、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗布量は、ガラス又はプラスチックの支持体1m当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0096】
透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は、白金、アルミニウムや、銅、銀、金、ニッケル等の金属が好ましい。金属リードは、透明基板に蒸着や、スパッタリング等で設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、又はITO膜からなる透明導電性層を設けるのが好ましい。また、透明導電性層を透明基板に設けた後、透明導電性層上に金属リードを設置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0097】
感光層
上記導電性層本発明の感光層においては、半導体ナノ粒子は、いわゆる感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感された半導体ナノ粒子では、光吸収及びこれによる電子及び正孔の発生は、主として色素において起こり、半導体ナノ粒子はこの電子を受け取り、伝達する役割を担う。
半導体ナノ粒子としては、例えば、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物や、硫化物、セレン化物等)、又はペロブスカイト構造を有する化合物(例えば、チタン酸ストロンチウムや、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタンや、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、又はタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン又はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
本発明に用いる半導体ナノ粒子の好ましい具体例は、TiO、ZnO、SnO、WO、Nb、等であり、より好ましくは、TiO、ZnO、SnO、Nb等であり、特に好ましくはTiO、ZnO、SnO等であり、最も好ましくはTiOである。
本発明に用いる半導体ナノ粒子は、単結晶でも多結晶でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、製造コストや、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましい。
半導体ナノ粒子の粒径は、一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径は、5〜200nmであるのが好ましく、8〜100nmがより好ましい。粒径分布の異なる2種類以上のナノ粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば、300nm程度の半導体粒子を混合してもよい。
半導体ナノ粒子の調製法としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻第9号、1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。また、Degussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0098】
半導体ナノ粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル−ゲル法や、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、更に清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。更に、ゾル−ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー、第80巻第12号3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーンサイドらのケミカル・マテリアルズ、第10巻第9号2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
半導体ナノ粒子層を導電性支持体上に塗布するには、半導体ナノ粒子の分散液又はコロイド溶液を導電性層の上に塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半導体ナノ粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法が代表的である。
半導体ナノ粒子の分散液を作製する方法としては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法等が挙げられる。
分散媒としては、水や、各種の有機溶媒(例えば、メタノールや、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて、例えば、ポリエチレングリコールのようなポリマーや、界面活性剤、酸、又はキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、剥がれにくい膜を形成したり、分散液の粘度が調節可能となるので、ポリエチレングリコールを添加することは好ましい。
【0099】
塗布方法としては、アプリケーション系として、ローラ法や、ディップ法等、メータリング系として、エアーナイフ法や、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
半導体ナノ粒子の分散液の粘度は、半導体ナノ粒子の種類や、分散性、使用溶媒種、界面活性剤や、バインダー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例えば、0.01〜500Poise)では、エクストルージョン法や、キャスト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また、低粘度液(例えば、0.1Poise以下)では、スライドホッパー法や、ワイヤーバー法、スピン法等が好ましく、均一な膜にすることが可能である。なお、ある程度の塗布量があれば、低粘度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよい。
【0100】
半導体ナノ粒子の層は単層に限らず、粒径の違った半導体ナノ粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる半導体ナノ粒子(あるいは異なるバインダー、添加剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもできる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクストルージョン法又はスライドホッパー法が適している。また、多層塗布をする場合は、同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。更に順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用できる。
一般に半導体ナノ粒子層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。従って、半導体ナノ粒子層の好ましい厚さは、0.1〜100μmである。太陽電池に用いる場合、半導体ナノ粒子層の厚さは、1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体ナノ粒子の支持体1m当たり塗布量は0.5〜400gが好ましく、5〜100gがより好ましい。
【0101】
半導体ナノ粒子を導電性支持体上に塗布した後で、半導体ナノ粒子同士を電子的に接触させるとともに、塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために、加熱処理してもよい。好ましい加熱温度の範囲は、40〜700℃であり、より好ましくは、100〜600℃である。また、加熱時間は、例えば、10分〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点からもできる限り低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以下の小さい半導体ナノ粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱処理等により可能となる。
【0102】
加熱処理後半導体ナノ粒子の表面積を増大させたり、半導体ナノ粒子近傍の純度を高め、色素から半導体ナノ粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
半導体ナノ粒子は、多くの色素を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。このため半導体ナノ粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、更に100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0103】
感光層に使用する色素は、金属錯体色素や、フタロシアニン系の色素、メチン色素等が好ましい。光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。色素は、半導体ナノ粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を有しているのが好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、SOH基、シアノ基、−P(O)(OH)基、−OP(O)(OH)基、又はオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレート及びα−ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基や、−P(O)(OH)基、−OP(O)(OH)基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよい。また、ポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0104】
本発明においては、感光層に用いる色素としては、金属錯体色素が好ましく、具体的には、金属原子はルテニウムRuである金属錯体色素が好ましい。
このような金属錯体色素としては、例えば、特開2001−230434号公報や、米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7−249790号、特表平10−504512号、WO98/50393号等に記載の錯体色素が好適に挙げられる。
本発明で用いるルテニウム錯体色素は、例えば、特開2001−230434号公報に記載されているように、下記一般式(IV)、
(ARu(D−a)(D−b)(D−c) ・・・(IV)
により表されるものが好ましい。
一般式(IV)中、Aは、Cl、SCN、HO、Br、I、CN、NCO及びSeCNからなる群から選ばれる配位子を表し、pは、0〜3の整数である。D−a、D−b及びD−cは,それぞれ独立に,下記式D−1〜D−8により示される化合物から選ばれる有機配位子を示す。
【0105】
【化62】
Figure 2004146421
【0106】
ただし、式中、Raは、水素原子又は置換基を示す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子や、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、カルボン酸基、リン酸基等が挙げられる。アルキル基及びアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状でも分岐状でもよく、またアリール基及びアラルキル基のアリール部分は、単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。
D−a、D−b及びD−cは、同一でも異なっていても良い。
金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0107】
表1
Figure 2004146421
【0108】
【化63】
Figure 2004146421
【0109】
本発明で色素として使用できるメチン色素は、例えば、特開平11−35836号、特開平11−158395号、特開平11−163378号、特開平11−214730号、特開平11−214731号、欧州特許892411号及び同911841号の各明細書に記載の色素である。これらの色素の合成法については、エフ・エム・ハーマー(F. M. Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D. M. Sturmer)著「ヘテロ素サイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・複素 サイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,part B,1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、英国特許第1,077,611号、Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal, 第40巻、第3号、253〜258頁、Dyes and Pigments、 第21巻、227〜234頁及びこれらの文献に引用された文献になどに記載されている。
【0110】
半導体ナノ粒子への色素の吸着させるには、色素の溶液中に良く乾燥した半導体ナノ粒子層を有する導電性支持体を浸漬するか、色素の溶液を半導体ナノ粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者の場合、浸漬法や、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。なお、浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7−249790号に記載されているように加熱還流して行ってもよい。また、後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法や、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等があり、印刷方法としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷等がある。溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0111】
色素の溶液の粘度についても、半導体ナノ粒子の層の形成時と同様に、高粘度液(例えば、0.01〜500Poise)では、エクストルージョン法の他に各種印刷法が適当であり、また低粘度液(例えば、0.1Poise以下)では、スライドホッパー法、ワイヤーバー法又はスピン法が適当であり、いずれも均一な膜にすることが可能である。
このように色素の塗布液の粘度、塗布量、導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素の吸着方法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
未吸着の色素の存在は、素子性能の外乱になるため、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好ましい。また、色素の吸着量を増大させるため、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体ナノ粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。
【0112】
色素の全使用量は、導電性支持体の単位表面積(1m)当たり、0.01〜100mmolが好ましい。また、色素の半導体ナノ粒子に対する吸着量は、半導体ナノ粒子1g当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような色素の吸着量とすることにより、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると、増感効果が不十分となり、また色素が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。
会合のような色素同士の相互作用を低減する目的で、無色の化合物を半導体ナノ粒子に共吸着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としては、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えば、ケノデオキシコール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用することもできる。
余分な色素の除去を促進する目的で、色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体ナノ粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては、ピリジンや、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0113】
対極導電性層
対極導電性層は、光電変換素子を太陽電池としたとき、太陽電池の正極として作用するものである。対極導電性層は、上記導電性層と同様に、導電性材料からなる対極導電性層の単層構造でもよいし、対極導電性層と基板とから構成されていてもよい。対極導電性層に用いる導電材としては、金属(例えば、白金や、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、又は導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。この中でも白金や、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極導電性層として好ましく使用することができる。対極導電性層の好ましい基板の例は、ガラスや、プラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布又は蒸着して用いる。
対極導電性層の厚さは特に制限されないが、例えば、3nm〜10μmが好ましい。対極導電性層が金属製である場合は、その厚さは、好ましくは、5μm以下であり、更に好ましくは、5nm〜3μmの範囲である。対極導電性層の表面抵抗は、低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては、80Ω/□以下であり、更に好ましくは、20Ω/□以下である。
【0114】
基板と対極導電性層のいずれか一方又は両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するためには、基板と対極導電性層の少なくとも一方が実質的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、基板を透明にして、光を基側から入射させるのが好ましい。この場合、対極導電性層は光を反射する性質を有するのが好ましい。このような対極導電性層としては、金属又は導電性の酸化物を蒸着したガラス又はプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
対極導電性層は、電荷移動層上に直接導電材を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電性層を有する基板の導電性層側を貼り付ければよい。また、導電性支持体の場合と同様に、特に対極導電性層が透明の場合には、対極導電性層の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質及び設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は、上記一般式導電性支持体の場合と同じである。
【0115】
その他の層
本発明では、対極導電性層と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として塗設しておくことが好ましい。下塗り層として好ましいのは、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nbであり、更に好ましくはTiO2である。下塗り層は、Electrochimi. Acta 40, 643−652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法により塗設することができる。下塗り層の好ましい膜厚は、例えば、5〜1000nm以下であり、10〜500nmが更に好ましい。
また、電極として作用する導電性支持体及び対極導電性層の一方又は両方に、保護層や、反射防止層等の機能性層を設けても良い。このような機能性層を多層に形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用できるが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。同時多層塗布法では、生産性及び塗膜の均一性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が適している。これらの機能性層の形成には、その材質に応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0116】
光電変換素子の内部構造の具体例
上述のように、光電変換素子の内部構造は、目的に合わせ様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可能である。図1には、本発明に好ましく適用できる、太陽電池に使用される光電変換素子の内部構造を例示する。
図1は、透明導電性層7と透明対極導電性層8との間に、感光層4と、電荷移動層9とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造となっている。
【0117】
太陽電池
本発明の太陽電池は、上記光電変換素子に外部回路で仕事をさせるようにしたものである。太陽電池は、構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや、接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体及び対極導電性層にリードを介して接続される外部回路自体は公知のもので良い。本発明の光電変換素子をいわゆる太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。
以下、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池のモジュール構造について説明する。
【0118】
本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には、金属や、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所及び環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
【0119】
代表的なスーパーストレートタイプやサブストレートタイプのモジュールは、片側又は両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード又はフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り出される構造となっている。基板とセルとの間には、セルの保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム又は充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封及びモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールする。また、セルそのものや、支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
【0120】
スーパーストレートタイプの太陽電池モジュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上にセルを封止材料−セル間接続用リード線、背面封止材料等と共に順次積層した後、背面基板又は背面カバーを乗せ、外縁部にフレームをセットして作製することができる。
一方、サブストレートタイプの場合、基板供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線、封止材料等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗せ、周縁部にフレームをセットして作製することができる。
【0121】
本発明の光電変換素子を基板一体型モジュール化した構造の一例を図2に示す。図2は、透明な基板12の一方の面上に透明な導電性層17を設けた後、下塗り層22を設置し、この上に更に色素吸着半導体を含有した感光層14、電荷移動層19及び金属対極導電性層18を設けたセルがモジュール化されており、基板 12の他方の面には反射防止層21が設けられている構造を表す。このような構造とする場合、入射光の利用効率を高めるために、感光層14の面積比率(光の入射面である基板12側から見たときの面積比率)を大きくした方が好ましい。
図2に示した構造のモジュールの場合、基板上に透明導電性層、感光層、電荷移動層、対極導電性層等が立体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ、選択エッチング、CVD、PVD等の半導体プロセス技術、あるいはパターン塗布又は広幅塗布後のレーザースクライビング、プラズマCVM(Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p373−381等に記載)、研削等の機械的手法等によりパターニングすることで所望のモジュール構造を得ることができる。
【0122】
以下にその他の部材や工程について詳述する。
封止材料としては、耐候性付与、電気絶縁性付与、集光効率向上、セル保護性(耐衝撃性)向上等の目的に応じ、液状EVA(エチレンビニルアセテート)、フィルム状EVA、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹脂の混合物等、様々な材料が使用可能である。モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの間は、耐候性及び防湿性が高い封止材料を用いるのが好ましい。また、透明フィラーを封止材料に混入して強度や光透過率を上げることができる。
封止材料をセル上に固定するときは、材料の物性に合った方法を用いる。フィルム状の材料の場合はロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等、液又はペースト状の材料の場合は、ロールコートや、バーコート、スプレーコート、スクリーン印刷等の様々な方法が可能である。
支持基板として、PETや、PEN等の可撓性素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してその上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層を積層することができ、生産性が高い。
【0123】
発電効率を上げるために、モジュールの光取り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反射防止処理が施される。反射防止処理方法としては、反射防止膜をラミネートする方法、反射防止層をコーティングする方法がある。
また、セルの表面をグルービング又はテクスチャリング等の方法で処理することによって、入射した光の利用効率を高めることが可能である。
発電効率を上げるためには、光を損失なくモジュール内に取り込むことが最重要であるが、光電変換層を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変換層側に効率良く戻すことも重要である。光の反射率を高める方法としては、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着又はメッキする方法、セルの最下層にAl−Mg又はAl−Tiなどの合金層を反射層として設ける方法、アニール処理によって最下層にテクスチャー構造を作る方法等がある。
また、発電効率を上げるためには、セル間接続抵抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重要である。セル同士を接続する方法としては、ワイヤーボンディング、導電性フレキシブルシートによる接続が一般的であるが、導電性粘着テープや導電性接着剤を用いてセルを固定すると同時に電気的に接続する方法、導電性ホットメルトを所望の位置にパターン塗布する方法等もある。
【0124】
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら前述の方法によって順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383−391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
以上詳述したように、使用目的や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池を製作することができる。
【0125】
【実施例】
実施例1(光電変換素子1の調製)
以下、本発明について、更に、実施例によって具体的に説明する。
1.二酸化チタン分散液
二酸化チタンペーストとして、Solaronix 社製Solaronix−D(平均粒径13nm;水媒体)を使用した。
【0126】
2.色素を吸着したTiO電極の調製
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性ガラス(日本板硝子製;25mm×100mm、表面抵抗10Ω/□)の導電面側に、上記二酸化チタン分散液(Solaronix−D)をドクターブレードにより塗布することにより、3.1μmの厚みで、ナノ結晶二酸化チタン層を形成した。
得られた二酸化チタンナノ粒子(半導体ナノ粒子)の層に対して、その層を、アセトニトリル中のルテニウム錯体色素(Solaronix 社製N−719)の溶液に浸漬することにより、増感した。色素の吸着量は、二酸化チタン半導体の層の表面積当たり、1.3×10−7mol/cmであった。
【0127】
3.電荷移動層用の溶液の調製
クロロベンゼン/アセトニトリル(9/1)に、窒素含有有機電荷移動剤として、TMTPA(トリ(4−メチルフェニル)アミン)と、イミダゾリウム塩として、メチル−ヘキシルイミダゾリウムヨウ物と、チオシアン酸塩として、LiSCNとを溶解して、電荷移動層用の溶液を調製した。イミダゾリウム塩及びチオシアン酸塩の量は、窒素含有有機電荷移動剤の質量に基づいて、50及び6.4%であった。また、得られた溶液における窒素含有有機電荷移動剤の濃度は、10%であった。
4.電荷移動層の調製
得られた電荷移動層用の溶液を、増感された半導体ナノ粒子の層の上に滴下し、真空下において、60℃で1時間、溶媒を揮発させることことにより、電荷移動層を構築した。この工程において、半導体ナノ粒子からなる感光層中の粒子間には、電荷移動層用の材料が充填された。
【0128】
5.対極導電性層の調製
ガラス板の上に、ITO導電性を形成し、ITO導電性ガラスを調製した。次いで、ITO導電性ガラスのITO層の上に、対極として白金の層(厚み100nm)を被覆した。
6.光電変換素子の調製
上記において得られたガラス板上に設けられた対極導電性層を、上記の電荷移動層の上に白金電極が接触するように、電荷移動層の上に設け、クリッカーで緊密に固定し、光電変換素子を湿度及び酸素から保護するために、光電変換素子の側面をエポキシ樹脂で密封した。次いで、得られた光電変換素子を、p型ドープを行うために、0.8Vの外部バイアス電圧で、AM1.5(100mW/cm)の照射条件下において、電気化学的に処理を行った。この電気化学的に処理によって、電流−電圧(I−V)特性において、優れた改善が達成された。
得られた光電変換素子1に対して、AM1.5(100mW/cm)の照射条件下において、短絡電流密度(short−circuit current density)(JSC)、開回路電圧(open−circuit voltage)(Voc)、充填因子(fill factor)(FF)及び光電子変換効率(EF)を測定した。その結果を、以下の表2に示す。
【0129】
実施例2〜 102
使用した窒素含有有機電荷移動剤を変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子2〜102を調製し、実施例1と同様に、得られた光電変換素子の特性を調べた。その結果を上記表2に示す。
【0130】
比較例1(比較光電変換素子1)
実施例1において、電荷移動層用の溶液の調製において、イミダゾリウム塩及びチオシアン酸塩を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較光電変換素子1を調製した。
【0131】
比較例2(比較光電変換素子2)
実施例1において、電荷移動層用の溶液の調製において、チオシアン酸塩を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較光電変換素子2を調製した。
【0132】
【表1】
表2
Figure 2004146421
Figure 2004146421
Figure 2004146421
Figure 2004146421
注:L.I.(Light intensity)(sun)は、1太陽光(1000mW/cm)に換算。
【0133】
【発明の効果】
本発明の光電変換素子及びその光電変換素子を使用する太陽電池は、耐久性があり、光電変換効率が高く、かつ、経時での特性劣化が少ない特性を有し、太陽電池として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】本発明の好ましい太陽電池の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・光電変換素子
2、3、12・・・基板
4、14・・・感光層
5・・・半導体ナノ粒子
6・・・色素
7、17・・・導電性層
8、18・・・対極導電性層
9、19・・・電荷移動層
20・・・太陽電池
22・・・下塗り層

Claims (6)

  1. (1)導電性層、(2)該導電性層の上に設けられた感光層、(3)該感光層の上に設けられた電荷移動層、及び(4)該電荷移動層の上に設けられた対極導電性層を有する光電変換素子であって、
    前記感光層が、色素を吸着した半導体ナノ粒子を含み、かつ該ナノ粒子間が、電荷移動層の材料によって充填されており、
    前記電荷移動層が、以下の成分、
    (a)次式(I)で示される窒素含有有機電荷移動剤、
    Figure 2004146421
    (式中、R及びRは、独立に、アルキル基又はアリール基であり、R及びRの少なくとも一方は、アリール基であり、Arは、アリール基である。)、
    (b)MSCN
    (式中、Mは、アルカリ金属又はアンモニウムイオンである)
    で示されるチオシアン酸塩、及び
    (c)次式で示されるイミダゾリウム塩、
    Figure 2004146421
    (R’〜R’は、独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、プロペニル基及びベンジル基からなる群から選ばれる基であり、Xは、CFSO 、(CFSO、(CFSO)(CFCO)N、I、BF 、PF 、CFCOO、CFCFCFCOO、CFCFCFCFSO 、(HF)2.3及び(NC)からなる群から選ばれるアニオンである。)
    からなることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記式(I)で示される窒素含有有機電荷移動剤が、以下の式のいずれかの式で示される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 2004146421
    (式中、Ar、Ar及びArは、アリール基を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、Ar、Ar、Ar及びAr10は、アリール基を示し、Ar及びArは、アリーレン基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数5〜8の環状アルキレン基、又はアリーレン基を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、Ar11、Ar12、Ar14及びAr16、Ar17は、アリール基を示し、Ar13及びAr15は、アリーレン基を示し、そして、nは、1〜6の整数を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、R及びRは、アルキル基又はアリール基であり、Ar18、Ar20及びAr21は、アリール基を示し、Ar19は、アリーレン基を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、Rは、アルキル基又はアリール基であり、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25及びAr26は、アリール基を示し、Ar27は、3価の芳香族炭化水素基を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、R及びRは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Ar28、Ar29、Ar30は、アリール基を示し、Ar31は、アリーレン基を示す。)
    Figure 2004146421
    (式中、R〜Rは、独立に、アルキル基又はアリール基であり、R及びRの少なくとも一方は、アリール基であり、Ar32は、アリーレン基であり、Ar33及びAr34は、アリール基である。)
  3. 式(I−1)で示される化合物が、以下の化合物の群から選択される請求項2に記載の光電変換素子。
    Figure 2004146421
    (式中、R、R及びRは、独立に、アルキル基、又は以下の置換基から選択される。)
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
  4. 式(I−2)で示される化合物が、以下の化合物の群から選択される請求項2に記載の光電変換素子。
    Figure 2004146421
    (式中、R及びRは、水素原子又はアルキル基であり、R10及びR11は、以下の式で示される基である。)
    Figure 2004146421
  5. 式(I−7)で示される化合物が、以下の化合物の群から選択される請求項2に記載の光電変換素子。
    Figure 2004146421
    (式中、R12は、アルキル基であり、R13及びR14は独立に、以下の式で示される基である。)
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
    Figure 2004146421
  6. 請求項1に記載された光電変換素子を含む太陽電池。
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