JP2004143244A - 重荷重用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの発熱性、耐摩耗性を損なうことなく耐偏摩耗性を著しく改良した、重荷重用タイヤを提供すること。
【解決手段】天然ゴム(a)90〜30質量%およびポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部に対して、ビニル結合含量が、30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)10〜70質量%からなるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)の合計が、40〜60質量部、かつシリカ(d)の量が5〜20質量部である充填剤を配合してなるゴム組成物を、トレッドゴムに適用した重荷重用タイヤである。
【選択図】 なし
【解決手段】天然ゴム(a)90〜30質量%およびポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部に対して、ビニル結合含量が、30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)10〜70質量%からなるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)の合計が、40〜60質量部、かつシリカ(d)の量が5〜20質量部である充填剤を配合してなるゴム組成物を、トレッドゴムに適用した重荷重用タイヤである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用タイヤに関する。さらに詳しくは、耐偏摩耗性を著しく改良した重荷重用タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、タイヤの偏摩耗を抑制する目的で、ディフェンスグルーブやサイドグルーブ等、トレッド溝やトレッドクラウン形状やトレッドパターンなどの設計において種々の工夫がなされてきた。しかし、いずれの場合も、偏摩耗を抑制するには十分ではないという問題がある。一般に、タイヤの偏摩耗の発生前に、タイヤトレッドのリブ、ブロック等において種々の要因にて不均一な摩耗が生じる。
この不均一な摩耗は、タイヤの回転方向に対し、径方向の入力、周方向の入力、あるいはこれらの複合による入力により生ずるため、これらの入力に対し、影響を受け難いゴム組成物をトレッドに使用することにより、タイヤ構造との組み合わせで耐偏摩耗性の改良検討がなされている。
タイヤの偏摩耗を改良するためのゴム組成物として、トレッドゴムに、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを配合してヒステリシスロスを高くする方法が用いられている。しかし、スチレン−ブタジエンゴムを配合することはタイヤの発熱を悪化させるため、特に重荷重用タイヤにおいては、その配合量には制約があった。
そこで、ポリマー分子末端を変性した溶液重合スチレン−ポリブタジエンゴムを用いることで、変性された末端のカップリング効果によってカーボンブラックの分散を高め、自己発熱を改良して低発熱性とすることで、偏摩耗性と発熱の両立の試みが提案されているが(例えば、特許文献1参照)、重荷重タイヤにとってはまだ充分であるとはいえない。
また、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、シリカ、シランカップリング剤の組み合わせで、偏摩耗性、発熱を両立させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、シリカはヒステリシスロスを高くしながら、発熱性を低下させない効果があるものの、重荷重タイヤにおける過酷な使用は耐摩耗性を低下させるおそれがある。このように配合技術において偏摩耗性と発熱性は二律背反の関係にあり、両立が困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−217004号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開平11−59116号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、タイヤの発熱性、耐摩耗性を損なうことなく耐偏摩耗性を著しく改良した、重荷重用タイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、タイヤトレッド用ゴム組成物中に高スチレンの溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、シリカ及び特定のヒドラゾン化合物を適量配合することにより、ゴムの自己発熱性を抑制しながら、ヒステリシスロスを向上させ、発熱性、耐摩耗性を悪化させることなく、偏摩耗性を向上させることが可能であるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、天然ゴム(a)90〜30質量%およびポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部に対して、ビニル結合含量が、30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)10〜70質量%からなるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)の合計が、40〜60質量部、かつシリカ(d)の量が5〜20質量部である充填剤を配合してなるゴム組成物を、トレッドゴムに適用したことを特徴とする重荷重用タイヤを提供するものである。
さらに、本発明は、前記ゴム成分100質量部に対してヒドラゾン化合物(e)を0.3〜3.0質量部配合した、重荷重用タイヤを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物における(a)成分として天然ゴムが配合されるが、天然ゴムと同じ構造をもつポリイソプレンゴムを天然ゴムに一部ブレンドして用いても良い。
天然ゴム(a)の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して90〜30質量%含むことができるが、好ましくは60〜40質量%である。(a)成分の量が、ゴム成分100質量部に対して90質量%を超えると耐偏摩耗性に対する効果がなく、30質量部未満だと、低発熱性の維持が困難になる。
【0007】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、(b)成分として、ポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部のビニル結合含量が30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが配合される。溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)の配合量としては、10〜70質量%含むことができるが、好ましくは40〜60質量%である。(b)成分の量が10質量%未満だと偏摩耗に対する改良効果が乏しく、70質量%を超えると破壊特性が著しく悪化する。
また、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物における(b)成分の全スチレン含量は28〜45質量%である。この含量が28質量%未満では耐偏摩耗性と低発熱性の両立効果に乏しく、この含量が45質量%を超えると耐摩耗性が悪化する等の不具合がある。
また、(b)成分のビニル結合含量は30モル%以下である。この含量が30モル%を超えると耐摩耗性が低下する。
【0008】
さらに、(b)成分は、炭化水素基とリチウムからなる有機リチウム開始剤により得られる該炭化水素基結合スチレン−ブタジエン共重合体の末端カルバニオンと、カップリング剤又は変性剤との反応によって形成される反応部分の分子構造がスズ−炭素結合を有する。
例えば、炭化水素基としてブチル基とリチウムからなるブチルリチウム開始剤により得られる該ブチル基末端結合スチレン−ブタジエン共重合体の片末端カルバニオンと、カップリング剤の四塩化スズの化学量論的反応によって形成される反応部分の分子構造は、スズに四つのブチル基末端スチレン−ブタジエン共重合体が結合した構造、すなわち、最終共重合体の中間部分にスズ−炭素結合の構造となる。
また、上記例示において、四塩化スズの代わりに変性剤としてトリブチルスズクロリドを用いると、ブチル基末端スチレン−ブタジエン共重合体の他の末端にスズ−炭素結合構造を有する最終共重合体が得られる。
上記構造は、例えば、カーボンブラック等の充填剤と相互作用を持つことによって、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性を向上する作用を有するため、必須のものである。
【0009】
さらに、(b)成分の変性反応前の重量平均分子量は優れた物性を得るためには5×104〜100×104であることが好ましく、10×104 〜100×104であることがさらに好ましく、また、変性反応前の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.3であることが好ましい。
【0010】
また、(b)成分の製造方法は本発明で規定される分子構造が得られるならばどのような方法でもよく、特に制限されないが次の製造方法によって、(B)成分の共重合体が容易に得られる(例えば、特開平9−316132号公報に詳述されている)。 炭化水素溶媒中で、(1)炭化水素基とリチウムからなる有機リチウム開始剤と、(2)カリウムアルコレート、カリウムスルホネート及びカリウムカルボキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のカリウム化合物と(3)エーテル化合物及びアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下で、スチレンとブタジエンを共重合し、共重合終了後、変性剤として、スズ化合物を添加して(b)成分のスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
また、炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒及びこれらの混合物が使用でき、特に制限されない。
【0011】
また、有機リチウム開始剤としては例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、オクチルリチウム等に代表されるアルキルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム等に代表されるアリールリチウム、ベンジルリチウム等に代表されるアラルキルリチウム等を挙げることができる。
中でも好ましいものとしては、工業性の観点からn−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムが挙げられる。これらの有機リチウム開始剤は単独で用いても、2種以上混合して用いても良い。
重合開始剤の添加量は、共重合体の所望の分子量に依存して決められるが、一般にはモノマー100gに対し0.05〜15mmol、好ましくは0.1〜10mmolである。15mmolを超えると高分子量体を得ることが困難になり、また0.05mmol未満では重合が進行しない場合があるので好ましくない。
【0012】
また、ランダマイザーとして、カリウム化合物、エーテル化合物及びアミン化合物が用いられる。ここで言うランダマイザーとは、スチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン部のビニル結合含量の増量(カリウム化合物ではこの作用は小さい)、及びブタジエン単位、スチレン単位の組成分布のランダム化等、の作用を有する化合物である。
ここで用いられるカリウム化合物は、カリウムアルコレート、カリウムスルホネート及び/又はカリウムカルボキシレートである。カリウムアルコレートとしては、例えばカリウム−t−ブチレート、カリウム−t−アミレート、カリウムエチレート、カリウムイソプロピレート、カリウムオクテート、カリウムドデカノエート、カリウムノニルフェノレート等を挙げることができる。中でも効果の点からカリウム−t−アミレート、カリウムノニルフェノレートが好ましい。
また、カリウムスルホネートとしては、例えばカリウムドデシルベンゼンスルホネート、カリウムナフタレンスルホネート等を挙げることができる。中でも、効果の点から、カリウムドデシルベンゼンスルホネートが好ましい。
次に、カリウムカルボキシレートとしては、例えばカリウムステアレート、カリウムデカノエート、カリウムナフテート等を挙げることができる。中でも、効果の点からカリウムナフテートが好ましい。
【0013】
カリウム化合物の添加量は、リチウムモル当り、0.01〜0.2モル当量であり、効果の点から好ましくは0.03〜0.09モル当量である。添加量が0.01モル当量未満ではランダマイザーとしての効果がなく、0.2モル当量を超えると、メタレーション等の望ましくない副反応が起こるので好ましくない。
【0014】
また、エーテル化合物及び/又はアミン化合物は、カリウム化合物と併用される。このエーテル化合物及びアミン化合物としては、一般にスチレン−ブタジエンの共重合にランダマイザーとして用いられる化合物を用いることができ、制限されない。中でも、例えばジエトキシエタン等のジアルコキシアルキル化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジテトラヒドロフリルプロパン等のテトラヒドロフランオリゴマー化合物、テトラヒドロフラン、さらに、テトラメチルエチレンジアミン等のジアミン化合物、ペンタメチレンジエチレントリアミン等のトリアミン化合物が好適に使用される。
【0015】
次に、エーテル化合物又はアミン化合物の添加量は、ブタジエン部のビニル結合含量が30モル%以下となる量で用いることが好ましい。この量はエーテル化合物又はアミン化合物の種類により異なるので特定し難いが一般的にはリチウムモル当り0.01〜2.0モル当量が用いられる。例えばテトラヒドロフラン使用の場合は0.5〜2.0モル当量が適量であり、ジエチレングリコールジメチルエーテル使用の場合は0.03〜0.1モル当量が適している。
【0016】
また、カップリング剤又は変性剤は、スズ化合物である。スズ化合物としては、例えば、四塩化スズ等のハロゲン化スズ、ブチルスズトリクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジフェニルスズジクロリド、トリブチルスズクロリド、トリフェニルスズクロリド等の有機スズクロリド化合物等が含まれる。この添加量はスチレン−ブタジエン共重合体の活性末端リチウムと上記化合物のハロゲン原子が当量となる量で用いることができる。
これらの化合物のうち、例えば四塩化スズ、有機スズジクロリド等はスチレン−ブタジエン共重合体の活性末端とカップリング反応して、カップリング共重合体が得られ、そのカップリング効率は60%以上を示し、低ヒステリシスロス性に寄与している。また、例えば有機スズモノクロリド化合物は活性末端リチウムと反応して、末端変性共重合体が得られ、低ヒステリシスロス性を向上させる。
【0017】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、充填剤として、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)を併用するが、カーボンブラックを配合することにより、耐破壊特性の向上に繋がる耐摩耗性の改良効果を得ることができる。カーボンブラック(c)とシリカ(d)の合計の配合量はゴム成分100質量部に対して40〜60質量部であるが、40質量部未満では耐摩耗性が悪化し、60質量部を超えると低発熱性が悪化する。
カーボンブラック(c)の種類としては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このカーボンブラック(c)としては、例えばFEF、SRF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。なかでも、好ましいカーボンブラックはSAFである。
【0018】
さらに、(d)成分シリカの配合量は前記ゴム成分100質量部に対して5〜20質量部である。5質量部未満では偏摩耗改良効果に乏しく、20質量部を超えると、耐摩耗性、破壊特性が大幅に悪化する。同様な観点から、好ましくは、7〜15質量部である。また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、このなかでも湿式シリカが好ましい。
また、(d)成分のシリカは、窒素吸着比表面積(N2SA)が120〜240m2/gの範囲にあるものが好適である。このN2SAが120m2/g未満では耐摩耗性が不充分になるおそれがあり、一方、N2SAが240m2/gを超えると分散不良を引き起こし、低発熱性能、耐摩耗性及び工場作業性が著しく低下する原因となることがある。
なお、上記N2SAは、300℃で1時間乾燥後、ASTM D4820−93に準拠して測定した値である。
【0019】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜3.0質量部のヒドラゾン化合物(e)を配合する。
(e)成分の量が0.3質量部以上であれば耐偏摩耗性、及び発熱性改良の効果が得られ、3.0質量部以下であれば、工場作業性に問題はない。
【0020】
ここで、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物において(e)成分として用いられるヒドラゾン化合物としては、例えば一般式 (I)、(II) で表されるナフトエ酸ヒドラジド類、サリチル酸ヒドラジド類が性能の点から好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】
(式中R1、R2は水素原子または炭素数1〜18のヒドロカルビル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていても良く、またR1とR2とはたがいに結合して環構造を形成しても良い。ここで炭素数1〜18のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数3から8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアラルキル基を挙げることができる。上記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基の環上には、低級アルキル基や低級アルコキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、ヒドロキシル基などの適当な置換基を有していてもよい。)
【0023】
前記一般式(I)及び(II)で表されるヒドラジド化合物は、具体的には2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジドである。
その中で、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)が特に好ましい。
【0024】
この(d)成分のヒドラゾン化合物は、天然ゴム(a)の加硫戻りによる過加硫に起因する弾性率の低下を抑え、低発熱性能及び耐摩耗性の低下を抑制する作用を有している。
すなわち、ヒドラゾン化合物(e)を配合することにより、低歪域での弾性率を上昇させてトレッドゴムの変形を抑制し、シリカの効果により高歪域での弾性率を低下させてトレッドゴムの伸びを確保した上で、ヒステリシスロスの低下を防止することで、耐偏摩耗性及び低発熱性の両立をはかることができる。
【0025】
また、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物には、必要に応じて他のゴム配合剤、例えば硫黄、加硫促進剤、プロセスオイル、老化防止剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、耐偏摩耗性、耐摩耗性及び低発熱性を高度にバランスさせた重荷重用タイヤのトレッド用ゴム組成物として好適に使用される。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。
すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を配合したゴム組成物が、
未加硫の段階で各タイヤ用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
なお、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または窒素などの不活性ガスを用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各種の測定は以下の方法により行なった。
『生ゴム及び加硫ゴムの評価』
[ブタジエン部のビニル結合量(モル%)]:、赤外分光法(モレロ法)により求めた。
[スチレン含量]:核磁気共鳴(NMR)スペクトルの芳香族プロトンの吸収強度により求めた。
【0027】
『試供タイヤの評価』
[発熱性の評価]:一定速度・ステップロード条件のドラムテストを実施し、タイヤトレッド内部の一定深さ位置の温度を測定し、コントロール(比較例1)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱化の効果が大きいことを示す。
[耐摩耗性の評価]:10万km走行後のタイヤにおけるトレッドゴムの耐摩耗を次式 [走行距離/(走行前溝深さ−走行後溝深さ)]により算出し、比較例1の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
[耐偏摩耗性の評価]:タイヤをトラックの前輪に装着し10万km走行後の偏摩耗面積を測定し、その逆数を用いて比較例1の値を100とし、指数であらわした。数値が大きい程、偏摩耗性が良好であることを示す。
【0028】
製造例1(ポリマーA)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、カリウム−t−アミレート0.025mmol、THF1mmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で3時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてDOTDC(ジオクチルスズジクロリド)の1Mシクロヘキサン溶液0.12mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーAを得た。
スチレン含量35質量%、ビニル結合量23mol%であった。
【0029】
製造例2(ポリマーB)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体37.5g、スチレン単量体12.5g、カリウム−t−アミレート0.03mmol、THF2mmolを注入し、さらに二級アミンとしてヘキサメチレンイミン0.41mmolを加えた。これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で2.5時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてTTC(四塩化スズ)の1Mシクロヘキサン溶液0.09mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーBを得た。
スチレン含量25質量%、ビニル結合量28mol%であった。
【0030】
製造例3(ポリマーC)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、カリウム−t−アミレート0.025mmol、THF1mmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、さらに二級アミンとしてヘキサメチレンイミン0.41mmolを加えた。50℃で3時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてDOTDC(ジオクチルスズジクロリド)の1Mシクロヘキサン溶液0.12mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーCを得た。
スチレン含量35質量%、ビニル結合量24mol%であった。
それぞれの評価結果を第1表に、ポリマーA〜Cの特性値を第2表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
*1.ポリマーA:製造例1、スチレン含量35質量%、ビニル結合含量23モル%
*2.ポリマーB:製造例2、スチレン含量25質量%、ビニル結合含量28モル%
*3.ポリマーC:製造例3、スチレン含量35質量%、ビニル結合含量24モル%
*4.カーボンブラック:東海カーボン(株)社製、商標「シースト9」
*5.シリカ:日本シリカ(株)社製、商標「ニプシルAQ」N2SA(200m2/g)
*6.老化防止剤6C:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
*7.ヒドラゾン化合物:2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン−3−ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)
*8.加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−べンゾチアジルスルフェンアミド
注)第1表中の数値は、天然ゴム、ポリマーA〜Cについては質量%の値。カーボンブラック、シリカ、老化防止剤6C、ヒドラゾン化合物、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤CZ及び硫黄については、ゴム成分100質量部に対する質量部の値。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例1〜6及び比較例1〜4
第1表に示す配合表に基づいて各組成物をバンバリーミキサーを用いて混練りした。得られたゴム組成物トレッドゴムとして用い、タイヤサイズ295/75R22.5のタイヤを作成し、発熱性、耐摩耗性、耐偏摩耗性について前記の方法にて評価した。
【0035】
上記の結果から、本発明の重荷重用タイヤは発熱性、耐摩耗性を維持、改善し、
耐偏摩耗性を大幅に改善していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、発熱性,耐摩耗性を犠牲にすることなく耐偏摩耗性を著しく改善した重荷重用タイヤを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用タイヤに関する。さらに詳しくは、耐偏摩耗性を著しく改良した重荷重用タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、タイヤの偏摩耗を抑制する目的で、ディフェンスグルーブやサイドグルーブ等、トレッド溝やトレッドクラウン形状やトレッドパターンなどの設計において種々の工夫がなされてきた。しかし、いずれの場合も、偏摩耗を抑制するには十分ではないという問題がある。一般に、タイヤの偏摩耗の発生前に、タイヤトレッドのリブ、ブロック等において種々の要因にて不均一な摩耗が生じる。
この不均一な摩耗は、タイヤの回転方向に対し、径方向の入力、周方向の入力、あるいはこれらの複合による入力により生ずるため、これらの入力に対し、影響を受け難いゴム組成物をトレッドに使用することにより、タイヤ構造との組み合わせで耐偏摩耗性の改良検討がなされている。
タイヤの偏摩耗を改良するためのゴム組成物として、トレッドゴムに、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを配合してヒステリシスロスを高くする方法が用いられている。しかし、スチレン−ブタジエンゴムを配合することはタイヤの発熱を悪化させるため、特に重荷重用タイヤにおいては、その配合量には制約があった。
そこで、ポリマー分子末端を変性した溶液重合スチレン−ポリブタジエンゴムを用いることで、変性された末端のカップリング効果によってカーボンブラックの分散を高め、自己発熱を改良して低発熱性とすることで、偏摩耗性と発熱の両立の試みが提案されているが(例えば、特許文献1参照)、重荷重タイヤにとってはまだ充分であるとはいえない。
また、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、シリカ、シランカップリング剤の組み合わせで、偏摩耗性、発熱を両立させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、シリカはヒステリシスロスを高くしながら、発熱性を低下させない効果があるものの、重荷重タイヤにおける過酷な使用は耐摩耗性を低下させるおそれがある。このように配合技術において偏摩耗性と発熱性は二律背反の関係にあり、両立が困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−217004号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開平11−59116号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、タイヤの発熱性、耐摩耗性を損なうことなく耐偏摩耗性を著しく改良した、重荷重用タイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、タイヤトレッド用ゴム組成物中に高スチレンの溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、シリカ及び特定のヒドラゾン化合物を適量配合することにより、ゴムの自己発熱性を抑制しながら、ヒステリシスロスを向上させ、発熱性、耐摩耗性を悪化させることなく、偏摩耗性を向上させることが可能であるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、天然ゴム(a)90〜30質量%およびポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部に対して、ビニル結合含量が、30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)10〜70質量%からなるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)の合計が、40〜60質量部、かつシリカ(d)の量が5〜20質量部である充填剤を配合してなるゴム組成物を、トレッドゴムに適用したことを特徴とする重荷重用タイヤを提供するものである。
さらに、本発明は、前記ゴム成分100質量部に対してヒドラゾン化合物(e)を0.3〜3.0質量部配合した、重荷重用タイヤを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物における(a)成分として天然ゴムが配合されるが、天然ゴムと同じ構造をもつポリイソプレンゴムを天然ゴムに一部ブレンドして用いても良い。
天然ゴム(a)の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して90〜30質量%含むことができるが、好ましくは60〜40質量%である。(a)成分の量が、ゴム成分100質量部に対して90質量%を超えると耐偏摩耗性に対する効果がなく、30質量部未満だと、低発熱性の維持が困難になる。
【0007】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、(b)成分として、ポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部のビニル結合含量が30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが配合される。溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)の配合量としては、10〜70質量%含むことができるが、好ましくは40〜60質量%である。(b)成分の量が10質量%未満だと偏摩耗に対する改良効果が乏しく、70質量%を超えると破壊特性が著しく悪化する。
また、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物における(b)成分の全スチレン含量は28〜45質量%である。この含量が28質量%未満では耐偏摩耗性と低発熱性の両立効果に乏しく、この含量が45質量%を超えると耐摩耗性が悪化する等の不具合がある。
また、(b)成分のビニル結合含量は30モル%以下である。この含量が30モル%を超えると耐摩耗性が低下する。
【0008】
さらに、(b)成分は、炭化水素基とリチウムからなる有機リチウム開始剤により得られる該炭化水素基結合スチレン−ブタジエン共重合体の末端カルバニオンと、カップリング剤又は変性剤との反応によって形成される反応部分の分子構造がスズ−炭素結合を有する。
例えば、炭化水素基としてブチル基とリチウムからなるブチルリチウム開始剤により得られる該ブチル基末端結合スチレン−ブタジエン共重合体の片末端カルバニオンと、カップリング剤の四塩化スズの化学量論的反応によって形成される反応部分の分子構造は、スズに四つのブチル基末端スチレン−ブタジエン共重合体が結合した構造、すなわち、最終共重合体の中間部分にスズ−炭素結合の構造となる。
また、上記例示において、四塩化スズの代わりに変性剤としてトリブチルスズクロリドを用いると、ブチル基末端スチレン−ブタジエン共重合体の他の末端にスズ−炭素結合構造を有する最終共重合体が得られる。
上記構造は、例えば、カーボンブラック等の充填剤と相互作用を持つことによって、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性を向上する作用を有するため、必須のものである。
【0009】
さらに、(b)成分の変性反応前の重量平均分子量は優れた物性を得るためには5×104〜100×104であることが好ましく、10×104 〜100×104であることがさらに好ましく、また、変性反応前の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.3であることが好ましい。
【0010】
また、(b)成分の製造方法は本発明で規定される分子構造が得られるならばどのような方法でもよく、特に制限されないが次の製造方法によって、(B)成分の共重合体が容易に得られる(例えば、特開平9−316132号公報に詳述されている)。 炭化水素溶媒中で、(1)炭化水素基とリチウムからなる有機リチウム開始剤と、(2)カリウムアルコレート、カリウムスルホネート及びカリウムカルボキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のカリウム化合物と(3)エーテル化合物及びアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下で、スチレンとブタジエンを共重合し、共重合終了後、変性剤として、スズ化合物を添加して(b)成分のスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
また、炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒及びこれらの混合物が使用でき、特に制限されない。
【0011】
また、有機リチウム開始剤としては例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、オクチルリチウム等に代表されるアルキルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム等に代表されるアリールリチウム、ベンジルリチウム等に代表されるアラルキルリチウム等を挙げることができる。
中でも好ましいものとしては、工業性の観点からn−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムが挙げられる。これらの有機リチウム開始剤は単独で用いても、2種以上混合して用いても良い。
重合開始剤の添加量は、共重合体の所望の分子量に依存して決められるが、一般にはモノマー100gに対し0.05〜15mmol、好ましくは0.1〜10mmolである。15mmolを超えると高分子量体を得ることが困難になり、また0.05mmol未満では重合が進行しない場合があるので好ましくない。
【0012】
また、ランダマイザーとして、カリウム化合物、エーテル化合物及びアミン化合物が用いられる。ここで言うランダマイザーとは、スチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン部のビニル結合含量の増量(カリウム化合物ではこの作用は小さい)、及びブタジエン単位、スチレン単位の組成分布のランダム化等、の作用を有する化合物である。
ここで用いられるカリウム化合物は、カリウムアルコレート、カリウムスルホネート及び/又はカリウムカルボキシレートである。カリウムアルコレートとしては、例えばカリウム−t−ブチレート、カリウム−t−アミレート、カリウムエチレート、カリウムイソプロピレート、カリウムオクテート、カリウムドデカノエート、カリウムノニルフェノレート等を挙げることができる。中でも効果の点からカリウム−t−アミレート、カリウムノニルフェノレートが好ましい。
また、カリウムスルホネートとしては、例えばカリウムドデシルベンゼンスルホネート、カリウムナフタレンスルホネート等を挙げることができる。中でも、効果の点から、カリウムドデシルベンゼンスルホネートが好ましい。
次に、カリウムカルボキシレートとしては、例えばカリウムステアレート、カリウムデカノエート、カリウムナフテート等を挙げることができる。中でも、効果の点からカリウムナフテートが好ましい。
【0013】
カリウム化合物の添加量は、リチウムモル当り、0.01〜0.2モル当量であり、効果の点から好ましくは0.03〜0.09モル当量である。添加量が0.01モル当量未満ではランダマイザーとしての効果がなく、0.2モル当量を超えると、メタレーション等の望ましくない副反応が起こるので好ましくない。
【0014】
また、エーテル化合物及び/又はアミン化合物は、カリウム化合物と併用される。このエーテル化合物及びアミン化合物としては、一般にスチレン−ブタジエンの共重合にランダマイザーとして用いられる化合物を用いることができ、制限されない。中でも、例えばジエトキシエタン等のジアルコキシアルキル化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジテトラヒドロフリルプロパン等のテトラヒドロフランオリゴマー化合物、テトラヒドロフラン、さらに、テトラメチルエチレンジアミン等のジアミン化合物、ペンタメチレンジエチレントリアミン等のトリアミン化合物が好適に使用される。
【0015】
次に、エーテル化合物又はアミン化合物の添加量は、ブタジエン部のビニル結合含量が30モル%以下となる量で用いることが好ましい。この量はエーテル化合物又はアミン化合物の種類により異なるので特定し難いが一般的にはリチウムモル当り0.01〜2.0モル当量が用いられる。例えばテトラヒドロフラン使用の場合は0.5〜2.0モル当量が適量であり、ジエチレングリコールジメチルエーテル使用の場合は0.03〜0.1モル当量が適している。
【0016】
また、カップリング剤又は変性剤は、スズ化合物である。スズ化合物としては、例えば、四塩化スズ等のハロゲン化スズ、ブチルスズトリクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジフェニルスズジクロリド、トリブチルスズクロリド、トリフェニルスズクロリド等の有機スズクロリド化合物等が含まれる。この添加量はスチレン−ブタジエン共重合体の活性末端リチウムと上記化合物のハロゲン原子が当量となる量で用いることができる。
これらの化合物のうち、例えば四塩化スズ、有機スズジクロリド等はスチレン−ブタジエン共重合体の活性末端とカップリング反応して、カップリング共重合体が得られ、そのカップリング効率は60%以上を示し、低ヒステリシスロス性に寄与している。また、例えば有機スズモノクロリド化合物は活性末端リチウムと反応して、末端変性共重合体が得られ、低ヒステリシスロス性を向上させる。
【0017】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、充填剤として、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)を併用するが、カーボンブラックを配合することにより、耐破壊特性の向上に繋がる耐摩耗性の改良効果を得ることができる。カーボンブラック(c)とシリカ(d)の合計の配合量はゴム成分100質量部に対して40〜60質量部であるが、40質量部未満では耐摩耗性が悪化し、60質量部を超えると低発熱性が悪化する。
カーボンブラック(c)の種類としては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このカーボンブラック(c)としては、例えばFEF、SRF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。なかでも、好ましいカーボンブラックはSAFである。
【0018】
さらに、(d)成分シリカの配合量は前記ゴム成分100質量部に対して5〜20質量部である。5質量部未満では偏摩耗改良効果に乏しく、20質量部を超えると、耐摩耗性、破壊特性が大幅に悪化する。同様な観点から、好ましくは、7〜15質量部である。また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、このなかでも湿式シリカが好ましい。
また、(d)成分のシリカは、窒素吸着比表面積(N2SA)が120〜240m2/gの範囲にあるものが好適である。このN2SAが120m2/g未満では耐摩耗性が不充分になるおそれがあり、一方、N2SAが240m2/gを超えると分散不良を引き起こし、低発熱性能、耐摩耗性及び工場作業性が著しく低下する原因となることがある。
なお、上記N2SAは、300℃で1時間乾燥後、ASTM D4820−93に準拠して測定した値である。
【0019】
次に、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜3.0質量部のヒドラゾン化合物(e)を配合する。
(e)成分の量が0.3質量部以上であれば耐偏摩耗性、及び発熱性改良の効果が得られ、3.0質量部以下であれば、工場作業性に問題はない。
【0020】
ここで、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物において(e)成分として用いられるヒドラゾン化合物としては、例えば一般式 (I)、(II) で表されるナフトエ酸ヒドラジド類、サリチル酸ヒドラジド類が性能の点から好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】
(式中R1、R2は水素原子または炭素数1〜18のヒドロカルビル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていても良く、またR1とR2とはたがいに結合して環構造を形成しても良い。ここで炭素数1〜18のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数3から8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアラルキル基を挙げることができる。上記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基の環上には、低級アルキル基や低級アルコキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、ヒドロキシル基などの適当な置換基を有していてもよい。)
【0023】
前記一般式(I)及び(II)で表されるヒドラジド化合物は、具体的には2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジドである。
その中で、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)が特に好ましい。
【0024】
この(d)成分のヒドラゾン化合物は、天然ゴム(a)の加硫戻りによる過加硫に起因する弾性率の低下を抑え、低発熱性能及び耐摩耗性の低下を抑制する作用を有している。
すなわち、ヒドラゾン化合物(e)を配合することにより、低歪域での弾性率を上昇させてトレッドゴムの変形を抑制し、シリカの効果により高歪域での弾性率を低下させてトレッドゴムの伸びを確保した上で、ヒステリシスロスの低下を防止することで、耐偏摩耗性及び低発熱性の両立をはかることができる。
【0025】
また、本発明のタイヤに用いられるゴム組成物には、必要に応じて他のゴム配合剤、例えば硫黄、加硫促進剤、プロセスオイル、老化防止剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、耐偏摩耗性、耐摩耗性及び低発熱性を高度にバランスさせた重荷重用タイヤのトレッド用ゴム組成物として好適に使用される。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。
すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を配合したゴム組成物が、
未加硫の段階で各タイヤ用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
なお、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または窒素などの不活性ガスを用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各種の測定は以下の方法により行なった。
『生ゴム及び加硫ゴムの評価』
[ブタジエン部のビニル結合量(モル%)]:、赤外分光法(モレロ法)により求めた。
[スチレン含量]:核磁気共鳴(NMR)スペクトルの芳香族プロトンの吸収強度により求めた。
【0027】
『試供タイヤの評価』
[発熱性の評価]:一定速度・ステップロード条件のドラムテストを実施し、タイヤトレッド内部の一定深さ位置の温度を測定し、コントロール(比較例1)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱化の効果が大きいことを示す。
[耐摩耗性の評価]:10万km走行後のタイヤにおけるトレッドゴムの耐摩耗を次式 [走行距離/(走行前溝深さ−走行後溝深さ)]により算出し、比較例1の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
[耐偏摩耗性の評価]:タイヤをトラックの前輪に装着し10万km走行後の偏摩耗面積を測定し、その逆数を用いて比較例1の値を100とし、指数であらわした。数値が大きい程、偏摩耗性が良好であることを示す。
【0028】
製造例1(ポリマーA)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、カリウム−t−アミレート0.025mmol、THF1mmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で3時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてDOTDC(ジオクチルスズジクロリド)の1Mシクロヘキサン溶液0.12mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーAを得た。
スチレン含量35質量%、ビニル結合量23mol%であった。
【0029】
製造例2(ポリマーB)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体37.5g、スチレン単量体12.5g、カリウム−t−アミレート0.03mmol、THF2mmolを注入し、さらに二級アミンとしてヘキサメチレンイミン0.41mmolを加えた。これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で2.5時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてTTC(四塩化スズ)の1Mシクロヘキサン溶液0.09mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーBを得た。
スチレン含量25質量%、ビニル結合量28mol%であった。
【0030】
製造例3(ポリマーC)
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、カリウム−t−アミレート0.025mmol、THF1mmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、さらに二級アミンとしてヘキサメチレンイミン0.41mmolを加えた。50℃で3時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿はみられず均一透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
この重合系にさらに変性剤としてDOTDC(ジオクチルスズジクロリド)の1Mシクロヘキサン溶液0.12mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6ジターシャリーブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーCを得た。
スチレン含量35質量%、ビニル結合量24mol%であった。
それぞれの評価結果を第1表に、ポリマーA〜Cの特性値を第2表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
*1.ポリマーA:製造例1、スチレン含量35質量%、ビニル結合含量23モル%
*2.ポリマーB:製造例2、スチレン含量25質量%、ビニル結合含量28モル%
*3.ポリマーC:製造例3、スチレン含量35質量%、ビニル結合含量24モル%
*4.カーボンブラック:東海カーボン(株)社製、商標「シースト9」
*5.シリカ:日本シリカ(株)社製、商標「ニプシルAQ」N2SA(200m2/g)
*6.老化防止剤6C:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
*7.ヒドラゾン化合物:2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン−3−ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)
*8.加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−べンゾチアジルスルフェンアミド
注)第1表中の数値は、天然ゴム、ポリマーA〜Cについては質量%の値。カーボンブラック、シリカ、老化防止剤6C、ヒドラゾン化合物、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤CZ及び硫黄については、ゴム成分100質量部に対する質量部の値。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例1〜6及び比較例1〜4
第1表に示す配合表に基づいて各組成物をバンバリーミキサーを用いて混練りした。得られたゴム組成物トレッドゴムとして用い、タイヤサイズ295/75R22.5のタイヤを作成し、発熱性、耐摩耗性、耐偏摩耗性について前記の方法にて評価した。
【0035】
上記の結果から、本発明の重荷重用タイヤは発熱性、耐摩耗性を維持、改善し、
耐偏摩耗性を大幅に改善していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、発熱性,耐摩耗性を犠牲にすることなく耐偏摩耗性を著しく改善した重荷重用タイヤを提供することができる。
Claims (3)
- 天然ゴム(a)90〜30質量%およびポリマー分子鎖の中間または、分子鎖末端の少なくとも一ヶ所にスズを含有し、スチレン含量が28〜45質量%、かつ、ブタジエン部に対して、ビニル結合含量が、30モル%未満である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)10〜70質量%からなるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック(c)およびシリカ(d)の合計が、40〜60質量部、かつシリカ(d)の量が5〜20質量部である充填剤を配合してなるゴム組成物を、トレッドゴムに適用したことを特徴とする重荷重用タイヤ。
- 前記ゴム成分100質量部に対してヒドラゾン化合物(e)を0.3〜3.0質量部配合した請求項1記載の重荷重用タイヤ。
- ヒドラゾン化合物(e)が、2−ヒドロキシ−N’ −(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジドである請求項2記載の重荷重用タイヤ。
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