JP4945024B2 - ゴム組成物およびこれをトレッドに使用した重荷重用タイヤ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、耐カット性、補強性、および低発熱性を有するゴム組成物およびこれをトレッドに適用した重荷重用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤに対する種々の要求特性のうち、操縦性および安全性に貢献する補強性、低燃費性に寄与する低発熱性、そして耐久性に影響する耐カット性等は重要な特性である。
そこで、補強性は劣るが耐カット性に優れるスチレン−ブタジエン共重合体ゴムと耐カット性や耐疲労性は悪いが補強性に秀でる天然ゴムとを含むブレンドゴムが使用されてきた。さらに、これには、補強性を補うために、充填剤としてカーボンブラックやシリカを高配合し、この充填剤の高配合に起因する低発熱性の悪化を回避するために、充填剤の分散性を高めるために、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを末端変性して使用する技術がある。
しかし、このような低発熱性を意図したスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは結合スチレン量が低く、さらに上記のように充填剤の分散性を高めているので、カーボンブラック同士の擦れによる発熱が減少し、これにより低発熱化は図れても、耐寒性のみならず、耐カット性が要求レベルに達しない。つまり、耐カット性に有効な低歪域の硬さの指標となる動的貯蔵弾性率やハードネスが低くなる。これの対策としてカーボンブラックを高配合すると、加硫物が硬くなり破断時伸びが低下し、さらに、低発熱性も悪化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術に対して、つまり、結合スチレン量の少ない低発熱性を意図した溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムをブレンドして使用する技術に対して、低発熱性を向上させて、なおかつ動的貯蔵弾性率やハードネスの低下を抑制して耐カット性を維持する技術の開発が望まれていた。
本発明は、このような嘱望された技術を開発し提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のゴム組成物の構成は以下の通りである。
(1)ゴム成分にカーボンブラックおよびシリカを配合してなるゴム組成物であって、前記ゴムが天然ゴムを30〜90重量%および一方の末端がヘキサメチレンイミンを有する官能基を有し、他方の末端がスズ原子を有する官能基を有する変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを10〜70重量%含んでなり、前記カーボンブラックおよびシリカの配合量が前記ゴム成分100重量部に対して40〜65重量部であり、かつシリカの配合量は前記ゴム成分100重量部に対して5〜30重量部であることを特徴とする。
(2)前記変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが、ヘキサメチレンイミンを加え、さらに、n−ブチルリチウムを加えて溶液重合することにより得られる重合系に、変性剤として四塩化スズを加えることにより得られることを特徴とする。
(3)前記変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム中、結合スチレン量が40重量%以下であることを特徴とする。
(4)前記シリカが、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着法(CTAB)によって測定した場合に150〜200m2/gの比表面積を有し、かつBET式によって測定した場合に200〜240m2 /gの比表面積を有することを特徴とする。
(5)また、本発明の重荷重用タイヤは、上記(1)〜(4)のうちいずれか1つに記載のゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする。このタイヤに充填される気体は、空気に限らず、窒素等でもよい。
【0005】
【発明の実施の態様】
本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分中、天然ゴムの割合を30〜90重量%とし、上記特定の変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの割合を10〜70重量%とするが、これは、前記変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの割合が10重量%未満ではブレンドの効果が得られず、70重量%を超えると、作業性の悪化を招くからである。同様の観点から、好ましくは、天然ゴム50〜80重量%、変性SBR20〜50重量%である。
【0006】
本発明の変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの製造法は、特に限定されず、公知の種々の方法により製造することができる。
例えば、単量体を適当な不活性溶媒中において、好ましくは有機リチウム化合物を重合開始剤として、アニオン重合させることにより、一方の末端が重合活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体を得、その後、これを各種変性剤で変性することにより、所望の変性スチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
【0007】
重合開始剤の有機リチウム化合物としては、ヒドロカルビルリチウムおよびリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いた場合には、一方の末端に水素原子を有し、かつ他方の末端が重合活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いた場合には、一方の末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
【0008】
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等を例示できる。これらの中で、n−ブチルリチウムが好ましい。
【0009】
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等を例示できる。これらの中で、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミドおよびリチウムピロリジドがより好ましい。
【0010】
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によってスチレン−ブタジエン共重合体を製造する方法としては特に制限されず、従来公知の種々の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、ブタジエンとスチレンを、前記有機リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的のスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
【0011】
この重合反応における温度は、通常−80〜150℃、好ましくは−20〜100℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つ十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体および重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
【0012】
このようにして得られた、一方の末端に水素原子又は窒素含有基を有し、かつ他方の末端が重合活性末端であるステレン−ブタジエン共重合体の該重合活性末端に、各種変性剤を反応させることにより、所望の変性スチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
【0013】
上記変性剤としては、例えば1−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、ジメチルアミノプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、四塩化スズ、トリブチルスズ、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、塩化トリフェニルスズなどのスズ化合物、さらにはジイソシアナートジフェニルメタンなどのイソシアネート系化合物、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミノベンゾフェノン化合物、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどの窒素含有化合物を例示できる。
【0014】
これらの変性剤の中で、多官能変性剤は、分岐構造を有する変性スチレン−ブタジエン共重合体を与えるので好ましい。変性スチレン−ブタジエン共重合体は、温度上昇による弾性率の低下を抑制する効果を有するが、この効果は、分岐構造を有する変性ステレン−ブタジエン共重合体の方が大きい。
前記各変性剤は一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明において、変性スチレン−ブタジエン共重合体は、少なくとも一方の末端が変性されていればよく、変性末端が多ければそれに伴って耐カット性の低下を抑制する効果が高くなる。
【0015】
本発明においては、この変性スチレン−ブタジエン共重合体は、上記効果の点から、重量平均分子量(Mw)が30万〜80万の範囲にあるものが好ましく、特に30万〜70万の範囲にあるものが好ましい。また、ブタジエン部分におけるビニル結合量が25%未満のスチレン−ブタジエン共重合体に対し、変性を行うのが効果的である。
ブタジエン部分におけるビニル結合量は、ジテトラヒドロフリルプロパン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジブチルエーテル、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタンなどのエーテルおよび第3級アミン化合物を重合系に適当量添加することにより、適宜変えることができる。
本発明の変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム中、結合スチレン量が40重量%以下であると好ましいが、これは−30℃付近におけるtanδ値を下げて、低発熱性を確保するためである。同様の観点から、結合スチレン量は30重量%以下であるとより好ましい。
【0016】
本発明におけるゴム組成物に用いられるゴム成分としては、天然ゴム、変性スチレン−ブタジエン共重合体の他に、これらと共に、他のゴム類を併用することかできる。この他のゴム類としては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR)、シス−1,4−ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等を例示でき、これらのゴムは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明のゴム組成物には、充填剤として、カーボンブラックおよびシリカを併用するが、カーボンブラックを配合することにより、耐破壊特性の向上に繋がる耐摩耗性の改良効果を得ることができる。カーボンブラックとシリカの配合量はゴム成分100重量部に対して40〜65重量部であるが、40重量部未満では耐カット性が悪化し、100重量部を超えると作業性および低発熱性が悪化する。
カーボンブラックの種類としては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このカーボンブラックとしては、例えばFEF、SRF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。なかでも、好ましいカーボンブラックはSAF、ISAFである。
【0018】
さらに、シリカの配合量は前記ゴム成分100重量部に対して5〜30重量部であることも要求されるが、これは5重量部未満ではシリカ配合の効果が得られず、30重量部より多い場合には、作業性が悪化する傾向にあるからである。同様な観点から、好ましくは、5〜15重量部である。
また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。一方、水酸化アルミニウムとしては、その表面がシラン系カップリング剤やステアリン酸などの表面処理剤で処理されてなる平均粒子径10μm以下のものが好ましく用いられる。
好ましくは、本発明のゴム組成物に配合される前記シリカは、その比表面積が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着法(CTAB)によって測定した場合に150〜200(m2/g)であり、BET式によって測定した場合に200〜240(m2/g)である。比表面積をCTABとBETの2通りの方法で規定した理由は、耐摩耗性と作業性とのバランスをとるためである。これらによって規定した比表面精より狭い場合場合には、耐摩耗性は向上するが、作業性が悪化する。逆に広い場合には、作業性は改善するが、耐摩耗性が悪化する。
【0019】
本発明においては、ゴム組成物にシランカップング剤を配合するのが好ましい。このシランカップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成物に使用されている公知のもの、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。このシランカップリング剤の配合量は、補強用充填材のシリカに対して、通常1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲で選定される。
【0020】
この他、補強用充填材として、さらに、水酸化アルミニウム等を併用することができる。
本発明で用いるゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
【0021】
本発明にかかるゴム組成物は、前記ゴム成分、補強用充填剤、各種配合剤を混合し、ロール、インターナルミキサーなどの混練り機を用いて混練りすることにより、調製することができる。
また、本発明のタイヤは、空気の代わりに窒素などの気体を充填して用いることができる。また、本発明のゴム組成物は、トレッドの全体に適用してもよく、多層構造の場合は、表面に適用するとより好ましい。
【0022】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
表1〜4記載の成分に、表5記載の共通成分を配合してゴム組成物を調製し、下記に方法で物性を測定した。なお。加硫条件は一定で、145℃×30分である。
【0023】
各測定法は以下のとおりである。
(1)ハードネス(硬さ)
JIS K6251−1993C形硬度計で測定した。
(2)EB(破断時伸び)
JIS K6251−1993に準拠して測定した。
(3)TB(引張強さ)
JIS K6251−1993に準拠して測定した。
(4)E’(動的貯蔵弾性率)
動的粘弾性測定機(東洋精機作製所製)を使用して、25℃、動的歪み2%、振動数50Hzにで測定した。
(5) tanδ
動的粘弾性測定機(東洋精機作製所製)を使用して、25℃、動的歪み2%、振動数50Hzにで測定した。
(6)発熱性(タイヤ温度の評価)
一定速度、ステップロード条件のドラムテストを実施し、タイヤトレッド内部の一定深さ位置の温度を測定し、指数で表示した。指数の値が小さいほど、低発熱性化の効果が大きいことを表す。指数表示については比較例8、15、実施例27の値をそれぞれ100とした。
(7)作業性
JIS K 6300−1994に準拠して、ムーニー粘度ML(1 + 4) (130℃)を測定し、指数で表示した。指数の値が大きいほど、作業性の改良効果が大きいことを表す。指数表示については比較例8、15、実施例27の値をそれぞれ100とした。
(8)耐カット性
耐カット性(耐破壊性)は、2000時間走行後のタイヤにおけるトレッドゴム表面30cm×30cm当たりのゴムの欠落していない面積率を求め、指数で表示した。指数の値が大きいほど、耐カット性の改良効果が大きいことを表す。指数表示については、比較例15、実施例27の値を100とた。
(9)重合体のミクロ構造
共役ジエン部におけるビニル結合(1,2−結合)量、結合スチレン量はNMR法により測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、両末端を変性したSBR−Cをブレンドしたものは、E’は、片末端変性のSBR−Bに比べて劣るが、 tanδ値が低く、低燃費を実現できることがわかる。
【0026】
【表2】
【0027】
表2から、SBR−Cの量が増えるのに伴って、E’が高くなることがわかる。
【0028】
【表3】
【0029】
表3から、カーボンブラックの一部をシリカで置換すると、その置換量の増加に伴って、E’が増加する傾向にあることがわかる。また、SBR−Cを使用したことによるE’の低下はカーボンブラックを10重量部のシリカで置換することにより、補完できることがわかる。しかし、シリカ量が30重量部を超えると、他のゴム物性が低下し、さらに、作業性も悪化する。
【0030】
【表4】
【0031】
表4のから、カーボンブラックが少な過ぎると耐カット性が悪化し、逆に、カーボンブラックが多い過ぎると作業性および発熱性が悪化する。
【0032】
表中の配合物の説明は以下の通りである。
SBR−Aは乳化重合SBR(#1500;ジェイエスアール(株)製)であり、変性していない。また、結合スチレン量23.5重量%、ビニル結合量18%、Tg−30℃である。
SBR−Bは溶液重合SBR(合成品)であり、片末端をスズで変性している。また、結合スチレン量35重量%、ビニル結合量23%、Tg−22℃である。
SBR−Cは溶液重合SBR(合成品)であり、両末端を四塩化スズとヘキサメチレンイミンで変性している。また、結合スチレン量25重量%、ビニル結合量27%、Tg−30℃である。
カーボンブラックは東海カーボン(株)製のシースト9(商標)である。
シリカのコロイダル特性は表1および表2記載のものは、CTAB150m2/g、BET200m2/gであり、表3記載の「微粒径」品はCTAB200m2/g、BET230〜240m2/gであり、「中粒径」品はCTAB150m2/g、BET200m2/gである。
【0033】
【表5】
【0034】
前記SBR−Bの合成例
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロへキサン300g、1,3−ブタジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、カリウム−t−アミレート0.025mmol、THFlmmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で2時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿は見られず均一で透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、分子量及び分子量分布を測定した。
この重合系にさらに変性剤としてTTC(四塩化スズ)の1Mシクロヘキサン溶液0.09mmolを加えた後、さらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6−ジタ−シャリブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーA(結合スチレン量:35重量%、ビニル結合量:23%(NMR) ML(1+4)(100℃):88)
を得た。
【0035】
前記SBR−Cの合成例
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体37.5g、スチレン単量体12.5g、カリウム−t−アミレート0.03mmol、THF2mmolを注入し、さらに二級アミンとしてへキサメチレンイミン0.41mmo1を加えた。これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で2.5時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿は見られず均一で透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、分子量及び分子量分布を測定した。
この重合系にさらに変性剤としてTTC(四塩化スズ)の1Mシクロヘキサン溶液0.09mmolを加えた後、さらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6−ジタ−シャリブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマーC(結合スチレン量:25重量%、ビニル結合量:28%(NMR) ML(1+4)(100℃):78)
を得た。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、低発熱性の溶液重合末端変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムにシリカを組み合わせることで、天然ゴムとスチレン−ブタジエン共重合体ゴムのブレンド系において、特に耐カット性および低発熱性を改良したゴム組成物を提供でき、これをトレッドに適用して、優れた重荷重用タイヤを提供できる。
Claims (5)
- ゴム成分にカーボンブラックおよびシリカを配合してなるゴム組成物であって、前記ゴムが天然ゴムを30〜90重量%および一方の末端がヘキサメチレンイミンを有する官能基を有し、他方の末端がスズ原子を有する官能基を有する変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを10〜70重量%含んでなり、前記カーボンブラックおよびシリカの配合量が前記ゴム成分100重量部に対して40〜65重量部であり、かつシリカの配合量は前記ゴム成分100重量部に対して5〜30重量部であることを特徴とするゴム組成物。
- 前記変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが、ヘキサメチレンイミンを加え、さらに、n−ブチルリチウムを加えて溶液重合することにより得られる重合系に、変性剤として四塩化スズを加えることにより得られることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
- 前記変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム中、結合スチレン量が40重量%以下であることを特徴とする請求項1〜2のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 前記シリカが、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着法(CTAB)によって測定した場合に150〜200m2/gの比表面積を有し、かつBET式によって測定した場合に200〜240m2 /gの比表面積を有することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする重荷重用タイヤ。
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