JP5086883B2 - 変性重合体の製造方法、変性重合体及びその変性重合体を用いたゴム組成物 - Google Patents

変性重合体の製造方法、変性重合体及びその変性重合体を用いたゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、変性重合体の製造方法、変性剤、変性重合体及び該変性重合体を用いたゴム組成物及びタイヤに関する。さらに詳しくは、本発明は、シリカ及び/又はカーボンブラック系配合のゴム組成物において、シリカ及びカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗牲及び低発熱性を同時に向上させると共に、良好な作業性を発揮し得る変性重合体の製造方法、変性剤、変性重合体、並びにこの変性重合体を用いたゴム組成物及びタイヤに関するものである。
近年、省エネルギーの社会的な要請によって、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の減少が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法についても検討されてきたものの、ゴム組成物としてより発熱の少ない材料を用いることが最も一般的な手法として行われている。
このような発熱の小さいゴム組成物を得るために、これまで、ゴム組成物に使用する充填材の分散性を高める技術開発が数多くなされてきた。その中でも特に、リチウム化合物を用いたアニオン重合で得られるジエン系重合体の重合活性部位を充填材と相互作用を持つ官能基にて修飾する方法が、最も一般的になりつつある。
このような方法の中で最も代表的なものとして、充填材にカーボンブラックを用い、重合活性部位をスズ化合物に修飾する方法(特許文献1)、同様にカーボンブラックを用い、重合活性末端にアミノ基を導入する方法(特許文献2)などが知られている。
一方、近年、自動車の安全性への関心の高まりに伴い、低燃費性能のみならず、湿潤路面での性能(以下ウェット性能という)、特に、制動性能についても要求が高まってきた。このため、タイヤトレッドのゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵抗の低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度に両立するものが必要とされている。
このような良好な低燃費性と良好なウェット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方法として、これまで一般的に用いられてきた補強用充填材であるカーボンブラックに代えてシリカを用いる方法がすでに行われている。
しかしながら、シリカを補強用充填材として用いた場合、カーボンブラックと比較して、ゴム組成物の破壊強度及び耐摩耗特性が著しく低下するのを免れないことも明らかとなっている。また、シリカの分散性が悪く、混練りを行う際の作業性についても、現実にタイヤを製造する上で大きな問題となっている。
そこで、発熱性の良好なゴム組成物を生産性よく得るために、補強用充填材としてカーボンブラック又はシリカを単独で用いるのみでなく、シリカとカーボンブラックを併用し、さらに、このような多様な充填材に対して広く相互作用をもち、充填材の良好な分散性と、ゴム組成物の耐摩耗性とを与え得る活性部位変性重合体が必要とされている。
しかし、これまで、活性部位変性重合体の開発が、単一の充填材用として行われてきたため、充填材の種類に関係なく、各種の充填材との相互作用を充分にもつ部位変性重合体は、極めて限られているのが現状である。例えば、前述のスズ化合物については、カーボンブラックに対する分散効果は大きいものの、シリカに対してはほとんど分散効果がない上、補強効果は全く発揮されない。また、アミノシランのシリカに対する分散効果についての報告があるものの(特許文献3)、その効果については、必ずしも充分ではない。
他方、シリカの分散効果及び補強性改善効果のあるアルコキシシランを用いる方法が開示されているが(特許文献4、特許文献5、特許文献6など)、その効果は不十分である。
また、アルキルリチウム又はリチウムアミドを重合開始剤とするアニオン重合により得られた重合体の活性末端に、ジアルキルアミノ基を有するアルコキシシランを導入した変性重合体が開示されている(特許文献7)。しかしながら、この変性重合体を用いる場合、良好な作業性と共に、シリカ配合に対する補強性及びシリカとカーポンプラックの両者に対する一定の分散効果が得られるものの、ジアルキルアミノ基を有するアルコキシシランが高価なために、これを用いた変性重合体も高価であり、工業化が困難であった。
ところで、変性重合体を製造する際に用いられる活性部位を有する重合体は、通常、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させることにより得られる。このようなアニオン重合により得られた重合体の活性部位に、物性改良に大きな効果があると思われる第一級アミノ基,第二級アミノ基,有機オニウム塩基などの官能基を導入することは、アニオン重合の特性上容易ではなく、過酷な条件下でのポスト重合処理や高価な保護基を必要とし、その工業的価値は低いものであった.
特公平5−87630号公報 特開昭62−207342号公報 特開平9−151275号公報(第2頁) 特開平1−188501号公報(第2頁) 特開平8−53513号公報(第2頁) 特開平8−53576号公報(第2頁) 特公平6−57767号公報(第2頁)
本発明は、このような状況下で、シリカ及び/又はカーボンブラック配合のゴム組成物に用いた場合に、シリカやカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊性、耐摩耗性及び低発熱性を同時に向上させると共に、良好な作業性を発揮し得る変性重合体の製造方法、この方法により得られた変性重合体、この変性重合体を含むゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、例えばアニオン重合により合成された重合体の活性部位に、活性プロトンを有する官能基を容易に導入することができる特定の方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ジエン系重合体を変性して変性重合体を製造する方法において、(1)一般式(I)
1−A1−Y1 … (I)
(式中、X1は前記ジエン系重合体の活性部位と反応する官能基を有する一価の有機基であり、Y1は窒素,酸素又はイオウに結合する水素を活性プロトンとするプロトン性官能基を有する一価の有機基である。また、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である。)
で表わされるプロトン性官能基含有化合物(A)を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物(B)と反応させて、該プロトン性官能基中の活性プロトンをアルカリ金属化又はアルカリ土類金属化する予備処理により変性剤(C)を得る工程と、(2)該変性剤(C)を、例えばアニオン重合により得られた有機金属型の活性部位を有する重合体の該活性部位と反応させる重合体の中間変性体を得る工程と、(3)得られた中間変性体の該金属化部位から該金属を離脱して活性プロトンを再生させる工程とからなることを特徴とする変性重合体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、ジエン系重合体を変性して変性重合体を製造する方法において、(1)一般式(I)
1−A1−Y1 … (I)
(式中、X1,Y1及びA1は前記に同じ。)
で表わされるプロトン性官能基含有化合物(A)を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物(B)と反応させて、該プロトン性官能基中の活性プロトンをアルカリ金属化又はアルカリ土類金属化する予備処理工程と、(2)該予備処理による反応生成物を、さらにアルキルシリルハライドと反応させて変性剤(D)を得る工程と、(3)該変性剤(D)を、例えばアニオン重合により得られた有機金属型の活性部位を有する重合体の該活性部位と反応させる重合体の中間変性体を得る工程と、(4)得られた中間変性体の該金属化部位から該金属を離脱して活性プロトンを再生させる工程とからなることを特徴とする変性重合体の製造方法を提供するのである。
さらに、本発明は、前記変性剤(C)及び(D)を提供することにあり、また、前記変性重合体及びこれを含むゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたタイヤをも提供するものである。
本発明における変性重合体は、シリカ及び/又はカーボンブラックを配合したゴム組成物に適用した場合に、シリカ及び/又はカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性及び低発熱性を同時に向上させると共に、良好な作業性を発揮し得る。また、本発明の方法によれば、前記優れた性能を有する特定変性重合体を容易に製造することができる。
本発明において、ジエン系重合体の変性に用いられる第1の変性剤は、下記説明する一般式(I)で表わされるプロトン性官能基含有化合物を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物と反応させて得られる。また、第2の変性剤は、前記一般式(I)で表わされるプロトン性官能基含有化合物を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物と反応させた後、さらにアルキルシリルハライドと反応させて得られる。
ここで、第2の変性剤は、第1の変性剤より経時安定性に優れるので分解しにくく、また、重合体の末端活性部位との反応が容易であることから、第1の変性剤より好ましく用いられる。
上記変性剤の原料となるプロトン性官能基含有化合物としては、プロトン性官能基を有するとともに、有機金属型の活性部位を有する重合体の該活性部位と反応する官能基を有することが必要であることから、一般式(I)
1−A1−Y1 … (I)
(式中、X1は前記ジエン系重合体の活性部位と反応する官能基を有する一価の有機基であり、Y1は窒素,酸素又はイオウに結合する水素を活性プロトンとするプロトン性官能基を有する一価の有機基である。また、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である。)
で表わされるプロトン性官能基含有化合物が用いられる。
このプロトン性官能基含有化合物と有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物と反応させることにより、第1の変性剤(C)が得られ、この第1の変性剤をさらに、アルキルシリルハライドと反応させることにより、第2の変性剤(D)を得ることができる。第2の変性剤の製造に用いられるアルキルシリルハライドとしては、例えばトリメチルシリルクロライドが特に好ましい。
前記(I)式中、Y1が有するプロトン性官能基としては、具体的には第1級アミン及びそのオニウム塩,第2級アミン及びそのオニウム塩,第1アミド、第2アミド、アセチルアミド,イミノ,カーバモイル,(チオ)カルボキシル,チオール,(チオ)アルコ−ル,カルボン酸,(チオ)ウレイドなどが挙げられる。この中で、さらに好ましくは窒素に結合する活性プロトン(水素)を有する官能基である。
本発明の変性重合体の製造方法においては、第1の工程として、前記一般式(I)で表わされるプロトン性官能基含有変性剤(A)を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物(B)と反応させて、Y1基中の活性プロトンをアルキル金属化又はアルキル土類金属化(アルキル金属又はアルキル土類金属と置換)する変性剤の予備処理を行なうことが必要である。この予備処理を行わない場合には、変性剤が有するプロトン性官能基中の活性プロトン(活性水素)は、重合体の活性部位により引き抜かれるので、重合体にプロトン性官能基をそのまま導入することはできない。
次に、一般式(I)において、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基を示す。この二価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキレン基,炭素数2〜20のアルケニレン基,炭素数6〜20のアリーレン基,炭素数7〜20のアラルキレン基などが挙げられるが、これらの中で、炭素数1〜20のアルキレン基、特に炭素数1〜10アルキレン基が好ましい。このアルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基などが挙げられる。
さらに、前記一般式(I)中のX1は、重合体の活性部位と反応する官能基を有する一価の有機基であれば特に限定はされないが、重合体の活性部位と反応する官能基としては、例えばヒドロカルビルオキシ基,アミノ基,ハロゲン,カルボニル基,ヒドロカルビルオキシシリル基,ハライド,イミン,ビニル基,アミド基などが挙げられる。
1としては、好ましくは一般式(II)
Figure 0005086883
(式中、R1及びR2は、それぞれ炭素数1〜18の一価の炭化水素基、nは1〜3の整数を示し、R1Oが複数ある場合、各R1Oはたがいに同一でも異なっていてもよく、R2Oが複数ある場合、各R2Oはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロカルビルオキシシリル基である。
上記一般式(II)において、R1及びR2は、それぞれ炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示す。この一価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基などを挙げることができる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基などが挙げられる。
また、該アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としては、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基などが挙げられる。さらに該アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としては、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基などが挙げられる。
nは1〜3の整数を示し、R1Oが複数ある場合、各R1Oはたがいに同一でも異なっていてもよく、R2が複数ある場合、各R2はたがいに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(I)で表わされるプロトン性官能基含有化合物の例としては、N−メチルアミノプロピルメトキシシラン、N−(3−トリエトキシプロピル)アセトアミド及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物などが好ましく挙げられるが、これらの中で特に、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリエトキシプロピル)アセトアミドが好適である。
さらに、プロトン性官能基含有化合物の他の例として、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,N−5−トリメトキシシリルプロピル−2−アザ−1−オキソ−カプロラクタム、N−(2−アミノエチル)−2−アミノプロピルトリエトキシシラン,ウレイドプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、本発明において、前記のプロトン性官能基化合物との反応に用いられる有機リチウム化合物(B)としては、後述のジエン系重合体の重合に用いられる重合開始剤としてのリチウム化合物と同種のものを使用することができる。
次に、本発明の製造方法において、予め調製された変性剤は、アニオン重合で合成された重合体の該活性部位と反応させることが必要である。この際、重合体の活性末端は、リチウム化されたプロトン性官能基とは反応せず、前記一般式(II)の化合物(変性剤)中のX1基と反応して中間変性体を生成する。
上記で用いられる有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
また、前記活性部位の金属はアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種であることが好ましく、特にリチウム金属が好ましい。
上記溶液重合法においては、例えばリチウム化合物を重合開始剤とし、ジエン化合物単独又はジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。
なお、前記活性部位は重合体の分子中に存在すればよく、特に限定されないが、重合体がアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤としたアニオン重合によるものである場合には、一般的に前記活性部位は重合体の末端にくる。
上記ジエン化合物としては、共役ジエン化合物が好ましく、例えば1,3−ブタジエン;イソプレン;1,3−ペンタジエン;2,3−ジメチルブタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン;α−メチルスチレン;1−ビニルナフタレン;3−ビニルトルエン;エチルビニルベンゼン;ジビニルベンゼン;4−シクロヘキシルスチレン;2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
さらに、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さなどの実用性の面、及びアニオン重合特性がリビング性などの点で優れることなどから、特に好適である。
また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は好ましくは3〜50重量%、さらには5〜45重量%の範囲が好ましい。
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、n−ブチルリチウムが好ましい。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどが挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能などの点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することが多いが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在化にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは、共役ジエン重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1、2結合、イソプレン重合体における3、4結合の増加など、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体など、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などの反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
なお、エラストマーとして重合体を得る場合は、得られる重合体又は共重合体の、示差熱分析法により求めたガラス転移点(Tg)が−90℃〜−15℃であることが好ましい。ガラス転移点が−90℃未満の重合体を得るのは困難であり、また−15℃を超える場合には室温領域で粘度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる場合がある。
本発明における前記変性剤は、得られた有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体に対して、好ましくは該活性部位に対する化学量論的量又はそれより過剰を加えて反応させる。
このようにして得られた中間変性重合体は、最終工程において、リチウム化部位からリチウムを離脱し活性プロトンを再生する必要がある。このような活性プロトンを再生は、例えばアルコールや水と処理することで容易に行なうことができ、通常の脱溶媒、乾燥過程におけるスチームストリッピング工程で同時に、中間変性重合体において活性プロトンを再生させることができる。
本発明においては、上記の方法により変性重合体を製造することができるが、下記に、変性剤としてN−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン(MAPMOS)を用いた場合を例にとり、本発明の変性重合体の製造方法における反応機構を説明する。
Figure 0005086883
Figure 0005086883
上記において、まずMAPMOSに、ブチルリチウム(BuLi)を作用させると、MAPMOS中アミノ基の活性プロトンは、Buアニオンに引き抜かれてMAPMOSのリチウム塩(A')となり、次に、該リチウム塩(A')を重合体の活性末端(M+は活性金属)と反応させた後で、水などと作用させることにより活性プロトンを有するアミノ基が再生する。本発明における変性重合体はこのような反応機構により得られる。
本発明においては、この変性反応時に、所望により、公知の老化防止剤や重合反応を停止する目的でショートストップ剤を、重合体の活性部位に変性剤の化合物残基を導入した後の工程において、添加することができる。
このようにして変性処理したのち、脱溶媒などの従来公知の後処理を行い、目的の変性重合体を得ることができる。この変性重合体の重合鎖活性部位変性基の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や、核磁気共鳴分光(NMR)を用いて行うことができる。
また、該変性重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜80である。ムーニー粘度が10未満の場合は破壊特性を始めとするゴム物性が十分に得られず、150を超える場合は作業性が悪く配合剤とともに混練りすることが困難である。
本発明において、このようにして得られた変性重合体は、末端に活性プロトンを有しているので、これにカーボンブラックを配合した場合には、カーボンブラック表面の官能基との水素結合により、その分散性と補強性を大幅させることができる。また、変性剤が、例えば前記一般式(II)で表わされるヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を併有する場合には、同時にシリカとの親和性も大きい。
従って、本発明における変性重合体を、シリカ及び/又はカーボンブラックの配合系のゴム組成物に適用した場合には、シリカ及び/又はカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性及び低発熱性を同時に向上させるとともに、良好に作業性を発揮し得る変性重合体、これを用いたゴム組成物およびタイヤを得ることができる。
そこで、本発明は、アニオン重合により合成した共役ジエン系重合体の末端部位に、窒素,酸素又はイオウに結合する水素を活性プロトンとするプロトン性官能基を含有する変性重合体を構成とするものでもある。
次に、本発明のゴム組成物は、上記変性重合体を含むものであり、通常、該変性重合体を少なくとも30重量%を含むゴム成分と、その100重量部当たり、シリカ及び/又はカーボンブラック10〜100重量部を含むゴム組成物が好ましい。
この変性重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、この変性重合体と併用されるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。
上記シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。
このシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。一方、カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このカーボンブラックとしては、例えばFEF,SRF,HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好ましくはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ミリリットル/100g以上のカーボンブラックである。このカーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF,ISAF,SAFが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、補強用充填材としてシリカを用いる場合、その補強性をさらに向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルチトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられるが、これらの中で補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。これらのシランカップリング剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましいシランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、好ましくは1〜20重量%の範囲で選定される。この量が1重量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、5〜15重量%の範囲である。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途にも用いることができる。特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム(キャップゴム,ベースゴムを含む)、サイドゴム、プライゴム、ビードフィラーゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
本発明において、ゴム組成物を用いたタイヤは、低燃費性が良好であると共に、特に破壊特性及び耐摩耗性に優れており、しかも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れている。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、重合体の物性は、下記の方法に従って測定した。
<重合体の物性>
(変性)重合体の重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〔GPC;東ソ−製HLC−8020、カラム;東ソ−製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
重合体のブタジエン部分のビニル量は、赤外法によって求め、重合体中のスチレン単位含有量は1H−NMRスペクトルの積分比より算出した。
重合体のムーニー粘度は東洋精機社製のRLM−01型テスターを用いて、100℃で測定した。
<加硫ゴムの物性>
(1)低発熱性
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み10%、周波数15Hzでtanδ(50℃)を測定した。tanδ(50℃)が小さい程、低発熱性である。
(2)破壊特性(引張り強力)
切断時の強力(Tb)をJIS K6301−1995に従って測定した。
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、比較例4の耐摩耗性を100として指数表示した。指数が大きい方が良好となる。
<ゴム組成物のムーニー粘度>
JIS K6300−1994に準拠し、130℃にてムーニー粘度〔ML1+4/130℃〕を測定した。
実施例1
(1)変性剤溶液の調製
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン(MAPMOS)の1規定シクロヘキサン溶液を調製し、MAPMOSに当量となるように、n−ブチルリチウム(BuLi)の3.65規定シクロヘキサン溶液を滴下し、よく攪拌することにより、変性剤(C)の溶液を調製した。
(2)変性重合体の製造
乾燥し、窒素置換された800ミリリットルの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体40g、スチレン単量体10g、ジテトラヒドロフリルプロパン0.43ミリモルを注入し、これに0.48ミリモルのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
この重合系に(1)で調製した変性剤(C)の溶液を、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシランが0.43ミリモルとなるように加えた後に50℃で30分間変性反応を行なった。この後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5重量%溶液0.5ミリリットルを加えて反応の停止を行い、その後、常法に従いスチームストリッピングにより脱溶媒と乾燥を行ない、変性重合体Dを得た。得られた重合体の分析値を第1表に示す。
実施例2及び比較例1,2
実施例1の(1)変性剤溶液の調製において、変性剤であるN−メチルアミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、第1表に示す種類の変性剤を用いた以外は、実施例1と同様にして重合体A,B(各比較例)及びE(実施例)を得た。得られた各重合体の分析値を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、変性剤溶液を用いなかったこと、及び(2)変性重合体の製造において、BuLiの添加量を0.38ミリモルとしたこと以外は、実施例1と同様にして重合体Cを得た。得られた重合体の分析値を第1表に示す。
実施例3
(1)変性剤溶液の調製
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン(MAPMOS)の1規定シクロヘキサン溶液を調製し、MAPMOSに当量となるように、n−ブチルリチウム(BuLi)の3.65規定シクロヘキサン溶液を滴下した後、トリメチルシリルクロライド(TMSCL)の1規定シクロヘキサン溶液を調製して、MAPMOSと当量となるように加え、よく攪拌することにより、変性剤(D)の溶液を調製した。
(2)変性重合体の製造
実施例1の変性重合体の製造において、重合系に(1)で調製した変性剤(D)の溶液を加えたこと以外は、実施例1と同様にして行い、重合体Fを得た。得られた重合体の分析値を第1表に示す。
実施例4
実施例1の(1)変性剤溶液の調製において、変性剤であるN−メチルアミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランを用いたこと以外は、実施例1と同様にして重合体Gを得た。得られた各重合体の分析値を第1表に示す。
Figure 0005086883
(注)
Base Mw ;変性反応前の重量平均分子量(Mw)
Total Mw ;変性反応後の重量平均分子量(Mw)
変性剤
(比較例1)TTC;四塩化スズ
(比較例2)TEOS;テトラエトキシシラン
(実施例1)MAPMOS;BuLiを当量加えたN−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン
(実施例2)TEOSAA;BuLiを当量加えたN−(3−トリエトキシシリルプロピル)アセトアミド
(実施例3)MAPMOS & TMCL;BuLiを当量加えたN−メチルアミノプロピルトリメトキシシランとトリメチルシリルクロライドを反応
(実施例4)MrPTEOS;BuLiを当量加えた3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
実施例5〜8及び比較例4〜6(ゴム組成物)
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた重合体A〜Gを用い、第2表に示す配合1及び配合2に従って、それぞれシリカ系配合のゴム組成物及びカーボンブラック系配合のゴム組成物を以下に示す方法により調製し、ゴム組成物のムーニー粘度を測定すると共に、160℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。その結果を第3表に示す。
Figure 0005086883
(注)
カーボンブラック ;東海カーボン(株)製「シーストKH(N339)(商標)」
シリカ ;日本シリカ工業(株)製「ニプシルAQ(商標)」
カップリング剤 ;デグサ社製シランカップリング剤「Si69(商標)」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
老化防止剤6C ;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
加硫促進剤DPG ;ジフェニルグアニジン
加硫促進剤DM ;メルカプトベンゾチアジルジスルフィド
加硫促進剤NS ;N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
Figure 0005086883
Figure 0005086883
以上の結果、本発明の変性重合体は、シリカ系配合及びカーボンブラック系配合のいずれにおいても、ムーニー粘度の上昇を抑え、かつ破壊特性を損なうことなく、低発熱性及び耐摩耗性を著しく向上させていることが認められる。

Claims (17)

  1. ジエン系重合体を変性して変性重合体を製造する方法において、(1)一般式(I)
    1−A1−Y1 …(I)
    (式中、X1ヒドロカルビルオキシシリル基であり、Y1は窒素,酸素又はイオウに結合する水素を活性プロトンとするプロトン性官能基を有する一価の有機基である。また、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である。)
    で表わされるプロトン性官能基含有化合物(A)を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物(B)と反応させて、該プロトン性官能基中の活性プロトンをアルカリ金属化又はアルカリ土類金属化する予備処理により変性剤(C)を得る工程と、(2)該変性剤(C)を、活性部位を有する重合体の該活性部位と反応させる重合体の中間変性体を得る工程と、(3)アルコール及び/又は水と処理することにより、得られた中間変性体の該金属化部位から該金属を離脱して活性プロトンを再生させる工程とからなることを特徴とする変性重合体の製造方法。
  2. ジエン系重合体を変性して変性重合体を製造する方法において、(1)一般式(I)
    1−A1−Y1 …(I)
    (式中、X1ヒドロカルビルオキシシリル基であり、Y1は窒素,酸素又はイオウに結合する水素を活性プロトンとするプロトン性官能基を有する一価の有機基である。また、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である。)
    で表わされるプロトン性官能基含有化合物(A)を、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物(B)と反応させて、該プロトン性官能基中の活性プロトンをアルカリ金属化又はアルカリ土類金属化する予備処理工程と、(2)該予備処理による反応生成物を、さらにアルキルシリルハライドと反応させることにより変性剤(D)を得る工程と、(3)該変性剤(D)を、活性部位を有する重合体の該活性部位と反応させる重合体の中間変性体を得る工程と、(4)アルコール及び/又は水と処理することにより、得られた中間変性体の該金属化部位から該金属を離脱して活性プロトンを再生させる工程とからなることを特徴とする変性重合体の製造方法。
  3. 前記プロトン性官能基が、第1級アミン及びそのオニウム塩,第2級アミン及びそのオニウム塩,第1級アミド,第2級アミド及び(チオ)カルボキシル基,メルカプト基,(チオ)アルコ−ル及び(チオ)ウレイドの群から選ばれた少なくとも一種の官能基である請求項1又は2に記載の変性重合体の製造方法。
  4. 前記プロトン性官能基含有化合物が、トリエトキシシリル化合物、トリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、メチルジメトキシシリル化合物又はエチルジメトキシシリル化合物である請求項1〜のいずれかに記載の変性重合体の製造方法。
  5. 前記ジエン系重合体が、共役ジエン化合物を単独重合して、又は共役ジエン化合物と他のモノマーを共重合して得られた重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の変性重合体の製造方法。
  6. 前記ジエン系重合体の活性部位の金属がアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の変性重合体の製造方法。
  7. 前記他のモノマーが芳香族ビニル化合物であることを特徴とする請求項に記載の変性重合体の製造方法。
  8. 前記活性部位が重合体の末端にあり、かつ少なくともその一部が活性状態であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の変性重合体の製造方法。
  9. 有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体に、プロトン性官能基含有変性剤を、該活性部位に対して化学量論的量又はそれより過剰量加えて反応させる請求項1〜のいずれかに記載の変性重合体の製造方法。
  10. 前記共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン又はイソプレンであることを特徴とする請求項記載の変性重合体の製造方法。
  11. 前記芳香族ビニル化合物が、スチレンであることを特徴とする請求項記載の変性重合体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする変性重合体(ただし、プロトン性官能基が第1級アミン及びそのオニウム塩の群から選ばれた少なくとも一種の官能基である変性重合体を除く)。
  13. ムーニー粘度(ML1+4/100℃)が10〜150である請求項12記載の変性重合体。
  14. 請求項12又は13に記載の変性重合体を含むゴム成分と、シリカ及びカーボンブラックの少なくともいずれか一方とを含むことを特徴とするゴム組成物。
  15. 請求項12又は13に記載の変性重合体を少なくとも20重量%を含むゴム成分と、その100重量部当たり、シリカ及び/又はカーボンブラック10〜100重量部を含む請求項14に記載のゴム組成物。
  16. シリカに対し、シランカップリング剤を0〜20重量%含む請求項15に記載のゴム組成物。
  17. 請求項14,15,又は16に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とするタイヤ。
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