JP2004138968A - 焦点検出装置 - Google Patents

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長野 明彦
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Abstract

【課題】撮影レンズの光軸から離れた位置で焦点検出を行なう場合でも、その検出精度の低下を防止することができるようにする。
【解決手段】撮影レンズの瞳の異なる領域を通過する2つの光束を受光し、2つの光束にそれぞれ対応する2つの光電変換信号を出力する光電変換素子列10と、2つの光電変換信号のうちの一方の光電変換信号を選択する選択部20と、この選択部により選択された一方の光電変換信号に基づいて、2つの光電変換信号のうちの少なくとも他方の光電変換信号にフィルタ処理を施すためのフィルタの特性を決定するフィルタ特性演算部20と、このフィルタ特性演算部により特性が決定されたフィルタにより少なくとも一方がフィルタ処理された2つの光電変換信号に基づいて撮影レンズの焦点状態を算出する焦点状態演算部20とを備える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影レンズの瞳の異なる位置を透過する光束を光電変換素子列で受光して、該光電変換素子列にて光電変換された信号に基づいて瞳分割方式の焦点検出を行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影レンズの焦点状態を検出する方式の一つとして、センサの各画素にマイクロレンズが形成された2次元のセンサを用いて瞳分割方式の焦点検出を行う装置が特開昭55−111928号公報(特許文献1)及び特開昭58−24105号公報(特許文献2)に開示されている。
【0003】
また、本願出願人はデジタルスチルカメラに用いられるCMOSイメージセンサ(撮像装置)を用いて瞳分割方式の焦点検出を行う装置を特開2001−124984号公報(特許文献3)に開示している。
【0004】
図21は同公報で提案しているイメージセンサを用いて瞳分割方式の焦点検出を行う方法の原理説明図、図22はイメージセンサの1画素の断面図である。
【0005】
イメージセンサ10は撮影レンズ5(5a及び5b)の予定結像面に配置されている。また、イメージセンサ10の1画素は2つの光電変換部101α、101βとから構成されており、各光電変換部の撮影レンズ側に形成されたマイクロレンズ130によって光電変換部101α、101βは撮影レンズ5の絞り53近傍の瞳と略結像関係になるように設定されている。
【0006】
ここで、光電変換部101αは撮影レンズ5の瞳の図中上方を透過する光束Lαを受光し、光電変換部101βは撮影レンズ5の瞳の図中下方を透過する光束Lβを受光する。焦点検出時は、光電変換部101α及び光電変換部101βの光電荷を転送ゲート120α及び120βを介して異なるタイミングでフローティングディフュージョン部121に個別に出力し、イメージセンサ10の外部に読み出す。さらに複数の画素の各光電変換部からの出力より撮影レンズの異なる瞳位置を透過した光束による像が生成される。
【0007】
撮影レンズの異なる瞳位置を透過した光束より生成される像を用いて焦点検出を行う方法は特開平5−127074号公報(特許文献4)等により公知の技術である。
【0008】
一方通常撮影時は、光電変換部101αと光電変換部101βの光電荷は転送ゲート120α及び120βを同時にONすることにより、同じタイミングでフローティングディフュージョン部121へ出力をされ、画素内で加算して出力するように構成されている。
【0009】
ところで、撮像装置を用いて瞳分割方式の焦点検出を行う場合、焦点検出位置が光軸から離れた位置では撮影レンズの射出窓によって焦点検出光束のけられが発生して、焦点検出を行う像に光量差が発生する場合がある。
【0010】
図23は、撮影レンズの光軸から離れた位置にある画素に入射する、撮影レンズの瞳の異なる位置を透過する光束Lα及びLβの瞳形状を示した図である。
【0011】
同図において焦点検出光束Lαの瞳上での面積は焦点検出光束Lβの瞳上での面積より小さいため、焦点検出光束Lαにて生成される焦点検出を行うための像αは焦点検出光束Lβにて生成される焦点検出を行うための像βより強度が小さくなる。
【0012】
図24(a)は、撮影レンズの瞳の異なる位置を透過する光束Lα及びLβによって生成される焦点検出像α及びβを示したものである。焦点検出像α及びβには、撮影レンズの瞳上の光束面積比に応じた強度差が発生する。
【0013】
瞳分割方式の焦点検出の場合、検出された2つの像の相関演算を行うことにより焦点検出を行うが、2つの像に光量差が生じていると焦点検出精度が低下してしまう。撮影レンズの射出窓によって撮影光束がけられた場合、そのけられ量を補正するシェーディング(ゲイン)補正方法が特開2000−324505号公報(特許文献5)に開示されている。同公報のシェーディング補正方法を用いると、図24(a)に示した焦点検出像α及びβは、図24(b)に示すような強度レベルがほぼ同一の焦点検出像α´及びβ´が得られる。
【0014】
また特許第2715958号公報(特許文献6)の焦点検出装置には、2つの像に光量差が生じた場合は低い空間周波数成分を除去するフィルタ処理を行って焦点検出精度の低下を防止する技術が開示されている。
【0015】
さらに、特開平2−1808号公報(特許文献7)に開示されている焦点検出装置には、本来の被写体像には含まれないナイキスト周波数以上の周波数成分や撮影状況により発生する低周波数成分を除去するためのフィルタ処理の技術が開示されている。同公報において、検出された2つの像信号をフィルタ処理する際、2つの像のコントラストを検出してその検出結果に基づいて複数のフィルタの中からフィルタ処理に用いるフィルタの選択を行っている。
【0016】
【特許文献1】
特開昭55−111928号公報
【特許文献2】
特開昭58−24105号公報
【特許文献3】
特開2001−124984号公報
【特許文献4】
特開平5−127074号公報
【特許文献5】
特開2000−324505号公報
【特許文献6】
特許第2715958号公報
【特許文献7】
特開平2−1808号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影レンズの射出窓によって焦点検出光束のけられが発生して強度レベル差が生じた焦点検出像α及びβに対して、シェーディング(ゲイン)補正を行った焦点検出像α´及びβ´は2像の強度レベルは同一となるが、図24(b)から明らかなように像波形が異なったものが得られることがある。特に、高いゲイン補正が行われた焦点検出像α´は比較的高い空間周波数成分を含んだ像となっている。
【0017】
この第1の理由は、図23の焦点検出光束の瞳形状からわかるように、焦点検出像α´を生成する焦点検出光束Lαが焦点検出光束Lβに比べて狭い(絞られた)光束になっているためである。また第2の理由は、焦点検出像α´は高いゲイン補正が行われたためにノイズ成分も増幅されたためである。
【0018】
そのため、特開2000−324505号公報に開示の技術を用いてシェーディング補正を行った後の焦点検出像α´及びβ´を用いて相関演算を行っても、2像の一致度が小さいために焦点検出精度が低下してしまうという欠点があった。
【0019】
また特許第2715958号公報並びに特開平2−1808号公報に開示された焦点検出装置のように、例えばバンドパス型の空間周波数特性を有するフィルタを用いて像信号のフィルタ処理を行っても、予め決められたフィルタの空間周波数特性によっては相対的に高い周波数成分を含んだ焦点検出像αの高い周波数成分を除去できない場合があり、一方の焦点検出像に高い空間周波数成分が残っていると、2像の一致度は低下して焦点検出精度が低下してしまうという欠点があった。
【0020】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮影レンズの光軸から離れた位置で焦点検出を行なう場合でも、その検出精度の低下を防止することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる焦点検出装置は、撮影レンズの瞳の異なる領域を通過する2つの光束を受光し、前記2つの光束にそれぞれ対応する2つの光電変換信号を出力する光電変換素子列と、前記2つの光電変換信号のうちの一方の光電変換信号を選択する選択手段と、該選択手段により選択された前記一方の光電変換信号に基づいて、前記2つの光電変換信号のうちの少なくとも他方の光電変換信号にフィルタ処理を施すためのフィルタの特性を決定するフィルタ特性演算手段と、該フィルタ特性演算手段により特性が決定されたフィルタにより少なくとも一方がフィルタ処理された前記2つの光電変換信号に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を算出する焦点状態演算手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の実施の形態】
本発明は、撮影レンズの瞳の異なる領域を通過する2つの光束を受光し、この2つの光束にそれぞれ対応する2つの光電変換信号を出力する光電変換素子列と、2つの光電変換信号のうちの一方の光電変換信号を選択する選択部と、この選択部により選択された一方の光電変換信号に基づいて、2つの光電変換信号のうちの少なくとも他方の光電変換信号にフィルタ処理を施すためのフィルタの特性を決定するフィルタ特性演算部と、このフィルタ特性演算部により特性が決定されたフィルタにより少なくとも一方がフィルタ処理された2つの光電変換信号に基づいて撮影レンズの焦点状態を算出する焦点状態演算部とを備える焦点検出装置として実施可能である。
【0021】
また、本発明は、撮影レンズの瞳の異なる領域を通過する2つの光束を受光し、2つの光束にそれぞれ対応する2つの光電変換信号を出力し、2つの光電変換信号のうちの一方の光電変換信号を選択し、この選択された一方の光電変換信号に基づいて、2つの光電変換信号のうちの少なくとも他方の光電変換信号にフィルタ処理を施すためのフィルタの特性を決定し、特性が決定されたフィルタにより少なくとも一方がフィルタ処理された2つの光電変換信号に基づいて撮影レンズの焦点状態を算出する焦点検出方法として実施可能である。
【0022】
このような本発明は、具体的に図1乃至図24に示す構成において、以下の第1乃至第3の実施形態と対応して実現できる。
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1乃至図14は本発明の第1の実施形態を示す図で、図1は本実施形態の焦点検出装置を具備したカメラの構成図、図2はイメージセンサ(2次元の光電素子列)の概略平面図、図3は光電変換部の説明図、図4はイメージセンサの一部断面図、図5はイメージセンサの一部回路構成図、図6はタイミングチャート、図7はカメラ動作のフローチャート、図8は焦点検出のフローチャート、図9は注目像選択のフローチャート、図10は焦点検出像の説明図、図11は焦点検出像の極値説明図、図12はフィルタ波形の説明図、図13はフィルタの空間周波数特性の説明図、図14は焦点検出像の説明図である。
【0025】
図1において10はイメージセンサ(2次元の光電素子列)で、デジタルスチルカメラ1の撮影レンズ5の予定結像面に配置されている。デジタルスチルカメラ1は、カメラ全体を制御するCPU20、イメージセンサ10を駆動制御する制御手段であるところのイメージセンサ制御回路21、イメージセンサ10にて撮像した画像信号を画像処理する画像処理回路24、画像処理された画像を表示する表示手段であるところの液晶表示素子9とそれを駆動する液晶表示素子駆動回路25、液晶表示素子9に表示された被写体像を観察するための接眼レンズ3、イメージセンサ10にて撮像された画像を記録するメモリ回路22、画像処理回路24にて画像処理された画像をカメラ外部に出力するためのインターフェース回路23とを備えて構成されている。メモリ回路22には、撮影レンズの固有情報(開放F値、射出窓情報等)も記憶されている。
【0026】
撮影レンズ5はカメラ本体1に対して着脱可能で、便宜上2枚のレンズ5a、5bで図示しているが、実際は多数枚のレンズで構成され、カメラ本体1のCPU20から送られてくる焦点調節情報を電気接点26を介してレンズCPU50にて受信し、その焦点調節情報に基づいて撮影レンズ駆動機構51によって合焦状態に調節される。また53は絞り装置で、絞り駆動機構52によって所定の絞り値に絞り込まれるようになっている。
【0027】
またCPU20は、撮影レンズの焦点状態を算出する演算手段と、2つの焦点検出像(光電変換信号)から1つの焦点検出像(光電変換信号)を選択する選択手段を兼ねている。
【0028】
本実施形態の焦点検出装置は、光電変換素子列であるところのイメージセンサ10、演算手段及び選択手段であるところのCPU20から構成されている。
【0029】
図2はイメージセンサの一部の概略平面図である。図中1マスが1画素を示しており、1マスの中に書かれた「R」「G」「B」の文字は各画素のカラーフィルタの色相を表している。Bayer配列の場合、1絵素は「R」「B」の画素と2つの「G」の画素から構成されるが、本実施形態の撮像装置は「G」であるべき画素の一つに無色透明の層「W」(「W」の文字は不図示)が形成され、更にこの1画素は2つの光電変換部に分割された構成になっている。この2つの光電変換部に分割された画素の各光電変換部から出力される光電変換信号に基づいて撮影レンズの焦点状態が検出される。
【0030】
また、カラーフィルタの配列がBayer配列と異なるため、通常画像の撮影時は「R」「G」「B」の画素出力で色差信号を生成し、「W」の画素出力で輝度信号を生成している。
【0031】
さらに、同一の色相の画素は千鳥状に配列されており、撮影画像の解像感を向上させている。また2分割された光電変換部を有する画素は、図中(0,2)、(1,0)の配列に示されるように光電変換部の分割方向、2分割された光電変換部の幅及び2つの光電変換部の間隔が異なる2種類の画素が配列されている。
【0032】
(0,2)の位置に配列された画素は図中垂直方向(Y方向)に分割されており、焦点検出時は列方向に配列した同種の構造の画素出力に基づいて横線を含む被写体に対して良好に焦点検出が行えるようになっている。一方、(1,0)の位置に配列された画素は図中水平方向(X方向)に分割されており、焦点検出時は行方向に配列した同種の構造の画素出力に基づいて縦線を含む被写体に対して良好に焦点検出が行えるようになっている。
【0033】
図3は図2中の(2,0)、(0,2)、(1,0)の位置に配列された画素の光電変換部の説明図である。
【0034】
図3(a)は、図2中の(2,0)の位置に配列された青色のカラーフィルタが形成された画素を示しており、光電変換部の面積はSBの大きさである。他の緑色及び赤色のカラーフィルタが形成された画素の光電変換部の面積SG及びSRは青色のカラーフィルタが形成された画素の光電変換部の面積SBと等しい大きさである。
【0035】
また図3(b)は、図2中の(0,2)の位置に配列されたカラーフィルタが形成されていない画素を示しており、垂直方向(Y方向)に分割された光電変換部の幅が狭く、また2つの光電変換部の間隔が広く設定されている。1つの光電変換部の面積はSWvの大きさである。
【0036】
また図3(c)は、図2中の(1,0)の位置に配列されたカラーフィルタが形成されていない画素を示しており、水平方向(X方向)に分割された光電変換部の幅が広く、また2つの光電変換部の間隔が狭く設定されている。1つの光電変換部の面積はSWhの大きさである。
【0037】
ここで、前記各画素の光電変換部の面積は
SB = SG = SR > 2×SWh > 2×SWv
の関係を満足するように構成されている。
【0038】
撮影レンズの焦点状態の検出は、カラーフィルタが形成されていない画素の分割された面積の小さい光電変換部から出力される光電変換信号に基づいて行われるが、カラーフィルタが形成されていない画素の透過率は有色のカラーフィルタが形成された画素の透過率の約3倍であるため、焦点検出時もS/N比の高い焦点検出用画像を得られるようになっている。
【0039】
図4はCMOSイメージセンサの一部断面図である。同図は、図2における(1,0)(2,0)の2画素の断面を示している。
【0040】
図4において、117はP型ウェル、118はMOSのゲート絶縁膜であるSiO膜である。126は表面P+層であり、n層125と光電変換部101を構成している。120は光電変換部101に蓄積された光電荷を121のフローティングディフュージョン部(以下FD部と称す)へ転送するための転送ゲートである。129はカラーフィルタ層、130はマイクロレンズで、マイクロレンズ130は撮影レンズ5の瞳とイメージセンサ10の光電変換部101とが略共役になるような形状及び位置に形成されている。
【0041】
また(1,0)の画素において、光電変換部101はFD部121α0を挟んで2つの領域、101α0領域と101β0領域とにそれぞれ分割されており、さらに各光電変換部で発生した光電荷をそれぞれFD部121α0へ転送する転送ゲート120α0、120β0´が形成されている。
【0042】
また(2,0)の画素において、 FD部121γ0は光電変換部101γ0と隣接する画素の光電変換部101β0との間に形成されており、さらに各光電変換部で発生した光電荷をそれぞれFD部121γ0へ転送する転送ゲート120γ0、120β0が形成されている。
【0043】
ここで、転送ゲート120γ0及び転送ゲート120β0´は同じ制御パルスΦTXγ0で制御されるように構成されている。そして、光電変換部101β0の光電荷は制御パルスΦTXβ0及びΦTXγ0のハイ/ロー状態で、FD部121α0及びFD部121γ0に選択的に転送されることを特徴としている。
【0044】
図5はイメージセンサ10の概略的回路構成図である。同図は図2における(1,0)(2,0)(1,1)(2,1)の4画素を示したものであるが、実際は数百万画素の画素から構成されている。
【0045】
同図において、101は光電変換部、103は転送スイッチMOSトランジスタ、104はリセット用MOSトランジスタ、105はソースフォロワアンプMOSトランジスタ、106は水平選択スイッチMOSトランジスタ、107はソースフォロワの負荷MOSトランジスタ、108は暗出力転送MOSトランジスタ、109は明出力MOSトランジスタ、110は暗出力蓄積容量、111は明出力蓄積容量、112は水平転送MOSトランジスタ、113は水平出力線リセットMOSトランジスタ、114は差動出力アンプである。115は水平走査回路、116は垂直走査回路で、制御手段であるところのイメージセンサ制御回路21を構成している。
【0046】
次に図6のタイミングチャートを用いてイメージセンサ10の動作を説明する。
【0047】
イメージセンサ10で通常の撮像を行う際の第0行のタイミングチャートを示したのが図6(a)である。通常撮像時は、2つの光電変換部に分割された(1,0)画素の光電変換部101α0及び101β0にて発生した光電荷が同時にFD部121α0に転送され加算されてイメージセンサ10の外に出力されるように構成されている。このとき、同時に非分割画素(2,0)の光電変換部101γ0にて発生した光電荷もFD部121γ0に転送されイメージセンサ10の外に出力される。
【0048】
図6(a)において、垂直走査回路116からのタイミング出力によって、制御パルスΦS0をハイとして水平選択スイッチMOSトランジスタ106をオンさせ第0行の画素部を選択する。次に制御パルスΦR0をローとしFD部121のリセットを止めFD部121をフローティング状態とし、ソースフォロワアンプMOSトランジスタ105のゲート・ソース間をスルーとしたのち、所定時間後制御パルスΦTNをハイとし、FD部121の暗電圧をソースフォロワ動作で蓄積容量110に出力させる。
【0049】
次に、第0行の各画素の光電変換部101α0、101β0及び101γ0の出力を行うため、制御パルスΦTXα0及びΦTXγ0をハイとして転送スイッチMOSトランジスタ103α0(転送ゲート120α0)、103β0´(転送ゲート120β0´)及び103γ0(転送ゲート120γ0)を導通する。この時光電変換部101α0及び101β0にて発生した光電荷はFD部121α0に転送され、光電変換部101γ0にて発生した光電荷はFD部121γ0に転送される。フォトダイオードの光電変換部101からの電荷がFD部121に転送されることにより、FD部121の電位が光に応じて変化することになる。この時ソースフォロワアンプMOSトランジスタ105がフローティング状態であるので、FD部121の電位を制御パルスΦTSをハイとして蓄積容量111に出力する。この時点で第0行の各画素の暗出力と光出力はそれぞれ蓄積容量110と111に蓄積されており、さらに制御パルスΦHCを一時ハイとして水平出力線リセットMOSトランジスタ113を導通して水平出力線をリセットし、水平転送期間において水平走査回路115の水平転送MOSトランジスタ112への走査タイミング信号により水平出力線に画素の暗出力と光出力とが出力される。このとき、蓄積容量110と111を差動増幅器114によって差動出力Voutをとるため、画素のランダムノイズ、固定パターンノイズを除去したS/Nの良い信号が得られる。
【0050】
さらに垂直走査回路116は同様に、次の行の出力を行うことにより、イメージセンサ10の全画素を出力する。
【0051】
読み出された画像出力は画像処理回路24にて信号処理が行われ、液晶表示素子9に表示され、またメモリ回路22に画像が記憶される。
【0052】
撮影レンズ5の焦点状態の検出を行う場合、2つの光電変換部に分割された画素の光電変換部101α0及び光電変換部101β0のそれぞれの出力から得られる2つの画像の相関演算を行い、2つの画像の像ずれ量から撮影レンズ5の焦点状態を検出する。
【0053】
本実施形態の撮像装置であるイメージセンサ10は、撮影レンズ5の焦点状態を検出する際は、2つの光電変換部に分割された画素(1,0)に隣接する非分割画素(2,0)の光電変換部の出力は読み出さないように構成されている。そして、2つの光電変換部に分割された画素(1,0)の一方の光電変換部の出力は、隣接する非分割画素(2,0)の転送部から出力されるようになっており、焦点検出時の焦点検出用画像の読み出し時間を半減していることを特徴としている。
【0054】
図6(b)はイメージセンサ10で焦点検出用画像を読み出す際の第0行のタイミングチャートを示している。
【0055】
垂直走査回路116は、制御パルスΦS0をハイとして水平選択スイッチMOSトランジスタ106をオンさせ第0行の画素部を選択する。次に制御パルスΦR0をローとしFD部121のリセットを止めFD部121をフローティング状態とし、ソースフォロワアンプMOSトランジスタ105のゲート・ソース間をスルーとしたのち、所定時間後制御パルスΦTNをハイとし、FD部121の暗電圧をソースフォロワ動作で蓄積容量110に出力させる。
【0056】
次に、制御パルスΦTXα0及びΦTXβ0をハイとして転送スイッチMOSトランジスタ103α0(転送ゲート120α0)及び103β0(転送ゲート120β0)を導通し、2つの光電変換部に分割された画素(1,0)の2つの光電変換部にて発生した光発電荷をFD部121α0及び121γ0に同時に転送する。このとき、制御パルスΦTXγ0はローであるため、非分割画素(2,0)の光電変換部101γ0の光電荷はFD部121γ0には転送されない。
【0057】
フォトダイオードの光電変換部101からの電荷がFD部121に転送されることにより、FD部121の電位が光に応じて変化することになる。この時ソースフォロワアンプMOSトランジスタ105がフローティング状態であるので、FD部121の電位を制御パルスΦTSをハイとして蓄積容量111に出力する。この時点で第0行の2つの光電変換部を有する各画素の暗出力と光出力はそれぞれ蓄積容量110と111に蓄積される。
【0058】
イメージセンサ10から外部への出力は、制御パルスΦHCを一時ハイとして水平出力線リセットMOSトランジスタ113を導通して水平出力線をリセットし、水平転送期間において水平走査回路115の水平転送MOSトランジスタ112への走査タイミング信号により水平出力線に出力される。このとき、蓄積容量110と111を差動増幅器114によって差動出力Voutをとるため、画素のランダムノイズ、固定パターンノイズを除去したS/Nの良い信号が得られる。
【0059】
イメージセンサ10からの出力は、演算手段を兼ねるCPU20にて焦点検出用画像信号として整形され、相関演算処理を行った後に撮影レンズ5の焦点状態が算出されることとなる。
【0060】
以上のような画像信号の読み出し動作を行うイメージセンサ(2次元の光電変換素子列)を有するカメラの動作を、図7のフローチャートを用いて説明する。撮影者が、図1には不図示のデジタルスチルカメラ1のメインスイッチをONすると(s101)、カメラ1は待機状態から復帰する。引き続き、撮影者が不図示の操作スイッチSW1をONすると(s102)、カメラ1のCPU20はイメージセンサ制御回路21に焦点検出信号を送ってイメージセンサ10にて焦点検出用の撮像を行わせる(s103)。焦点検出用の画像を得るためにイメージセンサ制御回路21よりイメージセンサ10に出力される制御信号は、図6(b)のタイミングチャートに示したとおりである。
【0061】
カメラ1の接眼レンズ3を介して観察される電子ビューファインダ(EVF)の画像は、本実施形態では焦点検出用の画像から生成されるようになっている。撮影レンズ5の瞳の異なる領域を透過した光束による焦点検出用の画像は画像処理回路24にて加算処理が行われ、CPU20を介して液晶表示素子駆動回路25に送られて液晶表示素子9に表示される(s104)。
【0062】
同時に、撮影レンズ5の瞳の異なる領域を透過した光束による焦点検出用の画像に基づいて演算手段を兼ねたCPU20は撮影レンズ5の焦点検出を実行する(s105)。焦点検出方法の詳細は後述する。
【0063】
検出された撮影レンズ5の焦点状態が合焦状態でなければ(s106)、CPU20は検出された撮影レンズ5のデフォーカス量をレンズCPU50に送信し、レンズCPU50にて撮影レンズの駆動量が算出される。さらに、レンズCPU50は撮影レンズ駆動機構51にレンズ駆動信号を送って、撮影レンズ5を算出されたデフォーカス量に対応した量だけ駆動して合焦状態に設定する(s111)。
【0064】
撮影レンズ5を所定位置まで駆動し焦点調節が終了すると(s111)、カメラ1のCPU20は再度メインスイッチ及び操作スイッチSW1の確認を行う。メインスイッチがON状態で(s101)操作スイッチSW1もON状態であれば(s102)、カメラ1のCPU20はイメージセンサ制御回路21に焦点検出信号を送ってイメージセンサ10にて焦点検出用の撮像を行わせる(s103)。
【0065】
さらに、撮影レンズ5の瞳の異なる領域を透過した光束による焦点検出用の画像は画像処理回路24にて加算処理が行われ、CPU20を介して液晶表示素子駆動回路25に送られて液晶表示素子9に表示される(s104)。このとき液晶表示素子9に表示される画像は、被写体にピントがあった画像となっている。
【0066】
同時に、撮影レンズ5の瞳の異なる領域を透過した光束による焦点検出用の画像に基づいて演算手段を兼ねたCPU20は撮影レンズ5の焦点検出を実行する(s105)。
【0067】
検出された撮影レンズ5の焦点状態が合焦状態で(s106)、液晶表示素子9に表示されたピントのあった被写体画像を撮影者が視認して画像を記録するための操作スイッチSW2をONしたら(s107)、カメラ1のCPU20はイメージセンサ制御回路21に撮像信号を送ってイメージセンサ10にて通常の撮像を行わせる(s108)。本画像を得るためにイメージセンサ制御回路21よりイメージセンサ10に出力される制御信号は、図6(a)のタイミングチャートに示したとおりである。
【0068】
イメージセンサ10にて撮像された画像信号は、イメージセンサ制御回路21にてA/D変換された後に画像処理回路24にて画像処理が行われる。このとき、イメージセンサ10からの出力信号に基づいて色再現のために所定の画像処理が行われる。画像処理が行われた画像信号はCPU20を介して液晶表示素子駆動回路25に送られ液晶表示素子9に表示される(s109)。撮影者は接眼レンズ3を通して液晶表示素子9に表示された被写体像を観察することが可能となる。
【0069】
同時に、CPU20は撮像された画像信号をそのままカメラ1のメモリ回路22に記憶する(s110)。
【0070】
撮影動作が終了し、撮影者がメインスイッチをOFFすると(s101)カメラの電源が落ちて待機状態となる(s112)。
【0071】
ところで本実施形態の焦点検出装置は、撮影レンズ5の光軸から離れた画面周辺部の被写体に対する焦点状態を検出する際に、撮影レンズ5の瞳の異なる領域を透過した光束による焦点検出用の1組の画像に含まれる空間周波数成分のうち異なる強度の空間周波数成分を除去するようなフィルタ処理を行って、1組の像の一致度を向上させて焦点検出精度を向上させていることを特徴とする。そのために、焦点検出用の1組の画像に含まれる空間周波数成分がほぼ同一になるようにフィルタの周波数特性を決定している。以下、図8及び図9のフローチャートを用いて本実施形態の焦点検出装置の焦点検出方法を説明する。
【0072】
撮影レンズ5の焦点状態を検出する際(s105)、まず選択手段であるCPU20は、イメージセンサ10より出力された焦点検出用の1組の画像からフィルタの周波数特性を決定するために用いる画像(注目像)を選択する(s120)。選択手段であるCPU20は、例えば図24(a)に示した焦点検出用の画像のうち高い空間周波数成分が含まれていない画像を選択するために、焦点検出用の1組の画像α及びβの強度を比較する(s130)。高い空間周波数成分が含まれていない画像は相対的に強度が高いため、相対的に強度が高い画像を注目像として選択する。図24(a)に示したような画像の場合、CPU20は2つの画像の強度を比較してβ像の強度が大きいと判断すると(s130)、注目像をβ像と選択する(s132)。
【0073】
フィルタの周波数特性を決定する注目像がβ像と選択されると(s120)、CPU20は選択されたβ像に基づいて、フィルタ処理を施すことによって焦点検出用の1組の画像α及びβに含まれる空間周波数特性をほぼ同一とするようなフィルタの空間周波数特性を決定する(s121)。
【0074】
以下、図10及び図11を用いてフィルタの空間周波数特性を決定する方法を説明する。
【0075】
本実施形態においては、焦点検出用の像に含まれる像の空間周波数成分を簡易的に見出すために、選択された焦点検出像β像の凹凸の間隔と大きさを求めている。そこで、CPU20は、選択されたβ像の凹凸の間隔と大きさを求めるためにβ像の極値を算出する。図10は算出されたβ像の極値を示したもので、5つの極値の位置hと強度vが示してある。図11は隣接する極値の間隔Δhと強度差Δvを示したものである。同図より、β像に含まれるおおよその空間周波数成分が簡易的に把握される。本実施形態においては、隣接する極値の強度差Δvが最も大きくなるような極値の間隔Δhcを、β像に含まれる主要空間周波数成分と定めている。
【0076】
図12は本実施形態の焦点検出装置で用いるフィルタの波形を示したものである。同図に示したフィルタは図13のフィルタの空間周波数特性説明図に示すように、低周波側と高周波側とを除去するようなバンドパス型の空間周波数特性を有していることを特徴としている。また、バンドパス型のフィルタの中心空間周波数fcは、先に求められたβ像の極値の間隔Δhcより
fc=1/(2×Δhc)
を満足するようになっている。
【0077】
フィルタの空間周波数特性が決定されると(s121)、イメージセンサ10にて検出された焦点検出用の画像α及びβのシェーディング補正(ゲイン補正)が実行される(s122)。シェーディング補正(ゲイン補正)の方法については、特開2000−324505号公報に開示されている。さらに、シェーディング補正後の1組の像α´及びβ´(例えば図24(b)に示した像)に、先に求めた空間周波数特性を有するフィルタを用いてフィルタ処理が行われる(s123)。フィルタ処理後の1組の像α´´及びβ´´を示したのが図14である。フィルタ処理によって像α´の高い周波数成分は除去され、1組の像α´´及びβ´´に含まれる空間周波数成分がほぼ同一となったため、像α´´及びβ´´の一致度が向上している。
【0078】
引き続き演算手段を兼ねたCPU20は、像α´´及びβ´´の相関演算を行って、2つの像の像ずれ量を算出する(s124)。さらにCPU20は、図23に示した焦点検出光束の瞳形状から、2つの焦点検出光束Lα及びLβの重心を求めて、その重心間隔から基線長を算出する(s125)。
【0079】
さらにCPU20は、先に算出された焦点検出像の像ずれ量と算出された基線長から撮影レンズ5のデフォーカス量を算出する(s126)。
【0080】
(第2の実施形態)
図15乃至図19は本発明の第2の実施形態を示す図で、図15は注目像選択のフローチャート、図16は焦点検出位置説明図、図17〜図18は焦点検出光束説明図、図19は瞳形状説明図である。本実施形態の焦点検出装置の構成及びカメラでの使用形態は第1の実施形態と同様であるため、それを説明する図面も第1の実施形態と同様である。
【0081】
図15乃至図19の各図において、10はイメージセンサ、53は撮影レンズ5の絞り、54は撮影レンズ5の前玉レンズ群のレンズ枠等により撮影光束を制限する前側射出窓、55は撮影レンズ5の後玉レンズ群のレンズ枠等により撮影光束を制限する後側射出窓である。
【0082】
以下、図15のフローチャートを用いて、焦点検出用の1組の画像に含まれる空間周波数成分がほぼ同一になるようにフィルタの周波数特性を決定するために用いる像を選択する方法を説明する。
【0083】
選択手段であるCPU20は、イメージセンサ10より出力された焦点検出用の1組の画像からフィルタの周波数特性を決定するために用いる画像(注目像)を選択するために(s120)、焦点検出光束の瞳形状を算出する(s134)。
【0084】
例えば、図16の焦点検出位置説明図に示すように、撮影レンズ5の光軸から離れた位置P(xp、0)の被写体に対して撮影レンズ5の焦点状態を検出する場合、図17の焦点検出光束説明図に示すように撮影レンズ5の瞳(例えば53の絞り面)の異なる位置を透過する焦点検出光束Lα(図4の光電変換部101α0にて受光する光束)とLβ(図4の光電変換部101β0にて受光する光束)の光束径が異なる。これは、図中上方を透過する焦点検出光束Lαは撮影レンズ5の後側射出窓55で最外光束が制限され、図中下方を透過する焦点検出光束Lβは撮影レンズ5の前側射出窓54で最外光束が制限されるためである。
【0085】
そこで、図18の焦点検出光束説明図を用いて焦点検出光束の瞳面上での形状を求める方法を説明する。同図において、前側射出窓54の光軸方向の位置をz1、前側射出窓54の半径をr1、射出瞳53の光軸方向の位置をzi、射出瞳53の半径をri、後側射出窓55の光軸方向の位置をz2、後側射出窓55の半径をr2、またイメージセンサ10の光軸対応画素を座標原点とする。
【0086】
図18(a)は、前側射出窓54を透過して焦点検出位置Pに入射する光束を示している。ここで、前側射出窓54を射出瞳53に投影したときの形状を示したものが図19の破線で示した円54′である。円54′は、
(X−(z1−zi)/z1×xp)+Y=(zi/z1×r1)
を満足する。
【0087】
一方、図18(b)は、後側射出窓55を透過して焦点検出位置Pに入射する光束を示している。ここで、後側射出窓55を射出瞳53に投影したときの形状を示したものが図19の点線で示した円55′である。円55′は、
(X−(z2−zi)/z2×xp)+Y=(zi/z2×r2)
を満足する。
【0088】
ところでイメージセンサ10に入射する光束は、前側射出窓54を投影した円54′と後側射出窓55を投影した円55′の重なる領域となる。図4のイメージセンサ説明図に示したように、焦点検出を行う画素は2つの光電変換部に分割されているため、各光電変換部に入射する光束は射出瞳53面上でY軸を境に分割される。
【0089】
そのため図19において、射出瞳53面上での焦点検出光束Lαの面積SαはY軸と円55′の円弧に囲まれた領域となる。焦点検出光束Lαの面積Sαは、
Figure 2004138968
と求められる。
【0090】
同様に、射出瞳53面上での焦点検出光束Lβの面積SβはY軸と円54′及び円55′の円弧に囲まれた領域となる。焦点検出光束Lβの面積Sβは
Figure 2004138968
と求められる。ただし、
Figure 2004138968
を満足する。
【0091】
各射出窓による瞳形状に基づいて、瞳面上での焦点検出光束の面積Sα及びSβが求まると(s134)、選択手段であるCPU20は2つの焦点検出光束の面積を比較する(s135)。焦点検出光束Lαの瞳面上での面積Sαが焦点検出光束Lβの瞳面上での面積Sβより小さいならば(s135)、焦点検出光束Lβによって生成されるβ像を注目像として選択する(s137)。
【0092】
フィルタの周波数特性を決定する注目像がβ像と選択されると(s120)、CPU20は選択されたβ像の極値を算出してその極値の間隔から、フィルタの空間周波数特性を決定する。
【0093】
フィルタの空間周波数特性が決定されると、1組の焦点検出像α像及びβ像に対して決定したフィルタに基づいてフィルタ処理を施して1組の像の一致度を向上させる。さらに、フィルタ処理後の1組の焦点検出像の相関演算を行って、精度の高い焦点検出が実行される。
【0094】
(第3の実施形態)
図20は本発明の第3の実施形態を示す図で、注目像選択のフローチャートである。本実施形態の焦点検出装置の構成及びカメラでの使用形態は第1の実施形態と同様であるため、それを説明する図面も第1の実施形態と同様である。
【0095】
以下、図20のフローチャートを用いて、焦点検出用の1組の画像に含まれる空間周波数成分がほぼ同一になるようにフィルタの周波数特性を決定するために用いる像を選択する方法を説明する。
【0096】
選択手段であるCPU20は、イメージセンサ10より出力された焦点検出用の1組の画像からフィルタの周波数特性を決定するために用いる画像(注目像)を選択するために(s120)、撮影レンズ5のレンズCPU50と通信を行って、カメラ1に装着されている撮影レンズ5の種類を確認する(s140)。カメラ1に装着されている撮影レンズ5の種類が確認されると、CPU20はメモリ回路22に記憶された各種撮影レンズの射出窓情報から、カメラ1に装着されている撮影レンズ5の射出窓情報を読み出す。
【0097】
さらに、CPU20は現在設定されている焦点検出座標を確認し(s141)、焦点検出座標と射出窓情報から瞳面上での焦点検出光束の大小を算出し注目像を決定する(s142)。焦点検出座標xpと射出窓情報から注目像は以下のように選択される。
【0098】
(xp<0のとき)
z2×(z1−zi)>z1×(z2−zi)ならばα像
z2×(z1−zi)<z1×(z2−zi)ならばβ像
(xp>0のとき)
z2×(z1−zi)>z1×(z2−zi)ならばβ像
z2×(z1−zi)<z1×(z2−zi)ならばα像
フィルタの周波数特性を決定する注目像がβ像と選択されると(s120)、CPU20は選択されたβ像の極値を算出してその極値の間隔から、フィルタの空間周波数特性を決定する。
【0099】
フィルタの空間周波数特性が決定されると、1組の焦点検出像α像及びβ像に対して決定したフィルタに基づいてフィルタ処理を施して1組の像の一致度を向上させる。さらに、フィルタ処理後の1組の焦点検出像の相関演算を行って、精度の高い焦点検出が実行される。
【0100】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、撮影レンズの瞳の異なる領域を透過する光束を受光する光電変換素子列と該光電変換素子列から出力される2つの光電変換信号にフィルタ処理を施した後に相関演算を行って前記撮影レンズの焦点状態を算出する演算手段とを具備した焦点検出装置において、前記2つの光電変換信号の内の1つの光電変換信号を選択する選択手段を有し、該選択手段は前記2つの光電変換信号の出力レベルから2つの光電変換信号の内相対的に高い空間周波数成分を含まない光電変換信号を選択し、前記演算手段は該選択された光電変換信号を信号処理して光電変換信号に含まれる主要空間周波数成分を検出してその信号処理結果に基づいて前記フィルタの空間周波数特性を決定することにより、フィルタ処理後の2つの光電変換信号の一致度を向上させて焦点検出精度を向上させることが可能となる。
【0101】
さらに、撮影レンズの瞳の異なる領域を透過する光束を受光する光電変換素子列と該光電変換素子列から出力される2つの光電変換信号にフィルタ処理を施した後に相関演算を行って前記撮影レンズの焦点状態を算出する演算手段とを具備した焦点検出装置において、前記2つの光電変換信号の内の1つの光電変換信号を選択する選択手段を有し、該選択手段は前記撮影レンズの射出窓情報及び焦点検出位置に基づいて2つの光電変換信号の内相対的に高い空間周波数成分を含まない光電変換信号を選択し、前記演算手段は該選択された光電変換信号を信号処理して光電変換信号に含まれる主要空間周波数成分を検出してその信号処理結果に基づいて前記フィルタの空間周波数特性を決定することにより、フィルタ処理後の2つの光電変換信号の一致度を向上させて焦点検出精度を向上させることが可能となる。
【0102】
【他の実施形態】
本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、単体の機器から成る装置に適用しても良いしLANなどのネットワークを介して処理が行われるシステムに適用しても良い。
【0103】
また、各実施形態の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮影レンズの光軸から離れた位置で焦点検出を行なう場合でも、その検出精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるデジタルカメラの構成図である。
【図2】イメージセンサの概略平面図である。
【図3】光電変換部の説明図である。
【図4】イメージセンサの断面図である。
【図5】イメージセンサの回路構成図である。
【図6】各制御信号のタイミングチャートである。
【図7】カメラ動作を説明するフローチャートである。
【図8】焦点検出動作を説明するフローチャートである。
【図9】注目像選択動作を説明するフローチャートである。
【図10】焦点検出像の説明図である。
【図11】焦点検出像の極値の説明図である。
【図12】フィルタ波形の説明図である。
【図13】フィルタの空間周波数特性の説明図である。
【図14】焦点検出像の説明図である。
【図15】注目像選択動作を説明するフローチャートである。
【図16】焦点検出位置の説明図である。
【図17】焦点検出光束の説明図である。
【図18】焦点検出光束の説明図である。
【図19】瞳形状の説明図である。
【図20】注目像選択動作を説明するフローチャートである。
【図21】焦点検出原理の説明図である。
【図22】イメージセンサの断面図である。
【図23】瞳形状の説明図である。
【図24】焦点検出像の説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体
3 接眼レンズ
5 撮影レンズ
9 液晶表示素子
10 イメージセンサ
20、50 CPU
21 イメージセンサ制御回路
22 メモリー回路
23 インターフェイス回路
24 画像処理回路
25 液晶表示素子駆動回路
26 電気接点
51 レンズ駆動機構
52 絞り駆動機構
53 絞り装置

Claims (1)

  1. 撮影レンズの瞳の異なる領域を通過する2つの光束を受光し、前記2つの光束にそれぞれ対応する2つの光電変換信号を出力する光電変換素子列と、
    前記2つの光電変換信号のうちの一方の光電変換信号を選択する選択手段と、
    該選択手段により選択された前記一方の光電変換信号に基づいて、前記2つの光電変換信号のうちの少なくとも他方の光電変換信号にフィルタ処理を施すためのフィルタの特性を決定するフィルタ特性演算手段と、
    該フィルタ特性演算手段により特性が決定されたフィルタにより少なくとも一方がフィルタ処理された前記2つの光電変換信号に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を算出する焦点状態演算手段と、
    を備えることを特徴とする焦点検出装置。
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