JP2004136733A - アシストグリップの取付け構造 - Google Patents

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Mitsuhisa Hosokawa
細川 光央
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Hayashi Gijutsu Kenkyusho KK
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Abstract

【課題】弾性クリップによる室内壁への係合構造を回転収納型のアシストグリップに適用しつつ、室内壁への取付けを容易とする。
【解決手段】グリップ本体2の両端部には、室内壁11の取付け孔1aに挿入係合される弾性クリップ4が設けられたベース部材3が回動可能に連結される。グリップ本体2は、ねじりコイルばね6により、ベース部材3に対して倒れ込む向きに付勢されている。ベース部材3にはキャップ挿通孔3aが形成され、室内壁11への取付け後は、キャップ部材7がキャップ挿通孔3aに挿入されて弾性クリップ4による室内壁11への係合状態を維持する。室内壁11への取付け時に、キャップ部材7は、先端部7aがベース部材3の受部3bに突き当てられるとともに、後端部7bがグリップ本体2の凹部2cに仮保持され、グリップ本体2を引き起こした状態でグリップ本体2とベース部材3とに挟まれて保持される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の乗員が自動車に乗降する際や乗車中に身体を支えるために把持するアシストグリップの、自動車の室内壁面への取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車においては、その室内壁面にアシストグリップが取付けられており、自動車への昇降時や走行中のコーナーリング時などに乗員がアシストグリップをつかむことによって、乗員自身の身体を支え、安定した姿勢を保つことができるようにしている。この種のアシストグリップは、乗員が把持するグリップ本体と、グリップ本体を支持し、自動車の室内壁面に固定されるベース部材とを有している。
【0003】
アシストグリップは一般に、自動車の室内の天井近傍に設置されることが多い。また、室内の突起物、特に乗員の頭部近傍の突起物は、事故発生時に乗員に損傷を与えるおそれがあるので、できるだけ少ないほうが好ましい。そこで、室内の突起物をできるだけ少なくするとともに、かつヘッドクリアランスをできるだけ大きくするために、いわゆる回転収納型のアシストグリップが多く用いられている。
【0004】
回転収納型のアシストグリップは、グリップ本体をベース部材に回動可能に支持し、さらに、グリップ本体を、ばね部材によって、ベース部材に対して倒れ込む方向に付勢したものである(例えば、特許文献1参照)。回転収納型のアシストグリップは、非使用時には、グリップ本体は、ばね部材の付勢力によって倒れ込み、室内壁面に沿った収納位置にある。アシストグリップの使用時には、ばねの付勢力に抗してグリップ本体を引き起こし、これによって、乗員はグリップ本体を把持することができる。そして、グリップ本体から手を離すと、グリップ本体は、ばね部材の付勢力によって自動的に収納位置へ戻る。
【0005】
このように、ばね部材の付勢力によって、アシストグリップの非使用時にはグリップ本体を収納位置に保持させる構成とすることで、普段はアシストグリップが自動車の室内に大きく突出しないので、室内の見栄えが良くなるとともに、室内空間も広くなり、さらに、事故の際に乗員がぶつかって怪我をする危険性も少なくなる。
【0006】
ところで、近年、アシストグリップやサンバイザーなどのアクセサリーを自動車の室内に取付ける際の作業性を向上させるため、従来はボルトで室内壁面に取付けられることが多かったアクセサリーを、弾性クリップを用いてワンタッチで取付けることのできるようにした構造が、提案され、また実用に供されている。
【0007】
例えば、本発明者による特許文献2には、アクセサリーの室内壁面への取付け部に一体に形成され、一端側がアクセサリーへ固定される主脚となるとともに他端側が主脚に対して弾性変位する弾性脚となる逆U字状の弾性クリップと、この弾性クリップの主脚と弾性脚の間に挿入されるベゼルとを有するクリップ構造が開示されている。このクリップ構造によれば、弾性脚の弾性変位を利用して弾性クリップを室内壁面に形成された取付け孔に挿入係合し、その後、弾性脚の戻りを防止するために主脚と弾性脚の間にベゼルを挿入することで、アクセサリーが室内壁面に固定される。
【0008】
また、弾性クリップによる取付け構造を回転収納型のアシストグリップに適用したものが、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示されたアシストグリップは、ベース部材を構成し実内壁面に形成された取付け孔に挿入係合される弾性クリップと、この弾性クリップに回動可能に支持されたグリップ本体と、弾性クリップを開いた状態で保持させるための挿入ピンとを有する。弾性クリップには、挿入ピンが挿入される挿通孔がその中央部に形成され、挿入ピンは、アシストグリップが取付けられる前の状態では、挿入ピンおよび挿通孔に設けられた係合構造により、挿通孔の中間位置まで挿入されて係合保持されている。また、挿入ピンには、挿入ピンが挿通孔の中間位置で係合保持された状態で、グリップ本体に当接してグリップ本体を弾性クリップに対して引き起こした状態に保持し得るストッパ片が一体に形成されている。
【0009】
このアシストグリップによれば、グリップ本体が引き起こされた状態で弾性クリップを取付け孔に挿入係合し、そのまま挿入ピンを弾性クリップの挿通孔内に完全に奥まで押し込むことによって、取付け孔への弾性クリップの係合状態が保持される。
【0010】
特許文献4にも、特許文献3と類似したアシストグリップが開示されている。
【0011】
【特許文献1】
実開平3−37027号公報
【特許文献2】
特開2001−341569号公報
【特許文献3】
特開2002−137674号公報
【特許文献4】
米国特許第5662375号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、弾性クリップによるワンタッチ装着を回転収納型のアシストグリップに適用した場合、アシストグリップの構造に起因して、取付け孔への弾性クリップの挿入係合が困難であるという問題点があった。以下に、この問題点について図6を参照して詳しく説明する。
【0013】
グリップ本体102は、一般に、それぞれ支持軸(不図示)が設けられた脚部102bを長手方向両端部に有しており、各支持軸において、それぞれ弾性クリップ104が設けられたベース部材103に回動可能に支持されている。支持軸は、ねじりコイルばね106に挿通されており、これによって、グリップ本体102はベース部材103に対して矢印方向(グリップ本体102の収納方向)の付勢力が与えられる。
【0014】
このように構成されたアシストグリップの取付けは、弾性クリップ104を取付け孔111aに挿入係合することで行われる。この際、作業者は、グリップ本体102を握って弾性クリップ104を取付け孔111aに挿入することになる。しかし、グリップ本体102は収納方向に付勢されておりベース部材103に対して倒れ込んだ姿勢となっているので、グリップ本体102の、作業者によって力が加えられる部位は、取付け孔111aにおける弾性クリップ104の挿入方向の延長線上から外れた位置にある。
【0015】
そのため、作業者が弾性クリップ104を取付け孔111aに位置合わせし、弾性クリップ104を取付け孔111aに挿入しようとしても、弾性クリップ104には、取付け孔111aに対して斜め方向に力が加わるので、弾性クリップ104を挿入するのに非常に大きな力が必要となる。また、グリップ本体102を握ってアシストグリップを室内壁面に向けて押し込むので、作業者の手やグリップ本体102自体が室内壁面に触れることもあり、このことも、取付け孔111aへの弾性クリップ104の挿入を困難にしている。さらに、弾性クリップ104の挿入後の戻りを防止するために弾性クリップ104の部分にベゼルや挿入ピンなどを挿入する場合には、収納位置にあるグリップ本体102を引き起こし、この状態を維持したまま挿入しなければならないので、作業工程が一つ増えてしまう。
【0016】
一方、特許文献3に開示された構造では、ストッパ片が一体に形成された挿入ピンによって、グリップ本体が引き起こされた状態に保持されているので、グリップ本体の力を加える部分を取付け孔における弾性クリップの挿入方向の延長線上に位置させることができ、また、挿入ピンを完全に押し込む際もグリップ本体を引き起こす必要はない。
【0017】
しかし、弾性クリップを取付け孔に挿入する際に、グリップ本体を握った状態で室内壁面に対して押し込むと、弾性クリップが取付け孔に挿入される前に弾性クリップの挿通孔と挿入ピンとの係合状態が外れ、挿入ピンが弾性クリップの挿通孔に挿入されてしまうことがある。弾性クリップが取付け孔に挿入される前に挿入ピンが挿通孔に挿入されると、弾性クリップの弾性変形が挿入ピンによって規制されてしまうので、弾性クリップを取付け孔に挿入することができなくなってしまう。したがって、作業者は、弾性クリップと挿入ピンとの係合状態が不用意に外れないように力の入れ方を加減したり、グリップ本体以外の部分を持ってアシストグリップを押し込んだりする必要があり、これは作業者にとって大きな負担となる。
【0018】
そこで本発明は、弾性クリップによる室内壁への係合構造を回転収納型のアシストグリップに適用しつつ、室内壁への取付けが容易なアシストグリップの取付け構造を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のアシストグリップの取付け構造は、自動車の室内壁に形成された取付け孔に挿入係合される複数の弾性脚部を備えた弾性クリップが裏面に設けられるとともに、表裏を貫通する貫通孔が形成されたベース部材と、
このベース部材に回動可能に支持されるとともに、ベース部材に対して倒れ込んだ収納位置に向けて付勢されているグリップ本体と、
弾性クリップの挿入係合時には、グリップ本体を付勢力に抗してベース部材に対して引き起こした状態でベース部材とグリップ本体とに両端が挟まれて保持され、弾性クリップの挿入係合後に、貫通孔に挿入されて弾性脚部間に侵入するキャップ部材とを有する。
【0020】
このように構成された本発明のアシストグリップの取付け構造では、弾性クリップを取付け孔に挿入係合する際には、キャップ部材はその両端がグリップ本体とベース部材とで挟まれて保持され、グリップ本体はベース部材に対して引き起こされた状態とされる。作業者は、グリップ本体を持ち、グリップ本体をベース部材に向けて押圧して弾性クリップを取付け孔に挿入係合するが、このときグリップ本体は引き起こされた状態であるので、作業者が持つ領域が確保され、また、グリップ本体に加えられた力は、キャップ部材を介して、弾性クリップの挿入方向の力として効率的に伝達される。その結果、過大な力を必要とせず弾性クリップが取付け孔に容易に挿入係合される。しかも、キャップ部材は、その両端がグリップ本体とベース部材に挟まれているので、作業者がグリップ本体を押圧することによってキャップ部材はより強固に保持されることになり、取付け孔への挿入係合過程でキャップ部材の保持状態が外れることはなく、グリップ本体がベース部材に対して引き起こされた状態が維持される。
【0021】
弾性クリップが取付け孔に挿入された後は、キャップ部材はベース部材に形成された貫通孔に挿入されて弾性クリップの弾性脚部間に侵入し、弾性クリップによる取付け孔への係合状態を維持する働きをする。
【0022】
キャップ部材をその両端で保持し易くするために、ベース部材は、弾性クリップの挿入係合時にキャップ部材の一端が突き当てられる受部を有し、グリップ本体は、弾性クリップの挿入係合時にキャップ部材の他端を仮保持する保持部を有することが好ましい。この場合、キャップ部材は、その一端および他端がそれぞれ受部および保持部から離れて貫通穴に挿入される。また、受部および保持部はそれぞれ、キャップ部材がグリップ本体とベース部材とに挟まれて保持されているときに、グリップ本体の回動中心に対して外側を向く面を受ける逃げ止め面を有する構成とすることで、グリップ本体を押圧したときのキャップ部材の位置ずれが防止される。この場合、受部を貫通孔に段差状に形成することで、少ない動作で、キャップ部材の一端を受部から離して貫通孔に挿入することができる。
【0023】
キャップ部材は、その一端と他端との間で、グリップ本体のベース部材に対する回動経路に沿うような形状に屈曲していることが好ましい。これにより、キャップ部材をグリップ本体とベース部材で挟んで保持する際に、グリップ本体およびベース部材の双方に対してほぼ鉛直に当接させることができ、キャップ部材の保持が容易になる。また、キャップ部材が弾性クリップの弾性脚間に侵入したときに、弾性脚に過剰な負荷が加わるのを防止するために、キャップ部材に、ベース部材に当接することによって貫通孔への挿入量を制限するストッパ部を設けてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態によるアシストグリップの斜視図である。図2は、図1に示すアシストグリップを壁面に取付けた状態での、ベース部における断面図である。
【0026】
本実施形態のアシストグリップ1は、中央部が握り部2aとなりその長手方向両端部に脚部2bを有するグリップ本体2と、このグリップ本体2の各脚部2bとそれぞれ回動可能に連結されたベース部材3と、ベース部材3に取付けられるキャップ部材7とを有する。
【0027】
脚部2bには、握り部2aの長手方向とほぼ平行な方向に延びる支持軸5が設けられている。支持軸5は、ベース部材3の表面側に一体に設けられたアーム部に挿通されており、これによって、グリップ本体2は、支持軸5を中心に、ベース部材3に対して倒れ込んだ収納位置と、ベース部材3に対して起立した使用位置との間の範囲で回動可能に支持されている。グリップ本体2とベース部材3との連結部には、ねじりコイルばね6が、支持軸5を貫通させて配置されている。グリップ本体2は、このねじりコイルばね6によって、図2に示す矢印方向に付勢されている。したがって、グリップ本体2は、外力が加わっていない状態では、ベース部材3に対して倒れ込んだ収納位置に保持される。
【0028】
アシストグリップ1の使用時には、握り部2aをつかんで、ねじりコイルばね6の付勢力に抗してグリップ本体2を引き起こして使用位置とすることができ、これにより、自動車への昇降時や自動車のコーナリング時など、必要に応じて身体を支える助けとする。
【0029】
ベース部材3の、グリップ本体2が連結された側と反対側の面すなわち裏面には、自動車の室内壁11に形成された取付け孔11aに挿入されて係合する弾性クリップ4が一体に形成されている。室内壁11は、乗員室を形成する鋼板パネル10aと、その室内側を覆う内装材10bからなる。
【0030】
弾性クリップ4は、互いに間隔をあけて設けられた複数の弾性脚部を有し、室内壁11の裏面に係合する構造のものであれば、この種の係合構造に一般に用いられる種々の構造が適用可能である。このような弾性クリップとしては、例えば、前述した特許文献2〜4に開示されたものが挙げられるが、本実施形態では、特許文献2に開示された構造を用いている。
【0031】
すなわち、弾性クリップ4は、逆U字形状に形成され、一端側がベース部材3の本体部分に固定された主脚4aとなるとともに、他端側が主脚4aに対して弾性変位する弾性脚4bとなっている。弾性脚4bの先端部には、室内壁11の裏面に係合する係合爪4cが形成されている。
【0032】
弾性クリップ4を取付け孔11aに押し込むと、係合爪4cが取付け孔11a内に挿入されるのに伴って弾性脚4bが主脚4aに向かって弾性変位しつつ、弾性クリップ4は取付け孔11a内に挿入される。係合爪4cが取付け孔11aから脱すると、弾性脚4bは弾性復帰し、係合爪4cが室内壁11の裏面に係合し、ベース部材3は室内壁11に固定される。
【0033】
ベース部材3には、キャップ挿通孔3aが、グリップ本体2が連結された側の面から弾性クリップ4が設けられた側の面へ貫通し、かつ、弾性クリップ4の主脚4aと弾性脚4bの間の領域に開口するように形成されている。キャップ部材7は、弾性クリップ4が取付け孔11aに挿入された後に、キャップ挿通孔3a内に挿入され、弾性クリップ4の主脚4aと弾性脚4bとに挟まれた状態で保持される。これにより、弾性クリップ4の弾性変形すなわち弾性脚4bの戻りが阻止され、係合爪4cによる室内壁11への係合状態が維持されるので、アシストグリップ1を引っ張ってもアシストグリップ1が脱落することはない。
【0034】
キャップ部材7は、上述のように、アシストグリップ1が室内壁11に取付けられた後の脱落を防止する働きを有するものであるが、その他に、弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入する際に、グリップ本体2に加えられた力を、取付け孔11aへの挿入方向の力としてベース部材3に伝達する働きも有する。
【0035】
そのための構造として、キャップ部材7の挿入方向側の端部である先端部7aが突き当てられる受部3bがベース部材3に形成されるとともに、キャップ部材7の挿入方向と反対側の端部である後端部7bを仮保持する凹部2cがグリップ本体2の脚部2bに形成されている。受部3bは、アシストグリップ1の取付け時における姿勢のときキャップ挿通孔3aの上側となる位置に、キャップ挿通孔3aに対して段差状に形成されている。また、凹部2cは、キャップ部材7の後端部7bに対して隙間を持った状態で仮保持するように形成されている。
【0036】
キャップ部材7の長さ、受部3bの位置、および凹部2cの位置は、キャップ部材7の先端部7aが受部3bに突き当てられ、かつ、後端部7bが凹部2cに仮保持された状態のとき、キャップ部材7が、グリップ本体2を使用位置よりもわずかに倒れた状態で、ねじりコイルばね6の付勢力によってグリップ本体2およびベース部材3に両端を挟まれて保持されるように設計されている。受部3bおよび凹部2cは、上記のようにキャップ部材7が保持されているとき、キャップ部材7の先端部7aおよび後端部7bの、グリップ本体2の回動中心に対して外側を向く面を受ける、逃げ止め面8a,8bを有する。
【0037】
次に、本実施形態のアシストグリップ1の、自動車の室内壁11への取付け手順について説明する。
【0038】
アシストグリップ1を室内壁11に取付けるに際しては、図3に示すように、キャップ部材7を、その後端部7bをグリップ本体2の凹部2cに仮保持させるとともに、先端部7aをベース部材3の受部3bに突き当て、キャップ部材7によって、グリップ本体2をベース部材3に対して引き起こし、使用位置よりもわずかに倒れた状態としておく。
【0039】
次いで、弾性クリップ4を室内壁11の取付け孔11aに挿入する。このとき、作業者は、グリップ本体2の握り部2a(図1参照)を持って、弾性クリップ4を取付け孔11aに位置合わせし、アシストグリップ1を室内壁11に向かって押し付ける。これにより、弾性クリップ4が取付け孔11aに挿入され、弾性クリップ4が取付け孔11aに係合することによって、アシストグリップ1が室内壁11に固定される。
【0040】
この際、キャップ部材7はグリップ本体2とベース部材3に挟まれており、グリップ本体2は、キャップ部材7によって、引き起こされた状態に保持されているので、作業者がグリップ本体2に室内壁11への押圧力を加えても、グリップ本体2がさらに倒れ込むことはない。このことにより、グリップ本体2が収納位置にある状態と比べて、作業者がグリップ本体2に力を加える部分の位置を、弾性クリップ4を含み、かつ弾性クリップ4の挿入方向およびグリップ本体2の長手方向と平行な平面に近付けることができる。
【0041】
その結果、作業者が加える力は、弾性クリップ4の挿入方向の力として作用し易くなり、アシストグリップ1自身の回転が抑制される。すなわち、グリップ本体2に加えた力は、グリップ本体2からキャップ部材7を介してベース部材3に、弾性クリップ4の挿入方向の力として効率的に伝達される。したがって、作業者は、過大な力を加えることなく容易に弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入することができる。
【0042】
さらに、キャップ部材7は、グリップ本体2とベース部材3に挟まれて保持されており、グリップ本体2に押圧力を加えることによって、グリップ本体2およびベース部材3は、より大きな力でキャップ部材7を挟み付ける。このことにより、キャップ部材7はより強固に保持されることになるので、キャップ部材7の位置がキャップ挿通孔3a側にずれることはない。したがって、弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入する過程でキャップ部材7がキャップ挿通孔3aに挿入されてしまうことはない。つまり、弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入する過程中は、グリップ本体2がベース部材3に対して引き起こされた状態が維持される。
【0043】
また、グリップ本体2がキャップ部材7によりベース部材3に対して引き起こされた状態とされているので、グリップ本体2の握り部2aの周囲には作業者が握るために必要な空間が確保される。したがって、作業者は、弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入する際にグリップ本体2をしっかりと握り、力を加え易くできる。しかも、この握り部2aの周囲の空間は、弾性クリップ4が取付け孔11aに挿入された後も確保されるので、グリップ本体2自身や作業者の手が室内壁11に接触することはなく、作業者は最後まで力を加えることができる。
【0044】
弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入するとき、グリップ本体2にはベース部材3に向かう力が加わる。グリップ本体2はベース部材3に対して支持軸5を中心に回動可能に設けられているので、キャップ部材7がグリップ本体2とベース部材3に挟まれた状態でグリップ本体2にベース部材3に向かう力が加わると、キャップ部材7には、グリップ本体2の回動中心に対して外側へ向かう力も作用する。
【0045】
そこで本実施形態では、グリップ本体2の凹部2cおよびベース部材3の受部3bにそれぞれ逃げ止め面8a,8bを形成しており、これら逃げ止め面8a,8bで、キャップ部材7に作用する、グリップ本体2の回動中心に対して外側へ向かう力を受けるようにしている。これにより、グリップ本体2に力を加えたときのキャップ部材7の位置ずれが確実に防止されるので、グリップ本体2に加えた力をより効果的にベース部材3に伝達することができるとともに、キャップ部材7がキャップ挿通孔3aに挿入されるのを確実に防止することができる。特に、受部3bは、キャップ挿通孔3aに対して段差状に形成されており、キャップ部材7を介してベース部材3に加えられる力の位置を弾性クリップ4により近い位置とすることができるので、作業者による力をより効果的に弾性クリップ4に伝達することができる。
【0046】
以上のようにして弾性クリップ4が取付け孔11aに挿入されたら、グリップ本体2をベース部材3に対して少し引き起こしてキャップ部材7の先端部7aをベース部材3の受部3bから離間させる。これにより、キャップ部材7は一時的に、その後端部7bがグリップ本体2の凹部2cのみで支持されるが、凹部2はキャップ部材7の後端部7bが隙間を有して嵌め込まれる大きさで形成されているので、キャップ部材7の先端部7aが受部3bから離間すると、キャップ部材7は、その自重により、先端部7aが下向きに少し下がる。
【0047】
この性質を利用して、キャップ部材7の先端部7aをキャップ挿通孔3aに位置合わせし、その後、グリップ本体2を再び室内壁11に向けて押し込むことによって、先端部7aをキャップ挿通孔3aに嵌め合わせる。すると、凹部2cおよびキャップ挿通孔3aによるキャップ部材7の保持力は、隙間のない状態で保持されている先端部7aが、隙間のある後端部7bに勝るので、先端部7aがキャップ挿通孔3aに挿入されるにしたがって、後端部7bは、凹部2bから自然に外れようとする。
【0048】
グリップ本体2を室内壁11に向けてさらに押し込むと、図4に示すように、キャップ部材7の後端部7bは凹部2cから外れ、一時的にグリップ本体2のみで支持されていたキャップ部材7は、本質的にグリップ本体2側からベース部材3に受け渡される。このような、両端部が支持されたキャップ部材7を、一時的にグリップ本体2のみで支持し、次いで、ベース部材3へ受け渡すといった一連の動作は、上述したようなグリップ本体2およびベース部材3によるキャップ部材7の両端部の保持構造に起因して、グリップ本体2を一旦引き起こした後に再び押し込むという単純な動作だけで達成することができる。
【0049】
グリップ本体2をさらに押し込むと、キャップ部材7は、グリップ本体2の回動に伴ってキャップ挿通孔3a内に押し込まれ、図5に示すように、その先端部7aがキャップ挿通孔3aを通り、弾性クリップ4の主脚4aと弾性脚4bの間に侵入する。これにより、弾性脚4bの戻りが阻止されるので、キャップ部材7をキャップ挿通孔3aから引き抜かない限り、弾性クリップ4が取付け孔11aから外れることはない。このように、弾性クリップ4のベゼルをキャップ部材7が兼ねることで、構造の簡略化、合理化が図られる。
【0050】
なお、本実施形態では、キャップ挿通孔3aからのキャップ部材7の抜けを防止するために、図1に示すように、キャップ部材7の側面に弾性突起7dを一体に形成している。弾性突起7dは、キャップ部材7がキャップ挿通孔3aに挿入されることによってベース部材3の内面を押圧し、これによって、キャップ部材7の抜け止めがなされる。ただし、その後のメンテナンスを考慮し、アシストグリップ1を室内壁11から取り外すことができるようにするために、弾性突起7dはごく小さな突起とし、キャップ部材7とベース部材3との隙間にマイナスドライバーなどの先細の工具を差し入れてキャップ部材7をベース部材3から引き抜くことができるようにしている。
【0051】
アシストグリップ1の取付け後のメンテナンスに関連して、キャップ部材7の、キャップ挿通孔3aへの挿入量が大きくなりすぎると、キャップ部材7がキャップ挿通孔3aから抜け難くなる。また、キャップ挿通孔3aへのキャップ部材7の挿入量が大きくなりすぎることは、弾性クリップ4の主脚4aおよび弾性脚4bに過剰な負荷を与える要因となる。
【0052】
そこで本実施形態では、図1および図2に示すように、キャップ部材7がキャップ挿通孔3aに所定量だけ挿入された時点でベース部材3に当接することによって、それ以上のキャップ部材7の挿入を防止するストッパ片7cがキャップ部材7に一体に形成されている。ベース部材3には、前述したように、受部3bがキャップ挿通孔3aに対して段差を形成して設けられているので、ストッパ片7cは、この受部3bに当接するように形成されている。これにより、極めて簡単な構造で、キャップ部材7の挿入量を制限することができる。
【0053】
以上説明したように、キャップ部材7は、弾性クリップ4を取付け孔11aに挿入する際に、グリップ本体2に加えられた力を取付け孔11aへの挿入方向への力として効率的にベース部材3に伝達する働きと、弾性クリップ4が挿入された後にキャップ挿通孔3a内に挿入されることによって弾性クリップ4の抜け止めを行う働きとを有する。
【0054】
ここで、キャップ部材7のこのような作用をより効果的に発揮させるキャップ部材7の形状について検討した結果、先端部7aと後端部7bの中間部分で所定の角度で屈曲した形状とするのが最も好ましいことが分かった。この屈曲形状は、グリップ本体2のベース部材3に対する回動経路に沿ったものであり、これにより、キャップ部材7は、グリップ本体2とベース部材3の間に挟み込み易い形状となり、さらに、グリップ本体2の凹部2cおよびベース部材3の受部3bの双方に対してほぼ鉛直に当接させることが可能となる。また、キャップ部材7を中間部で屈曲させた形状とすることにより、直線的な形状のものと比較して、キャップ挿通孔3aへの挿入を容易に行えるようになる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、キャップ部材に、取付け孔への挿入係合時にグリップ本体を引き起こした状態に維持する機能、および取付け孔への挿入係合後の弾性クリップの係合状態を維持する機能を併せ持つように構成することで、回転収納型のアシストグリップであっても、自動車の室内壁への取付けを、過大な力を加えることなく容易かつ確実に行うことができる。しかも、取付け孔への挿入係合時は、キャップ部材はその両端をグリップ本体とベース部材に挟まれて保持されるので、グリップ本体の倒れ込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるアシストグリップの斜視図である。
【図2】図1に示すアシストグリップを壁面に取付けた状態での、ベース部における断面図である。
【図3】図1に示すアシストグリップの取付け手順を説明する図であり、弾性クリップが取付け孔に挿入される前の状態を示す。
【図4】図1に示すアシストグリップの取付け手順を説明する図であり、弾性クリップが取付け孔に挿入された後、キャップ部材をキャップ挿通孔に挿入する工程を示す。
【図5】図1に示すアシストグリップの取付け手順を説明する図であり、取付けが完了した状態を示す。
【図6】回転収納型のアシストグリップに、弾性クリップによる取付け構造を適用した場合の問題点を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1  アシストグリップ
2  グリップ本体
2a  握り部
2b  脚部
2c  凹部
3  ベース部材
3a  キャップ挿通孔
3b  受部
4  弾性クリップ
4a  主脚
4b  弾性脚
4c  係合爪
5  支持軸
6  ねじりコイルばね
7  キャップ部材
7a  先端部
7b  後端部
7c  ストッパ片
7d  弾性突起
8a,8b  逃げ止め面
11  室内壁
11a  取付け孔

Claims (7)

  1. 自動車の室内壁に形成された取付け孔に挿入係合される複数の弾性脚部を備えた弾性クリップが裏面に設けられるとともに、表裏を貫通する貫通孔が形成されたベース部材と、
    前記ベース部材に回動可能に支持されるとともに、前記ベース部材に対して倒れ込んだ収納位置に向けて付勢されているグリップ本体と、
    前記弾性クリップの挿入係合時には、前記グリップ本体を付勢力に抗して前記ベース部材に対して引き起こした状態で前記ベース部材と前記グリップ本体とに両端が挟まれて保持され、前記弾性クリップの挿入係合後に、前記貫通孔に挿入されて前記弾性脚部間に侵入するキャップ部材とを有するアシストグリップの取付け構造。
  2. 前記ベース部材は、前記弾性クリップの挿入係合時に前記キャップ部材の一端が突き当てられる受部を有し、前記グリップ本体は、前記弾性クリップの挿入係合時に前記キャップ部材の他端を仮保持する保持部を有する、請求項1に記載のアシストグリップの取付け構造。
  3. 前記キャップ部材は、前記一端および他端がそれぞれ前記受部および保持部から離れて前記貫通孔に挿入される、請求項2に記載のアシストグリップの取付け構造。
  4. 前記受部および保持部はそれぞれ、前記キャップ部材が前記グリップ本体と前記ベース部材とに挟まれて保持されているときに、前記グリップ本体の回動中心に対して外側を向く面を受ける逃げ止め面を有する、請求項2または3に記載のアシストグリップの取付け構造。
  5. 前記受部は、前記貫通孔に段差状に形成されている、請求項4に記載のアシストグリップの取付け構造。
  6. 前記キャップ部材は、前記一端と他端の間で、前記グリップ本体の前記ベース部材に対する回動経路に沿うような形状に屈曲している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアシストグリップの取付け構造。
  7. 前記キャップ部材には、前記ベース部材に当接することによって前記貫通孔への挿入量を制限するストッパ部が設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアシストグリップの取付け構造。
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