JP2004136696A - 車両用サンバイザ - Google Patents

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Abstract

【課題】サンバイザ本体の第1半体及び第2半体を重合させる際、正確かつ容易に位置決めできるようにして、外観見栄えの良好なサンバイザを得る。
【解決手段】第1半体11及び第2半体13のステー取付側と反対側の辺部を薄肉ヒンジにより連結した状態で一体に形成する。第1半体11のステー取付側の辺部近傍に、円筒状の第1嵌合部35を突設する。第2半体13において前記第1嵌合部35の対応箇所に、該第1嵌合部35に嵌入される円筒状の第2嵌合部57を突設する。両半体11,13を重合させる際に第2嵌合部57の第1嵌合部35への嵌入を阻害しないように、第2嵌合部57の突出長さH2を第1嵌合部35の突出長さH1よりも短くする。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転席や助手席への直射光を遮るために車室の前部天井に取り付けられるサンバイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、厚み方向に2分割された第1半体及び第2半体を互いに重合させて内部に中空部が形成されるサンバイザ本体を備える車両用サンバイザが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1では、第1半体及び第2半体の車幅方向一側の辺部を薄肉ヒンジにより連結した状態で形成することで、両半体を一体物として部品点数の削減を図るようにしており、また、組付時には、両半体を薄肉ヒンジにより折り曲げることにより容易に重合できるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001―294039号公報(第3頁、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許文献1のサンバイザにおいては、両半体の組付時に、正確に位置決めされた状態で両半体を重合させることが困難であり、両半体の周縁がずれて外観見栄えが損なわれる虞れがある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1半体及び第2半体に互いに嵌合する嵌合部を設けることにより、両半体を重合させる際に、正確かつ容易に位置決めできるようにし、外観見栄えの良好なサンバイザを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明では、第1半体及び第2半体の内面に第1嵌合部及び第2嵌合部をそれぞれ突設して、一方の嵌合部の突出長さを相対的に短くするようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、厚み方向に2分割された第1半体と第2半体とが各々の一辺部を薄肉ヒンジにより連結した状態で一体形成され、両半体を互いに重合させた状態で内部に中空部が形成される略矩形板状のサンバイザ本体を備え、該サンバイザ本体が遮光位置と格納位置とに切り替え可能に車体に取り付けられる車両用サンバイザを対象とする。
【0009】
そして、前記第1半体内面において前記薄肉ヒンジと反対側の辺部近傍には、円筒状の第1嵌合部を中空部へ向けて突設し、一方、前記第2半体内面には、前記第1嵌合部に嵌入され外周面が円形状の第2嵌合部を中空部へ向けて突設し、前記第1嵌合部と第2嵌合部とは、第1半体及び第2半体を重合させる際に第2嵌合部の第1嵌合部への嵌入を阻害しないように、一方の突出長さを他方の突出長さよりも短く設定する構成とする。
【0010】
この構成によれば、第1半体及び第2半体を薄肉ヒンジを中心として折り曲げると、第2嵌合部の第1嵌合部への嵌入を阻害しないように、両嵌合部のうち一方の突出長さが相対的に短く設定されているので、第2嵌合部を第1嵌合部に容易に嵌入させることが可能となり、この嵌合状態で、両半体は位置ずれが規制されて正確に位置決めされ、よって、サンバイザの外観見栄えが良好になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に係るサンバイザSを車両に取り付けた状態を示し、このサンバイザSは、車幅方向に長い略矩形板状に形成されたサンバイザ本体1と、該サンバイザ本体1の車幅方向一側(図2で右側)に配設されたステー3と、サンバイザ本体1の車幅方向他側(図2で左側)を車体に支持するピン5とを備えている。
【0013】
前記ステー3は、略水平かつ車幅方向に延びてサンバイザ本体1に挿通される横軸部3aと、該横軸部3aからサンバイザ本体1外に突出する縦軸部3bとで略L字状に形成されている。該縦軸部3bには図示しない取付ブラケットが設けられており、該取付ブラケットによりステー3が車室の天井7に取り付けられ、この状態で前記横軸部3aが縦軸部3bの軸線周りに回動可能となっている。
【0014】
前記ピン5は、サンバイザ本体1の車幅方向他側に形成されたピン配設用凹部1aの内方で、かつステー3の横軸部3aと同心上に位置付けられていて、両端部がサンバイザ本体1に支持される一方、中間部が前記天井7に配設された樹脂製のクリップ9に脱着可能に嵌合支持されるようになっている。
【0015】
そして、ピン5が前記クリップ9に嵌合支持された状態では、通常時には、サンバイザ本体1が天井7に沿うように位置する格納位置(図2の実線)とされる一方、使用時には、図2に矢印Cで示すように、サンバイザ本体1を横軸部3a周りに回動させるとサンバイザ本体1がフロントウインド(図示せず)内面に沿うように位置する遮光位置(図2の2点鎖線)に切り替えられる。一方、サンバイザ本体1のピン5をクリップ9から外すと、サンバイザ本体1は、ステー3の縦軸部3b周りにサイドウインド(図示せず)側へ回動して該サイドウインドからの直射光を遮ることができる。
【0016】
前記サンバイザ本体1は、図1に示すように、厚み方向に2分割された2つの半体11,13からなり、格納位置にあるときに天井7側となる方が第1半体11とされ、また、反対の車室側になる方が第2半体13とされている。第1半体11及び第2半体13は、樹脂材による射出成形品であり、両半体11,13のステー3取付側辺部と反対側に位置する辺部が2つの薄肉ヒンジ15,15を介して連結された状態で一体に形成されている。第1半体11は、平面部11aと該平面部11aの周縁に一体に立設された側壁部11bとで構成され、また、第2半体13も同様の平面部13aと側壁部13bとで構成されていて、両半体11,13を互いに重合させると内部に中空部R(図5参照)が形成されるようになっている。
【0017】
前記第1半体11及び第2半体13の両側壁部11b,13bの前記ステー3の横軸部3aが挿通する部分には、略半円状の切欠11c,13cがそれぞれ形成され、両半体11,13を重合させると、2つの切欠11c,13cにより前記横軸部3aが挿通可能な略真円の孔部(図示せず)が形成されるようになっている。また、第1半体11の平面部11aの車幅方向両端には、係合突起17,17…がそれぞれ突設される一方、第2半体13の平面部13aの車幅方向両端には、両半体11,13を重合させた状態で前記係合突起17,17,…と係合する係合部19,19,…が一体に形成されている。
【0018】
図3にも示すように、前記第1半体11の切欠11cよりも車幅方向他側(図3で左側)には、ステー挿入孔21a及び23aをそれぞれ有する第1ステー支持座部21及び第2ステー支持座部23が車幅方向に並設されている。
【0019】
一方、第2半体13には、図1及び図6に示すように、両半体11,13の重合状態で、前記第1ステー支持座部21及び第2ステー支持座部23の間に位置するとともに、前記ステー挿入孔21a,23aと同心に位置するステー挿入孔41aを有する板バネ収容部41が一体に形成されている。第2半体13の前記板バネ収容部41の車幅方向他側には、前記ステー挿入孔41aと同心のステー挿入孔43aを有する第3ステー支持座部43が一体に形成されている。そして、両半体11,13の重合状態で、ステー3の横軸部3aを前記サンバイザ本体1の孔部から各ステー挿入孔21a,41a,23a,43aに挿入すると、横軸部3aが板バネ収容部41内の板バネ(図示せず)からバネ力を受け、格納位置または遮光位置にあるサンバイザ本体1に節度感が付与されるようになっている。
【0020】
前記第1半体11の車幅方向他側には、前記ステー挿入孔21a,23aと同心のピン挿入孔31a及び33aをそれぞれ有する第1ピン支持座部31及び第2ピン支持座部33が一体に形成されている。また、第2半体13には、両半体11,13の重合状態で、前記第1ピン支持座部31及び第2ピン支持座部33に隣接するとともに、前記ピン挿入孔31a,33aと同心に位置するピン挿入孔53a及び55aを有する第3ピン支持座部53及び第4ピン支持座部55が一体に形成されている。前記第3ピン支持座部53の車幅方向一側には、複数のリブ61a,61a,…から構成されるピン仮保持部61が設けられていて、組付前のピン5が仮保持されるようになっている。つまり、ピン5の組付けに際しては、ピン仮保持部61にピン5を仮保持させてから両半体11,13を重合させ、ステー挿入孔21a,41a,23a,43aから挿入した押棒(図示せず)によりピン5をピン挿入孔53a,31a,33a,55aに挿入する。
【0021】
図4にも示すように、前記第1半体内面においてステー3取付側辺部近傍の車幅方向両端及び略中央には、本発明の特徴部分である円筒状の第1嵌合部35が、平面部11aから前記中空部Rに向けて略垂直に突設されている。図5(a)に示すように、第1嵌合部35の先端は、側壁部11bよりも突出しており、この第1嵌合部35の突出長さをH1とする。
【0022】
前記第2半体13内面において前記第1嵌合部35,35,35の対応箇所には、外周面が円形状の円筒状の第2嵌合部57,57,57が、平面部13aから前記中空部Rに向けて略垂直に突設されている。この第2嵌合部57の先端は、側壁部13aよりも平面部13a側に位置しており、この第2嵌合部57の突出長さをH2とする。
【0023】
つまり、第2嵌合部57の突出長さH2が、第1嵌合部35の突出長さH1よりも短く設定されており、このようにしているのは、両半体11,13を重合させる際、前記薄肉ヒンジ15,15を中心として円弧状の移動軌跡を描く第2嵌合部57の嵌合動作が、該第2嵌合部57の第1嵌合部35への嵌入を阻害しないようにするためである。また、両半体11,13の重合状態では、第2嵌合部57の先端側の約半分が、第1嵌合部35に嵌入するようになっている。
【0024】
前記第1半体11の薄肉ヒンジ15側辺部近傍の車幅方向両端には、図5(b)に示すように、円筒状の第3嵌合部37が、平面部11aから前記中空部Rに向けて略垂直に突設されている。この第3嵌合部37の外周面には、平面部11aに突設された4つのリブ37a,37a,…が連なっている。
【0025】
一方、前記第2半体13内面の前記第3嵌合部37,37の対応箇所には、平面視で十字状をなすように突設されたリブ59a,59bからなる第4嵌合部59,59が突設されている。各リブ59a,59bには、各々の交点の両側に切れ込み59cがそれぞれ形成されており、各切れ込み59cの形状は、第3嵌合部37の嵌入の際、その先端をガイドするように、リブ59a,59bの先端側へ行くほど幅が広くなっている。
【0026】
したがって、この実施形態に係る車両用サンバイザSによると、第1嵌合部35を第1半体11内面に突設し、該第1嵌合部35よりも短い第2嵌合部57を第2半体13内面に突設したので、両半体11,13を重合させる際、第2嵌合部57を第1嵌合部35に容易に嵌入でき、この嵌合構造により両半体11,13を正確に位置決めして、外観見栄えの良好なサンバイザSを得ることができる。
【0027】
また、第1半体11の薄肉ヒンジ15側に第3嵌合部37を突設し、第2半体13の薄肉ヒンジ15側に前記第3嵌合部37に嵌合する第4嵌合部59を突設したので、両半体11,13の位置決めを確実にでき、この際、第4嵌合部59の各切れ込み59cの幅をリブ59a,59bの先端側へ行くほど広くしたので、第3嵌合部37を第4嵌合部59の切り込み59c内に導くことができ、よって、両嵌合部37,59をスムーズに嵌合できる。
【0028】
尚、前記実施形態では、第1半体11及び第2半体13のステー5取付側と反対側に薄肉ヒンジ15を設けるようにしているが、これに限らず、薄肉ヒンジ15は、ステー5取付側、車幅方向一側及び他側のいずれかに設けるようにしてもよい。この場合では、各半体の薄肉ヒンジ側の縁部近傍に、第1嵌合部及び第2嵌合部を設けるとともに、薄肉ヒンジと半体側の縁部近傍に第3嵌合部及び第4嵌合部を設けるようにすればよい。
【0029】
また、前記実施形態では、第2嵌合部57の突出長さH2を第1嵌合部35の突出長さH1よりも短くしているが、これとは逆に、第1嵌合部35の突出長さを第2嵌合部57の突出長さよりも短くするようにしてもよい。
【0030】
さらに、第2嵌合部57の内部に断面十字状の補強リブを一体に形成するようにしてもよい。また、第2嵌合部57を中実状に形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両用サンバイザによると、第1半体内面に第1嵌合部を突設し、一方、第2半体内面に前記第1嵌合部に嵌入される第2嵌合部を突設し、これら嵌合部のうち一方の嵌合部の突出長さを他方の嵌合部の突出長さよりも短く設定したので、第1半体及び第2半体を重合させる際、両半体を正確かつ容易に位置決めでき、外観見栄えの良好なサンバイザを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るサンバイザを展開した状態を示す平面図である。
【図2】車室前部の天井に取り付けられたサンバイザの斜視図である。
【図3】第1半体の斜視図である。
【図4】第1半体と第2半体とを組付けた状態におけるサンバイザの第1半体側の平面図である。
【図5】(a)は図4におけるA−A線断面拡大図であり、(b)は図4におけるB−B線断面拡大図である。
【図6】第2半体の斜視図である。
【符号の説明】
1   サンバイザ本体
11  第1半体
13  第3半体
15  薄肉ヒンジ
35  第1嵌合部
57  第2嵌合部
R   中空部
S   サンバイザ

Claims (1)

  1. 厚み方向に2分割された第1半体と第2半体とが各々の一辺部を薄肉ヒンジにより連結した状態で一体形成され、両半体を互いに重合させた状態で内部に中空部が形成される略矩形板状のサンバイザ本体を備え、該サンバイザ本体が遮光位置と格納位置とに切り替え可能に車体に取り付けられる車両用サンバイザであって、
    前記第1半体内面において前記薄肉ヒンジと反対側の辺部近傍には、円筒状の第1嵌合部が中空部へ向けて突設され、一方、前記第2半体内面には、前記第1嵌合部に嵌入され、外周面が円形状の第2嵌合部が中空部へ向けて突設され、
    前記第1嵌合部と第2嵌合部とは、第1半体及び第2半体を重合させる際に第2嵌合部の第1嵌合部への嵌入を阻害しないように、一方の突出長さが他方の突出長さよりも短く設定されていることを特徴とする車両用サンバイザ。
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JP2015063277A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 河西工業株式会社 車両用サンバイザー

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