JP3206789B2 - 内装トリムの構造 - Google Patents

内装トリムの構造

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JP3206789B2 JP25311294A JP25311294A JP3206789B2 JP 3206789 B2 JP3206789 B2 JP 3206789B2 JP 25311294 A JP25311294 A JP 25311294A JP 25311294 A JP25311294 A JP 25311294A JP 3206789 B2 JP3206789 B2 JP 3206789B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車のスト
ライカのような凸部が形成されている部分に、側部に反
り返しのついたトリムを取り付けるために用いられる内
装トリムの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の室内を装飾するため、化粧板と
してトリムが内張りされる。また、車両の室内にはいく
つかのトリムを貫通している凸部が形成されている。例
えば、後部座席ストライカがそれに該当する。ハッチバ
ックやライトバンなどの車のように、後部座席を前方に
倒すことのできる車両があり、このような車両について
は、後部座席の両側壁部にストライカが取付けられてい
る。普段は、このストライカに後部座席側に取り付けら
れている爪を引っかけて、後部座席を固定する。そし
て、後部座席を倒すときは、爪をストライカから外すこ
とでその係合を解いて後部座席を倒す。
【0003】図6は、従来用いられているコ字形の後部
座席ストライカの取付けられている状態を示す。このス
トライカ21は、通常、自動車の後輪側タイヤハウスの
上のサイドパネル22に、ねじまたは溶接などにより取
り付けられている。ここに取り付けられるトリム23
は、一端部に反り返し23aが形成され、ストライカ2
1に対応する部分については、ストライカ21を貫通さ
せる貫通孔23bが穿設されている。
【0004】サイドパネル22にトリム23を取付ける
場合は、トリム23の貫通孔23bにストライカ21の
軸部を貫通させ、貫通孔23bがストライカ21の一端
部21aに規制されるまで、トリム23を左方に移動さ
せる。次いで、トリム23の反り返し23aをサイドパ
ネル22の側部に引っかけながら、トリム23を右方に
移動する。すると、トリム23は図6に示される位置に
配置される。そして、トリム23を固定するため、パネ
ル22とトリム23のそれぞれの対応する位置に設けら
れている図示されていない小孔に、差し込むと針の部分
が広がる鋲などを押し込んでトリム23をパネル22に
固定し、最後に貫通孔23bを隠すためのめくら板24
を貫通孔23bに差し込んで、車両のパネル22の下地
を見えないようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、トリムに
反り返しがあるタイプについては、その反り返しの長さ
だけ、取付時にトリムをスライドさせなければならず、
トリムについてはその分だけ孔を大きくしなければなら
ず、取付けた後では車体のパネルの下地が直接見えるこ
とから見栄えが悪く、それを隠すためのめくら板を取付
けるとコスト高となっていた。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされ、自動車
のパネルにストライカのような凸部が形成されている部
分に、側部に反り返しのついたトリムを取り付けるとき
に、見栄えが良く、コストのかからない内装トリムの構
造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的は、パネルに
形成された凸部を貫通する孔と、縁部に前記パネルの側
部を狭着する反り返しとが設けられた内装トリムの構造
において、前記孔から前記反り返しのある位置とは反対
側に切り込みを形成し、該切り込みと前記孔とに区画さ
れた折り曲げ自在の屈曲部を設けたことを特徴とする内
装トリムの構造によって達成される。
【0008】
【作用】パネルに形成された凸部を貫通する孔と、縁部
にパネルを狭着する反り返しとがトリムに設けられてい
る場合に、トリムの凸部を貫通する孔から、反り返しの
位置とは反対側に、反り返しの長さよりも僅かに大きい
屈曲自在な切り込みをトリムに形成しているので、パネ
ルにトリムを取り付けるとき、本来なら、反り返しの分
だけ孔を大きくしなければならないが、切り込み部分が
凸部に対して屈曲するので、凸部が切り込み部分に挿通
することができる。したがって、孔を大きくする必要が
無く、また、屈曲部がもとの形状に戻るので、パネルの
地肌が見えることはなくなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例による内装トリムの
構造について、図面を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の内装トリム構造が用いら
れている自動車の後部座席の側壁部1を示す。この後部
座席の側壁部1には、サイドパネル2に、円柱形の軸状
部材をコ字形に成形したストライカ4が取り付けられて
いる。このストライカ4はその端部4a、4bが、自動
車の後ろ側のタイヤハウスの上のサイドパネル2に溶着
されている。このサイドパネル2の内装として取り付け
られるトリム3は、樹脂性で一縁部に反り返し3aが形
成されている。それがサイドパネル2に取り付けられた
とき、ストライカ4に対応する部分については、図2の
Aに示されているストライカ4の軸部を貫通させる貫通
孔3bが穿設されている。
【0011】貫通孔3bは、幅がストライカ4の軸の径
より少し大きく、長さはストライカ4の端部4aの左端
から端部4bの右端までの長さとほぼ同じであり、右方
にはストライカ4の端部4aに当接するように、ノッチ
3c、3dが突設されている。また、貫通孔3bにはこ
の貫通孔3bから右側、すなわち、図1に示されている
トリム3の反り返し3aのある位置とは反対側の方向
に、その反り返しとほぼ同じ長さaだけ、切り込み3e
を形成し、さらに切り込み3eの右端から、上下に半円
状の切り込み3f、3gを形成している。
【0012】これらの切り込み3e、3f、3gと貫通
孔3bとで区画されたところは、図2のBに示されるよ
うに、トリム3とは一体的に薄板状に形成された、屈曲
部3h、3iが設けられている。この屈曲部3h、3i
は薄肉に形成されていることから、弾性があり、トリム
3の平面に対して垂直方向に屈曲が自在である。
【0013】サイドパネル2にトリム3を取付ける場合
は、始めにトリム3の貫通孔3bにストライカ4の軸部
を貫通させる。貫通孔3bとストライカ4が貫通される
形状はほぼ一致しているので、トリム3は上下方向およ
び左右方向への移動が規制される。したがって、トリム
3から手を離しても、トリム3がその場所に保持固定さ
れることから、作業性も良くなり、作業者は作業を容易
にすることができる。
【0014】この時点では、まだトリム3の反り返し3
aは、サイドパネル2の側部を狭着していない。そこ
で、反り返し3a部分をその側部に狭着させるため、図
3のAおよびBに示されるように、作業者は屈曲部3
h、3iを室内側に屈曲させて開き、トリム3を左方に
スライドさせ、ストライカ4の端部4bを屈曲部3h、
3iの間に挿通させる。屈曲部3h、3iは薄板状とな
っているので、容易に屈曲させることができる。
【0015】作業者はトリム3をストライカの端部4b
に規制されるまで移動させたら、トリム3の反り返し3
aをサイドパネル2の側部に引っかけて、トリム3を右
方にスライドさせる。すると、トリム3は図1に示され
る位置に配置される。屈曲部3h、3iは弾性があるの
で、もとに戻る。また、屈曲部3h、3iは室内側に屈
曲させるときに、伸縮した部分が白化するが、屈曲部3
h、3iが薄く形成され、かつ、パネル2側に配設さ
れ、白化する部分が段部となっていることから、室内側
はほとんど目立たない。
【0016】そして、従来例で説明したように、作業者
はトリム3をパネル2に固定するため、鋲やスクリュウ
などを押し込んで、トリム3をパネル2に固定する。し
かし、トリム3は左端部でパネル2の側部を狭着し、と
くに図2に示すように、トリム3の貫通孔3bにノッチ
3c、3dを設けたので、よりトリム3をサイドパネル
2に固定させる。したがって、それを固定するための鋲
やスクリュウの数を少なくすることができるし、トリム
3の右端部が他の部品に重ね合わせられて取り付けられ
るような場合はスクリュウを廃止することもでき、コス
トや組付け工数を減少させることが可能となる。
【0017】図4はトリム3がパネル2に取り付けた後
の状態を示す。後部座席5(一点破線)をストライカ4
に固定させたときは、屈曲部3h、3iがパネル2の下
地を隠すので、従来用いられていた、下地を隠すための
めくら板などを使用する必要はない。
【0018】以上のように、本実施例によれば、トリム
3の反り返し3aがあっても、従来のように貫通孔を大
きく形成する必要はなく、パネル2の下地を隠すための
別部品を使用する必要がなくなり、コストを安くするこ
とができ、その組立工数を減らすことができる。また、
トリム3の位置が規制されるので、トリム3をパネル2
に固定する鋲、クリップやスクリューの廃止、減少が可
能であり、コストの軽減、組立工数の減少となる。
【0019】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれらに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0020】例えば、切り込みの形状については、本実
施例のものに限らず、図5に示すように多種のものがあ
る。図5のAは切り込み6bを貫通孔6aの下部から右
方に切り込み、さらに半円状の切り込み6cを上方に切
り込んだものである。この場合は屈曲部6dの幅が本実
施例のものよりも2倍の大きさとなるので、屈曲部6d
の弾性もよくなる。
【0021】図5のBはストライカ4の端部4a、4b
を貫通する貫通孔7a、7bを形成し、貫通孔7aから
貫通孔7bに切り込み7cを形成し、さらに貫通孔7b
から右方に本実施例と同じ切り込み7d、7e、7fを
形成したものである。本変形例では、ストライカ4を貫
通させるときとトリムをスライドさせるときに屈曲部7
g、7hを屈曲させなければならないが、後部座席で屈
曲部7g、7cのある場所を隠せないような場合に、パ
ネルの下地が見えないという効果がある。また、屈曲部
7g、7hがノッチのような役割をするので、位置決め
にも効果がある。
【0022】図5のCは凸部が1個のストライカ8に使
用する場合である。貫通孔9aを1個形成し、貫通孔9
aから右方に本実施例と同じ切り込み9b、9c、9d
を形成したものである。このように凸部が2個以外のも
のでも本発明は実施可能である。
【0023】図5のDはトリムに反り返しが直角に左側
部と上側部にある場合である。この場合は貫通孔10a
から右方に切り込み10b、10c、10dを形成する
とともに、貫通孔10aから下方に切り込み10e、1
0f、10gを形成する。このような場合でも本発明は
実施可能であり、パネルの下地を隠し位置決めの効果も
ある。このように、本発明は様々な種類の凸部にその応
用は可能である。
【0024】また、以上の実施例では屈曲させる部分の
屈曲部3h、3i全体を薄く形成することで、屈曲部3
h、3iに弾性をより大きく持たせていたが、屈曲させ
る部分の付け根(折り目)にのみトリムを切断しない程
度の切れ目を入れるか、または薄肉とするようにしても
よい。このようにしても、屈曲部3h、3iを形成した
のと同様の効果を奏し、作業性も良くなる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ト
リムに反り返しがあるため、パネルの下地を隠すための
別部品を使用する必要がなくなる。また、トリムの位置
が規制されるので、トリムをパネルに固定する鋲、スク
リュー、クリップの廃止、減少が可能である。これらに
より、コストの軽減、組立工数の軽減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による内装トリムの構造におけ
るトリムが自動車のサイドパネルに取り付けられている
ところを示す概略斜視図である。
【図2】図2のAは同トリムに形成された貫通孔と切り
込みの形状を示すトリムの拡大平面図である。図2のB
は図2のAにおけるX−X線方向の断面図である。
【図3】図3のAは屈曲部を屈曲させ、その間にストラ
イカの端部を挿通させたところを示す拡大斜視図であ
る。図3のBは同拡大側断面図である。
【図4】ストライカと後部座席の位置関係を示すトリム
の平面図である。
【図5】図5のAは変形例のトリムに形成された貫通孔
と切り込みを示す拡大平面図である。図5のBは同他の
変形例の拡大平面図である。図5のCは同他の変形例の
拡大平面図である。図5のDは同他の変形例の拡大平面
図である。
【図6】従来例におけるトリムが自動車のサイドパネル
に取り付けられているところを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
2 パネル 3 トリム 3a 反り返し 3b 貫通孔 3c、3d ノッチ 3e、3f、3g 切り込み 3h、3i 屈曲部 4 ストライカ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルに形成された凸部を貫通する孔
    と、縁部に前記パネルの側部を狭着する反り返しとが設
    けられた内装トリムの構造において、前記孔から前記反
    り返しのある位置とは反対側に切り込みを形成し、該切
    り込みと前記孔とに区画された折り曲げ自在の屈曲部を
    設けたことを特徴とする内装トリムの構造。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記屈曲部の折れ曲がる付け
    根を薄肉に形成したことから成る請求項1に記載の内装
    トリムの構造。
  3. 【請求項3】 前記孔の内方に前記凸部に規制される突
    部を設けたことから成る請求項1に記載の内装トリムの
    構造。
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