JP2004136674A - 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法、凹版印刷に用いられる印刷版およびその使用 - Google Patents

凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法、凹版印刷に用いられる印刷版およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2004136674A
JP2004136674A JP2003338354A JP2003338354A JP2004136674A JP 2004136674 A JP2004136674 A JP 2004136674A JP 2003338354 A JP2003338354 A JP 2003338354A JP 2003338354 A JP2003338354 A JP 2003338354A JP 2004136674 A JP2004136674 A JP 2004136674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
printing
wear
resistant layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003338354A
Other languages
English (en)
Inventor
Siegfried Beisswenger
ジークフリート バイスヴェンガー
Maximilian Rid
マクシミリアン リート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hell Gravure Systems GmbH and Co KG
Original Assignee
Hell Gravure Systems GmbH and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE10324327A external-priority patent/DE10324327A1/de
Priority claimed from EP03020399A external-priority patent/EP1410924A1/de
Application filed by Hell Gravure Systems GmbH and Co KG filed Critical Hell Gravure Systems GmbH and Co KG
Publication of JP2004136674A publication Critical patent/JP2004136674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

【課題】永続的に良好な印刷結果をもたらす印刷版が製造・供給可能となり、しかも印刷版が簡単に製造され得るようになり、このような印刷版の原価が、従来慣用の方法で製造された印刷版の原価よりも低く保持され、さらに印刷版が印刷装置において、慣用の方法で製造されかつ構成された印刷版に対してこれまで使用されていたような印刷装置に変更を加えることなしに使用され得るようになる方法を提供する。
【解決手段】印刷版の表面に耐摩耗性の層を施与する。
【選択図】なし

Description

 本発明は、印刷版の表面に複数のセルを形成して、凹版印刷、特にグラビア印刷等の輪転凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法に関する。
 さらに本発明は、凹版印刷、特にグラビア印刷等の輪転凹版印刷に用いられる印刷版ならびに印刷装置におけるこのような印刷版の使用に関する。
 印刷シリンダまたは彫刻シリンダとも呼ばれる、凹版印刷に用いられる印刷版は、主として彫刻装置において機械的な彫刻機構の形の記録機構あるいは電子ビームまたはレーザビームあるいはエッチングによって製作される。
 再現されるべき原画が走査機構によって点状および行状に走査され、これにより画像信号が取得される。この画像信号は走査された原画の色調値を表す。再現の必要性、たとえば規定された階調曲線に基づき、画像信号は補正されて、印刷スクリーン(Druckraster)を形成するためのスクリーン信号に重畳される。画像信号とスクリーン信号との重畳により形成された記録信号は、記録機構を制御する。この記録機構は回転する印刷シリンダに沿って軸方向に運動して、印刷スクリーンに配置された一連の凹設部または切欠き(セルと呼ばれる)を印刷シリンダの外周面に彫刻する。上で述べた原理に従う、原画の走査は、現在ではたいてい原画の電子スキャニングによってしか行われない。スキャニングにより提供された画像データはコンピュータに供給され、このコンピュータではプログラムアシストされた加工処理が行われる。多くの場合、現在ではもはや原画を走査する必要がなくなっている。なぜならば、写真はたびたび既にデジタルデータとして提供され、文章や図形もコンピュータにおいて、同じくデジタルデータの形で作成され得るからである。この場合、コンピュータは画像信号を提供し、この画像信号に基づいて、セルが機械的に、またはレーザダイレクト彫刻あるいはレーザマスク法によって印刷シリンダの外周面に形成される。彫刻されたセルの深さもしくは体積により、印刷技術用語では「濃」と「淡」とも呼ばれる「黒」と「白」との間の、印刷したい色調値が決定される。
 彫刻された印刷シリンダは、次いで印刷プロセスのために凹版輪転印刷機内に緊締される。
 印刷過程の前に、各セルは印刷したい色調値に相当する、セル体積に関連した量の印刷インキを受け取る。その後に印刷過程では、セルから印刷材料へのインキ引渡しが行われる。
 実際に使用されている凹版印刷シリンダは、一般に鋼、アルミニウムまたは最近ではプラスチックコンポジットから成っていてよいシリンダコアを有しており、このシリンダコアは付加的に、たとえば銅から成るベース層を備えている。このベース銅層または特別に被着された別の層にセルが彫刻される。銅はその物理的および化学的な性質に基づいて、良好な彫刻特性を有しており、このような性質が高価な印刷物の形成を助成している。電気メッキにより被着された銅彫刻表面の厚さは、約60〜140μmである。さらに、彫刻したい銅層は研磨されるので、表面は規定のマイクロラフネスを備えている。引き続き、ダイヤモンド彫刻針によって、画像と文字とから成る、印刷したい情報が、微細なセルスクリーンの形で銅表面に電気機械的に持ち込まれる。
 しかし、彫刻材料として銅が使用される場合、銅が比較的小さな硬度および比較的小さな耐摩耗性しか有しないことが不都合となる。これにより、凹版輪転印刷機における印刷プロセスでは、銅層がドクタによって機械的に負荷されることに基づき、運転時間が増大するにつれて摩耗が発生する恐れがある。このような摩耗は印刷品質を低下させると共に、印刷シリンダの耐用期間もしくは可使時間を制限し、ひいては印刷ロットサイズを制限してしまう。彫刻された銅層の耐摩耗性を改善し、ひいては印刷シリンダの可使時間を向上させるために、実際の現場では、印刷の前に、彫刻された銅層を脱脂し、引き続き、銅に比べて硬い金属、たとえばクロムから成る層を被着させることがふつうである。このことは、たとえば電気メッキ過程により行うことができる。完成した印刷版が印刷機に嵌め込まれる前に、被着された層の表面は研磨される。
 印刷後には、この層と、その下に位置する、彫刻を有する銅層とが印刷版から化学的、電気化学的または機械的に除去される。これにより、この印刷シリンダは、引き続き別の印刷版を製版するための新しいサイクルのために利用できるようになる。
 さらに、過去の凹版印刷では、印刷版が化学的なかつ/または電解質によるエッチングによって製作されていた。このことは良好な結果をもたらしていた。この場合、印刷シリンダはマスク層でカバーされ、そして引き続きフィルム原画を介したマスクの写真露光、マスクのウオッシュアウトおよび、たとえば塩化鉄による銅表面のエッチングが行われていた。
 この場合に不都合となったのは、低いプロセス確実性および画像のための網点(Halbton)の十分に良好でない描出であった。エッチング法はさらに改良され、この場合、マスク層のために第1に「フォトレジスト」が選択され、第2に「サーモレジスト(Thermoresist)」が選択されるようになった。両者の場合ともに、マスク層はレーザビームによって露光された(「画像パターン付与された」とも云う)。フォトレジストの場合には、レーザビームにより、レジスト層の露光された個所の光化学的な変換が生ぜしめられ、この場合、エッチングの前に、完成したマスクを形成するためにさらに現像段階が必要となる。サーモレジストの場合には、レーザビームにより、完成したマスクが1回のステップで形成される。この場合、レーザは熱加工によりマスク層の、エッチングによりセルを形成したい個所を除去する。両方法ともに、比較的多くのプロセスステップを有するという点で複雑である。それゆえに、両方法は実際の使用時では品質を損ない易い。さらに、両方法は、全てのエッチング法の持つ基本的な不都合、つまり画像のための網点の描出が悪いという不都合をも有している。
 さらに、印刷シリンダにセルを形成するために、材料加工において使用される電子ビーム彫刻法を使用することも知られている。この電子ビーム彫刻法は電子ビームの高いエネルギおよびビーム変向やビームジオメトリに関するすぐれた精度に基づき、極めて良好な結果を呈示した。セルはこの場合、高い出力密度を有する電子ビームを用いて銅層内に高い速度で打ち込まれる。電子ビーム彫刻機のためにかかる大きな手間と高い投資コストとに基づき、電子ビーム彫刻は実際にはこれまで凹版印刷のための銅シリンダの彫刻のためには使用されておらず、鋼工業において薄板製造の目的で、薄板にテクスチャ構造を転圧加工するための「テクスチャローラ(Texturwalze)」の表面彫刻のためにしか使用されていない。
 さらに、レーザを凹版印刷彫刻のために使用して、外側の銅層を備えた印刷シリンダをレーザによって彫刻することも試みられた。しかし、銅はレーザビームにとって極めて良好なリフレクタとなるので、銅を溶融させるためには、使用したいレーザの極めて大きな出力および特に極めて高い出力密度が必要となる。この問題を解決するために、彫刻を有する銅層の代わりに亜鉛層を使用することが提案された。セルはこの場合、レーザビームによって亜鉛層に打ち込まれる。亜鉛のレーザビーム彫刻は全体的には胴の場合よりも僅かなビーム出力しか必要としない。この方法の大きな欠点は、凹版印刷シリンダへの亜鉛の電気メッキによる被着は、工業的な実地では、彫刻を有する層が銅である場合に比べてあまり信頼性良く実施され得ないことにある。
 既に銅における彫刻につき説明したように、亜鉛層にも、画像パターン形成(レーザ彫刻)の後に、印刷機において十分な可使時間を達成するために耐摩耗性の層、たとえばクロムが施与されなければならない。この場合、亜鉛へのクロムの被着はやはり銅へのクロムの被着に比べてあまり信頼性良く機能しないので、亜鉛メッキとクロムメッキとの組合せが複雑になるという問題が生じる。したがって、別の方法ステップを導入することが必要となる。亜鉛の困難な取扱いの他に、特にクロムとの組合せにおける廃棄物処理が別の問題となる。
 したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた、凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法を改良して、永続的に良好な印刷結果をもたらす印刷版が製造・供給可能となり、しかも印刷版が簡単に製造され得るようになり、このような印刷版の原価が、従来慣用の方法で製造された印刷版の原価よりも低く保持され、さらに印刷版が印刷装置において、慣用の方法で製造されかつ構成された印刷版に対してこれまで使用されていたような印刷装置に変更を加えることなしに使用され得るようになる方法を提供することである。
 さらに本発明の課題は、このような方法により製造された、凹版印刷に用いられる印刷版を提供することである。
 この課題を解決するために本発明の方法では、冒頭で述べた方法において、表面に耐摩耗性の層を施与するようにした。
 さらに上記課題を解決するために本発明の印刷版の構成では、凹版印刷、特に輪転凹版印刷に用いられる印刷版であって、該印刷版の表面に複数のセルが形成されている形式のものにおいて、当該印刷版の表面が耐摩耗性の層を有しており、該層にセルが該セルの深さに関して少なくとも部分的に形成されているようにした。
 銅は、40kp/mm(軟らかい)の範囲から110kp/mm(硬い)の範囲までのビッカース硬度を有している。クロムは、120kp/mm(軟らかい)の範囲から670kp/mm(硬い)の範囲までのビッカース硬度を有している(「Stoffhuette」、第4版、1978年、第1102頁、第1103頁に記載のデータ)。本発明による耐摩耗性の層のためには、有利には原則的に、銅よりも大きなビッカース硬度、つまり110kp/mmよりも大きなビッカース硬度を有する、このような耐摩耗性の層を形成するための全ての材料が挙げられる。
 実際の彫刻層としては、一般に「印刷シリンダ」として形成されている印刷版に設けられた銅が使用される。この銅層には、従来では冒頭で説明したように、印刷版が規定通りに使用される間の印刷版の可使時間を向上させるためにクロムが被着される。すなわち、従来では、印刷版に2つの層が被着されなければならなかった。このためには、2つの別個の電気メッキ浴が準備されなければならず、ひいては、2つの別個の電気メッキ被覆過程が実施されなければならない。
 本発明によれば、原則的に唯一つの層を印刷版に被着させるだけで済む。このことは印刷版の製造過程を全体的に時間および製造コストに関して著しく減少させる。さらに、特定の耐摩耗性の層は必ずしも電気メッキにより被着される必要はない。このことはやはり、印刷版の規定通りの使用時間が経過した後に耐摩耗性の層を、従来よりも簡単な手段によって繰返し何度も印刷版から再び除去することができるという利点をもたらす。
 本発明による解決手段の利点は、耐摩耗性の層が所望の目的に関連して、特にこのように形成された印刷版の所望の使用を達成するために選択可能であることにある。すなわち、耐摩耗性の層の硬度は、このために提供されている、耐摩耗性の層を形成する材料に関して選択され得るか、もしくは適合され得る。このような選択は、耐摩耗性の層をあとで印刷版から除去することをも考慮した上で行うことができる。なぜならば、耐摩耗性の層は規定通りの使用期間の経過後に印刷版から除去されることが望ましいからである。また、場合によってはこれに関連した廃棄処理基準も考慮される。
 本発明による方法の極めて有利な実施態様では、印刷版に耐摩耗性の層がセルの形成前に形成される。これにより、耐摩耗性の層が印刷版の固有の彫刻表面もしくは彫刻層を形成することを達成することができる。これによって、セルの形成の終了後に、つまり印刷版の彫刻もしくは画像パターン付与の終了後に、耐摩耗性の層に直接に、時間的に手間のかかる別の準備ステップなしに、ほとんど完成した印刷版を印刷過程の実施のために印刷装置に持ち込むことができるようになるので有利である。彫刻もしくは画像パターン付与の途中で発生した材料残分の除去またはバリ取りおよび場合によっては引き続き行われる研削過程、研磨過程またはクリーニング過程のみが場合によっては必要となる。提案された、このような有利な別の改良形により、印刷版の製造方法は時間ならびにこのときに消費されるべきコストに関して著しく減じられる。
 強調しておきたい点は、このような場合によっては必要となる後処理ステップが原理的には既に実際の彫刻の間に実施され得ること、そしてそれどころか耐摩耗性の層の材料が規定通りに選択されている場合には場合によっては全く必要とならないことである。
 有利には、耐摩耗性の層が「硬質物質層」、たとえばドリル、フライスヘッドおよび旋削バイトのような切削加工工具の可使時間を高めるために、このような切削加工工具の表面を被覆するために使用されるような層であると有利である。このような材料を例示的に挙げるとすれば、原理的には、公知先行技術においてこのような目的のために使用されるあらゆる公知の硬質物質、たとえば炭化ホウ素およびその誘導体が適している。
 しかし、耐摩耗性の層は有利には複合材料によっても形成され得る。この複合材料は、たとえばプラスチックと、このプラスチック内に含まれた粒子状のエレメントとから成る混合物から成っている。粒子状のエレメントは有利には石英砂もしくはケイ砂(Quarzsand)であってよい。
 本発明による方法のさらに別の有利な実施態様では、耐摩耗性の層を金属の層からも形成することができる。この場合、金属の層は一方では元素の金属から形成することができ、そして他方では金属合金からも形成することができる。この場合、この層を金属の材料からのみ形成するのか、硬質物質から形成するのか、または上で説明したような複合材料から形成するのか、という選択は、印刷版を用いた印刷の種類や、達成したい所望の可使時間や、あとから必要となる、耐摩耗性の層の除去や、印刷版もしくは印刷版の耐摩耗性の層の彫刻の実施形式に関する、印刷版において所望される特性もしくは保証されるべき特性に関連しても、設定され得る。
 耐摩耗性の層は一般に自体公知の被覆法、たとえば有利にはCVD法(Chemical Vapor Deposition)、つまり化学蒸着法またはPVD法(Physical Vapor Deposition)、つまり物理蒸着法により形成され得る。この場合、これらの技術は比較的大規模工業的にその機能の点で実証済みであり、かつ制御管理可能である。
 硬質物質層および金属の層は、こうしてこれらの公知の方法によって被覆体の均一性や、表面、つまりこの場合には印刷版における被覆体の所望の厚さに関して高精密に被着され得る。
 特定の目的のためには、たとえば金属の層の被着と関連して、この金属の層を電気メッキにより印刷版に被着させることが有利である。しかしこの場合、金属の層は前で挙げたPVD法もしくはCVD法によっても同じく被着可能である。
 前記複合材料は、たとえば吹付け過程によって印刷版の表面に、耐摩耗性の層を形成するために被着され得る。この複合材料は次いで熱により、かつ/または電子による照射によっても硬化され得る。
 層の厚さはこの場合有利には(このことは全ての種類の層組成および全ての種類の層被着について云える)、セルが少なくとも部分的に、耐摩耗性の層内に形成されるように選択され得る。このことは、耐摩耗性の層が、予め印刷版に被着されていたコンベンショナルな層、たとえば銅または亜鉛のような金属から成る層または非金属層に被着されていて、表面近傍の範囲だけが耐摩耗性の層により形成され、セルのセル底部の範囲が、耐摩耗性の層の下に位置する層に形成されていることを意味する。しかし、耐摩耗性の層の下の別個の層を不要にして、有利にはセルが耐摩耗性の層内に完全に形成されるように耐摩耗性の層の厚さを設定することも可能である。
 印刷版の表面に形成されたセルの深さは、例外を除いて、一般に有利には15〜35μmの範囲にあるので、耐摩耗性の層は20〜50μmの範囲の厚さに形成され得ると有利である。この場合、公知のCVD法およびPVD法を用いて、最大10μmまでの範囲の層厚さが困難なく製作可能であり、さらに15μmの範囲までの層厚さも製作可能である。すなわち、このような公知のPVD被覆法もしくはCVD被覆法を用いて、下側に位置する層が存在している場合には、この層がセルによって接触されることなしに、セルが完全に形成されるような厚さを持った耐摩耗性の層が印刷版上に製作可能となる。
 本発明により提案された耐摩耗性の層においても、この層に形成されたセルを原則的に任意の適当な公知手段で形成することができる。この場合、たとえばこのために公知の種々様々な方法、たとえば機械的な彫刻手段またはレーザ光を用いた彫刻によりセルを形成することができる。これらの種々異なる彫刻方法も、耐摩耗性の層を形成する材料に関連して選択される。
 機械的な彫刻手段は、たとえば適当に成形されたダイヤモンドから成る彫刻スタイラスである。
 レーザ光を用いた彫刻方法は有利には、レーザ光によってセルが直接に形成されるように選択することができる。すなわち、高エネルギのレーザ光により、耐摩耗性の層にセルがその三次元の形状(長さ、幅、深さ)に関して直接に形成される。
 しかし、(このことは耐摩耗性の層を形成する材料、材料の種類、セルを形成するための処理可能性、本発明により形成された印刷版の、目標とされた可使時間および耐摩耗性の層のあとからの除去可能性に関連して行われ得ることではあるが)セルをもエッチングにより有利に形成することも可能である。この場合、エッチング過程を実施する前にまず、エッチングマスクを形成するためのフォトレジストまたはサーモレジスト(Thermoresist)が耐摩耗性の層に形成される。これまで、セルが形成される銅から成る印刷胴において使用されていたような、この自体公知のエッチング彫刻技術も、本発明によれば原理的にこの場合にも、耐摩耗性の層のエッチングと関連して使用され得る。このことは、本発明の別の有利な改良形にも云える。すなわち、この場合には、エッチングマスク自体がレーザ光によって露光される。
 さらに本発明の別の有利な改良形では、耐摩耗性の層の表面が、予め規定された粗さ度で粗く形成される。これにより、耐摩耗性の層の表面と、印刷過程中にこの表面と対応する被印刷材料の表面との間の、予め規定された大きさの摩擦抵抗が保証される。
 この粗さ度は、マイクロ粗さもしくはマイクロラフネス(Mikrorauhigkeit)に相当していると有利である。このようなマイクロラフネスは、耐摩耗性の層の表面の研磨および/または研削により形成されるか、もしくは達成されると有利である。
 既に述べたように、上記課題を解決するための本発明の印刷版の構成では、当該印刷版の表面が耐摩耗性の層を有しており、該層にセルが該セルの深さに関して少なくとも部分的に形成されている。
 このような印刷版の利点(印刷版には、上で述べた印刷版の製造方法に関する利点が同じく該当する)は、公知先行技術において知られている印刷版に比べて、本発明による印刷版が著しく単純化されて形成されていてよい点にも認められる。印刷版は、セルの形成を除いて、つまり印刷版の画像パターン付与(Bebilderung)を除いて、完全な形に製作されていてよく、そして印刷版が画像パターン付与のために運ばれるまでの間、印刷版を貯蔵しておくことができる。印刷版の彫刻表面が、コンベンショナルに製造された印刷版の場合のように亜鉛または銅から成っている場合には、印刷版の貯蔵は不可能となる。なぜならば、亜鉛や銅の表面が老化を受け、この老化により、後続の画像パターン付与や、後続のクロムメッキが別の製造ステップなしでは不可能となるからである。
 前で述べた印刷版は有利には、前で詳しく説明した方法ステップのうちの1つまたは複数の方法ステップにより製造することができる。しかし、原則的には、本発明による印刷版を製造するために別の方法ステップを使用することも可能である。
 前で説明した本発明による印刷版の画像パターン付与の後もしくは本発明による方法による印刷版の製造の後に、印刷版は、被印刷材料、つまり印刷を施されるべき材料に規定通りに印刷を施すために、印刷装置、特に輪転印刷機に挿入することができる。
 以下に、本発明をもう一度、包括的に詳しく説明する。
 凹版印刷、特に輪転凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法のための出発点は、ほぼ円筒状に形成された印刷版である。この印刷版は一般に鋼コアから成っているが、しかし原則的には別の材料、たとえばプラスチックから成っていてもよい。この鋼コアには、ベース銅層が形成されていてよく、このベース銅層は公知の塗布技術によって鋼コアに被着される。しかし、別の金属製のベース層、たとえばベース亜鉛層も鋼コアに被着可能である。この金属製のベース層には、次いで耐摩耗性の層が被着される。この耐摩耗性の層は、下側に位置する金属製のベース層がセルによって負荷されることなしに、もしくはセルがこの下側に位置する金属製のベース層に侵入することなしに、後続の印刷版への画像付与、つまりセルの形成がこの層内で行われるような厚さを有していてよい。
 しかし念のため付言しておくと、原則的には耐摩耗性の層の下にベース層を形成する必要はない。それどころか、印刷版のコアエレメントが鋼から成っていようが別の材料から成っていようが、耐摩耗性の層を直接に印刷版のコアエレメントに形成することも可能である。
 耐摩耗性の層が被着された後に、印刷版は自体公知の手段で画像付与される。このことは、選択に応じて種々異なる彫刻技術によって行うことができる。
 その後に、画像付与された印刷版、つまり彫刻パターンを備えた耐摩耗性の層は、研磨および/または研削による表面処理に施される。研磨および/または研削は、表面の予め規定された粗さもしくはマイクロラフネスが達成されるように行うことができる。研磨および/または研削は、耐摩耗性の層から、彫刻過程の間もしくは画像付与の間に発生した望ましくない残分を除去するために役立つ。これにより、バリも除去される。引き続き、研磨および/または研削の後に別個のクリーニング過程を続けることができる。しかし、これらの処理ステップを彫刻の間もしくは画像付与の間に、1回の作業ステップで行うこともできる。耐摩耗性の層の材料に関連して、特定の材料では、画像付与後に研削ステップ、研磨ステップまたはクリーニングステップを実施することは完全に不要となる。
 たとえ研削過程、研磨過程またはクリーニング過程が必要であるという条件下でも、この過程は、銅または亜鉛から成るクラシカルな彫刻層の場合に印刷の前に手間のかかるクロムメッキおよびこれに続く研磨により必要とされていたような相応するステップに比べてはるかに少ない手間しか必要としない。
 これらの製造ステップの後に、印刷版は原則的にすぐに使用できる状態となる。すなわち、印刷版は、規定通りの使用のために印刷装置もしくは輪転印刷機に挿入され、かつ規定通りに、印刷を施したい材料の印刷過程を実施する(このことは自体公知の印刷過程によって行われる)ことができる状態となる。
 規定通りの印刷の後に印刷版を再び使用できるようにするためには、印刷過程後に、付与された画像パターンを有する耐摩耗性の層が印刷版から除去されるので、印刷版、特に印刷胴は、印刷版の新たな製造サイクルのために提供される。このことは原則的に何度でも行うことができる。耐摩耗性の層の除去は、耐摩耗性の層の種類に応じて、化学的、電気化学的もしくは機械的に行うことができる。

Claims (27)

  1.  印刷版の表面に複数のセルを形成して、凹版印刷、特に輪転凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法において、印刷版の表面に耐摩耗性の層を施与することを特徴とする、凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法。
  2.  印刷版に、セルを形成する前に耐摩耗性の層を形成する、請求項1記載の方法。
  3.  耐摩耗性の層が硬質物質層である、請求項1または2記載の方法。
  4.  耐摩耗性の層が、複合材料から成る層である、請求項1または2記載の方法。
  5.  複合材料が、プラスチックと粒子状のエレメントとの混合物から成っている、請求項4記載の方法。
  6.  粒子状のエレメントをケイ砂から形成する、請求項5記載の方法。
  7.  耐摩耗性の層が金属の層である、請求項1または2記載の方法。
  8.  金属の層がクロムから成っている、請求項7記載の方法。
  9.  耐摩耗性の層を、PVD法またはCVD法によって印刷版上に形成する、請求項1、2、3、7または8記載の方法。
  10.  金属の層を印刷版上に電気メッキにより形成する、請求項7記載の方法。
  11.  耐摩耗性の層の厚さを、該層にセルが少なくとも部分的に形成されるように設定する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12.  耐摩耗性の層にセルを完全に形成する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  13.  耐摩耗性の層が20〜50μmの厚さを有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14.  印刷版の表面に形成されたセルの深さが、15〜35μmの範囲にある、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15.  耐摩耗性の層にセルを彫刻により形成する、請求項2から13までのいずれか1項記載の方法。
  16.  彫刻を、機械的な彫刻手段によって行う、請求項15記載の方法。
  17.  彫刻を、レーザ光によって行う、請求項15記載の方法。
  18.  レーザ光によってセルを直接に形成する、請求項17記載の方法。
  19.  耐摩耗性の層にセルをエッチングにより形成する、請求項2から16までのいずれか1項記載の方法。
  20.  エッチング過程を実施する前に、エッチングマスクを形成するためのフォトレジストまたはサーモレジストを耐摩耗性の層に被着させる、請求項19記載の方法。
  21.  エッチングマスクにレーザ光によって画像パターンを付与する、請求項19記載の方法。
  22.  耐摩耗性の層の表面を、予め規定された粗さ度で粗く形成する、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
  23.  粗さ度がマイクロラフネスの粗さ度に相当している、請求項22記載の方法。
  24.  粗さを、耐摩耗性の層の表面の研磨および/または研削により形成する、請求項22または23記載の方法。
  25.  凹版印刷、特に輪転凹版印刷に用いられる印刷版であって、該印刷版の表面に複数のセルが形成されている形式のものにおいて、当該印刷版の表面が耐摩耗性の層を有しており、該層にセルが該セルの深さに関して少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、凹版印刷、特に輪転凹版印刷に用いられる印刷版。
  26.  当該印刷版が、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法により製造されている、請求項25記載の印刷版。
  27.  輪転凹版印刷のための印刷装置における、請求項25記載の印刷版の使用。
JP2003338354A 2002-10-17 2003-09-29 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法、凹版印刷に用いられる印刷版およびその使用 Pending JP2004136674A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10248602 2002-10-17
DE10324327A DE10324327A1 (de) 2002-10-17 2003-05-27 Verfahren zur Herstellung einer Druckform für den Tiefdruck
EP03020399A EP1410924A1 (de) 2002-10-17 2003-09-10 Verfahren zur Herstellung einer Druckform für den Tiefdruck, Druckform für den Tiefdruck und ihre Verwendung

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004136674A true JP2004136674A (ja) 2004-05-13

Family

ID=32474852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003338354A Pending JP2004136674A (ja) 2002-10-17 2003-09-29 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法、凹版印刷に用いられる印刷版およびその使用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004136674A (ja)

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5646753A (en) * 1979-09-26 1981-04-28 Dainippon Printing Co Ltd Preparation of gravure lithographic plate
JPH04234647A (ja) * 1990-09-04 1992-08-24 Mdc Max Daetwyler Bleienbach Ag グラビア印刷型の製作方法
JPH05221171A (ja) * 1991-11-25 1993-08-31 Stork Screens Bv グラビア印刷シリンダー製造用金属プレート、該金属プレートの製造方法、及び図柄を造形されたロール
JPH0781261A (ja) * 1992-07-02 1995-03-28 Inst Fr Petrole 特に印刷機のローラーのためのエッチング可能な被覆組成物、コーティング方法、およびこの方法によって製造された物体
JPH11180061A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Dainippon Screen Mfg Co Ltd グラビア印刷用版材およびその製造方法、およびグラビア印刷版の製版方法
JPH11321140A (ja) * 1998-05-10 1999-11-24 Think Laboratory Co Ltd グラビア印刷版
JPH11327124A (ja) * 1998-05-15 1999-11-26 Think Laboratory Co Ltd クッション性を有する凹版およびその製造方法
JP2000015770A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Think Laboratory Co Ltd 印刷版の再利用方法
JP2000141931A (ja) * 1998-11-13 2000-05-23 Toppan Printing Co Ltd グラビア印刷用版
JP2000168253A (ja) * 1998-08-24 2000-06-20 Basf Drucksyst Gmbh 干渉性電磁放射によりグラビア記録するための材料及びこの材料を有する印刷版
JP2002178653A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Utec:Kk 印刷版及びその製造方法
JP2003266963A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd オフセット印刷用凹版
JP2004130718A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Nikka Kk 版胴および輪転印刷機
JP2004136660A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Hell Gravure Systems Gmbh 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5646753A (en) * 1979-09-26 1981-04-28 Dainippon Printing Co Ltd Preparation of gravure lithographic plate
JPH04234647A (ja) * 1990-09-04 1992-08-24 Mdc Max Daetwyler Bleienbach Ag グラビア印刷型の製作方法
JPH05221171A (ja) * 1991-11-25 1993-08-31 Stork Screens Bv グラビア印刷シリンダー製造用金属プレート、該金属プレートの製造方法、及び図柄を造形されたロール
JPH0781261A (ja) * 1992-07-02 1995-03-28 Inst Fr Petrole 特に印刷機のローラーのためのエッチング可能な被覆組成物、コーティング方法、およびこの方法によって製造された物体
JPH11180061A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Dainippon Screen Mfg Co Ltd グラビア印刷用版材およびその製造方法、およびグラビア印刷版の製版方法
JPH11321140A (ja) * 1998-05-10 1999-11-24 Think Laboratory Co Ltd グラビア印刷版
JPH11327124A (ja) * 1998-05-15 1999-11-26 Think Laboratory Co Ltd クッション性を有する凹版およびその製造方法
JP2000015770A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Think Laboratory Co Ltd 印刷版の再利用方法
JP2000168253A (ja) * 1998-08-24 2000-06-20 Basf Drucksyst Gmbh 干渉性電磁放射によりグラビア記録するための材料及びこの材料を有する印刷版
JP2000141931A (ja) * 1998-11-13 2000-05-23 Toppan Printing Co Ltd グラビア印刷用版
JP2002178653A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Utec:Kk 印刷版及びその製造方法
JP2003266963A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd オフセット印刷用凹版
JP2004130718A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Nikka Kk 版胴および輪転印刷機
JP2004136660A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Hell Gravure Systems Gmbh 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2356513B1 (en) Relief printing plate
KR101584691B1 (ko) 보안 용지의 생성을 위한 음각 인쇄판을 제조하기 위한 방법 및 시스템
JP2918487B2 (ja) グラビア印刷を行なうための方法および装置
US5855173A (en) Zirconia alloy cylinders and sleeves for imaging and lithographic printing methods
KR101014503B1 (ko) 보안 용지 시트의 음각 인쇄 플레이트를 제조하기 위한 전구체 플레이트 및 음각 플레이트를 제조하는 방법
US6877423B2 (en) Method to produce a printing form for rotogravure, printing form for rotogravure and their use
US5001821A (en) Pitted roll for an offset litho printing press
JPS6216818B2 (ja)
US6631676B2 (en) Process and apparatus for gravure
US6048446A (en) Methods and apparatuses for engraving gravure cylinders
JPH11291438A (ja) 凹版印刷版の製作方法及び凹版印刷版
JP2007535417A6 (ja) インタグリオ凹版印刷のための版板を製造するための方法及びインタグリオ凹版印刷のための版板
JP2004136674A (ja) 凹版印刷に用いられる印刷版を製造するための方法、凹版印刷に用いられる印刷版およびその使用
JP2007535417A (ja) インタグリオ凹版印刷のための版板を製造するための方法及びインタグリオ凹版印刷のための版板
JPH02504495A (ja) 深さ、又は深さと面積を変える事ができるグラビア版の製造方法
Hennig et al. Laser engraving in gravure industry
JP2007118594A (ja) グラビア製版ロール及びその製造方法
CN1496859A (zh) 凹版印刷用印版的制造方法、凹版印刷用的印版及其应用
JP2970793B2 (ja) ゴム印字体の刻印形状
JP3826292B2 (ja) 凹版シリンダ作製方法及びグラビア凹版印刷方法並びにその印刷物
Hennig et al. Laser Precision Micro Fabrication in the Printing Industry
JP3886643B2 (ja) グラビア印刷版の製造方法
JP2004202888A (ja) グラビア製版方法
JP2008302542A (ja) 凹版の製造方法
JPH074993B2 (ja) インキ計量ローラー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041029

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050127

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050810