JP2008302542A - 凹版の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定性があり豊富な階調表現と微細な文字や画線の表現ができ、かつ高い見当精度とゴミなどによる欠陥のない高品質の凹版の製造方法の提供。
【解決手段】a)カーボンチッシュ10に該カーボンチッシュを硬化させる還元物質を含むインキを用い、網点でなるネガ状画像20をインクジェット方式で印刷する工程と、b)印刷されたカーボンチッシュ10を金属板30に転写する工程と、c)転写されたカーボンチッシュ10aを現像、乾燥し、金属板30を腐食する工程とを含む凹版の製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、凹版の製造方法に関するものであり、特に、グラビア印刷等に使用され、豊かな階調と微細な文字や画線の表現ができる凹版の製造方法に関する。
従来のグラビア製版の方式として腐食法と機械的彫刻法に大別され、その腐食法の一つとしてコンベンショナルグラビア法があり、これは、例えば、図7(a)に示すように、カーボンチッシュ(10)に白線スクリーン(22)を焼き付けて、カーボンチッシュ(10)に碁盤目の硬化部分を形成し、そのカーボンチッシュ(10)に図7(b)に示すように、連続調のポジフィルム(15)を焼き付けてカーボンチッシュ(10)を硬化させ、そのカーボンチッシュ(10)を、金属版に転写したのち、現像し、腐食することで、図7(b)に示すように、金属版(30)のセル(35)に深度差をつけ、豊かな階調表現を行っている。また、この連続調のポジフィルム(15)の焼き付けでは焼き付け程度などによる版の深さ等の安定性が低い事から、金属板上のフォトレジストに網点のポジフィルムを焼き付け、現像、腐食することによって、図8に示すように、深度は同じでセル(35)の開口面積のみを変化させて階調表現を行う網グラビア法(ポーシェル法ともいう)や、この網グラビア法での安定性とコンベンショナルグラビア法での豊かな階調表現性とを取り込んだものに、カーボンチッシュに拡散フィルムを介して安定性のある網点のポジフィルムを焼き付けることで、例えば、図9に示すように、安定性のある網点でなるセル(35a)の腐食深度に深浅の変化を付け豊かな階調を表現するTHグラビア法と称される方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
以下に、上記先行技術文献を示す。
グラビア技術発達史−60年の歩みと現状−、昭和54年4月1日限定版発行、発売元(印刷学会出版部)。
一方機械的彫刻法は原稿の濃淡をダイヤモンドの針の彫刻深さに変換して彫刻するもので、三角錐の針を用いる事で彫刻セルの深さと開口寸法を同時に変えることができる。また、レーザー光や電子線を用いてシリンダー上の金属を直接昇華させて穴を形成する方法もある。しかし、この機械的彫刻法の難点は文字や罫線などの直線的なものの描画であり、機械的にドットを配置する事が原理であることからどうしても直線が粗い点の集まりに見えてしまう事があり、文字の品質が要求される雑誌類では見た目で劣ることが問題となった。また機械的彫刻法で解像力を上げるためには彫刻ドットを細かくすれば良いのであるが、一つ一つのセルを小さくすると開口面積の減少に伴って彫刻深さも小さくなるので、濃度が全体的に低下した印刷となってしまうことも問題であった。その点では、上記の腐食法では直線、文字の直線的なデータは充分に再現でき、機械的彫刻法では得られない深さの版を形成する事も可能なため、印刷濃度を上げながら細かい点を再現する事も可能となる。ただし腐食法ではポジフィルムをまず出力して、それをカーボンチッシュなどのフォトレジストに露光する必要があるため、露光時にゴミを焼き込んでしまうことや、ポジフィルムのずれによる見当不良などが問題であった。
また、一方で上記の網グラビア法の露光部を走査形レーザー光に変えて、デジタル化した画像データを網点化したものを直接露光し、現像、腐食によりセルを形成する方法が近年現れ、普及している。これにより機械的彫刻法では表現できない細線や文字を従来の腐食法と同等の質で表現でき、しかもゴミの焼き込みやポジフィルムの伸縮に左右されない高い品質のシリンダーを作製できるようになった。しかし、この方法はセルの深度が一定
で、セルの開口面積のみで階調を表現しなければならないため、上記THグラビア法のような階調表現は難しかった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、安定性があり豊富な階調表現と微細な文字や画線の表現ができ、かつ高い見当精度とゴミなどによる欠陥のない高品質のグラビア印刷版とする凹版の製造方法を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、凹版印刷の製版工程で行う凹版の製造方法であって、a)カーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、網点でなるネガ状画像を印刷する工程と、b)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、c)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含むことを特徴とする凹版の製造方法としたものである。
また、請求項2の発明では、前記a)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることを特徴とする、請求項1に記載の凹版の製造方法としたものである。
また、請求項3の発明では、凹版印刷の製版工程で行う凹版の製造方法であって、a)カーボンチッシュに白線スクリーンを焼き付ける工程と、b)白線スクリーンが焼き付けられたカーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、連続調でなるネガ状画像を印刷する工程と、c)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、d)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含むことを特徴とする凹版の製造方法としたものである。
また、請求項4の発明では、前記b)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることを特徴とする、請求項3に記載の凹版の製造方法としたものである。
また、請求項5の発明では、前記カーボンチッシュが、ゼラチンを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、アルデヒド類である、請求項1または3に記載の凹版の製造方法としたものである。
また、請求項6の発明では、前記アルデヒド類が、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドである、請求項5に記載の凹版の製造方法としたものである。
また、請求項7の発明では、前記カーボンチッシュが、ゼラチンと六価クロムを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、還元物質である、請求項1または3に記載の凹版の製造方法としたものである。
さらにまた、請求項8の発明では、前記還元物質が、アルデヒド類、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸のいずれかである、請求項7に記載の凹版の製造方法としたものである。
上記カーボンチッシュは、ゼラチンに少量の添加剤を加え紙などに均一に塗布することにより作製することができる。カーボンチッシュは六価クロムを含ませてもよく、含ませ
なくともよいが、カーボンチッシュに六価クロムを含ませた場合には、還元性物質を含むインキを印刷することにより、六価クロムを三価クロムに還元させてカーボンチッシュを硬化させることができる。カーボンチッシュに六価クロムを含まない場合でも、アルデヒド類を含むインキを印刷することにより、ゼラチンを架橋させて硬化させることができる。六価クロムを含むカーボンチッシュは、例えば、カーボンチッシュを六価クロムの溶液(重クロム酸カリ溶液等)に浸し、ガラス又はプラスチック板に貼り付けて乾燥させることにより作製することができる。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、a)カーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、網点でなるネガ状画像を印刷すると、カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキで、化学的にカーボンチッシュを硬化させ、さらに、b)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、c)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含む凹版の製造方法とすることによって、上記印刷で網点面積の大きいところの非画像部には、インキが多く残り、小さいところの非画像部には、インキがほとんど残らない現象があるため、腐食された版のセルの開口面積と深度を共に変化させる事ができ、THグラビア法の豊富な階調と細かい文字や画線の表現ができ、かつ高い見当精度とゴミなどによる欠陥の無い高品質のグラビア版を製造するための凹版の製造方法とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記a)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることによって、デジタル化した画像データをネガ状の網点化したものに容易に形成することを可能にする凹版の製造方法とすることができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、a)カーボンチッシュに白線スクリーンを焼き付ける工程と、b)白線スクリーンが焼き付けられたカーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、連続調でなるネガ状画像を印刷すると、カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキで、化学的にカーボンチッシュを硬化させ、さらに、c)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、d)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含む凹版の製造方法とすることによって、上記印刷で連続調でなるネガ状画像がカーボンチッシュを連続的に硬化させるので、腐食された版のセルの開口面積は変化しないが深度を変化させる事ができ、コンベンショナルグラビア法の豊富な階調と細かい文字や画線の表現ができ、かつ安定で高い見当精度とゴミなどによる欠陥の無い高品質のグラビア版を製造するための凹版の製造方法とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、前記b)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることによって、デジタル化した画像データをネガ状の連続調化したものに容易に形成することを可能にする凹版の製造方法とすることができる。
また、上記請求項5〜6に係る発明によれば、前記カーボンチッシュが、ゼラチンを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドであるアルデヒド類であることによって、ゼラチンのアミド基とホルマリン等アルデヒド類が−HN−CO−NH−の形で重合し硬化するので、上記インキが印刷された部分のカーボンチッシュが硬化するので、次工程の現像、腐食によって所望の凹版を製造することができる。
さらにまた、上記請求項7〜8に係る発明によれば、前記カーボンチッシュが、ゼラチンと六価クロムを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、アルデヒド類、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸のいずれかの還元物質であることによって、六価クロムを三価クロムに還元させてカーボンチッシュを硬化せしめるので、次工程の現像、腐食によって所望の凹版を製造することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の凹版の製造方法に用いる印刷装置の一事例であり、(2)はインクジェット印刷装置であり、この挿入部(6)にカーボンチッシュ(10)を固定し、印刷する。(3)は印刷ヘッド部であり必要な濃度の還元性物質を含むインキ(5,5’)を1種ないし複数種設置し塗布する。(4)はシステム全体のコントロールと画像データを出力するための制御部である。
還元性物質にはアルデヒド類、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸などが代表的に用いられ、これにPH調整剤、溶剤、粘度調整剤等を混合しインキとして用いる。
また、図2は、本発明の凹版の製造方法の一事例を説明する工程図であり、図3は、この工程図で得られた凹版を説明するものである。また、図4、図5は、本発明の凹版の製造方法の他の一事例を説明する工程図であり、図6は、この工程図で得られた凹版をする工程図である。
上記請求項に係る発明は、図2(a)に示すように、カーボンチッシュ(10)にこのカーボンチッシュ(10)を硬化させる物質を含むインキを用い、ネガ状の網点でなる印刷層(20)を形成する(印刷工程)。この印刷工程で、網点面積の大きいところの非画像部(20b)には、インキが多く残り、小さいところの非画像部(20c)には、インキがほとんど残らない現象がある。
上記工程で形成された印刷層(20)の部分のカーボンチッシュ(10)が図2(b)に示すように、硬化したカーボンチッシュ(10a)を形成する(カーボンチッシュの硬化工程)。
続いて、図2(b)に示すカーボンチッシュ(10,10a)を図2(c)に示すように、金属板(30)に転写し、そのカーボンチッシュ(10,10a)を現像すると、金属板(30)上に網点でなるネガ状の硬化したカーボンチッシュ(10a)と図2(a)に示す網点でなる非画像部(20b,20c)に残った薄いカーボンチッシュ(10b)のみが残る(転写、現像工程)。
続いて、図2(d)に示すように、現像工程を経て残り硬化したカーボンチッシュ(10a)を通して、金属板(30)を腐食すると、金属板(30)の表面に網点状の開口部(32)を形成する(腐食工程)。
上記腐食工程で残り硬化したカーボンチッシュ(10a,10b)を剥膜することによって、図2の側断面模式図に示すように、金属板(30)に網点状の開口部(32)に深度差を有する凹版(1)とすることができる。
また、上記請求項に係る他の発明は、図4(a)に示すように、カーボンチッシュ(10)に白線スクリーン(22)を紫外線光等を発する水銀灯等で焼き付け(白線スクリーンの焼き付け工程)と、図4(b)に示すように、その焼き付けによりカーボンチッシュ(10)に碁盤目状に硬化した部分(10c)を形成する(焼き付けによるカーボンチッシュの硬化工程)。
上記工程で白線スクリーンが焼き付けられたカーボンチッシュ(10)にこのカーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、連続調でなるネガ状画像(21)を印刷する(印刷工程)。
上記印刷工程で印刷された部分のカーボンチッシュ(10a)が、図4(d)に示すように、化学的に硬化される(インキによるカーボンチッシュの硬化工程)。
続いて、上記で得られたカーボンチッシュ(10)を、図5(a)に示すように、金属板(30)に転写し、それを現像することによって、硬化したカーボンチッシュ(10a,10b)が金属板(30)上に残る(カーボンチッシュの転写、現像工程)。
続いて、図5(b)に示すように、上記現像工程を経て残り硬化したカーボンチッシュ(10a,10b)を通して、金属板(30)を腐食すると、金属板(30)の表面に同じ面積の開口部(32)を形成する(腐食工程)。
上記腐食工程で残り硬化したカーボンチッシュ(10a,10b)を剥膜することによって、図6の側断面模式図に示すように、金属板(30)に同じ面積の開口部(32)に深度差を有する凹版(1)とすることができる。
以下に上記印刷装置を用いた請求項に係る凹版の製造方法について、さらに詳細に説明する。
上記カーボンチッシュで、六価クロムを含ませたものについては紫外から可視光線の一部に感光領域を持つため、印刷装置は感光する波長を遮ったイエローライトのもとに置かれる。また熱によっても暗反応を生じるため感光性を付加したカーボンチッシュは冷暗所に保存され、露光あるいは上記インキによる印刷後は速やかにシリンダーまたは平板上への転写、現像を行う必要がある。六価クロムを含まないカーボンチッシュは、この限りではない。
カーボンチッシュへの印刷に際し、冷暗所から取り出したカーボンチッシュを必要な大きさに切り、ピン穴を開けた後、図1に示すように、印刷装置(2)に取り付ける。続いて、制御部(4)に画像データを入力し、出力に必要なデータを入力すると画像データをインクジェットの塗出量に変換してカーボンチッシュ(10)に還元性物質含むインキを印刷する。印刷装置としてバブルジェット(登録商標)方式、静電トナー方式、昇華転写方式なども用いることが可能であるが、このインクジェット方式のように、網点にしたり連続調にしたりすること、及びインキ組成等に対し優位でない。
印刷の終わったカーボンチッシュを回転ドラムから取り外し、通常の腐食法に準じて表面に銅めっきが施されたグラビアシリンダー上に転写し、現像、腐食を行う。腐食後は残ったカーボンチッシュ(レジスト)を剥離し、必要であれば耐刷性を上げるため、クロムめっき等の表面処理を行う。
印刷後、必要であればカーボンチッシュの暗反応による影響を一定にするために、絵柄に関係なく全体に一定量の露光を行うことや、一定時間の熱処理も可能である。
上記請求項1に係る発明では、例えば、図2(a)に示すように、印刷されたカーボン
チッシュ(10)には階調に応じて網点の大きさを変えたネガ状の画像(20)が描画される。そしてこれは他の電子材料などに用いるフォトレジスト、また網グラビア法などで用いられるフォトレジストでは起きない事であるが、インクジェット等のインキでの印刷では網点面積の大きいところの非画像部(20b)には、インキが多く残り、小さいところの非画像部(20c)には、インキがほとんど残らない現象があるため、図2(c)に示すように、現像後のカーボンチッシュの網点(10a)の大きさによって、それらの間に階調の異なる残存カーボンチッシュ膜(10b)が残るようになる。
上記のように、インキの塗布量(網点面積の大小)を調整することで、本来は硬化されない領域にも薄い残存カーボンチッシュ膜(10b)を生じることが可能になる。その薄い膜の膜厚は周辺部の網点の大きさに比例するため、網点面積が大きい時にはレジスト膜は薄くなり、網点面積が小さい時にはレジスト膜は厚くなるようになる。
従って、腐食時、前記した薄い残存カーボンチッシュ膜(10b)を腐食液が浸透し、シリンダ表面に到達した腐食液がシリンダ表面の金属を溶解して版を形成する。薄いレジスト膜はそれぞれ網点の大きさに応じて厚みが異なっており、その厚みの差が腐食液浸透速度の差となり、ひいては版のセルの深さの差となる。
それゆえ腐食後の版の網点でなるセル(30a)は、図3に示すように、その大きさと共に深度にも差がつき、従来の電子材料などに用いるフォトレジスト、また網グラビア法などで用いられるフォトレジストでは表現し得ない階調を生み出す事ができる。
また、上記請求項3に係る発明では、請求項1に係る発明の凹版の製造方法に加え、図4a)に示すように、印刷前に従来の方法で用いている白線スクリーン(22)による露光を行い、その後、印刷装置に取り付け、画像データを入力し、出力に必要なデータを入力すると画像データをインクジェットの塗出量に変換して、図4(c)に示すように、カーボンチッシュ(10)に還元性物質含むインキで連続調のネガ状画像(21)を印刷する。
これにより、より安定した深度の凹版を提供する事ができ、従来の電子材料などに用いるフォトレジスト、また網グラビア法などで用いられるフォトレジストでは表現し得ない階調を生み出す事ができる。また、請求項1に係る発明の場合では、これまで用いられてきたTHグラビア法の網点データがそのまま印刷データとして用いられるのでより簡便である。
以上のように、請求項1、2に係る発明の凹版の製造方法によれば、カーボンチッシュを用い、それに適した印刷を行い、現像、腐食する事で、セルの開口面積と深度を共に変化させる事ができTHグラビア法の安定で豊富な階調と細かい文字や画線を表現でき、かつ高い見当精度とゴミなどによる欠陥の無い高品質のグラビア印刷版を製造することが可能となる。
また、請求項3、4に係る発明の凹版の製造方法によれば、カーボンチッシュを用い、それに適した白線スクリーンの露光と印刷を行い、現像、腐食する事で、セルの開口面積が同じで、その深度を変化させる事ができ、安定したコンベンショナルグラビア法の豊富な階調と細かい文字や画線を表現でき、従来のコンベンショナルグラビア法の不安定さがなく、かつ高い見当精度とゴミなどによる欠陥の無い高品質のグラビア印刷版をより安定して製造することが可能となる。
本発明の凹版の製造方法に使用する印刷装置の一事例を示す説明図である。 本発明の凹版の製造方法の一実施の形態を示す工程図であり、a)は、印刷工程、b)は、カーボンチッシュの硬化工程、c)は、転写、現像工程、d)は、腐食工程を側断面で模式的に表した説明図である。 図2の凹版の製造方法で得られた凹版の一事例を示す側断面模式図である。 本発明の凹版の製造方法の他の一実施の形態を示す工程図で、 a)は、白線スクリーンの焼付け工程、b)は、焼付けによるカーボンチッシュの硬化工程、c)は、印刷工程、d)は、印刷によるカーボンチッシュの硬化工程を側断面で模式的に表した説明図である。 図4の凹版の製造方法の工程図の続きで、 a)は、転写、現像工程、b)は、腐食工程を模式的に表した側断面図である。 図4、図5の凹版の製造方法で得られた凹版の一事例を示す側断面模式図である。 従来のコンベンショナルグラビア法の一事例を示す工程図で、 a)は、白線スクリーンの焼付け工程、b)は、連続調ポジフィルムの焼付け工程、c)は、この工程で得られる印刷版の側断面模式図である。 従来の網グラビア法で得られる凹版の一事例を示す側断面模式図である。 従来のTHグラビア法で得られる凹版の一事例を示す側断面模式図である。
符号の説明
1‥‥凹版
2‥‥インクジェット印刷装置
3‥‥印刷ヘッド
4‥‥制御部
5,5’‥‥還元物質を含むインキ
6‥‥挿入部
10‥‥カーボンチッシュ
10a‥‥インキで硬化したカーボンチッシュ
10b‥‥硬化して現像で残った薄いカーボンチッシュ膜
10c‥‥露光で硬化したカーボンチッシュ
20‥‥網点のネガ状画像
20b‥‥網点のおおきいところの非画像部
20c‥‥網点の小さいところの非画像部
21‥‥連続調のネガ状画像
22‥‥白線スクリーン
30‥‥金属板
32‥‥網点状のセルの開口部

Claims (8)

  1. 凹版印刷の製版工程で行う凹版の製造方法であって、a)カーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、網点でなるネガ状画像を印刷する工程と、b)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、c)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含むことを特徴とする凹版の製造方法。
  2. 前記a)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることを特徴とする、請求項1に記載の凹版の製造方法。
  3. 凹版印刷の製版工程で行う凹版の製造方法であって、a)カーボンチッシュに白線スクリーンを焼き付ける工程と、b)白線スクリーンが焼き付けられたカーボンチッシュに該カーボンチッシュを硬化させる物質を含むインキを用い、連続調でなるネガ状画像を印刷する工程と、c)印刷されたカーボンチッシュを少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板に転写する工程と、d)転写されたカーボンチッシュを現像、乾燥し、少なくとも表面が金属でなるシリンダー又は平板を腐食する工程とを含むことを特徴とする凹版の製造方法。
  4. 前記b)に於ける印刷が、インクジェット方式による印刷であることを特徴とする、請求項3に記載の凹版の製造方法。
  5. 前記カーボンチッシュが、ゼラチンを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、アルデヒド類である、請求項1または3に記載の凹版の製造方法。
  6. 前記アルデヒド類が、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドである、請求項5に記載の凹版の製造方法。
  7. 前記カーボンチッシュが、ゼラチンと六価クロムを含むカーボンチッシュであり、前記カーボンチッシュを硬化させる物質が、還元物質である、請求項1または3に記載の凹版の製造方法。
  8. 前記還元物質が、アルデヒド類、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸のいずれかである、請求項7に記載の凹版の製造方法。
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