JP2004131386A - ジアミノフェノール類の製造方法 - Google Patents

ジアミノフェノール類の製造方法 Download PDF

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Atsushi Iwabuchi
岩渕 淳
Eiichi Tanaka
田中 栄一
Kazuteru Ogawa
小川 一輝
Kengo Koike
小池 謙吾
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Abstract

【課題】金属含量の低減されたジアミノフェノール類を製造する方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるジニトロフェノール類を、極性非プロトン性溶媒中、触媒の存在下で還元し、反応液中の触媒を濾過または沈降により除去した後に、貧溶媒を添加もしくは反応液を貧溶媒中に投入し結晶化することを特徴とする下記式(2)で表されるジアミノフェノール類の製造方法。
【化1】
Figure 2004131386

(式中、Xは(CH(但しn=0〜3)、鎖状アルキルで置換されたメチン、環状アルキル、置換されてもよいフルオレン−9,9−イル、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロピル−2,2−イル、酸素原子、スルホキシド又はスルホンを示す。)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属含量の低減されたジアミノフェノール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジアミノフェノール類はポリイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール等のポリマー原料として重要な化合物である(特許文献1、2,3参照)。これらのポリマーは耐熱性、絶縁性、低誘電率性、機械強度等に優れ、半導体のバッファコート膜、パッシベーション膜、層間絶縁膜等の用途として有用である(特許文献4、5参照)。半導体用絶縁材料として使用するためには含有する金属量をできるだけ減少させることが必須であり、そのためには原料であるジアミノフェノール類に含有する金属量を僅少ならしめることが不可欠である。層間絶縁膜の原料では通常200ppb以下の金属量を要求される。ジアミノフェノール類の製法としては対応するジニトロフェノール類を金属触媒の存在下に水素やヒドラジンで還元する方法が知られており、通常は反応溶媒として低級脂肪族アルコール類、ジオール類、環式エーテル類または非環式エーテル類を用いる(特許文献6参照)。またジアミノフェノール類の精製方法として低級アルコール類に溶解した後に水あるいは炭化水素類に添加して結晶化して精製する方法が開示されている(特許文献7参照)。しかし原料のジニトロフェノール類や生成物のジアミノフェノール類がこれらの溶媒に難溶である場合には触媒中に含まれる少量の鉄類や外部環境から取り込まれた金属類を生成物のジアミノフェノール類から除去することは困難である。難溶性のアミノフェノール類を塩として水に溶解せしめ濾過操作で不溶物を除去し濾液を中和することにより析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥操作をして精製物を得ることができるが、この場合には有機物としての純度(例えば液体クロマトでの面積比)の向上は得られるが、中和操作で用いる酸やアルカリ由来の金属が混入し金属含量が増える可能性が大きい。また生成するジアミノフェノール類は外部から混入した金属とキレートを形成しやすく、そのため金属除去が困難となり絶縁材料の原料として不適格となる場合がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−247225号公報(第2―6頁)
【特許文献2】
特開平3−188128号公報(第2―9頁)
【特許文献3】
特開平3−290434号公報(第5頁)
【特許文献4】
特開平10−316853号公報(第2頁)
【特許文献5】
特開2000−143804号公報(第3―5頁)
【特許文献6】
特開平11−106367号公報(第2頁)
【特許文献7】
特開平11−100356号公報(第2―5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来方法でのジアミノフェノール類の製造では金属除去が困難であり金属含量の低減化されたジアミノフェノール類の製造方法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは従来の方法の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、原料のジニトロフェノール類を極性非プロトン性溶媒を必須とする溶媒中、触媒の存在下で還元し、反応液中の触媒を濾過または沈降により除去した後に貧溶媒を添加もしくは反応液を貧溶媒中に投入し結晶化することによって金属含量の低減されたジアミノフェノール類を製造する方法を見出し本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、
【0006】
(1)下記式(1)で表されるジニトロフェノール類を、極性非プロトン性溶媒中、触媒の存在下で還元し、反応液中の触媒を濾過または沈降により除去した後に、貧溶媒を添加もしくは反応液を貧溶媒中に投入し結晶化することを特徴とする下記式(2)で表されるジアミノフェノール類の製造方法、
【0007】
【化2】
Figure 2004131386
【0008】
(式中、Xは(CH(但しn=0〜3)、鎖状アルキルで置換されたメチン、環状アルキル、置換されてもよいフルオレン−9,9−イル、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロピル−2,2−イル、酸素原子、スルホキシド又はスルホンを示す。)
(2)ヒドラジン類で還元することを特徴とする前項(1)記載のジアミノフェノール類の製造方法、
(3)触媒が支持体物質に分散された白金及び/またはパラジウム触媒である前項(1)又は(2)記載のジアミノフェノール類の製造方法、
(4)極性非プロトン性溶媒がN−メチル−2−ピロリジノン(以下、NMPと略す。)、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略す。)、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略す。)又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下、DMIと略す。)である前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のジアミノフェノール類の製造方法、
(5)貧溶媒がイオン交換水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコール及びジオキサンから選択される1種以上である前項(1)〜(4)のいずれか一項に記載のジアミノフェノール類の製造方法、
(6)ジアミノフェノール類が3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジアミノ−4,4’−オキシジフェノール、2,2’−ジアミノ−4,4’−(プロパンー2,2−ジイル)ジフェノール、2,2’−ジアミノ−4,4’−(1,3−ヘキサフルオロプロパンー2,2−ジイル)ジフェノール、9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン又は2,2’−ジアミノ−4,4’−(シクロヘキシル−1,1−ジイル)ジフェノールである前項(1)〜(5)のいずれか一項に記載の製造方法、
(7)ジアミノフェノール類が3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル又は2,2’−ジアミノ−4,4’−オキシジフェノールである前項(1)〜(6)のいずれか一項に記載の製造方法、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明は、前記式(1)で表されるジニトロフェノール類を極性非プロトン性溶媒中、触媒の存在下で還元し、触媒を濾別した後に貧溶媒を添加もしくは濾液を貧溶媒中に投入し結晶化することによって金属含量の低減された前記式(2)で表されるジアミノフェノール類を製造する方法に関するものである。なお金属含量の低減値としては200ppb以下である。
【0010】
本発明の製造方法で用いられる極性非プロトン性溶媒としては、NMP(N−メチル−2−ピロリジノン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセトアミド)、DMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)等が挙げられる。極性非プロトン性溶媒とは化学大辞典(株式会社 東京化学同人、第1版第1刷、1989年、P590)に記載されているように極性が高く(一般的に誘電率が15以上)、強い水素結合の形成に適した水素をもたない溶媒の総称であるが、本発明で用いるのに好ましい該溶媒としてNMP、DMF、DMAc等のアミド系、DMSOのようなスルホキシド系やDMIのような尿素系溶媒が該当する。この中でも溶解性、化学的安定性に優れたNMPが好適である。使用量は原料のジニトロフェノール1モルに対して極性非プロトン性溶媒を1〜4リットル、好ましくは1.5〜3リットル使用する。
【0011】
本発明の製造方法において、上記極性非プロトン性溶媒と併用して、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の低級ジオール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環式エーテル類またはジエチルエーテル、t―ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の非環式エーテル類を、原料である前記式(1)で表されるジニトロフェノール類が還元終了後に結晶化しない程度で加えることができる。例えば3,3’−ジニトロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 1モルの反応の際にNMP4リットルに対してメタノール1リットルを添加することが可能であり、その際にはこのジニトロフェノールは完全に溶解する必要はなく懸濁状態でも問題ないが、還元終了時には溶解している必要がある。好ましくはジニトロフェノール1モルに対してNMPは1.5〜5リットル、メタノール50ミリリットル〜2リットルが好ましく、さらにNMP2.5〜3.5リットル、メタノール500ミリリットル〜1リットルがより好ましい。
【0012】
本発明の製造方法において、還元反応としてさまざまな方法が使用できる。還元剤/触媒の系としては例えば水素/Pd−C、蟻酸アンモン/Pd−C(Tetrahedron Lett., 1984, 25, 3415)、ヒドラジン類/Pd−C、トリエチルシラン/RhCl(PPh3)3(Synth.Commun., 1996, 26, 973)等あるが、還元剤としてヒドラジン類を用いるのが好ましい。ヒドラジン類としては、例えばヒドラジン、ヒドラジン一水和物、メチルヒドラジン、またはヒドラジニウム塩、例えばヒドラジニウムクロライド、ヒドラジニウムサルフェート等が挙げられる。これらの還元剤は溶液、例えば水溶液、アルコール溶液、エーテル溶液として用いることができる。好ましくは60〜80重量%のヒドラジン水溶液を用いるのが好適である。ヒドラジンはジニトロフェノール類に対して1当量〜3当量、好ましくは1.1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.5当量使用できる。
【0013】
本発明の製造方法において、触媒としては、例えば鉄塩と活性炭を組み合わせたものやニッケル触媒や貴金属触媒等が挙げられるが、その中でも特に貴金属触媒が好ましい。貴金属触媒としては白金、パラジウム、ルテニウム等がある。白金、パラジウム、ルテニウム等は活性炭、シリカゲル、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、多孔質珪藻土、ジルコニア、酸化マグネシウム等の支持体に分散させてもよく、特に好ましくは活性炭および/またはアルミナおよび/またはシリカゲルに分散され、担持される。好ましくは支持体物質基準で0.1〜20.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%のパラジウムを活性炭に担持させたパラジウム触媒を使用するのがよい。また酸化物で使用することもでき、酸化白金、酸化パラジウムを使用しうる具体例として挙げることができる。貴金属触媒対原料のジニトロフェノール類の重量比はジニトロフェノール基準で0.1〜20.0重量%、好ましくは0.01〜5.0重量%の貴金属、最も好ましくは0.05〜0.5重量%の貴金属を使用するのがよい。回収リサイクルした触媒を用いることができる。
【0014】
本発明の製造方法における反応温度は40〜130℃、好ましくは60〜100℃、特に好ましくは65〜80℃で還元反応が行われる。
【0015】
本発明の製造方法においては、還元反応後に使用した触媒を濾過操作によって濾取後、その濾液を貧溶媒中に投入して結晶化する。貧溶媒としてはイオン交換水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコール、ジオキサン等が挙げられる。好ましくは、イオン交換水、メタノール、エタノールである。またイオン交換水で晶析する場合は、粒径を大きくするために温度を40℃以上とすることが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法において、得られうる金属含量が低減されたジアミノフェノール類としては、例えば3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノ−4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール、2,2’−ジアミノ−4,4’−(1,3−ヘキサフルオロプロパンー2,2−ジイル)ジフェノール、9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2’−ジアミノ−4,4’−(シクロヘキシル−1,1−ジイル)ジフェノール等が挙げられる。
【0017】
本発明の製造方法の一例を以下に示す。
前記式(2)で表されるジアミノフェノール類の製造方法は、まず原料である前記式(1)で表されるジニトロフェノールを窒素雰囲気下、極性非プロトン性溶媒に懸濁あるいは溶解し、必要に応じて炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール類、低級ジオール類、環式エーテル類または非環式エーテル類を混合し、溶解するか分散状態のまま攪拌し、必要に応じ所定量の触媒を混合する。続いて所定の温度とし、所定量のヒドラジン類、例えば60重量%ヒドラジン水溶液を徐々に滴下して加える。還元剤は通常は5分〜10時間かけて加える。還元剤の添加後、反応混合物はさらに必要ならば5分〜48時間、好ましくは30分〜10時間攪拌する。生成するアミノフェノール類は空気中で容易に酸化されるため窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気下で製造するのが好ましい。
【0018】
反応終了後、反応液から触媒を濾過または沈降により分離した後、濃縮しまたは濃縮せずに貧溶媒を添加もしくは貧溶媒中に投入して結晶を析出して目的のジアミノフェノール類を得る。ここで使用する貧溶媒としては、例えばイオン交換水やメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の低級ジオール類があげられる。これらの溶媒は混合溶媒として使用しても良い。溶媒を留去して濃縮液から粗製品を回収しても良く、必要に応じて該粗製品を精製工程に供することも出来る。精製工程として例えばヒドラジン等の酸化防止剤を入れつつ極性非プロトン性溶媒に溶解、不溶解分を濾過により除去後、貧溶媒を濾液に添加もしくは濾液を貧溶媒中に投入し結晶化し濾過・乾燥して結晶を得る。
【0019】
更に、本発明の製造方法において、ジニトロフェノール類の還元反応としてはオートクレーブを利用した水素添加反応でも実施可能である。すなわち原料であるジニトロフェノール類を極性非プロトン性溶媒に加え必要に応じ炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール類、低級ジオール類、環式エーテル類または非環式エーテル類を混合し溶解もしくは分散状態のままオートクレーブ中で所定量の触媒と混合した後に攪拌し、所定の温度、水素圧力下で還元反応を行う。
【0020】
極性非プロトン性溶媒としては、NMP、DMSO、DMF、DMAc、DMI等を使用することができる。使用量は原料のジニトロフェノール1モルに対して極性非プロトン性溶媒を1〜4リットル、好ましくは1.5〜3リットル使用する。また炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール類としてはメタノール、エタノール等を低級ジオール類としてはエチレングリコール、プロピレングリコール等を環式エーテル類としてはジオキサン、テトラヒドロフラン等を非環式エーテル類としてはジイソプロピルエーテル等を用いることができる。例えば極性非プロトン性溶媒としてNMPを使用した場合、ジニトロフェノール1モルに対してNMPを1.5〜5リットル、メタノールを50ミリリットル〜2リットルが好ましく、さらにNMPを2.5〜3.5リットル、メタノールを500ミリリットル〜1リットルを用いることがより好ましい。
【0021】
使用する触媒としては、例えばニッケル触媒や貴金属触媒等が挙げられるがその中でも特に貴金属触媒が好ましい。貴金属触媒としては白金、パラジウム、ルテニウム等がある。白金、パラジウム、ルテニウム等は活性炭、シリカゲル、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、多孔質珪藻土、ジルコニア、酸化マグネシウム等の支持体に分散させてもよく、特に好ましくは活性炭および/またはアルミナおよび/またはシリカゲルに分散され、担持される。好ましくは支持体物質基準で0.1〜20.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%のパラジウムを活性炭に担持させたパラジウム触媒を使用するのがよい。また酸化物で使用することもでき、酸化白金、酸化パラジウムを使用しうる具体例として挙げることができる。貴金属触媒対原料のジニトロフェノール類の重量比はジニトロフェノール基準で0.1〜20.0重量%、好ましくは0.01〜5.0重量%の貴金属、最も好ましくは0.05〜.5重量%の貴金属を使用するのがよい。回収リサイクルした触媒を用いることができる。
【0022】
水素圧としては0.1Mpa〜10Mpaの範囲が望ましく、好ましくは0.2Mpa〜3Mpa、より好ましくは0.2Mpa〜1Mpaが好適である。また反応温度は0〜130℃、好ましくは10〜80℃、特に好ましくは20〜50℃で還元反応が行われる。反応時間は5分〜10時間かけて行う。
【0023】
オートクレーブを利用して水素添加による還元反応の場合もヒドラジン類を用いた時と同様な後処理操作によって金属含量の低減されたジアミノフェノール類を得ることができる。
【0024】
【実施例】
次に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの具体例にのみ限定されるものではない。
【0025】
実施例1
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた5L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、3,3’−ジニトロ−4,4’−ビフェニルジオール(以下NBPと略す。)303.8g、NMP 3300mlを加え撹拌し、E196R/W5%Pd(商品名、5%パラジウム−カーボン触媒、デグサジャパン(株)製)6.6g(ドライ換算)を加える。加熱、液温60℃〜80℃に保ち、60%ヒドラジン一水和物の水溶液344gを4時間かけて滴下した。ヒドラジン水溶液の仕込み終了後、60℃〜70℃で約30分間攪拌を継続した。その後、室温まで徐冷し、触媒を濾別した後、反応液を20℃メタノール2750ml中に2時間かけて滴下し結晶化を行い、滴下終了後1時間攪拌後、結晶を濾別し、イオン交換水で洗浄後、乾燥し、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを得た。(収量189.4g、収率79.7%、液体クロマト分析値99.1%(面積%)、モノアミノニトロ体液体クロマト分析値0.09%(面積%)、NBP液体クロマト分析値0.0%(面積%)、鉄イオン含量75ppb、Naイオン含量100ppb以下)
【0026】
実施例2
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた5L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、NBP414g、NMP 3750ml、メタノール450mlを加え撹拌し、E196R/W5%Pd(商品名、5%パラジウム−カーボン触媒、デグサジャパン(株)製)3.9g(ドライ換算)を加える。加熱、液温60℃〜80℃に保ち、60%ヒドラジン一水和物の水溶液488gを4時間かけて滴下、した。ヒドラジン水溶液の仕込み終了後、80℃〜100℃で約3時間攪拌を継続した。その後、室温まで徐冷し、触媒を濾別した後、反応液を20℃メタノール1100mlとイオン交換水3400mlの混合溶媒中に30分間かけて滴下し結晶化を行い、滴下終了後1時間攪拌後、結晶を濾別し、イオン交換水で洗浄後、乾燥し、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを得た。(収量270g、収率83.2%、液体クロマト分析値99.5%(面積%)、モノアミノニトロ体液体クロマト分析値0.4%(面積%)、NBP液体クロマト分析値0.0%(面積%)、鉄イオン含量64ppb、パラジウム含量130ppb)
【0027】
実施例3
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた5L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2,2’−ジニトロ−4,4’−オキシジフェノール500g、NMP2000ml、メタノール500mlを加え撹拌し、E196R/W5%Pd(商品名、5%パラジウム−カーボン触媒、デグサジャパン(株)製)20g(ドライ換算)を加える。加熱、液温60℃〜80℃に保ち、60%ヒドラジン一水和物の水溶液506gを4時間かけて滴下した。ヒドラジン水溶液の仕込み終了後、60℃〜70℃で約30分間攪拌を継続した。その後、室温まで徐冷し、触媒を濾別した後、反応液に20℃イオン交換水1700mlを1時間かけて滴下し結晶化を行い、滴下終了後1時間攪拌後、結晶を濾別し、イオン交換水で洗浄後、乾燥し、2,2’−ジアミノ−4,4’−オキシジフェノールを得た。(収量371.6g、収率81.7%、液体クロマト分析値99.7%(面積%)、鉄イオン含量40ppb以下)
【0028】
比較例1
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた1L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、NBP55.2g、メタノール600mlを加え撹拌し、E196R/W5%Pd(商品名、5%パラジウム−カーボン触媒、デグサジャパン(株)製)3.35g(ドライ換算)を加える。加熱、液温60℃〜61℃に保ち還流状態を確認後、60%ヒドラジン一水和物の水溶液75.1gを4時間かけて滴下する。ヒドラジン水溶液の仕込み終了後、60℃〜65℃で約3時間攪拌を継続した。その後、室温まで徐冷し、結晶を濾別し、イオン交換水で洗浄後、乾燥し、E196R/W5%Pd含有3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを得た。(収量38g、収率87.9%、液体クロマト分析値95.0%(面積%)、モノアミノニトロ体液体クロマト分析値3.5%(面積%)、NBP液体クロマト分析値0.0%(面積%)、鉄イオン含量2ppm、ナトリウムイオン含量100ppb以下)
【0029】
比較例2(比較例1で得られた触媒含有物の精製)
比較例1で得られた3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルは、部分還元物であるモノアミノニトロ体が残存、更に触媒も含有しているため、以下の精製を行った。温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた1L四つ口フラスコに、比較例1で得られた3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル38g、イオン交換水1.3Lを加え撹拌し、濃塩酸41.5gを加えPHを1.6に調整した。ついで加熱、液温60℃〜65℃に保ち溶解を確認し、20℃まで冷却し、濾過を行い、未反応物及び触媒を除去した。濾液に20%NaOH75.1gを30分掛けて滴下し,中和(PH7)を行った。次いで濾過を行い結晶をとり、イオン交換水300mlで2回洗浄し、乾燥し、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを得た。(収量35.5g、収率93.6%、液体クロマト分析値99.3%(面積%)、モノアミノ体液体クロマト分析値0.05%(面積%)、NBP液体クロマト分析値0.0%(面積%)、鉄イオン含量20ppm、ナトリウムイオン含量50ppm)
【0030】
比較例3
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた1L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、NBP5.5g、メタノール600mlを加え撹拌し、E196R/W5%Pd(商品名、5%パラジウム−カーボン触媒、デグサジャパン(株)製)0.34g(ドライ換算)を加える。加熱、液温60℃〜61℃に保ち還流状態を確認後、60%ヒドラジン一水和物の水溶液15.1gを4時間かけて滴下する。ヒドラジン水溶液の仕込み終了後、60℃〜65℃で約3時間攪拌を継続した。反応液を50℃で熱時濾過し触媒を除去後、40〜35℃の濾液をイオン交換水200mlに注加した。得られた結晶を水で洗浄後,乾燥し、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを得た。(粗収量3.0g、粗収率69%、液体クロマト分析値96.0%(面積%)
【0031】
温度計、ジムロート冷却器および攪拌機を備えた1L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、上記で得られた3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.0gを600mlのメタノールを加え還流状態で30分攪拌した後に室温まで徐冷し、更に氷冷下0〜5℃で30分攪拌した。十分に結晶を析出した後に結晶を濾過し、冷却しておいたメタノールで洗浄後、乾燥し、灰白色の結晶を得た。(精製収量2.75g、精製収率63%、液体クロマト分析値97.0%(面積%)、鉄イオン含量1ppm、ナトリウムイオン含量100ppb以下)
【0032】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、金属含量の低減されたジアミノフェノール類を得る事を可能にするものであり、絶縁性などに優れたポリマーの原料を提供する上で有用である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるジニトロフェノール類を、極性非プロトン性溶媒中、触媒の存在下で還元し、反応液中の触媒を濾過または沈降により除去した後に、貧溶媒を添加もしくは反応液を貧溶媒中に投入し結晶化することを特徴とする下記式(2)で表されるジアミノフェノール類の製造方法。
    Figure 2004131386
    (式中、Xは(CH(但しn=0〜3)、鎖状アルキルで置換されたメチン、環状アルキル、置換されてもよいフルオレン−9,9−イル、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロピル−2,2−イル、酸素原子、スルホキシド又はスルホンを示す。)
  2. ヒドラジン類で還元することを特徴とする請求項1記載のジアミノフェノール類の製造方法。
  3. 触媒が支持体物質に分散された白金及び/またはパラジウム触媒である請求項1又は2記載のジアミノフェノール類の製造方法。
  4. 極性非プロトン性溶媒がN−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1〜3のいずれか一項に記載のジアミノフェノール類の製造方法。
  5. 貧溶媒がイオン交換水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコール及びジオキサンから選択される1種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のジアミノフェノール類の製造方法。
  6. ジアミノフェノール類が3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジアミノ−4,4’−オキシジフェノール、2,2’−ジアミノ−4,4’−(プロパンー2,2−ジイル)ジフェノール、2,2’−ジアミノ−4,4’−(1,3−ヘキサフルオロプロパンー2,2−ジイル)ジフェノール、9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン又は2,2’−ジアミノ−4,4’−(シクロヘキシル−1,1−ジイル)ジフェノールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. ジアミノフェノール類が3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル又は2,2’−ジアミノ−4,4’−オキシジフェノールである請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
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