次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
図1は本実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面斜視図である。
このスロットマシン1の本体中央部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられており、可変表示部を構成している。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察できる。また、この表示窓5,6,7の下方右側には、遊技者が遊技媒体であるコイン、メダル、あるいはトークンと称される代用貨幣を入れるための投入口8が設けられている。以下の説明ではこの遊技媒体をコインとして説明する。上記表示窓5〜7には、一点鎖線で示す横3本(中央L1および上下L2A,L2B)および斜め2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインが設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者がコイン投入口8から1枚のコインを投入したときは中央の入賞ラインL1だけが有効化される。また、2枚投入したときはこれに上下の入賞ラインL2A,L2Bが加わり、3枚投入したときは全ての入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bが有効化される。このような入賞ラインの有効化は、各入賞ラインの両端に配置された有効化ライン表示ランプ19が点灯することにより、遊技者に表示される。
また、表示窓5〜7の下方には、BETスイッチ9,クレジット/精算切換スイッチ10,スタートレバー(スイッチ)11および停止ボタン12,13,14が設けられている。後述するクレジット数表示部21にコイン数がクレジットされていれば、BETスイッチ9の押ボタン操作により、コイン投入口8へのコイン投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のコインが賭けられる。また、クレジット/精算切換スイッチ10により、コインのクレジット/払い出し(PLAY CREDIT/PAY OUT)を押ボタン操作で切り換えることが出来る。また、スタートレバー11のレバー操作により、リール2,3,4の回転が一斉に開始する。停止ボタン12,13,14は、各リール2,3,4に対応して配置されており、これら各リールの回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リールの回転を停止する。
また、スロットマシン1の正面下部には透音孔15およびコイン受皿17が設けられている。透音孔15は、内部に収納されたスピーカから発生した音を外部へ出すものである。コイン受皿17はコイン払出口16から払い出されるコインを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのコインが払い出されるかを示す配当表18が表示されている。さらにこの配当表18の上部には左から順に3つの表示ランプ20L,20C,20Rが配置されている。また、正面中央の右端部には、上下に間隔を置いて、現在クレジットされているコイン数を表示するクレジット数表示部21と、入賞時に遊技者に払い出されるコインの数を表示する入賞配当数表示部22とが配置されている。これらの表示部は、表示する数値の桁数に応じた個数の7セグメントLEDで構成されている。
図2は、リール2,3,4の外周面に描かれたシンボル列を示している。各シンボル列は、複数種類のシンボルが21個配列されて構成されており、図の左から順にリール2,3,4に対応している。各シンボルには“0〜20”のコードナンバが付されており、各リール2,3,4はシンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。なお、同図において、コードナンバ1の3個の“7”に付した斜線は「赤」色を表し、コードナンバ6の左側の“7”に付した網状の線は「青」色を表している。また、コードナンバ3の左側の“リボン付き7”は「黄」色に着色されている。従って、同図のシンボル列の場合、“7”は「白」、「赤」、「青」、「黄」(リボン付き)の4種類がある。次の図3においても同様である。
図3は本実施形態のスロットマシン1において予め定められている入賞シンボル組合わせ表であり、正面上部の配当表18に示されている。この表において、[A]の区分に属する3つのシンボル組合せは「B・Bゲーム」発生の大当たり入賞組合せである。これらの組合せのいずれかが前述の入賞ライン上に並ぶと遊技者に15枚の配当コインが与えられ、その後B・Bゲームが行われる。B・Bゲームが発生する確率はどのシンボル組合せでも同じである。また、[B]の区分に属する1つのシンボル組合せは「N・Bゲーム」発生の中当たり入賞組合せである。この組合せが入賞ライン上に並ぶと遊技者に15枚の配当コインが与えられ、その後N・Bゲームが行われる。また、[C]の区分に属する4つのシンボル組合せは、B・Bゲーム中の一般遊技時における小当たり発生の入賞組合せであり、B・Bゲーム中以外には発生しても「はずれ」となる本実施形態に特有のシンボル組合せである。B・Bゲーム中の一般遊技において、このシンボル組合せのいずれかが入賞ライン上に並ぶと、遊技者に15枚の配当コインが与えられる。B・Bゲームの一般遊技中にこの組合せが発生する確率は高く設定されている。
また、[D]の区分に属する1つのシンボル組合せは、B・Bゲーム中における一般遊技からボーナスゲームへの移行発生の組合せであり、かつ、このボーナスゲーム中におけるジャックゲーム入賞発生の組合せである。このジャックゲームはボーナスゲーム時に真ん中の入賞ラインL1に図示のJAC−JAC−JACが並ぶゲームである。また、[E]の区分に属する2つのシンボル組合せは、一般遊技時における小当たり発生の組合せであり、かつ、B・Bゲーム中の一般遊技時における小当たり発生の組合せである。これらの組合せが入賞ライン上に並ぶと、遊技者に10枚または5枚の配当コインが与えられる。また、[F]の区分に属する1つのシンボル組合せは、リプレイ(再)ゲームとなるシンボル組合せである。この組合せが発生するとコインの払い出しは無いまま、各リールが自動的に回転してさらに1回のゲームをすることが出来る。
次に、上述した(1)一般遊技,(2)B・Bゲームおよび(3)N・Bゲームの概要について説明する。
(1)一般遊技
一般遊技時においては、[A],[B],[E],[F]の各区分に属するシンボル組合せが入賞ライン上に並ぶと入賞ゲームが発生する。また、並んだシンボル組合せがこれらのいずれの区分にも属しない場合にははずれゲーム(配当の無いゲーム)が発生する。[A],[B],[E]の各区分の入賞が発生すると、上述した各枚数の配当コインが払い出される。そして、[A],[B]の区分の入賞では、このコイン払い出し後、複数回の高配当ゲームがまとめて発生する下記のB・B(大当たり)ゲーム,N・B(中当たり)ゲームを行うことが出来る。また、[E]の区分の入賞では、発生した小当たりゲームはコインが払い出されて終了する。また、[F]の区分の再ゲーム入賞が発生すると、コイン投入をしなくてももう一度ゲームを行うことができる。
(2)B・Bゲーム
(i)B・Bゲームにおいては、まず、数回の一般遊技が実行される。このB・Bゲーム中の一般遊技でははずれゲームも発生するが、[E]区分の小当たりが、B・Bゲーム中以外の一般遊技時に比べて高い確率で発生する。さらに、このB・Bゲーム中の一般遊技では、上述した一般遊技時には発生しない本実施形態特有の[C]区分の小当たりも発生する。
(ii)また、このB・Bゲーム中の一般遊技中に[D]区分のシンボル組合せが並ぶと、6枚のコインが払い出される。
(iii)その後、複数回の高配当ゲームがまとめて発生するボーナスゲームと呼ばれる一連のゲームが実行される。このボーナスゲームは一枚賭けで行われ、このボーナスゲーム中にさらに[D]区分のシンボル組合せが並ぶとジャックゲーム入賞が発生し、15枚のコインが払い出される。ボーナスゲーム中にははずれゲームも発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。このボーナスゲームは、本実施形態ではこのジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはこのボーナスゲーム中に実行された通算のゲーム回数が12回に達すると終了する。
(iv)ボーナスゲームが終了すると、上記の(i)で説明したB・Bゲーム中の一般遊技が再度行われ、この一般遊技中に上記の(ii)で説明したシンボル組合せが発生すると、その後さらに上記の(iii)で説明したボーナスゲームが行われる。B・Bゲームは、上記(i)〜(iii)に示される一般遊技およびボーナスゲームの一連のゲームのセットの繰り返しであり、このセットは所定回数行われる。本実施形態では2セット行われ、2セットの一連のゲームが行われるとB・Bゲームは終了となる。ただし、このB・Bゲーム中に、上記の(i)および(ii)の一般遊技状態における通算ゲーム回数、言い換えれば上記(iii)のボーナスゲーム時におけるゲーム回数を除く通算ゲーム回数が所定回数を越える場合にも、B・Bゲームは終了する。本実施形態ではこの所定回数は30回に設定されている。
(3)N・Bゲーム
N・Bゲームは、上記B・Bゲーム中の(iii)に示すボーナスゲームが1セット行われて終了する。このN・BゲームではB・Bゲームのように小当たりが高確率で発生する上記の(i)および(ii)に示す一般遊技は行われない。
図4は、本実施形態のスロットマシン1における遊技処理動作を制御する制御部と、これに電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とを含む回路構成を示している。
制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32およびRAM33とを含んで構成されている。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器36および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路37とが接続されている。さらに、後述のアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート38が接続されている。ROM32は、入賞判定テーブル,シンボルテーブル,入賞シンボル組合せテーブルおよびシーケンスプログラムを格納するように記憶部が区分されている。これらテーブルの内容については後述する。
マイコン30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ2S,3S,4S、有効化ライン表示ランプ19、表示ランプ20L,20C,20R、クレジット数表示部21、入賞配当枚数表示部22、コインを収納するホッパ40、およびスピーカ43がある。これらはそれぞれモータ駆動回路44、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路46、ホッパ駆動回路47、スピーカ駆動回路48によって駆動される。これら駆動回路44〜48は、マイコン30のI/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
また、マイコン30が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、コイン投入口8から投入されたコインを検出する投入コインセンサ8Sと、スタートレバー11の操作を検出するスタートスイッチ11Sとがある。さらに、各リール2,3,4が一回転する毎にリセットパルスを発生するリール回転センサと、このリール回転センサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路とがある。これらリール回転センサおよびリール位置検出回路は同図では各リール2,3,4の駆動機構に含まれており、図示されていない。リール位置検出回路は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ2S〜4Sの各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値をRAM33の所定エリアに書き込む。リール回転センサから出力されるリセットパルスはリール位置検出回路を介してCPU31に与えられ、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。従って、RAM33内には、各リール2〜4について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン12,13,14が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路49と、ホッパ40から払い出されるコイン数を計数するコイン検出部40Sと、図示しない払出完了信号発生回路とがある。この払出完了信号発生回路は、コイン検出部40Sから入力した実際に払い出しのあったコイン計数値が、表示部駆動回路46から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、コイン払い出しの完了を検知する信号を発生する。これら入力信号発生手段を構成する各回路もI/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
なお、同図の回路構成では乱数発生手段および乱数サンプリング手段として、マイコン30とは別の回路である乱数発生器36および乱数サンプリング回路37を用いるようにしているが、マイコン30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36および乱数サンプリング回路37は省略可能であり、あるいは乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくこも可能である。
図5は上記のROM32内に格納された入賞判定テーブルを概念的に示している。この入賞判定テーブルは、乱数発生器36で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶しており、このデータはゲーム状態および投入コイン数によって定められる。例えば、「通常ゲーム(一般遊技)時」に1枚のコインが投入された場合には、同表よりテーブルTS1が選択され、乱数発生器36で発生する一定範囲の乱数はこのテーブルTS1に記憶されたデータによって区画される。そして、サンプリング回路37で特定された1つの乱数値がこの区画のどのグループに属するかが判定され、入賞態様が決定される。一般遊技時における各テーブルTS1,TS2,TS3では、乱数は、図3の[A]区分に示すB・Bゲーム,[B]区分に示すN・Bゲーム,[E]区分に示す小当たりゲーム,[F]区分に示すリプレイゲームおよびはずれゲームの各区画にグループ分けされている。投入コイン数が2枚,3枚と増えることにより、各入賞の発生する確率は高くなる。
また、上記入賞判定でB・Bゲームが発生してB・Bフラグがセットされたが、リール停止時にB・Bゲームのシンボル組合せが並ばないときには、B・Bゲーム突入直前の状態である「B・Bフラグセット済み」のゲーム状態になる。このゲーム状態においては、同表の入賞判定テーブルとしてテーブルTF1,TF2,TF3が投入コイン数に応じて選択される。これら各テーブルでは、乱数は、[E]区分に示す小当たりゲーム,[F]区分に示すリプレイゲームおよびはずれゲームの各区画にグループ分けされる。また、ゲーム状態が「B・Bゲーム中」になると、入賞判定テーブルとしてテーブルTB1,TB2,TB3が投入コイン数に応じて選択される。これら各テーブルでは、乱数は、[C],[E]の各区分に示す小当たりゲーム,[D]区分に示すジャックゲームおよびはずれゲームの各区画にグループ分けされる。
また、上記のROM32内に格納されたシンボルテーブルは図6に概念的に示される。このシンボルテーブルは各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、図2に示したシンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。同図の例では、第1のリール2が基準位置からコードナンバ“6”の回転位置で停止したときは、表示窓5の中央に“C”のコードに対応するシンボルが現れ、その上下にはそれぞれ“E”,“F”のコードに対応するシンボルが現れることになる。
また、上記のROM32内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、図3に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、B・Bゲームのリクエスト信号が発生した前述のB・Bフラグセット済みゲーム状態のときに、遊技者にB・Bゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
さらにROM32内には、このスロットマシン1でゲームが実行される際のプログラム(シーケンスプログラム)が格納されている。
次に、マイコン30で制御される本実施形態による遊技機の動作について説明する。図7はこの遊技動作の概略処理を示すフローチャートである。
まず、CPU31により、コインBETがなされたかどうかが判別される(ステップ(以下、STと記す)1)。この判別は、コイン投入口8にコインが投入され、コインセンサ8Sからの検出信号入力があった場合、あるいはBETスイッチ9からの入力があった場合に“YES”となる。その場合、次にスタートレバー操作によりスタートスイッチ11Sからの入力(スタート信号)があったか否かが判別される(ST2)。この判別が“YES”の場合、CPU31により、I/Oポート38を介してモータ駆動回路44に駆動信号が送られ、全リール2,3,4が回転駆動される(ST3)。その後、図8および図9で後述する入賞判定が行われる(ST4)。この入賞判定は、スタートレバー11が操作された後の適宜のタイミングに行われ、乱数発生器36で発生し、サンプリング回路37によって特定された1つの乱数値が、前述の入賞判定テーブルにおいてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。
この入賞判定の結果セットされた入賞フラグの種類に応じてリール2,3,4の停止制御が行われる(ST5)。リール停止時の表示が所定の入賞シンボルであればST6で入賞となって次の処理(ST7)が行われ、入賞が得られなかったときには“NO”となって処理は初めのST1に戻る。一般遊技時において、B・BゲームまたはN・Bゲームのフラグがセットされ、リール停止時のシンボル表示がそれぞれ図3の区分[A]または[B]に属する所定の入賞シンボル組合せであるときには、B・BゲームまたはN・Bゲームが発生する。例えば、B・Bゲームのフラグがセットされ、区分[A]の最上段の“赤7−赤7−赤7”でリールが停止したときにはB・Bゲームが発生する。次にリプレイゲームか否かが判定される(ST7)。このリプレイゲームは図3の区分[F]に示されたシンボル組合せに相当している。リプレイゲームである“YES”のときはリール回転駆動(ST3)に戻り、リプレイゲームでない“NO”のときには所定枚数のコインが払い出される(ST8)。
次に「B・Bゲーム」が発生したか否かが判定され(ST9)、B・Bゲームが発生したときは、処理は図10に示す「B・Bゲーム」のフローチャートへ進められる。B・Bゲームが発生していないときは次に「N・Bゲーム」が発生したか否かが判定され(ST10)、これが“YES”のときには、処理は図11に示す「N・Bゲーム」のフローチャートへ進められる。B・BゲームおよびN・Bゲームが発生したときはST8で15枚のコインが払い出された後、各ゲームに移行する。また、ST10の判定結果が“NO”のときには処理は最初のST1に戻る。
次に、ST4の入賞判定処理について図8および図9のフローチャートを参照して説明する。
まず初めに今回のゲームが「N・Bゲーム」か、またはB・Bゲームにおける「ボーナスゲーム」か否かが判定される(ST11)。この判定結果が“YES”のときは乱数サンプリングが行われ(ST12)、サンプリングされた乱数値が所定の値R1 以下か否かが判定される(ST13)。ここで、乱数の範囲を例えば1 〜16383 とし、R1 =14744 とすると、乱数値≦R1 となる確率は14744/16383 で約9/10になり、乱数値>R1 となる確率は(16383-14744)/16383 で約1/10となる。この判定結果が“NO”のときには「はずれゲーム」のフラグがRAM33にセットされ(ST14)、“YES”のときには「ジャックゲーム」のフラグがRAM33にセットされ(ST15)、本フローの処理が終了する。
一方、初めのST11の判定結果が“NO”の場合には、今回のゲームが「B・Bゲーム」中か否かが判定される(ST16)。B・Bゲーム中であれば前述したB・Bゲーム中用入賞判定テーブルTB1〜TB3のいずれかが参照用にセットされる(ST17)。また、今回のゲームがB・Bゲーム中でないときは、次にB・Bフラグが既にセットされているか否かが判定される(ST18)。これが“YES”のときには、前述したB・Bフラグセット済み用入賞判定テーブルTF1〜TF3のいずれかが参照用にセットされる(ST19)。また、B・Bフラグがセットされていない“NO”のときには、通常ゲーム(一般遊技)時用の前述した入賞判定テーブルTS1〜TS3のいずれかが参照用にセットされる(ST20)。次に、このようにセットされた入賞判定テーブルにおいて参照するデータの先頭アドレスがセットされる(ST21)。
次に1 〜16383 の乱数範囲から乱数サンプリングが行われ(ST22)、サンプリングされた乱数値がR2 以下か否かが判定される(ST23)。このR2 は、ST21でセットされた入賞判定テーブルの先頭データに設定された比較参照数値であり、サンプリングされた乱数を各入賞態様にグループ分けする数値である。例えば、セットされた入賞判定テーブルがST20でセットされた一般遊技時用の入賞判定テーブルTS1である場合には、テーブルの先頭には比較参照数値R2 として数値44が設定されている。サンプリングされた乱数値が例えば37ならば、これはR2 よりも小さいのでST23の判定結果は“YES”となり、次のステップ(ST24)でそのデータのフラグ(B・Bゲーム)がセットされる。よって、このフラグがセットされる確率は44/16383で約1/372 となる。また、ST23の判定結果が“NO”のときは、次のアドレスデータの比較参照数値がR2 とされ(ST25)、次のステップ(ST26)でデータ終了と判定されない限り、ST23に戻ってサンプリングされた乱数値と比較参照値R2 とが比較される。ST26の判定結果が“YES”となってデータが終了したときには、該当する入賞役がなかったことになり、ST24では「はずれ」フラグがセットされる。
次に、図10のフローチャートに示す「B・Bゲーム」の動作処理について説明する。
まず、B・Bゲーム中の一般遊技(ボーナスゲームではない遊技)の総ゲーム回数が30回を越えているか否かが判定され(ST30)、これが“YES”であれば図7に示された全動作の最初のステップST1に戻る。ゲーム回数が30回を越えていなければ、次にコインBETがなされたかどうかが判別される(ST31)。この判別は図7のST1と同様、コイン投入口8にコインが投入されてコインセンサ8Sからの検出信号入力があった場合、あるいはBETスイッチ9からの入力があった場合に“YES”となる。その場合、次にスタートレバー操作によりスタートスイッチ11Sからスタート信号入力があったか否かが判別される(ST32)。この判別が“YES”の場合、CPU31により、I/Oポート23を介してリール駆動部32,33,34に駆動信号が送られ、全リール2,3,4が回転駆動される(ST33)。その後、入賞判定が行われる(ST34)。
この入賞判定は図8および図9のフローチャートに示す手順に従って行われ、同フローチャートのST23での判定による。つまり、B・Bゲーム中において3枚賭けの一般遊技が実行される。ここでは「はずれ」も「入賞」も発生し、「はずれ」および「入賞」の発生確率はそれぞれ約1/10および約9/10である。このB・Bゲーム中にはST17で「B・Bゲーム中」用の入賞判定テーブルがセットされているため、図3の[C]区分および[E]区分に示す小当たりのシンボル組合せ、並びに[D]区分に示す、ボーナスゲームに移行するシンボル組合せが入賞として設定されている。従って、B・Bゲーム中の一般遊技時には、B・Bゲーム以外の一般遊技時にははずれとなる、区分[C]のシンボル組合せも「入賞」となり、配当のあるものになる。
次に、この入賞判定の結果セットされた入賞フラグの種類に応じてリールの停止制御が行われる(ST35)。リール停止時の表示が所定のシンボルであれば入賞となり、入賞でないときには処理はST30に戻る(ST36)。従って、B・Bゲーム中における一般遊技は数回実行される。また、リールが所定の入賞シンボルを表示して停止したときには、所定枚数のコインが払い出される(ST37)。このとき、例えば入賞態様が図3の区分[C]の最上段に示す“赤7−赤7−白7”である場合には、15枚のコインが払い出される。次に、ST36における入賞が図3の区分[D]に属するシンボル組合せ(JAC−JAC−JAC)か否かが判定され(ST38)、このシンボル組合せである場合には判定は“YES”となってボーナスゲームに移行する。また、上記のシンボル組合せが発生していないときには判定は“NO”となって処理はST30に戻る。
ボーナスゲームの処理においては、まずボーナスゲームが12回行われたか否かが判定され(ST39)、これが“YES”であればST47に移って次にそのボーナスゲームが2セット目であるか否かが判定される。2セット目を消化していてこの判定結果も“YES”であれば、処理は図7に示された全動作の最初のステップ(ST1)に戻る。また、この判定結果が“NO”のときには処理はST30に戻って2セット目の一般遊技が開始される。
一方、ST39で12回のボーナスゲームが消化されていないときには、次に1枚のコインBETがなされたか否かが判定される(ST40)。このボーナスゲームでは1枚掛けのゲームが行われる。1コイン投入またはBETがない“NO”の場合には処理はST39に戻り、コインBETがなされたときには“YES”となって全リールが回転駆動される(ST41)。その後、入賞判定が行われる(ST42)。この入賞判定は、図8および図9のフローチャートに示す手順で行われ、同フローチャートのST13での判定による。次に、この入賞判定の結果セットされた入賞フラグの種類に応じてリールの停止制御が行われる(ST43)。リール停止時の表示が所定のシンボルであれば入賞となり、入賞でなければST39に戻る(ST44)。入賞のときにはコインの払い出しが行われる(ST45)。例えば、入賞判定処理のST15でJACゲーム用の入賞フラグがセットされ、リール停止時の表示が図3の区分[D]に示すシンボル組合せであればジャックゲームが成立し、15枚のコインが払い出される。このジャックゲームの発生確率は約9/10と高く設定されている。
その後、このジャックゲームの入賞回数が8回目であるか否かが判定され(ST46)、8回目でなければST39に戻る。また、8回目である場合には“YES”となって次にボーナスゲームが2セット目であるか否かが判定される(ST47)。これが“NO”の場合には1セット目のボーナスゲームが終了となり、ST30に戻って2セット目の一般遊技が実行される。つまり、ボーナスゲームのゲーム回数が12回になるか、またはジャックゲームの入賞回数が8回に達するとボーナスゲームは1セット終了となる。また、ST47の判定結果が“YES”でボーナスゲームが2セット目であれば、B・Bゲームが終了となって前述のように全動作の最初のステップ(ST1)に戻る。B・Bゲームにおける一般遊技中の通算ゲーム回数は30回を越えることはなく(ST30)、このB・Bゲーム中に獲得するコイン枚数は例えば250枚程度である。
次に、図11のフローチャートに示すN・Bゲームの動作手順について説明する。
このN・BゲームではB・Bゲーム中のボーナスゲームと同様な処理が行われ、同フローチャートの手順は図10のB・Bゲーム中のST39〜ST46の手順と同様である。つまり、まずボーナスゲームが12回行われたか否かが判定され(ST50)、12回消化されていないときはコインBETがなされたか否かが判定される(ST51)。コインBETがなされたときにはリールが回転駆動され(ST52)、入賞判定が行われる(ST53)。引き続いて上述したリール停止制御が行われ(ST54)、入賞か否かが判定される(ST55)。JAC−JAC−JACのシンボルが揃って入賞したときにはコインが払い出され(ST56)、次に、前記と同様に入賞が8回に達したか否かが判定される(ST57)。入賞が8回目になったかまたは12回のゲームが消化されたときにはN・Bゲームは終了となり、処理は全動作の最初のステップ(ST1)に戻る。
以上のように本実施形態によれば、B・Bゲーム中のボーナスゲームではない遊技時には、一般遊技時にははずれのシンボル組合せ(図3の[C]区分のシンボル組合せ)が入賞シンボル組合せとなり、配当のあるものになる。このシンボル組合せは一般遊技中では小当たりとして成立しない新たなシンボル組合せであるため、遊技者には新鮮なインパクトが与えられる。従って、遊技者はB・Bゲーム中に一般遊技にはなかった変化を楽しむことが出来る。