JP4554143B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が見て入賞態様の抽選結果を把握する演出表示を行う主演出表示装置と、この主演出表示装置による演出表示を補助する演出表示を行う副演出表示装置とを備えて構成される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機としては例えばスロットマシンがある。
【0003】
従来の一般的なスロットマシンでは、遊技者が対面する正面中央の前面パネルに3つの表示窓が大きく形成されており、これら各表示窓の背後に3個のメインリールが設置されている。各メインリールの外周には複数の図柄が描かれており、遊技者は各メインリールの停止時に表示される図柄の組み合わせを見て、入賞態様の抽選結果を把握する。入賞態様の抽選は、機械内部のメイン基板に構成された主制御回路で1遊技毎に行われている。また、このメインリールの上方の機器前面等に、メインリールによる演出表示を補助する演出表示を行うサブリールが設けられている機械がある。このサブリールは一般的にメインリールよりも小ぶりに構成されており、サブ制御基板に構成された副制御回路によってその回転が制御される。
【0004】
遊技者によってメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、上記の主制御回路の制御によってメインリールが回転を開始して、遊技が開始される。メインリールの回転中、各表示窓には高速に移動する図柄が観察される。また、サブリールには、メインリールの演出を盛り上げたりする図柄がメインリールの回転と同時に表示される。遊技者によってストップボタンが押圧操作されると、その操作タイミングに応じてメインリールが停止制御される。メインリールの停止時に、所定の図柄組み合わせが有効化入賞ライン上に揃うと入賞が実際に発生し、所定枚数のメダルがメダル払出口からメダル受け皿へ払い出される。入賞態様には、ベルやスイカ,チェリーといった小当たり入賞態様、レギュラーボーナス(RB)といった中当たり入賞態様、およびビッグボーナス(BB)といった大当たり入賞態様がある。遊技者は、一般的にこれらRBやBBといったボーナス入賞態様を期待して遊技を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の遊技機におけるメインリールを制御する主制御回路は、風俗営業等の規制や業務の適性化等に関する法律といった法規により、様々な制限を受けている。このため、従来メインリールは法規に沿った回転制御しか出来ず、また、主制御回路に搭載することの出来るメモリの容量にも限界がある。この結果、主制御回路のメインCPU(中央演算処理装置)によって実行されるメインリールの演出表示は、限られた規制範囲内でしか行えず、面白みのある複雑な演出表示が出来なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遊技を開始させる遊技開始手段の操作を検出する開始操作検出手段と、
信号を送出する信号送出手段を有し、この開始操作検出手段によって遊技開始手段の操作が検出されると入賞態様を抽選する入賞態様抽選処理を行う主制御回路と、
この主制御回路とは別に構成された,信号送出手段から送出された信号を受信する信号受信手段を有する副制御回路と、
複数の主リールにそれぞれ描かれた複数の主図柄を主表示窓に表示する主演出表示装置と、
この主演出表示装置とは別に主演出表示装置よりも小さく構成された複数の副リールにそれぞれ描かれた、複数の主図柄の各々に対応した複数の副図柄を副表示窓に表示する副演出表示装置と、
この副演出表示装置の副リールの回転を停止させる演出表示停止手段の操作を検出する停止操作検出手段と、
演出表示停止手段によって副演出表示装置に入賞態様抽選処理で抽選された入賞態様に応じた副図柄の所定の図柄組合せが停止表示されると、入賞態様抽選処理で抽選された入賞態様に応じた特典を遊技者に付与する特典付与手段とを備えた遊技機において、
主演出表示装置および副演出表示装置は機械的なリールまたはリールを電子的に表示する電子的表示装置であり、
主制御回路は、
開始操作検出手段によって遊技開始手段の操作が検出された場合に、副リールの回転を開始させると共に、主リールを副リールと同期して回転させるリール回転信号および入賞態様抽選処理によって抽選された入賞態様の種類が含められたスタートコマンドを信号送出手段によって副制御回路へ送出させ、
停止操作検出手段によって演出表示停止手段の操作が検出された場合に、所定の図柄組合せを構成する副図柄を副表示窓に表示させるのに必要な副リールの回転量を図柄のコマ数で表した滑りコマ数を第1の範囲内で決定すると共に、決定した滑りコマ数を信号送出手段によって副制御回路へ送出させ、停止操作検出手段が演出表示停止手段の操作を検出したときの副図柄の位置から、決定した滑りコマ数分副リールを回転させた後、副リールの回転を停止させると共に、演出表示停止手段によって停止させられた副リールに同期させて主リールを停止表示させるリール停止信号を信号送出手段によって副制御回路へ送出させ、
副制御回路は、
信号受信手段によってリール回転信号が受信された場合に、主リールのリール回転処理を行い、
信号受信手段によってリール停止信号が受信された場合に、信号受信手段によって受信されたスタートコマンドから入賞態様の種類を識別し、ハズレ入賞態様が抽選されたことを識別すると、リール停止信号を受信したときの主図柄の位置から、信号受信手段によって受信された第1の範囲内にある主制御回路で決定された滑りコマ数分主リールを回転させた後に停止させ、ハズレ以外の入賞態様が抽選されたことを識別すると、第1の範囲を含み、かつ、第1の範囲よりも広い第2の範囲内で滑りコマ数決定抽選を行い、リール停止信号を受信したときの主図柄の位置から、この抽選によって決定された滑りコマ数分主リールを回転させた後に停止させることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、主演出表示装置は法規の規制を受けない副制御回路によって主リールの回転が制御される。
【0009】
また、副演出表示装置は主制御回路によって副リールの回転が制御される。
【0011】
また、主制御回路は、抽選した入賞態様に応じた副図柄の所定の組み合わせを副演出表示装置に揃える際に副図柄を第1の範囲で滑らせ、副制御回路は、主演出表示装置に入賞態様に応じた主図柄の組み合わせを揃える際、規制を受けることなく、第1の範囲より広い第2の範囲で主図柄を滑らせることが出来る。
【0014】
また、本発明は、副制御回路が、主制御回路で特定の入賞態様、例えば、ボーナス入賞態様が抽選されると、主表示窓に表示する主図柄の色または主図柄の背景の色を変色させることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、主表示窓に表示する主図柄の色または主図柄の背景の色を規制にとらわれることなく変色することが出来る。主表示窓に表示されている主図柄の色または主図柄の背景の色が変色すると、遊技者は、特定の入賞態様例えばボーナス入賞態様が抽選されたことを認識できる。
【0020】
また、本発明は、副制御回路が、主リールの回転速度を副リールの回転速度と異ならせることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、主リールの回転速度は、規制にとらわれることなく、任意の速度に設定することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第1の実施形態について説明する。
【0023】
図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
【0024】
スロットマシン1の本体中央部には、3個のメインリール2,3,4が回転自在に設けられている。これらメインリール2,3,4は、遊技者が見て入賞態様の抽選結果を把握する演出表示を行う主演出表示装置を構成している。各メインリール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者がメダルを入れるためのメダル投入口8が設けられている。
【0025】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインL2A,L2Bが加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。
【0026】
また、表示窓5〜7の左方には、5個のメダル投入枚数表示ランプ9〜13が設けられている。このメダル投入枚数表示ランプ9〜13はメダルの投入枚数に応じて点灯し、有効化された入賞ラインを表示する。また、表示窓5〜7の右方には、再遊技表示ランプ14、遊技停止表示ランプ15、WINランプ16、スタートランプ17、およびインサートランプ18が設けられている。再遊技表示ランプ14は再遊技が作動した時に点灯する。遊技停止表示ランプ15は、前回のメインリール2〜4の回転から今回のメインリール2〜4の回転までの時間が4.1秒未満の時や、エラー時等に点灯し、打ち止め時に点滅する。WINランプ16は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。
スタートランプ17は各メインリール2〜4が作動可能な時に点滅し、インサートランプ18はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0027】
また、表示窓5〜7の下方には、貯留枚数表示部19、チャンス表示器20、ボーナスカウント表示部21、および配当枚数表示部22が設けられている。貯留枚数表示部19は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。チャンス表示器20はボーナス入賞シンボルの入賞期待時に点滅する。ボーナスカウント表示部21は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。配当枚数表示部22は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。
【0028】
また、表示窓5〜7の下方のコントロールパネルには、1貯留メダル投入スイッチ23、2貯留メダル投入スイッチ24、および3貯留メダル投入スイッチ25が設けられている。これら貯留メダル投入スイッチ23〜25は、貯留枚数表示部19にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
【0029】
また、コントロールパネル下方の機器中央部には、貯留メダル精算スイッチ26、スタートレバー27、およびストップボタン28,29,30が設けられている。貯留メダル精算スイッチ26は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。また、スタートレバー27の操作により各メインリール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン28〜30は、各メインリール2〜4に対応して配置されており、これら各メインリール2〜4の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各メインリール2〜4の回転を停止する。
【0030】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿31が設けられている。このメダル受皿31はメダル払出口32から払い出されるメダルを貯めるものである。メダル払出口32の左右にはステレオ音を出力する一対のスピーカ33,33が設けられている。また、スロットマシン1の正面上部の左右には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部34が設けられている。
【0031】
また、この配当表示部34に挟まれたスロットマシン1の正面上部の中央には、メインリール2,3,4とは別にサブリール35,36,37が構成されている。このサブリール35,36,37は、メインリール2,3,4による演出表示を補助する演出表示を行う副演出表示装置を構成しており、表示窓38,39,40を通して観察される。これらのサブリール35,36,37および表示窓38,39,40は、メインリール2,3,4およびその表示窓5,6,7に比較して小ぶりに構成されている。
【0032】
図2は、メインリール2,3,4の外周面に描かれたシンボル列を示している。各シンボル列は、複数種類のシンボルが21個配列されて構成されており、図の左から順に第1メインリール2,第2メインリール3,第3メインリール4に対応している。各シンボルには“1〜21”のコードナンバが付されており、各メインリール2,3,4は通常シンボル列が図の下方向に移動するように回転駆動される。シンボルの種類には、「赤7」、「青7」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、および「リプレイ」の6種類がある。「ブランク」はシンボル表示が無くて空白であることを意味している。
【0033】
図3は、サブリール35,36,37の外周面に描かれたシンボル列を示している。これらの各シンボル列も、複数種類のシンボルが21個配列されて構成されており、図の左から順に第1サブリール35,第2サブリール36,第3サブリール37に対応している。これらの各シンボルにも“1〜21”のコードナンバが付されており、各サブリール35,36,37は通常シンボル列が図の下方向に移動するように回転駆動される。シンボルの種類には、「セブン」、「★」、「◆」、「▲」、および「リプレイ」の5種類がある。ここでも、「ブランク」はシンボル表示が無くて空白であることを意味している。
【0034】
このサブリール35〜37のシンボル「セブン」はメインリール2〜4のシンボル列の「赤7」および「青7」に対応しており、シンボル「★」はメインリール2〜4のシンボル列の「ベル」、シンボル「◆」はメインリール2〜4のシンボル列の「スイカ」、シンボル「▲」はメインリール2〜4のシンボル列の「チェリー」に対応している。また、シンボル「リプレイ」および「ブランク」はサブリール35〜27とメインリール2〜4とで共通している。つまり、サブリール35〜37とメインリール2〜4とでは、個々のシンボルの種類は一部相違するが、シンボルの配列構成においては同じになっている。
【0035】
次に、本実施形態によるスロットマシン1で行われる(1)一般遊技,(2)R・Bゲームおよび(3)B・Bゲームの概要について説明する。
【0036】
(1)一般遊技
一般遊技時においては、シンボル「ベル」、「スイカ」の3個のシンボル組み合わせがメインリール2〜4の入賞ラインに並び、シンボル「★」、「◆」の3個のシンボル組み合わせがサブリール35〜37に並ぶか、または1個のシンボル「チェリー」が第1メインリール2の入賞ラインに停止し、1個のシンボル「▲」が第1サブリール35に停止すると小当たり入賞となり、それぞれ12枚、8枚、または4枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、「リプレイ」のシンボルの3個の組み合わせがメインリール2〜4の入賞ラインに揃い、対応する「リプレイ」のシンボルの3個の組み合わせがサブリール35〜37に揃うと、メダル投入をしなくてももう一度ゲームを行うことができる。
【0037】
また、メインリール2〜4の入賞ライン上に並んだシンボル組合せが配当表のいずれにも該当しない場合には、「はずれ」(配当無し)となる。この際、サブリール35〜37にもいずれの入賞シンボル組み合わせも揃わない。
【0038】
また、シンボル「赤7」の3個のシンボル組み合わせがメインリール2〜4の入賞ラインに揃うと大当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、一般遊技とボーナスゲームとがセットで複数回行える下記のB・Bゲームに移行する。また、シンボル「青7」の3個のシンボル組み合わせがメインリール2〜4の入賞ラインに揃うと中当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、1回のボーナスゲームが行える下記のR・Bゲームに移行する。これらのボーナス入賞の際には、サブリール35〜37には、メインリール2〜4のシンボル列の「赤7」または「青7」のコードナンバに対応するコードナンバのシンボル「セブン」の3個のシンボル組み合わせが揃う。
【0039】
(2)R・Bゲーム
R・Bゲームは、一般遊技中に上記のシンボル組み合わせがメインリール2〜4およびサブリール35〜37に並ぶと発生する。R・Bゲームでは、ジャックゲームと呼ばれるメダル1枚掛けのゲームを複数回行える。このジャックゲームにおいてメインリール2〜4の入賞ラインL1上に「リプレイ」のシンボルの3個の組合せが並ぶとジャックゲーム入賞が発生し、8枚のメダルが払い出される。ジャックゲームには「はずれ」も発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。このR・Bゲームは、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはR・Bゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0040】
(3)B・Bゲーム
▲1▼B・Bゲームは、上記のR・Bゲームと一般遊技とが一組になったものが複数セットで構成されている。B・Bゲームが発生すると、まず、一般遊技が実行される。このB・Bゲーム中の一般遊技では「はずれ」も発生するが、シンボル「ベル」、「スイカ」、「チェリー」による小当たり入賞が、B・Bゲーム中以外の一般遊技時に比べて高い確率で発生する。
【0041】
▲2▼また、このB・Bゲーム中の一般遊技中に「リプレイ」のシンボルの3個の組合せが並ぶと、8枚のコインが払い出される。
【0042】
▲3▼その後、複数回のジャックゲームが行えるボーナスゲームへ移行する。このB・Bゲーム中におけるボーナスゲームも、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはボーナスゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0043】
▲4▼上記のボーナスゲームが終了すると、上記の▲1▼で説明したB・Bゲーム中の一般遊技が再度行われ、この一般遊技中に上記の▲2▼で説明したシンボル組合せが発生すると、その後さらに上記の▲3▼で説明したボーナスゲームが行われる。B・Bゲームは、上記▲1▼〜▲3▼に示される一般遊技およびボーナスゲームの一連のゲームのセットの繰り返しであり、このセットが所定回数、例えば2回行われるとB・Bゲームは終了となる。ただし、このB・Bゲーム中に、上記の▲1▼および▲2▼の一般遊技中における通算ゲーム回数、言い換えれば上記▲3▼のボーナスゲーム時におけるジャックゲーム数を除く通算ゲーム回数が所定回数、例えば30回を越える場合にも、B・Bゲームは終了する。
【0044】
図4は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61に構成された主制御回路の構成を示しており、図5は、サブ制御基板62に主制御回路とは別に構成された副制御回路の構成を示している。
【0045】
図4に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0046】
CPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。マイコン63,乱数発生器69および乱数サンプリング回路70は、1遊技毎に入賞態様の抽選処理を行う入賞態様抽選手段を構成している。プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
【0047】
図6はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞役に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞役に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞役に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜f1」、2枚の場合には「a2〜f2」、3枚の場合には「a3〜f3」の各数値の組合せが用いられる。
【0048】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がc未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「ベル」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「チェリー」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がc以上d未満であれば「再遊技(リプレイ)」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がe以上f未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、f以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞役は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0049】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグはフラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0050】
本実施形態においては、図6に示す確率抽選テーブルの3枚賭け時の抽選値の一例は図7に示すテーブルに表される。
【0051】
乱数発生器69は0〜16383の範囲の乱数を全部で16384個発生する。「ベル」,「スイカ」および「チェリー」の各内部当選役は、それぞれ0〜1431,1432〜2261および2262〜2324の乱数幅1432,830および63の乱数がサンプリング回路70によって抽出されると抽選される。
また、「再遊技」内部当選役は2325〜4569の乱数幅2245の乱数が抽出されると抽選される。また、「RB」内部当選役は4570〜4597の乱数幅28の乱数が抽出されると抽選され、「BB」内部当選役は4598〜4652の乱数幅55の乱数が抽出されると抽選される。残りの4653〜16383の乱数幅11731の乱数が抽出されると、「ハズレ」になる。
【0052】
また、上記のプログラムROM65内に格納された図示しないシンボルテーブルは、各サブリール35〜37の回転位置とそれらのシンボル列に描かれたシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、各サブリール35〜37の一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0053】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、B・Bゲームの当たり要求信号が発生したB・Bゲームフラグセット済み状態のときに、遊技者にB・Bゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0054】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、図4に示す、各サブリール35,36,37を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(メダル投入枚数表示ランプ9〜13、再遊技表示ランプ14、遊技停止表示ランプ15、WINランプ16、スタートランプ17、インサートランプ18、サブリール35〜37に内蔵されたリールバックランプ46)、各種表示部(貯留枚数表示部19、チャンス表示器20、ボーナスカウント表示部21、入賞配当枚数表示部22)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。このように本実施形態では、サブリール35〜37はメイン制御基板61に構成された主制御回路によってその演出表示が制御される。
【0055】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー27の操作を検出するスタートスイッチ27S、前述した貯留メダル投入スイッチ23〜25、および貯留メダル精算スイッチ26がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各サブリール35,36,37の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各サブリール35〜37の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0056】
リール位置検出回路77は、サブリール35〜37の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各サブリール35〜37について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各サブリール35〜37が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してCPU63に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0057】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン28,29,30が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78と、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72Sと、図示しない払出完了信号発生回路とがある。この払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。これら入力信号発生手段を構成する各回路もI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。
【0058】
また、このI/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図5に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、8ビットまたは24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとのセットで構成されている。
【0059】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。
サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0060】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、各メインリール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ47、各メインリール2〜4に内蔵されたリールバックランプ48がある。ステッピングモータ47はモータ駆動回路49によって駆動され、リールバックランプ48の点灯はランプ駆動回路50からの駆動信号によって制御される。これら駆動回路49,50は、マイコン81のI/Oポート87を介してサブCPU82に接続されている。
【0061】
つまり、本実施形態では、メインリール2〜4はサブ制御基板62に構成された副制御回路によってその演出表示が制御される。この副制御回路は、主制御回路で抽選された入賞態様に応じたシンボルの組み合わせをメインリール2〜4の入賞ラインに揃えると共に、後述するように、これを揃える際にシンボルを所望の範囲で滑らせる。
【0062】
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各メインリール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路51がある。ホトセンサは各メインリール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0063】
リール位置検出回路51は、メイン制御基板61におけるサブリール35〜37の回転位置を検出するリール位置検出回路77と同様に、メインリール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ47の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM84の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM84内には、各メインリール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各メインリール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路51を介してサブCPU82に与えられ、制御RAM84で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ47の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0064】
また、I/Oポート87には音源IC(高集積化回路)91が接続されている。音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ33,33からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ33,33から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ33,33から出音させる。
【0065】
次に、上述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0066】
図8〜図10はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0067】
まず、遊技開始時の初期化処理が行われる(図8,ステップ101参照)。次に、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。
続いて、前回遊技の結果再遊技(リプレイ)が生じ、メダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ103)。この自動投入要求がある場合には、次に、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ104)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されてメダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ23〜25の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ105)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。
【0068】
次に、スタートレバー27の操作により、スタートスイッチ27Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ106)。この判別が“YES”の場合、次に、前回の遊技から所定の時間4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ107)。4.1秒を経過していない場合は、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ108)。スタートレバー27の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ33,33からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0069】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ109)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ110)。次に、ステップ110で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図9,ステップ111参照)。
【0070】
この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図6参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。つまり、機械に投入されたメダル枚数に応じて図6の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜f1、a2〜f2、またはa3〜f3がセットされて、確率抽選が行われる。図7に示す確率抽選テーブルが用いられて確率抽選処理が行われる場合、例えば、一般遊技中に乱数2050が抽出されると、確率抽選データb3によって区画されるスイカの小当たり入賞態様に当選し、スイカ当たり要求フラグが制御RAM66に立てられる。また、例えば、一般遊技中に乱数4650が抽出されると、確率抽選データf3によって区画されるBBゲームに当選したことになり、BB当たり要求フラグが立てられる。
【0071】
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行われる(ステップ112)。このリール回転処理では、まず、サブリール35〜37の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各サブリール35〜37がステッピングモータ45によって回転駆動される。続いて、リール回転信号およびスタートコマンドの送信処理が行われる(ステップ113)。リール回転信号は、サブ制御基板62によって制御されるメインリール2〜4をサブリール35〜37と同期して回転させる信号である。スタートコマンドは、そのパラメータに、確率抽選処理の結果立てられた当たり要求フラグの種類およびその時の遊技状態が含められている。これらリール回転信号およびスタートコマンドは、スタートスイッチ27SからメインCPU64へスタート信号が入力された後、サブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。
【0072】
次に、何れかのストップボタン28〜30がオン操作されたか否かが判別される(ステップ114)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ115)。この自動停止タイマーは、ストップボタン28〜30が所定時間操作されない場合に、サブリール35〜37およびメインリール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0073】
何れかのストップボタン28〜30がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ116)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から所定範囲内例えば4コマの範囲内で定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。この滑りコマ数は制御RAM66の所定領域に格納される。次に、図柄コード送信処理が行われ(ステップ117)、メイン制御基板61によって停止されるサブリール35〜37の図柄のコードナンバがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。引き続いて、滑りコマ数送信処理が行われ(ステップ118)、ステップ116で決定された滑りコマ数がサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。
【0074】
その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、サブリール35〜37のいずれか1個のリールの回転が停止させられる(ステップ119)。引き続いて、リール停止信号送信処理が行われ(ステップ120)、停止させられたサブリール35〜37のいずれか1個のリールに同期させてメインリール2〜4のいずれか1個のリールを停止させるリール停止信号が、サブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。次に、全てのサブリール35〜37が停止したか否かが判別される(ステップ121)。第2リールおよび第3リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ114に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0075】
全てのサブリール35〜37が停止したら、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図10,ステップ122参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。そして、次にこの入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ123)。この判別結果が正常でない場合、例えば、ベルのシンボル組合せがメインリール2〜4の有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグがチェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部22にイリーガルエラーが表示される(ステップ124)。
【0076】
入賞フラグが正常の場合には、続いて、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ125)。この入賞コマンドのパラメータには、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類の情報が含められている。次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ126)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部19に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルが受け皿31へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ16が点灯され、メダル獲得の喜びを助長する演出が行われる(ステップ127)。
【0077】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ128)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数がメインCPU64によってチェックされる(ステップ129)。
【0078】
続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ130)。BBゲーム終了時であればBBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ131)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ130でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0079】
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
【0080】
図11は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析され、このコマンドに基づいた各種遊技処理が適宜行われている(図11,ステップ201参照)。
【0081】
図12は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがリール回転信号コマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。このリール回転信号受信処理では、まず始めに、リール回転信号が受信されたか否かが判別される(図12,ステップ211参照)。この判別は、前述の図9,ステップ113の処理において、メイン制御基板61側からリール回転信号が送信されているか否かを判断することによって行われる。リール回転信号が受信されている場合は、次に、サブ制御基板62のサブCPU82によってリール回転処理が行われる(ステップ212)。このリール回転処理では、まず、メインリール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM84の所定領域が、サブCPU82によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各メインリール2〜4がステッピングモータ47によって回転駆動される。
【0082】
図13は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが図柄コードである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。この図柄コード受信処理では、まず始めに、図柄コードが受信されたか否かが判別される(図13,ステップ221参照)。この判別は、前述の図9,ステップ117の処理において、メイン制御基板61側から図柄コードが送信されているか否かを判断することによって行われる。図柄コードが受信されている場合は、次に、サブCPU82によって受信信号から図柄コードナンバ(No.)が取得される(ステップ222)。この図柄コードナンバは図2および図3の最左欄に示されるコードNo.である。取得されたコードナンバはサブ制御基板62の制御RAM84に格納される(ステップ223)。
【0083】
図14は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが滑りコマ数である場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。この滑りコマ数受信処理では、まず始めに、滑りコマ数が受信されたか否かが判別される(図14,ステップ231参照)。この判別は、前述の図9,ステップ118の処理において、メイン制御基板61側から滑りコマ数が送信されているか否かを判断することによって行われる。滑りコマ数が受信されている場合は、次に、サブCPU82によってメイン制御基板61側から滑りコマ数が取得され(ステップ232)、取得された滑りコマ数はサブ制御基板62の制御RAM84に格納される(ステップ233)。
【0084】
図15は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがリール停止信号コマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。このリール停止信号受信処理では、まず始めに、リール停止信号が受信されたか否かが判別される(図15,ステップ241参照)。この判別は、前述の図9,ステップ120の処理において、メイン制御基板61側からリール停止信号が送信されているか否かを判断することによって行われる。リール停止信号が受信されている場合は、次に、図13,ステップ223で制御RAM84に格納した図柄コードナンバがサブCPU82によって参照される(ステップ242)。その後、内部当選フラグがONにされてハズレ以外の何らかの入賞態様が成立しているか否かが判別される(ステップ243)。この判別は、前述の図9,ステップ113の処理においてメイン制御基板61側から送信されたスタートコマンドから読み取った、確率抽選処理の結果立てられた当たり要求フラグの種類を識別することにより行われる。
【0085】
上記の判別の結果、主制御回路でハズレ入賞態様が抽選されたことが判明すると、サブCPU82は、図14,ステップ233で制御RAM84に格納した滑りコマ数を参照し、ステップ242で参照した図柄コードナンバに基づいて参照した滑りコマ数分だけいずれか1個のメインリール2〜4の回転を滑らせて、停止させる(ステップ244)。この滑り演出は、メイン制御基板61側の図9,ステップ116で決定される滑りコマ数が4コマの範囲内であるため、4コマの範囲内で行われる。
【0086】
また、上記の判別の結果、主制御回路でハズレ以外の入賞態様が抽選されたことが判明すると、サブCPU82は、次に滑りコマ数決定抽選を行い、この抽選によって決定された滑りコマ数分、いずれか1個のメインリール2〜4の回転を滑らせて、停止させる(ステップ245)。滑りコマ数決定抽選はサブ制御基板62のプログラムROM83に格納された図16に示す滑りコマ数抽選テーブルを参照して行われる。この抽選では0〜1024の範囲の乱数の中から任意の1個の乱数がサブCPU82によって抽出され、抽出された乱数がこの滑りコマ数抽選テーブルのいずれの乱数区分に属するかを判別することにより、滑りコマ数が決定される。例えば、乱数951が抽出されると、滑りコマ数は同テーブルから17コマと決定される。
【0087】
この抽選処理の期待値は同図に示すように8.12に設定されており、前述の所定範囲4コマに近い値になっている。ここで、期待値Eとは、同図に示す各乱数区分の大きさと滑りコマ数との積を全乱数範囲1024で除した値である(E=(25×1+25×2+36×3+…)/1024)。なお、同図に示すテーブルでは滑りコマ数の範囲を最大21コマとしているが、これに限定されることなく、所望の範囲に設定することが可能である。
【0088】
上記のステップ245またはステップ244の処理が終了すると、次に、全てのメインリール2〜4について上記のリール停止処理が行われたか否かがサブCPU82によって判別される(ステップ246)。全てのメインリール2〜4について上記のリール停止処理が行われていない場合には、処理はステップ241に戻り、全てのメインリール2〜4について上記のリール停止処理が行われる。
【0089】
このような本実施形態によるスロットマシン1によれば、メインリール2〜4は法規の規制を受けないサブ制御基板62に構成された副制御回路によってその演出表示が制御される。このため、規制にとらわれない面白みのある複雑な演出表示をメインリール2〜4に行わせることが可能になる。
【0090】
また、本実施形態によるスロットマシン1では、サブリール35〜37がメイン制御基板61に構成された主制御回路によってその演出表示が制御されている。従って、メインリール2〜4は法規の規制を受けない副制御回路によってその演出表示が制御され、サブリール35〜37は主制御回路によってその演出表示が制御される。このため、メインリール2〜4の演出補助を行い、複雑な制御やメモリ容量を必要としないサブリール35〜37は、規制を受けてメモリ容量も限りがある主制御回路によっても、十分にその演出表示が行える。
【0091】
また、本実施形態によるスロットマシン1では、サブ制御基板62の副制御回路が、メイン制御基板61の主制御回路で抽選された入賞態様に応じたシンボルの組み合わせをメインリール2〜4の入賞ラインに揃えると共に、これを揃える際にシンボルを所望の範囲、本実施形態では21コマの範囲で滑らせている。このため、副制御回路は、メインリール2〜4に入賞態様に応じたシンボルの組み合わせを揃える際、主制御回路で規制されている4コマの制限を受けることなく、所望の範囲でシンボルを滑らせることが出来る。この結果、従来の規制の枠にとらわれない面白みのある滑り演出をメインリール2〜4に行わせることが可能になる。
【0092】
また、本実施形態では、上述したように、副制御回路が、主制御回路でハズレ入賞態様が抽選されると、図15に示すリール停止信号受信処理のステップ244において、4コマの範囲内でシンボルを滑らせる。また、ハズレ以外の入賞態様が抽選されると、同受信処理のステップ245において行われる、期待値8.12が4に近い抽選により、21コマの範囲から選択した範囲でシンボルを滑らせる。従って、遊技者は、4コマを超える範囲でシンボルの滑り演出が行われると、ハズレ以外のなんらかの入賞態様に当選したことを認識でき、また、4コマの範囲内でシンボルの滑り演出が行われると、高い確率でハズレが抽選されたことを認識できる。
【0093】
さらに、遊技者は、4コマに近い期待値付近の範囲でシンボルの滑り演出が行われ、滑りコマ数を正確に認識できないと、ハズレが抽選されたのではないかと不安になる。このため、本実施形態によるスロットマシン1では、従来の規制の枠にとらわれないこの滑り演出により、ハズレか否かの内部抽選の結果が遊技者に報知されると共に、遊技者のスロットマシン遊技に対する興趣は盛り上がる。
【0094】
なお、上記実施形態では、主演出表示装置や副演出表示装置を機械的な円筒状のメインリール2〜4やサブリール35〜37とした場合について説明したが、液晶表示装置にこれらのリールを模して表示するように構成してもよい。この場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【0095】
さらに、この場合、主制御回路で特定の入賞態様、例えば「BB」または「RB」のボーナス入賞態様が抽選されると、サブ制御基板62に構成された副制御回路により、液晶表示装置に模して表示するメインリール2〜4のシンボル自体の色やシンボルの背景の色を変色させることが出来る。
【0096】
この処理は、例えば、図17に示す入賞コマンド受信処理のように行われる。
つまり、サブCPU82は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが入賞コマンドである場合には、まず始めに、入賞コマンドのパラメータに含められた、有効化入賞ライン上に実際に揃った入賞シンボル組合せのフラグ種類がボーナス入賞態様のものであるか否かを判別する(図17,ステップ251)。入賞コマンドは図10,ステップ125の処理において、メイン制御基板61側から送信される。次に、入賞シンボル組合せの種類がボーナス入賞態様のものである場合には、サブCPU82は、液晶表示装置に模して表示するメインリール2〜4のシンボル自体の色やシンボルの背景の色を変色させる(ステップ252)。
【0097】
例えば、BBゲーム入賞が発生した場合には、BBゲーム入賞シンボル組み合わせを構成するシンボル「赤7」自体の色やその背景の色を7色に変色させたり、あるいは、赤色だったものを単に黄色に変色させたりする。また、RBゲーム入賞が発生した場合には、RBゲーム入賞シンボル組み合わせを構成するシンボル「青7」自体の色やその背景の色を7色に変色させたり、あるいは、青色だったものを単に緑色に変色させたりする。
【0098】
この構成によれば、主演出表示装置を構成する液晶表示装置に、表示するシンボルの色やシンボルの背景色を規制にとらわれることなく変色することが出来る。また、液晶表示装置に表示されているシンボルの色やシンボルの背景色が変色すると、遊技者は、特定の入賞態様、本例ではボーナス入賞態様が抽選されたことを認識できる。このため、遊技者は、規制にとらわれないシンボルの色やシンボルの背景色の変色演出を楽しむことが出来ると共に、ボーナス入賞態様等が抽選されたことの喜びがこの変色演出によって助長される。
【0099】
次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第2の実施形態について説明する。
【0100】
この第2の実施形態によるスロットマシンは、上述した第1の実施形態によるスロットマシン1とハードウエア構成が同じである。つまり、その外観は図1に示され、また、メイン制御基板に構成された主制御回路構成は図4に示され、サブ制御基板に構成された副制御回路構成は図5に示される。従って、この第2の実施形態によるスロットマシンの以下の説明においては、第1の実施形態によるスロットマシン1の各構成要素と同一または相当する構成要素には同一の符号を用いてその説明は省略する。
【0101】
この第2の実施形態によるスロットマシンは、上述した第1の実施形態によるスロットマシン1とソフトウエア構成が異なる。つまり、メイン制御基板61のプログラムROM65には、図18〜図20のフローチャートに示す手順のシーケンスプログラムが格納されており、サブ制御基板62のプログラムROM83には、図21〜図27のフローチャートに示す手順のシーケンスプログラムが格納されいる。
【0102】
次に、この第2の実施形態によるスロットマシンの動作について説明する。
【0103】
図18〜図20はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0104】
図18,ステップ301〜図19,ステップ316までの遊技処理は、上述した第1の実施形態における図8,ステップ101〜図9,ステップ116までの遊技処理と同じである。つまり、この第2の実施形態によるスロットマシンでも、第1の実施形態によるスロットマシン1と同様に、遊技メダルが投入口8に投入されてスタートレバー27が操作されることにより、サブリール35〜37が回転を始め、ストップボタン28〜30が操作されて滑りコマ数が決定される。
【0105】
図19,ステップ316で滑りコマ数が決定されると、この第2の実施形態によるスロットマシンでは、次に、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、サブリール35〜37のいずれか1個の回転が停止させられる(図19,ステップ317)。引き続いて、リール停止信号送信処理が行われ(ステップ318)、停止させられた1個のいずれかのサブリール35〜37に同期させて1個のいずれかのメインリール2〜4を停止させるリール停止信号が、サブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。次に、図柄コード送信処理が行われ(ステップ319)、メイン制御基板61によって停止されるサブリール35〜37の図柄のコードナンバがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。その後、全てのサブリール35〜37が停止したか否かが判別され(ステップ320)、第2リールおよび第3リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ314に戻る。
【0106】
全てのサブリール35〜37が停止したら、次に、図20,ステップ321〜ステップ330に示す遊技処理が行われるが、これらの遊技処理は、第1の実施形態における図10,ステップ122〜ステップ131までの遊技処理と同じである。
【0107】
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
【0108】
図21は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。この第2の実施形態でも、サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析され、このコマンドに基づいた各種遊技処理が適宜行われている(図21,ステップ401参照)。
【0109】
図22は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがリール回転信号コマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。このリール回転信号受信処理では、まず始めに、リール回転信号が受信されたか否かが判別される(図22,ステップ411参照)。この判別は、前述の図19,ステップ313の処理において、メイン制御基板61側からリール回転信号が送信されているか否かを判断することによって行われる。リール回転信号が受信されている場合は、次に、サブ制御基板62のサブCPU82によってリール回転処理が行われる(ステップ412)。このリール回転処理では、まず、メインリール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM84の所定領域が、サブCPU82によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各メインリール2〜4がステッピングモータ47によって回転駆動される。
【0110】
図23は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがリール停止信号コマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。このリール停止信号受信処理では、まず始めに、リール停止信号が受信されたか否かが判別される(図23,ステップ421参照)。この判別は、前述の図19,ステップ318の処理において、メイン制御基板61側からリール停止信号が送信されているか否かを判断することによって行われる。リール停止信号が受信されている場合は、次に、停止リール選択抽選処理が行われ(ステップ422)、サブリール35〜37が停止するのに同期して停止させられるいずれか1個のメインリール2〜4が抽選によって選択される。次に、抽選によって選択されたいずれか1個のメインリール2〜4について停止制御処理が行われる(ステップ423)。次に、全てのメインリール2〜4について上記のリール停止制御処理が行われたか否かがサブCPU82によって判別される(ステップ424)。全てのメインリール2〜4について上記のリール停止制御処理が行われていない場合には、処理はステップ421に戻り、全てのメインリール2〜4について上記のリール停止制御処理が行われる。
【0111】
図24(a)は上記のステップ422において行われる停止リール選択抽選処理の内容を示すフローチャートである。この停止リール選択抽選処理では、まず、サブCPU82によって停止リール選択テーブルが制御RAM84にセットされる(図24,ステップ431参照)。停止リール選択テーブルは同図(b)に示され、プログラムROM83に格納されている。機器正面から見て左,中,右に位置するメインリール2,3,4はそれぞれ等しい1/3の選択率で選択される。次に、セットされた停止リール選択テーブルを用いた抽選により、停止するいずれか1個のメインリール2〜4がサブCPU82によって選択される(ステップ432)。
【0112】
図25は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが図柄コードである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。この図柄コード受信処理では、まず始めに、図柄コードが受信されたか否かが判別される(図25,ステップ441参照)。この判別は、前述の図19,ステップ319の処理において、メイン制御基板61側から図柄コードが送信されているか否かを判断することによって行われる。図柄コードが受信されている場合は、次に、サブCPU82によって受信信号から図柄コードナンバが取得され、取得されたコードナンバはサブ制御基板62の制御RAM84に格納される(ステップ442)。
【0113】
図26(a)は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが入賞コマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。この入賞コマンド受信処理では、まず始めに、入賞コマンドが受信されたか否かが判別される(図26,ステップ451参照)。この判別は、前述の図20,ステップ324の処理において、メイン制御基板61側から入賞コマンドが送信されているか否かを判断することによって行われる。入賞コマンドが受信されている場合には、次に、リール逆回転抽選処理が行われる(ステップ452)。このリール逆回転抽選処理は、メインリール2〜4の回転を今まで回っていた方向とは逆の方向に回転させるか否かを決定する処理である。
【0114】
同図(b)はこのリール逆回転抽選処理に用いられるリール逆回転抽選テーブルを示しており、このテーブルはサブ制御基板のプログラムROM83に格納されている。リール逆回転抽選では0〜128の範囲の乱数を用いた乱数抽選がサブCPU82によって行われ、この範囲から乱数抽出された乱数の値がいずれの乱数区分に属するかによって当たり,ハズレが決定される。乱数抽出された乱数値が例えば8であれば当たりになり、また、乱数値が例えば83であればハズレになる。次に、このリール逆回転抽選で当たりになったか否かがサブCPU82によって判別される(ステップ453)。当たりになった場合には、メインリール2〜4を逆回転させるリール逆回転処理が行われる(ステップ454)。一方、当たりにならなかった場合には、メインリール2〜4の回転を滑らせ、図25,ステップ442で制御RAM84に格納されたサブリール35〜37の図柄コードナンバが参照され、この図柄コードナンバに同期を取るように、つまり、サブリール35〜37の停止に同期を取るようにメインリール2〜4を停止させる。
【0115】
図27は上記のステップ454において行われるリール逆回転処理の内容を示すフローチャートである。このリール逆回転処理では、まず、サブ制御基板62の制御RAM84に格納されたサブリール35〜37の図柄コードナンバが参照され、この図柄コードナンバと同じ図柄コードナンバのシンボルがメインリール2〜4に最終的に停止表示されるように、メインリール2〜4がサブCPU82によって逆回転させられる(図27,ステップ461参照)。その後、参照した図柄コードナンバと同じ図柄コードナンバのシンボルがメインリール2〜4に最終的に停止表示させられる(ステップ462)。
【0116】
この第2の実施形態によるスロットマシンでは、上述したように、メインリール2〜4が複数のシンボルを左,中,右の3列に表示し、サブ制御基板62の副制御回路が、図24(a)に示す停止リール選択抽選処理において、同図(b)に示す停止リール選択テーブルを用いて、この表示列を停止する順番を抽選によって決定する。従って、メインリール2〜4の表示列が停止する順番は、規制にとらわれることなく、抽選によって決定された順番になり、遊技者は次に左,中,右のどの表示列が停止するのかを事前に把握することは出来ない。このため、遊技者はメインリール2〜4のどの表示列が次に停止するのかを面白みをもって観測するようになり、スロットマシン遊技の興趣は向上する。
【0117】
また、この第2の実施形態によるスロットマシンでは、上述したように、サブ制御基板62の副制御回路が、図26(a)に示すステップ452のリール逆回転抽選で当選すると、メインリール2〜4の回転方向を逆転させる演出表示をステップ454で行う。従って、メインリール2〜4の回転方向は、規制にとらわれることなく、抽選で当選すると逆転する。このため、遊技者は、メインリール2〜4で従来行われなかった回転方向の逆転演出を楽しむことが出来、スロットマシン遊技の興趣は向上する。
【0118】
なお、上述した各実施形態においては、サブ制御基板62の副制御回路は、メインリール2〜4の回転をサブリール35〜37の回転に同期させ、メインリール2〜4の回転速度とサブリール35〜37の回転速度とを同じにする場合について説明した。しかし、副制御回路の制御により、メインリール2〜4の回転速度をサブリール35〜37の回転速度と異ならせるように構成してもよい。この構成の場合、メインリール2〜4の回転速度は、規制にとらわれることなく、任意の速度に設定することが出来る。このため、メインリール2〜4の回転がサブリール35〜37の回転速度にとらわれない速度で行われるため、遊技者はメインリール2〜4によるこの新たな演出表示を楽しむことが出来、スロットマシン遊技の興趣は向上する。
【0119】
また、上述した各実施形態においては、主演出表示装置および副演出表示装置は、機械的なメインリール2〜4およびサブリール35〜37とした場合について説明したが、これらリールを電子的に表示する液晶表示装置といった電子的表示装置で構成してもよい。この場合においても、上記各実施形態と同様な作用・効果が奏される。
【0120】
また、上述した各実施形態においては、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した場合について説明したが、本発明は、主演出表示装置と副演出表示装置とを備えたパチンコ機を始めとする弾球遊技機などの他の遊技機にも適用することが出来る。そして、この場合においても、上記各実施形態と同様な作用・効果が奏される。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、主演出表示装置は法規の規制を受けない副制御回路によって主リールの回転が制御される。このため、規制にとらわれない面白みのある複雑な演出表示を主演出表示装置に行わせることが可能になる。
【0122】
また、副演出表示装置が主制御回路によって副リールの回転が制御されるので、主演出表示装置は法規の規制を受けない副制御回路によってその演出表示が制御され、副演出表示装置は主制御回路によってその演出表示が制御される。このため、複雑な制御やメモリ容量を必要としない副演出表示装置は、規制を受けてメモリ容量も限りがある主制御回路によっても、十分にその演出表示が行える。
【0123】
また、主制御回路が、抽選した入賞態様に応じた副図柄の所定の組み合わせを副演出表示装置に揃える際に副図柄を第1の範囲で滑らせ、副制御回路が、主制御回路で抽選された入賞態様に応じた主図柄の組み合わせを主演出表示装置に揃える際に主図柄を第1の範囲よりも広い第2の範囲で滑らせるので、副制御回路は、主演出表示装置に入賞態様に応じた主図柄の組み合わせを揃える際、規制を受けることなく、第1の範囲より広い第2の範囲で主図柄を滑らせることが出来る。このため、従来の規制の枠にとらわれない面白みのある滑り演出を主演出表示装置に行わせることが可能になる。
【0125】
また、副制御回路が、主制御回路で特定の入賞態様、例えば、ボーナス入賞態様が抽選されると、主演出表示装置に表示する図柄の色または図柄の背景の色を変色させる構成の場合、主演出表示装置に表示する図柄の色または図柄の背景の色を規制にとらわれることなく変色することが出来る。主演出表示装置に表示されている図柄の色または図柄の背景の色が変色すると、遊技者は、特定の入賞態様例えばボーナス入賞態様が抽選されたことを認識できる。このため、遊技者は、規制にとらわれない図柄の色または図柄の背景の色の変色演出を楽しむことが出来ると共に、特定の入賞態様が抽選されたことの喜びがこの変色演出によって助長される。
【0128】
また、副制御回路が、主リールの回転速度を副リールの回転速度と異ならせる構成の場合、主リールの回転速度は、規制にとらわれることなく、任意の速度に設定することが出来る。このため、主演出表示装置による演出表示が副演出表示装置の演出表示速度にとらわれない速度で行われるため、遊技者は主演出表示装置によるこの新たな演出表示を楽しむことが出来、遊技の興趣は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の第1および第2の実施形態によるスロットマシンのメインリールのシンボル列を示す図である。
【図3】本発明の第1および第2の実施形態によるスロットマシンのサブリールのシンボル列を示す図である。
【図4】本発明の第1および第2の実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板に構成された主制御回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1および第2の実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板に構成された副制御回路構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1および第2の実施形態に用いられる確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図7】図6に示す確率抽選テーブルの具体的なデータを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによる遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われるリール回転信号受信処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる図柄コード受信処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる滑りコマ数受信処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われるリール停止信号受信処理を示すフローチャートである。
【図16】図15に示すリール停止信号受信処理で用いられる滑りコマ数テーブルを示す図である。
【図17】本発明の第1の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる入賞コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図21】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによる遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われるリール回転信号受信処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われるリール停止信号受信処理を示すフローチャートである。
【図24】(a)は本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる停止リール選択抽選処理を示すフローチャート、(b)はこの処理で用いられる停止リール選択テーブルである。
【図25】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる図柄コード受信処理を示すフローチャートである。
【図26】(a)は本発明の第2の実施形態によるスロットマシンのサブCPUによって行われる入賞コマンド受信処理を示すフローチャート、(b)はこの処理で用いられるリール逆回転抽選テーブルである。
【図27】図26に示すリール逆回転処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スロットマシン
2,3,4…メインリール
5,6,7…メインリール2,3,4の観察窓
27…スタートレバー
28,29,30…ストップボタン
35,36,37…サブリール
38,39,40…サブリール35,36,37の観察窓
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
63,81…マイコン(マイクロコンピュータ)
64…メインCPU(中央演算処理装置)
82…サブCPU
65,83…プログラムROM(リード・オンリ・メモリ)
66,84…制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
Claims (5)
- 遊技を開始させる遊技開始手段の操作を検出する開始操作検出手段と、
信号を送出する信号送出手段を有し、この開始操作検出手段によって遊技開始手段の操作が検出されると入賞態様を抽選する入賞態様抽選処理を行う主制御回路と、
この主制御回路とは別に構成された,前記信号送出手段から送出された信号を受信する信号受信手段を有する副制御回路と、
複数の主リールにそれぞれ描かれた複数の主図柄を主表示窓に表示する主演出表示装置と、
この主演出表示装置とは別に前記主演出表示装置よりも小さく構成された複数の副リールにそれぞれ描かれた、複数の主図柄の各々に対応した複数の副図柄を副表示窓に表示する副演出表示装置と、
この副演出表示装置の前記副リールの回転を停止させる演出表示停止手段の操作を検出する停止操作検出手段と、
前記演出表示停止手段によって前記副演出表示装置に前記入賞態様抽選処理で抽選された入賞態様に応じた副図柄の所定の図柄組合せが停止表示されると、前記入賞態様抽選処理で抽選された入賞態様に応じた特典を遊技者に付与する特典付与手段とを備えた遊技機において、
前記主演出表示装置および前記副演出表示装置は機械的なリールまたはリールを電子的に表示する電子的表示装置であり、
前記主制御回路は、
前記開始操作検出手段によって前記遊技開始手段の操作が検出された場合に、前記副リールの回転を開始させると共に、前記主リールを前記副リールと同期して回転させるリール回転信号および前記入賞態様抽選処理によって抽選された入賞態様の種類が含められたスタートコマンドを前記信号送出手段によって前記副制御回路へ送出させ、
前記停止操作検出手段によって前記演出表示停止手段の操作が検出された場合に、前記所定の図柄組合せを構成する副図柄を前記副表示窓に表示させるのに必要な前記副リールの回転量を図柄のコマ数で表した滑りコマ数を第1の範囲内で決定すると共に、決定した滑りコマ数を前記信号送出手段によって前記副制御回路へ送出させ、前記停止操作検出手段が前記演出表示停止手段の操作を検出したときの副図柄の位置から、決定した滑りコマ数分前記副リールを回転させた後、前記副リールの回転を停止させると共に、前記演出表示停止手段によって停止させられた前記副リールに同期させて前記主リールを停止表示させるリール停止信号を前記信号送出手段によって前記副制御回路へ送出させ、
前記副制御回路は、
前記信号受信手段によって前記リール回転信号が受信された場合に、前記主リールのリール回転処理を行い、
前記信号受信手段によって前記リール停止信号が受信された場合に、前記信号受信手段によって受信された前記スタートコマンドから入賞態様の種類を識別し、ハズレ入賞態様が抽選されたことを識別すると、前記リール停止信号を受信したときの主図柄の位置から、前記信号受信手段によって受信された前記第1の範囲内にある前記主制御回路で決定された前記滑りコマ数分前記主リールを回転させた後に停止させ、ハズレ以外の入賞態様が抽選されたことを識別すると、前記第1の範囲を含み、かつ、前記第1の範囲よりも広い第2の範囲内で滑りコマ数決定抽選を行い、前記リール停止信号を受信したときの主図柄の位置から、この抽選によって決定された滑りコマ数分前記主リールを回転させた後に停止させることを特徴とする遊技機。 - 前記副制御回路は、前記主制御回路で特定の入賞態様が抽選されると、前記主表示窓に表示する主図柄の色または主図柄の背景の色を変色させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記特定の入賞態様はボーナス入賞態様であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
- 前記主演出表示装置は遊技機の本体中央部に配置され、前記副演出表示装置は遊技機の本体上部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。
- 前記副制御回路は前記主リールの回転速度を前記副リールの回転速度と異ならせることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
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