以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、以下のような問題を解決するスロットマシン100について説明する。
サブリールを停止させるためのサブリール専用ストップスイッチを備えることなく、例えば、1つのストップボタン操作によりメインリールと共にサブリールを停止させる構成とした場合には、サブリールの回転を停止させることが可能となるタイミングを、メインリールの回転を停止させることが可能となるタイミングより前となるように設定し、メインリールの回転を停止させることが可能となるタイミングでストップスイッチ操作がある場合、メインリールと共にサブリールを所望の位置で停止させることは可能である。ところが、サブリールを回転させるステッピングモータに脱調などの異常が生じた場合には、サブリールの回転を停止させることが可能となるタイミングが、メインリールの回転を停止させることが可能となるタイミングより後になる場合が生じ得る。この場合、サブリールの回転を停止させることが可能となるタイミングより前にストップスイッチの操作があると、サブリールを所望の位置で停止させることが困難になるという問題がある。
第1実施形態のスロットマシン100は、このような問題を解決するためになされたものであり、サブリールにトラブルが発生してもサブリールを所望の位置で停止することができる遊技台である。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが4個(後述する主制御部300が制御するリール110、リール111及びリール112、並びに後述する第1副制御部400が制御するサブリール191の4つ。なお、リール110を左リール110、リール111を中リール111、リール112を右リール112とも称し、左リール110、中リール111及び右リール112を総括してメインリール110〜112と称する場合がある)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112及び191はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112及び191が構成されている。リール110〜112及び191上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、概ね合計12つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のメインリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、メインリールの数やメインリールの設置位置はこれに限定されるものではない。また、本実施形態では、左リール110と中リール111の間にサブリール191を配置しているが、メインリールとサブリールの配置はこれに限定されない。例えば、左リール110の左にサブリール191を配置してもよい。また、サブリールの数も1つに限定されるものではなく、複数のサブリールを備えるようにしてもよい。
各々のリール110〜112及び191の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのリールバックライト(図示せず)が配置されている。リールバックライト、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112及び191の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(後述するインデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112及び191を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、リール110〜112に後述する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かを判定するラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、有効ラインと称する場合がある)114は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっており、入賞ライン114が有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。本実施形態では、入賞ライン114は1ラインあり、メダルが3枚ベットされた場合、入賞ラインとして有効になる。本実施形態では、左リール110の中段位置、中リール111の中段位置及び右リール112の中段位置によって構成される中段水平入賞ラインの1本の入賞ラインが設定されている。なお、入賞ライン114の数については1ラインに限定されるものではない。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプであり、遊技メダルを投入可能な期間においてランプを点灯させる。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットと言う)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXベットボタンとも言う。本実施形態では、メダル投入ボタン130〜132は、ランプ内蔵しており、遊技メダルを投入可能な期間においてランプを点灯させる。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112及び191の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112及び191が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112及び191を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112及び191に対応づけられている。本実施形態では、ストップボタン137(左ストップボタン137ともいう)に左リール110とサブリール191が対応付けられており、ストップボタン138(中ストップボタン138ともいう)に中リール111が対応付けられており、右ストップボタン139に、リール112(右リール112ともいう)が対応付けられている。勿論、ストップボタン137〜139とサブリール191の対応はこれに限定されるものではなく、例えば、ストップボタン138とサブリール191が対応付けられてもよい。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。また、主制御部300に制御される第1停止リールをメイン第1停止リール、第1副制御部400に制御される第1停止リールをサブ第1停止リールと呼ぶ場合がある。本実施形態では、各ストップボタン137〜139の内部に発光体が設けられており、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられており、タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<リール回転装置>
次に、図2〜図3を用いて、スロットマシン100のリール110〜112及び191を回転させるリール回転装置185について詳細に説明する。
図2は、スロットマシン100のリール回転装置185を示す外観斜視図である。リール回転装置185は、概略、リール駆動ユニット25、26、27及び28と、これらを収納するケース部材221とで構成されている。リール駆動ユニット25、26、27及び28は、リール帯30に印刷される図柄の配列(後述する図6(a)及び図7参照)が異なるだけで、構造的には、いずれも同一の部品で構成されている。各リール駆動ユニット25、26、27及び28(以下、同一構成のため、リール駆動ユニット25について説明する)は、それぞれ個別にケース部材221内に着脱可能に収納されている。なお、本実施形態では、各リール駆動ユニット25、26、27及び28の構成を同一としているが、異なる構成としてもよい。例えば、メインリール110〜112とサブリール191のリール径が異なるようしてもよいし、また、メインリール110〜112とサブリール191でリールを駆動させるモータの構成を異なるようにしてもよい。
図3(a)は、リール駆動ユニット25の分解斜視図である。リール駆動ユニット25は、取付ベース13、センサブラケット14、ステッピングモータ20、センサ80と、帯状部材30、リール枠40、検知片50及び補強リム70で構成されたリール110と、で構成される。また、絵柄を背後から照明するための複数のリールバックライト94で構成される照明基盤90を備えている。なお、照明基盤90をリール駆動ユニット25に取り付ける取り付け部材も設けられているが、同図では省略している。また、照明基盤90は、リール駆動ユニット25に限らずリール駆動ユニット26、27及び28にも設けられていて、それぞれについて複数のリールバックライト94が設けられている。なお、サブリール191のリールバックライト94の数を、メインリール110〜112それぞれのリールバックライト94の数より多く設けてもよい。サブリール191であることを印象づける発光演出を行うことが可能な場合がある。
取付ベース13は、平板上に、センサブラケット14、ステッピングモータ20が形成されている。センサブラケット14は、取付ベース13上に取り付けられ、先端に後述する検知片50の通過を検出するためのセンサ(インデックスセンサ)80が装着される。
ステッピングモータ20は、例えば4相式で、1回転252ステップ程度の分解能を持ったものを1−2相励磁方式で駆動する。従って、1回転を504パルスで制御することができ、回転角度を0.7度/パルスで制御することができる。なお、サブリール191のステッピングモータ20を、メインリール110〜112それぞれのステッピングモータ20と異なる仕様としてもよい。具体的には、サブリール191のステッピングモータ20の1回転の分解能をメインリール110〜112それぞれのステッピングモータ20の1回転の分解能より高い(例えば、1回転を1008パルスで制御可能)ものとしてもよい。サブリール191であることを印象づける回転演出を行うことが可能な場合がある。なお、サブリール191のみDCモータとしてもよい。DCモータであればサブリール191を高速移動できる場合があるなど、サブリール191であることを印象づける回転演出を行うことが可能な場合がある。
ステッピングモータ20の回転軸には、リール枠40が装着される。リール枠40は、ステッピングモータ20の回転軸に取り付けられるボス部42と帯状部材30が貼り付けられるリム部44と、ボス部42とリム部44とを連結するための4本の連結部43とで構成されている。このような構成にすることで、リール枠40は、軽量化がなされ、ステッピングモータ20への負荷を低減している。連結部43はさらに、検知片50をネジ60で取り付けるために開口したネジ穴48を形成している。
リール枠40のリム部44の周囲には、帯状部材30が接着される。同時に帯状部材30の反対側端には、帯状部材30の補強を目的として補強リム70が接着される。
主制御部300は、各リール110〜112に設けられたインデックス(検知片50)を検知するセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果に基づいて各リール110〜112の回転を検知するとともに、各リール110〜112が停止した場合に各リール110〜112の停止位置(リールに表示されている図柄位置)を特定している。さらに、主制御部300は、リールに表示されている図柄位置に関する情報を第1副制御部400に対して送信する。また、第1副制御部400は、サブリール191に設けられたインデックス(検知片50)を検知するセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果に基づいてサブリール191の回転を検知するとともに、サブリール191が停止した場合にサブリール191の停止位置(リールに表示されている図柄位置)を特定している。具体的には、主制御部300および第1副制御部400は、リールを定速回転とした後、インデックス(検知片50)を検知するセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果に基づいて、リールの図柄位置の情報をクリアし、ステッピングモータ20に出力するパルス数に基づいて回転位置(仮想の回転位置)を更新する。さらに、インデックス(検知片50)を検知するセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果がある前は、実際の回転位置と仮想の回転位置との誤差が生じ得るので、この期間にリールを停止させないようにし、所望の位置ではない位置に停止しないようにしている。なお、主制御部300は、サブリール191に設けられたインデックス(検知片50)を検知するセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果に基づいて第1副制御部400にコマンドを送信し、第1副制御部400は、主制御部300から受け取ったセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果のコマンドに基づいてサブリール191の回転を検知するようにしてもよい。主制御部300でサブリール191の回転状況を把握することができるようになるので、これを利用した各リール110〜112の回転等を行うことができる場合がある。例えば、主制御部300は、サブリール191に設けられたインデックス(検知片50)を検知した場合に、各リール110〜112の回転方向をそれまでの回転方向とは異なる方向となるように変更する。第1副制御部400は、主制御部300から受け取ったセンサ(インデックスセンサ)80の検知結果のコマンドに基づいてサブリール191の回転方向をそれまでの回転方向とは異なる方向となるように変更する。これにより、各リール110〜112の回転方向とサブリール191の回転方向とが同じタイミングで変更されるので、遊技者の興趣を高める場合がある。
複数のリールバックライト94は、LEDからなるものであり、照明基盤90に取り付けられている。複数のリールバックライト94のうち、全てのリールバックライト94を点灯させることにより、図柄表示窓113上の図柄全てを背後から照らすことができる。また、一部のリールバックライト94を点灯させることにより、図柄表示窓113上の一部の図柄を背後から照らすことができる。このように、複数のリールバックライト94は、リール110〜112及び191を、リール110〜112及び191の図柄を背面側から遊技者側に向かって照らすものである。
図3(b)は、照明基盤90に取り付けられた複数のリールバックライト94のLED配置図である。複数のリールバックライト94は、詳しくは、図柄表示窓の113の上段位置を照らすLED−01及びLED−02、図柄表示窓の113の中段位置を照らすLED−03及びLED−04、並びに図柄表示窓の113の下段位置を照らすLED−05及びLED−06を備えている。したがって本実施形態では、リール110〜112を上段、中段、及び下段ごとに点灯制御することが可能である。なお、各リール110〜112及び191のリールバックライト94を区別するため、左リール110を照射するLED01〜06をLED−L01〜L06と表記し、中リール111を照射するLED01〜06をLED−C01〜C06と表記し、右リール112を照射するLED01〜06をLED−R01〜R06と表記し、サブリール191を照射するLED01〜06をLED−S01〜S06と表記する。
<制御部の回路構成>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT314とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ80、リール111のインデックスセンサ80、リール112のインデックスセンサ80等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ80、リール111のインデックスセンサ80、およびリール112のインデックスセンサ80は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片(検知片50)が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部300は、主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネルランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト94、ストップボタン137〜139ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400は、サブリール191に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路424を設けている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163を駆動する駆動回路426が設けられ、駆動回路426には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路426は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路428が設けられ、センサ回路428には入力インタフェースを介してシャッタセンサ438が接続されている。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ438の状態を監視している。
サブリール191のインデックスセンサ80は、サブリール191の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片(検知片50)が通過するたびにLレベルになる。CPU404は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157などの制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<メインリール及びサブリールの制御>
次に、図5を用いて、メインリール110〜112及びサブリール191に対する制御について説明する。図5は、メインリール110〜112及びサブリール191を制御する制御部を示すブロック図である。
本実施形態では、上述したように、主制御部300がメインリール110〜112に対して回転信号を出力することによりメインリール110〜112を回転制御し、第1副制御部400がサブリール191に対して回転信号を出力することによりサブリール191を回転制御する。また、メインリール110〜112に備えられたそれぞれのインデックスセンサ80が出力する検知信号(検知片を検知したときに出力する信号)は、主制御部300に出力され、サブリール191に備えられたインデックスセンサ80が出力する検知信号は、第1副制御部400に出力される。一方、メインリール110〜112及びサブリール191にそれぞれ備えられたリールバックライト94は、第1副制御部400からの点灯信号に基づいて、点灯制御される。
<メインリールの図柄配列>
図6(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図6(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技役が含まれる。より詳しく説明すると、再遊技役とは、遊技に用いる遊技媒体を新たに使用することなく遊技を行うことが可能である役である。また、本実施形態においては再遊技であると前回の遊技で投入した遊技媒体の数と同数の遊技媒体が自動的に設定される。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技役への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技役(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技状態)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄(赤7ともいう)−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄(青7ともいう)−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「赤7−赤7−赤7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技状態)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄(ボーナスともいう)−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りであり、チェリーが4枚、スイカが12枚、ベルが8枚である。なお、「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」図柄であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技役(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<メインリールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役2(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ライン114に停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役(リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役(リプレイ)に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<サブリールの図柄配列>
図7を用いて、サブリール191に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、サブリール191に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
サブリール191には、複数種類の図柄または文字が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)の一部に配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、サブリール191上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、サブリール191の番号0のコマには「大」の文字、番号1のコマには「当」の文字、番号2のコマには「り」の文字がそれぞれ配置されている。つまり、サブリール191の番号0〜1が図柄表示窓113上に表示された場合、「大当り」の文字が図柄表示窓113上に表示されることとなる。なお、サブリール191に施される図柄は、入賞役内部抽選処理の抽選結果を示唆する図柄としているので、万が一誤った位置に停止させてしまうと、遊技者に遊技意欲を著しく低下させることになる。
<メインリール及びサブリールの停止態様>
次に、図8〜図10を用いて、図柄表示窓113に表示されるメインリール110〜112及びサブリール191の停止態様について説明する。
図8は、入賞役内部抽選処理においていずれの役にも内部当選しなかった場合、つまりハズレだった場合のメインリール110〜112及びサブリール191の停止態様である。
図8(a)は、左ストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、左リール110を第1停止リールとした場合の停止態様である。本実施形態では、左ストップボタン137に対する操作に基づいて、左リール110及びサブリール191が停止するが、第1停止操作のタイミングがいずれであってもサブリール191においては、ボーナス当選を示唆する文字(例えば、「大当り」)が図柄表示窓113上に停止することはない。なお、図8(b)は、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作とし、中リール111を第2停止リールとした場合の停止態様、図8(c)は、右ストップボタン139に対する操作を第3停止操作とし、右リール112を第3停止リールとした場合の停止態様を示しており、有効ライン114上にはハズレの図柄組合せが停止表示される。
図9は、入賞役内部抽選処理において特別役2(BB2)にも内部当選し、内部当選した特別役2(BB2)に入賞する場合のメインリール110〜112及びサブリール191の停止態様である。
図9(a)は、左ストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、左リール110を第1停止リールとした場合の停止態様である。本実施形態では、左ストップボタン137に対する操作に基づいて、左リール110及びサブリール191が停止するが、第1停止操作のタイミングが好適なタイミングであったので、図柄表示窓113上の左リール110における中段位置にはBB2図柄が停止表示され、かつサブリール191には特別役当選を示す文字(例えば、大当り)が図柄表示窓113上に停止表示される。具体的には、左リール110を停止させる場合は規格に従った設計としなければならず、左ストップボタン137に対する操作があった後、190ms以内に停止させなければならないことから、この時間内にBB2図柄を中段位置に停止可能であれば、BB2図柄を中段位置に停止させる。一方、サブリール191を停止させる場合は規格に従った設計としなくてもよいので、左ストップボタン137に対する操作があった後、特別役当選を示す文字(例えば、大当たり)を図柄表示窓113上に停止表示させる。遊技者は、左リール110の有効ライン114上のBB2図柄、及びサブリール191の特別役当選を示唆する文字から、特別役当選を把握することができる。なお、図9(b)は、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作とし、中リール111を第2停止リールとした場合の停止態様、図9(c)は、右ストップボタン139に対する操作を第3停止操作とし、右リール112を第3停止リールとした場合の停止態様を示しており、第2停止操作及び第3停止操作のいずれのタイミングも好適であったので、有効ライン114上にはBB2に対応する図柄組合せが停止表示される場合、つまり特別役(BB2)に入賞した場合を示している。
このように本実施形態では、特別役(BB1、BB2、RB)に内部当選し、かつ、左リール110を第1停止リールとする第1停止操作を行い、有効ライン上に内部当選した特別役(BB1、BB2、RB)に対応する図柄が停止表示される場合、サブリール191上には特別役当選を示唆する文字や図柄を停止表示して、遊技者に特別役(BB1、BB2、RB)に内部当選していることを報知する。
図10は、入賞役内部抽選処理において特別役2(BB2)にも内部当選し、内部当選した特別役2(BB2)に入賞しなかった場合のメインリール110〜112及びサブリール191の停止態様である。
図10(a)は、左ストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、左リール110を第1停止リールとした場合の停止態様である。本実施形態では、左ストップボタン137に対する操作に基づいて、左リール110及びサブリール191が停止するが、この場合、第1停止操作のタイミングが好適なタイミングでなかったので、図柄表示窓113上の左リール110における中段位置にはBB2図柄が停止表示しない一方、サブリール191には特別役2(BB2)を示す図柄が図柄表示窓113上に停止表示される。具体的には、主制御部300は、左ストップボタン137に対する操作があったときに仮想の回転位置の情報を第1副制御部400に送信し、第1副制御部400は受け取った仮想の回転位置の情報に基づいて停止位置を決定する。遊技者は、サブリール191の特別役2(BB2)を示す図柄から、特別役当選を把握することができる。なお、図10(b)は、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作とし、中リール111を第2停止リールとした場合の停止態様、図10(c)は、右ストップボタン139に対する操作を第3停止操作とし、右リール112を第3停止リールとした場合の停止態様を示しており、第2停止操作及び第3停止操作のいずれのタイミングも好適であったので、中リール111及び右リール112の有効ライン114上にはBB2に対応する図柄組合せが停止表示される場合を示している。すなわち、サブリール191、中リール111、及び右リール112の中段位置にBB2図柄が揃うことにより、特別役2(BB2)当選を報知している。なお、この場合、中段位置のリールバックライトの点灯態様を変更させて(例えば、サブリール191の中段位置、中リール111の中段位置、及び右リール112の中段位置に対応するリールバックライトを点滅態様とする。左リール110の中段位置と他の位置に対しては、点灯対応とする)特別役2(BB2)当選を報知してもよい。
このように本実施形態では、特別役(BB1、BB2、RB)に内部当選し、かつ、左リール110を第1停止リールとする第1停止操作を行ったが、第1停止操作の結果、有効ライン上に内部当選した特別役(BB1、BB2、RB)に対応する図柄が停止表示されなかった場合には、サブリール191の中段位置に内部当選した特別役の図柄を停止表示して、遊技者に特別役(BB1、BB2、RB)に内部当選していることを報知する。また、以後の第2停止操作及び第3停止操作により、有効ライン上に内部当選した特別役(BB1、BB2、RB)に対応する図柄が停止可能なので、サブリール191と中リール111及び右リール112の中段位置に内部当選した特別役(BB1、BB2、RB)に対応する図柄組合せを停止表示させることができ、これにより、遊技者に特別役(BB1、BB2、RB)に内部当選していることをより確実に報知することができる。つまり、一の操作によりメインリールの回転停止とサブリールの回転停止を行う場合、メインリールの回転停止位置に基づいてサブリールの回転停止位置を決定するようにしてもよい。メインリールの回転停止位置に応じてサブリールの回転停止位置を多様化させることができる。
<サブリールの停止タイミング>
次に、図11及び図12を用いて、サブリール191の停止タイミングについて説明する。図11及び図12は、メインリール110〜112及びサブリール191の停止タイミングを示すタイミングチャートである。
図11は、通常時のメインリール110〜112及びサブリール191の停止タイミングを示している。この場合、スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいてメインリール110〜112及びサブリール191を回転開始させ、第1停止操作である左ストップボタン操作に基づいて左リール110及びサブリール191を停止させ、第2停止操作である中ストップボタン操作に基づいて中リール111を停止させ、第3停止操作である右ストップボタン操作に基づいて右リール112を停止させる。すなわち、この場合、サブリール191は、第1停止操作が行われた時点t3に基づいて、第1停止リールとともに停止する。
一方、図12は、サブリール191の回転開始時に異常が発生した場合(以下、異常時という)のメインリール110〜112及びサブリール191の停止タイミングを示している。この場合、スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいてメインリール110〜112及びサブリール191を回転開始させる。しかしながら、サブリール191の回転開始時にサブリール191のステッピングモータに脱調が発生し(以下、サブリール191に脱調が発生した場合と略す)、第1停止操作である左ストップボタン操作が行われた時点t3においてサブリール191が未だ定速回転に達していない場合には、時点t3において左リール110だけを停止させてサブリール191は停止させない。また、その後、サブリール191の脱調が解消し、サブリール191が定速回転に達しても、その時点においてサブリール191を停止させない。本実施形態では、スロットマシン100は、第3停止操作が行われた後の入賞判定時に、サブリール191が定速回転に達していればサブリール191を停止させるようになっている。すなわち、この場合、サブリール191は、第3停止操作が行われた後の入賞判定時の時点t6において停止する。時点t6は、より詳しくは、第1副制御部400が入賞判定の内容を示す表示判定コマンドを主制御部300から受信した時点である。なお、異常時において、サブリール191を入賞判定時に停止させるようにしたのは、サブリール191に脱調が発生したとしても、入賞判定時までにはサブリール191は回転開始して定速回転に達している場合が多いと考えられるからである。なお、上述したようにサブリール191を停止させる場合は規格に従った設計としなくてもよいので、例えば、一遊技が終了した後にインパクトのある速い動きの演出動作をさせ、次遊技の進行を促すような利用方法が考えられるが、規格に従った設計としないと、逆にステッピングモータに脱調が生じやすい状況をつくり出す可能性を高めてしまう。
なお、本実施形態では、異常時、表示判定コマンドの受信に基づいてサブリール191を停止させるようにしたが、今回の遊技の終了近傍のコマンドであれば、他のコマンドの受信でもよい。詳しくは後述するが、例えば、第3停止操作のストップボタンを示すストップボタン受付3コマンド、第3停止リールの停止位置を示すリール停止3コマンド、遊技状態を示す遊技状態コマンドなどのコマンド受信に基づいてサブリール191を停止させるようにしてもよい。さらに、1のコマンドではなく、複数のコマンドの受信に基づいてサブリール191を停止させるようにしてもよい。より安全にサブリール191を停止させることができる。
また、サブリール191に脱調が発生した場合など、サブリール191の回転速度を定速とするまでの時間に遅れが生じる場合を考慮し、以下のようにリールを制御してもよい。まず、サブリール191においてインデックス検知がされたときに、このサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っているか否かを判断する。(1)サブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っていない場合は、サブリール191の停止に関わるコマンドを受け取りがあるまでサブリール191の回転を継続させ、その後にサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取りがあると、所望の位置にサブリール191を停止させるものとする。逆に、(2)サブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っていた場合は、所望の位置にサブリール191を停止させるものとする(結果的にはサブリール191においてインデックス検知がされたときにサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取りがあったとみなすこととする)。ここで、所望の位置とは、複数の位置を予定していてもよいが、サブリール191においてインデックス検知がされたときにサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っていた場合は、所望の位置として予定した複数の位置から、サブリール191においてインデックス検知がされた後の移動距離を最も短くすることができる一個所としてもよい。リールの停止に長い時間をかけなくて済む場合がある。
本実施形態では、所望の位置を、入賞役内部抽選の結果及び停止操作に基づいて予め定められた停止位置とした。しかしながら、所望の位置を、入賞役内部抽選の結果に関わりなく予め定めた位置としてもよい。例えば、3ゲーム連続してサブリール191の番号8〜10が図柄表示窓113上に表示し、第1副制御部400にてAT(アシストタイム)なる遊技が実行される可能性が高まっていることを報知してもよい。より具体的には、前回の遊技において回転開始したサブリール191が前回の遊技において停止することがなかったことから、サブリール191の停止データを今回の遊技で決定した所望の位置に停止させるデータに書き換え、今回の遊技では今回の遊技で決定された所望の位置にサブリール191を停止させる。これにより、遊技の結果がいつ得られものか遊技者が認識容易になる場合がある。
また、サブリール191とステッピングモータとの配線接続が外れた場合には、サブリール191とステッピングモータとの配線接続が外れている最中にサブリール191の回転開始の指示があった場合、サブリール191とステッピングモータとの配線接続を行った後にサブリール191を回転開始させてもよい。さらに、サブリール191においてインデックス検知がされたときにサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っていなかった場合は、サブリール191の停止に関わるコマンドを受け取りがあった後に所望の位置にサブリール191を停止させるものとし、サブリール191においてインデックス検知がされたときにサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取っていた場合は、(結果的にはサブリール191においてインデックス検知がされたときにサブリール191の停止に関わるコマンドを受け取りがあったとみなすこととなる)所望の位置にサブリール191を停止させるものとしてもよい。遊技者が遊技の結果を認識容易になる場合がある。なお、サブリール191とステッピングモータとの配線接続を行った場合に、メインリール110〜112が回転を停止させているのであれば、サブリール191を回転開始させなくてもよい。遊技者に追加の停止操作を強いることが無くて済む。さらにこの場合、サブリール191を回転させることで報知しようと予定していた内容は、別の演出装置(例:演出画像表示装置157)で報知するようにしてもよい。遊技者が遊技の結果を認識容易になる場合がある。
このように本実施形態によれば、サブリールの回転開始時に不具合が生じた場合には、サブリールに対応するストップボタンに対する操作があったとしてもサブリールを停止させず、サブリールが定速回転に至り、サブリールが停止可能な状態となった後の全メインリールの停止に基づいてサブリールを停止させるので、所望の位置でサブリールを停止させることができ、サブリールの停止態様から遊技者に誤解を与えることがない。
<スロットマシンの動作>
以上述べたように本実施形態に係るスロットマシン100は、サブリール191の回転制御に特徴を有するので、以下、サブリール191の回転制御を中心にスロットマシン100の動作について説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図13を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、遊技開始処理を実行する。遊技開始処理では、メダル補助収納ケース(図示せず)のメダルオーバーフローに関するエラーチェック、自動発動役物(SRB)の設定、ボーナス信号の更新、メダルの規定枚数の設定、一遊技の開始を示す遊技開始コマンドの送信準備を行う。
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。メダル投入・スタート操作受付処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS104では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS105では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS106では、入賞役内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、再遊技役(リプレイ)に内部当選した場合には、再遊技役(リプレイ)に内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
ステップS107では、ステップS106の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS108では全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS108では、リール110〜112が回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS109では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS107で選択したリール停止データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関するストップボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、ストップボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、ストップボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、ストップボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、表示判定処理を行う。表示判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS111では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS112では、遊技状態を移行するための制御が行われる遊技状態制御処理を行う。例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合には次回からBB遊技状態を開始できるよう準備する。また、このステップS112では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。例えば、遊技状態がBB遊技状態の場合には、BB遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図14のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図14を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部抽選コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴うストップボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴うリール停止コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400は、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
ステップS1007では、外部信号出力処理を行う。この、外部信号出力処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まず、ステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行する。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図13に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポート初期化等の電断処理を行い、その後、図13に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図15を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2003の処理に移行する。
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS2004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否か(RAM408のコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否か)を判別する。
ステップS2005では、演出制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS2004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS2006では、ステップS2005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS2007では、ステップS2005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS2008では、ステップS2005で読み出した演出データの中にシャッタ163への命令がある場合には、この命令を駆動回路426に出力する。
ステップS2009では、ステップS2005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、CPU404は、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2201では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS2202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
図16を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS3005では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS3004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS3006では、ステップS3005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS3002へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS3101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。
ステップS3202では、演出用乱数値などを更新する各種更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500の画像制御処理について説明する。同図(d)は、同図(a)のステップS3006の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS3302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS3303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS3303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS3301でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS3304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS3305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS3306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS3306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<演出制御処理>
図17は、図15(a)の第1副制御部メイン処理のステップS2005の演出制御処理御の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS4001では、内部抽選コマンドを受信したか否かを判定する。内部抽選コマンドを受信した場合には、ステップ4002に進み、そうでない場合には、ステップS4005に進む。
ステップS4002では、内部抽選コマンドの内容に応じて、サブリール191を停止制御するためのリール停止データを選択する。
ステップS4003では、サブリール191を回転開始する。
ステップS4004では、サブリール191が回転開始したことを示すリール回転情報を設定する。ステップS4004の処理の後はステップS4005に進む。
このように本実施形態では、第1副制御部400が内部抽選コマンドを受信したときに、サブリール191を回転開始させるが、これに限定されず、リール回転開始コマンドを受信したときにサブリール191を回転開始するようにしてもよい(後述する第2実施形態)。リール回転開始コマンドの受信を契機にサブリール191を回転開始させる場合には、メインリール110〜112の回転開始のタイミングに合わせてサブリール191を回転開始させることができる。
ステップS4005では、左ストップボタン137に対する停止操作が行われたか否かを判定する。具体的には、ストップボタン受付コマンドの内容から左ストップボタン137に対する停止操作が行われたか否か判定する。左ストップボタン137に対する停止操作が行われた場合には、ステップS4006に進み、そうでない場合には、ステップS4009に進む。
ステップS4006では、サブリール191の停止有効が設定されているか否かを判定する。ここで、サブリール191の停止有効が設定されている状態とは、サブリール191を停止してもよい状態であることを示しており、サブリール191の停止有効の設定は、後述する停止有効処理において所定の条件が成立した場合に行われる(図19のステップS4305参照)。所定の条件は、本実施形態では、サブリール191を回転開始させた後、サブリール191が定速回転に達して、インデックスセンサ80が検知片50を検知した場合に成立する。サブリール191の停止有効が設定されている場合には、ステップS4007に進み、そうでない場合には、ステップS4008に進む。
ステップS4007では、サブリール191の停止有効が設定されているので、リール停止データに従ってサブリール191を停止させるサブリール停止制御処理を実行する。すなわち、この場合には、第1停止操作のタイミングでサブリール191を停止させる(図11の時点t3参照)。
ステップS4008では、例えば、サブリール191の脱調などにより、サブリール191の停止有効が設定されていないので、遅延停止情報1を設定する。すなわち、この場合には、第1停止操作のタイミングでサブリール191を停止させない(図12の時点t3参照)。
ステップS4009では、遅延時定速確認処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS4010では、遅延停止処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS4011では、停止有効処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS4012では、その他の演出制御処理を実行する。例えば、左ストップボタン137に対する第2停止操作があった場合(左ストップボタン137を示すストップボタン受付2コマンドを受信した場合)、左ストップボタン137に対する第3停止操作があった場合(左ストップボタン137を示すストップボタン受付3コマンドを受信した場合)などのリール停止制御に関する処理を行う。
<遅延時定速確認処理>
次に、図18(a)を用いて、遅延時定速確認処理について説明する。図18(a)は、図17のステップ4009の遅延時定速確認処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS4101では、遅延停止情報1の設定があるか否かを判定する。遅延停止情報1の設定がある場合には、ステップS4102に進み、そうでない場合には、遅延時定速確認処理を終了する。
ステップS4102では、サブリール191が定速回転しているか否かを判定する。サブリール191が定速回転している場合には、ステップS4103に進み、そうでない場合には、遅延時定速確認処理を終了する。
ステップS4103では、サブリール191のインデックスセンサ80が検知片50を検知したか否かを判定する。インデックスセンサ80が検知片50を検知した場合には、ステップS4104に進み、そうでない場合には、遅延時定速確認処理を終了する。
ステップS4104では、サブリール191の図柄位置に関する位置情報のリセットを行い、次いで、ステップS4105では、遅延停止情報1をクリアし、遅延停止情報2を設定する。ここで、遅延停止情報2は、サブリール191にトラブルが発生して遅延停止情報1が設定された後、サブリール191が定速回転に達して、インデックスセンサ80が検知片50を検知した状態、つまりサブリール191を停止させてもよい状態になった場合に設定される。
<遅延停止処理>
次に、図18(b)を用いて、遅延停止処理について説明する。図18(b)は、図17のステップ4010の遅延停止処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS4201では、表示判定コマンドを受信したか否かを判定する。表示判定コマンドを受信した場合には、ステップS4202に進み、そうでない場合には、遅延停止処理を終了する。
ステップS4202では、遅延停止情報2の設定があるか否かを判定する。遅延停止情報2の設定がある場合には、ステップS4203に進み、そうでない場合には、ステップS4204に進む。
ステップS4203では、表示判定コマンドの受信があり、かつ遅延停止情報2の設定があるので、選択されたリール停止データに従ってサブリール191を停止させるサブリール停止制御処理を実行する。また、ステップS4203では、リール回転情報及び遅延停止情報2の設定をクリアする。すなわち、この場合には、入賞判定のタイミングでサブリール191を停止させる(図12の時点t6参照)。選択されたリール停止データを用い、予定した位置でサブリール191を停止させるので、サブリール191にトラブルが発生した場合であっても、変な停止位置でサブリール191を停止させることがなく、遊技者に誤解を生じさせないという効果がある。
なお、本実施形態では、ステップS4203において、選択されたリール停止データを用い、予定した位置でサブリール191を停止させるようにしたが、これに限定されない。例えば、(1)表示判定コマンドを受信した時点においてサブリール191を即停止させてもよいし、(2)予定した位置とは異なる異常時の停止位置でサブリール191を停止させるようにしてもよい。(1)の場合には、迅速にサブリール191を停止させることができるという効果があり、(2)の場合には、異常があったことを認識することができるという効果がある。
ステップS4204では、遅延停止情報1の設定があるか否かを判定する。遅延停止情報1の設定がある場合には、ステップS4205に進み、そうでない場合には、遅延停止処理を終了する。
ステップS4205では、入賞判定時になっても遅延停止情報1が設定されたまま、つまり未だサブリール191が定速回転に達しておらず、インデックスセンサ80が検知片50を検知した状態になっていないので、強制的にサブリール191を停止させるサブリール停止制御処理を実行する。また、ステップS4205では、リール回転情報及び遅延停止情報1の設定をクリアする。サブリール191の回転を次遊技まで継続させないための処理である。
<停止有効処理>
次に、図19を用いて、停止有効処理について説明する。図19は、図17のステップ4011の停止有効処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS4301では、リール回転情報の設定があるか否かを判定する。リール回転情報の設定がある場合には、ステップS4302に進み、そうでない場合には、停止有効処理を終了する。
ステップS4302では、サブリール191が定速回転しているか否かを判定する。サブリール191が定速回転している場合には、ステップS4303に進み、そうでない場合には、停止有効処理を終了する。
ステップS4303では、サブリール191のインデックスセンサ80が検知片50を検知したか否かを判定する。サブリール191のインデックスセンサ80が検知片50を検知した場合には、ステップS4304に進み、そうでない場合には、停止有効処理を終了する。
ステップS4304では、サブリール191の図柄位置に関する位置情報のリセットを行い、次いで、ステップS4305では、停止有効の設定を行う。また、ステップS4305では、リール回転情報のクリアを行う。このように本実施形態では、サブリール191を回転開始させた後、サブリール191が定速回転に達して、インデックスセンサ80が検知片50を検知した場合に停止有効の設定を行う。
<画像表示>
図20は、第1停止操作に基づいて演出画像表示装置157の演出画像を変化させる場合のタイミングチャートである。
図20(a)は、通常時のスロットマシン100の動作を示しており、スタートレバー操作に基づいてメインリール110〜112及びサブリール191を回転開始させ、第1停止操作である左ストップボタン操作に基づいて左リール110及びサブリール191を停止させる場合を示している(図11の場合に対応)。この場合には、第1停止操作の時点t3に基づいて演出画像表示装置157に表示される演出画像は、映像Aから映像Bに変化する。
図20(b)は、異常時のスロットマシン100の動作を示しており、スタートレバー操作に基づいてメインリール110〜112及びサブリール191を回転開始させるがサブリール191にトラブルが発生し、第1停止操作である左ストップボタン操作が行われた時点t3においてサブリール191が未だ定速回転に達していない場合を示している(図12の場合に対応)。この場合には、サブリール191を停止させる入賞判定時の時点t6において演出画像表示装置157に表示される演出画像は、映像Aから映像Bに変化する。
このように本実施形態では、第1停止操作時においてサブリール191にトラブルが発生しているときには、第1停止操作に基づいて演出画像を変化させる場合であっても、第1停止操作のタイミングでは演出画像を変化させず、サブリール191が停止するタイミングで演出画像を変化させる。サブリール191の停止と演出画像を変化とが同時期に行われることで遊技者に違和感を与えないようになる場合がある。
<ストップボタンランプ点灯>
図21は、ストップボタンランプの点灯態様のタイミングチャートである。ストップボタンランプは、ストップボタン137〜139が受付可能な場合に、ストップボタン137〜139のストップボタンランプを点灯させ、ストップボタン137〜139が受付不可な場合に、ストップボタン137〜139のストップボタンランプを消灯させるようになっている。なお、本実施形態では、第1副制御部400がストップボタンランプの点灯制御を行うようになっている。なお、ストップボタンランプは、ストップボタン137〜139が受付可能な場合と受付不可な場合とで、点灯色を異なるようにしてもよい。例えば、ストップボタンランプは、ストップボタン137〜139が受付可能な場合に、ストップボタン137〜139のストップボタンランプを青色で点灯させ、ストップボタン137〜139が受付不可な場合に、ストップボタン137〜139のストップボタンランプを赤色で点灯させてもよい。
図21(a)は、通常時のストップボタンランプの点灯態様を示している。この場合には、ストップボタン137〜139の操作受付が可能となる時点t10からストップボタンランプが点灯を開始する。すなわち、時点t10において、メインリール110〜112とともにサブリール191も定速回転をし、サブリール191は停止可能な状態(サブリール191が定速回転し、インデックスセンサ80が検知片50を検知した状態)にあるので、時点t10からストップボタンランプが点灯を開始する。
図21(b)は、異常時のストップボタンランプの点灯態様、つまりスタートレバー操作に基づいてメインリール110〜112及びサブリール191を回転開始させたがサブリール191にトラブルが発生し、その後、サブリール191のトラブルが解消して、サブリール191が停止可能な状態(サブリール191が定速回転し、インデックスセンサ80が検知片50を検知した状態)になった場合のストップボタンランプの点灯態様を示している。この場合には、ストップボタン137〜139の操作受付が可能となる時点t10ではなく、サブリール191が停止可能な状態になった時点t20からストップボタンランプの点灯を開始する。このように本実施形態では、サブリール191が停止可能な状態となったときに、全ストップボタンランプが点灯開始するようになっている。
図22は、異常時のストップボタンランプの点灯態様を、停止操作と対応付けて示したタイミングチャートである。この場合には、図21に示したように、サブリール191が停止可能な状態(サブリール191が定速回転し、インデックスセンサ80が検知片50を検知した状態)になった時点t20にストップボタンランプは点灯開始する。すなわち、時点20より以前の左ストップボタン137を停止操作した時点t11においては、ストップボタン137〜139の操作受付は可能となっているので、メインリール110は停止するが、サブリール191は停止可能な状態となっていないので停止しない。その結果、時点t11においては、全ストップボタンランプは消灯したままである。
一方、時点20より以降の2回目の左ストップボタン137を停止操作した時点t12においては、サブリール191は停止可能な状態にあるため、サブリール101は停止し、点灯している左ストップボタンランプは、左ストップボタン137の操作により消灯する。なお、点灯している中ストップボタンランプは、中ストップボタン138に対する第2停止操作の時点t13において消灯し、点灯している右ストップボタンランプは、右ストップボタン139に対する第3停止操作の時点t14において消灯する。
<第1実施形態の変形例>
なお、上記実施形態では、サブリール191の脱調などサブリール191にトラブルが発生した場合、表示判定コマンドなど主制御部300から送信されるコマンドの受信を契機にサブリール191を停止させたが、サブリール191を停止させる契機はコマンド受信に限定されるものではない。
例えば、図23に示すように、第1停止操作の時点t3においてサブリール191に脱調が発生している場合には、第1停止操作の時点t3から所定時間TA(例えば、2秒)が経過した時点t7においてサブリール191を停止させるようにしてもよい。このように主制御部300から送信されたコマンドに依存せず、時間経過に基づいてサブリール191を停止させるので、メインリール110〜112の停止タイミングに関わらず、所望のタイミングでサブリール191を停止させることができる。
また、例えば、図24に示すように、第1停止操作の時点t3においてサブリール191に脱調が発生している場合には、サブリール191のインデックスセンサ80が検知片50を検知した時点t8においてサブリール191を停止させるようにしてもよい。このように主制御部300から送信されたコマンドに依存せず、サブリール191のインデックス検知に基づいてサブリール191を停止させるので、比較的早いタイミングでサブリール191を停止させることができる。さらに、上述したように、サブリール191のインデックス検知に基づいてサブリール191を、所望の位置まで移動させてあとに停止させるようにしてもよい。遊技の結果を認識容易とすることができる場合がある。
また、第1実施形態では、サブリール191の脱調などサブリール191にトラブルが発生し、当該遊技の入賞判定時においても、サブリール191が定速回転していない場合には、当該遊技において強制的にサブリール191を停止させたが(図18(b)のステップS4205参照)、これに限定されない。例えば、前回遊技の入賞判定時においても、サブリール191が定速回転していない場合には、そのまま今回遊技までサブリール191を回転させ、今回遊技の所定条件が成立したとき(例えば、入賞判定時にサブリール191が定速回転し、サブリール191のインデックスセンサ80が検知片50を検出したときなど)にサブリール191を停止させるようにしてもよい。そして、この場合、図25(a)に示すように、今回遊技においては、前回遊技で選択されたリール停止データを用いてサブリール191を停止させてもよいし、また、図25(b)に示すように、今回遊技で新たに選択されたリール停止データを用いてサブリール191を停止させてもよいし、また、図25(c)に示すように、異常時用のリール停止データを用いてサブリール191を停止させてもよい。
なお、異常時用のリール停止データは、サブリール191を完全に停止させることなく、僅かに揺れている移動を繰り返すような停止データであってもよい。サブリール191を停止させてしまうと、サブリール191に表示された図柄から有利か不利かの状況を連想させてしまう可能性が、完全に停止させないことで、誤った状況を連想させないことが可能となる場合がある。なお、1つのリールのみ僅かに揺れている移動を繰り返すようにしてもよい。1つのリールでも移動が行われていれば、遊技者に異常があったことを認識させることができる場合があるからである。なお、3つ全てのリールに対して僅かに揺れている移動を繰り返すようにしてもよい。全てのリールに移動が行われていれば、遊技者に異常があったことを容易に認識させることができる場合があるからである。
また、第1実施形態では、1つのサブリールを備えたが、複数のサブリールを備えるようにしてもよい。例えば、図26(a)に示すように、3つのサブリール191、192及び193を備えて、メインリール110〜112の右隣にサブリール191〜193を配置するようにしてもよい。この場合にも、第1副制御部400は、図26(b)に示すように、主制御部300から受信したコマンドに応じて、サブリール191〜193の回転制御を行うものである。勿論、3つのメインリール110〜112と3つのサブリール191〜193を備える場合、メインリールとサブリールの配置はこれに限定されるものではない。例えば、メインリールとサブリールが交互に配置されてもよいし、メインリールとサブリールは別のケース部材に収納されてもよいし、サブリールはメインリールよりも大きな径を有してもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態に、疑似遊技を実行する遊技性が追加されている実施形態である。すなわち、第2実施形態のスロットマシン100は、疑似遊技を実行する構成を有する。そして、第2実施形態では、この疑似遊技を実行した後、本遊技を実行開始する場合には、メインリールにおいてランダム遅延を伴うリール回転開始(詳しくは後述)を実行するようになっている。
しかしながら、メインリールにおいてランダム遅延を伴うリール回転開始を実行する場合には、過度に遊技者を待たせてしまうという問題がある。
第2実施形態のスロットマシン100は、このような問題を解決するためになされたものであり、メインリールとサブリールを備える構成においてランダム遅延を伴うリール回転開始を実行しても、遊技者を過度に待たせることがない遊技台である。
以下、第2実施形態の特徴部分、すなわち、メインリールとサブリールを備え、メインリールにおいてランダム遅延を伴うリール回転開始を実行する場合のリール制御について説明するが、その前に、前提となる疑似遊技についてまず説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同一の構成、作用及び機能については、説明を省略する。
<疑似遊技>
次に、図27〜図33を用いて、スロットマシン100の疑似遊技について説明する。ここで、本実施形態の疑似遊技とは、本遊技のリール回転開始前に実行される遊技であり、例えば、本遊技の結果を示唆するリール演出を実行して、本遊技に対する期待感を向上させる遊技である。本実施形態の疑似遊技は、具体的には、ボーナスに当選していることを示唆してボーナス図柄を狙わせる遊技となっている。
なお、疑似遊技が行われない場合は、本遊技におけるスタートレバー135の操作があると、本遊技におけるメインリール110〜112の回転開始が行われる。しかし、疑似遊技が行われる場合は、本遊技におけるスタートレバー135の操作があると、疑似遊技におけるメインリール110〜112の回転開始が行われ、ストップボタン137〜139に操作があると、メインリール110〜112の回転が停止し、本遊技を開始する場合には、本遊技におけるメインリール110〜112の回転開始が行われる。また、疑似遊技とは、ストップボタン137〜139に操作があると疑似的にメインリール110〜112を停止させる遊技である。本遊技同様にメインリール110〜112を停止させてもよいが、本実施形態では、本遊技とは異なることが分かるようにメインリール110〜112を疑似停止(例えば、微振動を継続)させるようにしている。また、疑似遊技とは、本遊技とは異なり、疑似遊技におけるメインリール110〜112の停止結果によりメダルが払い出されることはない遊技である。
また、疑似遊技とは、本遊技に対する期待感を向上させる遊技に限るものではなく、例えば、本遊技では実現が困難なリール回転やリール停止のある遊技(本遊技におけるリール制御とは異なる特有のリール制御が行われる遊技。例えば、リール110〜112を逆回転させる遊技)であってもよい。また、疑似遊技とは、例えば、実際にメダルを投入することがない遊技及びメダルの払い出しのない遊技であるので、遊技数を増加させることにより結果的に射幸性を下げるための遊技であってもよい。また、疑似遊技の結果に応じて、特定を付与するようにし、射幸性を上げるようにしてもよい。
一方、本遊技とは、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出される、所謂通常の遊技を意味する。すなわち、本遊技とは、メダルを投入してスタートレバーを操作することによりリールが回転するとともに内部抽選によって役を内部決定し、ストップボタンを操作することによりリールを停止させた時に、図柄表示窓上に内部決定に応じた図柄の組合せが表示されると役が成立する遊技をいい、メダルの払出を伴う役が成立した場合には、成立した役に対応する規定数のメダルが払い出される遊技をいう。換言すれば、本遊技とは、回転を停止させたリールにより表示される図柄の組合せが、内部当選した入賞役に対応して予め定められた図柄の組合せであって、メダルの払い出しの必要がある場合にはメダルの払い出しがある遊技である。
疑似遊技は、所定の条件が成立した場合(以下、疑似遊技実行条件が成立した場合ともいう;詳しくは後述するが、本実施形態では、特別役(BB1、BB2)に内部当選中の場合)、スタートレバー操作により全リール110〜112及び191が回転開始し、停止操作により対応する各メインリール110〜112がそれぞれ疑似停止し、停止操作により対応するサブリール191が停止する遊技をいう。より詳しくは、本実施形態の疑似遊技とは、図27(a)に示すように、スタートレバー操作STA1に基づいてリール110〜112及びサブリール191が回転開始し、次いで、第1停止操作STO1−1(具体的には左ストップボタン137に対する操作)に基づいて対応するメイン第1停止リール(具体的には左リール110)が疑似停止するとともに、サブ第1停止リール(具体的にはサブリール191)が停止し、次いで、第2停止操作STO1−2(具体的には中ストップボタン138に対する操作)に基づいて対応する第2停止リール(具体的には中リール111)が疑似停止し、次いで、第3停止操作STO1−3(具体的には右ストップボタン139に対する操作)に基づいて対応する第3停止リール(具体的には右リール112)が疑似停止する遊技をいう。なお、全リール110〜112及び191が疑似停止または停止した後、所定の条件が成立している場合(以下、本遊技開始条件が成立した場合ともいう;詳しくは後述するが、本実施形態では、疑似遊技を3回終了した場合、または内部当選した特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止した場合)には、疑似遊技が終了して本遊技が開始される。本遊技は、全リール110〜112及び191が回転開始し、停止操作により対応する各リール110〜112及び191がそれぞれ本停止する遊技となる。なお、特別役(BB1、BB2)に内部当選していないハズレの場合の一定条件下で、疑似遊技を行ってもよい。勿論、この疑似遊技では、特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止することはない。しかし、ハズレでも疑似遊技を行うようにしたことで、疑似遊技があることで、特別役(BB1、BB2)に内部当選していることに期待感を高めることができる場合がある。
このように疑似遊技とは、遊技操作に含まれる各遊技操作が行われることによって、遊技が進行するものであり、本遊技の開始前に1または複数回の疑似遊技が実行されるように構成されるものである。なお、疑似遊技において遊技操作が行われない場合には、疑似遊技の遊技進行の促進を図るため、所定時間の経過により疑似遊技が進行するようにしてもよい。
ここで、疑似停止とは、リール110〜112が完全には静止してない状態をいい、好適にはリールが微振動している状態をいう。パチンコの表示装置に表示された装飾図柄画像の揺れ変動に近い状態である。しかし、パチンコは装飾図柄画像を揺れ変動させた後、この揺れを停止させることにより本遊技の結果を報知する仕様となっているが、スロットマシンにおいては、リールが微振動した後、微振動を停止することで本遊技の結果を報知するものではなく、疑似遊技の後に本遊技を実行する仕様となっている。つまり、リール110〜112を微振動させた後に、本遊技のリール回転を実行し、そのリール回転を停止させた場合には、本遊技の結果を報知する(微振動しない)点で異なる仕様である。本実施形態の疑似停止では、図27(b)に示すように、所定の位置Aと位置Aから僅かに離れた位置A’の間をリール110〜112が上下に微振動するようになっている。また、リール110〜112が完全には静止してない状態とは、マクロ(秒単位)に見て静止していない状態、つまり、遊技者が見て移動している様が確認できる程度にゆっくりと移動する状態(ゆらゆら揺れている状態)を含むものであるとともに、ミクロ(数百ミリ秒単位)に見た場合の静止状態を含むものである。つまり、微振動とは、リールが静止状態となっている期間を含むものであってもよく、この静止状態とは、本実施形態では、微振動における移動と移動との間が500ms未満の静止状態をいう。このように本実施形態では、微振動における移動と移動との間に500ms以上の静止状態があった場合にはリールが静止している状態があったもの、500ms未満の静止状態があった場合にはリールが静止している状態がなかったものと定義している。なお、疑似遊技において疑似停止を行うのは、完全にリール110〜112を静止させてしまうと、遊技者は本遊技の停止と勘違いをして遊技を終了し、台を離れてしまう場合があるからである。すなわち、その後に行われる本遊技で得られたであろう特典を放棄させてしまう事態を生じさせないためである。
なお、図27(a)に示すように、サブリール191は、数的に多い他のリール(リール110〜112)を微振動させることから、微振動させない(停止させる)ものとする。全リール110〜112及び191の4つのリールのうち3つのリールを微振動させておくことで、本遊技との違いを把握できる場合があるからである。勿論、これとは別に、サブリール191を微振動させてもよい(停止させなくてもよい)。サブリール191に対して微振動させない場合、リール110〜112との動きの違いに違和感を抱く場合があるので、例えば、リール110と統一させた微振動をさせることにより、動きの違いに違和感を抱くことのないようにする。
また、本実施形態では、メインリール110〜112の停止に関しては、図27(a)に示すように、第1停止操作STO1−1(具体的には左ストップボタン137に対する操作)に基づいて対応するメイン第1停止リール(具体的には左リール110)が疑似停止し、次いで、第2停止操作STO1−2(具体的には中ストップボタン138に対する操作)に基づいて対応する第2停止リール(具体的には中リール111)が疑似停止し、次いで、第3停止操作STO1−3(具体的には右ストップボタン139に対する操作)に基づいて対応する第3停止リール(具体的には右リール112)が疑似停止することにより各ストップボタン操作後に疑似遊技であることを認識可能としている。しかしながら、これとは別に、例えば、第1停止操作STO1−1(具体的には左ストップボタン137に対する操作)に基づいて対応するメイン第1停止リール(具体的には左リール110)が停止し、次いで、第2停止操作STO1−2(具体的には中ストップボタン138に対する操作)に基づいて対応する第2停止リール(具体的には中リール111)が停止し、次いで、第3停止操作STO1−3(具体的には右ストップボタン139に対する操作)に基づいて対応する第3停止リール(具体的には右リール112)が停止し、その後一斉に疑似停止(微振動)するようにしてもよい。微振動を統一させた動きとすることができ、さらに、微振動に関する処理を共通化させた場合には実行する処理量を軽減させることができる場合がある。
次に、図28〜図30を用いて、リール110〜112の疑似停止について詳しく説明する。
リール110〜112の疑似停止について説明する前に、主制御部300がリール110〜112の図柄位置を把握する仕組みについて説明する。本実施形態では、リールの図柄位置を主制御部300が把握するために「図柄番号カウンタ」及び「図柄間隔カウンタ」という2つのカウンタを用いて図柄位置を監視している。ここで、「図柄番号カウンタ」及び「図柄間隔カウンタ」について説明する。
図28は、図柄番号カウンタと図柄間隔カウンタの関係を示す図である。図柄番号カウンタは、基準位置であるリール表示窓113の中段に位置する図柄を記憶保持するためのカウンタであり、例えば、左リール110に関しては、左リール110の図柄列の上端のベル図柄が基準位置となっており、インデックスセンサが遮光片50を通過した時を起点としてカウントを開始する。各図柄とカウント値とは予め対応付けられており、主制御部300は、リール停止時の図柄番号カウンタ値からリール表示窓113に停止表示されている図柄を特定することができる。また、図柄間隔カウンタは、1図柄あたりの駆動パルス数(タイマ割込処理回数)であり、24となっている(合計で504駆動パルス数)。主制御部300は、1図柄あたりの駆動パルス数を図柄間隔カウンタに設定し、駆動パルスの出力ごとに減算し、図柄間隔カウンタの値が0になったときに図柄番号カウンタを1更新するようにしている。すなわち、図柄間隔カウンタ値は1図柄を上下方向に24に細分化した位置を示しているので、主制御部300は図柄間隔カウンタ値からリール表示窓113に停止表示されている図柄のより詳細な位置を把握することができる。以下、図柄番号カウンタ値を単に図柄番号、図柄間隔カウンタ値を単に図柄間隔番号という場合があり、図柄番号及び図柄間隔番号に対応するリール位置を単に図柄番号及び図柄間隔番号の位置と略して表記する。
図29(a)は、左リール110の疑似停止の様子を図柄番号及び図柄間隔番号と対応させたタイミングチャートであり、図29(b)は、図29(a)に示した疑似停止の動作を割込時間と対応付けたタイミングチャートである。
図29(a)に示すように、左リール110に対する停止操作により図柄番号8(図柄間隔番号1)が中段位置に停止制御された場合、左リール110は時点t1から疑似停止を開始する。この疑似停止は、図柄間隔番号1と2の位置の間を交互に移動する振動であり、より具体的には、図柄間隔番号1に300割込(≒450ms)停止し、図柄間隔番号1に300割込(≒450ms)停止した後に図柄間隔番号2に移動し、図柄間隔番号2に300割込(≒450ms)停止し、図柄間隔番号2に300割込(≒450ms)停止した後に図柄間隔番号1に移動し、図柄間隔番号1に300割込(≒450ms)停止し、…という繰り返しの動作である。なお、図柄間隔番号1から2への移動は、リール110の上方向(逆方向)の移動であり、図柄間隔番号2から1への移動は、リール110の下方向(順方向)の移動である。
図30は、各リール110〜112の疑似停止の動作を比較したタイミングチャートである。スタートレバー135に対する操作により本遊技で使用するリールの加速データを使用して各リール110〜112を回転させ、各リール110〜112を停止させることが可能になった後を説明する。図30(a)に示すように、第1停止操作STO1−1として左ストップボタン137に対する操作を行い、次いで、第2停止操作STO1−2として中ストップボタン138に対する操作を行い、次いで、第3停止操作STO1−3として右ストップボタン139に対する操作を行った場合、図30(b)に示すように、左リール110は、第1停止操作に基づいて時点t1−1から疑似停止を開始し、中リール111は、第2停止操作に基づいて時点t1−2から疑似停止を開始し、右リール112は、第3停止操作に基づいて時点t1−3から疑似停止を開始する。この場合、図30(b)に示すように、各リール110〜112は、それぞれの停止操作のタイミングに基づいて疑似停止としての微振動を開始するので、全リール110〜112が同期をとって微振動を行うものではない(例えば、全リール110〜112がタイミングを合わせて共に上に移動したり、停止したり、下に移動したりするものではない)。しかしながら、図30(c)に示すように、各リール110〜112の微振動の同期を合わせて疑似停止を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、各リール110〜112は、それぞれの停止操作のタイミングに基づいて疑似停止としての微振動を開始するようにしたが、これとは別に、第3停止操作のタイミングに基づいて、全リール110〜112の微振動を一斉に開始するようにしてもよい。つまり、第1停止操作及び第2停止操作においては、疑似停止としての微振動は開始しないようにしてもよい。より具体的には、第1停止操作STO1−1(具体的には左ストップボタン137に対する操作)に基づいて対応するメイン第1停止リール(具体的には左リール110)が停止し、次いで、第2停止操作STO1−2(具体的には中ストップボタン138に対する操作)に基づいて対応する第2停止リール(具体的には中リール111)が停止し、次いで、第3停止操作STO1−3(具体的には右ストップボタン139に対する操作)に基づいて対応する第3停止リール(具体的には右リール112)が停止し、その後にリール110〜112のうちのいずれか一つのリールのみ疑似停止(微振動)するようにしてもよい。一つのリールだけ微振動を行うことにより、処理量を軽減させることができる場合があり、さらに、疑似遊技であることを認識可能となる場合がある。
ここで、疑似遊技の遊技性について説明する。疑似遊技は、疑似遊技実行条件が成立した場合、次遊技の本遊技のリール回転開始前に実行される遊技である。疑似遊技実行条件が成立した場合とは、本実施形態においては、特別役1(BB1)または特別役2(BB2)に内部当選した状態にある場合を示す。すなわち、前遊技において特別役1または2に内部当選し、前遊技において内部当選した特別役1または2に入賞しなかった場合には、今回の遊技のスタートレバー操作により疑似遊技が開始される。なお、この今回の遊技のスタートレバー操作は、本遊技の入賞役内部抽選処理を伴うものであるが、この本遊技の入賞役内部抽選処理の結果に係わらず疑似遊技は実行されるものである。
本実施形態の疑似遊技中のリール停止制御は、特別役1又は2内部当選状態(RT1)のハズレのリール停止制御データ(本遊技のリール停止制御データ)を用いて行われるので、好適なタイミングで停止操作を行えば内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止させることが可能である。また、疑似遊技中は、演出画像表示装置157などを用いてボーナス図柄を狙わせるチャンス演出が実行される。すなわち、疑似遊技は、遊技者にボーナス図柄を狙わせる遊技性を備えており、本遊技におけるボーナス当選を示唆して、ボーナス図柄を有効ライン上に揃える練習を事前に行わせる遊技となっている。疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止した場合には、ボーナス図柄を有効ライン上に揃えるという疑似遊技の目的が達成されたので、疑似遊技は終了する。なお、特別役1又は2に内部当選した後(入賞役内部抽選処理を行った直後)に複数遊技にわたって実行される演出(連続演出)が実行開始された場合、疑似遊技を開始させることにより連続演出を強制終了させることなく、疑似遊技中にもこの連続演出を実行するようにしてもよい。遊技者にとって違和感のない演出とすることができる場合がある。この連続演出は、予め定めた遊技数(疑似遊技を含めた遊技数)の実行があった場合に終了させるとよい。演出内容を遊技者に的確に伝えることができる場合がある。また、ボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合に終了させて、新たなボーナス当選演出を実行するようにしてもよい。揃った図柄に対応させたボーナス当選演出を好適な時期に発生させることができる場合がある。
なお、内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止しない場合には、リーチ目が表示されるようになっている。このことからも、遊技者は、本遊技において特別役に内部当選していることを把握可能である。
また、上述したように、疑似遊技は最大3回まで実行されるため、1回目の疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができなくても、2回目の疑似遊技が実行され、2回目の疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができなくても、3回目の疑似遊技が実行される。しかしながら、3回目の疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができない場合には、疑似遊技は終了する。疑似遊技は本遊技の遊技進行を妨げる要因にもなり得るので、疑似遊技の回数に制限を設けたものである。なお、1回目の疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができなかった場合、2回目以降の疑似遊技を行うことが嫌な場合を考慮し、2回目の疑似遊技をキャンセルする機能を備えるようにしてもよい。例えば、1回目の疑似遊技において内部当選した特別役1又は2に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができなかった場合に、スタートレバー操作を複数回(例えば、3回)操作すると、2回目以降の疑似遊技は行われることなく、そのときの最初のスタートレバー操作によるリールの回転は、そのまま本遊技のリール回転とする。遊技者は、簡易な操作で疑似遊技をキャンセル可能となり、遅滞なく本遊技を行うことが可能となるので、円滑に遊技を進められている印象になる場合がある。
図31及び図32は、疑似遊技実行条件が成立して、疑似遊技を実行し、疑似遊技を終了した後に本遊技に移行した場合のタイミングチャートを示している。なお、前提として図31及び図32は、特別役2に内部当選した状態における疑似遊技を示している。
図31は、疑似遊技を3回実行した後に本遊技に移行した場合のタイミングチャートである。この場合、まず、スタートレバー操作STA1により、1回目の疑似遊技が開始されるが、停止操作STO1−1〜3により特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わなかったので、疑似遊技は終了しない。次いで、スタートレバー操作STA2により、2回目の疑似遊技が開始されるが、2回目も停止操作STO2−1〜3により特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わなかったので、疑似遊技は終了しない。次いで、スタートレバー操作STA3により、3回目の疑似遊技が開始されるが、3回目も停止操作STO3−1〜3により特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わなかったが、3回疑似遊技を実行したので、疑似遊技は終了し、本遊技のリール回転を開始する。なお、本遊技のリール回転開始は、図31に示すように、疑似遊技が終了した後、所定時間(詳しくは後述するが約1秒)が経過すると、自動的に行われる。
なお、この疑似遊技の後に開始された本遊技は終了しても、次の遊技において疑似遊技が開始されることはない。前の遊技において疑似遊技を行った場合には、既に疑似遊技の目的は達成されているためである、また、本遊技の進行遅延を防ぐためでもある。したがって、この本遊技が終了した後、次のスタートレバー操作STA5が行われると、疑似遊技ではなく本遊技が開始される。
図32は、1回目の疑似遊技で特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合のタイミングチャートである。この場合、まず、スタートレバー操作STA1により、1回目の疑似遊技が開始されるが、停止操作STO1−1〜3により特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃ったので、疑似遊技は終了し、本遊技が開始される。
図33は、疑似遊技終了後の本遊技のリール回転開始の様子を示す図である。疑似遊技終了後の本遊技のリール回転開始は、ランダム遅延を伴うリール回転開始となっている。疑似遊技を特定の出目(特別役に対応する図柄組合せ)を揃えることが可能な遊技としたため、そのまま一斉にリール回転開始してしまうと、特定の出目(特別役に対応する図柄組合せ)を揃えられた場合と、特定の出目(特別役に対応する図柄組合せ)を揃えられなかった場合とで、本遊技の操作に有利/不利が生じる可能性がある。例えば、特定の出目(特別役に対応する図柄組合せ)を揃えられた場合には、本遊技では、特定のタイミングで連続的に、左ストップボタン137に対する操作を行い、次いで、中ストップボタン138に対する操作を行い、次いで、右ストップボタン139に対する操作を行うことで、特別役に対応する図柄組合せを目押しすることなく揃えられてしまう可能性がある場合には、特定の出目を揃えられなかった場合より遊技者に有利である。そこで、本実施形態では、疑似遊技を実行した場合、疑似遊技の終了直後の本遊技においてはランダム遅延を伴うリール回転開始を行うようにした。詳しくは、図33に示すように、左リール110、中リール111、右リール112の順序でリールが順次回転するが、中リール111及び右リール112に関しては、抽選により決定されたランダムな所定時間(以下、ランダム遅延時間ともいう)が経過した後にリールが回転開始するようになっている。すなわち、図31及び図32に示した、疑似遊技の終了直後の本遊技の全リール回転開始は、正確には、図33に示すように、ランダム遅延を伴うリール回転開始である。つまり、ランダム遅延を行う目的は、左リール110、中リール111、右リール112の図柄位置をバラケさせることにある。
なお、本実施形態では、疑似遊技を終了後の本遊技のリール回転開始において、ランダム遅延を伴うリール回転開始を行ったが、疑似遊技間のリール回転開始において、ランダム遅延を伴うリール回転開始を行うようにしてもよい。この場合、本遊技の開始タイミングがわからなくなるので、遊技者の興趣を高める場合がある。
図34は、疑似遊技中の演出(以下、総称して疑似遊技演出BSという)の一例であるチャンス演出の態様及び推移を示すタイミングチャートである。
図34(a)は、疑似遊技において特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止した場合を示している。この場合には、スタートレバー操作STA1時から停止操作を促し、BB2図柄を狙わせるメッセージ(例えば、ボタンを押して、BB2図柄を狙えなど)を演出画像表示装置157上に表示する。また、停止操作に成功した場合(BB2図柄が中段位置で疑似停止した場合)には、停止操作が成功したことを示し、次の停止操作への期待感を向上させるメッセージ(例えば、激熱!次のボタンを押して、BB2図柄を狙えなど)を演出画像表示装置157上に表示する(第1停止操作STO1−1後〜第3停止操作STO1−3前)。そして最終的に全リール110〜112において特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上で疑似停止したときには、本遊技の有利な結果を示唆するようなメッセージ(例えば、激熱!など)を演出画像表示装置157上に表示する(第3停止操作STO1−3後)。
一方、図34(b)は、疑似遊技において特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止しなかった場合を示している。この場合には、スタートレバー操作STA1時から停止操作を促し、BB2図柄を狙わせるメッセージ(例えば、ボタンを押して、BB2図柄を狙えなど)を演出画像表示装置157上に表示する。また、停止操作に失敗した場合(BB2図柄が中段位置で疑似停止しなかった場合)には、停止操作が失敗したことを示すメッセージ(例えば、残念!次のボタンを押して、BB2図柄を狙えなど)を演出画像表示装置157上に表示する(第1停止操作STO1−1後〜第3停止操作STO1−3前)。そして最終的に全リール110〜112において特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上で疑似停止しなかったときには、疑似遊技の停止操作に成功しなかったことを示すメッセージ(例えば、残念!など)を演出画像表示装置157上に表示する(第3停止操作STO1−3後)。
このように本実施形態の疑似遊技では、内部当選した特別役の図柄を狙わせるチャンス演出を実行するので、チャンス演出の報知内容に従うことにより、遊技者は本遊技の前に停止操作の練習を行うことができる。なお、チャンス演出では、一停止操作に成功したときも失敗したときも、内部当選した特別役の図柄を狙わせるメッセージを最後まで報知するので、遊技者は全停止操作において内部当選した特別役の図柄を狙う練習を行うことができる。なお、本遊技で推奨する操作順をストップボタン137→ストップボタン138→ストップボタン139としていた場合、最初に操作されたボタンが、ストップボタン138またはストップボタン139であったら、ボタンに対応するリールを疑似停止させないようにしてもよい(ボタンに対応するリールは回転している。この場合、再度のボタン操作によりボタンに対応するリールを疑似停止させるようにしてもよい)。つまり、疑似遊技において、ストップボタンに対して本遊技で推奨する操作がなかった場合には、リールを疑似停止させることなく、ストップボタンに対して本遊技で推奨する操作があった場合には、リールを疑似停止させるようにする。これにより、疑似遊技を利用して推奨する操作順を遊技者に伝えることができる場合がある。なお、本遊技で推奨する操作でなくてもよく、内部当選した特別役の図柄を狙わせるため、推奨する操作が本遊技で推奨する操作とは異なる場合には、内部当選した特別役の図柄を狙わせるために推奨する操作でなかった場合に、リールを疑似停止させないようにしてもよい。
以下、上述した疑似遊技を中心としたスロットマシン100の動作を、フローチャートを用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
次に、図35を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。なお、第2実施形態の主制御部メイン処理は、第1実施形態の主制御部メイン処理(図13参照)と全体の流れは同一であるが、疑似遊技に関する処理が追加されているため、一部の工程において処理内容が異なっている。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、遊技開始処理を実行する。遊技開始処理では、メダル補助収納ケース(図示せず)のメダルオーバーフローに関するエラーチェック、自動発動役物(SRB)の設定、ボーナス信号の更新、メダルの規定枚数の設定、一遊技の開始を示す遊技開始コマンドの送信準備を行う。
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。メダル投入・スタート操作受付処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS104では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS105では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS105で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS106では、入賞役内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、再遊技役(リプレイ)に内部当選した場合には、再遊技役(リプレイ)に内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
なお、上述したステップS101〜S105の処理は、本遊技の処理であり、疑似遊技の処理は含まれない。
ステップS107Aでは、ステップS106の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止制御データの候補選択処理(詳しくは後述する)を実行する。
ステップS108Aでは、全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS108Aでは、リール110〜112が回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。なお、このステップS108における全リール110〜112の回転開始は、疑似遊技における全リール110〜112の回転開始、及び本遊技における全リール110〜112の回転開始の双方を含む。詳しくは、後述するが、ステップS107Aの処理において疑似遊技の設定がある場合には、疑似遊技のリール回転開始を実行し、疑似遊技の設定がない場合には、本遊技のリール回転開始を実行する。そして、疑似遊技における全リール110〜112の回転開始の場合には、疑似遊技リール回転開始コマンド(疑似遊技開始コマンドともいう)、本遊技における全リール110〜112の回転開始の場合には、本遊技リール回転開始コマンド(単にリール回転開始コマンドともいう)を第1副制御部400に送信する準備を行う。すなわち、本実施形態のリール回転開始コマンドには2種類のリール回転開始コマンドがある。
ステップS109Aでは、リール停止制御処理(詳しくは後述する)を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109Aでは、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止情報を含むストップボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、ストップボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、ストップボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、ストップボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
なお、このステップS109Aのリール停止制御処理は、詳しくは後述するように、疑似遊技におけるリール停止制御処理の場合と本遊技におけるリール停止制御処理の場合の双方が存在する。すなわち、ストップボタン受付コマンドには、疑似遊技におけるストップボタン受付コマンド(以下、疑似遊技ストップボタン受付コマンドという)と本遊技におけるストップボタン受付コマンド(以下、本遊技ストップボタン受付コマンド(単にストップボタン受付コマンドともいう)という)が存在し、リール停止コマンドには、疑似遊技におけるリール停止コマンド(以下、疑似遊技リール停止コマンドという)と本遊技におけるリール停止コマンド(以下、本遊技リール停止コマンド(単に遊技リール停止コマンドともいう)という)が存在する。
ステップS110では、表示判定処理を行う。表示判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS111では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。また、このステップS111では、メダルの払出しに関するメダル払出情報を含むメダル払出コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS112Aでは、遊技状態を移行するための制御が行われる遊技状態制御処理を行う。例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合には次回からBB遊技状態を開始できるよう準備する。また、このステップS112Aでは、遊技状態を示す遊技状態情報を含む遊技状態コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、遊技状態がBB遊技状態の場合には、BB遊技状態を示す遊技情報コマンドを送信する準備を行う。
なお、上述したステップS110〜S112Aの処理は、本遊技の処理であり、疑似遊技の処理は含まれない。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
上記各ステップで準備された各種コマンドは、前述した主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図14のステップS1006)において送信される。
<遊技状態制御処理>
次に図36を用いて、遊技状態制御処理について説明する。図36は、図35のステップS112Aの遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1101では、特別役1または特別役2に内部当選しているか否かを判定する。特別役1または特別役2に内部当選している場合には、ステップS1102に進み、そうでない場合には、ステップS1105に進む。
ステップS1102では、今回の遊技において特別役1または特別役2に入賞したか否かを判定する。今回の遊技において特別役1または特別役2に入賞した場合には、ステップS1105に進む、そうでない場合には、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、疑似遊技実行済フラグがONであるか否かを判定する。疑似遊技実行済フラグは、疑似遊技を既に実行したか否かを示すフラグであり、疑似遊技実行済フラグがONである場合には、既に今回以前の遊技(本遊技の前)において疑似遊技を実行したことを示し、疑似遊技実行済フラグがOFFである場合には、今回以前の遊技(本遊技の前)において疑似遊技を実行しなかったことを示す。疑似遊技実行済フラグは、疑似遊技を終了する条件が成立した場合にONに設定され、特別役に内部当選した場合にOFFに設定される。疑似遊技実行済フラグがONである場合には、ステップS1105に進み、そうでない場合には、ステップS1104に進む。
ステップS1104では、疑似遊技の設定を行う。このように本実施形態では、特別役1または2に内部当選中であって、今回以前の遊技において疑似遊技を実行していない場合には、次の遊技において疑似遊技を行うように疑似遊技の設定を行う。具体的には、疑似遊技フラグをON、疑似遊技数に0を設定する。ここで、疑似遊技フラグは、疑似遊技を実行するか否かを示すフラグであり、疑似遊技フラグがONの場合には、疑似遊技を実行することを意味し、疑似遊技フラグがOFFの場合には、疑似遊技を実行しないことを意味する。また、疑似遊技数は、1回の本遊技の前に実行した疑似遊技の回数を示す。
なお、今回の遊技において疑似遊技を実行した場合(疑似遊技実行済フラグがONの場合)、つまり疑似遊技を実行した後に本遊技を実行した場合には(ステップS1103でYESの場合)、疑似遊技の設定が行われないので、次遊技において疑似遊技は実行されない(図31、32参照)。
ステップS1105では、その他の遊技状態制御処理を実行する。
<リール停止制御データの候補選択処理>
次に図37を用いて、リール停止制御データの候補選択処理について説明する。図37は、図35のステップS107Aのリール停止制御データの候補選択処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1201では、疑似遊技の設定があるか否かを判定する。疑似遊技の設定がある、つまり疑似遊技フラグがONである場合には、ステップS1202に進み、そうでない場合には、ステップS1203に進む。
ステップS1202では、疑似遊技のリール停止制御データを選択する。具体的には、特別役内部当選中におけるハズレのリール停止制御データを選択する。特別役内部当選中におけるハズレのリール停止制御データは、特別役1または2に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止可能なデータである。勿論、特別役内部当選中におけるハズレのリール停止制御データを複数種類用意し、複数種類の中から選択するようにしてもよい。
ステップS1203では、本遊技のリール停止制御データを選択する。なお、本遊技のリール停止制御データは、従来通り、入賞役内部抽選処理の結果に対応するリール停止制御データが選択される。
このように本実施形態では、疑似遊技の設定がある場合には、疑似遊技と本遊技のリール停止制御データの設定を行い、疑似遊技の設定がない場合には、本遊技のリール停止制御データの設定を行う。
<リール停止制御処理>
次に図38を用いて、リール停止制御処理について説明する。図38は、図35のステップS109Aのリール停止制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1301では、疑似遊技の設定があるか否かを判定する。疑似遊技の設定がある、つまり疑似遊技フラグがONである場合には、ステップS1302に進み、そうでない場合には、ステップS1303に進む。
ステップS1302では、疑似遊技のリール停止制御処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS1303では、本遊技のリール停止制御処理を実行する。
このように本実施形態では、疑似遊技の設定がある場合には、疑似遊技のリール停止制御処理を実行した後に本遊技のリール停止制御処理を実行し、疑似遊技の設定がない場合には、本遊技のリール停止制御処理を実行する。
<疑似遊技のリール停止制御処理>
次に図39を用いて、疑似遊技のリール停止制御処理について説明する。図39は、図38のステップS1302の疑似遊技のリール停止制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1401では、リール110〜112の回転速度が一定であるか否かを判定する。リール110〜112の回転速度が一定である場合には、ステップS1402に進み、そうでない場合には、ステップS1401を繰り返す。
ステップS1402では、ストップボタン137〜139の操作を有効とする。
ステップS1403では、疑似遊技規制タイマの設定を行う。疑似遊技規制タイマは、1回の疑似遊技の時間を計測するタイマである。本実施形態では、疑似遊技規制タイマを用いて、1回の疑似遊技の実行時間を所定時間TA(具体的には約20秒)に制限している。ステップS1403では、疑似遊技規制タイマに初期値として所定時間TAに相当するタイマ値が設定される。このタイマ値は主制御部300のタイマ割込処理(ステップS1005のタイマ更新処理)が実行されるごとにデクリメントされる。
ステップS1404では、ストップボタン137〜139に対する操作があったか否かを判定する。ストップボタン137〜139に対する操作があった場合には、ステップS1405に進み、そうでない場合には、ステップS1407に進む。
ステップS1405では、停止操作のあったストップボタン137〜139に対応するリール110〜112を疑似停止させる。また、ステップS1405では、第1停止リールの疑似停止を開始した時点において疑似停止開始コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS1406では、全リール110〜112が疑似停止しているか否かを判定する。全リール110〜112が疑似停止している場合には、ステップS1409に進み、そうでない場合には、ステップS1404に戻る。
ステップS1407では、疑似遊技規制タイマがタイムアウト、つまり、初期設定されたタイマ値に相当する所定時間TAが経過したか否かを判定する。疑似遊技規制タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1408に進み、そうでない場合には、ステップS1404に戻る。
ステップS1408では、ストップボタン137〜139の操作が有効になってから全ストップボタン137〜139の操作がなく、所定時間TAが経過したので、全リール110〜112を疑似停止させる。このように本実施形態の疑似遊技では、疑似遊技の遊技進行の促進を図るため、停止操作がない場合にはリール110〜112を自動疑似停止させる機能を有している。また、ステップS1408では、全リール110〜112が回転中であって全リール110〜112を疑似停止させた場合には、疑似停止を開始した時点において疑似停止開始コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS1409では、疑似遊技の実行判定処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS1410では、疑似遊技の設定があるか否かを判定する。疑似遊技の設定がある、つまり疑似遊技フラグがONである場合には、ステップS1411に進み、そうでない場合には、ステップS1413に進む。
ステップS1411では、疑似遊技間待機タイマの設定を行う。疑似遊技間待機タイマは、今回の疑似遊技と次回の疑似遊技の間の時間間隔を計測するタイマである。本実施形態では、今回の疑似遊技と次回の疑似遊技の間を所定時間TB(具体的には約1秒)としているので、ステップS1411では、疑似遊技間待機タイマに初期値として所定時間TBに相当するタイマ値が設定される。このタイマ値は主制御部300のタイマ割込処理が実行されるごとにデクリメントされる。また、ステップS1411では、今回の疑似遊技が終了したことを示す疑似遊技終了コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS1412では、疑似遊技において全リール110〜112を回転開始させる疑似遊技の回転開始処理(詳しくは後述)を実行する。ステップS1412の処理を終了後はステップS1401に進む。
一方、ステップS1413では、疑似遊技を終了させる条件が成立したので(3回の疑似遊技が終了、または内部当選した特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止した)、疑似遊技実行済フラグをONに設定する。
ステップS1414では、疑似遊技が終了したので、疑似遊技終了タイマの設定を行う。疑似遊技終了タイマは、疑似遊技と本遊技の間の時間間隔を計測するタイマであり、所定の演出(例えば、疑似遊技が終了した旨の演出、本遊技が開始される旨の演出など)を実行するために時間を確保するために設けられている。本実施形態では、疑似遊技と本遊技の間の時間間隔を所定時間TC(具体的には約1秒)としているので、ステップS1414では、疑似遊技終了タイマに初期値として所定時間TCに相当するタイマ値が設定される。このタイマ値は主制御部300のタイマ割込処理が実行されるごとにデクリメントされる。また、ステップS1414では、疑似遊技が終了したことを示す疑似遊技終了コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS1415では、本遊技において全リール110〜112を回転開始させる本遊技のリール回転処理(詳しくは後述)を実行する。
<疑似遊技の実行判定処理>
次に図40を用いて、疑似遊技の実行判定処理について説明する。図40は、図39のステップS1409の疑似遊技の実行判定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1501では、リール110〜112の停止位置を判定する。
ステップS1502では、内部当選した特別役1または特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止したか否かを判定する。内部当選した特別役1または特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に疑似停止した場合には、ステップS1505に進み、そうでない場合には、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、疑似遊技数をカウントする。カウントされた疑似遊技数はRAM308の所定領域に記憶される。
ステップS1504では、カウントした疑似遊技数が規定回数PN(本実施形態では3回)に達したか否かを判定する。カウントした疑似遊技数が規定回数PNに達した場合には、ステップS1505に進み、そうでない場合には、疑似遊技の実行判定処理を終了する。
ステップS1505では、疑似遊技フラグをOFFに設定する。すなわち、(1)今回の疑似遊技において内部当選した特別役1または特別役2に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合、(2)今回の遊技において実行した疑似遊技の回数が3回に達した場合には、今回の疑似遊技が終了しても次の疑似遊技は実行されず、本遊技が実行される。
<疑似遊技の回転開始処理>
次に図41を用いて、疑似遊技の回転開始処理について説明する。図41は、図39のステップS1412の疑似遊技の回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1601では、疑似遊技開始タイマの設定を行う。疑似遊技開始タイマは、疑似遊技のスタート操作を受け付けるまでの計測するタイマであり、本実施形態では、前回の疑似遊技が終了した後、所定の待機時間(5秒)が経過してもスタートレバー操作がない場合には、疑似遊技を迅速に進めるため、リール110〜112を自動的に回転開始させるようにしている。ステップS1601では、この所定の待機時間TD(具体的には約5秒)に相当するタイマ値を疑似遊技開始タイマに初期設定する。疑似遊技開始タイマのタイマ値は、主制御部タイマ割込処理が実行されるたびにステップS1005のタイマ更新処理においてデクリメントされる。
ステップS1602では、スタートレバー135に対する操作があったか否かを判定する。スタートレバー135に対する操作があった場合には、ステップS1604に進み、そうでない場合には、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、疑似遊技開始タイマの計測により所定時間TDが経過したか否かを判定する。疑似遊技開始タイマの計測により所定時間TDが経過した場合には、ステップS1604に進み、そうでない場合には、ステップS1602に戻る。
ステップS1604では、全リール110〜112の回転開始を行う。すなわち、(1)スタートレバー操作があった場合、(2)スタートレバー操作がなく所定時間TDが経過した場合には、全リール110〜112の回転開始を行う。なお、ステップS1604では、疑似遊技リール回転開始コマンド(疑似遊技開始コマンド)を第1副制御部400に送信する。
<本遊技の回転開始処理>
次に図42を用いて、本遊技の回転開始処理について説明する。図42は、図39のステップS1415の本遊技の回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1700では、疑似遊技終了タイマの計測により所定時間TCが経過したか否かを判定する。疑似遊技終了タイマの計測により所定時間TCが経過した場合には、ステップS1701に進み、そうでない場合には、ステップS1700を繰り返す。
ステップS1701では、中リール111の回転開始タイマの値を取得する。具体的には、0〜756.512msに相当するタイマ値を抽選処理により取得する。
ステップS1702では、右リール112の回転開始タイマの値を取得する。具体的には、0〜756.512msに相当するタイマ値を抽選処理により取得する。
ステップS1703では、左リール110を回転開始する。
ステップS1704では、左リール110の加速が終了したか否かを判定する。左リール110の加速が終了した場合には、ステップS1705に進み、そうでない場合には、ステップS1704に戻る。
ステップS1705では、中リール111の回転開始タイマを設定する。詳しくは、ステップS1701において取得したタイマ値を初期設定する。中リール111の回転開始タイマの値は、主制御部タイマ割込処理が実行されるたびにステップS1005のタイマ更新処理においてデクリメントされる。
ステップS1706では、中リール111の回転開始タイマがタイムアウト、つまり、初期設定されたタイマ値に相当する待機時間が経過したか否かを判定する。中リール111の回転開始タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1707に進み、そうでない場合には、ステップS1706に戻る。
ステップS1707では、中リール111の回転開始タイマに初期設定されたタイマ値に相当する時間が経過したので、中リール111は回転開始する。なお、ステップS1707において中リール111は回転開始するが、回転開始するまでの間、中リール111は疑似停止を行っている(図33参照)。
ステップS1708では、中リール111の加速が終了したか否かを判定する。中リール111の加速が終了した場合には、ステップS1709に進み、そうでない場合には、ステップS1708に戻る。
ステップS1709では、右リール112の回転開始タイマを設定する。詳しくは、ステップS1702において取得したタイマ値を初期設定する。右リール112の回転開始タイマの値は、主制御部タイマ割込処理が実行されるたびにステップS1005のタイマ更新処理においてデクリメントされる。
ステップS1710では、右リール112の回転開始タイマがタイムアウト、つまり、初期設定されたタイマ値に相当する待機時間が経過したか否かを判定する。右リール112の回転開始タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1711に進み、そうでない場合には、ステップS1710に戻る。
ステップS1711では、右リール112の回転開始タイマに初期設定されたタイマ値に相当する時間が経過したので、右リール112は回転開始する。なお、ステップS1711において右リール112は回転開始するが、回転開始するまでの間、右リール112は疑似停止を行っている(図33参照)。
このように疑似遊技を実行した直後の本遊技のリール回転開始処理においては、左リール110、中リール111、右リール112の順序でリール110〜112が順次回転開始するが、中リール111及び右リール112はランダム遅延を行った後にリール回転開始を行う。
<メインリールとサブリールの回転開始タイミング>
次に、今まで説明した疑似遊技の内容を踏まえて、メインリール110〜112がランダム遅延を伴うリール回転開始を行う場合のメインリールとサブリールの回転開始タイミングについて説明する。
図43は、メインリール110〜112がランダム遅延を伴うリール回転開始を行う場合、つまり疑似遊技が終了して本遊技を開始する場合のメインリール110〜112及びサブリール191の回転状態を示すタイムチャートである。
なお、以下においては、メインリール110〜112のそれぞれが停止状態から定速状態になるまでの時間をT11、中リール111及び右リール112のランダム遅延時間をそれぞれT12、全メインリール110〜112が定速になってからインデックスを検知するまでの時間をT13、メインリール110〜112が回転開始(最初の回転開始)してからストップボタン137〜139が有効となるまでの時間をT10とする。また、サブリール191が停止状態から定速状態になるまでの時間をT21、サブリール191が定速になってからインデックスを検知するまでの時間をT22、サブリール191が回転開始してからストップボタン137〜139が有効となるまでの時間をT20とする。具体的には、T11は66.176ms、T12は0〜765.512ms(抽選結果により異なる)、T13は0〜758.016ms(定速状態に達した時の検知片の位置により最大リール1回転に要する時間が必要となる)、T21は56.0ms、T22は0〜760ms(定速状態に達した時の検知片の位置により最大リール1回転に要する時間が必要となる)となっている。
第2実施形態では、メインリール110〜112のうち最初に回転開始する左リール110のリール回転開始コマンドを第1副制御部400が受信したときにサブリール191を回転開始するようにしているので、サブリール191は、時点t31において左リール110とともに回転開始するようになっている。よって、第1副制御部400は、サブリール191の回転開始時期を遅延させる処理を行っていない。このように本実施形態では、メインリール110〜112がランダム遅延を伴うリール回転開始を行う場合、メインリール110とサブリール191は同時に回転開始するので、遊技者は違和感なく以後の停止操作に臨むことができる。
図44は、メインリール110〜112とサブリール191の加速開始から加速終了までの加速パターンを示す表であり、上述したT11が66.176ms、T21が56.0msであることを示している。このように本実施形態では、メインリール110〜112とサブリール191は視覚的には略同一の加速を有しているが、サブリール191の方がメインリール110〜112よりも若干速く加速を完了するように構成されている。すなわち、サブリール191とメインリール110〜112を同時に加速開始させた場合、サブリール191の方がメインリール110〜112よりも早く停止可能な状態となる可能性が高まる。ここで、停止可能な状態とは、対象となるリールに対して停止操作が可能(有効)となる状態をいい、回転開始したリールが加速を終了して定速状態に達し、かつインデックス検知が行われた状態をいう。具体的には、メインリール110〜112においては、左リール110が回転開始した時点t31から時間T10が経過した時点t33以降が停止可能な状態であり、また、サブリール191においては、サブリール191が回転開始した時点t31から時間T20が経過した時点t32以降が停止可能な状態である。
なお、複数のサブリール191を備えた場合、複数のサブリール191を同時に回転開始させてもよい。遊技者に違和感を与えないようになる場合がある。なお、複数のサブリール191を備えた場合、それぞれのサブリール191をずらして回転開始させてもよい。ずらす時間はT21以上T20未満が好ましい。メインリール111〜112に対する遅延時間の設定と同等の設定となり、遊技者に違和感を与えないようになる場合がある。
このように本実施形態では、時点t32<時点t33となり、サブリール191がメインリール110〜112に先立って停止可能な状態となるようにメインリール110〜112及びサブリール191の回転開始制御を行っている。回転開始したリールが加速を終了して定速状態に達し、直後にインデックス検知が行われた場合と、回転開始したリールが加速を終了して定速状態に達し、略一周回転してインデックス検知が行われた場合とを考慮すると、T13およびT22は0〜1回転の周期時間を取り得る。よって、サブリール191の加速開始から加速終了までに要する時間T21にサブリール191の回転周期T22の最大値を加えた時間が、メインリール110の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール111の回転開始を遅延させるランダム遅延時間T12の最大値と、メインリール111の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール112の回転開始を遅延させるランダム遅延時間T12の最大値と、メインリール112の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール110〜112の何れかのリールの回転周期T13の最大値を加えた時間と、加えた時間を超えない時間となるよう設定されている。
また、メインリール110〜112の定速回転における回転周期758.016ms(=T13の最大時間)は、サブリール191の定速回転における回転周期760.0ms(=T22の最大時間)と同一でないので、これにより、サブリール191がメインリール110〜112の目押し補助になることを回避している。
以上、本実施形態では、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始をする場合、サブリール191の回転開始の時点は、メインリールのうち最後に回転開始する右リール112の開始時点よりも早く設定されているので、メインリール110〜112が停止可能な状態となったときにサブリール191が停止可能な状態になっていない状況を極力回避することができる。この結果、サブリール191がメインリールにおいてランダム遅延を伴うリール回転開始を実行しても、遊技者を過度に待たせることがない。
なお、以下の第2実施形態の変形例においては、重複記載となるので説明を省略するが、特段の説明がない場合であっても、以下の構成を採用してもよい。すなわち、複数のサブリール191を備えた場合において複数のサブリール191を同時に回転開始させてもよいのは勿論であり、また、複数のサブリール191を備えた場合にそれぞれのサブリール191をずらして回転開始させてもよいのも勿論である。そして、後者の場合にはずらす時間はT21以上T20未満が好ましい。また、メインリール110〜112とサブリール191において、時点t32<時点t33となり、サブリール191がメインリール110〜112に先立って停止可能な状態となるようにメインリール110〜112及びサブリール191の回転開始制御を行うのも勿論である。すなわち、回転開始したリールが加速を終了して定速状態に達し、直後にインデックス検知が行われた場合と、回転開始したリールが加速を終了して定速状態に達し、略一周回転してインデックス検知が行われた場合とを考慮すると、T13およびT22は0〜1回転の周期時間を取り得る。よって、サブリール191の加速開始から加速終了までに要する時間T21にサブリール191の回転周期T22の最大値を加えた時間が、メインリール110の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール111の回転開始を遅延させるランダム遅延時間T12の最大値と、メインリール111の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール112の回転開始を遅延させるランダム遅延時間T12の最大値と、メインリール112の加速開始から加速終了までに要する時間T11と、メインリール110〜112の何れかのリールの回転周期T13の最大値を加えた時間と、加えた時間を超えない時間となるよう設定されている。
<第2実施形態の変形例>
なお、第2実施形態において、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始をする場合、左リール110とサブリール191が同時に回転開始したが、メインリールとサブリールは同時に回転開始しなくてもよい(変形例1)。例えば、図45に示すように、左リール110もランダム遅延を伴ったリール回転開始を行い、サブリール191が回転開始した後に、左リール110が回転開始するようにしてもよい。すなわち、メインリール110〜112のすべてがランダム遅延して回転開始してもよい。この場合には、メインリール110〜112よりも先にサブリール191が回転開始することになる。
また、第2実施形態では、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始をする場合、左リール110→中リール111→右リール112の順序で回転開始をしたが、これに限定されない。例えば、図46に示すように、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始をする場合、右リール112→中リール111→左リール110の順序で回転開始を行い、右リール112とサブリール191が同時に回転開始するようにしてもよい(変形例2)。この場合には、サブリール191に隣接する左リール110は最後に回転開始するので、左リール110の停止操作を行う際にサブリール191の図柄に基づいて目押し補助を行うことを防止することができ、以て遊技の公平性を確保することができる。
また、第2実施形態では、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行ったが、これとともにサブリール191もランダム遅延を伴ったリール回転開始を行うようにしてもよい(変形例3)。例えば、図47は、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合においてサブリール191もランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合のタイムチャートを示している。T23は、サブリール191のランダム遅延の時間を示している。このようにサブリール191もランダム遅延を伴ったリール回転開始を行うことにより、左リール110とサブリール191は同期して回転開始しなくなるので、左リール110の停止操作を行う際にサブリール191の図柄に基づいて目押し補助を行うことを防止することができ、以て遊技の公平性を確保することができる。
なお、メインリールとサブリールを非同期に回転開始させる方法は、上述した変形例1〜3の方法に限定されない。例えば、図48に示すように、メインリールのうち最初に回転開始する左リール111が定速状態になったときに主制御部300はサブリール191の回転開始を指示するサブリール回転指示コマンドを第1副制御部400に送信するようにし、第1副制御部400がこのサブリール回転指示コマンドを受信した時点t62においてサブリール191を回転開始するようにしてもよい(変形例4)。この場合にも左リール110とサブリール191は同期して回転開始しなくなるので、左リール110の停止操作を行う際にサブリール191の図柄に基づいて目押し補助を行うことを防止することができ、以て遊技の公平性を確保することができる。
なお、図48においては、最初に回転開始したメインリールが定速に達したときにサブリール回転指示コマンドを送信したが、2番目に回転開始したメインリールが定速に達したときにサブリール回転指示コマンドを送信するようにしてもよい。サブリール191の回転開始時期を遅らせることができるので、メインリールとサブリールにおいて停止可能な状態となる時期が近接し、遊技者の待たされた感を軽減することができる。
なお、第2実施形態では、サブリール191の加速パターンは1つであったが(図44(b)参照)、複数の加速パターンを備えるようにしてもよい(変形例5)。例えば、図49に示すように、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行わない場合には、加速パターン1を用いてサブリール191を加速させ、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合には、加速パターン2を用いてサブリール191を加速させるようにしてもよい。この場合、加速パターン2の加速時間T21Bは、加速パターン1の加速時間T21Aよりも加速時間を短く設定しているので、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合には、より短時間でサブリール191は定速状態に達するものである。すなわち、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合には、メインリールとサブリールの回転開始における非同期の度合いがさらに大きくなるので、メインリールの停止操作を行う際にサブリール191の図柄に基づいて目押し補助を行うことを防止でき、より遊技の公平性を確保することができる。
また、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合には、図50に示すように、サブリール191が回転開始する時点t31からサブリール191のリールバックライト94を点滅させるようにしてもよい(変形例6)。サブリール191のリールバックライト94を点滅させることにより、遊技者に急がせている感じを与えるので、遊技者を待たせている印象を薄めることができる。なお、この場合、停止操作があるまでサブリール191のリールバックライト94の点滅を継続してもよい(停止操作後はサブリール191のリールバックライト94は点灯する)。また、この場合、ストップボタン137〜139が有効となった後にサブリール191のリールバックライト94を点灯に切り替えるようにしてもよい。停止操作有効のタイミングを視覚的に容易に把握することが可能となる。
また、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行う場合には、図51に示すように、左リール110及びサブリール191が回転開始する時点t31から、メインリール110〜112及びサブリール191のリールバックライト94すべてを点滅させるようにしてもよい(変形例7)。ここで、メインリール110〜112のリールバックライト94の点滅とは、正確には、入賞ラインを除く図柄領域におけるリールバックライト94の点滅を意味する。メインリール110〜112及びサブリール191のリールバックライト94のすべてが点滅するので、メインリールがランダム遅延を伴ったリール回転開始を行ったことが遊技者にわかりにくくなるという効果がある。なお、この場合、停止操作があるまでメインリール110〜112及びサブリール191のリールバックライト94の点滅を継続してもよい(停止操作後はメインリール110〜112及びサブリール191のリールバックライト94は点灯する)。また、この場合、ストップボタン137〜139が有効となった後にメインリール110〜112及びサブリール191のリールバックライト94のすべてを点灯に切り替えるようにしてもよい。停止操作有効のタイミングを視覚的に容易に把握することが可能となる。
また、第2実施形態では、メインリール110〜112とサブリール191の形状及び大きさを同一としたが、異なるようにしてもよい。例えば、図52に示すように、サブリール191Aの外径をメインリール110〜112の外径よりも大きくし、かつサブリール191Aのリール幅をメインリール110〜112のリール幅よりも細くしてもよい(変形例8)。なお、図52(a)は、変形例8のメインリール110〜112及びサブリール191Aの外観斜視図、図52(b)は、この変形例のメインリール110〜112及びサブリール191Aが組み込まれたリール回転装置185Aの外観斜視図である。
一般にリールの半径を大きくした場合、リールの回転速度が同一であっても、遊技者は体感的にリールの回転速度が速いと感じる。また、一般にリール幅を狭めてリールの面積を小さくした場合、リールの回転速度が同一であっても、遊技者は体感的にリールの回転速度が速いと感じる。よって、リールの半径や幅を変更することにより、リールの回転制御を変更することなく、停止操作の難易度を変化させることが可能である。
また、第2実施形態では、メインリール110〜112及びサブリール191は、同一の回転軸上に配置されていたが、メインリール110〜112及びサブリール191の配置はこれに限定されるものではない。例えば、図53に示すように、サブリール191Bの回転軸がメインリール110〜112の回転軸よりも前方となるようにサブリール191Bを配置してもよい(変形例9)。この場合、遊技者とサブリール191Bとの距離が近くなるので、遊技者はサブリール191Bの図柄を認識しやすくなるという効果がある。なお、図53(a)は、変形例9のメインリール110〜112及びサブリール191Bの外観斜視図、図53(b)は、この変形例のメインリール110〜112及びサブリール191Bが組み込まれたリール回転装置185Bの外観斜視図である。勿論、サブリールの配置はこれに限定されず、サブリール191Bの回転軸がメインリール110〜112の回転軸よりも後方となるようにサブリール191を配置してもよい。また、1のサブリールではなく、複数のサブリールを配置するようにしてもよい。この場合、複数のサブリールすべてをメインリール110〜112よりも前方又は後方に配置してもよいし、複数のサブリールの一部をメインリール110〜112よりも前方又は後方に配置してもよい。また、1又は複数のサブリールを移動させる方向はメインリールの前後方向に限定されず、メインリール110〜112の上下方向に移動して配置してもよい。このように、サブリールの回転軸をメインリールの回転軸からずらすことにより、リールの回転制御を変更することなく、停止操作の難易度を変化させることが可能である。
また、第2実施形態では、図柄表示窓113から視認可能な図柄領域(以下、視認領域という)は、メインリール110〜112とサブリール191において同一の大きさを有していたが(縦方向に概ね3図柄表示)、これに限定されない。例えば、図54(a)に示すように、左リール110の視認領域が、他のメインリール111、112及びサブリール191の視認領域よりも小さくなるように図柄表示窓113を設けて、サブリール191の図柄を左リール110の図柄よりも目立つようにしてもよい。また、例えば、図54(b)に示すように、サブリール191の視認領域だけをメインリール110〜112の視認領域よりも大きくなるように図柄表示窓113を設けて、サブリール191の図柄をメインリール110〜112の図柄よりも目立つようにしてもよい。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
回転駆動される複数のリール(例えば、メインリール110〜112、サブリール191)と、前記複数のリールの回転を停止させるために操作される複数の停止ボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、遊技の進行を制御する主制御手段(例えば、主制御部300)と、演出を制御する演出制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記複数のリールは、前記主制御手段により回転駆動される複数の主制御リール(例えば、メインリール110〜112)と、前記演出制御手段により回転駆動される一又は複数の演出制御リール(例えば、サブリール191)と、を備えるものであり、前記主制御手段は、所定の条件が成立した場合(例えば、疑似遊技が終了して本遊技を開始する場合)、前記複数の主制御リールのうちの少なくとも一つに対して、回転開始のタイミングをランダムなタイミングとして、前記複数の主制御リールをランダムに回転開始させるランダム回転開始処理(例えば、ランダム遅延を伴うリール回転開始)を実行可能なものであり、前記演出制御手段は、前記主制御手段が前記ランダム回転開始処理を実行する場合、前記複数の主制御リールのうち最後に回転開始するリールの回転開始タイミングよりも早いタイミングで前記一又は複数の演出制御リールを回転開始させる回転開始処理を実行可能なものである、ことを基本的構成とする。
上記基本的構成においては、主制御リールがランダム回転開始処理を実行する場合であっても、演出制御リールは主制御リールよりも早く回転開始するので、過度に遊技者を待たせることなく停止操作を行わせることができる。
また、上記構成において、前記複数の主制御リールのうちの一つを第一の主制御リール(例えば、リール110)とし、前記一又は複数の演出制御リールのうちの一つを第一の演出制御リール(例えば、サブリール191)とした場合、前記複数の停止ボタンのうちの少なくとも一つ(例えば、ストップボタン137)は、前記第一の主制御リールと前記第一の演出制御リールとの回転を停止させるために操作される第一の停止ボタンであり、前記主制御手段は、回転開始条件の成立により、前記複数の主制御リールを回転開始させる回転開始処理を実行可能とするとともに、前記回転開始条件の成立に係わる情報(例えば、リール回転開始コマンド)を送信する送信処理を実行可能とするものであり、前記演出制御手段は、前記回転開始条件の成立に係わる情報を受信した場合、前記第一の演出制御リールを回転開始する回転開始処理を実行可能なものであり、前記主制御手段は、前記第一の停止ボタンに対する操作がある場合、前記第一の主制御リールを停止させる停止処理を実行可能とするとともに、前記第一の主制御リールの停止に係わる情報(例えば、ストップボタン受付1コマンド)を前記演出制御手段に送信する送信処理を実行可能とするものであり、前記演出制御手段は、前記第一の主制御リールの停止に係わる情報を受信した場合、前記第一の演出制御リールを停止する停止処理を実行可能なものである、ことが好ましい。
この場合、第一の停止ボタンの操作に対応付けられた第一の主制御リールと第一の演出制御リールとが同時に回転開始するので、遊技者に違和感がない。
また、上記構成において、前記主制御手段は、第一の停止条件が成立(例えば、メインリール110〜112が定速回転、かつインデックス検知あり)した後、回転中の前記複数の主制御リールを停止可能な状態とするものであり、前記演出制御手段は、第二の停止条件が成立(例えば、サブリール191が定速回転、かつインデックス検知あり)した後、回転中の前記一又は複数の演出制御リールを停止可能な状態とするものであり、前記複数の主制御リールが回転開始してから前記第一の停止条件が成立するまでの時間を第一の時間とし、前記一又は複数の演出制御リールが回転開始してから前記第二の停止条件が成立するまでの時間を第二の時間とした場合、前記第二の時間は前記第一の時間よりも短くなるように設定されている、ことが好ましい。
この場合、演出制御リールは主制御リールよりも先に停止可能な状態となるので、主制御リールがランダム回転開始処理を実行する場合であっても、過度に遊技者を待たせることなく停止操作を行わせることができる。
また、上記構成において、前記主制御手段は、前記ランダム回転開始処理を実行する場合、少なくとも前記第一の主制御リールに対してランダム回転開始処理を実行可能なものである、ことが好ましい。
この場合、演出制御リールと対応関係にある主制御リールがランダム回転開始処理を実行するので、このランダム回転開始処理を実行する主制御リールに対して停止操作する場合、演出制御リールが主制御リールの目押しを補助することはない。
また、上記構成において、前記一又は複数の演出制御リールの回転速度は、前記複数の主制御リールの回転速度と異なる回転速度である、ことが好ましい。
この場合、主制御リールと演出制御リールの回転速度は異なるので、主制御リールに対して停止操作する場合、演出制御リールが主制御リールの目押しを補助することはない。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。