JP2004129926A - アルデヒド吸着剤及びその用途、その使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホルムアルデヒドの低減に非常に優れたアルデヒド吸着剤を提供すること。
【解決手段】アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるアルデヒド吸着剤であって、特に好ましくは、アクリル系樹脂[I]が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合成分として含むアクリル系樹脂[I]である。
【解決手段】アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるアルデヒド吸着剤であって、特に好ましくは、アクリル系樹脂[I]が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合成分として含むアクリル系樹脂[I]である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド吸着剤に関するものであり、更に詳しくは各種基材から発生するホルムアルデヒドを吸着するアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂からなるアルデヒド吸着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホルムアルデヒドは低分子の合成原料や高分子樹脂の製造原料としても多量に使用されている。
そして、これらから得られた樹脂、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂やメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等は接着加工、成形加工、紙加工、繊維加工、塗料、化粧板等の広汎な用途に使用されている。
しかしながら、かかる樹脂を製造する際あるいは樹脂を加工する際に、しばしばホルムアルデヒドが僅かながら雰囲気中に逸散し刺激臭が漂うという問題が発生し、更には、かかる樹脂を使用して得られる各種加工製品もホルムアルデヒドを発生する傾向があり問題とされている。
【0003】
又、一般の木材にもホルムアルデヒドが含まれており、かかる木材からも微量のホルムアルデヒドが気中に放散することが知られている。
ホルムアルデヒドは人体に有害であり、空気中に10ppm以上存在するとその刺激臭に耐えられなくなるものであり、加工製品や日常生活と密接に関連している建材、機器、衣料、自動車、衛生材、雑貨、食品容器等から発生するホルムアルデヒドを低減させる方法が強く求められている。
【0004】
かかる対策の一つとしてホルムアルデヒド捕捉剤の利用が汎用的に行われている。ホルムアルデヒド捕捉剤としては従来、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレタン等が知られており、上記ホルムアルデヒドを含む樹脂と同浴で処理するか、あるいはホルムアルデヒドを含む樹脂による加工後、ホルムアルデヒド捕捉剤をスプレー等により付着させる方法等がある。
又、ホルムアルデヒド捕捉剤を必要としない方法として、アセトアセチル基含有アクリル系樹脂からなるアルデヒド吸着剤を使用する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−89920号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のホルムアルデヒド捕捉剤を使用する方法では、本発明者が詳細に検討した結果、ホルムアルデヒド吸着能力の点で十分ではなく、又ホルムアルデヒド吸着能力をより向上させるべく多量に捕捉剤を使用すると、使用対象となる材料の性能を低下させる恐れがあり、例えば粘着剤とした場合の粘着物性の低下をまねき、ホルムアルデヒド吸着能力と粘着物性とを両立させることが困難である。更に上記特許文献1に開示技術においても、ホルムアルデヒド吸着能力、特にホルムアルデヒドの吸着速度の点で、まだまだ満足のいくものではないことが判明した。
そこで、本発明では、ホルムアルデヒドを効率良く低減させるアルデヒド吸着剤及びその用途を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるアルデヒド吸着剤がホルムアルデヒド等のアルデヒドを低減させるのに優れた効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
特に、本発明では、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合成分として含むアクリル系樹脂[I]であることがその製造面や物性面から工業的に簡便かつ品質の安定性の点で好ましい。
更に本発明では、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]に架橋剤及び/又は放置安定化剤を配合することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のアルデヒド吸着剤は、樹脂中にアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を導入したアクリル系樹脂[I]からなることが最大の特徴である。
アクリル系樹脂への非反応性の親水性基の導入方法としては、後述の非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を使用する共重合法が採用され、又、アクリル系樹脂へのアセトアセチル基の導入方法としては、以下のような方法が採用される。
【0010】
▲1▼アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)を重合し、望ましくはアクリル系単量体と共重合する。ここでアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)は、例えば次の方法によって取得される。
▲1▼−1 官能基含有エチレン性不飽和単量体にジケテンを反応させる。
▲1▼−2 該単量体とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
▲1▼−1の場合の官能基としてはヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。官能基含有エチレン性不飽和単量体のうち好適なものは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等である。
【0011】
▲2▼上述の官能基含有エチレン性不飽和単量体成分を含むアクリル系共重合体にジケテンを反応させる。反応は例えば溶液状の共重合体にジケテンを添加して加熱撹拌すればよい。
【0012】
▲3▼アセト酢酸エステルとエステル交換可能な官能基(ヒドロキシル基やエステル基)を含有するエチレン性不飽和単量体を含むアクリル系共重合体とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
【0013】
▲4▼アクリル系共重合体に、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)をグラフト重合又は共存重合する。
【0014】
上記▲1▼−1又は▲2▼の場合のジケテンの反応は無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。
上記▲1▼−2又は▲3▼の場合のアセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記のアセトアセチル基を含有させる方法のうち、工業的には▲1▼の方法が簡便かつ品質の安定性の点で好ましい。
【0015】
特に本発明においては、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]を得るに当たって、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合することが簡便かつ安定に得られる点で好ましい。
【0016】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)としては、アルキル基の炭素数1〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやアルキル基の炭素数1〜12程度のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が代表例として挙げられる。
【0017】
アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)としては、上述の▲1▼の方法で得られたものを使用すればよい。
【0018】
非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)としては、特に制限されないが、例えば3級アミン、エーテル鎖等、非反応性の親水性基として公知の親水性基を含有するエチレン性不飽和単量体が挙げられ、中でも好ましいものは一般式(1)で示されるようなエーテル鎖を持った(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c1)である。
【0019】
【化2】
(R1は水素又はメチル基、R2は炭素数1〜12のアルキル基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基、nは1〜15の整数である。)
【0020】
本発明においては、非反応性の親水性基を導入することが大きな特徴で、カルボキシル基や水酸基等の反応性の高い官能基の導入では、例えば粘着剤として使用する場合に、該官能基と添加される架橋剤とが反応してしまい、本発明ほどのホルムアルデヒド吸着力、特に吸着速度は得られないものとなる。
【0021】
かかる一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c1)としては、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールルメタクリレート等が挙げられる。
【0022】
本発明において、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)及び非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)の共重合割合(重量比)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)が40〜99重量%(更には50〜95重量%、特には55〜90重量%)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)が0.5〜50重量%(更には1〜30重量%、特には3〜20重量%)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)が0.1〜50重量%(更には1〜30重量%、特には3〜20重量%)とすることが好ましい。
【0023】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)が40重量%未満では、樹脂の保存安定性が不良となり、99重量%を越えるとアルデヒド吸着能力が劣ることとなり好ましくなく、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)が0.5重量%未満ではアルデヒド吸着能力が劣ることとなり、50重量%を越えると樹脂の保存安定性が不良となり好ましくなく、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)が0.1重量%未満ではアルデヒド吸着能力、特に吸着速度が劣ることとなり、50重量%を越えると樹脂の粘着力や保持力等の物性が不安定となり好ましくない。
【0024】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)及び非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合することにより、本発明のアクリル系樹脂[I]を得るわけであるが、共重合に当たっては、前記(a)、(b)及び(c)を有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造される。
【0025】
かかる重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
【0026】
かかるラジカル共重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が具体例として挙げられる。
【0027】
かくして得られるアクリル系樹脂[I]は、そのガラス転移温度(Tg)が−20〜−90℃であることが好ましく、より好ましくは−30〜−80℃である。該ガラス転移温度(Tg)が−20℃を越えると低温下において粘着剤としての性能が発現されにくくなり、−90℃未満では凝集力の低下があり好ましくない。
【0028】
又、アクリル系樹脂[I]の重量平均分子量は20万〜150万であることが好ましく、特に好ましくは25万〜125万である。該重量平均分子量が20万未満では粘着物性の低下があり、150万を越えると粘着剤としての取り扱いが困難になり好ましくない。
尚、ガラス転移温度はFoxの式より算出されるものであり、重量平均分子量はGPCでのスチレン換算法により測定されるものである。
【0029】
又、本発明では、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)以外のその他単量体成分として、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等も使用可能である。
【0030】
更に、その他単量体成分として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸(又はその無水物)、マレイン酸(又はその無水物)、フマール酸等のカルボキシル基含有単量体や、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシル基含有単量体等を、粘着剤として使用する場合の粘着物性を向上させる目的で、本発明の効果を損なわない範囲内で使用することができる。
【0031】
かくして本発明では、上記のアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]が、ホルムアルデヒドを含有する樹脂あるいは基材に対するアルデヒド吸着剤として非常に有効であり、ホルムアルデヒドの低減に優れた効果を発揮するのである。
【0032】
本発明においては、上記アセトアセチル基及び非反応性の親水性基含有アクリル系樹脂[I]からなる吸着剤に、例えば尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレタン等の従来公知のホルムアルデヒド吸着剤を併用することも可能である。
【0033】
該公知のホルムアルデヒド吸着剤を併用する場合は、アクリル系樹脂[I]100重量部に対して30重量部以下、好ましくは20重量部以下配合するのが適当である。かかる含有量が30重量%を越えると本発明のアクリル系樹脂[I]を粘着剤としたときの粘着物性等を低下させるため好ましくない。
【0034】
本発明のアルデヒド吸着剤は、例えば上記アクリル系樹脂[I]を水あるいはトルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤に溶解して液状としたり、又、パール重合して粉体としたり、又乳化重合を行いエマルジョンとしたり、更にキャスティング、押し出し成形によりシート状あるいはフィルム状に形成して実用に供することもできる。
【0035】
本発明においては、上記アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]に更に架橋剤を配合することが好ましく、かかる架橋剤としては、例えば、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、有機金属化合物、ヒドラジド化合物、エポキシ系化合物、イミン系化合物、アミン系化合物、アジリジン系化合物、不飽和化合物等が挙げられる。中でもイソシアネート系化合物、金属キレート化合物、有機金属化合物、エポキシ系化合物が特に好ましい。
【0036】
上記イソシアネート系化合物の具体例としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
上記金属キレート化合物の具体例としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
【0038】
上記有機金属化合物の具体例としては、テトラエチルチタネート、ブチルチタネートテトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート、アルミニウムイソプロポキシド等の金属アルコキシド、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩、例えば硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロム等の金属塩等が挙げられる。
【0039】
上記エポキシ系化合物の具体例としては、例えばビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0040】
かかる架橋剤の配合量としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記アクリル系樹脂[I]100重量部に対して、0.01〜10重量部、特に好ましくは0.05〜8重量部から選択される。
【0041】
又、本発明では、上記アクリル系樹脂[I]に更にアセトアセチル基の放置安定化剤を配合することが好ましく、かかる放置安定化剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、無水酢酸、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。配合量としては、アクリル系樹脂[I]100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部が適当である。
【0042】
本発明のアルデヒド吸着剤の具体的な用途や使用方法としては特に限定はされないが、(ア)本発明の吸着剤を建築内外装材、木材、紙、プラスッチック、金属への塗装、接着剤、粘着剤等に使用する、(イ)本発明の吸着剤を含浸させた不織布をフローリング材の下に敷く、(ウ)木材や紙等の接着に用いられる接着剤や、塗料等に混合して、そのまま接着剤や塗料として使用する、(エ)紙や繊維(織布、不織布)、木材(接着剤や塗料等がコーティングされているものも含む)等の基材に塗布又は含浸させる、(オ)家具の引き出しや押し入れ等の敷物として使用する、(カ)繊維製品の包装に使用する、(キ)紙に含浸し化粧合板の化粧面に貼り付ける、(ク)冷蔵庫、冷凍庫の中に本発明の吸着剤を含有した成形体をおく、(ケ)前記(ク)において活性炭と併用し消臭剤とする、(コ)空気清浄機、クーラー、ヒーター等のフィルターに含有させ使用する、(サ)室内等の芳香剤中に本発明の吸着剤を混合して成形体にし芳香剤あるいは消臭剤として使用する、等の方法が挙げられるが、特に上記使用方法に限定されるものではない。
【0043】
本発明において特に、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]を粘着剤として使用する場合は、例えば不織布、グラフト紙、通気性フィルム、透湿性フィルム等の通気性を有する基材に塗工してなる粘着シートとすることによって本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0044】
又、通気性を有さない基材に塗工して使用することも有用で、かかる場合は、例えば通気性を有さない基材に粘着剤層を設けて、足拭きマットやゴミ取りロール等に利用することができ、このような用途においては、粘着剤面が直接空気中にさらされるため、本発明の効果をより顕著に得ることができる。かかる通気性を有さない基材としては、特に限定されないが、ポリエチレンシート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドフィルム、アルミニウム泊、コーティング紙等が挙げられる。
【0045】
かくして本発明のアルデヒド吸着剤は任意の形態で使用でき、ホルムアルデヒドを含有する樹脂又は化合物等の対象物、あるいは基材から発生するホルムアルデヒドの低減、特にはホルムアルデヒドの吸着速度に非常に優れた効果を発揮し、特に粘着剤、接着剤、塗料としての用途、とりわけ粘着剤としての用途に非常に有用である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を意味する。
【0047】
実施例1
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン96.9部(2−ヒドロキシエチルメタクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して2−ヒドロキシエチルメタクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)を得た。
【0048】
次に、ブチルアクリレート(a)50部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度45%)を得た。
【0049】
得られたアクリル系樹脂[I]溶液を用いて、以下の通り粘着剤を作製し、それを用いた試験片について、以下の通りホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度の評価を行った。
又、該粘着剤を用いて、粘着フィルムを作製し、その粘着物性についても以下通り測定した。
【0050】
[粘着剤の作製]
アクリル系樹脂[I]溶液100部(樹脂分45部)に、架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、「コロネートL」;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクトの75%酢酸エチル溶液)0.5部を加え撹拌して粘着剤溶液を得た。
【0051】
[試験片の作製]
<試料片A>
得られた粘着剤溶液を不織布に塗布(塗布量:25g/m2)した後、100℃で2分間乾燥し(乾燥後の粘着剤層の厚み25μm)、更に40℃で5日間粘着シートを養生後、ガラス板(150×200mm)の片面に貼り付けた。
<試料片B>
得られた粘着剤溶液を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布(塗布量:25g/m2)した後、100℃で2分間乾燥し(乾燥後の粘着剤層の厚み25μm)、更に40℃で5日間粘着シートを養生後、ガラス板(150×200mm)上に粘着剤塗布面が暴露される状態で固定した。
【0052】
(ホルムアルデヒド吸着能力)
内容量10Lのデシケーター2個をコックの付いた連結管にて接続し、一方のデシケーターの底部に、300mlの蒸留水を入れた直径12cm、高さ6cmの結晶皿を置き、もう一方のデシケーターには試験片及びパーチクルボード(50×150mm)を固定して載せ、コックを閉じた状態で20±1℃にて24時間放置後、コックを開けさらに20±1℃にて24時間放置して、放出されるホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させる。試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度はアセチルアセトン法によって、光電分光光度計を用いて吸光度から定量し、ホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0053】
(ホルムアルデヒド吸着速度)
内容量10Lのデシケーター2個をコックの付いた連結管にて接続し、一方のデシケーターの底部に、300mlの蒸留水を入れた直径12cm、高さ6cmの結晶皿と試験片を置き、もう一方のデシケーターにはパーチクルボード(50×150mm)を固定して載せ、コックを閉じた状態で20±1℃にて24時間放置後、コックを開けさらに20±1℃にて1時間放置して、放出されるホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させる。試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度はアセチルアセトン法によって、光電分光光度計を用いて吸光度から定量し、ホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0054】
[粘着フィルムの作製]
上記粘着剤溶液を用いて、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが25μになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ更に40℃で5日間粘着シートを養生後、粘着フィルムを作製した。
【0055】
(粘着力)
被着体としてステンレス板(SUS304)を用意し、23℃、65%RHにて上記粘着フィルムを該被着体に接着させてJIS Z 0237の粘着力の測定法に準拠して180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
【0056】
(保持力)
被着体としてステンレス板(SUS304)を用意し、該粘着フィルムを貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼着し、40℃条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z0237に準処して24時間後の保持力(ズレ(mm))を測定した。
【0057】
実施例2
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、4−ヒドロキシブチルアクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン87.5部(4−ヒドロキシブチルアクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して4−ヒドロキシブチルアクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、4−ヒドロキシブチルアクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化4−ヒドロキシブチルアクリレート(b)を得た。
【0058】
次に、ブチルアクリレート(a)47部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化4−ヒドロキシブチルアクリレート(b)5部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、「ブレンマーPME−400」)(c)10部、アクリル酸3部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂[I]溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0059】
実施例3
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、2−ヒドロキシエチルアクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン108.7部(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して2−ヒドロキシエチルアクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、2−ヒドロキシエチルアクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化2−ヒドロキシエチルアクリレート(b)を得た。
【0060】
次に、エチルアクリレート(a)20部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)55部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルアクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部、酢酸ビニル5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂[I]溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0061】
実施例4
実施例1において、アクリル系樹脂[I]溶液100部(樹脂分45部)に、尿素を10部添加し、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0062】
実施例5
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート(a)45部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0063】
比較例1
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート95部、アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0064】
比較例2
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート95部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、「ブレンマーPME−400」)5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0065】
比較例3
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とし、更に重合後に尿素を10部添加した以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0066】
比較例4
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とし、更に重合後に尿素を150部添加した以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度50%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0067】
比較例5
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0068】
比較例6
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート55部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0069】
尚、ホルムアルデヒド吸着能力の評価方法において、ブランクテストとして試験片を入れず、パーチクルボード(50×150mm)のみを入れて測定したところ、ホルムアルデヒド量は95ppmであった。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0070】
【0071】
【発明の効果】
本発明のアルデヒド吸着剤は、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるため、ホルムアルデヒドを含有する対象物、あるいは基材から発生するホルムアルデヒドの低減に非常に優れた効果を発揮し、液状、粉体、シート状、フィルム状、更には、他の樹脂や化合物、基材に含有させた成形体、塗料、粘着剤、接着剤等、任意の形態で使用でき、特に、粘着剤とした場合には粘着物性にも優れた効果を発揮するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド吸着剤に関するものであり、更に詳しくは各種基材から発生するホルムアルデヒドを吸着するアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂からなるアルデヒド吸着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホルムアルデヒドは低分子の合成原料や高分子樹脂の製造原料としても多量に使用されている。
そして、これらから得られた樹脂、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂やメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等は接着加工、成形加工、紙加工、繊維加工、塗料、化粧板等の広汎な用途に使用されている。
しかしながら、かかる樹脂を製造する際あるいは樹脂を加工する際に、しばしばホルムアルデヒドが僅かながら雰囲気中に逸散し刺激臭が漂うという問題が発生し、更には、かかる樹脂を使用して得られる各種加工製品もホルムアルデヒドを発生する傾向があり問題とされている。
【0003】
又、一般の木材にもホルムアルデヒドが含まれており、かかる木材からも微量のホルムアルデヒドが気中に放散することが知られている。
ホルムアルデヒドは人体に有害であり、空気中に10ppm以上存在するとその刺激臭に耐えられなくなるものであり、加工製品や日常生活と密接に関連している建材、機器、衣料、自動車、衛生材、雑貨、食品容器等から発生するホルムアルデヒドを低減させる方法が強く求められている。
【0004】
かかる対策の一つとしてホルムアルデヒド捕捉剤の利用が汎用的に行われている。ホルムアルデヒド捕捉剤としては従来、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレタン等が知られており、上記ホルムアルデヒドを含む樹脂と同浴で処理するか、あるいはホルムアルデヒドを含む樹脂による加工後、ホルムアルデヒド捕捉剤をスプレー等により付着させる方法等がある。
又、ホルムアルデヒド捕捉剤を必要としない方法として、アセトアセチル基含有アクリル系樹脂からなるアルデヒド吸着剤を使用する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−89920号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のホルムアルデヒド捕捉剤を使用する方法では、本発明者が詳細に検討した結果、ホルムアルデヒド吸着能力の点で十分ではなく、又ホルムアルデヒド吸着能力をより向上させるべく多量に捕捉剤を使用すると、使用対象となる材料の性能を低下させる恐れがあり、例えば粘着剤とした場合の粘着物性の低下をまねき、ホルムアルデヒド吸着能力と粘着物性とを両立させることが困難である。更に上記特許文献1に開示技術においても、ホルムアルデヒド吸着能力、特にホルムアルデヒドの吸着速度の点で、まだまだ満足のいくものではないことが判明した。
そこで、本発明では、ホルムアルデヒドを効率良く低減させるアルデヒド吸着剤及びその用途を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるアルデヒド吸着剤がホルムアルデヒド等のアルデヒドを低減させるのに優れた効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
特に、本発明では、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合成分として含むアクリル系樹脂[I]であることがその製造面や物性面から工業的に簡便かつ品質の安定性の点で好ましい。
更に本発明では、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]に架橋剤及び/又は放置安定化剤を配合することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のアルデヒド吸着剤は、樹脂中にアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を導入したアクリル系樹脂[I]からなることが最大の特徴である。
アクリル系樹脂への非反応性の親水性基の導入方法としては、後述の非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を使用する共重合法が採用され、又、アクリル系樹脂へのアセトアセチル基の導入方法としては、以下のような方法が採用される。
【0010】
▲1▼アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)を重合し、望ましくはアクリル系単量体と共重合する。ここでアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)は、例えば次の方法によって取得される。
▲1▼−1 官能基含有エチレン性不飽和単量体にジケテンを反応させる。
▲1▼−2 該単量体とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
▲1▼−1の場合の官能基としてはヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。官能基含有エチレン性不飽和単量体のうち好適なものは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等である。
【0011】
▲2▼上述の官能基含有エチレン性不飽和単量体成分を含むアクリル系共重合体にジケテンを反応させる。反応は例えば溶液状の共重合体にジケテンを添加して加熱撹拌すればよい。
【0012】
▲3▼アセト酢酸エステルとエステル交換可能な官能基(ヒドロキシル基やエステル基)を含有するエチレン性不飽和単量体を含むアクリル系共重合体とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
【0013】
▲4▼アクリル系共重合体に、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)をグラフト重合又は共存重合する。
【0014】
上記▲1▼−1又は▲2▼の場合のジケテンの反応は無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。
上記▲1▼−2又は▲3▼の場合のアセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記のアセトアセチル基を含有させる方法のうち、工業的には▲1▼の方法が簡便かつ品質の安定性の点で好ましい。
【0015】
特に本発明においては、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]を得るに当たって、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合することが簡便かつ安定に得られる点で好ましい。
【0016】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)としては、アルキル基の炭素数1〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやアルキル基の炭素数1〜12程度のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が代表例として挙げられる。
【0017】
アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)としては、上述の▲1▼の方法で得られたものを使用すればよい。
【0018】
非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)としては、特に制限されないが、例えば3級アミン、エーテル鎖等、非反応性の親水性基として公知の親水性基を含有するエチレン性不飽和単量体が挙げられ、中でも好ましいものは一般式(1)で示されるようなエーテル鎖を持った(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c1)である。
【0019】
【化2】
(R1は水素又はメチル基、R2は炭素数1〜12のアルキル基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基、nは1〜15の整数である。)
【0020】
本発明においては、非反応性の親水性基を導入することが大きな特徴で、カルボキシル基や水酸基等の反応性の高い官能基の導入では、例えば粘着剤として使用する場合に、該官能基と添加される架橋剤とが反応してしまい、本発明ほどのホルムアルデヒド吸着力、特に吸着速度は得られないものとなる。
【0021】
かかる一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c1)としては、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールルメタクリレート等が挙げられる。
【0022】
本発明において、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)及び非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)の共重合割合(重量比)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)が40〜99重量%(更には50〜95重量%、特には55〜90重量%)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)が0.5〜50重量%(更には1〜30重量%、特には3〜20重量%)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)が0.1〜50重量%(更には1〜30重量%、特には3〜20重量%)とすることが好ましい。
【0023】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)が40重量%未満では、樹脂の保存安定性が不良となり、99重量%を越えるとアルデヒド吸着能力が劣ることとなり好ましくなく、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)が0.5重量%未満ではアルデヒド吸着能力が劣ることとなり、50重量%を越えると樹脂の保存安定性が不良となり好ましくなく、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)が0.1重量%未満ではアルデヒド吸着能力、特に吸着速度が劣ることとなり、50重量%を越えると樹脂の粘着力や保持力等の物性が不安定となり好ましくない。
【0024】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)及び非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合することにより、本発明のアクリル系樹脂[I]を得るわけであるが、共重合に当たっては、前記(a)、(b)及び(c)を有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造される。
【0025】
かかる重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
【0026】
かかるラジカル共重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が具体例として挙げられる。
【0027】
かくして得られるアクリル系樹脂[I]は、そのガラス転移温度(Tg)が−20〜−90℃であることが好ましく、より好ましくは−30〜−80℃である。該ガラス転移温度(Tg)が−20℃を越えると低温下において粘着剤としての性能が発現されにくくなり、−90℃未満では凝集力の低下があり好ましくない。
【0028】
又、アクリル系樹脂[I]の重量平均分子量は20万〜150万であることが好ましく、特に好ましくは25万〜125万である。該重量平均分子量が20万未満では粘着物性の低下があり、150万を越えると粘着剤としての取り扱いが困難になり好ましくない。
尚、ガラス転移温度はFoxの式より算出されるものであり、重量平均分子量はGPCでのスチレン換算法により測定されるものである。
【0029】
又、本発明では、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)以外のその他単量体成分として、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等も使用可能である。
【0030】
更に、その他単量体成分として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸(又はその無水物)、マレイン酸(又はその無水物)、フマール酸等のカルボキシル基含有単量体や、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシル基含有単量体等を、粘着剤として使用する場合の粘着物性を向上させる目的で、本発明の効果を損なわない範囲内で使用することができる。
【0031】
かくして本発明では、上記のアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]が、ホルムアルデヒドを含有する樹脂あるいは基材に対するアルデヒド吸着剤として非常に有効であり、ホルムアルデヒドの低減に優れた効果を発揮するのである。
【0032】
本発明においては、上記アセトアセチル基及び非反応性の親水性基含有アクリル系樹脂[I]からなる吸着剤に、例えば尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレタン等の従来公知のホルムアルデヒド吸着剤を併用することも可能である。
【0033】
該公知のホルムアルデヒド吸着剤を併用する場合は、アクリル系樹脂[I]100重量部に対して30重量部以下、好ましくは20重量部以下配合するのが適当である。かかる含有量が30重量%を越えると本発明のアクリル系樹脂[I]を粘着剤としたときの粘着物性等を低下させるため好ましくない。
【0034】
本発明のアルデヒド吸着剤は、例えば上記アクリル系樹脂[I]を水あるいはトルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤に溶解して液状としたり、又、パール重合して粉体としたり、又乳化重合を行いエマルジョンとしたり、更にキャスティング、押し出し成形によりシート状あるいはフィルム状に形成して実用に供することもできる。
【0035】
本発明においては、上記アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]に更に架橋剤を配合することが好ましく、かかる架橋剤としては、例えば、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、有機金属化合物、ヒドラジド化合物、エポキシ系化合物、イミン系化合物、アミン系化合物、アジリジン系化合物、不飽和化合物等が挙げられる。中でもイソシアネート系化合物、金属キレート化合物、有機金属化合物、エポキシ系化合物が特に好ましい。
【0036】
上記イソシアネート系化合物の具体例としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
上記金属キレート化合物の具体例としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
【0038】
上記有機金属化合物の具体例としては、テトラエチルチタネート、ブチルチタネートテトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート、アルミニウムイソプロポキシド等の金属アルコキシド、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩、例えば硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロム等の金属塩等が挙げられる。
【0039】
上記エポキシ系化合物の具体例としては、例えばビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0040】
かかる架橋剤の配合量としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記アクリル系樹脂[I]100重量部に対して、0.01〜10重量部、特に好ましくは0.05〜8重量部から選択される。
【0041】
又、本発明では、上記アクリル系樹脂[I]に更にアセトアセチル基の放置安定化剤を配合することが好ましく、かかる放置安定化剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、無水酢酸、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。配合量としては、アクリル系樹脂[I]100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部が適当である。
【0042】
本発明のアルデヒド吸着剤の具体的な用途や使用方法としては特に限定はされないが、(ア)本発明の吸着剤を建築内外装材、木材、紙、プラスッチック、金属への塗装、接着剤、粘着剤等に使用する、(イ)本発明の吸着剤を含浸させた不織布をフローリング材の下に敷く、(ウ)木材や紙等の接着に用いられる接着剤や、塗料等に混合して、そのまま接着剤や塗料として使用する、(エ)紙や繊維(織布、不織布)、木材(接着剤や塗料等がコーティングされているものも含む)等の基材に塗布又は含浸させる、(オ)家具の引き出しや押し入れ等の敷物として使用する、(カ)繊維製品の包装に使用する、(キ)紙に含浸し化粧合板の化粧面に貼り付ける、(ク)冷蔵庫、冷凍庫の中に本発明の吸着剤を含有した成形体をおく、(ケ)前記(ク)において活性炭と併用し消臭剤とする、(コ)空気清浄機、クーラー、ヒーター等のフィルターに含有させ使用する、(サ)室内等の芳香剤中に本発明の吸着剤を混合して成形体にし芳香剤あるいは消臭剤として使用する、等の方法が挙げられるが、特に上記使用方法に限定されるものではない。
【0043】
本発明において特に、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]を粘着剤として使用する場合は、例えば不織布、グラフト紙、通気性フィルム、透湿性フィルム等の通気性を有する基材に塗工してなる粘着シートとすることによって本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0044】
又、通気性を有さない基材に塗工して使用することも有用で、かかる場合は、例えば通気性を有さない基材に粘着剤層を設けて、足拭きマットやゴミ取りロール等に利用することができ、このような用途においては、粘着剤面が直接空気中にさらされるため、本発明の効果をより顕著に得ることができる。かかる通気性を有さない基材としては、特に限定されないが、ポリエチレンシート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドフィルム、アルミニウム泊、コーティング紙等が挙げられる。
【0045】
かくして本発明のアルデヒド吸着剤は任意の形態で使用でき、ホルムアルデヒドを含有する樹脂又は化合物等の対象物、あるいは基材から発生するホルムアルデヒドの低減、特にはホルムアルデヒドの吸着速度に非常に優れた効果を発揮し、特に粘着剤、接着剤、塗料としての用途、とりわけ粘着剤としての用途に非常に有用である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を意味する。
【0047】
実施例1
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン96.9部(2−ヒドロキシエチルメタクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して2−ヒドロキシエチルメタクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)を得た。
【0048】
次に、ブチルアクリレート(a)50部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度45%)を得た。
【0049】
得られたアクリル系樹脂[I]溶液を用いて、以下の通り粘着剤を作製し、それを用いた試験片について、以下の通りホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度の評価を行った。
又、該粘着剤を用いて、粘着フィルムを作製し、その粘着物性についても以下通り測定した。
【0050】
[粘着剤の作製]
アクリル系樹脂[I]溶液100部(樹脂分45部)に、架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、「コロネートL」;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクトの75%酢酸エチル溶液)0.5部を加え撹拌して粘着剤溶液を得た。
【0051】
[試験片の作製]
<試料片A>
得られた粘着剤溶液を不織布に塗布(塗布量:25g/m2)した後、100℃で2分間乾燥し(乾燥後の粘着剤層の厚み25μm)、更に40℃で5日間粘着シートを養生後、ガラス板(150×200mm)の片面に貼り付けた。
<試料片B>
得られた粘着剤溶液を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布(塗布量:25g/m2)した後、100℃で2分間乾燥し(乾燥後の粘着剤層の厚み25μm)、更に40℃で5日間粘着シートを養生後、ガラス板(150×200mm)上に粘着剤塗布面が暴露される状態で固定した。
【0052】
(ホルムアルデヒド吸着能力)
内容量10Lのデシケーター2個をコックの付いた連結管にて接続し、一方のデシケーターの底部に、300mlの蒸留水を入れた直径12cm、高さ6cmの結晶皿を置き、もう一方のデシケーターには試験片及びパーチクルボード(50×150mm)を固定して載せ、コックを閉じた状態で20±1℃にて24時間放置後、コックを開けさらに20±1℃にて24時間放置して、放出されるホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させる。試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度はアセチルアセトン法によって、光電分光光度計を用いて吸光度から定量し、ホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0053】
(ホルムアルデヒド吸着速度)
内容量10Lのデシケーター2個をコックの付いた連結管にて接続し、一方のデシケーターの底部に、300mlの蒸留水を入れた直径12cm、高さ6cmの結晶皿と試験片を置き、もう一方のデシケーターにはパーチクルボード(50×150mm)を固定して載せ、コックを閉じた状態で20±1℃にて24時間放置後、コックを開けさらに20±1℃にて1時間放置して、放出されるホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させる。試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度はアセチルアセトン法によって、光電分光光度計を用いて吸光度から定量し、ホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0054】
[粘着フィルムの作製]
上記粘着剤溶液を用いて、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが25μになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ更に40℃で5日間粘着シートを養生後、粘着フィルムを作製した。
【0055】
(粘着力)
被着体としてステンレス板(SUS304)を用意し、23℃、65%RHにて上記粘着フィルムを該被着体に接着させてJIS Z 0237の粘着力の測定法に準拠して180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
【0056】
(保持力)
被着体としてステンレス板(SUS304)を用意し、該粘着フィルムを貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼着し、40℃条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z0237に準処して24時間後の保持力(ズレ(mm))を測定した。
【0057】
実施例2
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、4−ヒドロキシブチルアクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン87.5部(4−ヒドロキシブチルアクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して4−ヒドロキシブチルアクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、4−ヒドロキシブチルアクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化4−ヒドロキシブチルアクリレート(b)を得た。
【0058】
次に、ブチルアクリレート(a)47部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化4−ヒドロキシブチルアクリレート(b)5部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、「ブレンマーPME−400」)(c)10部、アクリル酸3部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂[I]溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0059】
実施例3
[アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の製造]
反応器に、2−ヒドロキシエチルアクリレート150部を仕込み、ジケテン付加反応の触媒としてトリエチレンジアミン0.05部を加え、60℃まで昇温後、ジケテン108.7部(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し当量)を2時間にわたって撹拌下に滴下し、更に5時間反応を続行して2−ヒドロキシエチルアクリレートのヒドロキシル基をアセトアセチル化し、2−ヒドロキシエチルアクリレートのヒドロキシル基の全てがアセトアセチル化したアセトアセチル化2−ヒドロキシエチルアクリレート(b)を得た。
【0060】
次に、エチルアクリレート(a)20部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)55部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルアクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部、酢酸ビニル5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、トルエンにて希釈することによりアセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]の酢酸エチル/トルエン溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂[I]溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0061】
実施例4
実施例1において、アクリル系樹脂[I]溶液100部(樹脂分45部)に、尿素を10部添加し、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0062】
実施例5
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート(a)45部、2−エチルヘキシルアクリレート(a)35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート(b)5部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学社製「ビスコートMTG」)(c)10部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0063】
比較例1
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート95部、アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0064】
比較例2
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート95部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、「ブレンマーPME−400」)5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度40%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0065】
比較例3
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とし、更に重合後に尿素を10部添加した以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0066】
比較例4
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とし、更に重合後に尿素を150部添加した以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度50%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0067】
比較例5
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0068】
比較例6
実施例1において、アクリル系樹脂製造時の原料の仕込み組成をブチルアクリレート55部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、上記アセトアセチル化2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アクリル酸5部とした以外は同様の操作を行い、アクリル系樹脂溶液(濃度45%)を得た。
得られたアクリル系樹脂溶液について、実施例1と同様にしてホルムアルデヒド吸着能力及び吸着速度、更に粘着物性の評価を行った。
【0069】
尚、ホルムアルデヒド吸着能力の評価方法において、ブランクテストとして試験片を入れず、パーチクルボード(50×150mm)のみを入れて測定したところ、ホルムアルデヒド量は95ppmであった。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0070】
【0071】
【発明の効果】
本発明のアルデヒド吸着剤は、アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなるため、ホルムアルデヒドを含有する対象物、あるいは基材から発生するホルムアルデヒドの低減に非常に優れた効果を発揮し、液状、粉体、シート状、フィルム状、更には、他の樹脂や化合物、基材に含有させた成形体、塗料、粘着剤、接着剤等、任意の形態で使用でき、特に、粘着剤とした場合には粘着物性にも優れた効果を発揮するものである。
Claims (9)
- アセトアセチル基及び非反応性の親水性基を含有するアクリル系樹脂[I]からなることを特徴とするアルデヒド吸着剤。
- アクリル系樹脂[I]が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)、非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)を共重合成分として含むアクリル系樹脂[I]であることを特徴とする請求項1記載のアルデヒド吸着剤。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体(b)及び非反応性の親水性基含有エチレン性不飽和単量体(c)の共重合割合が、(a)40〜99重量%、(b)0.5〜50重量%、(c)0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項2又は3記載のアルデヒド吸着剤。
- 請求項1〜4いずれか記載のアルデヒド吸着剤を含むことを特徴とする粘着剤。
- 更に、架橋剤を含有してなることを特徴とする請求項5記載の粘着剤。
- 請求項5又は6記載の粘着剤を、通気性を有する基材に塗工してなることを特徴とする粘着シート。
- 請求項5又は6記載の粘着剤を、通気性を有さない基材に塗工してなることを特徴とする粘着シート。
- 請求項8に記載の粘着シートの粘着剤面を空気中にさらすことを特徴とする粘着シートの使用方法。
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